(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】画像配信システム、画像配信方法、建物、及び、撮影システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20231110BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20231110BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20231110BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20231110BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H04N7/18 D
E05B49/00 Z
G08B25/00 510M
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
H04N7/18 H
(21)【出願番号】P 2019156389
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナソニックホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】河田 真理子
(72)【発明者】
【氏名】奥津 拡
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 信吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】日高 紗彩
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-102483(JP,A)
【文献】特開2019-116784(JP,A)
【文献】国際公開第2017/212659(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
E05B 49/00
G08B 25/00
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気錠が設置された建物においてユーザが提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得する取得部と、
取得された前記サービス情報に基づいて、前記複数の電気錠のうちの少なくとも一部の対象電気錠に、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠するように指令する情報処理部と、
前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を、前記ユーザの第一情報端末、及び、前記対象事業者の第二情報端末に送信する送信部とを備え
、
前記送信部は、さらに、前記作業が終わった後の前記建物内の第一画像、及び、前記作業が開始される前の前記建物内の第二画像を前記第一情報端末、及び、前記第二情報端末の少なくとも一方の情報端末に送信し、
前記第一画像及び前記第二画像を受信した前記少なくとも一方の情報端末の表示部には、前記第一画像及び前記第二画像が同時に表示される
画像配信システム。
【請求項2】
前記送信部は、前記画像を、前記第一情報端末、及び、前記第二情報端末にリアルタイムに送信する
請求項1に記載の画像配信システム。
【請求項3】
さらに、前記画像が記憶される記憶部を備え、
前記送信部は、前記記憶部に記憶された過去の前記画像を前記第一情報端末または前記第二情報端末に送信する
請求項1に記載の画像配信システム。
【請求項4】
前記取得部は、さらに、前記第一画像
及び前記第二画像が送信された後、前記少なくとも一方の情報端末から前記作業のチェック結果を示す情報を取得する
請求項1~3のいずれか1項に記載の画像配信システム。
【請求項5】
複数の電気錠が設置された建物においてユーザが提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得し、
取得された前記サービス情報に基づいて、前記複数の電気錠のうちの少なくとも一部の対象電気錠に、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠するように指令し、
前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を、前記ユーザの第一情報端末、及び、前記対象事業者の第二情報端末に送信し、
前記作業が終わった後の前記建物内の第一画像、及び、前記作業が開始される前の前記建物内の第二画像を前記第一情報端末、及び、前記第二情報端末の少なくとも一方の情報端末に送信し、
前記第一画像及び前記第二画像を受信した前記少なくとも一方の情報端末の表示部には、前記第一画像及び前記第二画像が同時に表示される
画像配信方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の画像配信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
建物であって、
複数の電気錠と、
撮影システムとを備え、
前記複数の電気錠の少なくとも一部である対象電気錠は、ユーザが
第一情報端末を操作することにより前記建物において提供を受けたいサービスを指定したことに応じてサーバ装置から送信される指令に基づいて、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠し、
前記撮影システムは、
前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を撮影し、
前記作業が終わった後の前記建物内の第一画像、及び、前記作業が開始される前の前記建物内の第二画像を撮影し、
前記第一画像及び前記第二画像を前記サーバ装置へ送信し、
前記第一画像及び前記第二画像を前記サーバ装置から受信した、前記第一情報端末、及び、前記対象事業者の第二情報端末の少なくとも一方の情報端末の表示部には、前記第一画像及び前記第二画像が同時に表示される
建物。
【請求項8】
複数の電気錠が設けられた建物に設置される撮影システムであって、
前記複数の電気錠の少なくとも一部である対象電気錠は、ユーザが
第一情報端末を操作することにより前記建物において提供を受けたいサービスを指定したことに応じてサーバ装置から送信される指令に基づいて、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠し、
前記撮影システムは、
複数のカメラと、
通信部と、
前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を、前記複数のカメラの少なくとも一部に撮影させる撮影制御部とを備え
、
前記撮影制御部は、前記作業が終わった後の前記建物内の第一画像、及び、前記作業が開始される前の前記建物内の第二画像を前記複数のカメラの少なくとも一部に撮影させ、撮影された前記第一画像及び前記第二画像を、前記通信部に前記サーバ装置へ送信させ、
前記第一画像及び前記第二画像を前記サーバ装置から受信した、前記第一情報端末、及び、前記対象事業者の第二情報端末の少なくとも一方の情報端末の表示部には、前記第一画像及び前記第二画像が同時に表示される
撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像配信システム、画像配信方法、建物、及び、撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セキュリティに関する様々な技術が提案されている。例えば、建物の扉を施錠または開錠するための電気錠システムが知られている。特許文献1には、ユーザの意図に反して開錠されにくい電気錠システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建物に居住者が不在の状態で建物に作業者を派遣してするサービスを普及させるには、セキュリティを強化し、建物内に見ず知らずの作業者が入ることに対する居住者の不安を低減する必要がある。
【0005】
本発明は、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる画像配信システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像配信システムは、複数の電気錠が設置された建物においてユーザが提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得する取得部と、取得された前記サービス情報に基づいて、前記複数の電気錠のうちの少なくとも一部の対象電気錠に、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠するように指令する情報処理部と、前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を、前記ユーザの第一情報端末、及び、前記対象事業者の第二情報端末に送信する送信部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る画像配信方法は、複数の電気錠が設置された建物においてユーザが提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得し、取得された前記サービス情報に基づいて、前記複数の電気錠のうちの少なくとも一部の対象電気錠に、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠するように指令し、前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を、前記ユーザの第一情報端末、及び、前記対象事業者の第二情報端末に送信する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記画像配信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様に係る建物は、複数の電気錠と、撮影システムとを備え、前記複数の電気錠の少なくとも一部である対象電気錠は、ユーザが情報端末を操作することにより前記建物において提供を受けたいサービスを指定したことに応じてサーバ装置から送信される指令に基づいて、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠し、前記撮影システムは、前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を撮影する。
【0010】
本発明の一態様に係る撮影システムは、複数の電気錠が設けられた建物に設置される撮影システムであって、前記複数の電気錠の少なくとも一部である対象電気錠は、ユーザが情報端末を操作することにより前記建物において提供を受けたいサービスを指定したことに応じてサーバ装置から送信される指令に基づいて、前記サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠し、前記撮影システムは、複数のカメラと、前記対象事業者から派遣された作業者が前記対象電気錠を開錠して前記建物内に入って前記サービスを提供するための作業を行っているときの前記建物内の画像を、前記複数のカメラの少なくとも一部に撮影させる撮影制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セキュリティが強化されたサービスの提供が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るサービス提供システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、建物の内部の間取り図の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るサービス提供システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るサービス提供システムの動作例1の前半のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るサービス提供システムの動作例1の後半のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、第一携帯端末に表示されたサービス選択画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、アクセス可能エリア情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第一携帯端末の表示部に表示される動画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係るサービス提供システムの動作例2のシーケンス図である。
【
図13】
図13は、チェック依頼画面の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0015】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係るサービス提供システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係るサービス提供システムの概要を示す図である。
【0016】
実施の形態に係るサービス提供システム100は、戸建住宅などの建物10に居住するユーザ15が、不在時に、建物10におけるサービスの提供を受けるためのシステムである。ユーザ15は、第一携帯端末40を操作して提供を受けたいサービスの内容、及び、期間を指定すると(
図1の(a))、第一サーバ装置20は指定した期間に指定した内容のサービスを提供するための情報処理を行う。この結果、ユーザ15は、所望のサービスを受けることができる(
図1の(b))。ここでのサービスは、例えば、宅配サービスであるが、調理サービス、水廻り掃除サービス、及び、収納整理サービスなどであってもよい。
【0017】
このようなサービスを受けるためには、サービス提供事業者の従業員(作業者)が建物10内に入る必要がある。しかしながら、セキュリティの観点、及び、ユーザ15のプライバシーの観点から作業者が建物10内を自由に移動できることは適切でないと考えられる。そこで、サービス提供システム100は、作業者が建物10の内部のうちサービスの提供に必要な領域にだけ入ることができるように建物10に設置された複数の電気錠30の開錠条件を制御する。
図2は、建物10の内部の間取り図の一例を示す図であり、図中のA~Iは、複数の電気錠30の位置を示している。複数の電気錠30のそれぞれは、玄関の扉、または、部屋の扉の開錠及び施錠を行うが、複数の電気錠30には、収納の扉の開錠及び施錠を行う電気錠30が含まれてもよい。
【0018】
例えば、ユーザ15が宅配サービスを希望した場合、宅配サービスを提供する事業者に配布された鍵では、玄関の扉に取り付けられた電気錠Aしか開錠できない。つまり、宅配サービスの作業者は、建物10の玄関より先には進むことができない。一方、ユーザ15が調理サービスを希望した場合、調理サービスを提供する事業者に配布された鍵は、電気錠Aだけでなく、キッチンへ通じる扉に取り付けられた電気錠Fも開錠できる。つまり、調理サービスの作業者は、キッチンへ入ることができる。
【0019】
このように、サービス提供システム100は、サービス提供事業者のサービスの内容に応じて、当該サービス提供事業者から派遣された作業者に建物10内のどこまで入ることを許可するかを決定する。このようなサービス提供システム100は、セキュリティ、及び、ユーザ15のプライバシーに配慮したサービスの提供を実現することができる。
【0020】
また、サービス提供システム100では、建物10内に設置された複数のカメラ71により、作業者が作業を行っているときの画像を撮影し、この画像をユーザ15及びサービス提供事業者に送信する。これにより、サービス提供システム100は、建物10内に見ず知らずの作業者が入ることに対するユーザ15の不安を低減することができる。したがって、サービス提供システム100は、建物10にユーザ15が不在の状態で建物10に作業者を派遣してするサービスの普及に寄与することができる。
【0021】
[構成]
以下、このようなサービス提供システム100の機能構成について説明する。
図3は、サービス提供システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0022】
図3に示されるように、サービス提供システム100は、第一サーバ装置20と、複数の電気錠30と、第一携帯端末40と、複数の第二サーバ装置50と、第二携帯端末60と、撮影システム70と、第三携帯端末80とを備える。以下、サービス提供システム100が備える各装置について引き続き
図1-
図3を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
[第一サーバ装置、及び、複数の第二サーバ装置]
第一サーバ装置20は、ユーザ15に各種サービスを提供するための情報処理を行う。第一サーバ装置20は、サーバ通信部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備える。
【0024】
サーバ通信部21は、第一サーバ装置20が複数の電気錠30、第一携帯端末40、及び、複数の第二サーバ装置50とインターネット90などの広域通信ネットワークを介した通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。サーバ通信部21は、具体的には、取得部24(言い換えれば、取得回路)と、送信部25(言い換えれば、送信回路)とを有する。サーバ通信部21が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0025】
情報処理部22は、サービスを提供するための情報処理を行う。この情報処理には、複数の電気錠30の制御処理が含まれる。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0026】
記憶部23は、情報処理部22が行う情報処理に用いられる制御プログラム、及び、当該情報処理に用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0027】
記憶部23には、例えば、ユーザ15にサービスを提供するための管理情報が記憶される。
図4は、管理情報の一例を示す図である。
図4に示されるように、管理情報においては、ユーザID、ログインパスワード、複数の電気錠30それぞれのID、撮影システム70のID、及び、建物10の住所(つまり、複数の電気錠30の設置場所)が対応付けられている。
【0028】
また、記憶部23には、建物10のマップ情報(
図2のような建物10の内部の間取りを示す情報)が記憶される。マップ情報には、複数の電気錠30の配置を示す情報(複数の電気錠30のIDと設置位置の対応関係を示す情報)、及び、複数のカメラ71の配置を示す情報(複数のカメラ71のIDと設置位置の対応関係を示す情報)が含まれる。
【0029】
複数の第二サーバ装置50は、互いに異なるサービス提供事業者によって利用されるサーバ装置である。
【0030】
[電気錠]
電気錠30は、建物10に含まれる扉(または窓など)の開錠及び施錠を制御する。電気錠30は例えば、複数のサービス提供事業者にあらかじめ配布されたカードキーから鍵情報を取得する、RFIDリーダを備える。また、電気錠30は、指紋などの生体情報を鍵情報として取得するセンサを備えてもよい。さらに、電気錠30は、第一サーバ装置20と通信を行う第一通信回路を備え、第一サーバ装置20からの指令に基づいて扉の開錠及び、施錠を行うこともできる。また、電気錠30は、撮影システム70と通信を行う第二通信回路を備えている。
【0031】
[第一携帯端末、第二携帯端末、第三携帯端末]
第一携帯端末40は、建物10に居住するユーザ15が所有する、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末である。第一携帯端末40は、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される表示部41を備える。第一携帯端末40は、一般的な通信プロトコル(HTTPなど)を使用でき、かつ、専用アプリケーションプログラムが動作する汎用の情報端末である。しかしながら、第一携帯端末40は、サービス提供システム100専用の簡易的な操作端末であってもよい。専用の簡易的な操作端末は、例えば、最低限のボタンを有する。ユーザ15は、このボタンを押すだけで頻繁に利用するサービスの依頼を所定のタイミングで行うことができる。所定のタイミングは、例えば、ボタンを押してから一定期間(例えば、3時間)以内であるが、ボタンが押された日の決まった時間帯などであってもよい。
【0032】
第二携帯端末60は、サービス提供事業者のうちの対象事業者の従業員であって建物10に派遣される作業者以外の従業員が所有する、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末である。第二携帯端末60は、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される表示部61を備える。
【0033】
第三携帯端末80は、対象事業者から建物10に派遣される作業者が所有する、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末である。
【0034】
[撮影システム]
撮影システム70は、サービス提供事業者から派遣された作業者が建物10内でサービスを提供するための作業を行っているときの建物10内の画像を撮影し、第一サーバ装置20にアップロードするためのシステムである。ここでの画像は、静止画像、または、動画像の1フレームの意味である。つまり、本明細書中において「画像を撮影する」には、静止画像を撮影することと、動画像を撮影することの両方が含まれる。撮影システム70は、複数のカメラ71と、撮影制御部72と、記憶部73と、通信部74とを備える。
【0035】
複数のカメラ71のそれぞれは、建物10内の画像を撮影する。カメラ71は、例えば、建物10内の部屋のそれぞれに1つ以上ずつ設置される。
【0036】
撮影制御部72は、複数のカメラ71に撮影を指示し、かつ、撮影された画像を第一サーバ装置20にアップロードする制御を行う。また、撮影制御部72は、撮影された画像の画像処理を行うこともできる。撮影制御部72は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0037】
記憶部73は、複数のカメラ71によって撮影された画像が一時的に記憶される記憶装置である。記憶部73には、撮影制御部72が実行する制御プログラムなども記憶される。記憶部73は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0038】
通信部74は、撮影システム70が第一サーバ装置20とインターネット90などの広域通信ネットワークを介した通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部74によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信部74が行う通信の通信規格については特に限定されない。なお、通信部74は、図示されないゲートウェイ装置などの他の装置を介してインターネット90に接続してもよい。
【0039】
[動作例1]
次に、サービス提供システム100の動作例1について説明する。
図5及び
図6は、サービス提供システム100の動作例1のシーケンス図である。
【0040】
まず、
図5を参照しながらサービスが提供されるまでのサービス提供システム100の動作について説明する。第一携帯端末40は、ユーザ15のログイン操作、及び、サービス選択操作を受け付ける(S11)。
図7は、サービス選択画面の一例を示す図である。
図7に示されるように、ユーザ15は、例えば、あらかじめ定められた複数種類のサービスの中から1つのサービスを選択し、さらに、当該サービスを受けたい期間を指定する。
【0041】
サービス選択操作が受け付けられると、第一携帯端末40は、サービス情報を第一サーバ装置20に送信する(S12)。サービス情報は、ユーザ15が提供を受けたいサービスを示す情報であり、サービス情報には、ユーザ15が建物10においてサービスの提供を受けたい期間を示す情報が含まれる。
【0042】
第一サーバ装置20の取得部24は、サービス情報を第一携帯端末40から取得する。情報処理部22は、取得したサービス情報と、記憶部23にあらかじめ記憶される事業者情報とに基づいて、サービスの提供を依頼する対象事業者を選択する(S13)。
図8は、事業者情報の一例を示す図である。
【0043】
図8に示されるように、事業者情報においては、サービスの内容と、サービス提供事業者と、サービス提供事業者が使用する第二サーバ装置50のIDと、サービス提供事業者にあらかじめ配布された鍵情報(カードキーを読み取った場合に得られる情報)とが紐づけられている。情報処理部22は、例えば、事業者情報を用いて、ステップS12で取得されたサービス情報が示すサービスを提供する事業者の第二サーバ装置50に、建物10において、サービス情報において指定された期間にサービスの提供が可能かであるか否かの問い合わせを行う。そして、情報処理部22は、問い合わせの結果サービスの提供が可能であると応答した事業者の1つを対象事業者として決定する。
【0044】
なお、対象事業者の決定方法は特に限定されない。対象事業者を1つに絞り込む方法は、例えば、費用の安さに基づく方法などが例示される。また、サービスの提供が可能であると応答した1以上の事業者を、第一携帯端末40を介してユーザ15に提示し、ユーザ15によって対象事業者が選択されてもよい。また、最初からユーザ15によってサービス提供事業者が指定されてもよく、この場合、例えば、ステップS11においてサービス提供事業者が指定される。
【0045】
ステップS13の次に、情報処理部22は、サービス情報が示すサービスの内容に基づいて対象電気錠を決定する(S14)。対象電気錠は、複数の電気錠30のうち対象事業者から建物10に派遣される作業者に開錠することができる電気錠30である。つまり、情報処理部22は、対象事業者から建物10に派遣される作業者に建物10内のどのエリアまでの入室(アクセス)を許容するかを決定する。情報処理部22は、例えば、あらかじめ記憶部23に記憶されたアクセス可能エリア情報を参照することにより、対象電気錠を決定することができる。
図9は、アクセス可能エリア情報の一例を示す図である。なお、
図9における電気錠A~Iは、
図2の電気錠A~Iを意味する。
【0046】
ステップS14の次に、情報処理部22は、対象電気錠に、少なくともサービス情報において指定された期間に対象事業者の鍵情報を有効にすることを指令する(S15)。言い換えれば、情報処理部22は、サービス情報において指定された期間とその前後の予備期間を含む所定期間に限って、対象事業者の鍵情報が得られたときに(つまり、作業者がカードキーを近づけたときに)開錠(または施錠)するように対象電気錠に指令する。情報処理部22は、具体的には、上記所定期間を示す期間情報、及び、事業者情報から得られる対象事業者の鍵情報を含む指令を送信部25に対象電気錠へ送信させる。
【0047】
なお、この指令は対象電気錠以外の電気錠30には行われない。対象電気錠は、受信した指令に含まれる情報を記憶する。これにより、複数の電気錠30のうち対象電気錠のみが上記所定期間において対象事業者の鍵情報を有効にすることができる。
【0048】
ステップS15の次に、上記所定期間の開始時刻の一定時間前(例えば、1時間前)になると、情報処理部22は、複数の電気錠30の全てを施錠するための施錠指令を行う(S16)。情報処理部22は、送信部25に複数の電気錠30の全てへ施錠指令を送信させる。施錠指令は、作業者が建物10を訪れる前に、建物10内の全ての電気錠30をいったん施錠するために行われる。施錠指令によれば、いったん全ての電気錠30が施錠されるため、作業者の訪問時に電気錠30が開錠されたままになってしまい、作業者が本来入るべきでないエリアに入ってしまうことが抑制される。
【0049】
なお、電気錠30が設けられたドアまたは窓が開いたままの場合には、当該電気錠30の施錠ができない場合がある。このような場合、電気錠30は、警告音(または警告メッセージ)を発することにより、建物10内にいると考えられるユーザ15にドアまたは窓を閉めることを促してもよい。また、第一サーバ装置20がドアまたは窓の開閉を制御できるような場合(例えば、ドアが電気的に制御可能な自動ドアである場合など)には、ドアまたは窓を閉じる制御が行われてもよい。
【0050】
上記施錠指令は、より詳細には、上記所定期間の開始時刻の一定時間前のタイミング、及び、ユーザ15が外出する直前のタイミングのうち早いほうのタイミングで行われる。つまり、ユーザ15が建物10の中にいると推定されるタイミングで行われる。これにより、上記警告音を発する制御などがより効果的なものとなる。ユーザが外出する直前のタイミングは、例えば、建物10におけるホームセキュリティシステムの外出設定(ユーザ15が外出する直前に行う設定)が行われたことを検出することなどにより特定される。
【0051】
また、上記所定期間の開始時刻の一定時間前(例えば、1時間前)になると、情報処理部22は、撮影システム70に、複数のカメラ71による動画像の撮影開始を指令する(S17)。情報処理部22は、具体的には、送信部25に撮影システム70へ指令を送信させる。撮影システム70の撮影制御部72は、通信部74によって指令が受信されると複数のカメラ71に撮影を開始させ(S18)、撮影された動画像を通信部74に第一サーバ装置20へ送信させる(S19)。動画像には複数のカメラ71のIDが付与されており、どの動画像がどのカメラ71によって撮影されたものかは区別できる。
【0052】
なお、ステップS17の指令は、玄関の電気錠30が対象事業者の鍵情報によって開錠されたことをトリガとして行われてもよい。つまり、作業者が建物10の内部に入ったことをトリガとして複数のカメラ71による撮影が開始されてもよい。この場合、玄関の電気錠30が第一サーバ装置20に通知を行うことで、第一サーバ装置20は玄関の電気錠30が対象事業者の鍵情報によって開錠されたことを把握し、これをトリガに指令を送信することができる。
【0053】
また、情報処理部22は、記憶部23に記憶されたアクセス可能エリア情報、及び、マップ情報に基づいて、複数のカメラ71のうち、作業者が入ることができるエリアに設置されたカメラ71を特定することができる。ステップS17の指令は、全てのカメラ71に撮影を指令するものではなく、特定されたカメラ71だけに選択的に撮影を指令するものであってもよい。つまり、作業者が入ることのできないエリアに設置されたカメラ71には撮影開始が指令されなくてもよい。
【0054】
また、複数のカメラ71による画像の撮影、及び、撮影システム70から第一サーバ装置20への動画像の送信は、常時行われていてもよく、この場合、ステップS17のような撮影開始の指令は行われなくてもよい。後述の撮影停止の指令についても同様である。
【0055】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によって動画像が取得されると、この動画像を記憶部23に記憶する(S20)。
【0056】
そして、上記所定期間中に、作業者がカードキーによって対象電気錠を開錠し、作業者が建物10内に入って作業を行うことにより、ユーザ15の所望のサービスが提供される(S21)。対象電気錠以外の電気錠30には、対象事業者の鍵情報が記憶されていないため、対象電気錠以外の電気錠30を対象事業者の鍵情報で開錠することはできない。
【0057】
ここで、作業者が建物10内で作業行っているであろう期間中(上記所定期間中)には、ステップS18の動画像の撮影、ステップS19の動画像の送信、及び、ステップS20の動画像の記憶が継続されている。よって第一サーバ装置20は、撮影中の動画像(作業者が映っている建物10内の動画像)を、ユーザ15の要求に応じてリアルタイムで第一携帯端末40に送信することができる(S22)。なお、本明細書中においてリアルタイムとは、厳密な意味ではなく、送信処理に必要な時間などを含めて実質的にリアルタイムであることを意味する。
【0058】
ユーザ15は、例えば、第一携帯端末40を操作して所定のアプリケーションプログラムを実行する(または、所定のWEBサイトにアクセスする)ことにより、撮影中の動画像を第一携帯端末40の表示部41を通じて視認することができる。
図10は、第一携帯端末40の表示部41に表示される動画像の一例を示す図である。
図10では、作業者が収納整理サービスを行っているときの動画像を示している。
【0059】
なお、第一サーバ装置20の情報処理部22は、記憶部23に記憶されたアクセス可能エリア情報、及び、マップ情報に基づいて、作業者が作業を行っているエリアに設置されたカメラ71によって撮影された動画像を選択的に第一携帯端末40へ送信させることができる。つまり、作業者が入ることのできないエリアに設置されたカメラ71によって撮影された動画像は、送信されなくてもよい。
【0060】
同様に、第一サーバ装置20は、撮影中の動画像を、対象事業者の従業員等の要求に応じてリアルタイムで第二携帯端末60に送信することができる(S24)。
【0061】
オペレータは、例えば、第二携帯端末60を操作して所定のアプリケーションプログラムを実行する(または、所定のWEBサイトにアクセスする)ことにより、撮影中の動画像を第二携帯端末60の表示部41を通じて視認することができる。
【0062】
次に、
図5に代えて
図6を参照しながら、サービスが提供された後のサービス提供システム100の動作について説明する。
【0063】
作業者は、作業が完了すると、玄関の扉に設けられた対象電気錠にカードキーを近づけることにより対象電気錠を施錠する(S24)。玄関の扉に設けられた対象電気錠は施錠されたことを第一サーバ装置20に通知する(S25)。
【0064】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、通知を受ける直前の一定期間に撮影された、玄関の扉を被写体として含む動画像を記憶部23から読み出し、当該動画像を対象とした画像認識処理により、作業者が建物10の外に出たか否かを判定する。情報処理部22は、作業者が建物10の外に出たと判定した場合(S26)、作業者の作業が終了したものとみなし、複数の電気錠30の全てを施錠するための施錠指令を行う(S27)。この処理は、ステップS16と同様である。
【0065】
また、情報処理部22は、撮影システム70に、動作中のカメラ71による動画像の撮影停止を指令する(S28)。情報処理部22は、具体的には、送信部25に撮影システム70へ指令を送信させる。撮影システム70の撮影制御部72は、通信部74によって指令が受信されると、動作中のカメラ71に撮影を停止させる(S29)。
【0066】
次に、情報処理部22は、送信部25に第一携帯端末40へ作業完了通知を送信させる(S30)。図示されないが、作業完了通知は、対象事業者の第二サーバ装置50にも送信される。つまり、作業完了通知は、ユーザ15と対象事業者の両方に行われる。
【0067】
その後、情報処理部22は、課金処理を行う(S31)。情報処理部22は、具体的には、管理情報(
図4)において、サービスの提供にかかった費用をユーザ15のユーザIDに対応付けられた請求金額に加算する。なお、サービスの利用料金は、定額制であってもよく、この場合、ステップS31の課金処理は省略される場合がある。
【0068】
なお、ステップS20で記憶された動画像(言い換えれば、録画された動画像)は、例えば、記憶された日から一定期間(例えば、30日間)の間は記憶部23に保存されている。この一定期間の間、ユーザ15は、第一携帯端末40を操作して所定のアプリケーションプログラムを実行する(または、所定のWEBサイトにアクセスする)ことにより、ステップS20で記憶された動画像(つまり、過去の動画像)の提供を受けることができる(S32)。同様に、上記一定期間の間、対象事業者の従業員等は、第二携帯端末60を操作して所定のアプリケーションプログラムを実行する(または、所定のWEBサイトにアクセスする)ことにより、過去の動画像の提供を受けることができる(S33)。
【0069】
以上説明したように、サービス提供システム100は、サービス提供事業者の作業者が開錠可能な電気錠30をサービスの内容に応じて制限する。このようなサービス提供システム100は、セキュリティ、及び、ユーザ15のプライバシーを配慮したサービスの提供を実現することができる。
【0070】
また、作業者が建物10内で作業をしている間、その様子は撮影システム70によって撮影される。撮影された動画像は、ユーザ15、及び、対象事業者の両方に提供される。これにより、ユーザ15は、建物10内で適切に作業が行われているかを確認することができる。つまり、サービス提供システム100は、建物10内のセキュリティの強化を支援することができる。
【0071】
また、対象事業者は、自身が派遣した作業者が建物10内で適切に作業を行っているかを確認することができる。つまり、サービス提供システム100は、対象事業者のサービスの品質の向上を支援することができる。
【0072】
また、撮影された動画像は、ユーザ15及び対象事業者間におけるトラブル発生を回避するための証拠としても有用である。例えば、作業者の作業後に建物10の内部で物品が破損または紛失していた場合、上記の動画像により、物品の破損または紛失が作業者によるものであるか否かが明確になる。
【0073】
[動作例2]
撮影システム70によって撮影された動画像は、例えば、ユーザ15が作業の内容をチェックするために使用されてもよい。
図11は、サービス提供システム100の動作例2のシーケンス図である。この場合、作業者は、自身の作業が完了したと判断した場合に、第三携帯端末80を操作することにより、第一サーバ装置20に作業の完了を通知する(S41)。
【0074】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によって第三携帯端末80から作業完了通知が取得されると、チェック依頼情報を送信部25に第一携帯端末40へ送信させる(S42)。情報処理部22は、記憶部23に記憶された動画像のうち作業の完了が通知された時点の画像(以下、作業が終わった後の建物10内の第一画像と記載される)を特定する。上記チェック依頼情報には、特定した第一画像を表示するための画像情報が含まれる。
【0075】
チェック依頼情報を受信した第一携帯端末40の表示部41には、チェック依頼画面が表示される(S43)。
図12は、チェック依頼画面の一例を示す図である。
【0076】
ユーザ15は、例えば、チェック依頼画面を通じて作業の完了を承認することができる。また、
図12では詳細は図示されないが、ユーザ15は、作業内容に満足できない場合には、作業のやり直しを依頼することもできる。このようなチェック結果(承認またはやり直し)を示す情報は、例えば、ユーザ15の第一携帯端末40への操作に基づいて、第一携帯端末40から第一サーバ装置20に送信される(S44)。具体的には、チェック結果を示す情報は、第一サーバ装置20の取得部24によって取得される。
【0077】
なお、チェック依頼画面においては、作業が終わった後の建物10内の第一画像だけでなく、作業が開始される前の建物10内の第二画像が表示されてもよい。情報処理部22は、例えば、記憶部23に記憶された動画像のうち上記所定期間の開始時点の画像などを第二画像として特定する。これにより、情報処理部22は、上記チェック依頼情報に、特定した第二画像の画像情報を含めることができる。この場合、送信部25は、第一画像、及び、第二画像を第一携帯端末40に送信することになる。
図13は、チェック依頼画面の別の一例を示す図であり、
図13のチェック依頼画面では、第一画像及び第二画像が同時に表示されている。
【0078】
図13のようなチェック依頼画面によれば、ユーザ15は、作業によってどのように建物10内の状態が変わったかを容易に把握することができる。
【0079】
なお、チェック依頼情報は、第一サーバ装置20から第二携帯端末60に送信されてもよい。つまり、チェック依頼情報は、第一サーバ装置20から第一携帯端末40及び第二携帯端末60の少なくとも一方の携帯端末に送信されればよい。
【0080】
チェック依頼情報は、第一サーバ装置20から第二携帯端末60に送信される場合、チェックを行うのは、ユーザ15ではなく対象事業者の従業員となる。つまり、チェック依頼情報が第一サーバ装置20から第二携帯端末60に送信される場合には、サービス提供システム100は、対象事業者のサービスの品質の向上を支援することができる。
【0081】
ところで、サービス提供システム100においては、撮影システム70で撮影された動画像に加えて、作業者が第三携帯端末80を用いて撮影した動画像(または静止画像)が第一サーバ装置20の記憶部23にアップロードされてもよい。この場合、第三携帯端末80によって撮影された動画像(または静止画像)がチェック依頼画面に表示されてもよい。
【0082】
例えば、ユーザ15の所望のサービスが調理サービスであるような場合、調理サービスにおいて調理された料理を、カメラ71の位置が固定されている撮影システム70によって精緻に撮影することは困難な場合がある。具体的には、カメラ71から料理までの距離が遠い場合などである。このような場合に、第三携帯端末80によって料理を当該料理の近くで撮影した画像が記憶部23にアップロードされれば、情報処理部22は、作業のチェックにより適した画像の画像情報をチェック依頼情報に含めることができる。
【0083】
[効果等]
以上説明したように、サービス提供システム100は、複数の電気錠30が設置された建物10においてユーザ15が提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得する取得部24と、取得されたサービス情報に基づいて、複数の電気錠30のうちの少なくとも一部の対象電気錠に、サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠するように指令する情報処理部22と、対象事業者から派遣された作業者が対象電気錠を開錠して建物10内に入ってサービスを提供するための作業を行っているときの建物10内の画像を、ユーザ15の第一携帯端末40、及び、対象事業者の第二携帯端末60に送信する送信部25とを備える。サービス提供システム100は、画像配信システムの一例であり、第一携帯端末40は、第一情報端末の一例であり、第二携帯端末60は、第二情報端末の一例である。画像は、動画像であってもよいし静止画像であってもよい。
【0084】
このようなサービス提供システム100は、作業者が作業中の画像をユーザ15及び対象事業者に送信することで、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる。また、サービス提供システム100は、セキュリティを強化することで、建物10内に見ず知らずの作業者が入ることに対するユーザ15の不安を低減することができる。したがって、サービス提供システム100は、建物10にユーザ15が不在の状態で建物10に作業者を派遣してするサービスの普及に寄与することができる。
【0085】
また、例えば、送信部25は、画像を、第一携帯端末40、及び、第二携帯端末60にリアルタイムに送信する。
【0086】
このようなサービス提供システム100は、作業者が作業中の画像をユーザ15及び対象事業者にリアルタイムに送信することで、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる。
【0087】
また、例えば、サービス提供システム100は、さらに、画像が記憶される記憶部23を備える。送信部25は、記憶部23に記憶された過去の画像を第一携帯端末40または第二携帯端末60に送信する。
【0088】
このようなサービス提供システム100は、作業者が作業中の画像であって過去に撮影された画像をユーザ15及び対象事業者に送信することで、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる。また、撮影された過去の画像は、ユーザ15及び対象事業者間におけるトラブル発生を回避するための証拠として活用できる。
【0089】
また、例えば、送信部25は、さらに、作業が終わった後の建物10内の第一画像を第一携帯端末40、及び、第二携帯端末60の少なくとも一方の携帯端末に送信する。取得部24は、さらに、第一画像を送信した後、少なくとも一方の携帯端末から作業のチェック結果を示す情報を取得する。
【0090】
このようなサービス提供システム100は、作業が終わった後の画像を作業のチェックに利用することができる。
【0091】
また、例えば、送信部25は、さらに、作業が終わった後の建物10内の第一画像、及び、作業が開始される前の建物10内の第二画像を第一携帯端末40、及び、第二携帯端末60の少なくとも一方の携帯端末に送信し、第一画像及び第二画像を受信した少なくとも一方の携帯端末の表示部(表示部41または表示部61)には、第一画像及び第二画像が同時に表示される。
【0092】
このようなサービス提供システム100は、作業が前後の画像を同時に表示することにより、これらの画像を作業のチェックに利用することができる。
【0093】
また、サービス提供システム100などのコンピュータによって実行される画像配信方法は、複数の電気錠30が設置された建物10においてユーザ15が提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得し、取得されたサービス情報に基づいて、複数の電気錠30のうちの少なくとも一部の対象電気錠に、サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠するように指令し、対象事業者から派遣された作業者が対象電気錠を開錠して建物10内に入ってサービスを提供するための作業を行っているときの建物10内の画像を、ユーザの第一携帯端末40、及び、対象事業者の第二携帯端末60に送信する。
【0094】
このような画像配信方法は、作業者が作業中の画像をユーザ15及び対象事業者に送信することで、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる。
【0095】
また、建物10は、複数の電気錠30と、撮影システム70とを備える。複数の電気錠30の少なくとも一部である対象電気錠は、ユーザ15が情報端末(例えば、第一携帯端末40)を操作することにより建物10において提供を受けたいサービスを指定したことに応じて第一サーバ装置20から送信される指令に基づいて、サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠する。撮影システム70は、対象事業者から派遣された作業者が対象電気錠を開錠して建物10内に入ってサービスを提供するための作業を行っているときの建物10内の画像を撮影する。
【0096】
このような建物10は、作業者が作業中の画像を撮影することで、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる。
【0097】
また、撮影システム70は、複数の電気錠30が設けられた建物10に設置される撮影システムである。複数の電気錠30の少なくとも一部である対象電気錠は、ユーザ15が情報端末(例えば、第一携帯端末40)を操作することにより建物10において提供を受けたいサービスを指定したことに応じて第一サーバ装置20から送信される指令に基づいて、サービスを提供する対象事業者の鍵情報が得られたときに開錠する。撮影システム70は、複数のカメラ71と、対象事業者から派遣された作業者が対象電気錠を開錠して建物10内に入ってサービスを提供するための作業を行っているときの建物10内の画像を、複数のカメラ71の少なくとも一部に撮影させる撮影制御部72とを備える。
【0098】
このような撮影システム70は、作業者が作業中の画像を撮影することで、セキュリティが強化されたサービスの提供を実現することができる。
【0099】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施の形態では、建物は戸建住宅であるとして説明されたが、建物は集合住宅であってもよいし、住宅以外の建物であってもよい。また、上記実施の形態では、建物におけるサービスはユーザが不在であるときに提供されると説明されたが、サービスは、ユーザが建物内にいるときに提供されてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、電気錠は、あらかじめサービス提供事業者(対象事業者)に配布されたカードキーによって開錠または施錠された。しかしながら、電気錠の開錠または施錠には、作業者の生体情報(指紋など)が用いられてもよい、あらかじめ第一サーバ装置の記憶部に生体情報が鍵情報として記憶されていれば、生体情報による電気錠の開錠または施錠を実現することができる。
【0102】
また、鍵情報は、サービス情報が取得される前にあらかじめ配布される必要はない。例えば、第一サーバ装置によって、サービス情報が取得されるごとに第二携帯端末に一時的なトークンが配信されることにより、トークンが記憶された第二携帯端末がカードキー代わりに使用されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態で携帯端末を使用して行われる処理は、携帯端末に代えてパーソナルコンピュータまたはサーバ装置などの据え置き型の情報端末を使用して行われてもよい。
【0104】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、サービス提供システムは、建物に設置されるホームコントローラなどの制御装置を備え、第一サーバ装置によって行われる情報処理の一部または全部が、この制御装置によって行われてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0106】
また、上記実施の形態のシーケンス図で説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0108】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0109】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、撮影システムとして実現されてもよい。本発明は、画像配信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態において、サービス提供システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、サービス提供システムは、第一サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。また、サービス提供システムが複数の装置によって実現される場合、サービス提供システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0111】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
10 建物
15 ユーザ
20 第一サーバ装置
22 情報処理部
23 記憶部
24 取得部
25 送信部
30 電気錠
40 第一携帯端末(第一情報端末)
41、61 表示部
60 第二携帯端末(第二情報端末)
70 撮影システム
71 カメラ
72 撮影制御部
80 第三携帯端末
100 サービス提供システム(画像配信システム)