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特許7382786ヒーターホースユニット及びそれを備えた現場吹き付け型発泡機ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】ヒーターホースユニット及びそれを備えた現場吹き付け型発泡機ユニット
(51)【国際特許分類】
   B05B 15/00 20180101AFI20231110BHJP
   F16L 53/38 20180101ALI20231110BHJP
   H05B 3/58 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
B05B15/00
F16L53/38
H05B3/58
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019191333
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2021065815
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078190
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 三千雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115174
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 正博
(72)【発明者】
【氏名】関 浩之
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0022684(US,A1)
【文献】特開2000-102751(JP,A)
【文献】特開2005-200484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 12/16-12/36;
14/00-16/80
F16L 51/00-55/48
H05B 3/02- 3/18;
3/40- 3/82
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場吹付け型発泡機とスプレーガンとの間に介在せしめられ、かかる現場吹付け型発泡機より圧送される二種の液状原料をスプレーガンに供給するヒーターホースユニットにして、
前記現場吹き付け型発泡機に接続される側から前記スプレーガンに接続される側に向かって、1)二本のヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)と、2)第一の連結ユニット(18)と、3)二本のヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)と、4)第二の連結ユニット(26)とが連結されて、構成されており、
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)、c1(12b)、c2(12d)は、各々、通電によって発熱し、内部を流れる流体を加熱するための発熱部を備えたホース本体部(14a、14b、14c、14d)を有しており、
前記第一の連結ユニット(18)を介して、前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)と前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)とが連結され、前記ヒーター内蔵ホースa2(12c)と前記ヒーター内蔵ホースc2(12d)とが連結されている一方、該第一の連結ユニット(18)において、連結された前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、c1(12b)連結された前記ヒーター内蔵ホースa2(12c)、c2(12d)とは電気的に絶縁されており、
前記ヒーターホースc1(12b)、c2(12d)は、各々、前記第二の連結ユニット(26)に接続されている一方、該第二の連結ユニット(26)において、前記ヒーターホースc1(12b)、c2(12d)と前記スプレーガンとは電気的に絶縁されており、
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)の発熱部と前記ヒーター内蔵ホースa2(12c)の発熱部は、それらホースにおける前記第一の連結ユニット(18)側の端部において電気的に接続されており、
前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)の発熱部と前記ヒーター内蔵ホースc2(12d)の発熱部は、それらホースにおける前記第二の連結ユニット(26)側の端部において電気的に接続されている、
ことを特徴とするヒーターホースユニット。
【請求項2】
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)は、何れも、前記ホース本体部の長手方向における少なくとも一方の端部に、該ホース本体部の発熱部と電気的に接続された導電性接触部を有する管継手部材(16)が組み付けられており、
前記第一の連結ユニット(18)は、前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)の前記管継手部材(16)が並列して連結される連結部材(24)を有し、該連結部材(24)にて、それら各ホースの管継手部材(16)における前記導電性接触部が電気的に接続されている請求項1に記載のヒーターホースユニット。
【請求項3】
前記第一の連結ユニット(18)は、前記連結部材(24)における前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)が連結される側とは反対側の端部に、二本の絶縁ホースb1(22a)、b2(22b)が並列して組み付けられて構成されている請求項2に記載のヒーターホースユニット。
【請求項4】
前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)は、何れも、前記ホース本体部の長手方向における少なくとも一方の端部に、該ホース本体部の発熱部と電気的に接続された導電性接触部を有する管継手部材(16)が組み付けられており、
前記第二の連結ユニット(26)は、前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)の前記管継手部材(16)が並列して連結される連結部材(32)を有し、該連結部材(32)にて、それら各ホースの管継手部材(16)における前記導電性接触部が電気的に接続されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のヒーターホースユニット。
【請求項5】
前記第二の連結ユニット(26)は、前記連結部材(32)における前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)が連結される側とは反対側の端部に、二本の絶縁ホースd1(30a)、d2(30b)が並列して組み付けられて構成されている請求項4に記載のヒーターホースユニット。
【請求項6】
前記ヒーターホースa1(12a)、a2(12c)が並列に配置されており、及び/又は前記ヒーターホースc1(12b)、c2(12d)が並列に配置されている請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のヒーターホースユニット。
【請求項7】
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)のうちの何れか一方、及び/又は前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)のうちの何れか一方に、温度センサが配設されている請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のヒーターホースユニット。
【請求項8】
少なくとも一部がホースリールに巻回せしめられている請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のヒーターホースユニット。
【請求項9】
前記第二の連結ユニット(26)にスプレーガンが連結されてなる請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のヒーターホースユニット。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のヒーターホースユニットを備えた現場吹付け型発泡機からなる現場吹付け型発泡機ユニット。
【請求項11】
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)に対する電力の供給、及び前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)に対する電力の供給が、各々、異なる電源より実施される請求項10に記載の現場吹付け型発泡機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターホースユニット及びそれを備えた現場吹き付け型発泡機に係り、特に、ポリウレタンフォームの現場発泡を実施する際に好適に用いられるヒーターホースユニット、及び、それを備えた現場吹き付け型発泡機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築現場等の施工現場において、ポリオールとポリイソシアネートとの液状混合物を被着体に対して吹き付け、被着体表面にて発泡、硬化させることによりポリウレタンフォームを形成する装置として、様々なものが知られている(例えば、特許文献1に記載されているポリウレタンフォームの製造装置)。
【0003】
そのような、施工現場で用いられる製造装置(以下、単に発泡機という)において、一般に、発泡機で加熱された二種の液状原料は、ホース等の輸送管を通じてスプレーガンに圧送されるところ、ホース中の移動の際に液状原料の液温が低下することを防止すべく、発泡機とスプレーガンとを接続するホースとしては、一般にヒーター内蔵ホースが採用されている(特許文献1の図4を参照)。
【0004】
ここで、ヒーター内蔵ホースとしては、通電によって発熱し、ホース内を流れる流体を加熱する発熱部を備え、長手方向の一方の端部には接続具が、また他方の端部には接続金具が各々、組み付けられており、上記発熱部を通電するためのリード線が上記一方の端部側において延出している一方で、他方の端部においては、発熱部と接続金具とが電気的に接続せしめられてなる構造を呈するものが、従来より広く知られている。
【0005】
上述の如き構造のヒーター内蔵ホースを発泡機において用いるに当たり、その加熱方法としては、以下の二通りの手法がある。
【0006】
第一の手法(以下、単独温調という)においては、二本のヒーター内蔵ホースの各々が、外部電源に接続するためのリード線が延出している側の端部において、発泡機に組み付けられる一方、他方の端部に配設されている接続金具同士は電気的に接続され、且つ、スプレーガンに組み付けられる。かかる構成において、二本のヒーター内蔵ホースは電気的に接続されているところから、一のヒーター内蔵ホースより延びるリード線と他の一のヒーター内蔵ホースより延びるリード線とを外部電源に接続することにより、二本のヒーター内蔵ホースが加熱され、各ホースの内部を流れる液状原料も加熱されることとなる。
【0007】
しかしながら、上述した単独温調では、スプレーガン側のホースが比較的軽量となり、施工者の作業性が向上するという利点があるものの、細かい温度調節を行なうことが出来ないという問題点がある。
【0008】
一方、第二の手法(以下、個別温調という)においては、二本のヒーター内蔵ホースの各々が、外部電源に接続するためのリード線が延出している側の端部において、発泡機に組み付けられる一方、他方の端部に配設されている接続金具の各々には、外部電源と接続するための配線が施され、かかる状態においてスプレーガンに組み付けられる。即ち、個別温調において、二本のヒーター内蔵ホースは、それぞれが別個の外部電源に接続され、加熱されることとなる。
【0009】
しかしながら、上述した個別温調では、二本のヒーターホースについて、それぞれ個別に温度調節が可能ならしめられるという利点があるものの、スプレーガンの近傍に、外部電源に接続するための配線が配置されているため、ホース全体(特にスプレーガン近傍のホース)の重量が過大となり、施工者の作業性を悪化させる要因となる。また、この個別温調では、施工作業に伴う動きが比較的多いスプレーガン近傍のホースに、外部電源に接続するための配線が施されているところから、その配線が断線し易いという問題もある。
【0010】
また、ヒーター内蔵ホースをリールホースに巻回した状態で、ヒーター内蔵ホースに通電しながら吹付け作業を実施すると、リールホースに巻回されたヒーター内蔵ホースは過剰に加熱するところ、上述した単独温調及び個別温調の何れにおいても、そのような過剰な加熱を制御することは非常に困難であり、また、ホースに対する過剰な加熱は、ホースの劣化を促進させるという問題も、存在しているのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2005-200484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、現場吹付け型発泡機に取り付けられる側の部位における温度調節と、スプレーガンに取り付けられる側の部位における温度調節とを、別個に行うことが出来るヒーターホースユニットを提供することにある。また、本発明は、そのようなヒーターホスユニットを備えた現場吹付け型発泡機を提供することも、その解決課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書の記載から把握され得る発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0014】
(1) 現場吹付け型発泡機とスプレーガンとの間に介在せしめられ、かかる現場吹付け 型発泡機より圧送される二種の液状原料をスプレーガンに供給するヒーターホース ユニットにして、
前記現場吹き付け型発泡機に接続される側から前記スプレーガンに接続される側 に向かって、1)二本のヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)と、 2)第一の連結ユニット(18)と、3)二本のヒーター内蔵ホースc1(12b 、c2(12d)と、4)第二の連結ユニット(26)とが連結されて、構成さ れており、
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)、c1(12b)、c 2(12d)は、各々、通電によって発熱し、内部を流れる流体を加熱するための 発熱部を備えたホース本体部(14a、14b、14c、14d)を有しており、
前記第一の連結ユニット(18)を介して、前記ヒーター内蔵ホースa1(12 a)と前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)とが連結され、前記ヒーター内蔵ホ ースa2(12c)と前記ヒーター内蔵ホースc2(12d)とが連結されている 一方、該第一の連結ユニット(18)において、連結された前記ヒーター内蔵ホー スa1(12a)、c1(12b)連結された前記ヒーター内蔵ホースa2
12c)、c2(12d)とは電気的に絶縁されており、
前記ヒーターホースc1(12b)、c2(12d)は、各々、前記第二の連結 ユニット(26)に接続されている一方、該第二の連結ユニット(26)において 、前記ヒーターホースc1(12b)、c2(12d)と前記スプレーガンとは電 気的に絶縁されており、
前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)の発熱部と前記ヒーター内蔵ホースa2 (12c)の発熱部は、それらホースにおける前記第一の連結ユニット(18)側 の端部において電気的に接続されており、
前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)の発熱部と前記ヒーター内蔵ホースc2 (12d)の発熱部は、それらホースにおける前記第二の連結ユニット(26)側 の端部において電気的に接続されている、
ことを特徴とするヒーターホースユニット。
(2) 前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)は、何れも、前記ホー ス本体部の長手方向における少なくとも一方の端部に、該ホース本体部の発熱部と 電気的に接続された導電性接触部を有する管継手部材(16)が組み付けられてお り、
前記第一の連結ユニット(18)は、前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、 a2(12c)の前記管継手部材(16)が並列して連結される連結部材(24) を有し、該連結部材(24)にて、それら各ホースの管継手部材(16)における 前記導電性接触部が電気的に接続されている前記態様(1)に記載のヒーターホー スユニット。
(3) 前記第一の連結ユニット(18)は、前記連結部材(24)における前記ヒータ ー内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)が連結される側とは反対側の端部に 、二本の絶縁ホースb1(22a)、b2(22b)が並列して組み付けられて構 成されている前記態様(2)に記載のヒーターホースユニット。
(4) 前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)は、何れも、前記ホー ス本体部の長手方向における少なくとも一方の端部に、該ホース本体部の発熱部と 電気的に接続された導電性接触部を有する管継手部材(16)が組み付けられてお り、
前記第二の連結ユニット(26)は、前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、 c2(12d)の前記管継手部材(16)が並列して連結される連結部材(32) を有し、該連結部材(32)にて、それら各ホースの管継手部材(16)における 前記導電性接触部が電気的に接続されている前記態様(1)乃至前記態様(3)の 何れか1つに記載のヒーターホースユニット。
(5) 前記第二の連結ユニット(26)は、前記連結部材(32)における前記ヒータ ー内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)が連結される側とは反対側の端部に 、二本の絶縁ホースd1(30a)、d2(30b)が並列して組み付けられて構 成されている前記態様(4)に記載のヒーターホースユニット。
(6) 前記ヒーターホースa1(12a)、a2(12c)が並列に配置されており、 及び/又は前記ヒーターホースc1(12b)、c2(12d)が並列に配置され ている前記態様(1)乃至前記態様(5)の何れか1つに記載のヒーターホースユ ニット。
(7) 前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)のうちの何れか一方、 及び/又は前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)のうちの何れ か一方に、温度センサが配設されている前記態様(1)乃至前記態様(6)の何れ か1つに記載のヒーターホースユニット。
(8) 少なくとも一部がホースリールに巻回せしめられている前記態様(1)乃至前記 態様(7)の何れか1つに記載のヒーターホースユニット。
(9) 前記第二の連結ユニット(26)にスプレーガンが連結されてなる前記態様(1 )乃至前記態様(8)の何れか1つに記載のヒーターホースユニット。
(10) 前記態様(1)乃至前記態様(9)の何れか1つに記載のヒーターホースユニ ットを備えた現場吹付け型発泡機からなる現場吹付け型発泡機ユニット。
(11) 前記ヒーター内蔵ホースa1(12a)、a2(12c)に対する電力の供給 、及び前記ヒーター内蔵ホースc1(12b)、c2(12d)に対する電力の 供給が、各々、異なる電源より実施される前記態様(10)に記載の現場吹付け 型発泡機ユニット。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明に従うヒーターホースユニットにあっては、現場吹き付け型発泡機に組み付けられた際に、発泡機側に位置するヒーター内蔵ホースa1、a2への通電と、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホースc1、c2への通電とを、別系統とすることが可能である。例えば、発泡機側に位置するヒーター内蔵ホースa1、a2に対する電力の供給と、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホースc1、c2に対する電力の供給とを、それぞれ別個の電源より実施し、適宜、電圧等を変化させることにより、本発明のヒーターホースユニットにおいては、発泡機側に位置するヒーター内蔵ホースa1、a2及びスプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホースc1、c2について、それぞれ独立して加熱状態を制御することが可能である。従って、本発明のヒーターホースユニットを用いると、従来のヒーター内蔵ホース等と比較して、より適切な温度に調節された液状材料をスプレーガンに供給することが可能である。
【0016】
上記のように、発泡機側に位置するヒーター内蔵ホースa1、a2の温度調節と、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホースc1、c2の温度調節とを、それぞれ独立して実施することが可能であることから、本発明のヒーターホースユニットは、従来のヒーター内蔵ホース等と比較して、ホースの過剰加熱を有利に抑制することが可能である。
【0017】
また、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホースc1、c2への通電を適宜、制御することにより、より適切な温度にて吹付け操作を実施することができる。
【0018】
さらに、例えば、少なくとも発泡機側に位置するヒーター内蔵ホースa1、a2がホースリールに巻回された状態において、吹付け操作を実施する場合、巻回されたヒーター内蔵ホースa1、a2が過剰に加熱することを見越して、ヒーター内蔵ホースa1、a2への通電を制御することにより、ホースリールに巻回されたヒーター内蔵ホースa1、a2が過剰に加熱することを有利に抑制することができ、そのような過剰加熱の発生を抑制することにより、ヒーター内蔵ホースの早期劣化を防止することが可能である。
【0019】
加えて、本発明に係るヒーターホースユニットでは、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホースc1、c2に通電せしめるための配線が、スプレーガンより比較的離れた位置に配設されているところから、スプレーガン近傍の重量の軽量化が図られ、施工者の作業性の向上に寄与すると共に、配線の断線も効果的に抑制されることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に従うヒーターホースユニットの一実施形態を示す平面図である。
図2図1に示されるヒーターホースユニットを構成するヒーター内蔵ホースを示す平面図である。
図3図1に示されるヒーターホースユニットを構成する第一の連結部材を示す平面図である。
図4図1に示されるヒーターホースユニットを構成する第二の連結部材を示す平面図である。
図5】ヒーターホースユニットを備えた現場吹付け型発泡機の一の構成を示す説明図である。
図6】施工現場におけるポリウレタンフォームの現場発泡作業を模式的に示す説明図である。
図7】ヒーター内蔵ホースの他の一例を示す平面図である。
図8】本発明のヒーターホースユニットを使用可能な現場吹付け型発泡機の別の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を適宜、参照しつつ、本発明を詳細に説明する。尚、本願に添付の図面は、本発明の特徴的部分の理解を容易にすべく、適宜、部分的に誇張されて描かれたものであり、また模式的に描かれたものであることが、理解されるべきである。
【0022】
図1は、本発明の一の実施形態に係るヒーターホースユニットを示す平面図である。また、図2乃至図4は、図1に示されるヒーターホースユニットを構成する各部材を示す平面図である。
【0023】
先ず、図1に示されるヒーターホースユニット10を構成する各部材について、説明する。図2に平面図にて示されているヒーター内蔵ホース12a(12b、12c、12d)は、ホース本体部14a(14b、14c、14d)の長手方向両端に金属製の管継手部材16が組み付けられて、構成されている。
【0024】
より具体的に、ホース本体部14a(14b、14c、14d)は、通電によって発熱し、内部を流れる流体を加熱するための発熱部を備えている。なお、本発明にて使用されるヒーター内蔵ホースとしては、そのような発熱部を有するホース本体部を備えたものであれば、特に限定されることなく、使用することが可能である。ヒーター内蔵ホースにおけるホース本体部の構成としては、例えば、流体が通過するインナーチューブの外周面上に、耐圧層、絶縁層、発熱層、保温層及び外装層がこの順に従って積層形成されてなるものを、挙げることが出来る。また、ホース本体部14a(14c)、14b(14d)の長さについても、本発明では特に限定されるものではない。例えば、ホース本体部14a(14c)、14b(14d)が、各々、10~200m程度の長さであり、[ホース本体部14a(14c)(発泡機側のホース本体部)の長さ]:[ホース本体部14b(14d)(スプレーガン側のホース本体部)の長さ]=2:8~5:5となる、ホース本体部14a(14c)を有するヒーター内蔵ホース12a(12c)とホース本体部14b(14d)を有するヒーター内蔵ホース12b(12d)との組合せが、本発明において有利に使用される。更に、ヒーター内蔵ホース12a(12b、12c、12d)は、各々、複数のヒーター内蔵ホースを連結して構成されているものであっても良い。
【0025】
また、そのようなホース本体部14a(14b、14c、14d)の長手方向両端には、内周面に雌ねじ部(図示せず)が形成された金属製の管継手部材16が、ホース本体部14a(14b、14c、14d)における発熱部と電気的に接続された状態にて組み付けられている。即ち、本実施形態においては、管継手部材16の全体が、ヒーター内蔵ホース12a(12b、12c、12d)における発熱部と電気的に接続された導電性接触部として機能することとなる。また、現場吹付け型発泡機として、ヒーターホースユニットの接続口が、液状原料の供給のみならず電力の供給も可能なように構成されている発泡機を用いて、かかる発泡機に、本実施形態に係るヒーター内蔵ホース12a、12cを接続すると、それら二本のヒーター内蔵ホースと発泡機とが電気的に接続され、後述する第一の連結ユニット18の構成と相俟って、二本のヒーター内蔵ホース12a、12cに電力を供給することが可能である。なお、そのような構成に係る発泡機を用いる場合、電力の供給は、上述したように発泡機の接続口より可能であることは勿論のこと、二本のヒーター内蔵ホース12a、12cの各々を、絶縁ホースを介して発泡機の接続口に接続し、発泡機から電力を供給するための電気ケーブルを二本のヒーター内蔵ホース12a、12cのそれぞれの管継手部16に接続して、電力を供給することも可能である。
【0026】
図3(a)は第一の連結ユニット18の平面図であり、図3(b)は、かかる第一の連結ユニット18を部分的に分解した状態を示す平面図である。図3(b)より明らかなように、二本の絶縁ホース22a、22bにおける長手方向の両端には、内周面に雌ねじ部(図示せず)が形成された管継手部材20が組み付けられている。また、金属製の連結部材24には、左右両側面より突出する部位の外周面が雄ねじ型とされた管継手部25が2つ、形成されている。そのような連結部材24における2つの管継手部25の各々に、絶縁ホース22a、22bの管継手部材20を螺合せしめることにより、図3(a)に示される第一の連結ユニット18は構成されているのである。
【0027】
そして、連結部材24の管継手部25の各々に、ヒーター内蔵ホース12a、12cの管継手部材16が接続(螺合)されて、ヒーター内蔵ホース12aと絶縁ホース22aとが、またヒーター内蔵ホース12cと絶縁ホース22bとが、各々、連通せしめられているのである。また、ヒーター内蔵ホース12a(12c)の管継手部材16はホース本体部14a(14c)の発熱部と電気的に接続せしめられており、且つ、連結部材24は金属製であるところから、二本のヒーター内蔵ホース12a、12cにおける発熱部は、第一の連結ユニット18により電気的に接続せしめられるのである。即ち、本実施形態においては、連結部材24の全体が、二本のヒーター内蔵ホース12a、12cにおける発熱部を電気的に接続する導電部として、機能するのである。なお、本発明において、二本のヒーター内蔵ホース12a、12cの発熱部を電気的に接続する手法としては、上述の如き連結部材24にて接続するものに限定されるものではなく、例えば、ヒーター内蔵ホース12a(12c)の発熱部に接続された電気ケーブルを、ヒーター内蔵ホース12a(12c)における第一の連結ユニット18側の端部において接続し、電気的接続を確保することも可能である。
【0028】
一方、図4(a)は第二の連結ユニット26の平面図であり、図4(b)は、かかる第二の連結ユニット26を部分的に分解した状態を示す平面図である。図4(b)より明らかなように、二本の絶縁ホース30a、30bにおける長手方向の両端には、内周面に雌ねじ部(図示せず)が形成された管継手部材28が組み付けられている。また、金属製の連結部材32には、左右両側面より突出する部位の外周面が雄ねじ型とされた管継手部33が2つ、形成されている。そのような連結部材32における2つの管継手部33の各々に、絶縁ホース30a、30bの管継手部材28を螺合せしめることにより、図4(a)に示される第二の連結ユニット26は構成されているのである。
【0029】
そして、連結部材32の管継手部33の各々に、ヒーター内蔵ホース12b、12dの管継手部材16が接続(螺合)されて、ヒーター内蔵ホース12bと絶縁ホース30aとが、またヒーター内蔵ホース12dと絶縁ホース30bとが、各々、連通せしめられているのである。また、ヒーター内蔵ホース12b(12d)の管継手部材16はホース本体部14b(14d)の発熱部と電気的に接続せしめられており、且つ、連結部材32は金属製であるところから、二本のヒーター内蔵ホース12b、12dにおける発熱部は、第二の連結ユニット26により電気的に接続せしめられるのである。即ち、本実施形態においては、連結部材32の全体が、二本のヒーター内蔵ホース12b、12dにおける発熱部を電気的に接続する導電部として、機能するのである。なお、本発明において、二本のヒーター内蔵ホース12b、12dの発熱部を電気的に接続する手法としては、上述の如き連結部材32にて接続するものに限定されるものではなく、例えば、ヒーター内蔵ホース12b(12d)の発熱部に接続された電気ケーブルを、ヒーター内蔵ホース12b(12d)における第二の連結ユニット26側の端部において接続し、電気的接続を確保することも可能である。
【0030】
なお、本発明における第一の連結ユニットにおける絶縁ホース、及び第二の連結ユニットにおける絶縁ホースとしては、全体として絶縁性を示すものであれば、特に限定されることなく、従来より公知のものを使用することが出来る。また、各連結ユニットにおける絶縁ホースの構成や、各連結ユニットにおける絶縁ホースの長さは、第一の連結ユニットと第二の連結ユニット間において同一であっても、異なっていても良い。例えば、第一の連結ユニットにおける絶縁ホースの長さを10cm~1m程度とする一方、第二の連結ユニットにおける絶縁ホースの長さを、スプレーガン近傍の重量を軽くして吹付け施工者の負担を軽減すべく、1~3m程度とすることも可能である。
【0031】
また、第二の連結ユニットとスプレーガンとの間に、他のホースを介在せしめることも可能である。更に、本実施形態においては、第一の連結ユニット及び第二の連結ユニットにおいて絶縁ホースが採用されているが、本発明においては、1)発泡機側に位置する二本のヒーター内蔵ホースとスプレーガン側に位置する二本のヒーター内蔵ホースとを、絶縁した状態で流体の移動が可能に接続出来るものや、2)スプレーガン側に位置する二本のヒーター内蔵ホースとスプレーガンとを、絶縁した状態で流体の移動が可能に接続出来るものであれば、その構成は特に限定されることなく、使用することが可能である。例えば、第一の連結部材及び/又は第二の連結部材において、上述の如き絶縁ホースに代えて絶縁体を用いることも可能である。
【0032】
そして、二本のヒーター内蔵ホース12a、12cが第一の連結ユニット18に組み付けられ、第一の連結ユニット18に二本のヒーター内蔵ホース12b、12dが組み付けられ、二本のヒーター内蔵ホース12b、12dに第二の連結ユニット26が組み付けられていることにより、ヒーターホースユニット10においては、i)ヒーター内蔵ホース12a、絶縁ホース22a、ヒーター内蔵ホース12b、絶縁ホース30aが連通せしめられて構成される液状原料の流路と、ii)ヒーター内蔵ホース12c、絶縁ホース22b、ヒーター内蔵ホース12d、絶縁ホース30bが連通せしめられて構成される液状原料の流路とが、構成されているのである。なお、本実施形態において、第一の連結ユニット18の絶縁ホース22a、22bの端部に配設されている管継手部材20、及びヒーター内蔵ホース12b、12dの端部に配設されている管継手部材16は、何れも、内周面に雌ねじ部が形成されてなるものであることから、それら管継手部材20と管継手部材16とは、左右両側面より突出する部位の外周面が雄ねじ型を呈している中間管継手部材35を介して、接続されている。
【0033】
さらに、図1に示されているように、本実施形態に係るヒーターホースユニット10においては、第二の連結ユニット26における管継手部材28にスプレーガン34が連結されていると共に、ヒーター内蔵ホース12cの外周面上には温度センサ36aが、またヒーター内蔵ホース12dの外周面上には温度センサ36bが、各々、配設されている。図1において、38aは温度センサ36aのセンサーケーブルであり、38bは温度センサ36bのセンサーケーブルである。また、二本のヒーター内蔵ホース12b、12dにおける第一の連結ユニット18に接続されている側の管継手部材16には、外部電源より電力を供給するための電気ケーブル40a、40bが電気的に接続されている。
【0034】
なお、上述した構成を有するヒーターホースユニット10を用いて吹付け作業を実施する場合には、ヒーターホースユニット10の取扱い性を容易なものとし、また外部への漏電や施工者が感電すること等を防止するために、一般には、ヒーターホースユニット10は、図1において黒色点線で囲まれた部位が一体的に纏められ、その周囲が絶縁テープ等の絶縁材にて被覆された形態にて、吹付け作業に供されることとなる。
【0035】
ところで、上述したヒーターホースユニット10を用いて、被着体の表面にポリウレタンフォームを形成する現場吹付け型発泡機としては、例えば、図5に示す構成を有するものが有利に使用される。
【0036】
図5より理解されるように、現場吹付け型発泡機50は、液体のポリオールを供給する第一の供給系統52と、液体のポリイソシアネートを供給する第二の供給系統54と、液体のポリオールを加熱する加熱装置56と、液体のポリイソシアネートを加熱する加熱装置58と、制御装置60とを具備する。
【0037】
第一の供給系統52は、その上流端にポリオールを収容するタンク62が配設されている一方、下流端に接続口64が取り付けられている第一の管路66に、タンク62よりポリオールを汲み上げる為の第一の汲上ポンプ68と、第一の汲上ポンプ68が汲み上げたポリオールを接続口64に向けて圧送する第一のポンプ70と、第一のポンプ70の吐出圧力を測定する第一の圧力計72と、加熱装置56とが接続されて、構成されている。
【0038】
一方、第二の供給系統54は、その上流端にポリイソシアネートを収容するタンク74が配設されている一方、下流端に接続口76が取り付けられている第二の管路78に、タンク74よりポリイソシアネートを汲み上げる為の第二の汲上ポンプ80と、第二の汲上ポンプ80が汲み上げたポリイソシアネートを接続口76に向けて圧送する第二のポンプ82と、第二のポンプ82の吐出圧力を測定する第二の圧力計84と、加熱装置58とが接続されて、構成されている。
【0039】
また、図5には図示されていないが、第一の供給系統52には加熱装置56内のポリオールの温度を測定する温度計が、また第二の供給系統54には加熱装置58内のポリイソシアネートの温度を測定する温度計が、各々、配設されており、それら温度計による測定データは制御装置に随時、送信されるように構成されている。
【0040】
ここで、第一の供給系統52における接続口64及び第二の供給系統54における接続口76は、各々、図示しない電源と電気的に接続されており、かかる電源は制御装置60と電気ケーブルで接続されている。また、第一の供給系統52における第一の汲上ポンプ68、第一のポンプ70、第一の圧力計72及び加熱装置56、並びに、第二の供給系統54における第二の汲上ポンプ80、第二のポンプ82、第二の圧力計84及び加熱装置58は、何れも、制御装置60に接続されており、制御装置60において、各ポンプの停止及び起動、並びに圧力の制御、各加熱装置の温度制御、更には各圧力計からの測定データの受信が可能ならしめられている。
【0041】
上述の如き構成の現場吹付け型発泡機50を用いる場合、ヒーターホースユニット10におけるヒーター内蔵ホース12a、12cの管継手部材16、16が、現場吹付け型発泡機50における接続口64、76に接続されると共に、ヒーター内蔵ホース12b、12dに電気的に接続している電気ケーブル40a、40bは、制御装置60によって制御される外部電源(図5において図示せず)に接続され、更には、温度センサ36a、36bのセンサーケーブル38a、38bは制御装置60に接続される。
【0042】
そして、そのような接続が確保された状態で、制御装置60を操作することにより現場吹付け型発泡機50を始動させると、制御装置60の制御下において、1)タンク62より汲み上げられたポリオールは、第一のポンプ70により第一の管路66内で圧送され、加熱装置56にて加熱されて、接続口64よりヒーターホースユニット10に送り込まれ、その一方、2)タンク74より汲み上げられたポリイソシアネートは、第二のポンプ82により第二の管路78内で圧送され、加熱装置58にて加熱されて、接続口76よりヒーターホースユニット10に送り込まれる。ヒーターホースユニット10に送り込まれたポリオール及びポリイソシアネートは、ヒーターホースユニット10中においても加熱乃至保温され、液温が調整されたポリオール及びポリイソシアネートがスプレーガン34に達すると、そこで両者は混合及び撹拌され、ポリオール及びポリイソシアネートの混合物の吹付けが開始されるのである。
【0043】
上述したように、本発明に従うヒーターホースユニット10にあっては、発泡機側に位置するヒーター内蔵ホース12a、12cに対する電力の供給と、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホース12b、12dに対する電力の供給を、それぞれ別個に行うことが可能であるところから、発泡機側に位置するヒーター内蔵ホース12a、12cと、スプレーガン側に位置するヒーター内蔵ホース12b、12dについて、それぞれ独立して加熱状態を制御することが可能である。従って、ヒーターホースユニット10を用いると、従来のヒーター内蔵ホースやヒーターホースユニット等と比較して、より適切な温度に調節されたポリオール及びポリイソシアネートを、スプレーガン34に供給することが可能である。
【0044】
また、図6は、現場吹付け型発泡機50にヒーターホースユニット10を組み付けたもの(現場吹付け型発泡機ユニット)を用いて、施工者が、施工現場においてポリウレタンフォームの現場発泡作業を行っている様子を模式的に示す説明図であるところ、かかる図6に示されているように、ヒーターホースユニット10の一部をホースリール90に巻回せしめた状態で吹付け作業を実施する場合でも、例えば発泡機側に位置するヒーター内蔵ホース12aに対する電力の供給を少なくすることにより、ホースリール90に巻回せしめられているヒーターホースユニット10が過剰に加熱することを、効果的に防止することが可能である。
【0045】
以上、本発明の代表的な実施形態の一つについて、詳述してきたが、本発明が上述した実施形態に限定されるものでないことは、言うまでもないところである。なお、以下の記載において参照する図7及び図8において、図1乃至図5に明示されている箇所又は部位と同一の構成及び機能を有する箇所については、図1乃至図5にて付されている符号と同一の符号を付し、詳細な説明は省略することとする。
【0046】
例えば、ヒーター内蔵ホース12a(12b、12c、12d)に代えて、図7に記載されているヒーター内蔵ホース92a(92b、92c、92d)の如き、一方の端部(図7において左側端部)に、ホース本体部14a(14b、14c、14d)の発熱部とは電気的に接続されていない管継手部材94が組み付けられており、かかる一方の端部(管継手部材94が組み付けられた側の端部)より、ホース本体部14a(14b、14c、14d)の発熱部と電気的に接続されたリード線96が別途、延出しているものも、本発明のヒーターホースユニットにおいて使用することが可能である。そのようなヒーター内蔵ホース92a(92b、92c、92d)においては、リード線96に電源が接続されることにより、ヒーター内蔵ホース92a(92b、92c、92d)に電力が供給されることとなる。
【0047】
また、上述した実施形態においては、管継手部材及び管継手部による接続は螺合によって為されるものであるが、本発明はそのような螺合に限定されるものではなく、カプラ等の配管接続が可能な構成であれば、従来より公知のものが何れも使用可能である。更に、管継手部材と管継手部とを接続するために、中間継手を介在させることも勿論、可能である。
【0048】
加えて、本発明のヒーターホースユニットが接続される現場吹付け型発泡機として、図8に明示されている現場吹付け型発泡機100の如き、図5に示される現場吹付け型発泡機50に発泡剤を圧送するための第三の供給系統102が追加された構成に係る発泡機も、使用することが可能である。
【0049】
図8に示される現場吹付け型発泡機100において、第三の供給系統102は、第一の供給系統52を流れるポリオールに発泡剤を添加するために設けられている。かかる第三の供給系統102は、発泡剤が高圧で充填されているタンク104が上流端に配置され、発泡剤を第一の供給系統52に圧送するための第三のポンプ106と、第三のポンプ106の吐出圧力を測定する第三の圧力計108と、電磁弁である開閉弁110と、逆止弁112と、それら構成要素を接続する第三の管路114より構成されている。また、現場吹付け型発泡機100においては、制御装置60により、第三のポンプ106の吐出量及び開閉弁110の動作が制御されるように構成されており、また制御装置60は、第三の圧力計108の測定値を随時受信できるように、第三の圧力計108に接続されている。なお、開閉弁110は、流量調整弁や圧力調整弁であっても良い。
【0050】
そのような構成を有する現場吹付け型発泡機100は、第一の供給系統52への発泡剤の供給が制御装置60より適宜、制御されながら、発泡作業が実施されることとなる。
【0051】
さらに、図5図8に示される現場吹付け型発泡機であって、制御装置60との間で双方向通信を行い、制御装置60から離れた場所においても制御装置60を操作することが出来る遠隔監視操作装置を備えたものであっても、本発明において使用することが可能である。
【0052】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づき、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0053】
10 ヒーターホースユニット
12a、12b、12c、12d ヒーター内蔵ホース
18 第一の連結ユニット
26 第二の連結ユニット
34 スプレーガン
36a、36b 温度センサ
50 現場吹付け型発泡機
100 現場吹付け型発泡機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8