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特許7382673移動支援システム、移動支援プログラム及び、移動支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】移動支援システム、移動支援プログラム及び、移動支援方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20231110BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20231110BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20231110BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20231110BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231110BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20231110BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 C
B60L3/00 S
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/12
G09B29/10 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022141884
(22)【出願日】2022-09-07
【審査請求日】2022-09-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・ウェブサイトの掲載日 1) 令和 3年 9月22日 2) 令和 3年10月20日 ・ウェブサイトのアドレス 1) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000075981.html 2) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000075981.html ・公開者 株式会社PR TIMES
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522355662
【氏名又は名称】キワ・アート・アンド・デザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】平賀 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】根本 正樹
(72)【発明者】
【氏名】中原 優樹
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/070349(WO,A1)
【文献】特表2017-513006(JP,A)
【文献】特開2017-073883(JP,A)
【文献】特開2014-044178(JP,A)
【文献】特開2013-072697(JP,A)
【文献】特開2020-085673(JP,A)
【文献】特開2014-035215(JP,A)
【文献】特開2007-024833(JP,A)
【文献】特開2015-062051(JP,A)
【文献】国際公開第2020/209017(WO,A1)
【文献】特開2013-210281(JP,A)
【文献】特開2011-215059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G08G 1/00 - 99/00
G09B 29/00 - 29/10
B60W 10/00 - 20/50
B60K 6/20 - 6/547
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気を燃料とする移動体の移動を支援する移動支援システムであって、
前記移動支援システムは、取得部、特定部、距離算出部、変化量算出部及び表示部を備え、
前記特定部は、移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、
前記距離算出部は、前記移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、移動可能距離を算出処理し、
前記表示部は、前記燃料情報に基づいて、前記経路のうち、前記開始地点から前記移動可能距離進んだ地点までの経路をグラデーション状に変化する複数の色で呈色して表示処理し、前記地点から前記目的地点までの経路を前記地点までに呈色した複数の色と異なる単色で呈色して表示処理
前記変化量算出部は、ある色を呈色する前記経路上のある区間、及び該区間における地理的な情報を示す地理的空間情報を取得し、前記地理的空間情報に基づいて、前記燃料の増減に関する燃料変化量を算出処理し、
前記表示部は、該燃料変化量に基づいて、該区間を呈色する色の間隔を変動し、該区間を呈色して前記経路を表示処理し、
前記変化量算出部は、該区間の変動後の間隔に基づいて、該区間に連続する区間における前記地理的空間情報を取得する、移動支援システム。
【請求項2】
前記変化量算出部及び前記表示部が、前記移動可能距離進んだ地点までの経路を呈色するまで以下の処理を実行する、移動支援システムであって、
前記変化量算出部が、前記間隔が変動した区間である第1区間の終点を始点として、前記第1区間に連続する第2区間における前記地理的空間情報を取得し、該地理的空間情報に基づいて前記燃料変化量を算出処理し、
前記表示部が、該燃料変化量に基づいて、前記第2区間を呈色する色の間隔を変動して前記経路を表示処理する、請求項1に記載の移動支援システム
【請求項3】
前記距離算出部は、前記燃料情報が示す燃料残量のパーセント入力を受け付け、該燃料情報に基づいて、前記移動可能距離を算出処理する、請求項1又は請求項2に記載の移動支援システム。
【請求項4】
前記距離算出部は、前記移動体の種類を示す移動体種類情報を取得し、
更に前記移動体種類情報に基づいて、前記移動可能距離を算出処理する、請求項1又は請求項2に記載の移動支援システム。
【請求項5】
前記表示部は、充電器が設置されている地点の情報に関する充電器地点情報を取得し、前記充電器地点情報に基づいて、前記経路沿いに設置されている前記充電器に関する情報を表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の移動支援システム。
【請求項6】
前記表示部は、前記経路を特定処理することを契機に、前記充電器に関する情報を表示処理する、請求項に記載の移動支援システム。
【請求項7】
前記移動支援システムは、充電器の種類を示す充電器種類情報を格納し、
前記表示部は、前記充電器の種類のうち、特定の種類の選択入力を受け付けると、選択された種類に対応する前記充電器に関する情報を表示処理する、請求項に記載の移動支援システム。
【請求項8】
前記表示部は、前記経路における道路の種類を示す道路属性情報を取得し、
前記道路属性情報に基づいて、前記道路の種類を区別可能に表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の移動支援システム。
【請求項9】
前記距離算出部は、スライダーを介して、前記燃料情報の示す燃料残量の入力を受け付け、
前記経路に呈色される前記複数の色は、前記燃料残量と対応付けられており、
前記表示部は、前記スライダーに沿って、前記複数の色を並べて表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の移動支援システム。
【請求項10】
電気を燃料とする移動体の移動を支援する移動支援プログラムであって、
前記移動支援プログラムは、コンピュータを、取得部、特定部、距離算出部、変化量算出部及び表示部として機能させ、
前記特定部は、移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、
前記距離算出部は、前記移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、移動可能距離を算出処理し、
前記表示部は、前記燃料情報に基づいて、前記経路のうち、前記開始地点から前記移動可能距離進んだ地点までの経路をグラデーション状に変化する複数の色で呈色して表示処理し、前記地点から前記目的地点までの経路を前記地点までに呈色した複数の色と異なる単色で呈色して表示処理
前記変化量算出部は、ある色を呈色する前記経路上のある区間、及び該区間における地理的な情報を示す地理的空間情報を取得し、前記地理的空間情報に基づいて、前記燃料の増減に関する燃料変化量を算出処理し、
前記表示部は、該燃料変化量に基づいて、該区間を呈色する色の間隔を変動し、該区間を呈色して前記経路を表示処理し、
前記変化量算出部は、該区間の変動後の間隔に基づいて、該区間に連続する区間における前記地理的空間情報を取得する、移動支援プログラム。
【請求項11】
電気を燃料とする移動体の移動を支援するコンピュータを用いた移動支援方法であって、
前記コンピュータが、
移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、
前記移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、移動可能距離を算出処理し、
前記燃料情報に基づいて、前記経路のうち、前記開始地点から前記移動可能距離進んだ地点までの経路をグラデーション状に変化する複数の色で呈色して表示処理し、前記地点から前記目的地点までの経路を前記地点までに呈色した複数の色と異なる単色で呈色して表示処理
ある色を呈色する前記経路上のある区間、及び該区間における地理的な情報を示す地理的空間情報を取得し、前記地理的空間情報に基づいて、前記燃料の増減に関する燃料変化量を算出処理し、
該燃料変化量に基づいて、該区間を呈色する色の間隔を変動し、該区間を呈色して前記経路を表示処理し、
該区間の変動後の間隔に基づいて、該区間に連続する区間における前記地理的空間情報を取得する、移動支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動支援システム、移動支援プログラム及び、移動支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガソリン自動車は、移動速度が速く移動手段として広く活用されている。一方、正確にどれくらいで燃料切れになるかがわからず、ガス欠してしまうという問題が少なからず発生していた。このような問題を解決するシステムの一例が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、走行可能距離を算出し、探索した候補経路を表示画面に表示するとともに、各候補経路の走行可能距離を、道路の表示色を変えることにより表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-138973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動を行う上では、計画的な燃料補給が重要となる。しかし、特許文献1において提案される技術は、候補経路の途中における燃料の残量を把握することが出来ず、計画的な燃料補給ができないという問題があった。また、そのような計画的な燃料補給を支援できるような技術が必要とされていた。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、燃料切れの不安をなくし、安心した移動を可能にする技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、電気を燃料とする移動体の移動を支援する移動支援システムであって、前記移動支援システムは、取得部、特定部、及び表示部を備え、前記特定部は、移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、前記表示部は、電気を燃料とする移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、前記経路を複数の色で呈色して表示処理する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、電気を燃料とする移動体の移動を支援する移動支援プログラムであって、前記移動支援プログラムは、コンピュータを、取得部、特定部、及び表示部として機能させ、前記特定部は、移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、前記表示部は、電気を燃料とする移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、前記経路を複数の色で呈色して表示処理する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、電気を燃料とする移動体の移動を支援するコンピュータを用いた移動支援方法であって、前記コンピュータが、移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、電気を燃料とする移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、前記経路を複数の色で呈色して表示処理する。
このような構成とすることで、移動可能距離の途中であっても、燃料の残量を確認することができる。これにより、移動中の燃料切れの不安をなくし、安心して移動をすることができる。
【0010】
より好ましい形態では、前記移動支援システムは、距離算出部を更に備え、前記距離算出部は、前記燃料情報に基づいて、移動可能距離を算出処理し、前記表示部は、前記経路のうち、前記移動可能距離までの経路を複数の色で呈色して表示処理する。
このような構成とすることで、燃料の情報に基づいて、移動可能な距離までの経路を複数の色で呈色して表示することができる。これにより、移動可能な距離までの経路において計画的に充電を行うことができる。
【0011】
より好ましい形態では、前記表示部は、複数の色の色合いをグラデーション状に変化して、前記経路を表示処理する。
このような構成とすることで、視覚的に燃料の残量をより容易に把握することができる。
【0012】
より好ましい形態では、前記移動支援システムは、変化量算出部を更に備え、前記変化量算出部は、ある色を呈色する前記経路上のある区間、及び該区間における地理的な情報を示す地理的空間情報を取得し、前記地理的空間情報に基づいて、前記燃料の増減に関する燃料変化量を算出処理し、前記表示部は、該燃料変化量に基づいて、該区間を呈色する色の間隔を変動し、前記経路を表示処理する。
このような構成とすることで、経路上の地理的要因も含めた燃料残量の表示をすることができる。これにより、より正確な充電計画を立てることができる。
【0013】
より好ましい形態では、前記距離算出部は、前記移動体の種類を示す移動体種類情報を取得し、更に前記移動体種類情報に基づいて、前記移動可能距離を算出処理する。
このような構成とすることで、移動体の種類に応じた移動可能な距離を算出することができる。これにより、様々な移動体に適応した表示をすることができる。
【0014】
より好ましい形態では、前記表示部は、充電器が設置されている地点の情報に関する充電器地点情報を取得し、前記充電器地点情報に基づいて、前記経路沿いに設置されている前記充電器に関する情報を表示処理する。
このような構成とすることで、経路沿いの充電器を表示することができる。これにより、目的地までの道中において、どの地点で充電するのが良いのか等が把握しやすくなり、容易且つ的確に充電計画を立てることができる。
【0015】
より好ましい形態では、前記表示部は、前記経路を特定処理することを契機に、前記充電器を表示処理する。
このような構成とすることで、経路の表示と同時に、充電器を表示することができる。これにより、経路上の充電器を検索する手間を省くことができ、検索の煩わしさを解消することができる。
【0016】
より好ましい形態では、前記移動支援システムは、充電器の種類を示す充電器種類情報を格納し、前記表示部は、前記充電器の種類のうち、特定の種類の選択入力を受け付けると、選択された種類に対応する前記充電器に関する情報を表示処理する。
このような構成とすることで、ユーザが確認したい種類の充電器を抽出して、表示することができる。これにより、ユーザは、自身のニーズに合った充電器を容易に探すことできる。
【0017】
より好ましい形態では、前記表示部は、前記経路における道路の種類を示す道路属性情報を取得し、前記道路属性情報に基づいて、前記道路の種類を区別可能に表示処理する。
このような構成とすることで、経路上の道路を区別して表示することができる。これにより、道路の種類が変わる位置を把握することができ、道路の種類毎に応じた計画を立てることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、燃料切れの不安をなくし、安心した移動を可能にする技術を提供する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明における一実施形態に係るシステム構成図である。
図2】本発明における一実施形態に係るハードウェア構成図である。
図3】本発明における一実施形態に係る機能ブロック図である。
図4】本発明における処理フローチャートの一例である。
図5】本発明における表示画面の一例である。
図6】本発明における表示画面の一例である。
図7】本発明における表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0021】
例えば、本実施形態では移動支援システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができ、これにより移動支援装置、移動支援システムを構成することができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0022】
本発明は、移動の開始地点から目的地点までの経路において、電気を燃料とする移動体の燃料残量を視覚的に把握可能にすることで、燃料切れの不安をなくし、目的地点までの移動を支援する移動支援システムに関する。本発明において、移動体とは、燃料を用いて動作する物体のことである。本実施形態において移動体は、電気自動車であるが、プラグインハイブリッド車、電気自転車、スマートフォンやタブレット端末等であってもよい。ここで、プラグインハイブリッド車とは、ガソリンと電気を燃料とする移動体であって、外部から充電器を挿入することで電気燃料を補給することができる。
【0023】
より好ましい形態では、本発明は、経路沿いの燃料補給機地点を表示することができる。本実施形態において、燃料補給機とは充電器であるが、ガソリンスタンド等であってもよい。また、本実施形態において燃料とは、電力であるが、ガソリン等であってもよい。
【0024】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、移動支援システム0は、移動支援装置1及びユーザ端末2を備える。
【0025】
本実施形態において、移動支援装置1及びユーザ端末2は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0026】
本実施形態において移動支援装置1は、ユーザ端末2から表示要求を受け付け、本発明に係る画面を表示処理し、ユーザ端末2に表示させる。なお、本実施形態では、移動支援装置1は、ひとつのコンピュータを用いて構成されるが、複数のコンピュータを用いて構成することも可能である。
【0027】
本実施形態においてユーザ端末2は、移動支援装置1が表示処理した画面を表示する。ユーザ端末2としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0028】
なお本実施形態では、移動支援装置1が本発明における移動支援プラグラムをインストールすることによって、移動支援装置1が以下の処理を実行するが、ユーザ端末2が移動支援プログラムをインストールすることによって、移動支援装置1の行う処理の一部をユーザ端末2が実行しても良い。
【0029】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。図2(a)は、サーバ100(移動支援装置1)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0030】
処理部101は、CPU(Cental Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る移動支援プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ100の動作処理全体を制御する。
【0031】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係る移動支援プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている移動支援プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0032】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ100を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0033】
図2(b)は、端末9(ユーザ端末2)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9も同様に、ハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0034】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、移動支援装置1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。なお、以下不明にならない範囲で、これら端末9のハードウェア構成は省略する。
【0035】
<システム機能構成>
図3は、本実施形態の移動支援装置1の機能構成を示す図である。本実施形態の移動支援装置1は、データベース10、特定部11、距離算出部12、変化量算出部13、及び表示部14を備える。なお、データベース10は、移動支援装置1に接続可能に外部に構成されていてもよい。
【0036】
データベース10は、移動体種類情報、地理的空間情報、燃料補給機種類情報、燃料補給機地点情報、及び道路種類情報を含む。
【0037】
移動体種類情報は、移動体の種類を示す情報である。本実施形態において、移動体種類情報は電気自動車の車両の種類を示す情報(車種情報)であって、車両の種類を一意に特定する車種IDにより特定され、車両名、電池容量、及び燃費を示す燃費情報を含む。なお、移動体種類情報は、車種情報に加えて、移動体そのものの種類(例えば、スマートフォン、ガソリン車、電気自転車等)を示す情報を含んでいてもよい。
【0038】
地理的空間情報は、ある地点における地理的な情報を示す情報である。本実施形態において地理的空間情報は、ある地点における標高に関する標高情報及び/又は傾斜に関する傾斜情報であって、標高及び/又は傾斜の数値を示す情報である。
【0039】
なお、本実施形態において、地理的空間情報として、例えば国土地理院から提供される標高及び傾斜に関する情報である国土数値情報をデータベース10が格納する。一方、地図アプリのAPI(例えばGoogle Maps Elevation API)を介して、算出部12が標高及び傾斜に関する情報を取得してもよい。
【0040】
燃料補給機種類情報は、燃料補給機の種類を示す情報である。本実施形態において燃料補給機種類情報は、充電器の種類を示す情報(充電器種類情報)であって、充電器の種類を一意に特定する充電器種類ID、及び充電器種類、経路案内画面等において表示される充電器アイコンを含む。充電器種類情報は、急速充電器、普通充電器、24時間利用可能な充電器、及びディーラに設置されている充電器を有する。
【0041】
燃料補給機地点情報は、燃料補給機が設置されている地点に関する情報である。本実施形態において燃料補給機地点情報は、充電器の地点を一意に特定する情報(充電器地点情報)であって、充電器の地点を一意に特定する充電器地点IDにより特定され、充電器が位置する地点名、充電器種類ID、充電器の数、営業時間、休業日、及び地点の住所又は緯度経度を示す充電器位置情報を含む。
【0042】
道路種類情報は、道路の種類を示す情報である。本実施形態において道路種類情報は、料金の支払いを必要とする料金徴収道路、及び料金の支払いが不要な非料金徴収道路を含む。料金徴収道路は、高速自動車国道、及び有料道路を含み、非料金徴収道路は、一般道路を含む。
【0043】
特定部11は、移動の開始地点を示す始点情報、及び目的地点を示す目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理する。本実施形態において、特定部11は、ユーザ端末2がユーザから受け付けた開始地点の住所、及び目的地点の住所に係る入力を受け付けることによって、始点情報及び目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの最短経路を特定処理する。
【0044】
なお、本実施形態において、特定部11は、始点情報としてユーザから受け付けた開始地点の住所のテキスト情報を取得するが、GPS(Global Positioning System)、又はGNSS(Global Navigation Satellite System)等を用いて、ユーザ端末2の現在地の緯度経度を始点情報として取得してもよい。また、本実施形態において特定部11は、開始地点から目的地点までの最短経路を特定処理するが、複数の経路候補を特定処理してもよい。
【0045】
ここで、本実施形態において特定処理とは、移動支援装置1において経路を特定する処理を示すが、外部サーバに対して経路を特定する指示を送信することで、経路を特定する処理であってもよい。例えば、経路を特定する指示として、始点情報及び目的地情報を外部サーバに送信して、外部サーバが経路を特定することができる。
【0046】
距離算出部12は、移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、移動可能距離を算出処理する。本実施形態において、距離算出部12は、燃料情報として電気自動車の電力(充電)の残量に係る入力を受け付けて、該充電の残量に基づいて、移動可能距離を算出処理する。具体的には、算出部12は、電気自動車の燃費、及び受け付けた充電の残量に基づいて、開始地点からの移動可能距離を算出する。
【0047】
なお、本実施形態において距離算出部12は、ユーザから受け付けた燃料の残量に係る入力を燃料の残量として、移動可能距離を算出処理するが、移動体における燃料の残量に係る情報を有線又は無線でリアルタイムに取得し、該燃料の残量に基づいて移動可能距離を算出処理してもよい。
【0048】
また距離算出部12は、燃料の残量に加えて移動体種類情報に基づいて、移動可能距離を算出処理する。本実施形態において、距離算出部12は、移動体種類情報として車種情報毎に対応する燃費情報、及び充電の残量に基づいて、移動可能距離を算出する。
【0049】
変化量算出部13は、経路上の地理的空間情報に基づいて、燃料の増減に関する燃料変化量を算出処理し、表示部14に受け渡す。本実施形態において、変化量算出部13は、ある色が呈色される経路上の一区間における標高情報を用いて、燃料変化量を算出処理する。具体的に変化量算出部13は、ある区間の始点における標高及び、終点における標高の差分を算出し、該差分に基づいて位置エネルギーを算出処理する。そして、変化量算出部13は、算出処理した位置エネルギーを、燃料によって生み出されるエネルギーとして、該エネルギーを燃料の量に換算することで、燃料変化量を算出処理する。ここで換算の計算には、公知のエネルギー変換効率等を用いればよい。
【0050】
また、本実施形態において、変化量算出部13は、地理的空間情報として、ある区間における標高情報を用いて、燃料変化量を算出処理したが、傾斜情報を用いて、燃料変化量を算出してもよい。具体的に変化量算出部13は、ある区間における傾斜の度合いを示す数値、及び一区間の幅を用いて、ある区間の始点から終点までの標高の差分を算出処理する。そして、変化量算出部13は、該差分に基づいて、燃料変化量を算出する。
【0051】
ここで、本実施形態において算出処理とは、移動支援装置1が移動可能距離及び燃料変化量を算出する処理を示すが、外部サーバに対して、移動可能距離及び燃料変化量を算出する指示を送信することで、移動可能距離及び燃料変化量を算出する処理であってもよい。例えば、移動可能距離を算出する指示として、燃料情報及び燃費情報を外部サーバに送信して、外部サーバが移動可能距離を算出することができる。
【0052】
表示部14は、経路案内画面等の画面を表示処理し、ユーザ端末2に表示させる。具体的な画面は後述する。本実施形態において表示部14は、表示処理結果を含む画面をユーザ端末2に送信することで、ユーザ端末2に画面を表示させる。一方、表示部14は、表示処理結果と、画面を表示する指示と、をユーザ端末2に送信することで、ユーザ端末2に画面を表示させてもよい。
【0053】
<処理フロー>
次いで、図4図7を参照して、移動支援方法について説明する。図4は、移動支援装置1を用いて開始地点から目的地点までの経路を表示処理する為の処理フローチャートである。以下のフローチャートは、経路検索を行うユーザが本発明に係るアプリの画面の表示要求を行い、検索された経路を経路案内画面において表示させるまでの処理を示す。
【0054】
まず、ステップS11(以下、「ステップSXX」を単に「SXX」と省略する)において、表示部14は、ユーザ端末2からアプリの画面として周辺地図画面の表示要求を受け付けて、周辺地図画面を表示処理し、ユーザ端末2に周辺地図画面を表示させる。
【0055】
図5は、周辺地図画面の表示例を示す図である。本実施形態において表示部14は、周辺地図画面の表示要求を受け付けることを契機に、表示要求を受け付けた際のユーザ端末2の位置情報(現在地情報)に基づいて、ユーザ端末2の現在地周辺の情報を含む周辺地図画面W1を表示処理する。具体的に表示部14は、充電器地点情報に紐づく充電器位置情報、及び充電器種類毎の充電器アイコンと、ユーザの現在地情報と、に基づいて、充電器のアイコンを含む周辺地図画面W1を表示処理する。
【0056】
例えば図5は、周辺地図画面W1は、ユーザ端末2の現在地PLと、普通充電器ST1と、急速充電器ST2と、急速充電器及び普通充電器ST3と、を表示する。また、表示部14は、充電器抽出部STEにおける各領域の選択入力を受け付けると、選択された領域に対応する充電器種類に紐づいた充電器地点情報に基づいて、充電器のアイコンを抽出して抽出結果を表示する。また、表示部14は、各充電器のアイコンの上にカーソルが重畳されることを契機に、充電器毎の充電器地点情報に含まれる情報が表示される。そして、画面下部の経路検索に関するアイコンSEの選択入力を受け付け、次のステップに進む。
【0057】
なお、本実施形態において充電器のアイコンは、充電器種類に関係なく表示されるが、画面上の地図の縮尺が所定値を超えると、特定の種類、例えば急速充電器のアイコンが優先的に表示されてもよい。
【0058】
S12において、表示部14は、アイコンSEの選択入力を経路検索画面の表示要求として受け付けて、経路検索画面を表示処理し、ユーザ端末2に経路検索画面を表示させる。そして、S13において特定部11は、経路検索画面において入力される種々の情報を取得する。
【0059】
図6は、経路検索画面の表示例を示す図である。経路検索画面W2は、始点終点入力部W21、及び車両情報入力部W22を含む。本実施形態において、始点終点入力部W21は、始点情報として移動の開始地点の住所、及び目的地情報として目的地点の住所のテキスト入力を受け付ける。また、車両情報入力部W22は、車種情報及び、燃料情報として充電の残量の入力を受け付ける。
【0060】
より好ましい形態では、経路検索画面W2において、航続可能距離の入力を受け付ける。ここで航続可能距離は、燃費及び充電残量の一方又は両方を調整する為のパラメータとして、パーセンテージが入力される。
【0061】
そして、始点終点入力部W21における「検索」の選択入力を受け付けて、次のステップに進む。
【0062】
S14において、特定部11は、S13において受け付けた始点情報、目的地情報、車種情報、及び燃料情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定する。そして、S15において表示部14は、S14において特定された経路を表示処理し、該経路を含む経路案内画面をユーザ端末2に表示させる。
【0063】
図7は、経路案内画面の表示例を示す図である。経路表示画面W3は、経路検索部W31、及び経路表示部W32を含む。経路検索部W31は、始点情報及び目的地情報のテキスト入力を受け付ける。経路表示部W32は、特定部11が特定した経路を表示する。
【0064】
本実施形態において、経路表示部W32は、開始地点STR、目的地点GOL、経路ROT、充電器抽出部STE、充電器STを含む。また経路表示部W32は、開始地点及び目的地点における充電残量、及び移動可能距離の数値を表示する。
【0065】
本実施形態において、表示部14は、特定部11が特定した経路を複数の色で呈色して表示処理する。具体的に表示部14は、特定された経路のうち、距離算出部12が算出した移動可能距離までの経路を複数の色で呈色して表示処理する。また更に、表示部14は、入力された開始地点から目的地点までの距離が算出された移動可能距離よりも長い場合には、移動可能距離以降の経路を薄墨色で呈色して表示処理する。
【0066】
また、表示部14は、移動可能距離までの経路に呈色する複数の色をグラデーション状に変化して表示処理する。本実施形態において、表示部14は、移動可能距離までの経路を複数の色で等間隔に呈色して表示処理する。
【0067】
より好ましい形態では、表示部14は、変化量算出部13が地理的空間情報を用いて算出処理した燃料変化量に基づいて、移動可能距離までの経路を複数の色で呈色して表示処理する。
【0068】
具体的には、表示部14は、ある色が呈色される経路上の一区間において変化量算出部13が算出処理した燃料変化量に基づいて、該区間の間隔を変動し、該色を呈色する。そして、変化量算出部13は、変動後の区間の終点を次の区間の始点として、次の区間の燃料変化量を算出処理する。そして、変化量算出部13及び表示部14が、開始地点から目的地点又は移動可能距離までの経路に対してこれらの処理を繰り返すことにより、移動可能距離又は目的地点までの経路を複数の色で呈色して表示処理する。
【0069】
また、表示部14は、特定部11によって経路が特定されることを契機に、経路表示画面W3を表示処理するとともに、充電器地点情報の充電器位置情報に基づいて、経路沿いの充電器STを表示処理する。具体的には、表示部14は、特定された経路が通過する道路の位置情報を示す経路位置情報を取得し、該経路位置情報に最も近い充電器の充電器位置情報に基づいて、充電器アイコンを表示処理する。
【0070】
また、表示部14は、道路種類情報に基づいて、道路の種類を区別可能に表示処理する(不図示)。本実施形態において、表示部14は、料金徴収道路である高速自動車国道をハイライト表示することで、一般道路と区別して道路を区別可能に表示処理する。
【0071】
以上のように、検索した経路において、燃料の残量に応じて色を呈色することによって、燃料の残量を視覚的に把握することが容易になり、移動中の燃料切れによる不安をなくし、安心した移動を行うことができる。また、検索した経路沿いの充電器を併せて表示することで、容易に充電計画を立てることができる。
【符号の説明】
【0072】
0 :移動支援システム
1 :移動支援装置
2 :ユーザ端末
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
10 :データベース
11 :特定部
12 :距離算出部
13 :変化量算出部
14 :表示部
W1 :周辺地図画面
W2 :経路検索画面
W21 :始点終点入力部
W22 :車両情報入力部
W3 :経路表示画面
W31 :経路検索部
W32 :経路表示部
【要約】
【課題】
燃料切れの不安をなくし、安心した移動を可能にする技術を提供すること
【解決手段】
電気を燃料とする移動体の移動を支援する移動支援システムであって、前記移動支援システムは、取得部、特定部、算出部、及び表示部を備え、前記特定部は、移動の開始地点に関する始点情報、及び移動の目的地点に関する目的地情報を取得し、該始点情報及び該目的地情報に基づいて、開始地点から目的地点までの経路を特定処理し、前記表示部は、電気を燃料とする移動体の燃料に関する燃料情報に基づいて、前記経路を複数の色で呈色して表示処理する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7