IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図1
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図2
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図3
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図4
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図5
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図6
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図7
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図8
  • 特許-トイレ用リモートコントローラー 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】トイレ用リモートコントローラー
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20231110BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
E03D9/08 A
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019188357
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021063373
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 龍平
(72)【発明者】
【氏名】赤▲崎▼ 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】水野 宣靖
(72)【発明者】
【氏名】中川 恵子
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-22598(JP,A)
【文献】特開2012-205209(JP,A)
【文献】特開2011-84867(JP,A)
【文献】特開2012-195166(JP,A)
【文献】特開2018-71060(JP,A)
【文献】特開2019-62325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ装置の操作を行うための操作部を有するリモコン本体と、
前記リモコン本体の姿勢を検出する姿勢検出センサと、
前記リモコン本体が第1の姿勢である場合に、前記操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信し、前記リモコン本体が前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢である場合に、前記操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信しない制御部と、
を備え
前記操作部は、前記リモコン本体を前記第1の姿勢にして操作可能な第1操作部であり、
前記リモコン本体は、前記リモコン本体を前記第2の姿勢にして操作可能な第2操作部を備え、
前記制御部は、前記リモコン本体がどのような姿勢であっても前記第2操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信するトイレ用リモートコントローラー。
【請求項2】
前記第1操作部は、静電スイッチを有している請求項1に記載のトイレ用リモートコントローラー。
【請求項3】
前記第2操作部は、押し式スイッチを有している請求項1から請求項2までの何れか一項に記載のトイレ用リモートコントローラー。
【請求項4】
前記リモコン本体は、縦方向に細長く伸びた形状であり、
前記第1操作部を備える前記リモコン本体の表面は、前記表面を正面から見た状態において前記リモコン本体の横方向が左右方向、前記リモコン本体の縦方向が前記左右方向と直角に交わる方向で使用される請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のトイレ用リモートコントローラー。
【請求項5】
前記リモコン本体は、縦方向に細長く伸びた形状であり、
前記第2の姿勢は、前記リモコン本体を正面から見た状態において前記リモコン本体の縦方向が左右方向、前記リモコン本体の横方向が前記左右方向と直角に交わる方向となる姿勢である請求項から請求項4までの何れか一項に記載のトイレ用リモートコントローラー。
【請求項6】
トイレ装置の操作を行うための操作部を有するリモコン本体と、
前記リモコン本体の姿勢を検出する姿勢検出センサと、
前記リモコン本体が第1の姿勢である場合に、前記操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信し、前記リモコン本体が前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢である場合に、前記操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信しない制御部と、
を備え、
前記リモコン本体は、前記トイレ装置の動作を停止するための停止操作部を有し、
前記制御部は、前記リモコン本体がどのような姿勢であっても前記停止操作部の停止信号を前記トイレ装置に送信するトイレ用リモートコントローラー。
【請求項7】
前記姿勢検出センサは、少なくとも2軸以上の姿勢を検出する請求項から請求項6までの何れか一項に記載のトイレ用リモートコントローラー。
【請求項8】
前記リモコン本体がホルダによって壁に固定された状態は、前記第1の姿勢である請求項から請求項7までの何れか一項に記載のトイレ用リモートコントローラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ用リモートコントローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ装置を遠隔操作するためのトイレ用リモートコントローラーが知られている。例えば下記特許文献1に記載されたトイレ用リモートコントローラーのリモコン本体には、操作部として円形のスイッチが設けられている。使用者が円形のスイッチの一部を押すと、その指示がリモコン本体からトイレ装置に送信される。リモコン本体は、トイレの壁面に取り付けた状態でも、使用者が手に持った状態でも使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-84867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなトイレ用リモートコントローラーでは、例えば使用者がリモコン本体を把持して持ち運んでいる最中に誤ってスイッチを押してしまうことがある。このため、トイレ装置に意図しない操作信号が送信される虞があった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、意図しない操作信号が送信されることを防ぐことができるトイレ用リモートコントローラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のトイレ用リモートコントローラーは、トイレ装置の操作を行うための操作部を有するリモコン本体と、前記リモコン本体の姿勢を検出する姿勢検出センサと、前記リモコン本体が第1の姿勢である場合に、前記操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信し、前記リモコン本体が前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢である場合に、前記操作部の操作信号を前記トイレ装置に送信しない制御部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1におけるトイレ用リモートコントローラーであって、トイレ室内に取り付けられた状態を示す斜視図
図2】アダプターをリモコン本体から取り外した状態を示す斜視図
図3】リモコン本体を示す分解斜視図
図4】リモコン本体を示す正面図
図5】リモコン本体を示す背面図
図6】リモコン本体の縦方向の傾き角度を示す図
図7】リモコン本体の横方向の傾き角度を示す図であって、第1操作部を操作する様子を示す図
図8】リモコン本体の横方向の傾き角度を示す図であって、第2操作部を操作する様子を示す図
図9】実施形態2におけるトイレ用リモートコントローラーであって、リモコン本体をホルダから取り外した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
トイレ用リモートコントローラー(リモコンRと称する)は、トイレ装置Mに備えられている機能機器に、無線によって操作信号を送信する。リモコンRは、リモコン本体10を有している。リモコン本体10は、トイレ室内の取付面Wに取り付けられた状態、及び取付面Wから取り外された状態のどちらの状態でも使用できる。以下、各構成部材において、トイレ室内に取り付けられた状態におけるリモコン本体10の上側(図1の上側)を上方、下側を下方として説明する。
【0009】
リモコン本体10の裏面には、アダプター50やホルダが嵌合する凹部11が設けられている(図2参照)。アダプター50やホルダは、リモコン本体10とは別体の部材として製造される。
【0010】
アダプター50は、磁石51を備えている。アダプター50は、リモコン本体10の裏面に接着等によって固定される。アダプター付きのリモコン本体10は、強磁性板を有する取付面Wに着脱自在である。アダプター50には、後述する第2操作部13S及び表示部14を露出させる開口部52が形成されている。これによって、アダプター付きのリモコン本体10においても第2操作部13Sの操作を支障なく行うことができる。
【0011】
リモコン本体10の表面及び裏面は、略長方形をなしている。リモコン本体10は、幅寸法よりも長さ寸法が大きい縦長の形状である。幅寸法は、細長く縦方向に伸びている表面及び裏面の横方向の長さ寸法である。長さ寸法は、細長く縦方向に伸びている表面及び裏面の縦方向の長さ寸法である。幅寸法は、図4では左右方向の寸法である。長さ寸法は、図4では上下方向の寸法である。リモコン本体10は、トイレ装置Mの操作を行うための第1操作部13F、第2操作部13S及び表示部14を備えている。
【0012】
第1操作部13Fは、リモコン本体10の表面に設けられている(図4参照)。第1操作部13Fは、比較的頻度の高い操作を行うための操作部である。第1操作部13Fを操作することによって機能機器が行う動作は、例えば便器洗浄、局部洗浄、便座便蓋の開閉、温風乾燥、洗浄強さの調整、ノズル位置の調整、及び各種温度の調整である。第1操作部13Fは、トイレ装置Mの動作を停止するための停止操作部74を有している(図4参照)。
【0013】
第1操作部13Fは、リモコン本体10の長さ方向を縦にし、幅方向を横にした縦長の姿勢にして操作される。縦長の姿勢は、第1の姿勢に対応する。第1操作部13Fは、リモコン本体10の長手方向の中央領域に設けられている。第1操作部13Fは、リモコン本体10を片手で持って親指で操作できる。
【0014】
第1操作部13Fは、上記の動作を行う機能機器に操作信号を送信するための複数の第1操作スイッチ15Fを有する。第1操作スイッチ15Fは、使用者が所望の第1操作スイッチ15Fに指が接触したことを検知する静電スイッチである。リモコン本体10を縦長の姿勢にした状態において、第1操作スイッチ15Fが指の接触を検知すると、接触された第1操作スイッチ15Fに対応した操作信号がトイレ装置Mに送信される。
【0015】
第2操作部13S及び表示部14は、リモコン本体10の裏面に設けられている(図5参照)。第2操作部13Sは、リモコン本体10を、長さ方向を横にし、幅方向を縦にした横長の姿勢にして操作できる。横長の姿勢は、第2の姿勢に対応する。第2操作部13Sは、リモコン本体10を両手で持って操作される。
【0016】
第2操作部13Sは、第1操作部13Fよりも頻度の低い操作を行うための操作部である。第2操作部13Sを操作することによって機能機器が行う動作は、節電や自動洗浄等のON,OFF設定、時刻の設定等の各種設定と、リモコン本体10の電源のON,OFFである。
【0017】
第2操作部13Sは、上記の動作を行う機能機器に操作信号を送信するための複数の第2操作スイッチ15Sを有する。第2操作スイッチ15Sは、使用者が所望の第2操作スイッチ15Sを押し込むことによって作動する押し式スイッチである。
【0018】
表示部14は、第2操作部13Sによって設定された設定状態などを表示する。
【0019】
リモコン本体10は、図3に示すように、内部に電気部品を収容するケース16を備えている。ケース16は、合成樹脂製(例えばABS樹脂)である。ケース16は、リモコン本体10の表面を構成する第1ケース16Fと、リモコン本体10の裏面を構成する第2ケース16Sとを有している。第1ケース16Fと第2ケース16Sとは、ネジS1によって固定される。
【0020】
第1ケース16Fの表面には、透光性を有するカバー17が取り付けられる。カバー17は、両面テープT1によって第1ケース16Fに貼り付けられる。カバー17は透明である。カバー17の裏面には、第1操作スイッチ15Fの位置と操作対象の機能を示すピクトグラム23Fが印刷されている。ピクトグラム23Fは、カバー17の表側に透けて見える。
【0021】
第2ケース16Sは、表示部14を構成する保護パネル18を有している。第2ケース16Sは、電池などのバッテリBを収納するバッテリ収納部19を有している。バッテリ収納部19には、バッテリカバー21が着脱自在である。第2ケース16Sの裏面には、両面テープT2によって銘板22が貼り付けられている。銘板22には、第2操作スイッチ15Sを構成する複数のボタン23Sが設けられている。
【0022】
ケース16の内部には、静電基板24、フレーム25、回路基板26、液晶ディスプレイ27、ラバーシート28が収容されている。静電基板24、フレーム25、回路基板26、液晶ディスプレイ27は、表裏方向に重なっている。静電基板24は、静電スイッチを構成する。フレーム25は絶縁性を有している。
【0023】
回路基板26は、ネジS2によって第2ケース16Sに固定される。回路基板26は、ネジによって第2ケース16Sに固定される。液晶ディスプレイ27は表示部14を構成する。
【0024】
ラバーシート28は、第2操作部13Sと対応する位置に配置されている。ラバーシート28は、シリコンゴム等の弾性を有する材料によって形成されている。ラバーシート28は、第2操作部13Sのボタン23Sを押し操作することによって弾性変形する。これによって、第2操作部13Sの押し操作を使用者に触覚的に知らせる。
【0025】
回路基板26には、演算装置と制御装置等を備えたCPU30が実装されている。CPU30は、トイレ装置Mに操作信号を送信する制御部に相当する。回路基板26には、振動モータ29が電気的に接続されている。振動モータ29は、第1操作部13Fの操作によってリモコン本体10に振動を発生させる。振動モータ29は、第2ケース16Sに設けられたモータ収容部32に収容されている。
【0026】
回路基板26には、加速度センサ31が実装されている。加速度センサ31は、リモコン本体10の三次元方向の姿勢を検知する。加速度センサ31は、姿勢検出センサに対応する。
【0027】
CPU30は、加速度センサ31によって検知されたリモコン本体10の姿勢が、第1の姿勢であるか、第2の姿勢であるかを判定する。
【0028】
CPU30は、リモコン本体10の姿勢が第1の姿勢であるか第2の姿勢であるかを、リモコン本体10の傾き角度によって判定する。CPU30は、リモコン本体10の傾き角度が所定の傾き角度の範囲内である場合を第1の姿勢であると判定する。CPU30は、リモコン本体10の傾き角度が所定の傾き角度の範囲外である場合を、第2の姿勢であると判定する。
【0029】
リモコン本体10の傾き角度の範囲は、直交する2つの軸について設定する。2つの軸は、リモコン本体10の幅方向に延びる横軸71と(図7参照)、リモコン本体10の長手方向に延びる縦軸72である(図6参照)。縦軸72は、リモコン本体10の第1操作部13Fを正面から見たときに、第1操作部13Fの図柄が正しく上下方向に配置される姿勢の上方が正方向、下方が負方向となる軸である。横軸71は、リモコン本体10の第1操作部13Fを正面から見たときに、第1操作部13Fの図柄が正しく上下方向に配置される姿勢の左方が正方向、右方が負方向となる軸である。
【0030】
リモコン本体10の傾き角度は、横軸71を中心とする縦方向の傾き角度と、縦軸72を中心とする横方向の傾き角度とについて設定する。縦方向の傾きは、リモコン本体10の長手方向の傾きに対応する。横方向の傾きは、リモコン本体10の幅方向の傾きに対応する。
【0031】
縦方向の傾き角度は、図6に示すように、縦軸72が水平に延びた水平状態から、縦軸72が立つ方向の傾き角度θ1、及び縦軸72が水平に延びた水平状態から縦軸72が下がる方向の傾き角度θ2である。縦軸72が立つ方向は、縦軸72の正方向が鉛直方向の上向きになる方向である。縦軸72が下がる方向は、縦軸72の正方向が鉛直方向の下向きになる方向である。
【0032】
水平状態においてリモコン本体10の表面は上向きである。水平状態においてリモコン本体10の裏面は下向きである。水平状態の縦軸72の正方向は、使用者から水平方向に離れる方向である。リモコン本体10の水平状態に対する最大の傾き角度θ1,θ2の設定は、使用者がリモコン本体10を操作するときのリモコン本体10の角度のばらつきを考慮して行う。θ1は100度、θ2は90度程度が好ましい。θ1及びθ2は、あわせて180度以上となるように設定している。
【0033】
横方向の傾き角度は、図7に示すように、横軸71が水平に延びた水平状態から、横軸71が立つ方向の傾き角度θ3、及び横軸71が水平に延びた水平状態から横軸71が下がる方向の傾き角度θ4である。横軸71が立つ方向の傾きは、横軸71の正方向が上向きになる傾きである。横軸71が下がる方向の傾きは、横軸71の正方向が下向きになる傾きである。
【0034】
水平状態においてリモコン本体10の表面は上向きである。水平状態においてリモコン本体10の裏面は下向きである。リモコン本体10の水平状態に対する最大の傾き角度θ3,θ4の設定は、使用者がリモコン本体10を操作するときのリモコン本体10の角度のばらつきを考慮して行う。θ3,θ4は60度程度が好ましい。
【0035】
リモコン本体10の横方向の傾き角度が所定の傾き角度の範囲内である場合、図7に示すように、リモコン本体10の水平状態では、リモコン本体10の表面に対する垂線73は鉛直上向きに延びる。リモコン本体10が横方向に傾くことによって、垂線73はθ3及びθ4の角度範囲内で鉛直方向に対して斜めに傾く。
【0036】
CPU30は、リモコン本体10の縦方向の傾き角度及び横方向の傾き角度が上述した角度範囲内である場合、リモコン本体10の姿勢を第1の姿勢であると判定する。CPU30は、リモコン本体10の縦方向の傾き角度及び横方向の傾き角度が上述した角度範囲外である場合、リモコン本体10の姿勢を第2の姿勢であると判定する。
【0037】
リモコン本体10の横方向の傾き角度が上述した所定の傾き角度の範囲外である場合、図8に示すように、水平状態においてリモコン本体10の裏面は上向きになる。この水平状態において横軸71の正方向は、リモコン本体10の横方向の傾き角度が上述した所定の傾き角度範囲内である場合と比べて逆向きになる。リモコン本体10の表面の垂線73は鉛直方向の下向きに延びる。リモコン本体10の表面の垂線73は、鉛直方向に対して斜めに傾く。
【0038】
CPU30は、リモコン本体10が第2の姿勢であると判定した場合、第1操作部13Fの操作信号をトイレ装置Mに送信しない。これによって、図8に示すように、第2操作部13Sを操作している間、使用者の手指が意図せず第1操作部13Fの操作スイッチに触れても第1操作部13Fの操作信号はトイレ装置Mに送信されないから、使用者が意図しない誤操作を行うことを防止できる。CPU30は、リモコン本体10がどのような姿勢であっても、複数の第1操作スイッチ15Fに同時に接触があった場合には、第1操作部13Fの操作信号をトイレ装置Mに送信しない。
【0039】
CPU30は、リモコン本体10がどのような姿勢であっても第2操作部13Sの操作信号をトイレ装置Mに送信する。CPU30は、リモコン本体10がどのような姿勢であっても停止操作部74の停止信号をトイレ装置Mに送信する。
【0040】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0041】
リモコンRは、リモコン本体10と、加速度センサ31と、回路基板26と、を備えている。リモコン本体10は、トイレ装置Mの操作を行うための第1操作部13Fを有する。加速度センサ31は、リモコン本体10の少なくとも2軸の方向における姿勢を検出する。回路基板26のCPU30は、リモコン本体10が所定の姿勢である場合に、第1操作部13Fの操作信号をトイレ装置Mに送信し、リモコン本体10が所定の姿勢でない場合に、第1操作部13Fの操作信号をトイレ装置Mに送信しない。この構成によれば、リモコン本体10が所定の姿勢でない場合は、第1操作部13Fが操作されたとしてもトイレ装置Mに操作信号が送信されないから、意図しない操作信号が送信されることを防ぐことができる。
【0042】
第1操作部13Fは、リモコン本体10を第1の姿勢にして操作する操作部である。リモコン本体10は、リモコン本体10を第1の姿勢とは異なる第2の姿勢にして操作する第2操作部13Sを備えている。CPU30は、リモコン本体10の姿勢を第1の姿勢であると判定した場合に、第1操作部13Fの操作信号をトイレ装置Mに送信し、リモコン本体10の姿勢を第2の姿勢であると判定した場合に、第1操作部13Fの操作信号をトイレ装置Mに送信しない。この構成によれば、第2操作部13Sを操作する場合に、誤って第1操作部13Fが操作されても第1操作部13Fの操作信号はトイレ装置Mに送信されないから、意図しない操作を防ぐことができる。
【0043】
第1操作部13Fは、静電スイッチを有している。第2操作部13Sは、押し式スイッチを有している。回路基板26は、リモコン本体10がどのような姿勢であっても第2操作部13Sの操作信号をトイレ装置Mに送信する。この構成によれば、第2操作部13Sについては、リモコン本体10の姿勢によって操作信号の送信を制御する機構を有さなくてよい。
【0044】
リモコン本体10は、幅寸法よりも長さ寸法が大きい形状である。第1の姿勢は、長さ方向を縦にし、幅方向を横にした姿勢である。この構成によれば、第1操作部13Fの操作は、リモコン本体10を片手で持って行いやすいから容易である。第2の姿勢は、長さ方向を横にし、幅方向を縦にした姿勢である。この構成によれば、第2操作部13Sの操作は、リモコン本体10を両手で持って行いやすいから、第1操作部13Fと第2操作部13Sとで操作の仕方を明確に区別できる。
【0045】
リモコン本体10は、トイレ装置Mの動作を停止するための停止操作部74を有している。回路基板26は、リモコン本体10がどのような姿勢であっても停止操作部74の停止信号をトイレ装置Mに送信する。この構成によれば、リモコン本体10がどのような姿勢であってもトイレ装置Mの動作を停止できる。
【0046】
<実施形態2>
実施形態2のリモコンRのリモコン本体10は、任意の固定手段によって取付面Wに固定されたホルダ80に保持される。リモコン本体10に内蔵された磁石12は、ホルダ80に備えられた磁石81と引き合う。リモコン本体10は、裏面の凹部11をホルダ80に嵌合すると、磁気吸引力によってホルダ80に保持される。
【0047】
取付面Wが強磁性を有しない場合、ホルダ80はボルト(図示省略)等によって取付面59に固定することができる。ホルダ80は、リモコン本体10が縦姿勢となるように取付面Wに固定される。リモコン本体10が取付面Wに固定された状態は、第1の姿勢である。リモコン本体10は、取付面Wに固定されたまま、第1操作部13の操作を行うことができる。
【0048】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、リモコン本体10がどのような姿勢であっても第2操作部13Sの操作信号はトイレ装置Mに送信される。これに限らず、リモコン本体が第2の姿勢である場合に、第2操作部の操作信号をトイレ装置に送信し、リモコン本体が第2の姿勢でない場合に、第2操作部の操作信号をトイレ装置に送信しないようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、姿勢検出センサとして加速度センサ31を用いている。これに限らず、姿勢検出センサは例えばジャイロセンサであってもよい。
(3)上記実施形態では、所定の傾き角度θ1、θ2、θ3及びθ4の好ましい数値を例示した。これに限らず、所定の傾き角度は、リモコン本体の形状や大きさ等によって変更できる。
(4)上記実施形態では、第1の姿勢は縦長の姿勢、第2の姿勢は横長の姿勢である。これに限らず、第1の姿勢及び第2の姿勢は変更できる。例えば第1の姿勢及び第2の姿勢はどちらも縦長の姿勢であってよい。この場合、第1の姿勢と第2の姿勢とでリモコン本体の上下を逆にしてもよいし、表裏を逆にしてもよい。
(5)上記実施形態では、リモコン本体10の表面に第1操作部13F、リモコン本体10の裏面に第2操作部13Sが設けられている。これに限らず、例えばリモコン本体の表面に第1操作部と第2操作部とを設け、第1操作部を操作する姿勢を縦向き、第2操作部を操作する姿勢を横向きとしてもよい。
(6)上記実施形態では、CPU30は、リモコン本体10がどのような姿勢であっても停止操作部74の停止信号をトイレ装置Mに送信する。これに限らず、回路基板は、リモコン本体の姿勢によって停止信号を送信するか否か制御してもよい。
(7)上記実施形態では、リモコン本体10の表面に静電スイッチが設けられている。これに限らず、リモコン本体の表面には、静電スイッチのみならず押し式スイッチを備えてもよい。
(8)上記実施形態では、リモコン本体10の表面に静電スイッチが設けられ、リモコン本体10の裏面に押し式スイッチが設けられている。これに限らず、リモコン本体の表裏両面に、静電スイッチのみを備えてもよいし、押し式スイッチのみを備えてもよい。
【符号の説明】
【0049】
M…トイレ装置、R…リモコン(トイレ用リモートコントローラー)、10…リモコン本体、13F…第1操作部、13S…第2操作部、15F…第1操作スイッチ(静電スイッチ)、15S…第2操作スイッチ(押し式スイッチ)、30…CPU(制御部)、31…加速度センサ(姿勢検出センサ)、74…停止操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9