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特許7382510加熱喫煙可能な製品と加熱不燃焼システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】加熱喫煙可能な製品と加熱不燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20231109BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20231109BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231109BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D1/20
A24F40/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022543691
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2021089832
(87)【国際公開番号】W WO2021218893
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202010362718.0
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519027992
【氏名又は名称】湖北中烟工業有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】China Tobacco Hubei Industrial Corporation Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 冰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲華▼臣
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 俊鵬
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲喬▼
【審査官】芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/037811(WO,A1)
【文献】特表2019-518450(JP,A)
【文献】国際公開第2019/115464(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108095195(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104720113(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/17
A24D 1/20
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱喫煙可能な製品の長手方向に沿って順に配列する霧化マトリックスセグメント、冷却セグメント、及び濾過セグメントを含み、前記冷却セグメントは前記霧化マトリックスセグメントが熱を受けることによって発生する煙霧を冷却するために使用され、前記濾過セグメントは前記煙霧中の少なくとも1つの成分を濾過するために使用され、前記冷却セグメントは相変化材料を含み、前記相変化材料中の成分は45℃~150℃の温度範囲内で少なくとも2つの相変化温度を有し、前記相変化温度は固体-固体相変化温度または固体-液体相変化温度であり、前記冷却セグメントには複数の通気孔が開口しており、前記冷却セグメントは少なくとも2つの冷却サブセグメントを含み、前記通気孔は冷却サブセグメントの1つに開口しており、前記相変化材料は、前記冷却セグメント本体構造内に塗布された相変化コーティングに含まれ、前記相変化材料は、ポリエチレングリコール、カルナバワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリ乳酸、グルコマンナンの少なくとも2つの成分を含むことを特徴とする加熱喫煙可能な製品。
【請求項2】
前記相変化材料中の成分は、52℃から100℃の温度範囲内で少なくとも2つの相変化温度を有することを特徴とする請求項1に記載の加熱喫煙可能な製品。
【請求項3】
前記相変化コーティングは、味を向上させるための補助材料をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の加熱喫煙可能な製品。
【請求項4】
前記相変化コーティングは、熱伝導材料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱喫煙可能な製品。
【請求項5】
前記相変化コーティングはさらに可塑剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱喫煙可能な製品。
【請求項6】
前記相変化コーティングと前記冷却セグメントとの質量比は5%~10%であることを特徴とする請求項1に記載の加熱喫煙可能な製品。
【請求項7】
通気孔が開設された冷却サブセグメントの本体が中空紙管で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱喫煙可能な製品。
【請求項8】
煙道具本体と、請求項1~のいずれかに記載の加熱喫煙可能な製品とを含む、
前記煙道具本体は収容室を形成する、前記収容室は、前記加熱喫煙可能な製品の霧化マトリックスセグメントを前記収容室に挿入するための開口を有する、前記煙道具本体は、前記加熱喫煙可能な製品の霧化マトリックスセグメントを加熱するために、前記収容室の内に設けられた加熱素子をさらに含むことを特徴とする加熱不燃焼システム。
【請求項9】
前記加熱素子は前記収容室の内部側に位置し、前記加熱素子の発熱領域の下境界は前記霧化マトリックスセグメントの下境界より少なくとも1mm高いことを特徴とする請求項に記載の加熱不燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はタバコ技術分野に関し、特に加熱喫煙可能な製品と加熱不燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱喫煙可能な製品は、加熱装置によってその霧化マトリックスセグメントを200℃~400℃に加熱することによって、従来のタバコに類似した煙霧を発生させる。煙霧がユーザーの口に入ると、温度は100℃以上に達することができます。どのように煙霧の温度をユーザーが快適に感じる範囲まで効果的に下げるかは、当業者が持続的に推進する技術問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、煙霧を効果的に低減する技術問題を解決するために、加熱喫煙可能な製品と加熱不燃焼システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の問題を解決するために、本出願が提供する技術案は以下の通りである。
【0005】
一方、本出願の実施例は、加熱喫煙可能な製品を提供する、加熱喫煙可能な製品の長手方向に沿って順に配列する霧化マトリックスセグメント、冷却セグメント、及び濾過セグメントを含み、前記冷却セグメントは前記霧化マトリックスセグメントが熱を受けることによって発生する煙霧を冷却するために使用され、前記濾過セグメントは前記煙霧中の少なくとも1つの成分を濾過するために使用され、前記冷却セグメントは相変化材料を含む、前記相変化材料中の成分は45℃~150℃の温度範囲内で少なくとも2つの相変化温度を有し、前記相変化温度は固体-固体相変化温度または固体-液体相変化温度である。
【0006】
好ましくは、前記相変化材料中の成分は、52℃から100℃の温度範囲内で少なくとも2つの相変化温度を有する。
【0007】
好ましくは、前記相変化材料は、ポリエチレングリコール、カルナバワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリ乳酸、グルコマンナンの少なくとも2つの成分を含む。
【0008】
好ましくは、前記相変化コーティングは、味を向上させるための補助材料をさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記補助材料は、香料、多糖類、植物粉末の少なくとも1つの成分を含む。
【0010】
好ましくは、前記相変化材料は重量部で40部~80部、前記補助材料は重量部で0.5部~10部である。
【0011】
好ましくは、前記相変化コーティングは、熱伝導材料をさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記熱伝導材料は黒鉛を含む。
【0013】
好ましくは、前記相変化材料は重量部で40部~80部、前記熱伝導材料は重量部で5部~10部である。
【0014】
好ましくは、前記相変化コーティングはさらに可塑剤を含む。
【0015】
好ましくは、前記可塑剤は、グリセロール、トリ酢酸グリセロール、カルボキシメチル繊維、アルギン酸ナトリウムの少なくとも1つの成分を含む。
【0016】
好ましくは、前記相変化材料は重量部で40部~80部、前記可塑剤は重量部で5部~10部である。
【0017】
好ましくは、前記相変化コーティングと前記冷却セグメントとの質量比は5%~10%である。
【0018】
好ましくは、前記冷却セグメントには複数の通気孔が開設されている。
【0019】
好ましくは、前記冷却セグメントの通風率は10~70%である。
【0020】
好ましくは、前記冷却セグメントの本体は、1段の中空紙管から形成されている。
【0021】
好ましくは、前記冷却セグメントは少なくとも2つの冷却サブセグメントを含み、前記通気孔は冷却サブセグメントの1つに開設されている。
【0022】
好ましくは、通気孔が開設された冷却サブセグメントの本体が中空紙管で形成されている。
【0023】
好ましくは、前記冷却サブセグメントの少なくとも1つの本体が中空酢酸繊維棒で形成されている。
【0024】
好ましくは、前記冷却セグメントは2段の冷却サブセグメントで接合され、2段の前記冷却サブセグメントの長さはいずれも7mm~22mmの範囲内である。
【0025】
好ましくは、前記相変化材料は、前記冷却セグメント本体構造内面に塗布された相変化コーティングに含まれる。
【0026】
一方、本出願の実施例は、加熱不燃焼システムを提供する、煙道具本体と、前記加熱喫煙可能な製品とを含む、前記煙道具本体は収容室を形成する、前記収容室は、前記加熱喫煙可能な製品の霧化マトリックスセグメントを前記収容室に挿入するための開口を有する、前記煙道具本体は、前記加熱喫煙可能な製品の霧化マトリックスセグメントを加熱するために、前記収容室の内面に設けられた加熱素子をさらに含む。
【0027】
好ましくは、前記収容室の深さと前記加熱喫煙可能な製品の長さとの比は、0.15~0.88の範囲内である。
【0028】
好ましくは、前記加熱素子は前記収容室の内部側面に位置し、前記加熱素子の発熱領域の下境界は前記霧化マトリックスセグメントの下境界より少なくとも1mm高い。
【0029】
好ましくは、前記加熱素子は赤外線加熱素子である。
【発明の効果】
【0030】
従来技術に比べて、本出願の実施例では、冷却セグメント内に相変化コーティングが設置され、相変化材料は複数の温度点で相変化を発生することができ、それによって大量の熱を吸収し、煙霧の温度を効果的に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
ここで説明する図面は、本出願のさらなる理解を提供するためのものであり、本出願の一部を構成し、本出願の概略的な実施例及びその説明は本出願を説明するためのものであり、本出願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0032】
図1】本出願の実施例によって提供される加熱喫煙可能な製品の構造概略図である。
【0033】
図2】本出願の実施例によって提供される別の加熱喫煙可能な製品の構造概略図である。
【0034】
図3】本出願の実施例によって提供される別の加熱喫煙可能な製品の構造概略図である。
【0035】
図4】本出願の実施例によって提供される煙道具本体の構造概略図である。
【0036】
図5】本出願の実施例によって提供される加熱不燃焼システムの構造概略図である。
【0037】
図面の標識は:1、煙道具本体;101、収容室;102、加熱素子;2、加熱喫煙可能な製品;201、霧化マトリックスセグメント;202、冷却セグメント;2021、第1冷却サブセグメント;2022、第2冷却サブセグメント;2023、通気孔;2024、相変化コーティング;203、濾過セグメント。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本出願の全体的な構想をより明確に説明するために、以下に明細書添付図面に関連して例示的に詳細に説明する。
【0039】
本出願において、「含む」、または「有する」などの用語は、本明細書に開示されている特徴、数字、ステップ、行為、部品、部分、またはそれらの組み合わせの存在を示すことを意図しており、1つまたは複数の他の特徴、数字、ステップ、行為、部品、部分、またはそれらの組み合わせの存在の可能性を排除することを意図していないことを理解されたい。
【0040】
また、衝突しない場合には、本出願における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよいことを説明する必要がある。以下、図面を参照し、実施例に関連して本出願を詳細に説明する。
【0041】
図1図3を参照すると、本出願の実施例は、加熱喫煙可能な製品2を提供する。加熱喫煙可能な製品2の長手方向に沿って順に配列する霧化マトリックスセグメント201、冷却セグメント202、及び濾過セグメント203を含み、冷却セグメント202は前記霧化マトリックスセグメント201が熱を受けることによって発生する煙霧を冷却するために使用され、濾過セグメント203は煙霧中の少なくとも1つの成分を濾過するために使用される。
【0042】
霧化マトリックスセグメント201内の材料は、加熱時に通常エアロゾルを揮発させる。霧化マトリックスセグメント201内の材料は、非タバコ含有材料またはタバコ含有材料であってもよい。霧化マトリックスセグメント201内の材料は、例えば、タバコ自体、タバコ誘導体、膨張タバコ、復元タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコまたはタバコ代替物のうちの1つ以上を含むことができる。
【0043】
もちろん、霧化マトリックスセグメント201、冷却セグメント202、および濾過セグメント203を全体に結合するためには、通常、タバコペーパーなどの材料(図示せず)を使用して、それらを長い棒状に包むことができる。
【0044】
煙霧の温度を適切な温度に下げるために、本出願は2つの方面の探索を行った。以下に、それぞれ2種類の温度を下げる手段を紹介する。説明する必要があるのは、この2つの手段を組み合わせて使用することができるということである。
【0045】
図3を参照すると、第1の冷却手段において、冷却セグメント202は、その本体構造の内面に塗布された相変化コーティング2024を含み、相変化コーティング2024は相変化材料を含み、相変化材料中の成分は45℃~150℃の温度範囲内で少なくとも2つの相変化温度を有し、相変化温度は固体-固体相変化温度または固体-液体相変化温度である。
【0046】
固体材料は相変化が発生すると、大量の熱エネルギーを吸収する。本出願の実施例で採用された相変化材料は、相変化が完了した後も固体状態になる可能性があり、相変化コーティング2024内に残っている。相変化材料が相変化を完了した後も液体状態になる可能性があり、液体の含有量を制御することにより、これらの液体を冷却セグメント202の本体構造の内面に薄膜の形態で吸着させることができる。相変化材料の一部の成分は、ある温度で相変化し、他の成分は別の温度で相変化する可能性がある。これらの異なる相変化材料の成分割合の制御により、煙霧の温度を小さな温度区間に制御することができる。この小さな温度区間は制御可能で、言い換えればカスタマイズ可能です。これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。
【0047】
もちろん、相変化材料は単一成分であってもよい。
【0048】
相変化材料の存在形態は相変化コーティングに限定されない。例えば、冷却セグメントの本体構造は多層であってもよく、相変化材料は2つの層の間の隙間に配置されていてもよいなど。
【0049】
好ましくは、相変化材料中の成分は、52℃~100℃の温度範囲内で少なくとも2つの相変化温度を有する。これにより、加熱喫煙可能な製品2の煙霧の温度をユーザーが快適に感じる温度区間に近づけることができる。
【0050】
好ましくは、相変化材料は、ポリエチレングリコール、カルナバワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリ乳酸、グルコマンナンの少なくとも2つの成分を含む。
【0051】
好ましくは、相変化コーティング2024は、味を向上させるための補助材料をさらに含む。
【0052】
好ましくは、例えば、補助材料は、香料、多糖類、植物粉末の少なくとも1つの成分を含む。
【0053】
好ましくは、相変化材料は重量部で40部~80部、前記補助材料は重量部で0.5部~10部である。補助材料の比重が低すぎると味の改善効果が明らかではなく、高すぎると温度を下げる効果に影響する。
【0054】
好ましくは、相変化コーティング2024は、熱伝導材料をさらに含む。熱伝導性材料は、相変化コーティング2024全体の熱伝導率を向上させるために使用される。
【0055】
例えば、熱伝導性材料は黒鉛を含む。
【0056】
好ましくは、相変化材料は重量部で40部~80部、熱伝導材料は重量部で5部~10部である。熱伝導材料の比重が低すぎると熱伝導効率に影響し、高すぎると温度を下げる効果に影響する。
【0057】
好ましくは、相変化コーティングはさらに可塑剤を含む。これにより、相変化コーティング2024の柔軟性が強化され、加工が容易になる。
【0058】
例えば、可塑剤は、グリセロール、トリ酢酸グリセロール、カルボキシメチル繊維(CMC)、アルギン酸ナトリウムの少なくとも1つの成分を含む。
【0059】
好ましくは、相変化材料は重量部で40部~80部、可塑剤は重量部で5部~10部である。可塑剤の比重が低すぎると、相変化材料の性質を改善することは明らかではなく、高すぎると温度を下げる効果に影響する。
【0060】
好ましくは、相変化コーティングと冷却セグメントとの質量比は5%~10%である。相変化コーティング2024が重すぎると、固体-液体相変化が発生すると、冷却セグメント202の本体構造の内面から液滴が落下する可能性がある。相変化コーティング2024が軽すぎると、冷却効果が悪い。
【0061】
図1図2を参照すると、本出願の実施例が提供する第2の冷却手段は、冷却セグメント202に複数の通気孔2023が開設されている。図4図5を参照すると、加熱喫煙可能な製品2が煙道具本体1の収容室101に挿入されるとき、通気孔2023は収容室101の外に位置し、または収容室101内にあるが外気と連通している必要がある。これにより、ユーザーが煙霧を吸うと、通気孔2023内から新鮮な空気が冷却セグメント202に流入し、煙霧を希釈するとともに煙霧の温度を低下させる。
【0062】
具体的には、通気孔2023は、冷却セグメント202の週方向に沿って1列以上に配列されていてもよい。もちろん、通気孔2023の分布方式はこれに限定されない。
【0063】
好ましくは、冷却セグメント202の通風率は10~70%である。通風率が小さすぎると、温度を下げる効果は明らかではない。通風率が大きすぎると、煙霧が希釈されすぎて食感に影響する。
【0064】
好ましくは、図1を参照すると、冷却セグメント202の本体は、1段の中空紙管から形成されている。
【0065】
好ましくは、冷却セグメント202は少なくとも2つの冷却サブセグメントを含み、通気孔2023は冷却サブセグメントの1つに開設されている。
【0066】
図2を参照すると、冷却セグメント202は、第1冷却サブセグメント2021と第2冷却サブセグメント2022とから接続されている。通気孔2023は、第1冷却サブセグメント2021上に開設されている。通気孔2023は霧化マトリックスセグメント201に近いため、煙霧の降温効果がより明らかになる。
【0067】
多段冷却サブセグメントを用いて接合することで、加工が容易になる一方で、通気孔2023を有する冷却サブセグメントと通気孔2023を有さない冷却サブセグメントをそれぞれ加工することができる。一方、異なる冷却サブセグメントの長さと吸入抵抗はフレキシブルに調整することができ、煙霧温度の勾配をより正確に調整することができ、煙霧温度をフレキシブルに正確に調整することができる。
【0068】
好ましくは、通気孔が開設された冷却サブセグメントの本体が中空紙管で形成されている。これは、中空紙管に通気孔2023が開通し、外気を冷却セグメント202に良好に入れることができるためである。
【0069】
好ましくは、冷却サブセグメントの少なくとも1つの本体が中空酢酸繊維棒で形成されている。相対的に、中空酢酸繊維棒のガス抵抗はより大きく、煙霧の熱がより遅く放出されている。
【0070】
好ましくは、冷却セグメント202は2段の冷却サブセグメントで接合され、2段の前記冷却サブセグメントの長さはいずれも7mm~22mmの範囲内である。この長さ範囲は、十分な冷却効果を保障することができ、加熱喫煙可能な製品を長くしすぎて使用しにくくすることはない。
【0071】
図4及び図5を参照すると、本出願の実施例はまた、加熱不燃焼システムを提供する。煙道具本体1と、上記の加熱喫煙可能な製品2とを含む、煙道具本体1は収容室101を形成する、収容室101は、加熱喫煙可能な製品2の霧化マトリックスセグメント201を収容室101に挿入するための開口を有する、煙道本体1は、加熱喫煙可能な製品2の霧化マトリックスセグメント201を加熱するために、収容室101の内面に設けられた加熱素子102をさらに含む。
【0072】
好ましくは、収容室101の深さと加熱喫煙可能な製品2の長さとの比は、0.15~0.88の範囲内である。このように、加熱喫煙可能な製品2の霧化マトリックスセグメント201を効果的に加熱しやすく、また適切な空間を残して煙霧を放熱することができる。
【0073】
好ましくは、加熱素子102は収容室101の内部側面に位置し、加熱素子102の発熱領域の下境界は霧化マトリックスセグメント201の下境界より少なくとも1mm高い。
【0074】
言い換えれば、加熱素子102の発熱領域と収容室101の底部との距離は、霧化マトリックスセグメント201と収容室101の底部との距離より少なくとも1mm大きい。
【0075】
このようにして、霧化マトリックスセグメント201の底端から煙霧が流出するのを防止することができる。
【0076】
好ましくは、加熱素子102は赤外線加熱素子である。具体的には、収容室の内部側面に塗布される赤外線コーティングであってもよい。赤外線コーティングの両端の印加電圧は赤外線を発することができ、霧化マトリックスセグメント201の加熱はより均一である。
【0077】
以下は本出願が提供するいくつかの実験例であり、以上の2つの降温手段の降温効果について説明する。
【0078】
実験例1
【0079】
図4及び図5に示すように、煙道具本体1は加熱喫煙可能な製品2と併用される。煙道具本体1は、赤外線加熱素子102が設けられた収容室101を含む。加熱喫煙可能な製品2は、霧化マトリックスセグメント201、冷却セグメント202、および濾過セグメント203を含む。冷却セグメント202は長さ33mmであり、霧化マトリックスセグメント201に隣接する下流に配置されている。冷却セグメント202は中空紙管である。濾過セグメント203は、二酢酸セルロース束である。濾過セグメント203は冷却セグメント202の下流に配置され、吸入抵抗は10Pa/mmである。冷却セグメント202の週方向には通気孔2023が一列に配置され、通風率30%の通気効果を形成する。収容室101の深さと加熱喫煙可能な製品2の長さの比は0.4~0.6に制御され、濾過セグメント203の端部から流出する煙霧の温度は40℃~60℃に制御できる。赤外線加熱素子102は、加熱喫煙可能な製品2の週りにある。赤外線加熱素子102で囲まれた加熱室。収容室101に挿入された霧化マトリックスセグメント201は、赤外線加熱素子102によって囲まれた加熱室の底端から少なくとも1mmをわずかに超え、霧化マトリックスセグメント201の底端から煙霧が漏れるのを防止しなければならない。
【0080】
実験例2
【0081】
図2に示すように、実験例1と比較する、設備の加工を容易にするために、冷却セグメント202は、第1冷却サブセグメント2021と第2冷却サブセグメント2022とから構成することができる。第2冷却サブセグメント2022は、第1冷却サブセグメント2021の下流に位置する。霧化マトリックスセグメント201の下流に隣接する第1冷却サブセグメント2021が熱を受けて変形または異臭を引き起こすのを避けるために、第1冷却サブセグメント2021は中空紙管であり、長さは13mmである。第1冷却サブセグメント2021は週方向に通気孔2023が一列に配置され、通風率30%の通気効果を形成する。第2冷却サブセグメント2022は中空酢酸繊維棒であり、長さは20mmである。
【0082】
実験例3
【0083】
実験例1と比較する、設備の加工を容易にするために、冷却セグメント202は、第1冷却サブセグメント2021と第2冷却サブセグメント2022とから構成することができる。第2冷却サブセグメント2022は、第1冷却サブセグメント2021の下流に位置する。霧化マトリックスセグメント201の下流に隣接する第1冷却サブセグメント2021が熱を受けて変形または異臭を引き起こすのを避けるために、第1冷却サブセグメント2021は中空紙管であり、長さは13mmである。第1冷却サブセグメント2021は週方向に通気孔2023が一列に配置され、通風率30%の通気効果を形成する。第2冷却サブセグメント2022は中空紙管であり、長さは20mmである。
【0084】
実験例4
【0085】
実験例1と比較する、設備の加工を容易にするために、冷却セグメント202は、第1冷却サブセグメント2021と第2冷却サブセグメント2022とから構成することができる。第2冷却サブセグメント2022は、第1冷却サブセグメント2021の下流に位置する。霧化マトリックスセグメント201の下流に隣接する第1冷却サブセグメント2021が熱を受けて変形または異臭を引き起こすのを避けるために、第1冷却サブセグメント2021は中空紙管であり、長さは13mmである。第1冷却サブセグメント2021は週方向に通気孔2023が一列に配置され、通風率40%の通気効果を形成する。第2冷却サブセグメント2022は中空紙管であり、長さは20mmである。
【0086】
実験例5
【0087】
実験例1と比較する、設備の加工を容易にするために、冷却セグメント202は、第1冷却サブセグメント2021と第2冷却サブセグメント2022とから構成することができる。第2冷却サブセグメント2022は、第1冷却サブセグメント2021の下流に位置する。霧化マトリックスセグメント201の下流に隣接する第1冷却サブセグメント2021が熱を受けて変形または異臭を引き起こすのを避けるために、第1冷却サブセグメント2021は中空紙管であり、長さは13mmである。第1冷却サブセグメント2021は週方向に通気孔2023が一列に配置され、通風率50%の通気効果を形成する。第2冷却サブセグメント2022は中空紙管であり、長さは20mmである。
【0088】
実験例6
【0089】
実験例1と比較する、設備の加工を容易にするために、冷却セグメント202は、第1冷却サブセグメント2021と第2冷却サブセグメント2022とから構成することができる。第2冷却サブセグメント2022は、第1冷却サブセグメント2021の下流に位置する。霧化マトリックスセグメント201の下流に隣接する第1冷却サブセグメント2021が熱を受けて変形または異臭を引き起こすのを避けるために、第1冷却サブセグメント2021は中空紙管であり、長さは13mmである。第1冷却サブセグメント2021は週方向に通気孔2023が一列に配置され、通風率70%の通気効果を形成する。第2冷却サブセグメント2022は中空紙管であり、長さは20mmである。
【0090】
実験例7
【0091】
図3に示すように、実験例1と比較する、冷却セグメント202内には、冷却セグメント202の内壁に冷却セグメント202の重量に対して5%の相変化コーティング2024がコーティングされた多段相変化材料が設けられている。相変化コーティング2024内の各成分は重量部で以下の通りである:相変化材料はポリエチレングリコール30-50部、カルナバワックス10-30部、グルコマンナン粉2-5部を含む;熱伝導材料は黒鉛5~10部である。可塑剤はグリセロール5~10部である。その中で、ポリエチレングリコールは58℃で相変化が発生し、固体から液体に転化し、熱を吸収することができる。カルナバワックスは72℃で相変化が発生し、固体から液体に転化し、熱を吸収することができる。
【0092】
この相変化コーティング2024の製造方法は、(1)ポリエチレングリコール30~50部、カルナバワックス8~20部と称して容器に入れて加熱し、加熱温度を90℃程度に設定する。(2)上記材料が完全に熱溶融して液状になったら、グルコマンナン粉2-10部、黒鉛5-10部、グリセロール5-10部を容器に入れ、均一に攪拌する。(3)上記材料をコーティングプロセスによって冷却セグメント202に添加する。
【0093】
実験例7
【0094】
実験例7と比較する、相変化コーティング2024の重量部成分は以下の通りである:相変化材料はポリエチレングリコール30-50部、カルナバワックス8-20部、ポリ乳酸粉末2-5部である;補助材料はミント香料1~5部である。熱伝導材料は黒鉛5~10部である。可塑剤はグリセロール5~10部である。その中で、ポリエチレングリコールは58℃で相変化が発生し、固体から液体に転化し、熱を吸収することができる。カルナバワックスは72℃で相変化が発生し、固体から液体に転化し、熱を吸収することができる。ポリ乳酸は62℃前後で結晶相が変化し、一部の結晶相はガラス状態から高弾性状態に変化し、吸熱を行う。
【0095】
この相変化コーティング2024の製造方法は、(1)ポリエチレングリコール30~50部、カルナバワックス8~20部と称して容器に入れて加熱し、加熱温度を90℃程度に設定する。(2)上記材料が完全に熱溶融して液状になったら、ポリ乳酸粉2-10部、ミント香料1-5部、黒鉛5-10部、グリセロール5-10部を容器に入れ、均一に攪拌する。(3)上記材料をコーティングプロセスによって冷却セグメント202に添加する。
【0096】
上記実験例を用いて加熱喫煙可能な製品2を作製した後、煙道具本体1内で加熱を行い、温度測定器を用いて濾過セグメント203出口の煙霧温度を試験した。具体的なデータは以下の通りである。
【0097】
【表1】
【0098】
上記の結果から、冷却セグメント202がすべて中空紙管を使用する場合、その内部空間が大きいため、煙ガス温度を下げるのに有利であることがわかる。冷却セグメント202の通気孔2023の通風率をさらに増加させ、寒気によって希釈することで、煙ガス温度を低下させることもできるが、通風率が増加するにつれて、煙ガス濃度すなわち煙霧量が低下する。相変化コーティング2024を用いて冷却セグメント202の内面をコーティングした後、大きな煙霧濃度を保証するとともに、より良い温度を下げる効果を得ることができる。
【0099】
以上は本出願の実施例にすぎず、本出願を製限するためには使用されない。当業者にとって、本出願は様々な変形や変更が可能です。本出願の精神と原理内で行われたいかなる修正、等価置換、改善などは、本出願の請求項の範囲内に含まれるべきである。
本発明の保護範囲は上述の実施例に限定されるものではなく、当業者は本発明の範囲と精神を逸脱することなく、本発明を様々な変更と変形することができることは明らかである。これらの変更と変形が本発明の請求項及びそれらと同等の技術の範囲に属する場合、本発明の意図もこれらの変更と変形を含む。
図1
図2
図3
図4
図5