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特許7382752EME保護キャップシステムのためのアンカーボルトヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】EME保護キャップシステムのためのアンカーボルトヘッド
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/14 20060101AFI20231110BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20231110BHJP
   B64D 45/02 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
F16B37/14 G
B64C1/00 A
B64D45/02
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019135765
(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2020041692
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】16/046,316
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オッフィンガー, ショーン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンズ, バート
(72)【発明者】
【氏名】マリガン, ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】カウワン, ダニエル ジェー.
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-194888(JP,A)
【文献】特開昭64-026013(JP,A)
【文献】特表2016-534934(JP,A)
【文献】特開2014-080055(JP,A)
【文献】米国特許第04723866(US,A)
【文献】中国特許出願公開第107448463(CN,A)
【文献】特開2015-061984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0159493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B 1/00- 1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00- 5/60
B64G 1/00-99/00
F16B 23/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体(14)を貫通する金属製ボルトファスナ(11)を囲むためのキャップシステム(22A、22B、22C、22D)であって、
前記金属製ボルトファスナ(11)のボルトヘッド(10)の周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲に位置決めされた第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)と、
前記ボルトヘッド(10)を受けるように寸法が決定された空洞(28A、28B、28C、28D)を画定し、かつ前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲に位置決めされた前記第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)と係合するように相補的に構成された第2の固定機構(34A、34B、34C、34D)を画定する、内面(26A、26B、26C、26D)を有する側壁(25A、25B、25C、25D)を含むキャップ部材(24A、24B、24C、24D)と、
前記ボルトヘッド(10)の前記空洞(28A、28B、28C、28D)内へのアクセスを提供する開口部(38A、38B、38C、38D)を画定する、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記側壁(25A、25B、25C、25D)の端部(36A、36B、36C、36D)と
を含み、
前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記側壁(25A、25B、25C、25D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の周を延びる溝(92)を画定し、
第2の開口部(94)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記側壁(25A、25B、25C、25D)の第1の部分(96)によって画定され、かつ前記第1の部分(96)を貫通し、前記第2の開口部(94)が前記溝(92)と連通して、第1の流路(98)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記側壁(25A、25B、25C、25D)の前記第1の部分を通って、密封剤を運ぶため前記溝(92)内へと延び、
第3の開口部(100)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記側壁(25A、25B、25C、25D)の第2の部分(102)によって画定され、かつ前記第2の部分(102)を貫通し、前記第3の開口部(100)が前記溝(92)と連通し、前記第3の開口部(100)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記空洞(28A、28B、28C、28D)と連通して、第2の流路(104)が、前記溝(92)から、前記第3の開口部(100)を通って、前記空洞(28A、28B、28C、28D)内へと延び、
第4の開口部(106)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記側壁(25A、25B、25C、25D)によって画定され、かつ前記側壁(25A、25B、25C、25D)を貫通し、前記第4の開口部(106)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記空洞(28A、28B、28C、28D)から前記第4の開口部(106)を通る第3の流路(108)を提供する、キャップシステム。
【請求項2】
前記第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)が、前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲を延びる際に中断されるねじ山(40A)を含む、請求項1に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項3】
中断される前記ねじ山(40A)が、前記ボルトヘッド(10)に位置決めされた複数のリッジ部材(42A)によって画定される、請求項2に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項4】
前記複数のリッジ部材(42A)が、前記ボルトヘッド(10)から離れる半径方向(44A)に延び、
前記複数のリッジ部材(42A)のうちの隣接するリッジ部材(42A)が、前記ボルトヘッド(10)の周囲において離間している、請求項3に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項5】
各リッジ部材(42A)が、隣接するリッジ部材(42A)から等間隔に位置決めされている、請求項4に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項6】
前記第2の固定機構(34A、34B、34C、34D)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された連続したねじ山(46A)を含む、請求項5に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項7】
前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された前記ねじ山(46A)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)の周を延び、
前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された前記ねじ山(46A)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)から離れた方向に延び、前記ボルトヘッド(10)が前記構造体(14)に対して固定位置にあり、かつ前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された前記ねじ山が中断される前記ねじ山(40A)の少なくとも一部と係合している際に、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)が、前記構造体(14)に対して位置決めされる、請求項6に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項8】
前記金属製ボルトファスナ(11)の前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲に位置決めされた前記第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)が、前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲を延びる連続したねじ山(35B)を含み、
前記第2の固定機構(34A、34B、34C、34D)が、前記第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)の前記連続したねじ山(35B)と係合するように相補的に構成された連続したねじ山(46B)を含む、請求項1に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項9】
前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された前記ねじ山(46B)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)の周を延び、
前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された前記連続したねじ山(46B)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)から離れた方向に延び、前記ボルトヘッド(10)が前記構造体(14)に対して固定位置にあり、かつ前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)によって画定された前記連続したねじ山(46B)が前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲を延びる前記連続したねじ山(35B)の少なくとも一部と係合している際に、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)が、前記構造体(14)に対して位置決めされる、請求項8に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項10】
前記金属製ボルトファスナ(11)の前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲に位置決めされた前記第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)が、前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲において離間して位置決めされた複数の溝(37C)を含み、
前記第2の固定機構(34A、34B、34C、34D)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)に沿って位置決めされた少なくとも1つの環状棚部(39C)を含み、
前記複数の溝(37C)が、前記ボルトヘッド(10)から離れる半径方向に延びる複数のリッジ部材(49C)によって画定され、
隣接するリッジ部材(49C)が、前記ボルトヘッド(10)の周囲に等間隔に位置決めされ、
前記複数の溝(37C)の一部が、互いに離間しかつ一列に位置合わせされた各リッジ部材(49C)上に位置決めされる、請求項1に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの環状棚部(39C)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)から離間して位置決めされ、前記ボルトヘッド(10)が前記構造体(14)に対して固定位置にあり、かつ前記少なくとも1つの環状棚部(39C)が前記複数の溝(37C)のうちの少なくとも1つと係合している際に、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)を前記構造体(14)に対して位置決めできるようにする、請求項10に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項12】
前記第1の固定機構(30A、30B、30C、30D)が、前記ボルトヘッド(10)の前記周辺部(32A、32B、32C、32D)の周囲を延びる複数の連続した溝(41D)を含み、
前記第2の固定機構(34A、34B、34C、34D)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記内面(26A、26B、26C、26D)に沿って位置決めされた複数の歯部(53D)を含む、請求項1に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【請求項13】
前記複数の歯部(53D)が、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)から離れた方向に延びるように位置決めされ、前記ボルトヘッド(10)が前記構造体(14)に対して固定位置にあり、前記複数の歯部(53D)の少なくとも一部が前記複数の連続した溝(41D)のうちの少なくとも一部と係合している際に、前記キャップ部材(24A、24B、24C、24D)の前記端部(36A、36B、36C、36D)を前記構造体(14)に対して位置決めできるようにする、請求項12に記載のキャップシステム(22A、22B、22C、22D)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁効果(「EME」)又は落雷事象の発生により、電流や火花が金属ファスナの位置の近くに伝達されないように金属ファスナを絶縁するための電気絶縁キャップアセンブリに関し、より具体的には、金属製ねじ付きファスナの背景を囲む電気絶縁封じ込めキャップに関する。
【0002】
電気的に絶縁された密封剤と封じ込めキャップは、ボルトヘッド、及びボルトヘッドを超えて延び、かつ1つ又は複数のワッシャーを含みうるシャフト又はスタッドのねじ付き端部を含む金属ファスナアセンブリの端部を覆うために使用されてきた。密封剤キャップは、金属ファスナアセンブリの端部を電気的に絶縁し、燃料タンクの近くや航空機内の敏感な電子機器内など、金属ファスナアセンブリの重要な周囲環境から金属ファスナアセンブリの端部を電気的に絶縁して封じ込める。金属ファスナアセンブリの端部を電気的に絶縁して封じ込めることにより、EME又は落雷事象の際に、このような重要な周囲環境に不要な火花や電流が進入するのを防止する。
【0003】
絶縁及び封じ込めキャップは、例えば熱硬化性プラスチックなどの密封剤材料で作られる。キャップには、液体の密封剤材料も充填される。キャップが液体密封剤で満たされると、キャップは、金属ファスナアセンブリの端部の上に位置決めされ、キャップ内の金属ファスナアセンブリの端部と、金属ファスナアセンブリの端部が延びる構造体の表面を囲む。密封剤がキャップから排出され、密封剤でいっぱいになることもある。この密封剤の排出は、十分な量の密封剤が存在することによっても起こる可能性があり、キャップからいくらかの密封剤が排出されると、適切な量の密封剤が使用されたことを示すこともある。どちらの場合でも、排出された密封剤は、キャップの周囲を滑らかにし、キャップの適切な密封と美観を確保しなければならない。この滑らかにするプロセスは、面倒で時間がかかる
【0004】
キャップの位置を維持して、キャップが、密封剤の硬化中に金属ファスナアセンブリの端部が延びる構造体の表面から落ちたり、浮き上がったりするのを防ぐために、キャップはまた一定期間適所に保持する必要がある。キャップと構造体の接合部は、高品質基準の対象であり、再加工が必要とされることが多い。
【0005】
燃料タンクや航空機の敏感な電子機器の近くなどの高臨界領域での、金属ファスナアセンブリの端部を囲むEME又は落雷事象保護キャップの設置時間を短縮する必要がある。加えて、キャップを金属ファスナの端部に固定するための信頼性の高い固定機構が必要である。
【発明の概要】
【0006】
実施例は、金属製ボルトファスナのボルトヘッドの周辺部に位置決めされた第1の固定機構を含む構造体を貫通する金属製ボルトファスナを囲むためのキャップシステムを含む。キャップシステムは、ボルトヘッドを受けるように寸法が決定された空洞を画定し、かつボルトヘッドの周辺部の周囲に位置決めされた第1の固定機構に係合するように相補的に構成された第2の固定機構を画定する内面を有する側壁を含むキャップ部材を更に含む。キャップシステムは、ボルトヘッドの空洞内へのアクセスを提供する開口部を画定するキャップ部材の側壁の端部を更に含む。
【0007】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施例において個別に実現可能であるか、又は更に別の例において組み合わせてもよく、更に別の例の更なる詳細は、以下の説明及び図面を参照することで理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】構造体から延びる金属ファスナのボルトヘッド端部を囲むためのキャップシステムの第1の例の分解斜視図である。
図2】金属ファスナのボルトヘッド端部を囲むように組み立てられたキャップシステムの第1の例の図1の線2-2に沿った断面図である。
図3】組み立てられた図1のキャップシステムの第1の例を使用した斜視断面図であり、第1の例は、ボルトヘッドと構造体との間に位置決めされたワッシャーを有し、第2の例は、ワッシャーのない構造体の表面に位置決めされたボルトヘッドを有する。
図4】キャップ部材の端部の第1の例を示す図1のキャップ部材の拡大底面斜視図である。
図5】構造体から延びる金属ファスナのボルトヘッド端部を囲むためのキャップシステムの第2の例の分解斜視図である。
図6】金属ファスナのボルトヘッド端部を囲んで組み立てられたキャップシステムの第2の例の図5の線6-6に沿った断面図である。
図7】組み立てられた図5のキャップシステムの第2の例を使用した斜視断面図であり、第1の例は、ボルトヘッドと構造体との間に位置決めされたワッシャーを有し、第2の例は、ワッシャーのない構造体の表面に位置決めされたボルトヘッドを有する。
図8】キャップ部材の端部の第2の例を示す図5のキャップ部材の拡大底面斜視図である。
図9】構造体から延びる金属ファスナのボルトヘッド端部を囲むためのキャップシステムの第3の例の分解斜視図である。
図10】金属ファスナのボルトヘッド端部を囲んで組み立てられたキャップシステムの第3の例の図9の線10-10に沿った断面図である。
図11】組み立てられた図9のキャップシステムの第3の例を使用した斜視断面図であり、第1の例は、ボルトヘッドと構造体との間に位置決めされたワッシャーを有し、第2の例は、ワッシャーのない構造体の表面に位置決めされたボルトヘッドを有する。
図12】キャップ部材の端部の第3の例を示す図9のキャップ部材の拡大底面斜視図である。
図13】構造体から延びる金属ファスナのボルトヘッド端部を囲むためのキャップシステムの第4の例の分解斜視図である。
図14】金属ファスナのボルトヘッド端部を囲んで組み立てられたキャップシステムの第4の例の図13の線14-14に沿った断面図である。
図15】組み立てられた図13のキャップシステムの第4の例を使用した斜視断面図であり、第1の例は、ボルトヘッドと構造体との間に位置決めされたワッシャーを有し、第2の例は、ワッシャーのない構造体の表面に位置決めされたボルトヘッドを有する。
図16】キャップ部材の端部の第2の例を示す図13のキャップ部材の拡大底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載のキャップシステムは、航空機内に位置決めされた構造体などの構造体に固定された金属製ボルトファスナのボルトヘッドを囲むために用いられることになる。キャップシステムは、キャップ部材を有する。キャップ部材は、構造体から延びてボルトヘッドに固定するボルトヘッドの上に位置決めされ、そのボルトヘッドを囲む。キャップ部材の端部が構造体の表面に当接して位置決めされ、金属ボルトファスナのボルトヘッドが、キャップ部材と構造体の表面の境界内で囲まれる。ボルトファスナのボルトヘッドを囲むようにキャップ部材を位置決めし、キャップ部材がボルトヘッドに固定される。
【0010】
キャップは、ポリマー、熱硬化性材料、又は他の非導電性材料などの非導電性材料で構成される。キャップ部材内に位置決めされた金属ボルトファスナのボルトヘッドをキャップ部材の外側に位置決めされた周囲付近から更に電気的に絶縁するために、非導電性密封剤材料がキャップ部材内で更に使用されてもよい。金属製ボルトファスナからの電気的伝送絶縁を必要とするだろう航空機内の周辺部は、燃料タンクなどの領域、敏感な電子機器が含まれる領域、又はそうでなければ、航空機が経験したようなEME若しくは落雷事象からの送信によって悪影響を受ける可能性がある領域を含む。
【0011】
金属製ボルトファスナは、ボルトヘッド及びねじ付きシャフト部分を含む。金属製ボルトファスナを使用する際、ねじ付きシャフト部分は、構造体によって画定され構造体を通る穴を貫通するように位置決めされる。構造体は、互いに固定する必要があろう2つ以上の構成要素を含むことができ、ねじ付きシャフトは構造を貫通し、ねじ付きシャフトの一部が穴から構造体から離れる方向に延びている。ボルトのヘッドは、構造体の反対側から構造体とねじ付きシャフトから離れる方向に延びる。金属製のボルトファスナは、通常、ねじ山付きシャフトのねじ山と互換性のあるねじ山を備えたナット部材で構造体に固定される。ナットはねじ付きシャフトに係合し、ボルトヘッドとナットが構造体に圧縮力を加え、ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあるように、構造体に対して締められる。ボルトヘッドを固定位置に位置決めして、ボルトヘッドと構造体との間にワッシャーが位置決めされ、同様にボルトヘッドで構造体に圧縮力を加えるナットが位置決めされ、ナットと構造体との間にワッシャーが位置決めされてもよい。金属製ボルトファスナのボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、キャップシステムのキャップ部材がボルトヘッドを囲んで、ボルトヘッドに関連して使用されうる任意のワッシャーとともに、キャップ部材は同時に、ボルトヘッドに固定され、キャップ部材は構造体に対して位置決めされることになる。
【0012】
図1及び図2を参照すると、この例では、構造体14の表面12から突出する金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10が示される。構造体14は概略的に示されており、構造体14は、金属ボルトファスナ11が固定される1つ又は複数の構成要素を含みうる。この例の金属ボルトファスナ11は、ねじ山18を有するねじ付きシャフト16を含む。この例では、ワッシャー20は、金属製ボルトファスナ11を囲んで位置決めされ、かつボルトヘッド10と表面12との間に位置決めされる。図2を参照すると、金属ボルトファスナ11のねじ付きシャフト16のねじ山18と適合するねじ山を有するナット(図示せず)を構造体14に対して締め付けることができ、その結果、ナット及びボルトヘッド10が構造体14に対して圧縮力を及ぼし、構造体14に対するボルトヘッド10の固定位置が得られる。この例では、ワッシャー20は、ボルトヘッド10と構造体14との間に位置決めされる。同様に、ナット(図示せず)と構造体14との間に必要に応じてワッシャーを位置決めしてもよい。
【0013】
図1図3では、キャップ部材24Aを有するキャップシステム22Aの第1の例が示される。前述のように、キャップ部材24Aは、ポリマー、熱硬化性材料又は他の非導電性材料のうちの1つといった、非導電性材料で構成されることになる。キャップ部材24Aは、図2図4に見られるように、内面26Aを有する側壁25Aを有し、内面26Aは、ボルトヘッド10を受けるように寸法決めされた空洞28Aを画定する。図1に見られるように、第1の固定機構30Aは、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10の周辺部32Aの周囲に位置決めされる。キャップ部材24Aの内面26Aは、図4に見られるように、ボルトヘッド10の周辺部32Aの周囲に位置決めされた第1の固定機構30Aと係合するように相補的に構成された第2の固定機構34Aを画定する。キャップ部材24Aの側壁25Aの端部36Aは、ボルトヘッド10が空洞28A内にアクセスできるようにする開口部38Aを画定する。
【0014】
図1に見られるように、第1の固定機構30Aは、ねじ山40Aがボルトヘッド10の周辺部32Aの周囲を延びる際に中断される又は不連続となるねじ山40Aを含む。中断されたねじ山40Aは、ボルトヘッド10に位置決めされた複数のリッジ部材42Aによって画定される。リッジ部材42Aは、ボルトヘッド10から離れる半径方向44Aに延びる。複数のリッジ部材42Aの隣接するリッジ部材42Aは、ボルトヘッド10の周囲において離間しており、各リッジ部材42Aは、隣接するリッジ部材42Aから等間隔に位置決めされている。等間隔のリッジ部材42Aのこの構成により、インストーラは従来のソケットレンチツールを使用してボルトヘッド10と係合させ、構造体14の反対側に位置するナット(図示せず)に対してボルトヘッド10を締め、リッジ部材42Aに位置決めされたねじ山40Aに損傷を与えることなく、ボルトヘッド10を構造14に固定する。
【0015】
第2の固定機構34Aは、この例では連続しており、図4に見られるように、キャップ部材24Aの側壁25Aの内面26Aによって画定されるねじ山46Aを含む。ねじ山46Aは、キャップ部材24Aの内面26Aの周を延び、かつキャップ部材24Aの側壁25Aの端部36Aから離れる方向Dに延び、ボルトヘッド10が構造体14とねじ山46Aに対して固定位置にあり、ねじ山46Aがキャップ部材24Aの内面26Aによって画定され、中断されるねじ山40Aの少なくとも一部と係合して、キャップ部材24Aの端部36Aが、図2及び図3に示されるように、表面12に当接する構造体14に対して位置決めされる。ねじ山46Aは、図3に見られるように、ねじ山40Aが表面12に対して上昇位置が異なる場合があるため、ボルトヘッド10のねじ山40Aを収容し、そのねじ山40Aと係合することができる。キャップシステム22Aの第1の例50Aに見られるように、ボルトヘッド10のねじ山40Aは、ワッシャー20がボルトヘッド10と構造体14との間に位置決めされ他状態で、表面12からより高い高さまで延びる。ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にある状態で、ねじ山46Aはねじ山40Aと係合し、ねじ山40Aはキャップ24Aをボルトヘッド10に係合させ、端部36Aは構造体14の表面12に当接する。これは、図3に見られるように、キャップシステム22Aの第2の例50A1の場合でもあり、ボルトヘッド10は、ワッシャーがボルトヘッド10と構造体14との間に位置決めされていない状態で、第1の例50Aよりも表面12からより低い高さで延びる。ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にある状態で、ねじ山46Aはねじ山40Aと係合し、ねじ山40Aはキャップ24Aをボルトヘッド10に係合させ、端部36Aは構造体14の表面12に当接する。キャップ部材24Aの内面26Aに沿って延びるねじ山46Aを有するこの構造体は、キャップ部材24Aのボルトヘッド10に確実に固定され、ボルトヘッド10が表面12に対して異なる位置を有した状態で、端部36Aがボルトヘッド10を囲む表面12に当接する。
【0016】
したがって、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあるように、インストーラが金属製ボルトファスナ11を締めている状態で、次に、インストーラが、ボルトヘッド10のねじ山40Aをキャップ部材24Aのねじ山46Aに係合させるように、キャップ部材24Aの第1の例を位置決めすることができる。次いで、インストーラは、端部36Aが表面12に当接するまで、ねじ山40A及びねじ山46Aが係合した状態で、キャップ部材24Aを回して締めることができる。次に、キャップ部材24Aは、表面12に固定され、ボルトヘッド10を囲む金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定される。ねじ山46Aが方向Dに延び、ボルトヘッド10のねじ山40Aが表面12上の異なる高さプロファイルに位置することにより、ねじ山40Aは、ねじ山46Aと係合し、確実に固定することができる。この構成により、キャップ部材24Aは、端部36Aが表面12に当接している状態で、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10に確実に固定され、キャップ部材24Aが、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10を確実に取り囲む。
【0017】
図5を参照すると、キャップ部材24Bを有するキャップシステム22Bの第2の例が示される。前述のように、キャップ部材24Bは、ポリマー、熱硬化性材料又は他の非導電性材料のうちの1つなどの非導電性材料で構成されることになる。キャップ部材24Bは、図6図8に見られるように、ボルトヘッド10を受けるように寸法決めされた空洞28Bを画定する内面26Bを有する側壁25Bを有する。図5に見られるような第1の固定機構30Bは、ボルトヘッド10の周囲を途切れずに延びるように位置決めされた連続したねじ山35Bを含む。内面26Bは、図8に見られるように、ボルトヘッド10の周辺部32Bの周囲に位置決めされた第1の固定機構30Bと係合するように相補的に構成された第2の固定機構34Bを画定する。キャップ部材24Bの側壁25Bの端部36Bは、ボルトヘッド10が空洞28B内にアクセスできるようにする開口部38Bを画定する。
【0018】
図5に見られるように、第1の固定機構30Bは、ボルトヘッド10の周辺部32Bの周囲に途切れず延びる連続したねじ山35Bを含む。連続したねじ山35Bは、ボルトヘッド10の下部に位置決めされ、ボルトヘッド10の上部に位置決めされた離間している複数のリッジ構成47に干渉しない。複数のリッジ構成47は、この例では、前述のようにボルトヘッド10を固定するための、標準ソケットレンチと互換性があり、図6に対するナット(図示せず)は、ねじ付きシャフト16のねじ山18と係合し、構造体14に対して締められているボルトヘッド10と併せて構造体14に対して締められる。結果として、ナット及びボルトヘッド10は、構造体14に対して圧縮力を及ぼし、構造体14に対して固定位置にボルトヘッド10を位置決めする。この例で標準のソケットレンチを使用すると、連続したねじ山35Bに損傷を与えることなく、構造体14に対して固定位置にボルトヘッド10を固定しやすくなるだろう。
【0019】
第2の固定機構34Bは、図8に見られるように、キャップ部材24Bの側壁25Bの内面26Bによって画定された連続したねじ46Bを含み、第1の固定機構30Bの連続したねじ山35Bと係合するように相補的に構成される。連続したねじ山46Bは、キャップ部材24Bの側壁25Bの内面26Bの周を延び、キャップ部材24Bの側壁25Bの端部36Bから離れる方向Dに延びる。以下で更に説明するように、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあり、ねじ山46Bがボルトヘッド10の連続したねじ山35Bの少なくとも一部と係合して、端部36Bが、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10を囲む構造体14に対して位置決めされる。ねじ山46Bは、キャップ部材24Bの端部36Bから離れる方向Dに延び、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあり、キャップ部材24Bの内面26Bによって画定された連続的なねじ山46Bが、ボルトヘッド10の周辺部32Bの周囲を延びる連続的なねじ山35Bの少なくとも一部と係合した状態で、キャップ部材24Bの端部36Bが、図6及び図7に示すように、表面12に当接する構造体14に対して位置決めされる。ねじ山46Bは、図7に見られるように、連続したねじ山35Bが表面12に対して異なる高さ位置に位置決めされた状態で、ボルトヘッド10の連続したねじ山35Bを収容し、連続したねじ山35Bと係合することができる。キャップシステム22Bの第1の例50Bに見られるように、ボルトヘッド10の連続したねじ35Bは、ワッシャー20がボルトヘッド10と構造体14との間に位置決めされた状態で、表面12からより高い位置まで延びる。前述のように、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあると、ねじ山46Bは連続したねじ山35Bと係合し、連続したねじ山35Bはキャップ部材24Bをボルトヘッド10に係合し、端部36Bは構造体14の表面12に当接する。これはまた、図7に見られるように、キャップシステム22Bの第2の例50B1の場合でもあり、ボルトヘッド10が第1の例50Bよりも表面12から低い高さで延び、ボルトヘッド10と構造体14との間に位置決めされたワッシャーがない状態で、ねじ山46Bが連続したねじ山35Bと係合し、キャップ部材24Bがボルトヘッド10と係合し、端部36Bが構造体14の表面12に当接する。キャップ部材24Bの内面26Bに沿って延びるねじ山46Bを有するこの構造により、端部36Bが表面12に当接した状態で、キャップ部材24Bをボルトヘッド10に確実に固定して、ボルトヘッド10が表面12に対して異なる位置を有した状態でボルトヘッド10を取り囲む。
【0020】
したがって、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあるように、インストーラが金属製ボルトファスナ11を締めた状態で、次いで、インストーラが、キャップ部材24Bの第2の例を位置決めして、ボルトヘッド10の連続したねじ山35Bをキャップ部材24Bの連続したねじ山46Bに係合させることができる。次に、インストーラは、端部36Bが表面12に当接するまで、連続したねじ山35Bと連続したねじ山46Bが係合した状態で、キャップ部材24Bを回して締めることができる。次に、キャップ部材24Bは、ボルトヘッド10を囲む構造体14の表面12に固定される。ねじ山46Bが方向Dに延びて、表面12の上の異なる高さプロファイルに位置するボルト部材10の連続したねじ山35Bは、連続したねじ山46Bと係合し、確実に固定することができる。この構成により、キャップ部材24Bは、端部36Bが表面12に当接している状態で、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10に確実に固定され、結果的にキャップ部材24Bが金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10をしっかりと囲むことになる。
【0021】
図9を参照すると、キャップ部材24Cを有するキャップシステム22Cの第3の例が示される。前述のように、キャップ部材24Cは、ポリマー、熱硬化性材料又は他の非導電性材料のうちの1つなどの非導電性材料で構成されることになる。キャップ部材24Cは、図10~12に見られるように、内面26Cを有する側壁25Cを有し、内面26Cは、ボルトヘッド10を受けるように寸法決めされた空洞28Cを画定する。図9に見られるような第1の固定具30Cは、ボルトヘッド10の周辺部32Cの周囲に位置決めされる。キャップ部材24Cの内面26Cは、図10及び図12に見られるように、ボルトヘッド10の周辺部32Cの周囲に位置決めされた第1の固定機構30Cと係合するように相補的に構成される、第2の固定機構34Cを画定する。キャップ部材24Cの側壁25Cの端部36Cは、ボルトヘッド10を空洞28Cへアクセスさせる開口部38Cを画定する。
【0022】
図9に見られるように、第1の固定機構30Cは、ボルトヘッド10の周辺部32Cの周囲において離間して位置決めされた複数の溝37Cを含む。ボルトヘッド10から離れる半径方向48Cに延びる複数のリッジ部材49Cは、複数の溝37Cを画定する。隣接するリッジ部材49Cは、ボルトヘッド10の周囲において離間している。複数のリッジ部材49Cのそれぞれは、隣接するリッジ部材49Cから等間隔に位置決めされる。複数の溝37Cの一部は、図9に見られるように、列47Cに位置合わせされた各リッジ部材49C上に離間して位置決めされる。複数の溝37Cの一部の列47Cは、この例では、ボルトヘッド10の周囲に位置決めされたリッジ部材49Cのそれぞれに位置決めされる。列47Cは、ボルトヘッド10の厚さTの方向に延びる方向D’に延びる。離間したリッジ部材49Cのこの構成により、インストーラが従来のソケットレンチツールを使用可能となり、ボルトヘッド10を係合し、ねじ山付きシャフト16上に位置決めされ、かつボルトヘッド10よりも構造体14の反対側に位置決めされたナット(図示せず)に対してボルトヘッド10を締め、リッジ部材49Cに位置決めされた複数の溝37Cの部分に損傷を与えることなく、構造体14に対して固定位置にボルトヘッド10を位置決めする。
【0023】
第2の固定機構34Cは、図10及び図12に見られるように、キャップ部材24Cの側壁25Cの内面26Cによって画定された少なくとも1つの環状棚部39Cを含む。少なくとも1つの環状棚部39Cは、キャップ部材24Cの内面26Cの周に位置決めされ、キャップ部材24Cの端部36Cから方向D”に離間して位置決めされる。少なくとも1つの環状棚部39Cは、端部36Cから離間しており、前述のように、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあり、少なくとも1つの環状棚部39Cが複数の溝37Cの少なくとも1つと係合するようにすることで、キャップ部材24Cの端部36Cを、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10を取り囲み固定する構造体14に対して位置決めすることができる。ボルトヘッド10は、この例では、金属材料で構成され、ポリマー又は熱硬化性材料などのより柔軟な材料で構成された少なくとも1つの環状棚部39Cよりも柔軟性が低く、インストーラが金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10上でキャップ部材24Cを押し下げると、少なくとも1つの環状棚部39Cが、ボルトヘッド10に対して屈曲することになる。この例では、溝37Cが少なくとも1つの環状棚部39Cと位置合わせされると、少なくとも1つの環状棚部39Cが複数の溝37Cの少なくとも1つ野中に屈曲して戻ることになる。キャップ部材24Cの端部36Cが構造体14の表面12に当接し、少なくとも1つの環状棚部39Cが複数の溝37C内の溝と位置合わせされると、キャップ部材24Cは、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10に、かつボルトヘッド10を囲む表面12に対して固定される。
【0024】
図11では、キャップシステム22Cの第1の例50Cが示されており、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10は、構造体14に対して固定位置で構造体14の表面12上を延び、キャップ部材24Cは、ボルトヘッド10を囲み、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定される。第1の例50Cを参照すると、ボルトヘッド10は、構造体14に対して固定位置にあり、ワッシャー20は、ボルトヘッド10と構造体14の表面12との間に位置決めされている。図9に見られるように、複数の溝37C内の溝は、構造体14の表面12上の所定の高さで各列47Cに位置決めされる。例えば、図9に見られるように、溝37a及び37bは、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にある状態で、表面12上の所定の高さに位置決めされる。図12に見られるように、キャップ部材24Cの少なくとも1つの環状棚部39Cは、端部36Cから方向D”に間隔を空けて位置決めすることができ、端部36Cが構造体14の表面12に当接して、例えば図10に見られるように溝37aとして位置決めされる表面12より上の高さで、複数の溝37C内の溝と係合する。
【0025】
第2の例50C1を参照すると、ボルトヘッド10は、構造体14に対して固定位置にあり、ボルトヘッド10が表面12上に直接位置決めされ、ワッシャーは、第1の例50Cで位置決めされるよりも表面12の上のより低い高さのプロファイルで複数の溝37Cを位置決めすることはない。第1の例52Cで使用される、キャップ部材24Cの少なくとも1つの環状棚部39Cは、図9及び10に見られるように、溝37bと位置合わせされた表面12より上の高さで複数の溝37C内の溝と係合し、溝37bは、ボルトヘッド10の溝37aの上に位置し、端部36Cが構造体14の表面12に当接している。ボルトヘッド10では、第2の例50C1において、第1の例50Cよりもキャップ部材24C内のより低いプロファイルで、ワッシャーをボルトヘッド10と表面12との間に位置決めせずに、溝37bが溝37aの上方に位置決めされて、環状棚部39Cとの係合した位置合わせを達成し、端部46Cを構造体14の表面12に当接させることができる。
【0026】
キャップシステム22Cの第1の例50C及び第2の例50C1といった、これらの例では、少なくとも1つの環状棚部39Cは、端部36Cから離間したキャップ部材24C内に位置決めすることができ、よってボルトヘッド10が、ワッシャー20を含む又はワッシャーを含まない構造体14の表面12の固定位置にある状態で、少なくとも1つの環状棚部39Cは、上記のように、37a又は37bなどの溝37Cに係合して、端36Cが構造体14の表面12に当接するようにするように、キャップ部材24C内に位置決めされる。
【0027】
したがって、キャップシステム26Cのこの第3の例では、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあるように、インストーラが、ボルトヘッド10が存在する側とは反対側の構造体14に位置決めされたナット(図示せず)に対して金属製ボルトファスナ11を締めており、次いで、インストーラは、キャップ部材24Cの第3の例をボルトヘッド10の上に位置決めし、キャップ部材24Cをボルトヘッド10の上に押し込み、キャップ部材24Cが構造14の表面12に当接し、ボルトヘッド10の複数の溝37Cの溝が少なくとも1つの環状棚部39Cに係合するまで、キャップ部材24Cの内面26Cの少なくとも1つの環状棚部39Cを屈曲させることができる。次に、キャップ部材24Cは、ボルトヘッド10に固定され、構造体14の表面12に当接して、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10を取り囲む。上述したように、少なくとも1つの環状棚部39Cが離間してキャップ部材24Cの端部36Cから方向D”に延びつつ、この例では37a及び37bのように、表面12上の異なる所定の高さプロファイルに位置決めされたボルトヘッド10の複数の溝37Cは、端部36Cが表面12に当接したまま、キャップ部材24Cを金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定する少なくとも1つの環状棚部39Cと係合し、確実に固定することができ、その結果、キャップ部材24Cは、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定され、それを囲むことになる。
【0028】
図13を参照すると、キャップ部材24Dを有するキャップシステム22Dの第4の例が示される。前述のように、キャップ部材24Dは、ポリマー、熱硬化性材料、又は他の非導電性材料のうちの1つなどの非導電性材料で構成されるだろう。キャップ部材24Dは、ボルトヘッド10を受けるように寸法決めされた空洞28Dを画定する図14~16に見られるように、内面26Dを有する側壁25Dを有する。図13に見られる第1の固定具30Dは、ボルトヘッド10の周辺部32Dの周囲に位置決めされる。キャップ部材24Dの内面26Dは、図16に見られるように、ボルトヘッド10の周辺部32Dの周囲に位置決めされた第1の固定機構30Dと係合するよう相補的な第2の固定機構34Dを画定する。キャップ部材24Dの側壁25Dの端部36Dは、空洞28Dへのボルトヘッド10のアクセスを提供する開口部38Dを画定する。
【0029】
図13に見られるように、第1の固定機構30Dは、ボルトヘッド10の周辺部32Dの周囲を延びる複数の連続した溝41Dを含む。連続した溝41Dは、ボルトヘッド10の上部に位置決めされた複数のリッジ構成51Dと干渉しないように、ボルトヘッド10の下部に位置決めされる。複数のリッジ構成51Dは、この例では、連続した溝41Dに損傷を与えることなく、前述したように、ボルトヘッド10を構造体14に対して固定位置に固定するための標準ソケットレンチと互換性がある。
【0030】
第2の固定機構34Dは、図16に見られるように、キャップ部材24Dの側壁25Dの内面26Dに沿って位置決めされた複数の歯部53Dを含む。複数の歯部53Dは、キャップ部材24Dの内面26Dの少なくとも一部の周に位置決めされる。複数の歯部53Dは、キャップ部材24Dの端部36Dから離れてキャップ部材24Dの内面26Dに沿って方向D’’’に延びるように位置決めされ、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあり、複数の歯部53Dの少なくとも一部が複数の連続した溝41Dの少なくとも一部と係合することにより、キャップ部材24Dの端部36Dは、構造体14に対して位置決めされる。ボルトヘッド10は、この例では、金属材料で構成されており、ポリマー又は熱硬化性材料などのより柔軟な材料で構成された複数の歯部53Dよりも柔軟性が低く、インストーラが金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10上でキャップ部材24Dを押し下げると、複数の歯部53Dは、ボルトヘッド10に対して屈曲することになる。この例では、連続した溝41Dが複数の歯部53Dと位置合わせされると、複数の歯部53Dは、複数の連続した溝41Dに内に屈曲して戻る。キャップ部材24Dの端部36Dが構造体14の表面12に当接し、複数の歯部53Dの少なくとも一部が複数の連続した溝41Dの少なくとも一部と位置合わせされると、キャップ部材24Dは、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定され、キャップ部材24Dは、構造体14の表面12に対して位置決めされる。
【0031】
図15には、キャップシステム22Dの第4の例の第1の例50Dが示されており、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10は、構造体14に対して固定位置で構造体14の表面12上に延び、キャップ部材24Dは、ボルトヘッド10を取り囲み、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定される。第1の例50Dを参照すると、ボルトヘッド10は、構造体14に対して固定位置にあり、ワッシャー20がボルトヘッド10と構造体14の表面12との間に位置決めされており、以下に説明するように、図15の第2の例50D1の高さプロファイルを上回る高さプロファイルで、表面12上に位置決めされた複数の歯部53Dと係合するボルトヘッド10の連続した溝41Dが位置決めされる。
【0032】
キャップシステム22Dの第4の例の第2の例50D1では、ボルトヘッド10は構造体14に対して固定位置にあり、ボルトヘッド10はワッシャーなしで表面12に直接位置決めされ、複数の連続した溝41Dを、第1の例50Dの複数の連続した溝41Dよりも低い高さプロファイルで表面12の上に位置決めする。キャップ部材24D内の複数の歯部53Dは、図15及び図16に見られるように方向D’’’に延び、キャップ部材24Dの側壁25Dの端部36Dが構造体14の表面12に当接した状態で、第1の例50Dと第2の例50D1の両方で、ボルトヘッド10の複数の連続した溝41Dの少なくとも一部を複数の歯部53Dの少なくとも一部に係合させることができ、これにより、構造体14の表面12に対する複数の連続した溝41Dの高さプロファイルの差に関わらず、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10を安全に囲むことができる。
【0033】
したがって、キャップシステム26Dのこの第4の例では、ボルトヘッド10が構造体14に対して固定位置にあるように、インストーラが、構造体14に対して、先述したように、ボルトヘッド10が存在する側とは反対側の構造体14に位置決めされたナット(図示せず)に対して、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10を締めており、次にインストーラは、キャップ部材24Dの第4の例をボルトヘッド10の上に位置決めすることができる。次にインストーラは、キャップ部材24Dをボルトヘッド10上に押し込み、キャップ部材24Cが構造体14の表面12に当接し、ボルトヘッド10の複数の連続した溝41Dの少なくとも一部が複数の歯部53Dの少なくとも一部に係合するまで、キャップ部材24Cの内面26Dに位置決めされた複数の歯部53Dを屈曲させることができる。次に、キャップ部材24Dがボルトヘッド10に固定され、構造体14の表面12に当接し、金属ファスナアセンブリ11の端部10を取り囲む。上述のように、複数の歯53Dが方向D’’’に延び、構造体14の表面12上の異なる高さプロファイルに位置決めされたボルトヘッド10の複数の連続した溝41Dは、複数の歯部53Dに係合し、それらを確実に固定して、端部36Dが表面12に当接した状態で、キャップ部材24Dが金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10に固定され、これにより、キャップ部材24Dがボルトヘッド10に固定され、金属ボルトファスナ11のボルトヘッド10が囲まれる。
【0034】
上述のキャップシステムのキャップ部材を設置する際に、キャップ部材24A~Dの端部36A~Dの選択的構成をそれぞれ採用することができる。構成の3つの例には、以下により詳細に説明される例60、70、及び90が含まれる。例えば、端部36A及び36Cに関して、3つの例60、70又は90のいずれかを使用することができ、例えば、端部36B及び36Dに対して、第1又は第2の例60又は70を使用することができる。
【0035】
図4に示されるキャップ部材24Aの端部36Aの第1の例60は、図2図4に見られるように、構造体14の平面構成の表面12に当接することになる連続した環状平坦表面62を形成する。
【0036】
端部の構成の第2の例70は、端部36B及び36Dとしてそれぞれ図8及び図16に示される。第2の例70は、図16と同じ図8の構成であるため、第2の例70は、図8の端部36Bについて説明されることになり、キャップ部材24Bの側壁25Bがキャップ部材24Bの周を延びる溝72を画定する。キャップ部材24Bの側壁25Bの第1の部分76によって画定され、その第1の部分76を貫通する第1の開口部74は、溝72と連通し、第1の流路78が、密封剤を第1の開口部74を通って溝72内に運ぶために、第1の開口部74を通って溝72内に延びる。キャップ部材24Bの側壁25Bの第1の部分76によって画定され、この第1の部分76を貫通する第2の開口部80は、第1の開口部74からキャップ部材24Bの周において離間し、第2の開口部80が溝72と連通し、第2の流路82が、密封剤を運ぶため、溝72からキャップ部材24Bの第2の開口部80を通る。
【0037】
第2の例70に関して、インストーラが構造体14の表面12にキャップ部材24Bを固定してしまうと、インストーラは、密封剤が第2の開口部80から漏れ始めるまで、キャップ部材24Bの周の溝72に密封剤の流れを有する密封剤材料を第1の開口部74に注入することになる。その時点で、インストーラは密封剤が溝72内に位置決めされていることを確認し、金属製ボルトファスナ11のボルトヘッド10がキャップ部材24B内で更に電気的に絶縁されているという追加の保証をインストーラに提供する。第2の例70の構成は、過剰な密封剤を表面12上に放出しないインストーラ能力を提供し、余分な密封剤の面倒で時間のかかる平滑化を行う必要性を減らす。
【0038】
端部の構成の第3の例90は、端部36Cとして図12に示されている。キャップ部材24Cの側壁25Cは、キャップ部材24Cの周を延びる溝92を画定する。第3の開口部94は、キャップ部材24Cの側壁25Cの第1の部分96によって画定され、その第1の部分96を通って延び、第3の開口部94が溝92と連通するようにする。第1の流路98は、キャップ部材24Cの側壁25Cの第1の部分96を通って、密封剤の搬送のため溝92内に延びる。第4の開口100は、キャップ部材24Cの側壁25Cの第2の部分102によって画定され、その第2の部分102を貫通して、第4の開口100が溝92と連通し、第4の開口100がキャップ部材24Cの空洞28Cと連通するようになり、第2の流路104が、溝92からキャップ部材24Cの側壁25Cの第4の開口部100を通って空洞28C内に延びる。インストーラが溝92に密封剤を注入し、密封剤が溝92を通って流れ、第4の開口部100から空洞28Cに排出されると、密封剤は、リッジ部材49Cの間のボルトヘッド10を通り過ぎ、この例では、キャップ部材24C内を上向きに流れ続ける。第5の開口部106は、図10に見られるように、キャップ部材24Cの側壁25Cによって画定され、その側壁25Cを貫通し、第5の開口部106が、図10に見られるように、第3の流路108を提供するようになる。第3の例90に関して、インストーラがキャップ部材2CBを構造体14の表面12に固定してしまうと、インストーラは、密封剤をキャップ部材24Cの周の溝92内に流す第3の開口94に密封剤材料を注入することになる。溝92がほぼ完全に又は完全に密封剤で満たされると、密封剤は第4の開口部100から漏れ始める。その時点で、インストーラはまだ密封剤を第3の開口部94に注入しており、空洞28Cは密封剤で満たされ、この時点で密封剤は第5の開口部106から排出され始める。その時点で、インストーラは、キャップ部材24Cが密封剤で満たされていることを把握し、更なる密封剤の注入を停止する。密封剤が第5の開口部106から排出されていると、インストーラは密封剤が溝92及び空洞28C内に位置決めされたことを確認し、金属ファスナアセンブリ11の端部10がキャップ部材24C内で更に電気的に絶縁されたことをインストーラに追加的に保証する。この第3の構成例は、インストーラが過剰な密封剤を表面12上に放出できないようにし、余分な密封剤の面倒で時間のかかる平滑化を行う必要性を減らす。
【0039】
更に、本開示は下記条項による例を含む。
条項1. 構造体を貫通する金属製ボルトファスナを囲むためのキャップシステムであって、
金属製ボルトファスナのボルトヘッドの周辺部の周囲に位置決めされた第1の固定機構と、
ボルトヘッドを受けるように寸法が決定された空洞を画定し、かつボルトヘッドの周辺部の周囲に位置決めされた第1の固定機構に係合するように相補的に構成された第2の固定機構を画定する内面を有する側壁を含むキャップ部材と、
ボルトヘッドの空洞内へのアクセスを提供する開口部を画定するキャップ部材の側壁の端部と
を含むキャップシステム。
条項2. 第1の固定機構が、ボルトヘッドの周辺部の周囲を延びる際に中断されるねじ山を含む、条項1に記載のキャップシステム。
条項3. 中断されるねじ山が、ボルトヘッドに位置決めされた複数のリッジ部材によって画定される、条項2に記載のキャップシステム。
条項4. 複数のリッジ部材が、ボルトヘッドから離れる半径方向に延び、
複数のリッジ部材のうちの隣接するリッジ部材が、ボルトヘッドの周囲において離間している、条項3に記載のキャップシステム。
条項5. 各リッジ部材が、隣接するリッジ部材から等間隔に位置決めされている、条項4に記載のキャップシステム。
条項6. 第2の固定機構が、キャップ部材の内面によって画定された連続したねじ山を含む、条項5に記載のキャップシステム。
条項7. キャップ部材の内面によって画定されたねじ山が、キャップ部材の内面の周を延び、
キャップ部材の内面によって画定されたねじ山が、キャップ部材の端部から離れた方向に延び、ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、かつキャップ部材の内面によって画定されたねじ山が中断されるねじ山の少なくとも一部と係合して、キャップ部材の端部が、構造体に対して位置決めされる、条項6に記載のキャップシステム。
条項8. ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、ワッシャーがボルトヘッドと構造体との間に位置決めされる、条項7に記載のキャップシステム。
条項9. 金属製ボルトファスナのボルトヘッドの周辺部の周囲に位置決めされた第1の固定機構が、ボルトヘッドの周辺部の周囲を延びる連続したねじ山を含み、
第2の固定機構が、第1の固定機構の連続したねじ山と係合するように相補的に構成された連続したねじ山を含む、条項1に記載のキャップシステム。
条項10. キャップ部材の内面によって画定された連続したねじ山が、キャップ部材の内面の周を延び、
キャップ部材の内面によって画定された連続したねじ山が、キャップ部材の端部から離れた方向に延び、ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、かつキャップ部材の内面によって画定された連続したねじ山がボルトヘッドの周辺部の周囲を延びる連続したねじ山の少なくとも一部と係合して、キャップ部材の端部が、構造体に対して位置決めされる、条項9に記載のキャップシステム。
条項11. ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、ワッシャーがボルトヘッドと構造体との間に位置決めされる、条項10に記載のキャップシステム。
条項12. 金属製ボルトファスナのボルトヘッドの周辺部の周囲に位置決めされた第1の固定機構が、ボルトヘッドの周辺部の周囲で離間して位置決めされた複数の溝を含み、
第2の固定機構が、キャップ部材の内面に沿って位置決めされた少なくとも1つの環状棚部を含む、条項1に記載のキャップシステム。
条項13. 複数の溝が、ボルトヘッドから離れる半径方向に延びる複数のリッジ部材によって画定され、
隣接するリッジ部材が、ボルトヘッドの周囲に等間隔に位置決めされ、
複数の溝の一部が、互いに離間しかつ一列に位置合わせされた各リッジ部材上に位置決めされる、請求項12に記載のキャップシステム。
条項14. 少なくとも1つの環状棚部が、キャップ部材の端部から離間して位置決めされ、ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、かつ少なくとも1つの環状棚部が複数の溝のうちの少なくとも1つと係合して、キャップ部材の端部を構造体に対して位置決めできるようにする、条項13に記載のキャップシステム。
条項15. ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、ワッシャーがボルトヘッドと構造体との間に位置決めされる、条項14に記載のキャップシステム。
条項16. 第1の固定機構が、ボルトヘッドの周辺部の周囲を延びる複数の連続した溝を含み、
第2の固定機構が、キャップ部材の内面に沿って位置決めされた複数の歯部を含む、条項1に記載のキャップシステム。
条項17. 複数の歯部が、キャップ部材の端部から離れた方向に延びるように位置決めされ、ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、複数の歯部の少なくとも一部が複数の連続した溝のうちの少なくとも一部と係合して、キャップ部材の端部が構造体に対して位置決めされる、条項16に記載のキャップシステム。
条項18. ボルトヘッドが構造体に対して固定位置にあり、ワッシャーがボルトヘッドと構造体との間に位置決めされる、条項17に記載のキャップシステム。
条項19. キャップ部材の側壁の端部が、
連続した環状の平面、又は
キャップ部材の周を延びる溝
の1つを画定し、
第1の開口部が、キャップ部材の側壁の第1の部分によって画定され、かつ第1の部分を貫通し、第1の開口部が溝と連通して、第1の流路が、第1の開口部を通って、密封剤を運ぶための溝内を延び、
第2の開口部が、キャップ部材の側壁の第1の部分によって画定され、第1の部分を貫通し、第1の開口部からキャップ部材の周において離間し、第2の開口部が溝と連通し、第2の流路が密封剤を運ぶため溝からキャップ部材の第2の開口部を通る、条項1に記載のキャップシステム。
条項20. キャップ部材の側壁の端部が、キャップ部材の周を延びる溝を画定し、
第3の開口部が、キャップ部材の側壁の第1の部分によって画定され、かつ第1の部分を貫通し、第3の開口部が溝と連通して、第1の流路が、キャップ部材の側壁の第1の部分を通って、密封剤を運ぶため溝内まで延び、
第4の開口部が、キャップ部材の側壁の第2の部分によって画定され、かつ第2の部分を貫通し、第4の開口部が溝と連通し、第4の開口部が、キャップ部材の空洞と連通して、第2の流路が、溝から第4の開口部を通って空洞内に延び、
第5の開口部が、キャップ部材の側壁によって画定され、かつ側壁を貫通し、第5の開口部が、キャップ部材の空洞から第5の開口部を通る第3の流路を提供する、条項1に記載のキャップシステム。
【0040】
様々な実施例がこれまで記載されたが、本開示はそれらに限定されることを意図するものではない。開示された実施例に対しては、更に添付の特許請求の範囲内にある変形例を作成してもよい。
図1
図2
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図10
図11
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図16