(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】香り発生システム、制御装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231110BHJP
A61L 9/00 20060101ALN20231110BHJP
【FI】
G06Q50/10
A61L9/00 Z
(21)【出願番号】P 2019229010
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】天沼 はるか
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和史
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163361(WO,A1)
【文献】特開2019-178858(JP,A)
【文献】特開2002-35102(JP,A)
【文献】特開2017-33226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A61L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部であって、複数の香り発生方式を有する香り発生部と、
前記複数の香り発生方式、及び、前記1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部と、
前記複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する選択部と、
ユーザが欲する感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける受付部と、
指定された前記感性効果を実現するために前記対象方式と組み合わせるべき香りを、前記感性マップに基づいて決定し、前記香り発生部に、決定した香りを前記対象方式を用いて発生させる制御部とを備える
香り発生システム。
【請求項2】
前記感性マップは、前記複数の香り発生方式、前記1種類以上の香り、及び、複数の香り発生パターンの組み合わせによって得られる感性効果を示し、
前記制御部は、指定された前記感性効果を実現するために前記対象方式と組み合わせるべき香り及び香り発生パターンを、前記感性マップに基づいて決定し、前記香り発生部に、決定した香りを前記対象方式及び決定した香り発生パターンを用いて発生させる
請求項1に記載の香り発生システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記香り発生システムに新たな香り発生部が追加されたときに、前記新たな香り発生部が有する第一香り発生方式の感性マップとして、前記複数の香り発生方式のうち前記第一香り発生方式に類似する第二香り発生方式に対応する感性マップを前記記憶部に記憶する
請求項1または2に記載の香り発生システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記香り発生システムに新たな香り発生部が追加されたときに、
前記新たな香り発生部に前記第一香り発生方式を用いて基準香を発生させ、
前記受付部によって受け付けられる前記基準香に対する前記ユーザの感性効果の評価結果に基づいて、前記第一香り発生方式に類似する前記第二香り発生方式に対応する感性マップを特定し、
特定した感性マップを前記第一香り発生方式の感性マップとして前記記憶部に記憶する
請求項3に記載の香り発生システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記香り発生システムに新たな香り発生部が追加されたときに、前記新たな香り発生部が有する第一香り発生方式の感性マップとして、前記複数の香り発生方式のうち第二香り発生方式に対応する感性マップを補正した感性マップを前記記憶部に記憶する
請求項1または2に記載の香り発生システム。
【請求項6】
さらに、香り発生方式を指定するための画面を表示する表示部を備え、
前記受付部は、さらに、前記画面が表示されているときに香り発生方式の指定を前記ユーザから受け付け、
前記選択部は、前記複数の香り発生方式のうち前記ユーザによって指定されたものを前記対象方式として選択する
請求項1~5のいずれか1項に記載の香り発生システム。
【請求項7】
前記香り発生部は、複数の部屋のそれぞれに配置され、
前記香り発生システムは、さらに、
前記複数の部屋のそれぞれにおける前記ユーザの在室を検出するセンサ部と、
前記ユーザの在室が検出された部屋に配置された前記香り発生部が有する香り発生方式によって実現可能な感性効果の選択肢を表示する表示部とを備え、
前記受付部は、さらに、前記選択肢が表示されているときに感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける
請求項1~5のいずれか1項に記載の香り発生システム。
【請求項8】
前記選択部は、前記センサ部の検出結果に基づいて、前記複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを前記対象方式として選択する
請求項7に記載の香り発生システム。
【請求項9】
1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部であって、複数の香り発生パターンを選択可能な香り発生部と、
前記複数の香り発生パターン、及び、前記1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部と、
前記複数の香り発生パターンのうちの少なくとも1つを対象パターンとして選択する選択部と、
ユーザが欲する感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける受付部と、
指定された前記感性効果を実現するために前記対象パターンと組み合わせるべき香りを、前記感性マップに基づいて決定し、前記香り発生部に、決定した香りを前記対象パターンを用いて発生させる制御部とを備える
香り発生システム。
【請求項10】
1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部であって、複数の香り発生方式を有する香り発生部を制御する制御装置であって、
前記複数の香り発生方式、及び、前記1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部と、
前記複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する選択部と、
ユーザが欲する感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける受付部と、
指定された前記感性効果を実現するために前記対象方式と組み合わせるべき香りを、前記感性マップに基づいて決定し、前記香り発生部に、決定した香りを前記対象方式を用いて発生させる制御部とを備える
制御装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項10に記載の制御装置として動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香り発生システム、制御装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体または液体に含まれる香気成分を、揮発する、または、液体の飛沫として散布することで香りを発生させる技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。香りは、空間の雰囲気の形成に用いられる。また、香りは、人の気分または感情に変化をもたらすこともできる。このため、空間内の在室者を快適にする目的、及び、映像または音楽等の演出をより強調する目的などで、装置により香りを発生させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5327416号公報
【文献】米国特許出願公開第2018/369847号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、香りの発生によりユーザに所望の感性効果を与えることができる香り発生システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る香り発生システムは、1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部であって、複数の香り発生方式を有する香り発生部と、前記複数の香り発生方式、及び、前記1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部と、前記複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する選択部と、ユーザが欲する感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける受付部と、指定された前記感性効果を実現するために前記対象方式と組み合わせるべき香りを、前記感性マップに基づいて決定し、前記香り発生部に、決定した香りを前記対象方式を用いて発生させる制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る制御装置は、1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部であって、複数の香り発生方式を有する香り発生部を制御する制御装置であって、
前記複数の香り発生方式、及び、前記1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部と、前記複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する選択部と、ユーザが欲する感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける受付部と、指定された前記感性効果を実現するために前記対象方式と組み合わせるべき香りを、前記感性マップに基づいて決定し、前記香り発生部に、決定した香りを前記対象方式を用いて発生させる制御部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、前記制御装置として動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の香り発生システム等は、香りの発生によりユーザに所望の感性効果を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る香り発生システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、2次元マップ形式の感性マップの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、2次元マップ形式の感性マップの別の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、リスト形式の感性マップの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る香り発生システムの動作例1のフローチャートである。
【
図6】
図6は、香り発生方式を指定するための画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、感性効果を指定するための画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る香り発生システムの動作例2のフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係る香り発生システムの動作例3のフローチャートである。
【
図10】
図10は、香り発生パターンを指定するための画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態1に係る香り発生システムの動作例4のフローチャートである。
【
図12】
図12は、ユーザの香りの評価結果に基づく類似度の算出方法を説明するための図である。
【
図13】
図13は、実施の形態2に係る香り発生システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施の形態2に係る香り発生システムの動作例のフローチャートである。
【
図16A】
図16Aは、対象方式及び香りの組み合わせの決定方法の一例を説明するための第一の図である。
【
図16B】
図16Bは、対象方式及び香りの組み合わせの決定方法の一例を説明するための第二の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る香り発生システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る香り発生システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
実施の形態1に係る香り発生システム100は、ユーザにユーザが欲する感性効果を提供するために、香り発生部10から香りを発生するシステムである。香り発生システム100は、例えば、建物内の空間において使用される。建物は、例えば、戸建て住宅、または、集合住宅などの住宅であるが、その他の建物であってもよい。
【0014】
発明者の知見によれば、香り発生部10から同じ香り(香気成分)が発生されたとしても、香りの発生方式が異なれば、ユーザの香りの感じ方は異なる。例えば、香りを気流に乗せてユーザに提供する場合と、同じ香りを気流に乗せずにユーザに提供する場合では、ユーザの香りの感じ方が異なることが実験的及び経験的に確認されている。つまり、ユーザが所望の感性効果を得るためには、単に香りの種類を選択するだけでは不十分である。香り発生システム100では、香りの種類に加えて香りの発生方式等をさらに選択することにより、ユーザにユーザが欲する感性効果を提供することを実現している。
【0015】
図1に示されるように、香り発生システム100は、複数の香り発生部10と、受付部20と、表示部30と、選択部40と、制御部50と、記憶部60とを備える。香り発生システム100は、香り発生部10を少なくとも1つ備えればよい。
【0016】
まず、香り発生部10について説明する。香り発生部10は、例えば、アロマディフューザなどの機器である。香り発生部10は、香り発生機能付きの、加湿器、エアコン、または、サーキュレータなどの主目的が香りの発生ではない機器であってもよい。また、
図1では、香り発生部10は、香り発生システム100が備える他の構成要素(受付部20、表示部30、選択部40、制御部50、及び、記憶部60)とは別の構成要素であるが、これらの他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。
【0017】
香り発生部10には、香気成分を含む液体(以下、香料とも記載される)が封入されたカートリッジが接続され、このカートリッジの交換により1種類以上の香りを発生させることができる。また、香り発生部10は、複数のカートリッジが接続可能であり、カートリッジを交換せずに香りを切り替えることができる構成であってもよい。
【0018】
香り発生部10は、複数の香り発生方式を有する。香り発生方式は、香気成分を空気中に散布するための方法を意味し、加熱方式、ミスト化方式、及び、気化方式などが例示される。加熱方式は、温度を上げて香気成分を揮発させる方式である。ミスト化方式は、香気成分を含む液体を超音波振動などでミスト化して散布する方式であり、ミスト化の方法によってミストの直径も異なる。気化方式は、風で香気成分を揮発させて散布する方式である。また、本明細書中では、これらの方式に加湿機能、または、送風機能などを加えたものも香り発生方式として定義され、例えば、加湿なしの加熱方式と、加湿ありの加熱方式とは別の香り発生方式として扱われる。
【0019】
香り発生方式は、香り発生部10が有するハードウェア(機構)に依存して定まるものである。例えば、複数の香り発生方式を有するために、香り発生部10は、複数の発生方式に対応した複数種類のハードウェアを有する必要がある。
【0020】
香り発生システム100は、香り発生システム100内にて香り発生方式を複数種類有していればよく、1つの香り発生部10が有する香り発生方式は1つでもよいし複数でもよい。香り発生システム100が香り発生部10を1つだけ備える場合には、香り発生部10が複数の香り発生方式を有する。香り発生システム100が複数の香り発生部10を備えている場合には、複数の香り発生部10のそれぞれが有する香り発生方式は1つでもよい。
【0021】
また、香り発生部10は、香り発生パターンを切り替えることができる。ここで、香り発生パターンは、上記の香り発生方式とは異なるものである。1つの香り発生方式は、1以上の香り発生パターンを有する。香り発生パターンは、具体的には、香りを発生させたり香りの発生を休止させたりする香りの発生時間間隔、一回あたりの香りの発生時間の長さ、一回あたりの香り発生量などである。
【0022】
香り発生パターンは、香り発生方式に対応するハードウェアに対して、ソフトウェア(アルゴリズム)等を組み合わせることによって実現されるものである。複数の香り発生方式の中には、複数の香り発生パターンを切り替えられる香り発生方式と、デフォルトの香り発生パターンのみが使用できる(香り発生パターンを変えられない)香り発生方式とが含まれる。また、一回あたりの香り発生時間の長さは変えられるが、一回あたりの香り発生量は変えられない香り発生方式なども存在する。つまり、香り発生方式ごとに、香り発生パターンの数、及び、内容は異なる。
【0023】
次に、香り発生部10以外の構成要素について説明する。受付部20は、香り発生システム100を利用するための操作をユーザから受け付ける。受付部20は、例えば、香り発生方式の指定、及び、ユーザが欲する感性効果の指定をユーザから受け付ける。受付部20は、例えば、キーボード、マウス、または、タッチパネルなどによって実現される。受付部20は、香り発生システム100が備える他の構成要素とは別の構成要素であってもよいし、これらの他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。受付部20は、例えば、リモートコントローラのように独立した機器の一部であってもよいし、専用のアプリケーションプログラムがインストールされた携帯端末(スマートフォンまたはタブレット端末)の一部であってもよい。
【0024】
表示部30は、ユーザの操作に必要な情報、及び、ユーザの操作の結果をユーザに通知するために必要な情報などを表示する。例えば、表示部30は、香り発生方式の選択肢を含む香り発生方式を指定するための画面、及び、感性効果の選択肢を含む感性効果を指定するための画面などを表示する。表示部30は、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。表示部30は、香り発生システム100が備える他の構成要素とは別の構成要素であってもよいし、これらの他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。表示部30は、例えば、リモートコントローラのように独立した機器の一部であってもよいし、専用のアプリケーションプログラムがインストールされた携帯端末(スマートフォンまたはタブレット端末)の一部であってもよい。
【0025】
選択部40は、香り発生システム100において使用することができる複数の香り発生方式のうちの1つを対象方式として選択する。選択部40は、例えば、複数の香り発生方式のうち、ユーザによって受付部20を通じて指定されたものを対象方式として選択する。選択部40は、例えば、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現される。
【0026】
なお、ユーザが香り発生方式を指定するときには、まず、香り発生部10を指定し、その後に香り発生方式を指定する2段階の指定が行われてもよいし、香り発生部10及び香り発生方式が一度に指定されてもよい。1つの香り発生部10が1つの香り発生方式のみを有する場合には、香り発生部10のみが指定されてもよい。
【0027】
制御部50は、選択部40が選択した対象方式(つまり、ユーザが受付部20を通じて指定した香り発生方式)に対応した感性マップを記憶部60から読み込み、この感性マップと、ユーザが欲する感性効果とに基づいて香り発生部10を制御する。制御部50は、例えば、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現される。
【0028】
記憶部60は、選択部40及び制御部50が実行するコンピュータプログラム、及び、感性マップなどが記憶される記憶装置である。記憶部60は、言い換えれば、感性マップのデータベースである。記憶部60は、半導体メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0029】
[感性マップ]
次に、感性マップについてより具体的に説明する。感性マップは、ある香り発生方式を用いて香りを発生したときにどのような感性効果が得られるかを示す情報である。
図2は、2次元マップ形式の感性マップの一例を示す図である。
【0030】
図2の例では、2次元座標上に、「わくわくする」「楽しい」「落ち着く」「眠い」といった感性効果を示す点がプロットされている。また、ある香り発生方式を用いて6種類の香りA~Fを発生したときにどのような感性効果が得られるか(2次元座標上でどのような位置に来るか)を示す点もプロットされている。
【0031】
感性マップは、例えば、香り発生方式ごとに作成され、あらかじめ記憶部60に記憶される。以下、感性マップの作成方法について説明する。
【0032】
図2のような感性マップを作成する場合には、ある香り発生方式を用いて6種類の香りの1つを発生した際に、被験者がどんな感性効果を得た(あるいは得られそうと感じた)かの評価データを取得する。
【0033】
ここで、感性効果は、例えば、被験者の気分、感情、または、心理状態(その香りが散布されていることで、リラックスできる、活動的になる、楽しい気分になれる、など)を示す場合もあるし、香りが発生されている空間の印象または雰囲気(その香りが散布されていることで、明るい空間だと感じる、落ち着いた空間だと感じる、など)を示す場合もある。
【0034】
1人の被験者の1つの香り発生方式及び1つの香りの組み合わせについての評価データは、感性効果の数をNとした場合には、N個の評価値によって構成されるN次元のベクトルとして表現できる。評価データに因子分析、または、多次元尺度構成法(MDS:Multi-Dimensional Scaling)などを適用すると、N次元のベクトルを2~3次元程度のベクトルに圧縮することができる。つまり、1つの香り発生方式及び1つの香りを組み合わせたときの感性効果の、2次元空間、または、3次元空間における座標を求めることができる。このような評価データの取得、及び、分析処理を6種類の香りのそれぞれについて行えば、
図2のような、ある香り発生方式の感性マップを作成することができる。
【0035】
なお、感性マップには、さらに、香り発生パターンが考慮されてもよい。つまり、感性マップにプロットされる1つの点は、ある香り発生方式を使用したときの、香り発生パターン、及び、香りの組み合わせを示してもよい。
図3は、このような2次元マップ形式の感性マップの別の一例を示す図である。
【0036】
また、本明細書中では、感性マップは、香り発生方式ごとに作成されるものとして説明が行われるが、複数の香り発生方式に対応する複数の感性マップが統合されたものであってもよい。つまり、感性マップが香り発生方式ごとに作成されることは必須ではない。
【0037】
また、感性マップは、2次元マップ形式に限定されず、例えば、2次元マップ形式の複数の点のそれぞれがどの感性効果に最も近いか(つまり、どのような感性効果が得られるか)をリスト化したものであってもよい。
図4は、リスト形式の感性マップの一例を示す図である。なお、このようなリスト形式の感性マップを生成する場合には、全被験者の評価データの平均値(N個の評価値のそれぞれの平均値)をそのまま用いて、評価値が一定値以上の感性効果を、この香りによって得られる感性効果とみなしてリスト化してもよい。
【0038】
また、感性マップは、気分等の感性効果を示すマップと、空間の印象等の感性効果を示すマップとに分けて作成されてもよい。感性マップは、香り発生方式及び香りの組み合わせ(あるいは、香り発生方式、香り発生パターン、及び、香りの組み合わせ)によって得られる感性効果を示す情報であればどのような態様であってもよい。
【0039】
なお、感性効果は、ユーザの気分等を示すもの、及び、空間の印象等を示すものに限定されない。感性効果には、行動を促す効果(例えば、身体を動かしたくなる)、及び、生理的な効果(例えば、よく眠れる)なども含まれる。
【0040】
[動作例1]
次に、香り発生システム100の動作例1について説明する。
図5は、香り発生システム100の動作例1のフローチャートである。以下の動作例1では、感性マップとして、
図2の感性マップが使用されるものとする。
【0041】
まず、表示部30は、制御部50の制御に基づいて、香り発生方式を指定するための画面を表示する(S11)。
図6は、香り発生方式を指定するための画面の一例を示す図である。このような画面が表示されているときに、受付部20は、香り発生方式の指定(指定操作)をユーザから受け付ける(S12)。
【0042】
選択部40は、ユーザによって指定された香り発生方式を対象方式として選択し(S13)、制御部50は、対象方式(つまり、ユーザによって指定された香り発生方式)の感性マップを記憶部60から読み出す(S14)。
【0043】
次に、表示部30は、制御部50の制御に基づいて、感性効果を指定するための画面を表示する(S15)。
図7は、感性効果を指定するための画面の一例を示す図である。感性効果を指定するための画面においては、例えば、ステップS14において読み出された感性マップにプロットされている感性効果(
図2のような感性マップの場合、「わくわくする」「楽しい」「落ち着く」「眠い」の4種類)だけが選択肢として表示される。なお、表示部30は、マップ形式の感性マップ、及び、リスト形式の感性マップのいずれかをそのまま(または、適宜編集して)感性効果を指定するための画面として表示してもよい。
【0044】
このような画面が表示されているときに、受付部20は、感性効果の指定(指定操作)をユーザから受け付ける(S16)。制御部50は、ステップS16において指定された感性効果を実現するために対象方式と組み合わせるべき香りを、ステップS14で読み出した感性マップに基づいて決定する(S17)。
【0045】
制御部50は、具体的には、
図2に示される感性マップ上で、ユーザが指定した感性効果を示す点に最も近い点に対応する香りを、対象方式と組み合わせるべき香りとして決定する。例えば、ユーザが感性効果として「楽しい」を指定した場合、制御部50は、
図2の感性マップにおいて「楽しい」を示す点に元も近い点に対応する香りBを選択(決定)する。
【0046】
また、「楽しい」を示す点は、「楽しい」を示す(原点からの)ベクトルでもある。そこで、制御部50は、「楽しい」を示すベクトルと香りのベクトルとの成す角度を求めることで、最も角度差の小さい香りである香りBを、「楽しい」という感性効果に最も近い香りとして選択(決定)してもよい。
【0047】
そして、制御部50は、対象方式を有する香り発生部10に、ステップS17において決定した香りを対象方式を用いて発生させる制御を行う(S18)。このような制御は、例えば、制御部50が有線または無線の通信によって香り発生部10に制御信号を送信することによって実現される。
【0048】
なお、香りに関してはユーザの好みが分かれる。そこで、ステップS17においては、ユーザが指定した感性効果を示す点に近い点を最も近いものから順に2つ以上決定し、決定した2以上の点に対応する2以上の香りを候補として提示し、候補のいずれを使用するかをユーザに問い合わせてもよい。この場合、表示部30は、香りを指定するための画面(上記候補が示される画面)を表示する。
【0049】
また、このようにユーザが香りを選択する場合、制御部50は、選択結果に基づいてユーザの香りの嗜好性を学習してもよい。この場合、ステップS17においては、学習結果に基づき、ユーザの嗜好性を考慮して香りが決定される。また、香り発生システム100の使用開始時にユーザの香りの嗜好性を示す情報(言い換えれば、香りの優先順位)の入力操作を受け付け、この情報を記憶部60に記憶しておく。そうすると、ステップS17において、制御部50は、ユーザが指定した感性効果を示す点から所定距離内に位置する複数の点に対応する複数の香りを候補として決定した後、嗜好性を示す情報に基づいて候補の中から最もユーザが好む香りを決定することもできる。
【0050】
また、香り発生システム100に慣れたユーザ、及び、香りに詳しいユーザに対しては、ステップS15において表示部30が感性マップを表示し、ユーザは感性マップを見て直接自分が欲しい感性効果に近く、かつ、自分の好みに合う香りを指定するような構成も有用である。
【0051】
以上説明したように、香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り及び香り発生方式の組み合わせを決定することができる。
【0052】
なお、動作例1では、2次元マップ形式の感性マップが使用される例について説明されたが、2次元マップ形式に代えて、上記
図4に示されるようなリスト形式の感性マップが使用されてもよい。
図4に示されるようにリスト形式の感性マップにおいては、香り発生方式と香り発生パターンと香りの種類と最も近い感性効果とが対応付けられる。したがって、所望の感性効果を実現するための、香り発生方式、香り発生パターン、及び、香りの種類の組み合わせを一意に決定することができる。
【0053】
また、リスト形式の感性マップにおいて、同じ感性効果に対応付けられる、香り発生方式、香り発生パターン、及び、香りの種類の組み合わせが複数存在する場合があるこのような場合、同じ感性効果に対応付けられる複数の組み合わせが、感性効果までの2次元マップ上の距離が近い順に並べられていれば、制御部50は、最も近い感性効果が得られる香り発生方式、香り発生パターン、及び、香りの種類の組み合わせを決定することができる。このように、リスト形式の感性マップにおいては、リストの順序が感性効果までの近さを示してもよい。
【0054】
また、感性効果まで距離を示す情報がリスト形式の感性マップに含まれれば、制御部50は、リスト形式の感性マップを、2次元マップ形式の感性マップと同様に使用することもできる。例えば、制御部50は、リスト形式の感性マップを用いて、ある感性効果から一定距離以下の範囲にある香り種類、及び、香り発生パターンを決定することができる。また、リスト形式の感性マップに、ユーザの嗜好性の学習結果など反映させることもできる。
【0055】
[動作例2]
動作例1においては、制御部50は、指定された感性効果を実現するために対象方式とこれに組み合わせるべき香りを決定したが、香りに加えて香り発生パターンをさらに決定してもよい。
図8は、このような香り発生システム100の動作例2のフローチャートである。以下の動作例2では、感性マップとして、
図3の感性マップが使用されるものとする。以下の動作例2の説明では、動作例1で既出の事項についての説明が適宜省略される。
【0056】
ステップS11~ステップS16の処理は、動作例1と同様である。ステップS16の後、制御部50は、ステップS16において指定された感性効果を実現するために対象方式と組み合わせるべき香り及び香り発生パターンを、ステップS14で読み出した感性マップ(動作例2では、
図3の感性マップ)に基づいて決定する(S27)。
【0057】
制御部50は、具体的には、
図3に示される感性マップ上で、ユーザが指定した感性効果を示す点に最も近い点に対応する香り及び香り発生パターンを、対象方式と組み合わせるべき香り及び香り発生パターンとして決定する。例えば、ユーザが感性効果として「楽しい」を指定した場合、制御部50は、
図3の感性マップにおいて「楽しい」を示す点に元も近い点に対応する香りBとパターン2のペアを選択(決定)する。同じ香りBでも香りBとパターン1のペアであれば、感性効果は「わくわくする」になる。このため、感性効果として「楽しい」が指定された場合、香りBとパターン1のペアは選択(決定)されない。
【0058】
なお、
図3の例では、香りAの感性効果は、どの香り発生パターンと組み合わされたとしても「わくわくする」である。最も「わくわくする」の感性効果が高いのは、香りAとパターン2のペアであるため、通常は、香りAとパターン2のペアが選択(決定)される。しかしながら、どの発生パターンでも感性効果が大きく異ならないため、デフォルトパターンが採用されてもよいし、パターン1が採用されてもよい。このように、香り発生パターンの違いが感性効果にほとんど影響しない香りについては、デフォルトの香り発生パターンが決定されるなどのルールがあらかじめ定められていてもよい。
【0059】
そして、制御部50は、対象方式を有し、かつ、決定された香り発生パターンを使用可能な香り発生部10に、ステップS27において決定した香りを、対象方式及びステップS27で決定した香り発生パターンを用いて発生させる制御を行う(S28)。このような制御は、例えば、制御部50が有線または無線の通信によって香り発生部10に制御信号を送信することによって実現される。
【0060】
以上説明したように、香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り、香り発生方式、及び、香り発生パターンの組み合わせを決定することができる。
【0061】
[動作例3]
動作例1及び動作例2は、ユーザによって香り発生方式が指定されることが前提となるが、香り発生方式に代えて香り発生パターンが指定されてもよい。
図9は、このような香り発生システム100の動作例3のフローチャートである。以下の動作例3の説明では、動作例1及び2で既出の事項についての説明が適宜省略される。
【0062】
まず、表示部30は、制御部50の制御に基づいて、香り発生パターンを指定するための画面を表示する(S31)。
図10は、香り発生パターンを指定するための画面の一例を示す図である。このような画面が表示されているときに、受付部20は、香り発生パターンの指定(指定操作)をユーザから受け付ける(S32)。
【0063】
選択部40は、ユーザによって指定された香り発生パターンを対象パターンとして選択し(S33)、制御部50は、対象パターン(つまり、ユーザによって指定された香り発生パターン)に関連する感性マップを記憶部60から読み出す(S34)。
【0064】
次に、表示部30は、制御部50の制御に基づいて、感性効果を指定するための画面を表示する(S35)。このような画面が表示されているときに、受付部20は、感性効果の指定(指定操作)をユーザから受け付ける(S36)。
【0065】
制御部50は、ステップS36において指定された感性効果を実現するために対象パターンと組み合わせるべき香り及び香り発生方式を、ステップS34で読み出した感性マップに基づいて決定する(S37)。
【0066】
制御部50は、具体的には、感性マップ上で、ユーザが指定した感性効果を示す点に最も近い点に対応する香り及び香り発生方式を、対象パターンと組み合わせるべき香りとして決定する。なお、香り発生方式を決定することは必須ではなく、香り発生パターンが指定されることでおのずと香り発生方式が定まるような場合には、香り発生方式は決定されない。
【0067】
そして、制御部50は、決定された香り発生方式を有し、対象パターンを使用可能な香り発生部10に、ステップS37において決定した香りを決定された香り発生方式、及び、対象パターンを用いて発生させる制御を行う。このような制御は、例えば、制御部50が有線または無線の通信によって香り発生部10に制御信号を送信することによって実現される。
【0068】
以上説明したように、香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り及び香り発生パターンの組み合わせを決定することができる。
【0069】
なお、動作例3は動作例1と組み合わされてもよい。つまり、ユーザは、香り発生方式、香り発生パターン、及び、感性効果の3つを指定してもよい。この場合、制御部50は、指定された感性効果を実現するために、指定された香り発生方式、及び、指定された香り発生パターンと組み合わせるべき香りを、感性マップに基づいて決定し、香り発生部10に、決定した香りを、指定された香り発生方式及び指定された香り発生パターンを用いて発生させる。
【0070】
[新たな香り発生部が追加されたときの動作例(動作例4)]
次に、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときの動作例について説明する。まず、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加される前に記憶部60に記憶されている機器リストについて説明する。
【0071】
記憶部60に記憶される機器リストには、初期状態で存在するすべての香り発生部10、及び、香り発生方式を示す情報が含まれる。また、機器リストには、初期状態で存在する香り発生方式及び香り発生パターンに関連するスペック情報(例えば、超音波式で液体香料を散布する際のミスト径、香り発生の時間間隔、香りの発生量などの最小値、中央値、最大値、加熱方式の温度範囲、加湿器の湿度範囲、エアコンの風量など)が含まれる。また、機器リストには、香り発生方式に対応する感性マップを示す情報(感性マップID、または、マップ名などの感性マップを特定するための情報。感性マップがリスト形式などの場合にはなくてもよい)なども含まれる。
【0072】
なお、機器リストは、選択部40などの他の要素によって保持(記憶)されていてもよいし、記憶部60とは別のデータベース等に記憶されていてもよい。また、機器リストは、香り発生方式と感性マップIDのリスト、香り発生部10と香り発生方式とスペック情報のリスト、などに分割されていてもよい。
【0073】
このような機器リストが記憶部60に記憶されている状態において、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときの動作例について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、このような香り発生システム100の動作例4のフローチャートである。
【0074】
香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されるとは、例えば、制御部50と新たな香り発生部10との通信接続が確立されることを意味する。制御部50は、まず、新たな香り発生部10が有する香り発生方式、及び、新たな香り発生部のスペック情報(以下、香り発生方式等とも記載される)を取得する(S41)。制御部50は、例えば、新たな香り発生部10が有する香り発生方式等を、通信によって新たな香り発生部10から取得する。また、ユーザの香り発生方式等の手動入力操作を受付部20が受け付け、制御部50は、新たな香り発生部10が有する香り発生方式等をユーザから受付部20を介して取得してもよい。
【0075】
次に、制御部50は、記憶部60に記憶された機器リストを参照し、機器リストに新たな香り発生部10が有する香り発生方式と同一の香り発生方式が含まれているか否かを判定する(S42)。制御部50は、機器リストに新たな香り発生部10が有する香り発生方式と同一の香り発生方式が含まれていると判定すると(S42でYes)、この香り発生方式に対応する感性マップIDが示す感性マップを新たな香り発生部10の感性マップとして特定する(S43)。このとき、制御部50は、新たな香り発生部10のスペック情報と特定した感性マップIDとを機器リストに追記する。
【0076】
制御部50は、機器リストに新たな香り発生部10が有する香り発生方式と同一の香り発生方式が含まれていないと判定すると(S42でNo)、新たな香り発生部10のスペック情報と機器リストに含まれる香り発生方式のスペック情報とを比較することにより、既存の香り発生方式の中に類似する(例えば、類似度が所定値よりも高い)香り発生方式が存在するか否かを判定する(S44)。制御部50は、既存の香り発生方式の中に類似する香り発生方式が存在すると判定すると(S44でYes)、最も類似度の高い香り発生方式に対応する感性マップIDが示す感性マップを、新たな香り発生部10の感性マップとして特定する(S45)。このとき、制御部50は、新たな香り発生部10のスペック情報と特定した感性マップIDとを機器リストに追記する。
【0077】
スペック情報に基づく類似度は、例えば、スペック情報に含まれる全てのパラメータの類似度に基づいて算出される。スペック情報に含まれる全てのパラメータのうち香り発生方式ごとに重視するパラメータをあらかじめ決めておき、スペック情報に基づく類似度は、重視するパラメータの類似度に基づいて算出されてもよい。香り発生方式は、スペック情報に含まれる複数のパラメータで構成されたベクトルで表現できるため、2つの香り発生方式の類似度は、2つのベクトルのコサイン類似度、または、2つのベクトルのユークリッド距離などの一般的な算出方法を用いて算出することができる。
【0078】
制御部50は、既存の香り発生方式の中に類似する香り発生方式が存在しないと判定すると(S44でNo)、ユーザの香りの評価結果に基づく類似度を算出し(S46)、既存の香り発生方式の中から最も類似度の高い香り発生方式に対応する感性マップIDが示す感性マップを、新たな香り発生部10の感性マップとして特定する(S47)。このとき、制御部50は、新たな香り発生部10のスペック情報と特定した感性マップIDとを機器リストに追記する。
図12は、ユーザの香りの評価結果に基づく類似度の算出方法を説明するための図である。
【0079】
制御部50は、具体的には、新たな香り発生部10に新たな香り発生方式を用いて基準香を発生させ、受付部20は、基準香に対する感性効果の評価結果の入力操作を受け付ける。評価項目としては、感性マップを作成するための項目と同じものが使用されるが、主成分分析または因子分析などで次元圧縮された後の各次元を評価項目として、評価を簡便にすることも可能である。この結果、
図12の(a)に示されるように、感性マップ上の基準香の位置(座標)が定まる。基準香の座標は、因子分析などの計算で得られた重み、及び、負荷量の値を残しておくことで計算可能である。
【0080】
基準香とは、香り発生方式が異なることで感性効果が変化しやすい香りであり、あらかじめ数種類(
図12の例では、3種類)選択される。
図12の(b)に示されるように、既存の香り発生方式1~3の感性マップには、基準香の感性効果を示す点(座標)があらかじめ含まれる。制御部50は、評価結果として得られる基準香りの座標と、既存の感性マップ上の基準香の座標と比較することにより、新たな香り発生方式がどの香り発生方式に近いのか(つまり、類似度が高いのか)を特定することができる。なお、ここでの「近さ」は、香り発生方式そのものの近さではなく、発生させた香りの、感性評価の観点での近さである。
【0081】
なお、基準香は、例えば、香り発生方式1では変化するが香り発生方式2及び3では変化しないもの、香り発生方式1及び2では変化するが香り発生方式3では変化しないもの、香り発生方式1及び2では変化しないが香り発生方式3では変化するもの、など、数種類が組み合わせられればよい。複数の基準香として、香り発生方式の違いを判別できるものが組合せられていればよく、一つの基準香だけで香り発生方式の違いを判別できなくてもよい。
【0082】
以上説明したように、香り発生システム100は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、既存の感性マップを新たな香り発生部10の感性マップとして使用することができる。
【0083】
また、香り発生システム100は、新たな香り発生部10が有する香り発生方式の感性マップとして、既存の複数の感性マップを補正(合成、または、射影変換など)した感性マップを記憶部60に記憶してもよい。つまり、香り発生システム100は、既存の感性マップを用いて新たに感性マップを作成してもよい。
【0084】
例えば、ステップS47において最も類似度が高い香り発生方式が複数存在する場合が考えられる。具体的には、評価結果が、香り発生方式1と香り発生方式2の中間的な結果である場合である。このような場合、制御部50は、新たに感性マップを作成してもよい。例えば、制御部50は、評価結果が、香り発生方式1と香り発生方式2の中間的な結果である場合には、2つの香り発生方式に対応する2つの感性マップの平均値を取ることにより新たな感性マップを生成することができる。
【0085】
また、ステップS47において最も類似度が高い香り発生方式が複数存在する場合の別の例として、評価結果が、ある部分は香り発生方式1に類似し、ある部分は香り発生方式2に類似しているような場合も考えられる。このような場合、制御部50は、2つの香り発生方式に対応する2つの感性マップの類似部分を接ぎ合わせた感性マップを作成することができる。
【0086】
制御部50は、評価結果によって定まる基準香の評価結果を示す3つの点が既存の感性マップにおける基準香の感性効果を示す3つの点の射影変換として表せる場合には、既存の感性マップを、基準香の評価結果が一致するように射影変換することで感性マップを作成することもできる。
【0087】
また、香り発生システム100は、既存の感性マップを使用せずに新たに感性マップを作成してもよい。例えば、ステップS46において算出した類似度が既存のどの香り発生方式に対しても所定値以下である(類似度が所定値よりも高い香り発生方式が存在しない)場合が考えられる。このような場合、制御部50は、既存の感性マップを使用せずに新たに感性マップを作成してもよい。この場合、基準香の評価結果に基づいて新たな感性マップを作成する自動プログラムが準備される。この自動プログラムは、例えば、制御部50によって実行されるが、制御部50とは別の構成要素(例えば、感性評価部など)を設け、当該構成要素によって実行されてもよい。
【0088】
[効果等]
以上説明したように、香り発生システム100は、1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部10であって、複数の香り発生方式を有する香り発生部10と、複数の香り発生方式、及び、1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部60と、複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する選択部40と、ユーザが欲する感性効果の指定をユーザから受け付ける受付部20と、指定された感性効果を実現するために対象方式と組み合わせるべき香りを、感性マップに基づいて決定し、香り発生部10に、決定した香りを対象方式を用いて発生させる制御部50とを備える。
【0089】
このような香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り及び香り発生方式の組み合わせを決定することができる。したがって、香り発生システム100は、香り発生部10に、決定された香りの発生方式で決定された香りを発生させることにより、ユーザに所望の感性効果を与えることができる。
【0090】
また、動作例1~3では、香り発生システム100は、さらに、香り発生方式を指定するための画面を表示する表示部30を備える。受付部20は、さらに、画面が表示されているときに香り発生方式の指定をユーザから受け付け、選択部40は、複数の香り発生方式のうちユーザによって指定されたものを対象方式として選択する。
【0091】
このような香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザがする感性効果を実現するために、ユーザが指定する香り発生方式に組み合わせるべき香りを決定することができる。したがって、香り発生システム100は、香り発生部10に、指定された香りの発生方式で決定された香りを発生させることにより、ユーザに所望の感性効果を与えることができる。
【0092】
また、動作例2では、感性マップは、複数の香り発生方式、1種類以上の香り、及び、複数の香り発生パターンの組み合わせによって得られる感性効果を示す。制御部50は、指定された感性効果を実現するために対象方式と組み合わせるべき香り及び香り発生パターンを、感性マップに基づいて決定し、香り発生部10に、決定した香りを対象方式及び決定した香り発生パターンを用いて発生させる。
【0093】
このような香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り、香り発生方式、及び、香り発生パターンの組み合わせを決定することができる。したがって、香り発生システム100は、香り発生部10に、決定された香りの発生方式及び香りの発生パターンで決定された香りを発生させることにより、ユーザに所望の感性効果を与えることができる。
【0094】
また、動作例3では、香り発生システム100は、1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部10であって、複数の香り発生パターンを選択可能な香り発生部10と、複数の香り発生パターン、及び、1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部60と、複数の香り発生パターンのうちの少なくとも1つを対象パターンとして選択する選択部40と、ユーザが欲する感性効果の指定をユーザから受け付ける受付部20と、指定された感性効果を実現するために対象パターンと組み合わせるべき香りを、感性マップに基づいて決定し、香り発生部10に、決定した香りを対象パターンを用いて発生させる制御部50とを備える。
【0095】
このような香り発生システム100は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り及び香り発生パターンの組み合わせを決定することができる。したがって、香り発生システム100は、香り発生部10に、決定された香りの発生パターンで決定された香りを発生させることにより、ユーザに所望の感性効果を与えることができる。
【0096】
また、動作例4では、制御部50は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、新たな香り発生部10が有する香り発生方式(以下、第一香り発生方式とも記載される)の感性マップとして、複数の香り発生方式のうち第一香り発生方式に類似する香り発生方式(以下、第二香り発生方式とも記載される)に対応する感性マップを記憶部60に記憶する。
【0097】
このような香り発生システム100は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、新たな香り発生部10が有する香り発生方式の感性マップとして、既存の感性マップを使用することにより、香りの決定処理を行うことができる。
【0098】
また、動作例4では、制御部50は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、新たな香り発生部10に第一香り発生方式を用いて基準香を発生させ、受付部20によって受け付けられる基準香に対するユーザの感性効果の評価結果に基づいて、第一香り発生方式に類似する第二香り発生方式に対応する感性マップを特定し、特定した感性マップを第一香り発生方式の感性マップとして記憶部60に記憶する。
【0099】
このような香り発生システム100は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、ユーザの感性効果の評価結果に基づいて、新たな香り発生部10が有する香り発生方式の感性マップとして既存の感性マップを使用することにより、香りの決定処理を行うことができる。
【0100】
また、動作例4では、制御部50は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、新たな香り発生部10が有する第一香り発生方式の感性マップとして、複数の香り発生方式のうち第二香り発生方式に対応する感性マップを補正した感性マップを記憶部60に記憶する。ここでの補正とは、例えば、複数の感性マップの合成、または、感性マップの射影変換などである。
【0101】
このような香り発生システム100は、香り発生システム100に新たな香り発生部10が追加されたときに、新たな香り発生部10が有する香り発生方式の感性マップとして、既存の感性マップを補正したものを使用することにより、香りの決定処理を行うことができる。
【0102】
また、本発明は、1種類以上の香りを発生させることができる香り発生部10であって、複数の香り発生方式を有する香り発生部10を制御する制御装置として実現されてもよい。このような制御装置は、複数の香り発生方式、及び、1種類以上の香りの組み合わせによって得られる感性効果を示す感性マップが記憶された記憶部60と、複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する選択部40と、ユーザが欲する感性効果の指定を前記ユーザから受け付ける受付部20と、指定された感性効果を実現するために対象方式と組み合わせるべき香りを、感性マップに基づいて決定し、香り発生部10に、決定した香りを対象方式を用いて発生させる制御部50とを備える。
【0103】
このような制御装置は、感性マップを用いることで、ユーザが欲する感性効果を実現するために最適な香り及び香り発生パターンの組み合わせを決定することができる。したがって、制御装置は、香り発生部10に、決定された香りの発生パターンで決定された香りを発生させることにより、ユーザに所望の感性効果を与えることができる。
【0104】
なお、上記のような制御装置は、例えば、香り発生システム100の専用のリモートコントローラ(専用装置)であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの汎用の情報端末(汎用装置)にアプリケーションプログラムがインストールされることによって実現されてもよい。本発明は、このような、コンピュータを、上記制御装置として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。
【0105】
(実施の形態2)
[構成]
実施の形態2では、複数の香り発生部10が互いに異なる部屋に設置された香り発生システムについて説明する。
図13は、このような実施の形態2に係る香り発生システムの機能構成を示すブロック図である。以下の実施の形態2の説明では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われる。
【0106】
図13に示されるように、実施の形態2に係る香り発生システム100aは、複数の香り発生部10と、受付部20と、表示部30と、選択部40と、制御部50と、記憶部60と、複数のセンサ部70とを備える。香り発生部10は、複数の部屋80のそれぞれに1つずつ配置され、センサ部70も複数の部屋80のそれぞれに1つずつ配置される。
【0107】
センサ部70は、当該センサ部70が配置された部屋におけるユーザの在室を検出する。センサ部70は、例えば、人の体から発せられる赤外線を検知する、一般的な人感センサであるが、人感センサに限定されない。例えば、センサ部70は、部屋80の照明スイッチであり、部屋80において照明が消灯状態から点灯状態になったことをユーザが当該部屋80に在室していることとして検出してもよい。つまり、照明が消灯状態から点灯状態になったことをユーザの在室とみなしてもよい。また、センサ部70は、ユーザが所持する無線タグを検出するセンサなどであってもよい。
【0108】
[動作例]
次に、香り発生システム100aの動作例について説明する。
図14は、香り発生システム100aの動作例のフローチャートである。なお、以下で説明される動作例は、実施の形態1で説明された動作例1~4とどのように組み合わされてもよい。
【0109】
まず、複数のセンサ部70のそれぞれは、当該センサ部70が配置された部屋におけるユーザの在室を検出する(S51)。選択部40は、センサ部70から取得した検出結果情報と、記憶部60に記憶された配置情報とに基づいて、ユーザの在室が検出された部屋に設置された香り発生部10が有する香り発生方式を対象方式として選択する(S52)。
図15は、配置情報の一例を示す図である。
【0110】
配置情報においては、部屋のID(識別情報)と、センサ部70のIDと、香り発生部10のIDと、香り発生部10が有する香り発生方式とが対応付けられている。このような配置情報は、あらかじめ記憶部60に記憶される。選択部40は、配置情報を参照することで、センサ部70から取得する検出結果情報に含まれるセンサ部70のIDに紐づけられた香り発生方式を対象方式として選択することができる。
図15の例では、選択部40は、部屋1に設置されたセンサ部70からの検出結果情報を取得した場合、香り発生方式1及び香り発生方式2を選択する。
【0111】
なお、配置情報が選択部40によって直接参照されることは必須ではなく、選択部40は、制御部50にセンサ部70のIDを含む選択要求を送信し、制御部50は、配置情報を参照し、選択要求に含まれるセンサ部70のIDに紐づけられた香り発生方式を対象方式として選択してもよい。
【0112】
次に、制御部50は、対象方式の感性マップを記憶部60から読み出す(S53)。表示部30は、制御部50の制御に基づいて、感性効果を指定するための画面を表示する(S54)。ステップS52で複数の香り発生方式が選択された場合(つまり、ステップS53で複数の感性マップが読み出された場合)、ステップS54では、複数の香り発生方式によって実現できる感性効果の選択肢が全て表示される。なお、実施の形態1(香り発生システム100)では、ユーザが指定した1つの香り発生方式によって実現できる感性効果だけが選択肢として表示される。
【0113】
このような画面が表示されているときに、受付部20は、感性効果の指定(指定操作)をユーザから受け付ける(S55)。制御部50は、ステップS55において指定された感性効果を実現するために、最適な対象方式及び香りの組み合わせを、ステップS53で読み出した感性マップに基づいて決定する(S56)。
図16A及び
図16Bは、対象方式及び香りの組み合わせの決定方法の一例を説明するための図(ステップS53で読み出された2つの感性マップを示す図)である。
【0114】
ユーザが感性効果「楽しい」を指定した場合、
図16Aに示される香り発生方式1の感性マップで「楽しい」に一番近い点は、香りBを示す点であり、
図16Bに示される香り発生方式2の感性マップで「楽しい」に一番近い点も香りBを示す点である。ここで、香り発生方式1と香りBの組み合わせよりも、香り発生方式2と香りBの組み合わせのほうが感性効果「楽しい」に近いため、制御部50は、香り発生方式2と香りBの組み合わせを決定する。言い換えれば、制御部50は、最終的な対象方式として香り発生方式2を選択し、香りBを最終的な対象方式と組み合わせるべき香りとして決定する。
【0115】
また、「楽しい」を示す点は、「楽しい」を示す(原点からの)ベクトルでもある。そこで、制御部50は、香り発生方式1の感性マップ、及び、香り発生方式2の感性マップのそれぞれにおいて、「楽しい」を示すベクトルと香りのベクトルとの成す角度を求めることで、最も角度差の小さい香り及び香り発生方式の組み合わせを、「楽しい」という感性効果に最も近い香り及び香り発生方式の組み合わせとして選択(決定)してもよい。
【0116】
なお、感性マップに香り発生パターンの情報が含まれる場合、制御部50は、ステップS56において、対象方式、香り、及び、香り発生パターンの組み合わせを決定する。
【0117】
そして、制御部50は、対象方式を有する香り発生部10に、ステップS56において決定した香りを対象方式を用いて発生させる制御を行う(S57)。このような制御は、例えば、制御部50が有線または無線の通信によって香り発生部10に制御信号を送信することによって実現される。
【0118】
以上説明したように、香り発生システム100aは、ユーザの滞在している部屋を検出し、当該部屋で使用可能な香り発生方式に対応した感性マップを選択する。香り発生システム100aのユーザは、香り発生方式を選択する必要はない。そして、香り発生システム100aは、ユーザの欲しい感性効果に最も適した香り発生方式及び香りの組み合わせを自動で決定することができる。
【0119】
[効果等]
香り発生システム100aにおいて、香り発生部10は、複数の部屋80のそれぞれに配置される。香り発生システム100aは、さらに、複数の部屋80のそれぞれにおけるユーザの在室を検出するセンサ部70と、ユーザの在室が検出された部屋80に配置された香り発生部10が有する香り発生方式によって実現可能な感性効果の選択肢を表示する表示部30とを備える。受付部20は、さらに、選択肢が表示されているときに感性効果の指定をユーザから受け付ける。
【0120】
このような香り発生システム100aは、ユーザが位置する部屋80において実現できない感性効果の選択肢を表示しないことで、ユーザから適切な感性効果の指定を受け付けることができる。
【0121】
また、例えば、選択部40は、センサ部70の検出結果に基づいて、複数の香り発生方式のうちの少なくとも1つを対象方式として選択する。
【0122】
このような香り発生システム100aは、ユーザが位置する部屋80において使用できる香り発生方式を対象方式として選択することにより、ユーザに適切な感性効果を与えることができる。
【0123】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0124】
例えば、上記実施の形態1の動作例1において、ユーザは、受付部を通じて所望の感性効果のみを指定し、選択部及び制御部は、感性マップに基づいて、ユーザによって指定された感性効果を実現するために適した、香り発生方式及び香りの組み合わせを決定してもよい。
【0125】
同様に、上記実施の形態1の動作例3において、ユーザは、受付部を通じて所望の感性効果のみを指定し、選択部及び制御部は、感性マップに基づいて、ユーザによって指定された感性効果を実現するために適した、香り発生パターン及び香りの組み合わせを決定してもよい。
【0126】
また、上記実施の形態では、香り発生システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。香り発生システムが複数の装置によって実現される場合、香り発生システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。また、香り発生システムは、クライアントサーバシステムとして実現されてもよい。
【0127】
例えば、上記実施の形態における構成要素間の通信方法については特に限定されるものではない。また、構成要素間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0128】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、選択部が実行する処理は制御部によって実行されてもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0130】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0131】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0132】
例えば、本発明は、香り発生システムなどのコンピュータが実行する香り発生方法として実現されてもよいし、このような香り発生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0133】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
10 香り発生部
20 受付部
30 表示部
40 選択部
50 制御部
60 記憶部
70 センサ部
80 部屋
100、100a 香り発生システム