(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム制御方法、ゲームシステム、端末装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231110BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20231110BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231110BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231110BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/35
A63F13/53
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020116734
(22)【出願日】2020-07-06
(62)【分割の表示】P 2017020572の分割
【原出願日】2014-09-29
【審査請求日】2020-07-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直紀
【合議体】
【審判長】殿川 雅也
【審判官】藤本 義仁
【審判官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-223640(JP,A)
【文献】特開2005-52312(JP,A)
【文献】“パズドラのログインボーナスで貰えるアイテム一覧”,[online],2014年8月1日,Internet Archive,INTERNETARCHIVE waybackmachine,[2021年12月14日検索],インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20140801141242/https://xn--wckh9b4a8inb9650gsusazv8awy1b.jp/page1.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを提供するサーバ装置と通信可能な端末装置を、
複数の抽選対象を前記端末装置の表示部に表示させる第1手段であって、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じた数または回数だけ前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能である、第1手段と、
前記複数の抽選対象のうちのいずれかの選択を前記ユーザから受け付ける第2手段と、
選択された抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第3手段と、
選択されなかった抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第4手段と、として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記第3手段は、前記選択された抽選対象の表示位置に対応する位置に、前記報酬を表示させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記活動状況は、
前記ゲームまたは前記イベントへの連続ログイン日数、
前記ゲームまたは前記イベントへの所定期間内の総ログイン数、
前記ゲームまたは前記イベントへの所定期間内のログイン率、または、
前記ゲームへログインしなかった期間の長さである、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記活動状況が初回ログインを示す場合の前記数または前記回数は、前記活動状況が2回目のログインを示す場合の前記数または回数より大きい、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記活動状況は、前記ゲームまたは前記イベントへの連続ログイン日数であり、
前記連続ログイン日数が所定日数以下の場合は、前記連続ログイン日数が長いほど前記数または前記回数が大きく、
前記連続ログイン日数が前記所定日数以上の場合は、前記連続ログイン日数にかかわらず前記数または前記回数は一定値である、請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
ゲームを提供するサーバ装置と通信可能な端末装置であって、
複数の抽選対象を前記端末装置の表示部に表示させる第1手段であって、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じた数または回数だけ前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能である、第1手段と、
前記複数の抽選対象のうちのいずれかの選択を前記ユーザから受け付ける第2手段と、
選択された抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第3手段と、
選択されなかった抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第4手段と、を備える端末装置。
【請求項7】
ゲームを提供するサーバ装置と通信可能な端末装置が、
複数の抽選対象を前記端末装置の表示部に表示させる第1ステップであって、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じた数または回数だけ前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能である、第1ステップと、
前記複数の抽選対象のうちのいずれかの選択を前記ユーザから受け付ける第2ステップと、
選択された抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第3ステップと、
選択されなかった抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第4ステップと、を実行するゲーム制御方法。
【請求項8】
サーバを、
ゲームを提供する第1手段と、
複数の抽選対象を端末装置の表示部に表示させるための情報と、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じて定まる、前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能な数または回数を示す情報と、を前記端末装置に送信する第2手段と、
前記複数の抽選対象のうち、前記ユーザから選択された抽選対象がどれであるかを示す情報を前記端末装置から受信する第3手段と、
選択された抽選対象に対応する報酬を前記ユーザに付与し、選択されなかった抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第4手段と、として機能させるプログラム。
【請求項9】
ゲームを提供する第1手段と、
複数の抽選対象を端末装置の表示部に表示させるための情報と、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じて定まる、前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能な数または回数を示す情報と、を前記端末装置に送信する第2手段と、
前記複数の抽選対象のうち、前記ユーザから選択された抽選対象がどれであるかを示す情報を前記端末装置から受信する第3手段と、
選択された抽選対象に対応する報酬を前記ユーザに付与し、選択されなかった抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第4手段と、を備えるゲームシステム。
【請求項10】
第1手段が、ゲームを提供するステップと、
第2手段が、複数の抽選対象を端末装置の表示部に表示させるための情報と、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じて定まる、前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能な数または回数を示す情報と、を前記端末装置に送信するステップと、
第3手段が、前記複数の抽選対象のうち、前記ユーザから選択された抽選対象がどれであるかを示す情報を前記端末装置から受信するステップと、
第4手段が、選択された抽選対象に対応する報酬を前記ユーザに付与し、選択されなかった抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させるステップと、を実行するゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、ゲーム制御方法、ゲームシステム、端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザから受信したアイテム取得要求に応じて、未提供のアイテムをユーザにランダムに1つ提供するゲームサーバが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の手法では、通信端末が取得できるアイテムの個数が固定的であるため、ユーザのログインに対する動機付けが弱い。また、関連するゲームとして、ログイン毎に固定のアイテムをユーザに付与し、連続でログインすると追加でアイテムをユーザに付与するゲームが知られている。この関連するゲームでも、アイテムが固定的でありユーザが何を取得できるかが分かっており、また、一日でもログインを失敗すると追加分のアイテムを取得できないため、ユーザによるログインに対する動機付けが弱い。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、ゲーム又はゲーム内のイベントを活性化させることが可能なサーバ装置の制御方法、サーバ装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、ゲームを提供するサーバ装置と通信可能な端末装置を、
複数の抽選対象を前記端末装置の表示部に表示させる第1手段であって、前記端末装置に関連付けられたユーザの前記ゲームまたは前記ゲーム内のイベントでの活動状況に応じた数または回数だけ前記複数の抽選対象のうちのいずれかを選択可能である、第1手段と、
前記複数の抽選対象のうちのいずれかの選択を前記ユーザから受け付ける第2手段と、
選択された抽選対象に対応する報酬を前記表示部に表示させる第3手段と、として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明におけるゲームサーバの制御方法、サーバ装置及びプログラムによれば、ゲーム又はゲーム内のイベントを活性化させることが可能なサーバ装置の制御方法、サーバ装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサーバ装置及び端末装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図1の端末装置の表示部が表示する画面の一例を示す図である。
【
図3】
図1の端末装置の表示部が表示する画面の他の一例を示す図である。
【
図4】
図1の端末装置の表示部が表示する画面の他の一例を示す図である。
【
図5】
図1の端末装置の表示部が表示する画面の他の一例を示す図である。
【
図6】
図1の端末装置の表示部が表示する画面の他の一例を示す図である。
【
図7】
図1の端末装置の表示部が表示する画面の他の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態1に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態2に係る端末装置の表示部が表示する画面の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【
図11】本発明の実施形態3に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態4に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置1及び端末装置2の機能ブロック図である。ゲームシステムにおいて、ネットワークを介してサーバ装置1と端末装置2が通信する。サーバ装置1及び端末装置2の数は限定されない。端末装置2は、携帯型の端末であっても、設置型の端末であってもよい。
【0011】
サーバ装置1は、制御部11、判定部12、抽選対象設定部13、作成部14、報酬付与部15、通信部16及び記憶部17を備える。本発明に係るサーバ装置1の各機能を説明するが、サーバ装置1が備える他の機能を排除することを意図したものではないことに留意されたい。
【0012】
制御部11は、サーバ装置1の各種動作を制御するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
【0013】
判定部12は、ゲーム又はゲーム内のイベントに対するユーザの活動状況を判定する。例えば、活動状況とは、ゲーム又はゲーム内のイベントへのユーザの参加状況、ゲーム又はゲーム内のイベントの進行状況、ユーザが獲得した報酬の使用状況、他のユーザとの関与等であり、これらの組み合わせであってもよい。
【0014】
抽選対象設定部13は、判定部12による判定の結果に基づいて抽選対象を設定する。抽選対象設定部13は、活動状況が所定の条件を満たしている場合には、抽選回数を増やしてもよいし、抽選対象に含まれるゲーム媒体の希少度(価値を表す一例にすぎないのでその他の価値に関するパラメータでもよい)の値を変化(増加又は減少)させてもよい。
【0015】
作成部14は、後述する記憶部17によって記憶されたユーザの活動状況の少なくとも一部をユーザの端末装置2に掲示させる掲示情報を作成する。また作成部14は、抽選対象設定部13が設定した抽選対象をユーザの端末装置2に表示させる設定情報を作成する。更に、作成部14は、抽選対象の少なくとも一部の中身を示唆する表示情報を作成してもよい。
【0016】
報酬付与部15は、ユーザによる抽選対象の選択に応じてユーザに報酬を付与する。報酬とは、抽選対象に含まれるゲーム媒体である。
【0017】
通信部16は、端末装置2との間で情報を送受信する。通信部16は、有線又は無線の少なくとも一方により通信を行う。
【0018】
記憶部17は例えば半導体メモリ、磁気メモリ等であり、各種DB及びサーバ装置1を動作させるためのプログラム等を記憶する。また記憶部17は、ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を任意の時点で取得して記憶する。記憶部17が備える各DBは、サーバ装置1の外部に格納されて、必要なときにサーバ装置1からアクセスされてもよい。
【0019】
端末装置2は、制御部21、表示部22及び通信部23を備える。本発明に係る端末装置2の各機能を説明するが、端末装置2が備える他の機能を排除することを意図したものではないことに留意されたい。
【0020】
制御部21は、端末装置2の各種動作を制御するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
【0021】
表示部22は例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は無機ELディスプレイである。表示部22はタッチパネルで構成されてもよく、この場合、表示部22は種々のゲーム画面を表示するとともに、ユーザの操作によるユーザ入力を受付けるインタフェースとして機能する。表示部22は、サーバ装置1の外部から接続されて用いられてもよい。
【0022】
通信部23は、サーバ装置1との間で情報を送受信する。通信部23は、有線又は無線の少なくとも一方により通信を行う。
【0023】
[システム概要]
本実施形態に係るゲームシステムの概要を説明する。本実施形態に係るゲームシステムにおいて、端末装置2のユーザはゲームシステムにログインし、ゲーム媒体を用いてゲームやゲーム内のイベントへの参加を行う。
【0024】
ゲームとは、ゲームシステムが提供する対戦、クエスト、ミッション等を指す。ゲームへの参加とは例えば、対戦、クエスト、ミッション等を行うこと又はそれらを行うためにゲームシステムにログインすることをいう。
【0025】
ゲーム内のイベントとは、ゲームシステムによって所定の期間の間に実施される催事等であれば何でもよいが、例えば、ユーザによる投票、順位予想、順位争い、及び/又は、バトル等の活動が行われるイベントを指す。イベントへの参加とは例えば投票、順位予想、順位争い、及び/又は、バトル等の活動を行うこと又はそれらを行うためにゲームシステムにログインすることをいう。
【0026】
ゲーム媒体とは、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ、アバタ、ゲーム内仮想通貨等を含む。また、ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、ユーザによって、ゲーム内で、取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものには限られない。ゲーム媒体が固有に有するステータス情報は、ゲーム媒体の攻撃力及び防御力等の戦闘力、ゲーム媒体の攻撃手段及び防御手段等の戦闘手段、ゲーム媒体のコスト、ゲーム媒体の後述するスキル情報、ゲーム媒体のアバタに関する情報、ゲーム媒体の後述する属性、ゲーム媒体の希少度を示す指標等である。ゲーム媒体の希少度を示す指標は例えば、ノーマル、レア、スーパーレア、ウルトラレア等の階層により表され、この順番に希少度は高くなる。
【0027】
本実施形態において、ゲームシステムは例えばユーザのログイン時に抽選を行う。抽選において、端末装置2の表示部22は、抽選対象を選択可能に表示する。抽選対象は例えば、表示部22が表示する画面例である
図2に示す箱であるが、ユーザが選択できる形式のものであればその形式は問わない。
図2において抽選対象は一度に9つ表示されているが、その数は限定されず1以上であればよい。ユーザは抽選対象を選択し、当該選択に応じて報酬としてのゲーム媒体を獲得する。
【0028】
抽選対象設定部13は、抽選対象を、抽選対象の特徴によって複数の群に分けて選択可能に設定してもよい。例えば、
図3に示すように、表示部22は、抽選対象群(1つの抽選対象群は9つの箱で構成される)を、ユーザが選択可能なように属性別に複数表示してもよい。具体的には、表示部22は抽選対象群を、攻撃型のゲーム媒体が含まれる群と防御型のゲーム媒体が含まれる群とで2つ表示してもよいし、希少度の高いゲーム媒体が獲得可能だが、希少度の低いゲーム媒体が多く含まれるようなハイリスク・ハイリターンの群と、希少度が平均的なゲーム媒体だけが含まれるようなローリスク・ローリターンの群とで2つ表示してもよい。
【0029】
ユーザは、対戦(他のユーザとの対戦や、ゲームシステムが操作するキャラクタとの対戦)やクエストを通じてゲーム媒体のステータス情報を変更することができる。例えば、ユーザは、所定の対戦やクエストにおいて取得したゲーム媒体を既に保有しているゲーム媒体と合成することによって、ゲーム媒体が有する攻撃力、防御力及びスキル等のパラメータを強化することができる。また、ユーザは、所定の対戦やクエストにおいて獲得することのできる報酬(例えば、経験値等)によっても、ゲーム媒体が有する攻撃力、防御力及びスキル等のパラメータを強化することができる。
【0030】
また、ユーザは、ゲーム内で用いる道具の電子データとしてアイテムを取得する。ユーザは、アイテムを用いてゲーム媒体のステータス情報を変更してもよい。例えば、ユーザは、アイテムを用いて、ゲーム媒体の有する攻撃力、防御力及びスキル等のパラメータを強化する。
【0031】
ゲームシステムは、例えば毎日所定時間になると投票イベントを実施する。投票イベントにおいて、ユーザは、ゲーム媒体であるカードやカードに描かれたキャラクタ等に投票する。
【0032】
また、ゲームシステムは、現実世界で行われているイベントに合わせて順位予想イベントを実施する。例えば、ゲーム媒体であるカードに描かれたキャラクタは現実に存在する人物であり、それらの人物は現実の選挙によって順位を付与される。ユーザは、その現実の選挙によって決まる順位をイベント内において予想する。
【0033】
その他、ゲームシステムは例えば毎日所定時間になると、所定の敵キャラクタ、他のユーザ、及び/又は、他のユーザのグループとの対戦イベントを実施する。例えば、複数のユーザは、ユーザの選択又は、ゲームシステムの選択により決定されるグループに属して、レイドボスを倒すことを目的として対戦に参加する。また、複数のユーザは、ユーザの選択又は、ゲームシステムの選択により決定されるグループに属して、グループ間で互いに対戦を行ってもよい。
【0034】
以下で、本発明のゲームシステムが行う判定処理、抽選対象設定処理及び報酬付与処理を、複数の実施形態に分けて具体的に説明する。
【0035】
[実施形態1]
(判定処理)
判定部12は、ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を判定する。具体的には、判定部12は、ユーザによるログイン時に、当該ユーザによるゲーム又はゲーム内のイベントへの参加状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0036】
「参加状況が第1の所定の条件を満たす」とは、例えば、ログインの連続日数が所定回数以上となることである。ログインの連続日数が所定回数以上か否かを判定するため、判定部12は、あるユーザがログインを行ったことを検出すると、当該ユーザによるログインが何日連続であるかを、ログインDB17aを参照して判定する。ログインDB17aは、ユーザIDと、当該ユーザIDが示すユーザのログイン時刻とを対応付けて記憶している。例えば、ユーザU0001が6月19日にログインせず、その後20日、21日及び22日にログインしている場合、判定部12は、当該ユーザは3日連続ログイン中であると判定する。なお
図2においては、本日のログインが連続ログイン2日目に該当することが示されている。
【0037】
(抽選対象設定処理)
次いで抽選対象設定部13は、参加状況が第1の所定の条件を満たしていると判定部12が判定したとき、次のように報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する。例えば、抽選対象設定部13は、ログイン初日はユーザが抽選対象を1つ選択可能とし、連続ログインの2日目はユーザが抽選対象を2つ選択可能とし、連続ログインの3日目以上はユーザが抽選対象を3つ選択可能となるように設定する。また、このとき、抽選対象設定部13は、ユーザによる連続ログインの回数が増えるにつれて選択可能な抽選対象の数を増やす代わりに、抽選回数を増やすことにより報酬の獲得確率を高めてもよい。また、1つの抽選対象の中に含まれる報酬の数を増やすこと、又は報酬の希少度を増加させることにより報酬の期待値を高めてもよい。
【0038】
このように連続ログインの回数として2日や3日という意識できる期間を設定することにより、ユーザのモチベーションを維持することができる。また、単にログインするだけでなく、連続ログインという第1の所定の条件を満たすと報酬を得られることで、より踏み込んだゲームへの導線となる。すなわち、ユーザに定期的にログインしてゲームをプレイすることを促すことができる。
【0039】
作成部14は、このように、設定した抽選対象をユーザの端末装置に表示させる設定情報を作成し、通信部16を介して端末装置2に出力する。また、作成部14は、連続ログインが何日連続であるかを、ユーザの端末装置2に掲示させる掲示情報として作成し、通信部16を介して端末装置2に出力する。端末装置2の表示部22は当該設定情報及び当該掲示情報を取得して表示(掲示)する。表示部22が表示する画面の例は
図2に示した通りである。このとき表示部22は、ユーザがどのような条件(
図2の例では、2日連続ログイン中であること)を満たしたかを表示してもよい。
【0040】
このとき作成部14は、抽選対象の少なくとも一部の中身を示唆する表示情報を作成し、通信部16を介して端末装置2に出力してもよい。表示部22は当該表示情報を取得して表示する。例えば、
図4に示すように、表示部22は、複数の抽選対象の中身に含まれる一部のゲーム媒体の属性、コスト等を表示してもよい。さらに、表示部22は、複数の抽選対象の中身に含まれる全てのゲーム媒体の属性、コスト等を表示してもよい。また、表示部22は、
図5に示すように、ユーザに対しておすすめアイテム、はずれアイテム又は中間アイテムが透過して見えるように抽選対象を表示してもよい。なお表示部22は、表示される抽選対象の中身に含まれているゲーム媒体のリストを表示してもよい。表示部22は、時間帯に応じて抽選対象の中身を示唆する情報を表示してもよい。
【0041】
ユーザへのおすすめアイテムとは、当該ユーザのステータスや、所持しているゲーム媒体等から当該ユーザにとって必要と判断されるゲーム媒体である。はずれアイテムとは、当該ユーザのステータスや、所持しているゲーム媒体等から当該ユーザにとって必要でないと判断されるゲーム媒体である。中間アイテムとは、おすすめアイテムでもなく、はずれでもないゲーム媒体である。また、ユーザへのおすすめアイテム、はずれ又は中間アイテムのいずれを透過させるかを、ユーザが選択可能としてもよい。
【0042】
表示部22が表示した抽選対象を、ユーザは押下及びタップ等のユーザ操作により選択することができる。このように、自分で選択するという偶発性を導入することにより、豪華報酬が選択次第で当たるかもしれないという期待感をユーザに与えることができる。
【0043】
端末装置2が当該ユーザ操作を検出すると、通信部23は、当該ユーザ操作によって選択された抽選対象がどれかをサーバ装置1に通知する。
【0044】
(報酬付与処理)
通知を受けたサーバ装置1の報酬付与部15は端末装置2のユーザに報酬を付与する。具体的には報酬付与部15は、選択対象に応じた抽選により報酬を決定し、当該報酬を通信部16を介して端末装置2に通知する。端末装置2の表示部22は報酬を表示し、抽選は終了する。
【0045】
ユーザが選択対象を2つ選択し、それに対する報酬を表示部22が表示したときの画面例を
図6に示す。
図6に示すように、表示部22は、ユーザが選択した抽選対象の箱(左上の箱と、右中央の箱)に記号を表示し中身の報酬も表示する。また表示部22は、
図6に示すように、ユーザが選択しなかった選択対象の中身を表示してもよい。これにより、ユーザに公平感を与え、選択(報酬)に対する期待を高めることできる。
【0046】
図6に示すように、9つの抽選対象のうち5つにのみ報酬が入っていてもよいし、9つの選択対象の全てに報酬が入っていてもよい。また、報酬は全て同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。以降の説明では、便宜のため、報酬が入っている抽選対象をユーザが選択した場合や価値が所定値よりも高い報酬が入っている抽選対象を選択した場合を「当たり」とし、報酬が入っていない抽選対象を選択した場合や価値が所定値よりも低い報酬が入っている抽選対象を選択した場合を「はずれ」とする。価値が所定値よりも高いとは例えば、希少度がレアよりも高い、すなわち、希少度がスーパーレア又はウルトラレアであることをいう。なお抽選対象設定部13は、ユーザが選択した箱によって当たる確率を変えてもよい。
【0047】
図7は、ユーザによる選択の結果報酬が付与されなかった場合(すなわち、はずれた場合)の画面例を示す図である。報酬付与部15は、選択の結果報酬が付与されなかった回数が所定回数以上あったとき報酬を付与してもよい。この場合、例えば報酬付与部15は
図7の上部の領域R1のゲージ(ポイント)を貯め、同一ユーザによる選択が所定回数はずれることによってゲージが所定値を超えたときに価値の高い報酬を付与してもよい。所定回数はずれるとは、所定回数、希少度が所定値よりも低い報酬が付与され又は報酬が何ら付与されないことであるこのように、抽選結果がユーザにとって好ましい結果でない場合でも、ゲームへのログインを続けることにより、確実な報酬が得られるという安心感をユーザに与えることができる。
【0048】
上記では報酬付与部15が、ユーザによる選択後に抽選により報酬を決定するパターンを説明したが、報酬付与部15は抽選対象の中身をユーザによる選択前に決定しておいてもよい。
【0049】
なお上記とは別の態様として、「参加状況が第1の所定の条件を満たす」とは、ユーザによる所定期間内の総ログイン数若しくはログイン率が所定値を超えたとき又はそれらの値が前回のログイン時よりも改善していたことでもよい。
【0050】
更に、ゲームシステムは、次のようにユーザの状況に合わせて報酬内容及び抽選の仕組みを適切に合わせることができる。具体的には、「参加状況が第1の所定の条件を満たす」とは、ユーザによるログインが所定期間(例えば、30日間)ログインしなかった後のログイン(休眠復帰)であることでもよい。判定部12が、ユーザによるログインが休眠復帰であると判定した場合、抽選対象設定部13は、選択可能な抽選対象の数を、そうでない場合に選択可能な選択対象の数よりも多くしてもよい。この場合、抽選対象設定部13は、ログインしなかった期間の長さに応じて、選択可能な抽選対象の数を変化させてもよい。また、この場合、抽選対象設定部13は、ユーザによる2回目の連続ログイン時に、「当たり」の確率を低くしてもよいし、ユーザが選択可能な抽選対象の数を減らしてもよいし、又は報酬の希少度を減少させてもよい。これにより、休眠復帰ユーザにゲームへのログインを促すと共に、休眠復帰ユーザとその他のユーザ間のゲームバランスを適切に調節することができる。
【0051】
更に、「参加状況が第1の所定の条件を満たす」とは、ユーザによる初回ログインがユーザ登録後初めてのログインであることであってもよい。判定部12が、ユーザによる初回ログインがユーザ登録後初めてのログインであると判定した場合、抽選対象設定部13は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を高めてもよい。この場合、抽選対象設定部13は例えば、2回目以降の連続ログイン時における抽選の「当たり」の確率を、初回のログイン時における抽選の「当たり」の確率よりも低くすることによって報酬の獲得確率を低くしてもよい。これにより、新規ユーザのゲームへの登録、及び、ログインを促すと共に、新規ユーザとその他のユーザ間のゲームバランスを適切に調節することができる。
【0052】
[実施形態1の動作フロー]
図8は、本発明の実施形態1に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【0053】
端末装置2は、ユーザ操作によりサーバ装置1にログインする(ステップS1)。サーバ装置1は当該ユーザによるゲーム又はゲーム内のイベントへの参加状況が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS2)。サーバ装置1は、参加状況が所定の条件を満たすと判定したとき(ステップS2のYes)、サーバ装置1は、報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する(ステップS3)。他方参加状況が所定の条件を満たさないと判定したとき(ステップS2のNo)、サーバ装置1は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させずに(予め定められた所定値で)抽選対象を設定する(ステップS4)。サーバ装置1は、掲示情報及び設定情報を作成して端末装置2に出力し(ステップS5)、端末装置2は当該掲示情報及び当該設定情報を表示する(ステップS6)。なお、ステップS5においてサーバ装置1は、抽選対象の少なくとも一部の中身を示唆する表示情報を作成して出力してもよく、ステップS6において端末装置2は当該表示情報を表示してもよい。端末装置2が表示した抽選対象をユーザが選択したことを検出すると(ステップS7)、端末装置2は、選択された抽選対象がどれかをサーバ装置1に通知する(ステップS8)。通知を受けたサーバ装置1は抽選により報酬を付与し(ステップS9)、当該報酬を端末装置2に通知する(ステップS10)。端末装置2の表示部22は報酬を表示し(ステップS11)、抽選は終了する。
【0054】
このように本発明の実施形態1に係るゲームシステムによれば、ユーザによる再度のログインを促すことができる。したがってゲーム又はゲーム内のイベントを活性化させることができる。
【0055】
[実施形態2]
以下、実施形態2を説明する。実施形態1と重複する部分の説明は省略する。以下の実施形態3及び4の説明においても同様である。
【0056】
(判定処理)
表示部22は、判定部12が、参加状況が上記の第1の所定の条件を満たしていないと判定したとき、ゲーム又はゲーム内のイベントの進行を促す画面を表示する。具体的にはまず、ユーザによるログイン及び上記実施形態1で説明した抽選(任意)の後、判定部12は、ユーザが前日にログインをしなかったことによって連続ログインが途切れているか否かを判定する。判定部12が連続ログインが途切れていると判定したとき、
図9に示すように、判定部12は表示部22にゲーム又はゲーム内のイベントの達成を促す画面を表示させてもよい。例えば、ユーザが2日連続でログインした翌日(3日目)にログインを忘れている場合には、ユーザがログインを行わなかった日の翌日(4日目)のログイン時に、表示部22が
図9に示す画面を表示して、ゲーム又はゲーム内のイベントを達成することによって連続ログインに復帰できることを通知する。
【0057】
また、判定部12は、ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を判定する。具体的には、判定部12は、ユーザによるゲーム又はゲーム内のイベントの進行状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判定する。「進行状況が第2の所定の条件を満たす」とは、例えば、ユーザが所定のゲーム又はゲーム内のイベントを達成したこと(例えば、ユーザが所定のクエストを達成したこと及び対戦で勝利すること)である。判定部12は、端末装置2のユーザが、ゲーム/イベントDB17bに登録された所定のゲーム又はゲーム内のイベントを達成したことを検出すると、ゲーム/イベント達成DB17cに、ユーザIDに対応付けて、達成日と達成したゲーム又はゲーム内のイベントのIDとを登録する。
【0058】
(抽選対象設定処理及び報酬付与処理)
次いで抽選対象設定部13は、ログイン時の抽選に加えて(任意)、追加で抽選を行う。
【0059】
判定部12が、参加状況が第1の所定の条件を満たしていないと判定したときであっても、進行状況が第2の所定の条件を満たしていると判定したとき、抽選対象設定部13は、参加状況が第1の所定の条件を満たしているとみなして報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する。具体的には、ユーザがゲーム又はゲーム内の所定のイベントを達成したことを検出した場合、判定部12は、連続ログインが途切れていたとしても、ユーザが連続ログインを行ったとみなす。上記の判定処理で用いた例で説明すると、判定部12により、ユーザが4日連続ログインを行ったとみなされるため、ゲームシステムは4日連続ログインに相当する抽選を行ってもよい。このように連続ログインが途切れても、連続ログインを補うことができるように構成することにより、ユーザのゲームの継続率を維持することができる。
【0060】
なお判定部12は、参加状況が第1の所定の条件を満たしているか否かを判定せずに、進行状況が第2の所定の条件を満たしているか否かのみを判定して、第2の所定の条件を満たしているときに、抽選対象設定部13が報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定してもよい。
【0061】
以降の抽選の行い方は実施形態1での抽選の行い方と同様であるため説明を省略する。
【0062】
このように構成することにより、第1の所定の条件の不備をユーザが補うことが可能となり、第2の条件の達成、例えば、ゲーム又はゲーム内のイベント達成の動機付けを高めることができる。
【0063】
なお第2の所定の条件としては、上記したゲーム又はゲーム内のイベントの達成のみならず、他のユーザに対する復帰リクエストの送信、新規ユーザの勧誘(招待)又は抽選により獲得した報酬の他のユーザへの通知等がある。
【0064】
ユーザによる毎日のログインを促すという観点から、連続ログインが1日途切れた場合には復帰可能とする一方で2日以上途切れてしまった場合には復帰不可能としてもよい。なお、連続ログインが2日以上途切れてしまった場合、復帰不可能とするのではなく、1日途切れた場合の復帰に必要となる条件よりも困難な条件を達成することにより復帰可能としてもよい。具体的には、1日途切れた場合の復帰に必要となる条件よりも多くの又は難易度の高いゲーム又はゲーム内のイベントを達成することによって復帰可能としてもよい。
【0065】
なお、抽選対象設定部13は、連続ログインへの復帰ユーザに対して、当日に追加で抽選を行う代わりに、翌日のログイン時の抽選の形式を変更してもよい。具体的には、判定部12は、連続ログインが途切れているユーザのログイン時にゲーム/イベント達成DB17cを参照し、ユーザがログインした日の前日に所定のゲーム又はゲーム内のイベントを達成していたか否かを判定する。判定結果に応じて、抽選対象設定部13は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を高める。この場合、抽選対象設定部13は、達成したゲーム又はゲーム内のイベントに応じて抽選対象に含まれる報酬の期待値を変化(増加又は減少)させてもよい。
【0066】
[実施形態2の動作フロー]
図10は、本発明の実施形態2に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【0067】
端末装置2は、ユーザ操作によりサーバ装置1にログインする(ステップS21)。次いでサーバ装置1は、実施形態1で説明した抽選を行う(ステップS22)。サーバ装置1は、連続ログインが途切れているか否かを判定し(ステップS23)、連続ログインが途切れていると判定したとき(ステップS23のYes)、ゲーム又はゲーム内のイベントの進行を促す表示を行う(ステップS24)。連続ログインが途切れていないと判定したとき(ステップS23のNo)、サーバ装置1はステップS24を行わない。
【0068】
また、サーバ装置1は、ユーザによるゲーム又はゲーム内のイベントの進行状況が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS25)。
【0069】
当該進行状況が所定の条件を満たすと判定したとき(ステップS25のYes)、サーバ装置1はステップS23と同様に連続ログインが途切れているか否かを判定する(ステップS26)。連続ログインが途切れていると判定したとき(ステップS26のYes)、サーバ装置1は、ユーザがログインを行わなかった日について、ユーザがログインを行ったとみなして連続ログインを補う(ステップS27)。連続ログインが途切れていないと判定したとき(ステップS26のNo)、サーバ装置1はステップS27を行わない。次いでサーバ装置1は、報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する(ステップS28)。
【0070】
他方当該進行状況が所定の条件を満たしていないと判定したとき(ステップS25のNo)、サーバ装置1は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させずに抽選対象を設定する(ステップS29)。
【0071】
ステップS30~ステップS36は実施形態1のステップS5~ステップS11と同様であるため説明を省略する。
【0072】
このように本発明の実施形態2に係るゲームシステムによれば、ユーザによるゲーム又はイベントの進行を促すことができる。したがってゲーム又はゲーム内のイベントを活性化させることができる。
【0073】
[実施形態3]
(判定処理)
ユーザによるログイン及び上記実施形態1で説明した抽選(任意)の後、判定部12は、ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を判定する。具体的には、判定部12は、獲得した報酬をユーザが使用したか否かを判定する。
【0074】
「獲得した報酬」とは、ユーザが抽選で獲得した報酬であってもよいし、ゲーム又はゲーム内のイベントにおいてユーザが獲得した報酬であってもよい。判定部12が、獲得した報酬をユーザが使用したことを検出すると、使用済報酬DB17dはユーザが使用した報酬を記憶する。
【0075】
(抽選対象設定処理及び報酬付与処理)
次いで抽選対象設定部13は、ログイン時の抽選に加えて(任意)、追加で抽選を行う。抽選において、抽選対象設定部13は、報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する。抽選の行い方は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0076】
なお、抽選対象設定部13は、獲得した報酬を使用したユーザに対して、追加で抽選を行う代わりに、翌日のログイン時の抽選の形式を変更してもよい。具体的には、判定部12は、ユーザのログイン時に使用済報酬DB17dを参照し、ユーザが前日に獲得した報酬を使用したか否かを判定する。判定結果に応じて、抽選対象設定部13はログイン時に選択可能な選択対象の数を増やす。この場合、抽選対象設定部13は、使用した報酬の種類又は使用した報酬の数(一部又は全部)に応じて、抽選対象に含まれるゲーム媒体の期待値を変化(増加又は減少)させてもよい。他方、判定部12が、獲得した報酬をユーザが使用していないと判定した場合には、抽選対象設定部13はゲーム媒体の期待値を変化させずそのままとする。
【0077】
[実施形態3の動作フロー]
図11は、本発明の実施形態3に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【0078】
端末装置2は、ユーザ操作によりサーバ装置1にログインする(ステップS41)。次いでサーバ装置1は、実施形態1で説明した抽選を行う(ステップS42)。次いでサーバ装置1は、獲得した報酬をユーザが使用したか否かを判定する(ステップS43)。
【0079】
獲得した報酬をユーザが使用したと判定したとき(ステップS43のYes)、サーバ装置1は、報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する(ステップS44)。
【0080】
他方、獲得した報酬をユーザが使用していないと判定したとき(ステップS43のNo)、サーバ装置1は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させずに抽選対象を設定する(ステップS45)。
【0081】
ステップS46~ステップS52は実施形態1のステップS5~ステップS11と同様であるため説明を省略する。
【0082】
このように本発明の実施形態3に係るゲームシステムによれば、ユーザによる報酬の使用を促すことによって、次の報酬を得る動機づけを高めることができる。したがってゲーム又はゲーム内のイベントを活性化させることができる。
【0083】
[実施形態4]
(判定処理)
判定部12は、ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を判定する。具体的には、判定部12は、ユーザ間の関与がなされたか否かを判定する。「ユーザ間の関与がなされた」とは、ユーザが、他のユーザへの通知、獲得した報酬の他のユーザへ譲渡及び他のユーザの勧誘等を行うことである。
【0084】
実施形態3と同様、「獲得した報酬」はユーザが抽選で獲得した報酬であってもよいし、ゲーム又はゲーム内のイベントにおいて獲得した報酬であってもよい。「通知」とは例えば、獲得した報酬を他のユーザに通知すること、あるゲーム又はゲーム内のイベントを通知すること等である。判定部12は、ユーザ間の関与がなされたことを検出すると、ユーザ間関与DB17eは、ユーザIDと、ユーザ間の関与とを対応付けて記憶する。
【0085】
(抽選対象設定処理及び報酬付与処理)
次いで抽選対象設定部13は、ログイン時の抽選に加えて(任意)、追加で抽選を行う。抽選において、抽選対象設定部13は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する。抽選の行い方は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0086】
なお、抽選対象設定部13は、ユーザ間の関与を行ったユーザに対して、追加で抽選を行う代わりに、翌日のログイン時の抽選の形式を変更してもよい。具体的には、判定部12は、ユーザのログイン時にユーザ間関与DB17eを参照し、ユーザが前日にユーザ間の関与を行ったか否かを判定する。判定結果に応じて、抽選対象設定部13は報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を高める。この場合、抽選対象設定部13は、抽選対象に含まれるゲーム媒体の期待値を変化(増加又は減少)させてもよい。他方、判定部12が、当該ユーザがユーザ間の関与を行ったと判定した場合には、抽選対象設定部13はゲーム媒体の期待値を変化させずそのままとする。また、抽選対象設定部13は、関与を行ったユーザ同士の、ゲームシステム内におけるステータス情報の差に応じて報酬の期待値を高めてもよい。具体的には、報酬付与部15は、ユーザ間のレベル、デッキの強さ、プレイ時間及び/又はクエストの進行度等の差が大きいほど報酬の期待値を高めてもよい。
【0087】
[実施形態4の動作フロー]
図12は、本発明の実施形態4に係るゲームシステムの動作フローを示す図である。
【0088】
端末装置2は、ユーザ操作によりサーバ装置1にログインする(ステップS61)。次いでサーバ装置1は、実施形態1で説明した抽選を行う(ステップS62)。次いでサーバ装置1は、ユーザ間の関与がなされたか否かを判定する(ステップS63)。
【0089】
ユーザの関与がなされたと判定したとき(ステップS63のYes)、サーバ装置1は、報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて抽選対象を設定する(ステップS64)。
【0090】
他方、ユーザ間の関与がなされていないと判定したとき(ステップS63のNo)、サーバ装置1は、報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させずに抽選対象を設定する(ステップS65)。
【0091】
ステップS66~ステップS72は、実施形態1のステップS5~ステップS11と同様であるため説明を省略する。
【0092】
このように本発明の実施形態4に係るゲームシステムによれば、ユーザ間に関与を働きかける(すなわち、通知、譲渡及び勧誘等を行う)ことによって、各ユーザのゲーム又はゲーム内のイベントに対する関心を高めることができる。したがってゲーム又はゲーム内のイベントを活性化させることができる。
【0093】
本実施形態のように、サーバ装置1が、端末装置2とネットワークを介して接続される場合には、ゲーム又はゲーム内のイベントの進行画面を、サーバ装置1が生成したデータに基づき端末装置2が表示するウェブ表示画面とすることができる。この場合、その他のメニュー画面等を端末装置2にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とする等によって、本発明に係るゲームを、サーバ装置1と端末装置2のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0094】
これらの本発明に係るサーバ装置1又は端末装置2の少なくとも一方をコンピュータで構成した場合、各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの内部又は外部の記憶部に格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。また、このようなプログラムは、例えばDVD又はCD-ROMなどの可搬型記録媒体の販売、譲渡、貸与等により流通させることができるほか、そのようなプログラムを、例えばネットワーク上にあるサーバの記憶部に記憶しておき、ネットワークを介してサーバから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、流通させることができる。また、そのようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に記憶することができる。また、このプログラムの別の実施態様として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、更に、このコンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。
【0095】
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部やステップ等を1つ組み合わせること、或いは分割することが可能である。以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
ゲームを提供するサーバ装置の制御方法において、
ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を記憶するステップと、
前記記憶されたユーザの活動状況の少なくとも一部を前記ユーザの端末装置に掲示させる掲示情報を作成するステップと、
前記記憶されたユーザの活動状況を判定するステップと、
前記判定の結果に基づいて、前記ユーザに対して抽選対象を設定するステップと、
前記設定した抽選対象を前記ユーザの端末装置に表示させる設定情報を作成するステップと、
前記ユーザによる前記抽選対象の選択に応じて前記ユーザに報酬を付与するステップとを実現させ、
前記判定するステップが、前記活動状況が第1の所定の条件を満たしていると判定したとき、前記設定するステップは前記報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて当該抽選対象を設定する、制御方法。
(付記2)
付記1に記載の制御方法において、
前記活動状況は、前記ユーザの前記ゲーム又は前記ゲーム内のイベントへの参加状況である、制御方法。
(付記3)
付記2に記載の制御方法において、
前記判定するステップが、前記参加状況が第1の所定の条件を満たしていないと判定したときであっても、前記ユーザの前記ゲーム又は前記ゲーム内のイベントの進行状況が第2の所定の条件を満たしていると判定したとき、前記設定するステップは前記第1の所定の条件が満たされたとみなして前記報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて前記抽選対象を設定する、制御方法。
(付記4)
付記3に記載の制御方法において、
前記判定するステップが、前記参加状況が前記第1の所定の条件を満たしていないと判定したとき、前記ゲーム又は前記ゲーム内のイベントの進行を促す画面を表示するステップを更に実現させる、制御方法。
(付記5)
付記1に記載の制御方法において、
前記活動状況は、前記ユーザの前記ゲーム又は前記ゲーム内のイベントの進行状況である、制御方法。
(付記6)
付記1に記載の制御方法において、
前記活動状況は、獲得した報酬を前記ユーザが使用したか否かの状況である、制御方法。(付記7)
付記1に記載の制御方法において、
前記活動状況は、ユーザ間の関与がなされたか否かの状況である、制御方法。
(付記8)
付記1~7のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記付与するステップは、前記選択の結果、価値が所定値よりも高い報酬が付与されなかった回数が所定数以上あったとき報酬を付与する、制御方法。
(付記9)
付記1~8のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記抽選対象の少なくとも一部の中身を示唆する表示情報を作成するステップを更に実現させる、制御方法。
(付記10)
付記1~9のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記設定するステップは、前記抽選対象を、当該抽選対象の特徴によって複数の群に分けて選択可能に設定する、制御方法。
(付記11)
少なくとも1つの端末装置と通信を行うことにより当該端末装置に対してゲームを提供するサーバ装置において、
ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を記憶する記憶部と、
前記記憶されたユーザの活動状況を判定する判定部と、
前記判定の結果に基づいて、前記ユーザに対して抽選対象を設定する抽選対象設定部と、
前記記憶されたユーザの活動状況の少なくとも一部を前記ユーザの端末装置に掲示させる掲示情報を作成し、前記設定した抽選対象を前記ユーザの端末装置に表示させる設定情報を作成する作成部と、
前記ユーザによる前記抽選対象の選択に応じて前記ユーザに報酬を付与する報酬付与部とを備え、
前記判定部が、前記活動状況が第1の所定の条件を満たしていると判定したとき、前記抽選対象設定部は前記報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて当該抽選対象を設定する、サーバ装置。
(付記12)
ゲームを提供するコンピュータに、
ゲーム又はゲーム内のイベントでのユーザの活動状況を記憶するステップと、
前記記憶されたユーザの活動状況の少なくとも一部を前記ユーザの端末装置に掲示させる掲示情報を作成するステップと、
前記記憶されたユーザの活動状況を判定するステップと、
前記判定の結果に基づいて、前記ユーザに対して抽選対象を設定するステップと、
前記設定した抽選対象を前記ユーザの端末装置に表示させる設定情報を作成するステップと、
前記ユーザによる前記抽選対象の選択に応じて前記ユーザに報酬を付与するステップとを実行させ、
前記判定するステップが、前記活動状況が第1の所定の条件を満たしていると判定したとき、前記設定するステップは前記報酬の獲得確率、及び/又は、期待値を変化させて当該抽選対象を設定する、プログラム。
【符号の説明】
【0096】
1 サーバ装置
11 制御部
12 判定部
13 抽選対象設定部
14 作成部
15 報酬付与部
16 通信部
17 記憶部
17a ログインDB
17b ゲーム/イベントDB
17c ゲーム/イベント達成DB
17d 使用済報酬DB
17e ユーザ間関与DB
2 端末装置
21 制御部
22 表示部
23 通信部