IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社細川洋行の特許一覧

<>
  • 特許-ガゼット袋および内容物収納体 図1
  • 特許-ガゼット袋および内容物収納体 図2
  • 特許-ガゼット袋および内容物収納体 図3
  • 特許-ガゼット袋および内容物収納体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】ガゼット袋および内容物収納体
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20231110BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20231110BHJP
   B65D 75/60 20060101ALI20231110BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D30/16 F
B65D75/60
B65D75/62 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019091291
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2019199304
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2018092971
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000143880
【氏名又は名称】株式会社細川洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】篠原 知也
(72)【発明者】
【氏名】要藤 昭男
(72)【発明者】
【氏名】小柳 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】香川 智哉
(72)【発明者】
【氏名】阿部 和也
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-178348(JP,A)
【文献】特開2002-104437(JP,A)
【文献】実開昭62-191663(JP,U)
【文献】特開2018-012514(JP,A)
【文献】特開2001-031111(JP,A)
【文献】特開2007-091266(JP,A)
【文献】特開2001-301770(JP,A)
【文献】特開2017-218199(JP,A)
【文献】特開2013-169995(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0064338(US,A1)
【文献】米国特許第05060803(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
B65D 30/16
B65D 75/60
B65D 75/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質包装材料からなり、各々が矩形状の一対の平面部と各々がV字状に折られた一対の側面部からなる内容物収納部形成面部と、前記一対の平面部及び前記一対の側面部を形成する軟質包装材料の側部同士を接合している側部シール部と、前記内容物収納部形成面部に囲まれ、内容物として細長い形状の個包装体の長手方向を前記側部シール部の延びる方向と一致させて収納する内容物収納部と、矩形状の底面部と、から構成されるガゼット袋であって、
前記軟質包装材料は中間層を有する積層体であり、前記中間層は、前記ガゼット袋を開封する引裂き方向に延伸された一軸延伸フィルムを含み、
前記側部シール部は4本あり、全ての前記側部シール部のそれぞれにおいて、前記側部シール部の一部を含む領域の略同一の高さ位置に易開封部が設けられ、
前記易開封部は、収納される前記個包装体の高さよりも低い位置に設けられており、前記側部シール部と前記内容物収納部形成面部の境界線である前記側部シール部の内端縁をまたぐように形成された傷痕群と、前記側部シール部の外端縁に設けられた切込みの組み合わせであり、
前記切込みの位置は、前記傷痕群の下端と上端の略中央であり、
引裂き開始部となる前記易開封部の前記傷痕群の高さ方向の幅寸法に比べ、前記引裂き開始部以外の前記易開封部の前記傷痕群の高さ方向の幅寸法は大きい
ことを特徴とするガゼット袋。
【請求項2】
前記易開封部において、前記傷痕群は前記側部シール部の外端縁まで延びていることを特徴とする請求項1に記載のガゼット袋。
【請求項3】
請求項1に記載のガゼット袋に、内容物として複数の個包装体が収納されていることを特徴とする内容物収納体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガゼット袋および内容物収納体に関する。
【背景技術】
【0002】
軟質包装材料からなる包装袋において、はさみ等の道具を使わずに手で容易に開封できるように、包装袋の端部のシール部の1箇所に切込みや傷痕が設けられており、その箇所をきっかけとして包装袋を引裂いて開封するものが知られている。
【0003】
また、一対の平面部とV字状に折られた一対の側面部(折込のマチ)を有するガゼット袋がある。ガゼット袋はマチを有するため、内容物を充填した場合に立体的に広がり、自立した状態で陳列することができる。また、ガゼット袋は、マチのない袋と比較すると内容積が大きくなるため、大容量の内容物を包装することができる。
【0004】
一般的なガゼット袋の場合、端部のシール部の1箇所に切込みや傷痕が設けられていても、その箇所をきっかけとして包装袋(ガゼット袋)を横方向に引裂いた場合、引裂きを開始したシール部と隣り合う側面部とは逆側の側面部のV字の頂部を切り裂くことができず、包装袋を開封することができないことがある。この問題を解決するため、いくつかの包装袋が提案されている。
【0005】
特許文献1に記載のガゼットタイプ包装袋は、一方の折り込み部の側端に側端熱接着部を形成し、側端熱接着部上に開封開始手段(ノッチ)を形成し、ノッチを有する折込部の反対側に位置する折込部の引裂き仮想線上に、折込先端部を含むように内層同士を熱接着した開封補助熱接着部を有する。また、開封補助熱接着部内に折込先端部を少なくとも切断する開封補助手段としての1本の直線状切込みを、引裂き仮想線とほぼ一致するように包装袋を貫通して設けている。これにより、開封を開始したシール部と隣り合う側面部とは逆側の側面部のV字の頂部を切り裂いて、折込部と直交する方向に容易に開封することができ、ほぼ一定の形状の開口を得ることができるというものである。
【0006】
また、特許文献2に記載の易開封ガゼット袋状容器は、1枚のフィルムを筒状に形成し、合掌貼りした縦シール部を1本設け、その縦シール部の一部を易剥離性シール領域とし、該領域内に開封カッティング用切込部(2つのノッチ)を設けている。そして、開封カッティング用切込部の間にあるタブフィルム部分を、袋状容器の周方向へ帯状に切り離して開封するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-237995号公報
【文献】特開2002-104438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のガゼットタイプ包装袋は、開封補助熱接着部を有するため、その分、内容積が減少する。また、ノッチのある側の折込部の両ノッチを揃えた状態で、両ノッチを引裂きの開始部として一対の平面部を同時に横方向に引裂いて、包装袋を開封するものである。そのため、内容物が固形状であり、その高さが引裂き予定線の位置より高い場合には、内容物が障害となり、一対の平面部を同時に横方向に引裂くことは困難である。
【0009】
特許文献2に記載の易開封ガゼット袋状容器は、袋容器の周方向へタブフィルム部分を帯状に切り離して開封するため、V字の頂部を切り裂くことができないという問題はなく、内容物が固形状であり、その高さが引裂き予定線の位置より高い場合でも、内容物が障害とならずに開封することができる。しかし、この易開封ガゼット袋状容器は、合掌貼りした縦シール部が一本あるのみで、各側板(平面部と側面部)の境界は折られて形成されている。このような、各側板(平面部と側面部)の境界が折られて形成されているガゼット袋は、平面部と側面部との境界に柱となる側部シール部を有する袋に比較して自立性に劣る。
【0010】
しかし、境界が側部シール部であった場合には、特許文献2における開封方法では、引裂きは側部シール部を乗り切れることができずに、開封することが困難である。また、特許文献2における開封方法では、帯状に切り離したタブフィルム部分がゴミとなる。
【0011】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、内容積を減少させることなく、引裂きを開始したシール部と隣り合う側面部とは逆側の側面部のV字の頂部を切り裂くことができ、タブフィルム部のようなゴミが発生することもなく、また、自立性を確保するために平面部と側面部の境界が側部シール部であっても、確実に開封することができるガゼット袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るガゼット袋は、軟質包装材料からなり、各々が矩形状の一対の平面部と各々がV字状に折られた一対の側面部からなる内容物収納部形成面部と、前記一対の平面部及び前記一対の側面部を形成する軟質包装材料の側部同士を接合している側部シール部と、前記内容物収納部形成面部に囲まれ内容物として細長い形状の個包装体の長手方向を前記側部シール部の延びる方向と一致させて収納する内容物収納部と、矩形状の底面部と、から構成されるガゼット袋であって、前記軟質包装材料は中間層を有する積層体であり、前記中間層は、前記ガゼット袋を開封する引裂き方向に延伸された一軸延伸フィルムを含み、前記側部シール部は4本あり、全ての前記側部シール部のそれぞれにおいて、前記側部シール部の一部を含む領域の略同一の高さ位置に易開封部が設けられ、前記易開封部は、収納される前記個包装体の高さよりも低い位置に設けられており、前記側部シール部と前記内容物収納部形成面部の境界線である前記側部シール部の内端縁をまたぐように形成された傷痕群と、前記側部シール部の外端縁に設けられた切込みの組み合わせであり、前記切込みの位置は、前記傷痕群の下端と上端の略中央であり、引裂き開始部となる前記易開封部の前記傷痕群の高さ方向の幅寸法に比べ、前記引裂き開始部以外の前記易開封部の前記傷痕群の高さ方向の幅寸法は大きいことを特徴とする。
【0014】
前記易開封部において、前記傷痕群は前記側部シール部の外端縁まで延びていてもよい。
【0019】
本発明の一態様に係る内容物収納体は、上述のガゼット袋に固形状の内容物として複数の個包装袋が収納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、内容積を減少させることなく、引裂きを開始したシール部と隣り合う側面部と逆側の側面部のV字の頂部を切り裂くことができ、タブフィルム部のようなゴミが発生することもなく、また、自立性を確保するために平面部と側面部の境界が側部シール部であっても、確実に開封することができるガゼット袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)は、本発明の一実施形態に係るガゼット袋の外観図であり、(b)は、(a)のガゼット袋の易開封部41aの周辺の部分拡大図である。
図2】本発明の一実施形態に係るガゼット袋を底面の側から見た図である。
図3】本発明の一実施形態に係るガゼット袋を上方から見た模式的な断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る内容物収納体を開封した状態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るガゼット袋について詳細に説明する。まず、本実施形態に係るガゼット袋の形状について説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態に係るガゼット袋の外観図である。本実施形態に係るガゼット袋は、図1(a)に示すように、矩形状の軟質包装材料(シート材)からなる一対の平面部21、22と、矩形状の軟質包装材料が袋の内方が頂部となるようにV字状に折られた一対の側面部31、32とを有する。一対の平面部21、22と一対の側面部31、32とは、内容物収納部形成面部21、22、31、32とも言う。一対の平面部21、22の両側部には、V字状に折込まれたV字の頂部310、320を内方に突き合わせる様に一対の側面部31、32が配置されている。そして、一対の平面部21、22及び一対の側面部31、32を形成している軟質包装材料の側部同士は、ヒートシールにより接合されており、側部シール部4a、4b、4c、4dを形成している。側部シール部4aは、平面部21と側面部31を形成している軟質包装材料との側部を接合している。側部シール部4bは、平面部21と側面部32とを形成している軟質包装材料の側部を接合している。側部シール部4cは、平面部22と側面部31とを形成している軟質包装材料の側部を接合している。側部シール部4dは、平面部22と側面部32とを形成している軟質包装材料の側部を接合している。また、各内容物収納部形成面部21、22、31、32(平面部21、22、側面部31、32)に囲まれた内容物収納部6を有する。
【0024】
本実施形態に係るガゼット袋1は、さらに底面部5を有している。図2は、本実施形態に係るガゼット袋を底面の側から見た図である。底面部5は矩形状の1枚の軟質包装材料から構成されている。底面部5を形成している軟質包装材料の周部は、平面部21、22および側面部31、32を形成している軟質包装材料の下部と、それぞれヒートシールにより接合された下端シール部54が形成されている。底面部5の長尺方向の中央線には中央折り線51が形成されている。さらに、中央折り線51上の2点を基点とし、底面部5の両端のそれぞれにおける2つの隅部とをそれぞれ結ぶ区間を、中央折り線51の折り曲げ方向と同方向に折り曲げられた斜線折り線52が形成され、中央折り線51の2点の基点より外側が逆方向に折り曲げられている。ガゼット袋1に内容物が充填される前は、中央折り線51、斜線折り線52によって底面部5は折り畳まれているが、内容物が充填されたガゼット袋1の底面部5は、図2に示すように展開されて、ガゼット袋1は底が平らな包装袋となる。なお、底面部の折り畳み方は、上部の形態に限定されるものではない。
【0025】
底面部を有することにより、底が平らとなり、ガゼット袋の自立性がよくなる。なお、本発明は、このような底面部を有するガゼット袋に限定されない。
【0026】
側部シール部4a、4b、4c、4dのそれぞれの一部を含む領域には易開封部41a、41b、41c、41dが設けられている。図1(b)は、図1(a)のガゼット袋1の易開封部41aの周辺の部分拡大図である。易開封部41a、41b、41c、41dは、ガゼット袋1を開封させたい高さ位置に設けられる。ガゼット袋の下端から易開封部41a、41b、41c、41dのそれぞれまでの高さ寸法は略等しい。
【0027】
易開封部41a、41b、41c、41dのそれぞれは、側部シール部4a、4b、4c、4dの内端縁42a、42b、42c、42dをまたぎ、側部シール部4a、4b、4c、4dと各内容物収納部形成面部21、22、31、32にかかる傷痕群43a、43b、43c、43dを有する。ここで、内端縁42a、42b、42c、42dとは、側部シール部4a、4b、4c、4dと内容物収納部形成面部21、22、31、32との境界線である。また、内容物収納部6は、平面部21、22、側面部31、32および底面部5で囲まれた空間であり、この場合、底面部5も内容物収納部形成面部である。
【0028】
傷痕群43a、43b、43c、43dの、高さ方向の幅寸法は、3mm~20mmが好ましく、10mm~20mmがさらに好ましい。傷痕群の高さ方向の幅寸法が3mm以上であれば、容易に引裂くことができ、20mm以下であれば、ガゼット袋を落下した際に傷痕群からの破袋が抑制される。
【0029】
また、落下した際に傷痕群から破袋する可能性は多少あるものの、高さ方向全てに傷痕群が設けられていてもよい。後述する切込みの場所にもよるが、このように傷痕群を設けることで、ガゼット袋をどの高さ位置からでも容易に開封することができる。
【0030】
本実施形態では、側部シール部4aの易開封部41aを引裂き開始部とする。詳細は後述するが、ガゼット袋1は、図3に示すように、側部シール部4aから開始された引裂きは、図中の矢印(1)のように、平面部21と側面部31のそれぞれの二方向へ進行し、側部シール部4b、4cに到達する。その後、側部シール部4b、4cも引裂き、引裂きは、側部シール部4b、4cを乗り越えて、図中の矢印(2)のように、平面部22と側面部32にそれぞれ引裂きが進行する。引裂き開始部となる易開封部41aの傷痕群43aの高さ方向の幅寸法に比べ、残りの側部シール部4b、4c、4dの傷痕群43b、43c、43dの高さ方向の幅寸法は、大きくてもよい。例えば、傷痕群43b、43c、43dの高さ方向の幅寸法は、傷痕群43aの高さ方向の幅寸法より5~20mm大きくてもよい。これにより、引裂き線が引裂き予定線(真横方向)から多少ずれても、引裂きは傷痕群43b、43c、43dに到達することができ、側部シール部4b、4c、4dを引裂くことができる。
【0031】
傷痕群43a、43b、43c、43dの横方向の幅寸法は、2mm~10mmが好ましい。そのうち、側部シール部4a、4b、4c、4d上に位置する部分は1mm~5mmが好ましい。また、側部シール部の内端縁42a、42b、42c、42dをまたぎ、内容物収納部形成面部21、22、31、32上に位置する部分は1mm~5mmが好ましい。
【0032】
このように、傷痕群43a、43b、43c、43dは、内端縁42a、42b、42c、42dをまたいで、それぞれ側部シール部4a、4b、4c、4d上と、内容物収納部形成部21、22、31、32上に配置されている。側部シール部4aから開始された引裂きが側部シール部4b、4c、4dに到達した際に、それぞれの易開封部の傷痕群43a、43b、43c、43dに到達することで、側部シール部4b、4c、4dの内端縁42b、42c、42dで停止することなく進行し、側部シール部4b、4c、4dを引き裂くことができる。
【0033】
傷痕群は複数の傷痕の集合であり、個々の傷痕はどのようなものであってもよい。傷痕は、軟質包装材料の一部を何らかの手段で傷つけた痕であって、その周囲より軟質包装材料が破壊されやすくなっている部分であり、例えば、軟質包装材料である積層体の外側表面、つまり最外層のみに設けられたものであってもよく、積層体を貫通させた貫通孔や半貫通孔が設けられたものでもよい。傷痕群が積層体を貫通させた貫通孔からなる傷痕を含んでいる場合、外側表面のみの傷痕群である場合に比べ、引裂きは全ての側部シール部を容易に乗り越えることができ、容易にガゼット袋を開封することができるため、好ましい。
【0034】
ガゼット袋が、内容物として物品を個々に包装した個包装体を複数収納する外装袋である場合には、内容物収納部形成面部に貫通孔が設けられていてもよい。ガゼット袋に水分や酸素、光からの遮光性を必要としている場合には、傷痕群は、後述する積層体のバリア層より外側の層に設けられている半貫通孔からなることが好ましい。
【0035】
傷痕群の一つ一つの傷痕の平面視形状やこれらの配列は、どのようなものであってもよい。傷痕の平面視形状としては、三角形状、四角形状の多角形状や直線状、V字状などが挙げられる。また傷痕の平面視形状としては、丸状や不定形状であってもよい。傷痕の配列は、格子状や千鳥状が挙げられる。または、不規則な配置であってもよい。傷痕は、金属刃や砥石による加工や、レーザー加工により施される。傷痕群としては、例えば、深さ方向に四角錘形状の傷痕が千鳥状に配列されたもの、複数の直線の傷痕が千鳥状に配列されたもの、不定形状の傷痕が不規則に配置されたものなどが挙げられる。
【0036】
傷痕群は、側部シール部で接合されている2枚の積層体のうち、片方の積層体の外側表面から設けられていてもよいし、平面部側と側面部側との両方の積層体の外側表面から設けられていてもよい。なお、傷痕群を両方の積層体の外側表面から設けた場合には、確実に両方の積層体の内容物収納部形成面部に傷痕群が形成されるため、片方の積層体の外側表面から設けられている場合よりも、容易に引裂きができるため、傷痕群が両方の積層体の外側表面から設けられているのが好ましい。
【0037】
本実施形態では、引裂き開始部である易開封部41aにおいて、側部シール部4aの外端縁44aには引裂きのきっかけとなる切込み45aが設けられている。そして、傷痕群43aは、側部シール部4aの外端縁44aまでは延びていない。切込みを有することで、切込みが延びる方向により引裂き方向を決定することができる。切込みは、Iノッチ、Vノッチなど、既存のどのような形状であってもよいが、引裂き方向を決定する観点からは、Iノッチが好ましい。
【0038】
切込みの位置は、傷痕群の下端から上端までの高さ方向の幅寸法に含まれるいずれかの位置に設けられていることが好ましく、傷痕群の下端と上端の略中央であることが好ましい。切込みと傷痕群とは当接していてもよいが、1~3mm程度離れていてもよい。本発明のガゼット袋では、引裂き開始部となる易開封部41aを有する側部シール部4aにおいて、切込み45aのみ形成され、傷痕群43aが形成されていなくてもよい。
【0039】
また、切込みは、側部シール部4aのみでなく、側部シール部4b、4c、4dにも設けられていてもよい。この場合、側部シール部4bの外端縁44bには切込み45bが設けられる。側部シール部4cの外端縁44cには切込み45cが設けられる。側部シール部4dの外端縁44dには切込み45dが設けられる。
【0040】
なお、上述の実施形態では、4つの易開封部(傷痕群および切込み)が略同一の高さ位置に一組設けられていたが、複数の異なる高さ位置に、複数組の易開封部が設けられていてもよい。
【0041】
次に、本実施形態のガゼット袋の材質について説明する。本実施形態のガゼット袋において、平面部21、22、側面部31、32および底面部5は、例えば樹脂フィルムなどを積層した軟質包装材料(シート材)からなる積層体である。この積層体は、少なくともガゼット袋の外側となる最外層と、ガゼット袋の内側となる最内層とを有する積層体からなる多層フィルムであることが好ましい。なお、積層体は、必要に応じて、最外層と最内層の間に、中間層を有していてもよい。
【0042】
最外層としては、印刷適性に優れ、さらに突き刺し強度、引っ張り強度、耐衝撃性等を備えたフィルムが好ましい。最外層の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられ、これらの二軸延伸フィルムが好ましい。また、これらのフィルムに、酸素や水蒸気に対するバリア性を付与するために、アルミニウム、マグネシウム等の金属、又は酸化珪素等の酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン等のバリア性コート剤等をコートしたコートフィルム等を用いてもよい。最外層は、前記したフィルムの単体であってもよく、積層体であってもよい。
【0043】
最内層としては、最外層の形状を維持できる温度範囲内で加熱溶融可能で、ヒートシール可能な層である。最内層の材質としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、これらの未延伸フィルムや、前記樹脂を層状に押し出し、フィルムとしたものが好ましい。
【0044】
中間層としては、例えば、酸素バリア性、水蒸気バリア性、引裂き性、突き刺し強度、引っ張り強度、耐衝撃性等の機能性を備えたフィルムが挙げられ、最外層に挙げたものと同様のものが挙げられる。また、中間層としては、例えば、アルミニウム等の金属箔も挙げられる。これらの層を1層用いてもよく、2層以上設けてもよい。
【0045】
中間層の一つとしては、引裂き方向にのみ延伸された一軸延伸フィルムを用いることが好ましい。すなわち、側部シール部の延びる方向(ガゼット袋の高さ方向)と垂直の方向に延伸された一軸延伸フィルムを用いることが好ましい。これにより、積層体は、ガゼット袋の引裂き方向は確実に引裂き予定線と一致する。また、一軸延伸フィルムは、中間層ではなく最外層に設けてもよい。
【0046】
一軸延伸フィルムとしては、例えば、一軸延伸ポリエチレンフィルムおよび一軸延伸ポリプロピレンフィルムが挙げられる。具体的に、一軸延伸ポリエチレンフィルムとしては、縦一軸延伸フィルムの東京インキ(株)製「ハイブロン」、横一軸延伸フィルムのデンカ(株)製「カラリヤン」が挙げられる。加えて、一軸延伸ポリプロピレンフィルムとしては、縦一軸延伸フィルムの東京インキ(株)製「ノーブレン」、フタムラ化学(株)製「MCMD-AS」が挙げられる。
【0047】
最外層、最内層、及び必要に応じて用いる中間層からなる積層体は、接着剤を用いたドライラミネート法、熱接着性樹脂を用いた押し出しラミネート法等の公知の方法で製造できる。
【0048】
次に、本実施形態に係るガゼット袋の開封方法について説明する。図3は、本実施形態に係るガゼット袋を上方から見た模式断面図である。
【0049】
側部シール部の一つである側部シール部4aの易開封部41aを引裂き開始部とする場合、まず、側部シール部4aの易開封部41aを境界としたガゼット袋上部とガゼット袋下部をそれぞれつまみ、易開封部41aを引裂き開始部として、側部シール部の延びる方向と直交する方向に、切込み45aからガゼット袋1を引裂く。一つの側部シール部4aのみを把持していることにより、図中の矢印(1)のように、引裂きは、平面部21と側面部31のそれぞれの二方向へ進行し、側部シール部4b、4cに到達する。
【0050】
本実施形態における易開封部の傷痕群が設けられていないガゼット袋の場合、引裂きが側部シール部4b、4cに到達すると、側部シール部4b、4cが抵抗となり、内端縁42b、42cにて引裂きが停止してしまう。しかし、本実施形態のガゼット袋の場合、側部シール部4b、4cの内端縁42b、42cをまたぐ傷痕群43b、43cを含む易開封部41b、41cが設けられている。そのため、側部シール部4b、4cに引裂きが到達すると、容易に側部シール部4b、4cも引裂くことができ、引裂きは、側部シール部4b、4cを乗り越えて、図中の矢印(2)のように、平面部22と側面部32にそれぞれ引裂きが進行する。
【0051】
最後に、引裂きは側部シール部4dに到達し、側部シール部4dの内端縁42dをまたぐ傷痕群43dを含む易開封部41dにより、側部シール部4dも容易に引裂くことができる。これにより、ガゼット袋のうち、引裂き線より上の部分は、下の部分と完全に分離することができ、ガゼット袋を開封することができる。上下部分を分離するため、従来のような帯状のゴミは発生しない。
【0052】
このように、本実施形態のガゼット袋は、引裂きを開始した側部シール部4aと隣り合う側面部31とは逆側の側面部32のV字の頂部320および側部シール部4b、4c、4dを容易に切り裂くことができる。また、本実施形態のガゼット袋は、従来のような内容物収納部の容積を減少させる、側面部のV字の頂部を含むシール部は存在しないため、容積を減少させることはない。
【0053】
なお、引裂きを開始した側部シール部4a以外のいずれの側部シール部4b、4c、4dも引裂かれず、側部シール部4aと隣接する平面部21と側面部31のみが引裂かれても内容物は取り出すことができるが、残りの側部シール部4b、4cのうち、少なくとも一つの側部シール部が引裂かれ、一対の平面部21、22と一対の側面部31、32の四面のうち、三面が引裂かれていれば、容易にガゼット袋から内容物を取り出すことができる。従って、易開封は、少なくとも一つの側部シール部にあればよく、二つの側部シール部にあってもよく、引裂き線より上の部分を下の部分と完全に分離するために、四つの側部シール部全てにあるものが最も好ましい。
【0054】
次に、本実施形態のガゼット袋1に内容物を収納した内容物収納体11について説明する。図4は、内容物収納体11を開封した状態を示す外観図である。図4の例では、内容物収納部6に内容物7が複数収納されており、内容物7の高さが引裂き線8よりも高い状態である。
【0055】
本実施形態に係る内容物収納体11は、内容物7が、物品が個々に包装されている個包装体や、固体である場合、易開封部41a、41b、41c、41dを結ぶ引裂き線8よりも内容物7の高さが高くても、上述した開封方法により容易に開封することができる。内容物7が収納されていることにより、側面部31、32の折込が広がり、ガゼット袋の断面が略四角形状となっている。したがって、開封後の内容物収納体11を自立させた場合、内容物7のうち、ガゼット袋の引裂き線8より高い部分、つまり、(内容物7の高さ寸法)から(ガゼット袋の下端から引裂き線8までの高さ寸法)を引いた部分が、ガゼット袋の内容物収納部6から突出する。
【0056】
そのため、内容物収納体11から内容物を取り出し易く、種々の種類の内容物が複数収納されている場合であっても、容易にどの種類のものであるかを識別できる。また、側部シール部を4本有しており、これら側部シール部は、ガゼット袋が自立する際の柱として機能する。その結果、高さのあるガゼット袋であっても、内容物が減少した際にも自立性に優れ、美観に優れる。内容物を整列させて収納することで、さらに美観に優れたものとなる。
【0057】
本発明のガゼット袋は、個包装体の外装袋として特に好適に使用できる。個包装体の中に充填されている物品は、固体、液体、粉状体などどのようなものでもよい。より具体的には、ふりかけ等の三方乃至四方袋、インスタントコーヒー、スティックシュガー等のスティック包装体、ドリップコーヒーの個包装体などが挙げられる。特にスティック包装体や、さらに大きなドリップコーヒーの個包装体は、細長い形状を有しており、それらを自立させたまま、その一部を内容物収納部6から突出させたままガゼット袋を開封できるため、自立性に優れ、容易に開封できる本発明のガゼット袋の好適な使用態様である。
【0058】
本実施形態のガゼット袋1は、さらに、底面部5を有している。底面部を有さずに平面部を折込むことで底部を形成している場合、一対の平面部の下端部をシールした底シール部が、載置面と底部の間に位置するため、内容物の重量が大きいものであれば自立するが、小さいものであるとこの底シール部によりガゼット袋の自立が妨げられる。本実施形態のガゼット袋1は、平面部21、22と側面部31、32はシール部を介して底面部5が設けられている。具体的には、底面部5の周囲を平面部21、22、側面部31、32と下端シール部54により接合し、底面部5乃至下端シール部54により載置面に載置されているため、載置面と底面部の間にシール部は存在せず、内容物の重量が小さいものであっても、自立する。内容物充填前の底面部の折込形状は、本実施形態に限定されず、どのようなものであってもよい。
【0059】
上述のように、本実施形態のガゼット袋1は、引裂きを開始した側部シール部4aと隣り合う側面部31とは逆側の側面部32のV字の頂部320、及び全ての側部シール部4a、4b、4c、4dを容易に引き裂くことができるため、容易に開封することができる。また、ガゼット袋の容積を減少させることなく、内容物7が引裂き予定線の位置より高さのあるものであっても収納が可能であり、その場合でも確実に開封することができる。
【0060】
次に、本実施形態のガゼット袋の製造方法の一例について説明する。まず、一対の平面部21、22と一対の側面部31、32のそれぞれを構成する矩形状のシート材のそれぞれの端部をヒートシールにより接合して側部シール部4a、4b、4c、4dを形成し、ガゼット袋の筒体を形成する。
【0061】
次に、上述のように折込の入った底面部5を構成する部材を製造する。折込の入った底面部5を構成する部材の製造方法は、例えば、矩形状のシート材の中央にて中央折り線51を形成し、中央折り線51上の2点を基点とし、基点とシート材の両端のそれぞれにおける2つの隅部とをそれぞれ結ぶ区間を、中央折り線51の折り曲げ方向と同方向に折り曲げて斜線折り線52を形成し、中央折り線51の2点の基点より外側を逆方向に折り曲げることで製造することができる。
【0062】
そして、折込んだ底面部5を構成する部材を筒体の二つの開口のうち、ガゼット袋の下方となる方の開口に挿入し、筒体の端縁と底面部5を構成する部材の端縁とをヒートシールにより接合して下端シール部54を形成し、ガゼット袋1を形成する。
【0063】
または、一対の側面部31、32を構成する矩形状のシート材をV字状に折り、折り線を突き合せ、上述と同じ形状に折込んだ底面部5を構成する部材の両端で側面部31、32を挟み、固定する。そして、その部材を一対の平面部21、22を構成するシート材で挟み、ヒートシールにより側部シール部4a、4b、4c、4dと下端シール部54を形成し、ガゼット袋1を形成する。
【0064】
そして、2本の側部シール部4aと4c、4bと4dがそれぞれ重なった状態で扁平状に折り畳まれたガゼット袋において、側部シール部4a、4b、4c、4dの外端縁44a、44b、44c、44dに切込み45a、45b、45c、45dを切込み形成用の金属刃により設ける。各側部シール部の内端縁42a、42b、42c、42dをまたぎ側部シール部4a、4b、4c、4dと内容物収納部形成面部21、22、31、32を含むように傷痕群43a、43b、43c、43dを傷痕群形成用の金属刃により設ける。扁平状に折り畳まれたガゼット袋において、一方の平面部側から金属刃をあて、他方の平面部には金属刃の受け部をあて、傷痕群43a、43b、43c、43dを設けることもできるが、両平面部21、22側から金属刃をあてることで、平面部、側面部の両方の積層体の外側表面から設けられた傷痕群43a、43b、43c、43dを形成することができる。両平面部21、22側からあてる金属刃は、例えば、千鳥状に配列された複数の四角錐形状の金属刃が、一方の平面部側からあてる金属刃と他方の平面部側からあてる金属刃の互いの刃の先端がぶつかり合わず、個々の刃の間に互いに入り込むように噛み合う金属刃とすることで、全ての傷痕群43a、43b、43c、43dが、平面部側と側面部側の両方の積層体の外側表面から設けられた貫通孔を含む傷痕群となり、より容易な引裂き、つまり軽い力での引裂きができるようになる。以上の工程により、ガゼット袋1に傷痕群43a、43b、43c、43dおよび切込み45a、45b、45c、45dからなる易開封部41a、41b、41c、41dが形成される。
【0065】
上述の実施形態では、底面部のあるものを記載したが、底面部を設けなくてもよい。底面部を設けていない場合は、平面部21、22の下方が折られて底面を形成し、自立可能である。この場合、平面部21、22との下端の底シール部がガゼット袋の底に位置することになる。
【0066】
上述の実施形態では、略同一の高さ位置に設けられた、傷痕群および切込みからなる4つの易開封部を一組として、一組の易開封部が設けられていたが、複数の異なる高さ位置に、複数組の易開封部が設けられていてもよい。この場合、内容物が上述のような個包装体である場合には、内容物が開口から露出する高さで開封したり、あるいは内容物が開口から露出しない高さで開封したりすることができ、内容物が粉体等の場合には、内容物の残量によって開封する高さを変更することができ、使用者の好みの開封態様を選択できる。
【0067】
上述の実施形態では、側部シール部に易開封部の一部として切込みを有していたが、切込みを有さずに、少なくとも一つの易開封部は、内容物収納部形成面部から側部シール部の内端縁をまたいで側部シール部の外端縁まで延びる傷痕群のみが設けられていてもよい。その場合、傷痕群から引裂きを開始する。傷痕群は、複数の傷痕が幅を持って群をなしているため、引裂き開始部とすると引裂き線が傷痕から傷痕へ移動するにあたり、想定している方向に引裂かれない可能性がある。そのため、少なくとも引裂き方向が決定する引裂き開始部となる易開封部には切込みが設けられていることが好ましい。または、外端縁まで延びる傷痕群の場合には、引裂き方向を決定し易いように、ガゼット袋の高さ方向における傷痕群の幅寸法が、側部シール部の内端縁側より外端縁側が小さくなっていることが好ましい。この際、ガゼット袋の高さ方向における傷痕群の幅寸法は、側部シール部の内端縁側から外端縁側へ向かって、段階的に小さくなっていてもよく、あるいは漸次的に小さくなっていてもよい。また、外端縁まで延びる傷痕群は、側部シール部の内端縁をまたぐ傷痕群から側部シール部の外端縁まで連続しておらず、一部に傷痕群のない部分を有していてもよい。さらに、易開封部は、切込みを有さずに、傷痕群が、内容物収納部形成面部から側部シール部の内端縁をまたいで側部シール部の外端縁まで延びない傷痕群が設けられていてもよい。この場合、引裂き開始部となる易開封部は、側部シール部の外端縁に切込みも傷痕群も有していないため、傷痕群が端縁となるようにガゼット袋を、側部シール部の内縁端付近で折り曲げることで、そこから引裂きを開始することができる。また、引裂き開始部となる易開封部は、側部シール部の外端縁まで延びる傷痕群と切込みの両方を有していてもよい。この場合、引裂き方向を決定することができ、軽い力で容易に引裂きを開始することができる。
【0068】
上述の実施形態では、平面部および側面部となる4枚のシート材を接合してガゼット袋の筒体を形成していたが、1枚のシート材を筒状にして、側部シール部を4本形成することにより、ガゼット袋の筒体を形成してもよい。また、一対の平面部と底面部、または一対の側面部と底面部が1枚のシート材からなるものからガゼット袋を形成してもよい。さらに、上述の実施形態では、側面部31、32のV字の頂部310、320がガゼット袋1の上端から下端まで延びており、底面部5の中央折り線51上の基点から外側が折り込まれている形状のガゼット袋であったが、底面部の中央折り線がガゼット袋の幅方向の全長に延びており、側面部のV字の頂部上の基点から下方が折り込まれている形状のガゼット袋であってもよい。
【0069】
上述の実施形態では、引裂き方向を引裂き予定線と一致させるために、例えば中間層に一軸延伸フィルムを用いることが好ましいとしたが、一軸延伸フィルムを用いずに、引裂き予定線に一致する直線状の連続または断続的なカット線を設けて、引裂き方向を導くようにしてもよい。このようなカット線は、例えば最外層側から積層体のうちの一つまたは複数の層を半貫通または貫通する線であり、レーザー加工や金属刃による加工によって設けることができる。ただし、カット線を設けるには、加工工程が一工程増加してしまうため、一軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0071】
本明細書において「上、下、垂直、水平、縦、横、表、裏、外および内」などの方向を示す言葉は、本発明の構成におけるこれらの方向を説明するために使用している。従って、本発明の明細書を説明するために使用されたこれらの言葉は、本発明の構成において相対的に解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0072】
1…ガゼット袋、11…内容物収納体、21、22…平面部、31、32…側面部、310、320…V字の頂部、4a、4b、4c、4d…側部シール部、41a、41b、41c、41d…易開封部、42a、42b、42c、42d…内端縁、43a、43b、43c、43d…傷痕群、44a、44b、44c、44d…外端縁、45a、45b、45c、45d…切込み、5…底面部、51…中央折り線、52…斜線折り線、53…三角翼、54…下端シール部、6…内容物収納部、7…内容物(個包装袋)、8…引き裂き線
図1
図2
図3
図4