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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231110BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20231110BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20231110BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20231110BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231110BHJP
【FI】
F21S2/00 436
F21V8/00 320
F21V8/00 310
F21S8/04 100
G02B6/00 331
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019096701
(22)【出願日】2019-05-23
(65)【公開番号】P2020191256
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関井 広行
(72)【発明者】
【氏名】ベ ヒョジェ
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-069049(JP,A)
【文献】特開2018-029044(JP,A)
【文献】特開2018-101576(JP,A)
【文献】特開2012-104476(JP,A)
【文献】特開2005-234397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
F21S 8/04
G02B 6/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が主に出射する第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面、前記第1主面と前記第2主面に交差する第1端面、および前記第1端面と反対側の第2端面を含む板状部材であって、前記第2主面に形成された凹部を有する導光板と、
前記凹部に収容された光源と、
を備え、
前記凹部は、前記第1端面から離れた前記第2端面寄りにおいて、互いに交わる一対の斜面により断面視略三角形状に形成され、
前記第1主面は、低位領域と、前記低位領域よりも面積が大きな高位領域と、前記低位領域と前記高位領域を形成する段差とを含み、
前記導光板は、前記第1主面において前記光源と前記第2端面の間に形成された、前記光源の光を前記第1端面の方向に反射させる反射面を有し、
前記反射面は、前記低位領域および前記高位領域に対して略直交する方向に沿って延び、前記凹部の三角形の頂点よりも前記第2端面側に位置する前記段差部分おいて前記低位領域と前記高位領域をつなぐように形成され、
前記第2端面は、前記第2主面側を向くように傾斜し、前記第2端面に入射する光を前記第1主面側に反射する、照明器具。
【請求項2】
前記第1主面および前記反射面の少なくとも一方には、前記導光板の厚み方向において前記光源と重なる領域に反射部材が設けられている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記反射部材は、前記第1主面の前記高位領域から前記低位領域の境界にわたって設けられ、前記反射面の全域を覆う、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記反射面と前記光源の距離は、前記反射面と前記第2端面の距離よりも短い、請求項1~のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
記一対の斜面は、前記第1主面側よりも前記第2主面側で前記導光板の厚み方向に対する傾斜角度が大きくなっている、請求項1~のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳しくは導光板を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)等の光源と、光源の光を光出射面に沿った方向に導く導光板とを備えた照明器具が広く知られている。例えば、特許文献1には、光源を収容する凹部を含む導光板を備えた照明器具が開示されている。特許文献1の導光板には、導光板の凹部に対応する位置に、円錐形の窪み、または二等辺三角形断面を有するV字状の溝が形成され、円錐形の窪みは光源の光を放射状に反射し、V字形の溝は光源の光を溝の左右に反射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-351375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、導光板を備えた照明器具において、輝度ムラのない均一な光を照射可能とすることは重要な課題である。また、導光板の特定の方向に光源の光を効率良く分配することが求められる場合がある。
【0005】
本開示の目的は、光源の光を目的とする特定の方向に効率良く分配でき、輝度ムラの発生を抑制することが可能な照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である照明器具は、光が主に出射する第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面、前記第1主面と前記第2主面に交差する第1端面、および前記第1端面と反対側の第2端面を含む板状部材であって、前記第2主面に形成された凹部を有する導光板と、前記凹部に収容された光源とを備える。前記凹部は、前記第1端面から離れた前記第2端面寄りに形成され、前記導光板は、少なくとも前記光源よりも前記第2端面側において、前記第1主面から導光方向に対して交差する方向に延び、前記光源の光を前記第1端面の方向に反射させる反射面を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、光源の光を目的とする特定の方向に効率良く分配でき、輝度ムラの発生を抑制することが可能な照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の一例である照明器具の平面図である。
図2図1中のAA線断面図である。
図3】実施形態の他の一例である照明器具の平面図である。
図4】実施形態の一例である導光板の断面図である。
図5】実施形態の他の一例である導光板の断面図である。
図6】実施形態の他の一例である導光板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示の照明器具の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、以下で説明する複数の実施形態の各構成要素を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。本明細書において、「略~」との記載は、直交を例に挙げて説明すると、完全に直交する状態および実質的に直交する状態を含む意図である。
【0010】
図1は、実施形態の一例である照明器具10の平面図であって、導光板20の光出射面である第1主面21側から見た図である(拡散カバー13および反射部材28の図示省略)。図2は、図1中のAA線断面図である。
【0011】
図1および図2に例示するように、照明器具10は、凹部25を有する導光板20と、凹部25に収容された光源11とを備える。導光板20は、光が主に出射する第1主面21、第1主面21と反対側の第2主面22、第1主面21と第2主面22に交差する第1端面23、および第1端面23と反対側の第2端面24を含む板状部材であって、第1主面21に沿った方向に光源11の光を導く。
【0012】
詳しくは後述するが、導光板20の凹部25は、第2主面22において、第1端面23から離れた第2端面24寄りに形成されている。また、導光板20は、少なくとも光源11よりも第2端面24側において、第1主面21から導光方向に対して交差する方向に延び、光源11の光を第1端面23の方向に反射させる反射面29を有する。本明細書において、導光板20の導光方向とは、光出射面である第1主面21に沿った方向であって、特に第1端面23と第2端面24が並ぶ方向を意味する。
【0013】
照明器具10は、一般的に、筐体12と、筐体12に取り付けられる拡散カバー13とを有する。図1に示す例では、平面視円環状の導光板20が、平面視円形状の筐体12に固定されている。導光板20の径方向中央部には、後述するコネクタ、点灯装置等との干渉を避けるための貫通孔27が形成されている。導光板20は、その中心X(貫通孔27の中心)が筐体12の底面部12Aの中心に位置し、第2主面22を底面部12A側に向けた状態で配置される。
【0014】
照明器具10は、筐体12と拡散カバー13で囲まれた空間に導光板20等が収容された構造を有する。筐体12は、有底円筒形状を有し、開口部を鉛直下方に向けた状態で天井に取り付けられる。拡散カバー13は、導光板20等を隠すと共に、導光板20の第1主面21から出射される光をさらに拡散する機能を有する。拡散カバー13には、一般的に、乳白色の透光性部材が用いられる。なお、筐体12および拡散カバー13の形状、大きさ等は特に限定されず、例えば、円盤状の筐体12にドーム状の拡散カバー13が取り付けられていてもよい。
【0015】
照明器具10は、シーリングライトであって、天井に設置された配線器具である引掛シーリングに取り付けられる。筐体12の底面部12Aの中央部には、一般的に、引掛シーリングが挿し込まれる図示しない凹部または開口部が形成される。また、底面部12Aの中央部には、コネクタ、点灯装置、リモコン受信部等が設けられてもよい。点灯装置は、例えば、光源11に供給する電力を生成する電源回路、およびリモコン等の操作信号に基づいて光源11に供給する電力を制御する制御回路を含む。
【0016】
光源11は、拡散カバー13が取り付けられる筐体12の開口部の方向に光が出射し、光軸方向が筐体12の軸方向と平行になるように底面部12Aに設置される。光源11は、蛍光灯であってもよいが、好ましくはLEDである。LEDは、例えばSMD(Surface Mount Device)型のLEDであって、回路基板上に実装される。なお、光源11の光軸方向は、回路基板の法線方向として定義される。
【0017】
光源11は、1つであってもよいが、好ましくは複数設けられる。図1に示す例では、円環状の導光板20の中心Xを円心とする同一円周上に、複数の光源11が等間隔に1列に並んで配置されている。また、2つの光源11が導光板20の中心Xを挟んで導光板20の径方向に並んでいるが、各光源11は導光板20の径方向に並ばないように配置されてもよい。
【0018】
光源11は、例えば、筐体12の底面部12Aの中心(導光板20の中心X)から離れた側面部12B寄りに配置される。すなわち、複数の光源11は導光板20の外周側に配置される。放熱性等の観点から、複数の光源11は互いに所定の間隔をあけて配置されるが、複数の光源11を1つの円周上に配置する場合、導光板20の内周側よりも外周側に配置する方が多くの光源11を設置でき、照明器具10の光量を増やすことができる。
【0019】
なお、光源11の数、配置等は特に限定されず、例えば、同心円上に光源11がそれぞれ複数配置され、導光板20の円周方向に沿った光源11の列が複数設けられてもよい。また、光源11の光軸方向は筐体12の軸方向と平行でなくてもよく、例えば、光軸方向が筐体12の内側を向くように光源11を配置してもよい。
【0020】
図1に示す例では、光源11を収容する凹部25が、導光板20の円周方向に沿って形成されている。凹部25は、第2端面24の近傍において導光板20の円周方向に沿って円環状に形成される。また、導光板20の光源11よりも第2端面24側には、導光板20の導光方向である径方向に対して略直交する方向に延びた反射面29が形成されている。反射面29は、凹部25と同様に、導光板20の円周方向に沿って円環状に形成される。また、反射面29は凹部25と略平行に形成される。
【0021】
図3に例示するように、照明器具10は、平面視長方形状を有していてもよい。図3に示す例では、平面視長方形状の導光板20が、平面視長方形状の筐体12に固定されている。筐体12の長手方向中央部には、コネクタ、点灯装置等が設けられる。このため、筐体12の長手方向中央部を避けて、その両側に2枚の導光板20が配置される。2枚の導光板20は、互いに同じ形状、大きさを有し、筐体12の長手方向中央に対して左右対称に配置される。また、各導光板20は、その長手方向が筐体12の短手方向に、その短手方向が筐体12の長手方向に、それぞれ沿うように配置される。
【0022】
図3に示す例では、筐体12の短手方向に沿って等間隔で複数の光源11が配置されている。複数の光源11が直線状に並んで形成された列は、筐体12の長手方向両端近傍にそれぞれ設けられる。光源11の各列は、各導光板20の凹部25にそれぞれ収容される。また、筐体12の長手方向に2つの光源11が並んでいるが、各光源11は筐体12の長手方向に並ばないように配置されてもよい。
【0023】
図3に示す例では、光源11を収容する凹部25が、導光板20の長手方向全長にわたって直線状に形成されている。また、導光板20の光源11よりも第2端面24側には、導光板20の導光方向である短手方向(2枚の導光板20が並ぶ方向)に対して略直交する方向に延びた反射面29が形成されている。反射面29は、凹部25と略平行に、導光板20の長手方向全長にわたって直線状に形成される。なお、図3に例示する形態の導光方向に沿った断面形状は、図1に例示する形態の導光方向に沿った断面形状(図2参照)と同様である。
【0024】
照明器具10(筐体12および導光板20)の平面視形状は、図1に例示する真円形状、および図3に例示する長方形状に限定されず、例えば楕円形状、四角形以外の多角形状等であってもよい。
【0025】
以下、図4図6をさらに参照しながら、導光板20の構成について詳説する。図4図6は、導光方向に沿った導光板20の断面図である。
【0026】
図4に例示するように、導光板20の第2主面22には、光源11を収容する凹部25と、複数のプリズム26が形成されている。上述のように、第2主面22は第1主面21と反対側の主面であって、第1主面21は光源11の光が主に出射する導光板20の光出射面である。例えば、光源11の光のうち、50%を超える光、または80%を超える光が第1主面21から出射する。導光板20は、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等の透明性の高い樹脂で構成される。
【0027】
導光板20の第2主面22と筐体12の底面部12Aとの間には、反射シート14が介在し、第2主面22から漏れた光は反射シート14によって導光板20内に戻される。反射シート14は、筐体12よりも光源11の光に対する反射率が高いシートである。反射シート14の一例としては、アルミニウム等を主成分とする金属製シート、銀、アルミニウム等の金属蒸着膜が形成された樹脂製シートなどが挙げられる。
【0028】
凹部25は、プリズム26よりも大きな窪みであって、光源11を収容可能な大きさで形成される。凹部25は、例えば、互いに交わる一対の斜面25Aによって断面視略三角形状に形成される。本実施形態では、複数の光源11が並ぶ方向に沿って溝状の凹部25が形成される。凹部25の三角形の頂点は、導光板20の厚み方向において光源11と重なる位置にあることが好ましい。この場合、光源11の光軸方向に真っ直ぐに進む光の量を低減でき、光の利用効率が向上する。
【0029】
図4に示す例では、一対の斜面25Aが途中で屈曲し、第1主面21側よりも第2主面22側で導光板20の厚み方向に対する傾斜角度が大きくなっている。照明器具10の製造工程では、例えば、筐体12の底面部12Aに光源11を取り付けた後、光源11が凹部25に収まるように導光板20を配置する。このため、第2主面22側で斜面25Aの傾斜角度を大きくして凹部25の入口を広げることにより、光源11の配置が多少ばらついたとしても、組み立て時に導光板20が光源11と接触して光源11が破損することを抑制できる。
【0030】
プリズム26は、光源11の光を拡散反射させる微細な凹凸であって、第2主面22の広範囲に形成される。光源11から出た光は、第1主面21、反射面29等で全反射され、第1主面21に沿った導光方向に伝搬するが、その光の一部がプリズム26で反射されることにより、全反射の臨界角よりも大きな入射角で第1主面21に入射し、第1主面21から出射される。プリズム26は、第1主面21の略全域が発光するように形成される。なお、プリズム26の形状、配置等は特に限定されず、従来公知の構成を適用できる。
【0031】
導光板20は、上述の通り、主面に交差する端面(第1端面23および第2端面24)を含む。図1に例示する形態では、導光板20の内周縁(貫通孔27の周縁)に第1端面23が、導光板20の外周縁に第2端面24がそれぞれ形成される。図3に例示する形態では、導光板20の短手方向一端に第1端面23が、短手方向他端に第2端面24がそれぞれ形成される。また、各端面は、複数の光源11が並ぶ方向に沿って形成される。
【0032】
第1端面23および第2端面24は、各主面に対して直交していてもよいが、好ましくは各主面に対して傾斜している。特に、第2端面24は、第2主面22側を向くように傾斜していることが好ましい。すなわち、導光板20の第2端面24側の端部では、第1主面21が第2主面22よりも導光板20の外側に張り出し、第2端面24と第1主面21がなす角度が鋭角、第2端面24と第2主面22がなす角度が鈍角となっている。この場合、第2端面24に入射する光が第1主面21側に反射し易くなり、筐体12等に当たって吸収される光が減少して光の利用効率が向上する。
【0033】
他方、第1端面23は、第1主面21側を向くように傾斜していることが好ましい。すなわち、導光板20の第1端面23側の端部では、第2主面22が第1主面21よりも導光板20の外側に張り出し、第1端面23と第1主面21がなす角度が鈍角、第1端面23と第2主面22がなす角度が鋭角となっている。この場合、照明器具10の中心方向に光を出射することが容易になるため、導光板20が存在しない照明器具10の中心付近の輝度が低下することを抑制できる。第1端面23と第2端面24は、互いに略平行であってもよい。
【0034】
導光板20は、上述の通り、少なくとも光源11よりも第2端面24側において、第1主面21から導光方向に対して交差する方向に延び、光源11の光を第1端面23の方向に反射させる反射面29を有する。図4に例示する形態では、第1主面21に、高位領域21Aと低位領域21Bを形成する段差30が存在し、第1主面21の高位領域21Aと低位領域21Bをつなぐように反射面29が形成されている。この場合、導光板20の厚みは、低位領域21Bに対応する部分が、高位領域21Aに対応する部分と比べて薄くなる。なお、高位領域21Aの面積は、低位領域21Bの面積よりも大きい。
【0035】
照明器具10では、光源11が第2端面24寄りに配置されているため、光源11から出た光が各端面の方向に等しく伝搬すると、第1主面21の全体を輝度ムラなく均一に発光させることはできないが、反射面29を設けることでこの課題を解決できる。反射面29によって光源11の光を第1端面23側、つまり面積が大きな高位領域21A側に反射させることにより、高位領域21A側に導く光量を増やし、高位領域21Aと低位領域21Bを同様の輝度で発光させることが可能となる。
【0036】
反射面29は、例えば、導光板20の導光方向に略直交する平面である。また、図4に例示する反射面29は、第1主面21に略直交する方向、導光板20の厚み方向、および光源11の光軸方向に沿った平面である。反射面29は、第1主面21と同様に、光源11の光を全反射させる。このため、第1主面21および反射面29は、凹凸のない平滑な面であることが好ましい。なお、段差30によって形成される第1主面21の高位領域21Aと低位領域21Bはいずれも、第2主面22と略平行な平面である。
【0037】
反射面29は、光源11と第2端面24の間において、光源11の近傍に形成されることが好ましい。すなわち、反射面29と光源11の距離は、反射面29と第2端面24の距離よりも短い。図4に示す例では、光源11よりも第2端面24側のみに反射面29が形成されている。また、反射面29は、導光板20の厚み方向において凹部25と重なり、かつ凹部25に収容される光源11と重ならない範囲において、凹部25に沿って形成されている。
【0038】
反射面29の高さ(導光板20の厚み方向に沿った長さ)は、光源11よりも第1端面23側に位置する第1主面21の面積(A1)と、光源11よりも第2端面24側に位置する第1主面21の面積(A2)の割合に基づいて決定されてもよい。例えば、A1/A2が大きいほど反射面29を高くして第1端面23側に分配される光の量を多くすることができる。導光板20によれば、反射面29の高さを変更するという簡便な手段によって、各端面の方向への光の分配比率を容易に調整することが可能である。
【0039】
図4に例示する形態では、反射面29の高さは段差30の高さに依存する。反射面29(段差30)の高さは、特に限定されないが、一例としては導光板20の最も厚い部分の厚みの20%~80%、または30%~70%、または40%~60%である。反射面29は、第1主面21の高位領域21Aから、凹部25の頂点(最奥部)に対応する位置を超える高さで形成されてもよい。低位領域21Bに対応する部分の厚みは、例えば、高位領域21Aに対応する部分の厚みの40%~60%である。
【0040】
第1主面21には、導光板20の厚み方向において光源11と重なる領域を覆う反射部材28を設けることが好ましい。反射部材28によって光軸方向に沿った入射角の大きな光を反射させることができ、光源11と重なる領域の輝度を抑えることができる。反射部材28は、接着剤を用いて第1主面21に貼着されてもよい。反射部材28には、光源11の光に対する反射率が高い部材を適用でき、例えば反射シート14と同様に、アルミニウム等を主成分とする金属製シート、銀、アルミニウム等の金属蒸着膜が形成された樹脂製シートが用いられる。なお、反射部材28は光源11の光の一部を透過してもよい。
【0041】
反射部材28は、反射面29の少なくとも一部にわたって設けられることが好ましい。図4に示す例では、反射部材28が反射面29の全域を覆っている。反射部材28は、第1主面21の高位領域21Aから、反射部材28と低位領域21Bの境界にわたって設けられる。反射面29を反射部材28で覆うことにより、反射面29から漏れる光を導光板20内に戻すことができる。なお、反射部材28は低位領域21Bの一部に設けられてもよい。
【0042】
図5に例示するように、反射面29は、平面に限定されず、導光板20の外側に向かって湾曲した曲面であってもよい。反射面29は、全体が湾曲していてもよく、一部が平面で残りが曲面であってもよい。図5に示す例では、反射面29の低位領域21B側の領域が導光方向に略直交する平面であり、高位領域21A側の領域が外側に向かって凸となるように湾曲した曲面である。曲面を含む反射面29によれば、平面のみで構成される反射面29と比較して、第1端面23の方向に反射する光の量を増やすことができる。
【0043】
図5に例示する反射面29は、光源11よりも第2端面24側から、導光板20の厚み方向に光源11と重なる領域を超えて、光源11よりも第1端面23側に位置する領域にわたって形成されている。この場合も、第1主面21に、高位領域21Aと低位領域21Bを形成する段差30が存在し、高位領域21Aと低位領域21Bをつなぐように反射面29が形成される。反射部材28は、反射面29の少なくとも光源11と重なる領域を覆い、好ましくは反射面29の広範囲を覆う。反射部材28は、反射面29の全域に設けられてもよい。
【0044】
図6に例示するように、導光板20の光源11よりも第2端面24側には、段差30の代わりに、第1主面21から切り込まれたスリット状の溝31が形成されていてもよい。この場合、溝31の側面が反射面29となる。また、溝31が形成された部分を除いて導光板20の厚みは一定である。溝31は、例えば導光板20の厚み方向に沿って形成され、導光方向に略直交する反射面29が形成される。
【0045】
溝31および反射面29は、導光板20の厚み方向に凹部25と重なり、かつ凹部25に収容される光源11と重ならない範囲において、凹部25に沿って形成される。溝31の幅は特に限定されず、5mm以下、または1mm以下であってもよい。図6に例示する形態によれば、反射面29で反射されずに透過した光を第2端面24側に伝搬させて有効活用できる。図5および図6に例示するように、凹部25を形成する斜面25Aは、導光板20の厚み方向に対して一定の角度で傾斜していてもよい。
【0046】
以上のように、上記構成を備えた照明器具10によれば、反射面29によって光源11の光を第1端面23の方向に効率良く分配できる。上述のように、光源11は第2端面24寄りに配置されているため、光源11の光が各端面の方向に等しく伝搬すると、第1端面23側と比べて第2端面24側が高輝度になり易いが、照明器具10では、反射面29の機能によりかかる輝度ムラを抑制して第1主面21の全体を均一に面発光させることが可能である。つまり、照明器具10によれば、従来の構造では第2端面24の方向に分配される光の一部を第1端面23の方向に分配することができ、各方向への導光割合を容易に最適化することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 照明器具、11 光源、12 筐体、12A 底面部、12B 側面部、13 拡散カバー、14 反射シート、20 導光板、21 第1主面、21A 高位領域、21B 低位領域、22 第2主面、23 第1端面、24 第2端面、25 凹部、25A 斜面、26 プリズム、27 貫通孔、28 反射部材、29 反射面、30 段差、31 溝、X 導光板の中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6