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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】インフォーメーションスタンド
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/08 20060101AFI20231110BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
G09F1/08 G
G09F7/18 S
G09F7/18 Y
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020092107
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021189233
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】田辺 航平
(72)【発明者】
【氏名】小辻 浩平
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-109478(JP,U)
【文献】特開2004-219798(JP,A)
【文献】実開昭56-007971(JP,U)
【文献】実開平06-031570(JP,U)
【文献】実開昭56-106670(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0236452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/08
G09F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(5)を保持するフレーム(1)と、前記フレーム(1)を支持する胴体(2)とを備え、
前記フレーム(1)は、一対の側枠(11)と上枠(12)とからなり、前記側枠(11)及び前記上枠(12)は、それぞれ前記フレーム(1)の枠板(13)の内側に、対向する三角筒状部(14)を形成する傾斜板(15)、溝内板(16)及び重合板(17)が順次連設され、前記枠板(13)に対して前記傾斜板(15)が内側へ傾斜し、前記溝内板(16)が前記傾斜板(15)から前記枠板(13)へ向かい、前記重合板(17)が前記枠板(13)の内面に重なり、対向する前記三角筒状部(14)の溝内板(16)の間に差込溝(10a)を有する形状とされ、
前記胴体(2)は、胴側板(22,23)が角筒状に連設され、一対の前記胴側板(22)の上端に、対向する下枠筒状部(25)を形成する傾斜板(26)、溝内板(27)及び支持板(28)が順次連設され、前記胴側板(22)に対して前記傾斜板(26)が内側へ傾斜し、前記溝内板(27)が前記傾斜板(26)から下方へ向かい、前記支持板(28)が前記胴側板(22)の内面に至り、対向する前記下枠筒状部(25)の溝内板(27)の間に差込溝(20a)を有する形状とされ、
前記フレーム(1)の一対の側枠(11)には、下部が延長されて差込片(10b)が設けられ、前記胴体(2)の両側上部には、差込隙間(20)が形成され、
前記フレーム(1)と前記胴体(2)の差込溝(10a,20a)にパネル(5)の周縁部が差し込まれ、前記差込片(10b)が前記差込隙間(20)に差し込まれて、前記フレーム(1)と前記胴体(2)とが結合され、前記フレーム(1)の傾斜板(15)と前記胴体(2)の傾斜板(26)とで額縁構造が形成されるインフォーメーションスタンド。
【請求項2】
前記フレーム(1)の一方の三角筒状部(14)には、前記溝内板(16)に前記重合板(17)との境界に臨んで貼着作業穴(18)が穿設されるとともに、スロット状の係止溝(19a)が形成され、前記一方の三角筒状部(14)に対向する他方の三角筒状部(14)には、前記重合板(17)に前記溝内板(16)への切込により係止突起(19b)が突設され、
前記一方の三角筒状部(14)の重合板(17)が前記貼着作業穴(18)を介した押圧により前記枠板(13)に貼着された状態で、前記他方の三角筒状部(14)の係止突起(19b)と前記一方の三角筒状部(14)の係止溝(19a)とが係合して、前記他方の三角筒状部(14)の巻込の反発が抑制され、前記他方の三角筒状部(14)の重合板(17)が前記枠板(13)に貼着されることを特徴とする請求項1に記載のインフォーメーションスタンド。
【請求項3】
前記胴体(2)は、対向する前記下枠筒状部(25)を繋ぐ連結部材(3)を備え、前記下枠筒状部(25)の溝内板(27)には、上下方向に延びるスロット状の差込穴(27a)が穿設され、
前記連結部材(3)は、前記溝内板(27)の差込穴(27a)に高さ寸法が対応した差渡板(31)から保形片(32a,32b)が上方及び下方に延びるものとされ、
前記差渡板(31)に前記保形片(32a,32b)が折り重ねられた状態で、対向する前記下枠筒状部(25)の差込穴(27a)に前記連結部材(3)が差し込まれ、前記保形片(32a,32b)の復元に伴い、前記保形片(32a,32b)が前記下枠筒状部(25)の傾斜板(26)及び支持板(28)に内接して、前記下枠筒状部(25)が保形され、前記傾斜板(26)の傾斜が維持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインフォーメーションスタンド。
【請求項4】
前記胴体(2)の下方に、その全周にわたって外側へ張り出す転倒防止板(4)を備え、
前記転倒防止板(4)は、台板(41)の周囲各辺に折重板(42,43)が連設され、前記台板(41)には、スロット状の脚差穴(41a)が穿設され、前記折重板(42)には、前記脚差穴(41a)に対応する位置に切抜穴(42a)が形成され、
前記胴体(2)の対向する胴側板(22)の下端には、脚差片(22a)が突設され、
前記台板(41)の裏面に折重板(42,43)が折り重ねられて貼り合わされ、前記胴体(2)の脚差片(22a)が前記脚差穴(41a)に差し込まれ、前記切抜穴(42a)の内部で前記台板(41)の裏面に折り重ねられて固着されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインフォーメーションスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オフィスやイベント会場の案内用に設置されるインフォーメーションスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルの入口やエスカレーター前に設置される案内用のインフォーメーションスタンドとして、図10に示すようなものが知られている。
【0003】
このインフォーメーションスタンドは、案内する内容が表示された金属製の薄板やプラスチック板からなるパネル50を、一対の側枠51aと上枠51bとを接合した金属製のフレーム51の溝部に嵌め込んで保持し、フレーム51の下部を金属製の台座52に固定して、台座52によりパネル50とフレーム51を起立状態に支持するものとされ、風雨に晒される屋外への設置を考慮して、頑丈で重いものとなっている。
【0004】
また、下記特許文献1には、図11に示すように、各種情報を表示したボード60を支持するディスプレイ用のスタンド61として、板紙を重ねて貼り合わせた合紙からなるものが記載されている。
【0005】
このスタンド61は、正面壁62の両側に連なる側面壁63を背面側へ折り曲げ、その折曲角度を正面壁62と側面壁63の稜部を切り込んだ保形片64の折り曲げにより維持し、正面壁62と側面壁63の稜部の上端から切溝65を入れて側面壁63の上部を差込片66とし、ボード60の両側部に形成された三角筒状部60aの差込穴60bに差込片66を差し込んで、ボード60を支持するものとされている。
【0006】
このように、合紙を材料として組み立てられたスタンド61は、比較的軽量で取り扱いやすく、ボード60を容易に交換することができるため、高さ寸法を大きく設定して、風雨に晒されないビル内のオフィスの案内や、セミナー等の各種イベント会場の案内のためのインフォーメーションスタンドとして利用することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平5-35184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような合紙からなるスタンドでは、背面側から見た場合の美観が全く考慮されていないので、正面側からのみ見られるような設置状況でしか利用できないという問題がある。
【0009】
そこで、この発明は、軽量で取扱性に優れ、正面と背面の区別がなく、いずれの方向から見ても美粧性が高いインフォーメーションスタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明に係るインフォーメーションスタンドは、パネルを保持するフレームと、前記フレームを支持する胴体とを備え、
前記フレームは、一対の側枠と上枠とからなり、前記側枠及び前記上枠は、それぞれ前記フレームの枠板の内側に、対向する三角筒状部を形成する傾斜板、溝内板及び重合板が順次連設され、前記枠板に対して前記傾斜板が内側へ傾斜し、前記溝内板が前記傾斜板から前記枠板へ向かい、前記重合板が前記枠板の内面に重なり、対向する前記三角筒状部の溝内板の間に差込溝を有する形状とされ、
前記胴体は、胴側板が角筒状に連設され、一対の前記胴側板の上端に、対向する下枠筒状部を形成する傾斜板、溝内板及び支持板が順次連設され、前記胴側板に対して前記傾斜板が内側へ傾斜し、前記溝内板が前記傾斜板から下方へ向かい、前記支持板が前記胴側板の内面に至り、対向する前記下枠筒状部の溝内板の間に差込溝を有する形状とされ、
前記フレームの一対の側枠には、下部が延長されて差込片が設けられ、前記胴体の両側上部には、差込隙間が形成され、
前記フレームと前記胴体の差込溝にパネルの周縁部が差し込まれ、前記差込片が前記差込隙間に差し込まれて、前記フレームと前記胴体とが結合され、前記フレームの傾斜板と前記胴体の傾斜板とで額縁構造が形成されるものとしたのである。
【0011】
また、前記フレームの一方の三角筒状部には、前記溝内板に前記重合板との境界に臨んで貼着作業穴が穿設されるとともに、スロット状の係止溝が形成され、前記一方の三角筒状部に対向する他方の三角筒状部には、前記重合板に前記溝内板への切込により係止突起が突設され、
前記一方の三角筒状部の重合板が前記貼着作業穴を介した押圧により前記枠板に貼着された状態で、前記他方の三角筒状部の係止突起と前記一方の三角筒状部の係止溝とが係合して、前記他方の三角筒状部の巻込の反発が抑制され、前記他方の三角筒状部の重合板が前記枠板に貼着されるものとしたのである。
【0012】
また、前記胴体は、対向する前記下枠筒状部を繋ぐ連結部材を備え、前記下枠筒状部の溝内板には、上下方向に延びるスロット状の差込穴が穿設され、
前記連結部材は、前記溝内板の差込穴に高さ寸法が対応した差渡板から保形片が上方及び下方に延びるものとされ、
前記差渡板に前記保形片が折り重ねられた状態で、対向する前記下枠筒状部の差込穴に前記連結部材が差し込まれ、前記保形片の復元に伴い、前記保形片が前記下枠筒状部の傾斜板及び支持板に内接して、前記下枠筒状部が保形され、前記傾斜板の傾斜が維持されるものとしたのである。
【0013】
さらに、前記胴体の下方に、その全周にわたって外側へ張り出す転倒防止板を備え、
前記転倒防止板は、台板の周囲各辺に折重板が連設され、前記台板には、スロット状の脚差穴が穿設され、前記折重板には、前記脚差穴に対応する位置に切抜穴が形成され、
前記胴体の対向する胴側板の下端には、脚差片が突設され、
前記台板の裏面に折重板が折り重ねられて貼り合わされ、前記胴体の脚差片が前記脚差穴に差し込まれ、前記切抜穴の内部で前記台板の裏面に折り重ねられて固着されるものとしたのである。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係るインフォーメーションスタンドは、フレームと胴体とを段ボール等の軽量で剛性の大きい材料から構成できるので、輸送や設置に際して取り扱いやすいものとなり、パネルの両面のいずれの方向から見ても、パネルの周囲が額縁構造をなす傾斜板で囲まれているので、立体感が演出されて高い美粧性が得られ、廊下等の両方向から見られる設置状況での利用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明に係るインフォーメーションスタンドの組立状態を示す斜視図
図2】同上の正面(背面)図
図3】同上の各構成部材のブランクを示す図
図4】同上のパネルとフレームの結合過程を示す分解斜視図
図5】同上の胴体と転倒防止板の結合過程示す分解斜視図
図6】同上のパネル及びフレームと胴体の結合過程を示す分解斜視図
図7】同上のフレーム抜止対策を施した胴体部材を示すブランクの部分拡大図
図8】同上の胴体へのフレームの差込過程を示す部分拡大正面図
図9】同上の納品形態からの構成部材の取出過程を示す斜視図
図10】従来の屋外設置対応のインフォーメーションスタンドを示す斜視図
図11】特許文献1に記載のディスプレイ用スタンドを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
<概要>
このインフォーメーションスタンドは、図1及び図2に示すように、イベント会場等の案内情報を表示したパネル5を保持するフレーム1と、フレーム1を上方に支持する胴体2とを備えている。フレーム1は、一対の側枠11と上枠12とからなり、胴体2は、2枚の胴体部材21を継ぎ合わせて連結部材3を組み込んだものとされている。また、胴体2の下方には、転倒防止板4が取り付けられている。
【0018】
<ブランク>
このインフォーメーションスタンドを構成する各部材は、図3に示すブランクから組み立てられ、転倒防止板4を除く各部材の材料には、軽量で段目方向の強度が大きい段ボールが使用される。転倒防止板4の材料には、強度の方向性がない合紙が使用される。
【0019】
(フレーム構成部材)
フレーム1の側枠11及び上枠12は、それぞれ厚さ約2mmの段ボールのブランクから形成され、これらのブランクにおける段ボールの中しんの段目方向は、組立時のフレーム1の奥行方向に向けられている。
【0020】
側枠11のブランクでは、組立時にフレーム1の外周をなす枠板13の内側において、奥行方向に対向する三角筒状部14を形成する傾斜板15、溝内板16及び重合板17が順次連設されている。
【0021】
枠板13は、三角筒状部14を形成する傾斜板15、溝内板16及び重合板17より下方へ長く延び、枠板13の上端には継代片13aが、下端には補強片13bがそれぞれ連設されている。傾斜板15の上端縁及び下端縁は、枠板13の上端縁及び下端縁に対して大きな角度で斜めに切断されている。
【0022】
一方の三角筒状部14を形成する部分には、溝内板16に重合板17との境界に臨んで半円形の貼着作業穴18が2個穿設され、溝内板16と重合板17の境界に跨ってスロット状の係止溝19aが3個形成されている。また、他方の三角筒状部14を形成する部分には、重合板17に溝内板16への切込により係止突起19bが3個突設されている。
【0023】
対向する三角筒状部14を形成する溝内板16の下部には、組立時にパネル5を係止するため、一方の溝内板16に小さい方形のロック穴16aが穿設され、他方の溝内板16にロック片16bが切込により設けられている。
【0024】
上枠12のブランクでは、組立時にフレーム1の外周の天面をなす枠板13の奥行方向の両側に、それぞれ三角筒状部14を形成する傾斜板15、溝内板16及び重合板17が順次連設されている。枠板13の両端には、それぞれ継代片13aが連設され、傾斜板15の両端縁は、側枠11の傾斜板15の上端縁及び下端縁よりも、側枠11の枠板13と継代片13aの境界の折目線に対して、小さな角度で斜めに切断されている。
【0025】
一方の三角筒状部14を形成する部分には、溝内板16に重合板17との境界に臨んで半円形の貼着作業穴18が1個穿設され、溝内板16と重合板17の境界に跨ってスロット状の係止溝19aが2個形成されている。また、他方の三角筒状部14を形成する部分には、重合板17に溝内板16への切込により係止突起19bが2個突設されている。
【0026】
(胴体構成部材)
胴体部材21は、厚さ約2mmの段ボールのブランクから形成され、このブランクにおける段ボールの中しんの段目方向は、組立時の高さ方向に向けられている。
【0027】
胴体部材21のブランクでは、組立時に外周の幅広面をなす胴側板22の一側に、外周の狭幅面をなす胴側板23及び継代片24が順次連設され、胴側板23の上端には、補強片23aが連設されている。胴側板22の上端には、組立時に下枠筒状部25を形成する傾斜板26、溝内板27、支持板28及び継代片28aが順次連設されている。
【0028】
溝内板27の両側部には、上下方向に延びるスロット状の差込穴27aが支持板28との境界に寄せて穿設されている。
【0029】
胴側板22の下端中央部には、脚差片22aが突設され、脚差片22aには、面ファスナFのフック側とループ側のうち、いずれか一方の部材が貼り着けられている。
【0030】
胴側板22の継代片24の反対側の側部には、組立時に他方の胴体部材21の継代片24の貼着位置の目印となる切目が入れられ、溝内板27の上下方向中間部には、組立時に後述するパネル下補強部材29の貼着位置の目印となる切目が入れられている。胴側板22の上部寄りには、様々なイベントに対応するため、副次的な案内情報を印刷したシートを差し替えできるように、クリアホルダーCが取り付けられている。
【0031】
パネル下補強部材29は、組立時にフレーム1を胴体2の上部に取り付けた状態で、パネル5が落下しないように、パネル5の下縁を受け止めるものであり、長方形の厚さ約2mmの段ボールを、中しんの段目に交差して長さ方向に延びる折目線に沿って二つ折りにし、その重合面で貼り合わされる。
【0032】
連結部材3は、組立時に対向する下枠筒状部25を連結するものであり、厚さ約2mmの段ボールのブランクから形成され、このブランクにおける段ボールの中しんの段目方向は、組立時の奥行方向に向けられている。
【0033】
連結部材3のブランクでは、溝内板27の差込穴27aに高さ寸法が対応した長方形の差渡板31の上辺に、三角形の一対の保形片32aが互いに間隔をあけて連設され、差渡板31の下辺に、三角形の一対の保形片32bが互いに間隔をあけて連設されている。上方の一対の保形片32aの傾斜縁は、対向側が山状となるように傾斜し、下方の一対の保形片32bの傾斜縁は、対向側が谷状となるように傾斜している。
【0034】
(転倒防止板)
転倒防止板4は、厚手の板紙を3枚貼り合わせた合紙からなり、比較的重量のあるものとされている。転倒防止板4のブランクでは、長方形状の台板41の周囲の端辺のうち、一対の長辺に折重板42が連設され、他対の短辺に折重板43が連設されている。折重板43の両側縁は斜めに切断され、折重板42の両側縁は、組立時に折重板43の側縁に隣接する部分が斜めに切断されている。
【0035】
台板41には、折重板42との境界の折目線と平行する方向に延びるスロット状の脚差穴41aが2本平行に穿設され、脚差穴41aに臨んで折重板42との境界寄りに面ファスナFのフック側とループ側のうち、いずれか他方の部材が貼り着けられている。折重板42には、胴体部材21の脚差片22aより少し大きい切抜穴42aが形成されている。
【0036】
(パネル)
パネル5は、厚さ約2mmの段ボールのブランクから形成され、このブランクにおける段ボールの中しんの段目方向は、組立時の高さ方向に向けられている。
【0037】
パネル5のブランクでは、一対の表示板5aが折目線を介して横並びに連設され、それぞれの表示板5aには、イベント会場等の方向を示す矢印が周囲を透かして対称に形成さている。一対の表示板5aの境界の折目線は、折曲抵抗を軽減するため切目が断続するものとされている。
【0038】
表示板5aの両側下部には、組立時に側枠11のロック穴16aに対応する位置に、小さい方形のロック穴5bが穿設されている。表示板5aの矢印の下方には、案内情報を印刷したシートを差し替えできるように、クリアホルダーCが取り付けられている。
【0039】
<組立過程>
(フレーム及びパネルの組立)
フレーム1を組み立ててパネル5を保持するには、図4に示すように、一対の側枠11及び上枠12において、それぞれ対向する三角筒状部14を形成するため、枠板13の両側から傾斜板15、溝内板16及び重合板17を巻き込むように折り曲げ、枠板13に対して傾斜板15が内側へ傾斜し、溝内板16が傾斜板15から枠板13へ向かい、重合板17が枠板13の内面に重なるようにする。
【0040】
これに伴い、対向する三角筒状部14の溝内板16の間に、パネル5の差込用の差込溝10aが形成される。差込溝10aの溝幅は、パネル5を嵌め込んだとき、がたつきが生じないように、4mm程度となるように設定されている。
【0041】
この際、差込溝10aには指が入らないため、一方の三角筒状部14の重合板17を、貼着作業穴18に指を入れて枠板13の内面に押し付けるように貼着する。その後、他方の三角筒状部14の係止突起19bと、一方の三角筒状部14の係止溝19aとを係合させ、他方の三角筒状部14の巻込の反発を抑制した状態で、その重合板17を枠板13の内面に貼着する。
【0042】
また、一対の側枠11において、枠板13の下部の裏面に補強片13bを貼り合わせ、二重構造の差込片10bを形成する。これにより、後述のような胴体2との結合状態で差込片10bが曲がりにくくなり、堅牢性が高められる。
【0043】
一方、パネル5においては、一対の表示板5aを境界の折目線に沿って折り重ね、裏面同士を貼り合わせることにより、設置状態で両側の表面から同様に見えるものとし、撓みにくい構造とする。
【0044】
そして、一対の側枠11と上枠12とを、継代片13a同士の貼着により接合し、フレーム1を門型として、一対の側枠11と上枠12の差込溝10aに、パネル5の両側縁に沿った部分と上端縁に沿った部分とをそれぞれ差し込み、一致して貫通したロック穴16a,5bにロック片16bを押し込んで、フレーム1とパネル5とを一体化する。
【0045】
(胴体と転倒防止板の組立)
胴体2を組み立てて転倒防止板4と結合するには、図5に示すように、一対の胴体部材21の胴側板22,23を境界の折目線に沿って折り曲げ、互いの継代片24を相手方の胴側板22の内面に貼着して、各一対の胴側板22,23を角筒状に形成する。なお、一方の胴体部材21の溝内板27には、パネル下補強部材29を貼り着けておく。
【0046】
次に、胴体2の上部に一対の下枠筒状部25を形成するため、胴側板22の上端から傾斜板26、溝内板27及び支持板28を巻き込むように折り曲げ、胴側板22に対して傾斜板26が内側へ傾斜し、溝内板27が傾斜板26から下方へ向かい、支持板28が胴側板22の内面へ向かって外側へ傾斜するようにして、上方へ折り曲げた継代片28aを胴側板22の内面に貼着する。
【0047】
これに伴い、下枠筒状部25の両側端とその側方の胴側板23の間に、フレーム1の結合用の差込隙間20が形成され、対向する下枠筒状部25の溝内板27の間にパネル5の差込用の差込溝20aが形成される。差込溝20aの溝幅は、パネル5を嵌め込んだ状態で、がたつきが生じないように、4mm程度となるように設定されている。
【0048】
なお、胴体2の組み立てに際しては、継代片24,28aの貼着後に、連結部材3の差渡板31に保形片32a,32bを折り重ねた状態で、対向する下枠筒状部25の溝内板27の差込穴27aに連結部材3を片側ずつ差し込み、保形片32a,32bの復元に伴い、差込穴27aから差渡板31が抜け止めされるようにする。
【0049】
これにより、組み立てた状態において、保形片32a,32bの傾斜縁がそれぞれ傾斜板26及び支持板28に内接して、対向する下枠筒状部25が保形され、傾斜板26の傾斜が維持される。
【0050】
また、転倒防止板4において、台板41の裏面に各一対の折重板42,43を折り重ねて貼り合わせる。この状態では、裏面側で切抜穴42aの部分が凹所となり、脚差穴41aが切抜穴42aの内側縁に沿って転倒防止板4の表裏に貫通し、切抜穴42aを介して面ファスナFが露出した状態となる。
【0051】
そして、転倒防止板4の一対の脚差穴41aに胴体2の一対の脚差片22aをそれぞれ差し込み、切抜穴42aの内部で脚差片22aを台板41の裏面に折り重ねて、面ファスナFで固着し、胴体2をいずれの方向へも転倒しないように安定させる。
【0052】
(フレームと胴体の結合)
上記のようにフレーム1と胴体2を組み立てた後、図6に示すように、フレーム1の下部の差込片10bを胴体2の上部の差込隙間20に差し込むと、フレーム1と胴体2とが結合され、図1及び図2に示すように、フレーム1の傾斜板15と胴体2の傾斜板26とで額縁構造が形成される。
【0053】
ここで、フレーム1と胴体2とを結合した状態で、フレーム1やパネル5を持ちインフォーメーションスタンド自体を移動すると、フレーム1が胴体2から抜けてしまう恐れがあるため、その対策として、図7に示すように、下枠筒状部25の傾斜板26と溝内板27の端縁に張出部25aを形成しておくとよい。
【0054】
これにより、図8に示すように、フレーム1の差込片10bを胴体2の差込隙間20に差し込んだとき、差込片10bの内面に下枠筒状部25の張出部25aが圧接するので、インフォーメーションスタンドを移動させる際、フレーム1が胴体2から不意に抜けることがなくなる。なお、フレーム1と胴体2とを分離する際には、フレーム1を上方へ強く引っ張って、差込片10bを差込隙間20から抜き出すとよい。
【0055】
<納品形態>
上記のようなインフォーメーションスタンドを、製造場所から使用場所へ輸送する際には、図9に示すように、フレーム1と胴体2とを予め組み立てて結合することなく、胴体2と転倒防止板4とが分離した状態で、胴体2の内部にフレーム1とともに、転倒防止板4及びパネル5を挿入した梱包形態とする。これにより、嵩張ることがなく効率的に輸送でき、使用場所では胴体2から他の部材を取り出して容易に組み立てられる。
【0056】
<効果>
上記のようなインフォーメーションスタンドは、フレーム1と胴体2とを軽量で剛性の大きい段ボールから構成できるので、輸送や設置に際して取り扱いやすいものとなり、図1及び図2に示すように、パネル5の両面のいずれの方向から見ても、パネル5の周囲が額縁構造をなす傾斜板15,26で囲まれているので、立体感が演出されて高い美粧性が得られ、廊下等の両方向から見られる設置状況での利用も可能となる。
【0057】
また、フレーム1を胴体2から引き抜いて、フレーム1とパネル5とを分離することにより、パネル5を容易に差し替えることができるので、案内する情報に応じて作成したパネル5を取り付けて、様々なイベントに対応することができる。
【0058】
<その他のバリエーション>
なお、上記実施形態では、胴体2が2枚の胴体部材21を継ぎ合わせて形成されるものを例示したが、胴体2は、1枚のブランクから形成されるものとしてもよい。
【0059】
また、胴体2の転倒を防止するため、胴体2の底部に転倒防止板4を取り付けたものを例示したが、胴体2自体を転倒しにくい形状とすることにより、転倒防止板4を省略するようにしてもよい。
【0060】
また、胴体2と転倒防止板4との固定手段として、着脱可能とするため、面ファスナFを用いたものを例示したが、胴体2と転倒防止板4とは、用途や設置条件に応じて、粘着テープ等の他の固定手段により固定することとしてもよい。
【0061】
そのほか、パネル5として、一対の表示板5aを折り重ねて貼り合わせるものを例示したが、パネル5は、1枚のみからなるものとしてもよく、2枚の表示板5aの間に他のシート材を挟み込んだものとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 フレーム
2 胴体
3 連結部材
4 転倒防止板
5 パネル
5a 表示板
5b ロック穴
10a 差込溝
10b 差込片
11 側枠
12 上枠
13 枠板
13a 継代片
13b 補強片
14 三角筒状部
15 傾斜板
16 溝内板
16a ロック穴
16b ロック片
17 重合板
18 貼着作業穴
19a 係止溝
19b 係止突起
20 差込隙間
20a 差込溝
21 胴体部材
22,23 胴側板
22a 脚差片
23a 補強片
24 継代片
25 下枠筒状部
25a 張出部
26 傾斜板
27 溝内板
27a 差込穴
28 支持板
28a 継代片
29 パネル下補強部材
31 差渡板
32a,32b 保形片
41 台板
41a 脚差穴
42,43 折重板
42a 切抜穴
C クリアホルダー
F 面ファスナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11