(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】日常生活動作状態判定システム、日常生活動作状態判定方法、プログラム、日常生活動作状態判定装置、及び、日常生活動作状態判定デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A61B5/11 200
(21)【出願番号】P 2022538675
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2021025162
(87)【国際公開番号】W WO2022019093
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2020125180
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】相原 貴拓
(72)【発明者】
【氏名】和田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】濱塚 太一
(72)【発明者】
【氏名】松村 吉浩
(72)【発明者】
【氏名】樋山 貴洋
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-159935(JP,A)
【文献】特開2017-176432(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0271458(US,A1)
【文献】特開2019-154489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に
前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を
順番に行うように指示する指示部と、
前記指示部による指示に従って前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を被写体として含む画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記画像に基づいて、前記画像における前記対象者の骨格モデルを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記骨格モデルに基づいて、前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出部と、
前記導出部により導出された前記特徴量に基づいて、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部と、
前記評価部により評価された前記身体機能に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態を判定して出力する判定部と、
を備える、
日常生活動作状態判定システム。
【請求項2】
前記導出部は、前記骨格モデルにおける前記対象者の関節、非関節部位、及び、末端部位の少なくともいずれかの位置に基づいて、前記特徴量を導出する、
請求項1に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項3】
前記取得部は、複数の前記画像から構成される動画像を取得し、
前記推定部は、前記取得部により取得された前記動画像に基づいて、前記動画像を構成する複数の前記画像のそれぞれにおける前記骨格モデルを推定する、
請求項1又は2に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記画像に基づいて、前記対象者の2次元骨格モデルを推定し、推定した前記2次元骨格モデルに基づいて、機械学習モデルを用いて前記対象者の3次元骨格モデルを推定し、
前記導出部は、前記推定部により推定された前記3次元骨格モデルに基づいて、前記特定の動作における前記特徴量を導出する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項5】
前記評価部は、前記身体機能として、前記対象者の上肢又は下肢を使って動作するための能力である上肢機能又は下肢機能を評価し、
前記判定部は、前記評価部により評価された前記上肢機能又は下肢機能に基づいて、上肢又は下肢を使ってなされる日常生活動作の状態を判定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項6】
前記導出部は、
前記骨格モデルに基づいて、所定の関節を介して繋がり、かつ、前記対象者における非関節部位又は末端部位である、第1部位の位置と、前記第1部位とは異なる第2部位の位置とを導出し、
導出した前記第1部位の位置と前記第2部位の位置とを結ぶ直線に基づいて、前記特徴量として、前記所定の関節の屈曲、伸展、外転、内転、外旋、及び、内旋の少なくともいずれかに関わる関節角度を導出し、
前記評価部は、導出された前記関節角度に基づいて、前記対象者の身体機能を評価する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項7】
前記第1部位及び前記第2部位の少なくともいずれかは、前記対象者の上肢又は下肢に含まれており、
前記評価部は、前記身体機能として、前記対象者が上肢又は下肢を使って動作するための能力である上肢機能又は下肢機能を評価し、
前記判定部は、前記評価部により評価された前記上肢機能又は下肢機能に基づいて、前記対象者の上肢又は下肢を使ってなされる日常生活動作の状態を判定する、
請求項6に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項8】
さらに、
前記判定部により判定された前記対象者の日常生活動作の状態をユーザに提示する提示部と、
前記ユーザの操作に関する指示を受け付ける受付部と、
を備え、
前記判定部は、前記受付部により受け付けられた前記ユーザの指示に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態に関する情報を抽出し、
前記提示部は、前記判定部により抽出された前記情報を前記ユーザに提示する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の日常生活動作状態判定システム。
【請求項9】
(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に
前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を
順番に行うように指示する指示ステップと、
前記指示ステップによる指示に従って前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を被写体として含む画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記画像に基づいて、前記画像における前記対象者の骨格モデルを推定する推定ステップと、
前記推定ステップにより推定された前記骨格モデルに基づいて、前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出ステップと、
前記導出ステップにより導出された前記特徴量に基づいて、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価ステップと、
前記評価ステップにより評価された前記身体機能に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態を判定する判定ステップと、
を含む、
日常生活動作状態判定方法。
【請求項10】
請求項9に記載の日常生活動作状態判定方法をコンピュータに実行させるための、
プログラム。
【請求項11】
(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う対象者を被写体として含む画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記画像に基づいて、前記画像における前記対象者の骨格モデルを推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記骨格モデルに基づいて、前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出部と、
前記導出部により導出された前記特徴量に基づいて、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部と、
前記評価部により評価された前記身体機能に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態を判定する判定部と、
を備える、
日常生活動作状態判定装置。
【請求項12】
(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に
前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を
順番に行うように指示する指示部と、
前記指示部による指示に従って前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を被写体として含む画像を取得する取得部と、
通信により、前記取得部により取得された前記画像を、前記対象者の日常生活動作の状態を判定する日常生活動作状態判定装置に出力し、かつ、前記日常生活動作状態判定装置から前記対象者の日常生活動作の状態に関する情報を取得する通信部と、
を備える、
日常生活動作状態判定デバイス。
【請求項13】
(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に
前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を
順番に行う指示の映像を表示する指示部と、
前記指示の映像に従って前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を、カメラにより撮影した画像に基づいて、前記特定の動作
のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の3次元骨格モデルを推定する推定部と、
前記3次元骨格モデルに基づいて、前記対象者の関節の動きに関わる関節角度を導出する導出部と、
前記特定の動作における前記3次元骨格モデルの位置と、前記関節角度とが、身体機能を表す評価テーブルの条件を満たすか否かを判断することにより、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部と、
前記評価部により評価された前記身体機能に基づいて、前記身体機能に関連した日常生活動作が前記対象者により行うことができるか否かを判定することにより、前記対象者の日常生活の状態を判定して出力する判定部と
を備えた情報処理装置による、
日常生活動作状態判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常生活動作状態判定システム、日常生活動作状態判定方法、プログラム、日常生活動作状態判定装置、及び、日常生活動作状態判定デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、介護施設では、高齢者が自立して生活できるように訓練(いわゆる、リハビリテーション)を行うサービスがある。リハビリテーションでは、訓練計画を作成する資格を有する介護施設の職員が高齢者の居宅を訪問して、高齢者の身体機能及び日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)の状態を判定し、ADLの状態に応じた訓練計画を作成する。リハビリテーションは、作成された訓練計画に従って行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、リハビリ訓練において、所定の動作を実行する対象者の動作情報を取得し、取得された動作情報を解析して、指定された部位の動きに関する解析値に基づく表示情報を表示する動作情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、リハビリ訓練の計画を作成するにあたり、対象者の身体機能及び日常生活動作の状態が正確に判定されていないと、対象者のリハビリテーションを正確に評価することができない。
【0006】
本発明は、対象者の日常生活動作の状態を、簡便に、かつ、正確に判定することができる日常生活動作状態判定システム、日常生活動作状態判定方法、プログラム、日常生活動作状態判定装置、及び、日常生活動作状態判定デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る日常生活動作状態判定システムは、(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を順番に行うように指示する指示部と、前記指示部による指示に従って前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を被写体として含む画像を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記画像に基づいて、前記画像における前記対象者の骨格モデルを推定する推定部と、前記推定部により推定された前記骨格モデルに基づいて、前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出部と、前記導出部により導出された前記特徴量に基づいて、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部と、前記評価部により評価された前記身体機能に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態を判定して出力する判定部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る日常生活動作状態判定方法は、(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を順番に行うように指示する指示ステップと、前記指示ステップによる指示に従って前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を被写体として含む画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記画像に基づいて、前記画像における前記対象者の骨格モデルを推定する推定ステップと、前記推定ステップにより推定された前記骨格モデルに基づいて、前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出ステップと、前記導出ステップにより導出された前記特徴量に基づいて、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価ステップと、前記評価ステップにより評価された前記身体機能に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態を判定する判定ステップと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本発明の一態様に係る日常生活動作状態判定装置は、(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う対象者を被写体として含む画像を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記画像に基づいて、前記画像における前記対象者の骨格モデルを推定する推定部と、前記推定部により推定された前記骨格モデルに基づいて、前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出部と、前記導出部により導出された前記特徴量に基づいて、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部と、前記評価部により評価された前記身体機能に基づいて、前記対象者の日常生活動作の状態を判定する判定部と、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る日常生活動作状態判定デバイスは、(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を順番に行うように指示する指示部と、前記指示部による指示に従って前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を被写体として含む画像を取得する取得部と、通信により、前記取得部により取得された前記画像を、前記対象者の日常生活動作の状態を判定する日常生活動作状態判定装置に出力し、かつ、前記日常生活動作状態判定装置から前記対象者の日常生活動作の状態に関する情報を取得する通信部と、を備える。
【0012】
本発明の一態様に係る日常生活動作状態判定システムは、(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、及び、(k)バッチグーの動作を含む特定の動作であって、対象者に前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を順番に行う指示の映像を表示する指示部と、前記指示の映像に従って前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作を行う前記対象者を、カメラにより撮影した画像に基づいて、前記特定の動作のうちの前記(a)座位から始まる2つ以上の動作における前記対象者の3次元骨格モデルを推定する推定部と、前記3次元骨格モデルに基づいて、前記対象者の関節の動きに関わる関節角度を導出する導出部と、前記特定の動作における前記3次元骨格モデルの位置と、前記関節角度とが、身体機能を表す評価テーブルの条件を満たすか否かを判断することにより、前記対象者の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部と、前記評価部により評価された前記身体機能に基づいて、前記身体機能に関連した日常生活動作が前記対象者により行うことができるか否かを判定することにより、前記対象者の日常生活の状態を判定して出力する判定部とを備えた情報処理装置による。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、対象者の日常生活動作の状態を、簡便に、かつ、正確に判定することができる日常生活動作状態判定システム、日常生活動作状態判定方法、プログラム、日常生活動作状態判定装置、及び、日常生活動作状態判定デバイスが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システムの概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、対象者の2次元骨格モデルの推定を概念的に示す図である。
【
図5】
図5は、3次元骨格モデルの推定を概念的に示す図である。
【
図6】
図6は、足踏み動作における膝関節の屈曲に関わる関節角度の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、前屈動作を行う対象者の2次元骨格モデルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、足踏み動作における身体機能の評価の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、前屈動作における身体機能の評価の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、足踏み動作における日常生活動作の状態の判定の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、前屈動作における日常生活動作の状態の判定の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システムの動作の第1の例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システムの動作の第2の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0017】
(実施の形態)
[1.概要]
まず、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システム10の概要を示す図である。
【0018】
実施の形態に係る日常生活動作状態判定システム10は、特定の動作を行う対象者1の画像に基づいて推定された骨格モデルから骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出し、当該特徴量に基づいて評価された対象者1の身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定するシステムである。例えば、日常生活動作状態判定システム10は、ユーザ2が対象者1の状況を把握するための情報収集、つまり、アセスメントを行う際に使用される。
【0019】
対象者1は、例えば、疾患、外傷、高齢化、又は、障害により身体を動かすための能力である身体機能が低下した人である。ユーザ2は、例えば、理学療法士、作業療法士、看護師、又は、リハビリ専門職員である。
【0020】
図1に示されるように、日常生活動作状態判定システム10のユーザ2は、対象者1の居宅を訪問してアセスメントを行う際に、日常生活動作状態判定デバイス30を用いて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する。日常生活動作状態判定デバイス30は、例えば、タブレット端末である。日常生活動作状態判定デバイス30がカメラ20を備える場合、日常生活動作状態判定デバイス30は、例えば、机の上など、特定の動作を行う対象者1を撮影できる位置に設置されてもよい。同様に、カメラ20が日常生活動作状態判定デバイス30と独立して存在する場合、対象者1を撮影できる位置にカメラ20を設置する。
【0021】
ユーザ2は、対象者1が特定の動作を行う間、対象者1の傍に付き添い、対象者1が安全に動作を行えるように見守り、必要に応じて対象者1を補助してもよい。
【0022】
特定の動作は、複数種類の動作を含む一連の動作であり、上肢及び下肢を用いた動作に関わる全ての関節及び骨格の動きを含む。
図2A、
図2B及び
図2Cは、特定の動作の一例を示す図である。
【0023】
図2A~
図2Cに示されるように、特定の動作は、例えば、(a)座位、(b)立ち上がって立位を保持する、(c)足踏み、(d)背中で両手を繋ぐ、(e)手のひらを裏向きにする、(f)手のひらを表向きにする、(g)前屈、(h)エイエイオー、(i)グーパー、(j)後頭部で両手を組む、(k)バッチグーの動作を含む。なお、(a)座位は、ユーザ2により目視で判断されてもよい。
【0024】
例えば、対象者1は、(a)座位から、日常生活動作状態判定システム10の指示に従って、(b)立ち上がり、立位保持する。このとき、対象者1は、両手を胸の前で組んで、立ち上がる。(a)から(b)の動作では、対象者1は、脚の力だけで立ち上がれるか否かを日常生活動作状態判定システム10により評価される。日常生活動作状態判定システム10は、特定の動作の指示において、1つの動作を行った後に、次の動作の指示を行ってもよい。また、対象者1は、例えば、(c)足踏み動作の後に、その場で180度方向転換し、カメラ20に背中を向けて、(d)背中で両手を繋ぐ動作を行ってもよい。この場合、(c)の動作と(d)の動作との間の方向転換の動作も、対象者1の日常生活動作状態の判定に用いられてもよい。
【0025】
日常生活動作(ADL)には、いわゆる手段的日常生活動作(IADL:Instrumental Activities of Daily Living)も含まれる。このような日常生活動作は、食事、排泄、入浴、更衣、整容、及び移乗の動作に加え、屋内移動、屋外移動、階段昇降、調理、洗濯及び掃除の動作も含む。日常生活動作状態判定システム10は、特定の動作を行う対象者1が映る画像に基づいて、上記の日常生活動作に関する生活動作を対象者1が独りで行うことができるか否かを判定することにより、対象者1の日常生活動作の状態を判定する。具体的な日常生活動作及び当該日常生活動作に関する生活動作については、後述する。
【0026】
[2.機能構成]
次に、日常生活動作状態判定システム10の機能構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図3に示されるように、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システム10は、カメラ20と、日常生活動作状態判定デバイス30と、日常生活動作状態判定装置40と、を備える。
【0028】
[カメラ]
カメラ20は、特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を撮影する。カメラ20は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いたカメラであってもよいし、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを用いたカメラであってもよい。
【0029】
カメラ20には、例えば、スマートフォン、又は、タブレット端末などの携帯型の情報端末に搭載されたカメラであってもよく、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末に搭載されたカメラであってもよい。
【0030】
また、例えば、
図1に示されるように、カメラ20は、日常生活動作状態判定デバイス30に備えられてもよい。
【0031】
[日常生活動作状態判定デバイス]
日常生活動作状態判定デバイス30は、対象者1に特定の動作を行うように指示し、指示に従って特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得し、取得した画像を日常生活動作状態判定装置40に出力する。例えば、
図1に示されるように、日常生活動作状態判定デバイス30は、カメラ20を備えてもよい。
【0032】
日常生活動作状態判定デバイス30は、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータなどであってもよい。日常生活動作状態判定デバイス30は、指示部31と、取得部32と、通信部35と、を備える。日常生活動作状態判定デバイス30は、さらに、情報処理部33と、記憶部34と、受付部36と、を備えてもよい。
【0033】
指示部31は、対象者1に特定の動作を行うように指示する。指示部31は、音声、文字及び映像の少なくとも1つにより対象者1に指示してもよい。指示部31は、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネル、スピーカ、及び、イヤフォンの少なくともいずれかである。例えば、音声と映像とで指示が行われる場合、提示部37は、表示パネルとスピーカ又はイヤフォンであってもよいし、表示パネル、スピーカ及びイヤフォンであってもよい。
【0034】
なお、指示部31は、指示の態様によっては、後述する提示部37として機能してもよく、提示部37の提示態様によっては、提示部37が指示部31として機能してもよい。
【0035】
取得部32は、カメラ20によって撮影された画像の画像データを取得する。画像データは、指示部31による指示に従って特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像のデータである。取得部32は、具体的には、カメラ20と通信を行う通信モジュールである。取得部32によって行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。取得部32は、カメラ20と通信可能であればよく、通信規格は、特に限定されない。
【0036】
通信部35は、日常生活動作状態判定デバイス30がインターネットなどの広域通信ネットワーク50を介して、日常生活動作状態判定装置40と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部35によって行われる通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。通信部35は、取得部32により取得された画像を、対象者1の日常生活動作の状態を判定する日常生活動作状態判定装置40に出力し、かつ、日常生活動作状態判定装置40から対象者1の日常生活動作の状態に関する情報を取得する。
【0037】
情報処理部33は、日常生活動作状態判定デバイス30の動作を制御するための情報処理、及び、記憶部34への画像データの記憶などを行う。日常生活動作状態判定デバイス30の動作を制御するための情報処理は、受付部36への画像の表示制御、及び、ユーザ2により入力された音声の音声認識処理などを行う。情報処理部33は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路によって実現される。情報処理部33は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
【0038】
記憶部34は、取得部32によって取得された画像データが蓄積される記憶装置である。記憶部34には、情報処理部33が実行するためのコンピュータプログラムなども記憶されている。記憶部34は、具体的には、半導体メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0039】
受付部36は、ユーザ2の操作に関する指示を受け付ける。例えば、受付部36は、ユーザ2が判定部48による判定における重み付けの条件、判定結果の抽出条件、又は、提示部37への提示方法などの条件を日常生活動作状態判定装置40に送信するために行うための入力操作を受け付ける。受付部36は、例えば、タッチパネル、表示パネル、ハードウェアボタン、マイクロフォン、又は、カメラなどによって実現されてもよい。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであってもよく、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。表示パネルは、画像の表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有し、液晶パネル又は有機ELパネルなどの表示パネルに表示されるテンキー画像などへの入力操作を受け付ける。マイクロフォンは、ユーザの音声入力を受け付ける。カメラは、ユーザのジェスチャーによる入力を受け付ける。
【0040】
ここでは、受付部36が日常生活動作状態判定デバイス30の構成要素である例を示しているが、受付部36は、日常生活動作状態判定システム10の他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。
【0041】
提示部37は、後述する判定部48により判定された対象者1の日常生活動作の状態をユーザ2に提示する。また、提示部37は、ユーザ2の指示に基づいて判定部48により抽出された対象者1の日常生活動作の状態に関する情報をユーザ2に提示する。提示部37は、例えば、液晶パネル、又は、有機ELパネルなどの表示パネル、スピーカ、及び、イヤフォンの少なくともいずれかである。なお、上述したように、提示部37は、指示部31として機能してもよい。つまり、提示部37は、指示部31と一体化されてもよい。
【0042】
[日常生活動作状態判定装置]
日常生活動作状態判定装置40は、特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得して、取得した画像に基づいて、対象者1の身体機能を評価し、当該身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する。
図1に示されるように、日常生活動作状態判定装置40は、例えば、サーバ上に設置された装置である。
【0043】
日常生活動作状態判定装置40は、例えば、通信部43と、情報処理部44と、記憶部49とを備える。
【0044】
通信部43は、特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得する取得部41と、対象者1の日常生活動作の状態に関する情報を出力する出力部42とを有する。取得部41は、複数の画像から構成される動画像を取得し、取得した動画像を情報処理部44に出力してもよい。このとき、取得部41により取得された動画像は、記憶部49に記憶される。通信部43は、日常生活動作状態判定装置40がインターネットなどの広域通信ネットワーク50を介して、日常生活動作状態判定デバイス30と通信を行うための通信モジュールである。
【0045】
情報処理部44は、推定部45と、導出部46と、評価部47と、判定部48とを有する。情報処理部44は、対象者1の日常生活動作の状態を判定するための情報処理、及び、記憶部49へのデータの記憶などを行う。
【0046】
推定部45は、取得部41により取得された画像に基づいて、当該画像における対象者1の骨格モデルを推定する。骨格モデルは、2次元骨格モデルであってもよく、3次元骨格モデルであってもよい。例えば、推定部45は、画像に基づいて、対象者1の2次元骨格モデルを推定し、推定した2次元骨格モデルに基づいて、機械学習モデルを用いて対象者1の3次元骨格モデルを推定する。ここでは、2次元骨格モデル及び3次元骨格モデルの推定の一例について、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
【0047】
図4は、対象者の2次元骨格モデルの推定を概念的に示す図である。
図4に示されるように、2次元骨格モデルは、画像に映る対象者1の関節の位置(図中の丸)をリンク(図中の線)で結んだモデルである。2次元骨格モデルの推定には、既存の姿勢及び骨格の推定アルゴリズムが用いられる。
【0048】
さらに、推定部45は、推定された2次元骨格モデルから3次元骨格モデルを推定してもよい。
図5は、3次元骨格モデルの推定を概念的に示す図である。この機械学習モデルは、各関節の3次元座標データが既知である2次元骨格モデルを学習データとし、上記3次元座標データを教師データとする機械学習によって予め構築された識別器である。このような機械学習モデルは、2次元骨格モデルを入力として、その3次元座標データ、つまり、3次元骨格モデルを出力することができる。
【0049】
なお、推定部45は、取得部41により特定の動作を行う対象者1が映る動画像が取得されると、動画像を構成する複数の画像のそれぞれにおける骨格モデルを推定する。
【0050】
導出部46は、推定部45により推定された骨格モデルに基づいて、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する。導出部46は、骨格モデルにおける対象者1の関節、非関節部位、及び、末端部位の少なくともいずれかの位置に基づいて、特徴量を導出する。例えば、特徴量は、所定の関節の関節角度である。ここでは、特徴量について図面を参照しながら説明する。
図6は、足踏み動作における膝関節の屈曲に関わる関節角度の一例を示す図である。
【0051】
導出部46は、骨格モデルに基づいて、所定の関節100を介して繋がり、かつ、対象者1における非関節部位又は末端部位である、第1部位101の位置と、第1部位101とは異なる第2部位102の位置とを導出し、導出した第1部位101の位置と第2部位102の位置とを結ぶ直線に基づいて、特徴量として、所定の関節の屈曲、伸展、外転、内転、外旋、及び、内旋の少なくともいずれかに関わる関節角度θを導出する。第1部位101及び第2部位102の少なくともいずれかは、対象者1の上肢又は下肢に含まれてもよい。
【0052】
例えば、
図6に示されるように、導出部46は、特定の動作を行う対象者1が映る動画像のうち足踏み動作を行う画像における骨格モデルに基づいて、対象者1の膝関節の屈曲に関わる関節角度θを導出する。上述のように、3次元骨格モデルは、言い換えれば、各関節の3次元座標データであるため、このような膝関節の屈曲に関わる関節角度θを導出することができる。
【0053】
また、導出部46は、2次元骨格モデルに基づいて末端部位と他の末端部位又は所定の関節との重なり又は距離を特徴量として導出してもよい。より具体的には、導出部46は、2次元骨格モデルにより末端部位同士の重なりを特徴量として導出してもよく、3次元骨格モデルにより末端部位同士の距離を特徴量として導出してもよい。
図7は、前屈動作を行う対象者1の2次元骨格モデルの一例を示す図である。例えば、
図7に示される前屈動作では、導出部46は、手の指先及び足先などの末端部位同士の距離、又は、手の指先と膝との距離を特徴量として導出してもよい。
【0054】
また、導出部46は、特徴量として、関節又は末端部位の位置の変動及び変動幅を導出してもよい。これにより、特定の動作を行う際の対象者1の身体のふらつきを見ることができる。
【0055】
評価部47は、導出部46により導出された特徴量に基づいて、対象者1の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する。例えば、評価部47は、導出部46により導出された関節角度に基づいて、対象者1の身体機能を評価してもよい。また、評価部47は、身体機能として、対象者1の上肢又は下肢を使って動作するための能力である上肢機能又は下肢機能を評価してもよい。評価部47は、例えば、特定の動作に含まれる各動作に対応した身体機能の評価テーブルに基づいて、対象者1の身体機能を評価してもよい。評価基準は、所定の動作における各特徴量の閾値又は範囲である。評価テーブルは、記憶部49に記憶されてもよい。ここでは、身体機能の評価について図面を参照しながら説明する。
図8は、足踏み動作における身体機能の評価の一例を示す図である。
図9は、前屈動作における身体機能の評価の一例を示す図である。
【0056】
例えば、
図8及び
図9に示されるように、評価部47は、足踏み動作及び前屈動作における評価基準と、評価とが紐づけられた評価テーブルに基づいて、身体機能の評価を行う。足踏み動作による身体機能の評価において、評価部47は、例えば、膝関節の屈曲に関する関節角度θ、床面からの足先の距離、及び、膝関節位置の変動幅などが閾値以上であるか否か、又は、所定の範囲内であるか否かを判定する。このとき、判定部48は、対象者1が他人の補助を受けているか否かも判定する。また、前屈動作による身体機能の評価において、評価部47は、例えば、手の指先及び足先などの末端部位同士の距離、又は、手の指先と膝との距離が閾値以上であるか否かを判定する。そして、評価部47は、判定結果が評価テーブルのどの評価基準に当てはまるかを判定する。
図8及び
図9に示されるように、評価は、優劣の順番で表されてもよいし、点数又は百分率で表されてもよい。
【0057】
判定部48は、評価部47により評価された身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する。より具体的には、判定部48は、特定の動作に含まれる各動作における身体機能の評価に基づいて、日常生活動作の状態を評価する。例えば、判定部48は、評価部47により評価された上肢機能又は下肢機能に基づいて、上肢又は下肢を使ってなされる日常生活動作の状態を判定してもよい。ここでは、日常生活動作状態の判定について、図面を参照しながら説明する。
図10は、足踏み動作における日常生活動作の状態の判定の一例を示す図である。
図11は、前屈動作における日常生活動作の状態の判定の一例を示す図である。
【0058】
例えば、
図10及び
図11に示されるように、判定部48は、足踏み動作及び前屈動作における身体機能の評価に基づいて、対象者1が所定の日常生活動作に関する生活動作を独りで行うことができるか否かを判定することにより、対象者1の日常生活動作の状態を判定する。例えば、足踏み動作において対象者1の身体機能の評価がレベル1であると判定された場合、判定部48は、
図10及び
図11に示される全ての生活動作を対象者1が独りで行うことができると判定する。例えば、判定部48は、足踏み動作及び前屈動作における身体機能の評価に基づいて、例えば排泄、入浴、屋内移動、段差昇降、移乗、屋内・屋外移動、洗濯及び掃除などの所定の日常生活動作、並びに、例えば排泄、更衣、及び整容などの所定の日常生活動作の状態が全て良好であると判定する。また、足踏み動作及び前屈動作において対象者1の身体機能の評価がレベル2以下であると判定された場合、判定部48は、各評価レベルに応じた判定基準(不図示)に基づいて、どの生活動作を独りで行うことができるか否かを判定する。
【0059】
図10及び
図11では、対象者1が所定の生活動作を独りで行うことができるか否かを判定し、独りで出来る動作を丸、独りで出来ない動作、つまり、補助が必要である動作をバツで表しているが、判定基準及び提示方法は、これに限られない。例えば、判定部48は、自立、見守り、一部介助、全介助などのように、日常生活動作の状態を対象者1の自立度に応じて判定してもよい。
【0060】
また、判定部48は、例えば、受付部36により受け付けられたユーザ2の指示に基づいて、提示部37に出力する対象者1の日常生活動作の状態に関する情報を抽出してもよい。
【0061】
記憶部49は、取得部41によって取得された画像データが蓄積される記憶装置である。記憶部49には、情報処理部44が実行するためのコンピュータプログラムなども記憶されている。記憶部49は、具体的には、半導体メモリまたはHDDなどによって実現される。
【0062】
[3.動作]
次に、日常生活動作状態判定システム10の動作について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0063】
[第1の例]
まず、動作の第1の例について
図12を参照しながら説明する。
図12は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システム10の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【0064】
図示していないが、日常生活動作状態判定システム10は、受付部36により動作を開始する指示が受け付けられると、カメラ20により撮影された画像を取得し、取得した画像における対象者1を識別する。画像における対象者1の識別は、情報処理部33で行われてもよく、情報処理部44で行われてもよい。画像における対象者1の識別には、公知の画像解析技術が用いられる。
【0065】
次に、日常生活動作状態判定システム10は、対象者1が座位(
図2Aの(a)を参照)の姿勢であることを識別すると、指示部31は、対象者1に特定の動作を行うように指示する(S11)。ステップS11では、指示部31は、対象者1に座位の動作を行うように指示してもよいし、座位の動作の指示を行わず、対象者1が座位の動作を行うのを認識した場合に、対象者1に立ち上がって立位を保持する(
図2Aの(b)を参照)ように指示してもよい。
【0066】
取得部41は、指示部31の指示に従って特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像(以下、画像データともいう。)を取得する(S12)。ステップS12では、日常生活動作状態判定装置40の取得部41は、日常生活動作状態判定デバイス30の取得部32により取得された画像を取得する。このとき、日常生活動作状態判定デバイス30から出力される画像データは、情報処理部33において秘匿化されてもよい。これにより、対象者1のプライバシーデータが保護される。なお、取得部32は、複数の画像から構成される動画像を取得してもよい。この場合、取得部41は、取得部32により取得された動画像を取得する。
【0067】
推定部45は、取得部41により取得された画像に基づいて、画像における対象者1の骨格モデルを推定する(S13)。例えば、ステップS13では、推定部45は、画像における対象者1の2次元骨格モデルを推定し、推定した2次元骨格モデルを入力として機械学習モデルを用いて3次元座標データ(いわゆる3次元骨格モデル)を推定してもよい。また、ステップS13では、推定部45は、取得部41により取得された画像に基づいて3次元座標データを推定してもよい。
【0068】
導出部46は、推定部45により推定された骨格モデルに基づいて、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する(S14)。より具体的には、ステップS14では、導出部46は、骨格モデルにおける対象者1の関節、非関節部位、及び、末端部位の少なくともいずれかの位置に基づいて、特徴量を導出する。例えば、
図6を再び参照すると、導出部46は、骨格モデルに基づいて、所定の関節100を介して繋がり、かつ、対象者1における非関節部位又は末端部位である、第1部位101の位置と、第1部位101とは異なる第2部位102の位置とを導出し、導出した第1部位101の位置と第2部位102の位置とを結ぶ直線に基づいて、特徴量として、所定の関節の屈曲、伸展、外転、内転、外旋、及び、内旋の少なくともいずれかに関わる関節角度θを導出する。
【0069】
評価部47は、導出部46により導出された特徴量に基づいて、対象者1の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する(S15)。例えば、評価部47は、ステップS14において導出部46により導出された関節角度θに基づいて、対象者1の身体機能を評価してもよい。身体機能の評価方法については、
図8及び
図9を参照して具体例を説明したので、ここでの説明を省略する。
【0070】
判定部48は、評価部47により評価された身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する(S16)。より具体的には、判定部48は、特定の動作に含まれる各動作における身体機能の評価に基づいて、日常生活動作の状態を判定する。判定方法については、
図10及び
図11を参照して具体例を説明したので、ここでの説明を省略する。
【0071】
なお、日常生活動作状態判定システム10は、ステップS11~ステップS16の処理を1ループ処理として、対象者1が特定の動作の各動作を行う度に実行してもよいし、ステップS11の処理を各動作の画像に基づいて実行し、特定の動作を対象者1が終了してからステップS12~ステップS16の処理を行ってもよい。
【0072】
[第1の例の変形例]
なお、第1の例では、対象者1に特定の動作の全てを行わせるが、対象者1の身体機能に応じて特定の動作を選定して対象者1に行わせる動作を指示してもよい。
【0073】
例えば、対象者1が、
図2Aの(a)の座位の姿勢から、(b)の立ち上がる動作を補助があってもできない場合、例えば
図2Aの(b)、(c)及び(d)などの立位の状態で行う動作の指示をせず、例えば
図2B及び
図2Cに示される座位の状態で行う動作を行うように対象者1に指示してもよい。
【0074】
なお、日常生活動作状態判定システム10は、対象者1が立ち上がる動作ができないことを対象者1が映る画像に基づいて判定してもよいし、ユーザ2の指示により判定してもよい。当該判定は、判定部48により行われてもよい。このとき、ユーザ2は、例えば、片手を左右に振る、両腕でバツの形を取るなどのジェスチャーで指示をしてもよいし、「ノー」など短い言葉を発するなどの音声で指示をしてもよいし、タッチパネル又はリモコンのボタンなどの操作により指示をしてもよい。ユーザ2の指示は、受付部36により受け付けられ、日常生活動作状態判定装置40に出力される。
【0075】
[第2の例]
次に、動作の第2の例について
図13を参照しながら説明する。
図13は、実施の形態に係る日常生活動作状態判定システム10の動作の第2の例を示すフローチャートである。第2の例では、第1の例で判定された対象者1の日常生活動作の状態から、ユーザ2の指示に基づいて抽出された日常生活動作の状態に関する情報を提示する例について説明する。
【0076】
図示していないが、
図12に示される処理フローが終了すると、判定部48は、対象者1の日常生活動作の状態(以下、判定結果ともいう)を出力部42に出力する。出力部42は、取得した判定結果を日常生活動作状態判定デバイス30に出力する。このとき、出力される判定結果は、情報処理部44において秘匿化されてもよい。日常生活動作状態判定デバイス30の通信部35が判定結果を取得する。
【0077】
次に、提示部37は、ステップS16において判定部48により判定された対象者1の日常生活動作の状態の判定結果をユーザ2に提示する(S21)。このとき、提示部37は、例えば
図10及び
図11に示されるように、特定の動作の各動作における判定結果のうち独りで動作できないと判定された結果のみを提示してもよい。
【0078】
次に、受付部36は、ユーザ2からの指示を受け付ける(S22)。ユーザ2の指示は、判定結果から所定の条件で抽出する抽出条件の指定であってもよく、判定結果の提示方法の指定であってもよく、抽出条件及び提示方法の指定であってもよい。
【0079】
次に、判定部48は、ユーザ2の指示に基づいて、日常生活動作の状態に関する情報を抽出する(S23)。このとき、抽出条件として、例えば、移乗に関する生活動作に重み付けをして、抽出される優先度を高く設定されてもよい。
【0080】
次に、提示部37は、ステップS23において判定部48により抽出された日常生活動作の状態に関する情報をユーザ2に提示する(S24)。
【0081】
[第2の例の変形例]
なお、第2の例では、対象者1の日常生活動作の状態の判定結果が提示されてから、ユーザ2の指示により判定結果から所定の条件で抽出された日常生活動作状態に関する情報を提示するが、ユーザ2は判定結果の提示を行う前に、抽出条件などの指示を入力してもよい。
【0082】
[4.効果等]
以上説明したように、日常生活動作状態判定システム10は、対象者1に特定の動作を行うように指示する指示部31と、指示部31による指示に従って特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得する取得部32と、取得部32により取得された画像に基づいて、画像における対象者1の骨格モデルを推定する推定部45と、推定部45により推定された骨格モデルに基づいて、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出部46と、導出部46により導出された特徴量に基づいて、対象者1の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部47と、評価部47により評価された身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する判定部48と、を備える。
【0083】
このような日常生活動作状態判定システム10は、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量に基づいて、対象者1の身体機能を評価することができるため、簡便に、かつ、正確に、対象者1の日常生活動作の状態の評価を行うことができる。
【0084】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10では、導出部46は、骨格モデルにおける対象者1の関節、非関節部位、及び、末端部位の少なくともいずれかの位置に基づいて、骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する。
【0085】
このような日常生活動作状態判定システム10は、骨格モデルにおける対象者1の関節、非関節部位、及び、末端部位のうち、対象者1が行う動作において、より確実に認識できる部位の位置に基づいて骨格の動きの特徴を導出することができる。
【0086】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10では、取得部32は、複数の画像から構成される動画像を取得し、推定部45は、取得部32により取得された動画像に基づいて、動画像を構成する複数の画像のそれぞれにおける骨格モデルを推定する。
【0087】
このような日常生活動作状態判定システム10は、特定の動作を行う対象者1が映る動画像における骨格モデルに基づいて、対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出するため、より正確に対象者1の日常生活動作の状態を判定することができる。
【0088】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10では、推定部45は、画像に基づいて、対象者1の2次元骨格モデルを推定し、推定した2次元骨格モデルに基づいて、機械学習モデルを用いて対象者1の3次元骨格モデルを推定し、導出部46は、推定部45により推定された3次元骨格モデルに基づいて、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する。
【0089】
このような日常生活動作状態判定システム10は、1台のカメラ20から得られる画像に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定することができる。
【0090】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10では、評価部47は、身体機能として、対象者1の上肢又は下肢を使って動作するための能力である上肢機能又は下肢機能を評価し、判定部48は、評価部47により評価された上肢機能又は下肢機能に基づいて、上肢又は下肢を使ってなされる日常生活動作の状態を判定する。
【0091】
このような日常生活動作状態判定システム10は、上肢機能及び下肢機能に分けて身体機能を評価することができるため、より精度良く対象者1の日常生活動作の状態を判定することができる。
【0092】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10では、導出部46は、骨格モデルに基づいて、所定の関節を介して繋がり、かつ、対象者1における非関節部位又は末端部位である、第1部位の位置と、第1部位とは異なる第2部位の位置とを導出し、導出した第1部位の位置と第2部位の位置とを結ぶ直線に基づいて、特徴量として、所定の関節の屈曲、伸展、外転、内転、外旋、及び、内旋の少なくともいずれかに関わる関節角度を導出し、評価部47は、導出された関節角度に基づいて、対象者1の身体機能を評価する。
【0093】
このような日常生活動作状態判定システム10は、所定の関節と繋がる2つの部位の位置に基づいて、所定の関節の動きに伴う関節角度を導出することができるため、より精度良く骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出することができる。
【0094】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10では、第1部位及び第2部位の少なくともいずれかは、対象者1の上肢又は下肢に含まれており、評価部47は、身体機能として、対象者1が上肢又は下肢を使って動作するための能力である上肢機能又は下肢機能を評価し、判定部48は、評価部47により評価された上肢機能又は下肢機能に基づいて、対象者1の上肢又は下肢を使ってなされる日常生活動作の状態を判定する。
【0095】
このような日常生活動作状態判定システム10は、上肢又は下肢を使った動きにおいて、所定の関節の動きに伴う関節角度を導出することができるため、より正確に上肢又は下肢を使ってなされる日常生活動作の状態を判定することができる。
【0096】
また、例えば、日常生活動作状態判定システム10は、さらに、判定部48により判定された対象者1の日常生活動作の状態をユーザ2に提示する提示部37と、ユーザ2の操作に関する指示を受け付ける受付部36と、を備え、判定部48は、受付部36により受け付けられたユーザ2の指示に基づいて、提示部37に出力する対象者1の日常生活動作の状態に関する情報を抽出し、提示部37は、判定部48により抽出された情報をユーザ2に提示する。
【0097】
このような日常生活動作状態判定システム10は、ユーザ2の指示に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態に関する情報のうちユーザ2に必要な情報を抽出して提示することができる。
【0098】
また、日常生活動作状態判定システム10などのコンピュータによって実行される日常生活動作状態判定方法は、対象者1に特定の動作を行うように指示する指示ステップS11と、指示ステップS11による指示に従って特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得する取得ステップS12と、取得ステップS12により取得された画像に基づいて、画像における対象者1の骨格モデルを推定する推定ステップS13と、推定ステップS13により推定された骨格モデルに基づいて、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出ステップS14と、導出ステップS14により導出された特徴量に基づいて、対象者1の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価ステップS15と、評価ステップS15により評価された身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する判定ステップS16と、を含む。
【0099】
このような日常生活動作状態判定方法は、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量に基づいて、対象者1の身体機能を評価することができるため、簡便に、かつ、正確に、対象者1の日常生活動作の状態の評価を行うことができる。
【0100】
また、日常生活動作状態判定装置40は、特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得する取得部41と、取得部41により取得された画像に基づいて、画像における対象者1の骨格モデルを推定する推定部45と、推定部45により推定された骨格モデルに基づいて、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量を導出する導出部46と、導出部46により導出された特徴量に基づいて、対象者1の身体動作を行うための能力である身体機能を評価する評価部47と、評価部47により評価された身体機能に基づいて、対象者1の日常生活動作の状態を判定する判定部48と、を備える。
【0101】
このような日常生活動作状態判定装置40は、特定の動作における対象者1の骨格の動きの特徴を示す特徴量に基づいて、対象者1の身体機能を評価することができるため、簡便に、かつ、正確に、対象者1の日常生活動作の状態の評価を行うことができる。
【0102】
また、日常生活動作状態判定デバイス30は、対象者1に特定の動作を行うように指示する指示部31と、指示部31による指示に従って特定の動作を行う対象者1を被写体として含む画像を取得する取得部32と、通信により、取得部32により取得された画像を、対象者1の日常生活動作の状態を判定する日常生活動作状態判定装置40に出力し、かつ、日常生活動作状態判定装置40から対象者1の日常生活動作の状態に関する情報を取得する通信部35と、を備える。
【0103】
このような日常生活動作状態判定デバイス30は、特定の動作を行う対象者1が映る画像を日常生活動作状態判定装置40に出力することで、日常生活動作状態判定装置40で判定された対象者1の日常生活動作の状態に関する情報を取得することができる。
【0104】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0105】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0107】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0108】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0109】
例えば、本発明は、日常生活動作状態判定方法として実現されてもよいし、日常生活動作状態判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態では、日常生活動作状態判定システムは、情報端末などの単一の装置(例えば、情報処理装置)として実現されてもよいし、複数の装置によって実現されてもよい。例えば、日常生活動作状態判定システムは、クライアントサーバシステムとして実現されてもよい。日常生活動作状態判定システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された日常生活動作状態判定システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0111】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 対象者
2 ユーザ
10 日常生活動作状態判定システム
30 日常生活動作状態判定デバイス
31 指示部
32 取得部
35 通信部
36 受付部
37 提示部
40 日常生活動作状態判定装置
41 取得部
45 推定部
46 導出部
47 評価部
48 判定部