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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20231110BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20231110BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H01L21/306 K
H01L21/68 N
H01L21/304 642A
H01L21/304 648D
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019197952
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2020072272
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2018205578
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】武知 圭
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 光敏
(72)【発明者】
【氏名】秋山 剛志
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06318389(US,B1)
【文献】特開2000-012672(JP,A)
【文献】特開2005-225577(JP,A)
【文献】特開2011-100969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/683
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理液を貯留し、該基板を浸漬させる槽と、
前記基板を起立姿勢で保持し、前記槽に対して前記基板の受渡位置と処理位置との間で昇降可能に設けられた保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、前記基板を下方から保持する保持溝を有し、
前記処理位置において前記保持部材が前記基板を保持した状態で、前記保持溝より上方、かつ、前記基板の表面の法線を含む鉛直方向の仮想面の水平方向の両側の位置において前記基板に当接し、前記基板の回転を抑制する保持部を、前記槽に設けたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記保持部材に保持され配列される複数の前記基板のそれぞれに対応して、前記保持溝及び前記保持部が前記基板の配列方向に設けられ、
前記配列方向に設けられた複数の前記保持溝の位相から、隣接する該保持溝間のピッチの2分の1だけずれた位相に対して、前記配列方向に設けられた複数の保持部の位相は、さらにずれて設定されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記保持部材に保持された前記基板の中心を通る水平面より下方の位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記保持溝は、前記基板の法線を含む鉛直面に平行な断面における形状が、くさび状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記保持溝は、前記基板の法線を含む鉛直面に平行な断面における形状が、該基板のベベル部の前記断面における形状にならった形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記保持部材が前記槽内に下降した位置で、前記保持部と、前記保持部材に保持された前記基板の表面との間隔を水平方向に変更可能な搬送機構を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記保持部は、略円錐形状の突起又は溝形状であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理位置において前記保持部材が前記基板を保持した状態で、前記保持溝より上方、かつ、前記基板の表面の法線を含む鉛直方向の仮想面の水平方向の両側の位置において前記基板に当接し、前記基板の回転を抑制する第2保持部を、前記保持部の下側に備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記槽に、
前記処理液を噴出させる噴出管と、
前記槽の底部から気泡を供給する気泡供給管と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記保持部は、前記処理位置にある前記保持部材の前記保持溝より上方かつ前記槽の深さの中心より下側で、隣接する前記保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有し、該頂点の向きが前記保持溝の長手方向に平行な向きに延びる先鋭形状の本体を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記先鋭形状が円錐形状又はニードル形状であることを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記保持部より下側に、隣接する保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有する先鋭形状の本体を有する第2保持部をさらに備えることを特徴とすることを特徴とする請求項10又は11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記保持部は、先鋭形状であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記保持部は、前記基板の厚み方向の両側から挟むように形成された二つの本体を含み、
前記二つの本体のうち少なくとも一方が前記基板に当接することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記二つの本体は、それぞれが円錐形状の円錐形状部と、円柱形状の円柱状部を有することを特徴とする請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記保持部は、前記基板の表面の周縁部に当接することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記保持部材に保持され配列される複数の前記基板のそれぞれに対応して、複数の前記保持溝及び複数の前記保持部が前記基板の配列方向に等間隔で設けられ、
複数の前記保持溝の中心相互の位置関係と、対応して等間隔で配置された複数の前記保持部の相互の位置関係とは、前記基板の配列方向においてずれていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項18】
処理液を貯留し、平板の基板を起立姿勢で浸漬して処理する槽と、
前記槽に対して、前記基板の受渡位置と該槽内の処理位置との間で昇降可能に設けられ、前記基板を起立姿勢の下方から保持して載置する凹状の複数の保持溝を有する保持部材と、
前記処理位置にある前記保持部材の前記保持溝より上方かつ前記槽の深さの中心より下側で、隣接する前記保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有し、該頂点の向きが前記保持溝の長手方向に平行な向きに延びる先鋭形状の本体を有し、前記保持溝に保持された前記基板に当接する当接部と、
を備え、
前記当接部を前記槽に設けたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項19】
前記先鋭形状が円錐形状又はニードル形状であることを特徴とする請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記当接部より下側に、隣接する保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有する先鋭形状の本体を有する第2当接部をさらに備えることを特徴とする請求項18又は19に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記当接部は、前記基板の表面の周縁部に当接することを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記保持部材に保持され配列される複数の前記基板のそれぞれに対応して、複数の前記保持溝及び複数の前記当接部が前記基板の配列方向に等間隔で設けられ、
複数の前記保持溝の中心相互の位置関係と、対応して等間隔で配置された複数の前記当接部の相互の位置関係とは、前記基板の配列方向においてずれていることを特徴とする請求項18ないし21のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記当接部は、前記基板の回転を抑制することを特徴とする請求項18ないし22のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ等の基板に対して、エッチング処理や洗浄処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、半導体ウェハ等の基板を処理槽に浸漬させることにより、当該基板半導体にエッチング処理や洗浄処理を施す。このような処理槽として、処理槽の底部の両側に処理液を処理槽の底面中央に向けて噴出させる噴出管と、処理槽の底部から気泡を供給する複数の気泡供給管を各噴出管の間に備える構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような処理槽には、さらに、貯留された処理液に基板を浸漬させるためのリフタが設けられる。リフタは、3本の保持棒によって、複数の基板を起立姿勢にて一括して保持する。また、リフタは、上下方向及び水平方向に移動可能に設けられ、保持する複数の基板を処理槽内の処理液中に浸漬する処理位置と、処理液から上方に引き上げた受渡位置との間で昇降させるとともに、隣の処理槽へ移動させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6356727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板に対して処理を施す際には、保持棒に保持され、処理槽に浸漬された基板に対して、処理液と気泡との底部から上方への流れが作用する。この作用を受けて、基板が周方向に回転することがある。しかし、基板の回転は、リフタに保持された複数の基板に対して必ずしも一様に生じるわけではないので、処理の効果にばらつきが生じてしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、開示の技術の1つの側面は、基板に生じる回転を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のような基板処理装置によって例示される。
本基板処理装置は、
基板を処理する処理液を貯留し、該基板を浸漬させる槽と、
前記基板を起立姿勢で保持し、前記槽に対して前記基板の受渡位置と処理位置との間で昇降可能に設けられた保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、前記基板を下方から保持する保持溝を有し、
前記処理位置において前記保持部材が前記基板を保持した状態で、前記保持溝より上方、かつ、前記基板の表面の法線を含む鉛直方向の仮想の水平方向の両側の位置において前記基板に当接し、前記基板の回転を抑制する保持部を、前記槽に設けたことを特徴とする。
【0008】
このような発明によれば、基板が処理液に浸漬される処理位置において、基板に対して槽の底部から液体や気泡のアップストリームが供給された場合に、下方を保持部材の保持溝によって保持された基板に生じる回転を、保持溝より上方において基板に当接する保持
部によって抑制することができる。
【0009】
さらに、本発明は、
前記保持部材に保持され配列される複数の前記基板のそれぞれに対応して、前記保持溝及び前記保持部が前記配列方向に設けられ、
前記配列方向に設けられた複数の前記保持溝の位相から、隣接する該保持溝間のピッチの2分の1だけずれた位相に対して、前記配列方向に設けられた複数の保持部の位相は、さらにずれて設定されるようにしてもよい。
【0010】
さらに、本発明においては、
前記保持部は、前記保持部材に保持された前記基板の中心を通る水平面より下方の位置に設けられているようにしてもよい。
【0011】
さらに、本発明においては、
前記保持溝は、前記基板の法線を含む鉛直面に平行な断面における形状が、くさび状であるようにしてもよい。
【0012】
さらに、本発明においては、
前記保持溝は、前記基板の法線を含む鉛直面に平行な断面における形状が、該基板のベベル部の前記断面における形状にならった形状であるようにしてもよい。
【0013】
さらに、本発明においては、
前記保持部材が前記槽内に下降した位置で、前記保持部と、前記保持部材に保持された前記基板の表面との間隔を水平方向に変更可能な搬送機構を有するようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明においては、
前記保持部は、略円錐形状の突起又は溝形状であるようにしてもよい。
【0015】
さらに、本発明においては、
前記処理位置において前記保持部材が前記基板を保持した状態で、前記保持溝より上方、かつ、前記基板の表面の法線を含む鉛直方向の仮想面の水平方向の両側の位置において前記基板に当接し、前記基板の回転を抑制する第2保持部を、前記保持部の下側に備えるようにしてもよい。
【0016】
このようにすれば、基板に生じる回転を、保持部と、その下側に設けられる第2保持部によって、より確実に抑制することができる。
保持部の数は、上下の方向に2つ設ける場合に限られず、3つ以上の適宜選択された数の保持部を設けることができる。
【0017】
さらに、本発明においては、
前記槽に、
前記処理液を噴出させる噴出管と、
前記槽の底部から気泡を供給する気泡供給管と、
を備えるようにしてもよい。
【0018】
このように、噴出管や気泡供給管によって、槽の底部から上方へのアップストリームが発生する基板処理装置においても、基板の回転を効果的に抑制することができる。
【0019】
また、開示の技術の他の側面は、次のような基板処理装置によって例示される。
本基板処理装置は、
処理液を貯留し、平板の基板を起立姿勢で浸漬して処理する槽と、
前記槽に対して、前記基板の受渡位置と該槽内の処理位置との間で昇降可能に設けられ、前記基板を起立姿勢の下方から保持して載置する凹状の複数の保持溝を有する保持部材と、
前記処理位置にある前記保持部材の前記保持溝より上方かつ前記槽の深さの中心より下側で、隣接する前記保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有し、該頂点の向きが前記保持溝の長手方向に平行な向きに延びる先鋭形状の本体を有する当接部と、
を備える。
【0020】
このような発明によれば、下方から基板を保持して載置する凹状の複数の保持溝を有する保持部材と、保持溝より上方かつ槽の深さの中心より下側に、隣接する保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有し、この頂点の向きが前記保持溝の長手方向に平行な向きに延びる先鋭形状の本体を有する当接部を設けることにより、基板の回転を抑制することができる。保持溝より上方かつ槽の深さの中心より下側に、隣接する保持溝の間隔に等しい間隔で離間する頂点は、各当接部の本体に設けられる。
【0021】
さらに、本発明においては、
前記先鋭形状が円錐形状又はニードル形状であるようにしてもよい。
【0022】
さらに、本発明においては、
前記当接部より下側に、隣接する保持溝の間隔に等しい間隔で離間した頂点を有する先鋭形状の本体を有する第2当接部をさらに備えるようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、基板に生じる回転を、保持部と、その下側に設けられる第2保持部によって、より確実に抑制することができる。
当接部の数は、上下の方向に2つ設ける場合に限られず、3つ以上の適宜選択された数の当接部を設けることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る基板処理装置によれば、基板に生じる回転を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施形態に係る基板処理装置の一例を示す図である。
図2図2は、基板処理装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
図3図3は、内槽における基板と保持部との位置関係を示す図である。
図4図4は、支持具の全体斜視図である。
図5図5は、内槽において保持溝に保持された基板と保持部との位置関係を示す図である。
図6図6は、保持溝に保持された基板と保持部との位置関係を示す拡大図である。
図7図7は、保持溝に対する保持部の位置を変更して処理を行った場合の回転抑制効果を示す図である。
図8図8は、実施例2の基板及び保持溝の断面形状を示す図である。
図9図9は、実施例4の保持部の断面形状を示す図である。
図10図10は、実施例5の、内槽において保持溝に保持された基板と保持部との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施例1>
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す
実施例は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。図1は実施例1に係る基板処理装置1の概略構成を示す斜視図である。この基板処理装置1は、主として平板の基板Wに対してエッチング処理や洗浄処理(以下、単に“処理”ともいう)を施すものである。基板処理装置1においては、図1において右奥側に、基板Wをストックするバッファ部2が配置され、バッファ部2のさらに右奥側には、基板処理装置1を操作するための正面パネル(不図示)が設けられている。また、バッファ部2における正面パネルと反対側には、基板搬出入口3が設けられている。また、基板処理装置1の長手方向における、バッファ部2の反対側(図1において左手前側)から、基板Wに対して処理を行う処理部5、7及び9が並設されている。
【0027】
各処理部5、7及び9は、各々二つの処理槽5a及び5b、7a及び7b、9a及び9bを有している。また、基板処理装置1には、複数枚の基板Wを各処理部5、7及び9における各処理槽5a及び5b、7a及び7b、又は9a及び9bの間でのみ図1中の短い矢印の方向及び範囲で移動させるための副搬送機構43が備えられている。また、この副搬送機構43は、複数枚の基板Wを処理槽5a及び5b、7a及び7b、9a及び9bに浸漬し、又は、これらの処理槽から引き上げるため、複数枚の基板Wを上下にも移動させる。各々の副搬送機構43には、複数枚の基板Wを保持する昇降可能なリフタ11、13及び15が設けられている。さらに基板処理装置1には、複数枚の基板Wを各処理部5、7及び9の各々に搬送するために、図1中の長い矢印の方向及び範囲で移動可能な主搬送機構17が備えられている。
【0028】
主搬送機構17は、二本の可動式のアーム17aを有している。これらのアーム17aには、基板Wを載置するための複数の保持溝(図示省略)が設けられており、図1に示す状態で、各基板Wを起立姿勢で保持する。起立姿勢とは、基板Wの表面Wf(図3及び図5参照)に直交する法線が水平方向に沿う姿勢である。また、主搬送機構17における二本のアーム17aは、図1中の右斜め下方向から見て、「V」の字状から逆「V」の字状に揺動することにより、各基板Wを開放する。そして、この動作により、基板Wは、主搬送機構17とリフタ11、13及び15との間で授受されることが可能となっている。
【0029】
図2には、基板処理装置1の機能ブロック図を示す。 上述した主搬送機構17、副搬
送機構43、処理部5、7、9は、制御部55によって統括的に制御されている。制御部55のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部55は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM及び制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。本実施例においては、制御部55のCPUが所定のプログラムを実行することにより、基板Wを各処理部5、7、9に搬送し、プログラムに応じた処理を施すように各部を制御する。上記のプログラムは、記憶部57に記憶されている。
【0030】
図3において、処理部5、7、9における各処理槽5a、7a、9aのうち、処理槽5aを例にとって説明する。以下の説明は、他の処理槽7a、9aについても適用される。
ここで、半導体ウェハの製造工程においては、例えばシリコン等の単結晶インゴッドをその棒軸方向にスライスし、得られたものに対して面取り、ラッピング、エッチング処理、ポリッシング等の処理が順次施される。その結果、基板表面の上には異なる材料による複数の層、構造、回路が形成される。そして、処理槽5aにおいて行われる基板Wのエッチング処理は、例えば、基板Wに残ったタングステン等のメタルを除去する目的で行われ、基板Wを処理液としてのリン酸水溶液などに所定時間浸漬することにより行われる。
【0031】
処理槽5aは、リン酸水溶液中に基板Wを浸漬させる内槽501及び内槽501の上部からオーバーフローしたリン酸水溶液を回収する外槽(不図示)によって構成される二重
槽構造を有している。内槽501は、リン酸水溶液に対する耐食性に優れた石英又はフッ素樹脂材料にて形成された平面視矩形の箱形形状部材である。内槽501には、前述のように、貯留されたリン酸水溶液に基板Wを浸漬させるためのリフタ13が設けられている。リフタ13は、搬送機構側の背板131と、背板131の下部から水平方向に延び、互いに平行に設けられた3本の保持棒132,133,134を有する。複数の基板Wは、保持棒132,133,134に設けられた保持溝(後述する)によって、起立姿勢にて相互に平行に一括して保持される。リフタ13は、副搬送機構43によって上下左右の方向に移動可能に設けられており、保持する複数枚の基板Wを内槽501内のリン酸水溶液中に浸漬する処理位置とリン酸水溶液から引き上げた受渡位置との間で昇降させるとともに、隣の処理槽5bへ移動させることが可能となっている。ここでは、リフタ13が保持部材に対応する。
【0032】
内槽501の底部に配設された配管20a,20bから、リン酸水溶液が供給される。これによって内槽501の内部には底部から上方へと向かうリン酸水溶液のアップフローが生じる。また、内槽501の底部に配設された気泡配管30a,30b,30c,30dから、窒素ガスの気泡が供給される。これによって、内槽501の内部には底部から上方へと向かう窒素ガスのアップフローも生じる。ここでは、配管20a,20bが本発明の噴出管に対応し、気泡配管30a,30b,30c,30dが本発明の気泡供給管に対応する。
【0033】
図3は、内槽501の搬送機構側の側壁501aに直交する方向(図1の右下から左上の方向)、から見た図である。基板Wは、図3の奥から手前方向へと保持棒132,133,134に、起立姿勢で保持され、配列されている。内槽501の、基板Wの表面に沿って両側に位置する側壁501b,501cには、側壁501b,501cに直交し、基板Wの表面に沿う方向に突出する略円錐形状の保持部52a,53aが設けられている。保持部52a(保持部53aも同様である)は、図4に示すように、頂点52apと側面52asを有する先鋭形状である。保持部52a(保持部53aも同様である)の頂点52apの向きは保持溝1321の長手方向に平行な向き(図3の紙面に平行な向き)に延びる。保持部52a,53aは、基板Wの表面Wfの法線を含む鉛直方向の仮想面(鉛直面)Vp(図3では中心Wcを通り紙面に直交する上下方向の面に相当する。)に対して水平方向の両側の位置において、基板Wの表面の周縁部Wfp,Wfpに当接する。保持部52a,53aの当接位置は、例えば、基板Wの径を300mmとしたとき、基板Wの中心Wcを通る水平面から13mm下方の位置とすることができる。ここで、保持部52a,53aは、本発明の保持部に対応するとともに、本発明の当接部に対応する。ここでは、内槽501の深さの中心は、基板Wの中心Wcの位置に一致するものとして説明するが、これに限られない。
【0034】
保持部52a,53aは、側壁501b,501cに沿って水平方向に、すなわち、複数の基板Wの配列方向に沿って、リフタ13に保持可能な基板Wの枚数に対応した複数個設けられている。これらの保持部52a,53aは、内槽501に設置される支持具52,53の所定位置に形成されている。図4に支持具52の斜視図を示す。支持具52は、側壁501bに沿って水平方向に延び、保持部52aが形成される板状部521と、板状部521の両端部から上方に延び、側壁501bの上縁部で屈曲して側壁501bの外方に垂下する板状の係合部522,523と、板状部521の両端側から内槽501の内方に延びる柱状の位置決め部524,525とを有する。保持部53aが設けられる支持具53についても同様に構成されるので説明は省略する。支持具52の係合部522,523は、内槽501の側壁501bの上縁と係合することにより、内槽501に係止される。また、支持具52の位置決め部524,525には、内槽501の搬送機構側の側壁501a、ステップ側の側壁501dにそれぞれ立設された位置調整用ボルト5012a,5013aが挿通される孔524a,525aが設けられている。位置決め部524,5
25を挟んで、側壁501a,501dと逆側の、位置調整用ボルト5012a,5013aの端部からナット5012b,5013bを螺合させる(図5参照)。位置調整用ボルト5012a,5013aに対してナット5012b,5013bを螺合させる位置を水平方向で調整することにより、係合部522,523によって内槽501に係止された支持具52及びこれに支持された保持部52aの水平方向の位置を調整することができる。支持具52,53の本体は、石英等の耐熱性の材料にて形成し、保持部52a,53aはPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)にて形成することができるが、支持具52,53を形成する材料はこれに限られない。
【0035】
図5は、内槽501における、リフタ13、基板W、支持具52及び保持部52aとの位置関係を示す図である。図5では、側壁501bに直交する方向から見た図であり、リフタ13及び保持棒132は、基板Wの中心を通る鉛直面との断面を破線で示している。図5では、保持棒132には、断面くさび状の保持溝1321が複数(図上では12個のみ示している。)設けられている(図5では、右端の基板Wに関係する各部にのみ符号を付して、他の基板Wに関係する各部は同様の構成を有するため符号は省略している。)。
【0036】
保持溝1321を拡大して示す図6を参照して、基板Wと保持溝1321との位置関係を説明する。基板Wの表面の端縁部We,We(図6参照)が、保持溝1321のステップ側の斜面1321a(図6参照)と、保持溝1321の搬送機構側の斜面1321b(図6参照)とにそれぞれ当接することにより、基板Wの下端部が保持溝1321に係合し、保持されている。一方、上述したように、基板Wの表面の周縁部Wfp(図3参照)には、保持部52aが当接している。基板Wは、図5の紙面に直交する方向に見たとき、保持溝1321によって下方から保持され、保持部52aによって上方から保持される。保持棒132の保持溝1321は、図の手前から奥に向けて基板Wの外周に沿って形成されているので、実際には、基板Wの端縁部Weは、保持溝1321の斜面1321a,1321bのそれぞれと曲線的領域によって当接している。図5では省略しているが、保持棒132と側壁501bとの間で、保持棒133の、同様に断面くさび状の保持溝1331のステップ側及び搬送機構側の斜面によって保持されている。また、図5の紙面手前側では、保持棒132と側壁501cとの間で、保持棒134の、同様に断面くさび状の保持溝1341のステップ側及び搬送機構側の斜面によって保持されている。そして、図5の手前側においても、側壁501cに設けられた支持具53によって、基板Wの表面に沿って、基板Wの中心を上下方向に通る直線に対して線対称な位置で、基板Wの表面の周縁部Wfpに、保持部53aが当接している。
【0037】
図6は、リフタ13の保持棒132の保持溝1321と保持部52aの位置との関係を説明する図である。図6は、基板Wの中心を通る鉛直面に平行な断面における断面図である。保持棒132の延長方向、すなわち、基板Wの配列方向において、保持溝1321の中心1321cと隣接する保持溝1321の中心1321cとの間隔(保持溝1321のピッチ)をL1としたとき、保持溝1321の中心1321cからL1/2の距離にある位置を基準位置132Sとする。換言すれば、基準位置132Sは、隣接する保持溝1321の中心1321c同士の中央の位置である。本実施例では、基板Wが搬送機構側(図では左側)に傾斜するものとして、保持部52aを基準位置132Sの鉛直上方の位置から、水平方向に基板Wの傾斜する側へ所定距離L2(L2>0)を隔てた位置、すなわちL2だけずれた位置に保持部52aを設けている。本実施例では、L1は5mmに設定している。図3に示すように保持棒132に保持された直径300mmの基板Wの中心Wcに対して、保持部52aが鉛直方向にL0(ここでは13mmに設定しているが、基板Wの大きさに適宜設定することができる。)下方に位置するように、支持具52が内槽501の側壁501bに対して位置決めされる。図6に示されるように、ピッチL1で基板Wの配列方向に設けられた複数の保持溝1321のそれぞれに対応する保持部52aも、基板Wの配列方向にピッチL1で設けられている。すなわち、隣接する保持溝1321の間
隔である、保持溝1321の中心1321cと、隣接する保持溝1321の中心1321cとの間隔に等しい間隔で離間して保持部52a(頂点52ap)が配置されている。このとき、図6で明らかなように、複数の保持溝1321の位相と、対応する複数の保持部52aの位相とはずれている。すなわち、等間隔で配置された複数の保持溝1321の中心1321c相互の位置関係と、対応して等間隔で配置された複数の保持部52aの相互の位置関係とはずれている。複数の保持部52aは、保持溝1321に対してピッチL1の2分の1だけ位相がずれた基準位置132Sに対して、左側へと距離L2に対応する分だけさらに位相がずれている。図6では、複数の保持部52aが、保持溝1321に対してピッチL1の2分の1だけ位相がずれた基準位置132Sに対して、左側へと位相がずれているが、右側にずれるように構成してもよい。
【0038】
内槽501の側壁501bに直交する方向から見たときに、保持棒132の保持溝1321の中心1321c間の中心である基準位置132Sの鉛直方向上方の位置を基準として距離L2を変化させて保持部52aを配置した場合に、基板Wの回転角度を計測したところ図7に示す結果を得た。このとき、処理温度は160.3℃、処理時間は、120分、処理フローとしては、リン酸処理‐洗浄‐乾燥を行い、窒素ガスによるバブリングについては1分当たり13リットルとし、気泡配管4本のうち手前の1本を閉じ、3本から吐出させる条件とした。保持部の位置については、基準位置132Sの鉛直上方からずらし無し、基準位置132Sの鉛直上方から、0.5mm、0,8mm、1.0mmずらした場合について計測した。保持部52aを基準位置132Sの鉛直上方に配置した場合の基板Wの回転角度は-19度から-39度の範囲に分布した。これに対して、保持部52aを基準位置132Sの鉛直上方から0.5mm、0.8mm、1.0mmずらして配置した場合には、基板Wの回転角度はそれぞれ、-5度から-10度、-2度から-8度、-6度から-10度の範囲に分布した。このように、保持溝1321の中心1321c間の中心である基準位置132Sの鉛直方向上方の位置から保持部52aをずらして配置することにより、基板Wの回転を抑制できることがわかった。リフタ13を下降させて、処理位置にまで下降させた状態で、保持部と保持溝とで基板Wの回転を抑制できる。
【0039】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2について説明する。実施例1と同様の構成については同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。
実施例1では、図5及び図6に示すように、保持棒132(保持棒133,134も同様)の保持溝1321の形状は、断面くさび状であったが、実施例2では、保持溝1322の断面形状が異なる。
図8(a)に示すように、基板Wの周縁部(ベベル部)Wpは、周端面Vが外径側に凸となるような曲面形状となっていることもある。このような場合には、図8(b)に示すように、保持棒132の保持溝1322の断面形状を、基板Wの周縁部Wpの断面形状にならい、溝底部1322aを曲線形状とし、開口にむけて、平行な直線形状とすることにより、基板Wと保持溝1322との接触面積が増え、基板Wをより安定的に保持することができる。また、図8(b)に示すように、基板Wの処理面の向きに応じて傾斜して保持し得るように、保持溝1322を基板Wの配列方向に傾斜させて形成してもよいし、傾斜させずに保持溝1322を鉛直方向に形成してもよい。
また、実施例1では、保持部52a,53aは、基板Wの表面の周縁部Wfpに当接する構成としているが、保持部52a,53aが基板Wの曲面形状をなす周端面Vに当接するようにすることもできる。このようにすれば、保持部52a,53aが基板Wの表面に接触することなく、基板Wを保持することができる。
【0040】
<実施例3>
以下、本発明の実施例3について説明する。実施例1及び2と同様の構成については同様の符号を用いて説明を省略する。
実施例3では、リフタ11,13,15が上下左右のみならず、主搬送機構方向及びステップ方向、すなわち、リフタ13の背板131側を後方、背板131に対して保持棒132,133,134が延びる方向を前方としたとき、前後にも移動することができるように構成されている。
リフタ13を前後に移動させることにより、リフタ13を下降させて、基板Wを処理液に浸漬する際の処理槽5,7,9に対するリフタ13の相対位置から、リフタ13を処理位置にまで下降させた状態で、前後方向に移動させることができる。設定された保持部52a,53aと干渉しないような位置で、リフタ13を下降させ、基板Wに対して、保持部52a,53aが最適な位置となるようにリフタ13を前後方向に移動させることができる。すなわち、保持部52a,53aと基板Wとの間隔を水平方向変更可能とするように搬送機構を構成している。そして、リフタ13を上昇させるときには、再度、基板Wが保持部52a,53aに干渉しない位置まで前後方向に移動させた後に、リフタ13を上昇させることができる。実施例1及び実施例2では、保持部52a,53a内槽501に位置調整可能に設置されていたが、保持部52a,53aの内槽501に対する前後方向の相対位置を固定した状態で設置し、リフタ13を前後方向に移動させることにより、基板Wと保持部52a,53aとの相対位置を適切な位置に調整するようにしてもよい。さらに、実施例1及び実施例2と同様に、保持部52a,53aを支持具52,53によって内槽501に設置しておき、リフタ13の前後移動によって、基板Wと保持部52a,53aとの相対位置を微調整することもできる。
【0041】
<実施例4>
以下、本発明の実施例4について説明する。実施例1と同様の構成については同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。図9(a)は、実施例4の保持部52a,53aの形状及び基板Wとの関係を、保持部52a,53aの中心軸を通る断面で示した図である。図9(b)は実施例4の変形例に係る保持部52a,53aの形状及び基板Wとの関係を、保持部52a,53aの中心軸を通る断面で示した図である。
実施例1では、保持部52a,53aを略円錐形状の突起として形成しているが、実施例4では、保持部52a,53aの形状が異なる。ここでは、保持部52aは、頂点52a1pを有する略円錐形状部と円柱状部とからなるニードル形状の本体52a1と、頂点52a2pを有する略円錐形状部と円柱状部とからなるニードル形状の本体52a2とを含む。保持部53aは、頂点53a1pを有する略円錐形状部と円柱形状部とからなるニードル形状の本体53a1と、頂点53a2pを有する略円錐形状部と円柱状部とからなるニードル形状の本体53a2とを含む。このとき、頂点52a1p、頂点52a2p、頂点53a1p、頂点53a2pの向きはいずれも保持溝1321の長手方向に平行な向きに延びている。
図9(a)に示すように、保持部52a,53aの断面形状を、基板Wの厚み方向に挟むくさび状にすることにより、基板Wの周縁部との接触面積が増え、基板Wをより安定的に保持することができる。保持部52aの本体52a1は、頂点52a1p及び側面52a1sを有する先鋭形状である。また、保持部52aの本体52a2も、頂点52a2p及び側面52a2sを有する先鋭形状である。保持部53aの本体53a1は、頂点53a1p及び側面53a1sを有する先鋭形状である。また、保持部53aの本体53a2も、頂点53a2p及び側面53a2sを有する先鋭形状である。
【0042】
また、図9(b)に示すように、保持部52a,53aの断面形状を、基板Wの厚さ方向の両面側から挟み込む形状としてよい。基板Wの周縁部を基板Wの厚さ方向の両面から挟むことで、基板Wの周縁部が外径側に凸となるような曲線形状である場合や、図9(a)のくさび状に適合しない場合であっても、基板Wの周縁部を両面から挟み込むことで、基板Wをさらに安定的に保持することができる。ここで、保持部52aは、52a1及び52a2によって凹状の溝形状に構成されている。保持部53aも、53a1及び53a2によっては凹状の溝形状に構成されている。保持部52aの本体52a1は、頂点52
a1p及び側面52a1sを有する先鋭形状である。また、保持部52aの本体52a2も、頂点52a2p及び側面52a2sを有する先鋭形状である。保持部53aの本体53a1は、頂点53a1p及び側面53a1sを有する先鋭形状である。また、保持部53aの本体53a2も、頂点53a2p及び側面53a2sを有する先鋭形状である。
【0043】
<実施例5>
以下、本発明の実施例5について説明する。実施例1と同様の構成については同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。図10(a)は、図5と同様に、内槽501におけるリフタ13、基板W、支持具52及び保持部52a,52bとの位置関係を示す図である。図10(b)は、図10(a)のうち、基板Wの一部と保持部52a,52bとの位置関係を拡大して示す図である。
実施例1では、図4及び図5に示すように、支持具52,53に、保持部52a,53aを、基板Wの表面Wfの法線を含む鉛直方向の仮想面Vpに対して水平方向の両側に基板Wごとに各1つ設けているが、実施例5では、支持具52,53に、保持部52a、53aとその下側に保持部52b,53bを基板Wごとに各1つずつ設けている。保持部52bの頂点は、52aの頂点と保持溝1321の端部とを結ぶ略直線上に配置される(保持部53bの頂点と、53aの頂点及び保持溝1321の端部との位置関係も同様である。)。保持部52b,53bは、対応する保持部52a,53aに対して支持具52の位置決め部524側にずらした位置に設けられ、保持部52a,53aと、対応する基板Wを保持する保持溝との間に位置する。ここでは、保持部52b,53bが本発明の第2保持部及び第2当接部に対応する。
保持部は、上述の鉛直方向にL0と保持溝1321の中心1321cとの間に複数個あってよく、その個数、位置は、処理液と気泡との底部から上方への流れの強さやリフタの昇降による基板の昇降速度などに合わせて基板に生じる回転を抑制するように調整できる。
【0044】
<変形例>
上述の実施例においては、保持部52a,53aを略円錐形状の突起、ニードル形状の突起又は溝形状として形成しているが、保持部52a,53aの形状はこれに限られない。
また、上述の実施例では、処理液としてリン酸水溶液を用いる場合について説明したが、処理液はこれに限られず、混酸(リン酸、硝酸、酢酸、純水)水溶液等の他の処理液を用いる場合についても同様に適用できる。
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・基板処理装置
13・・リフタ
1321,1322,1331,1341・・保持溝
43・・・副搬送機構
52a,52b,53a,53b・・・保持部
501・内槽
W・・・基板
Wp・・・ベベル部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10