(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】エミッタ、発光デバイス及び関連する表示画面並びに製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/24 20100101AFI20231110BHJP
H01L 33/06 20100101ALI20231110BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H01L33/24
H01L33/06
G09F9/30 360
(21)【出願番号】P 2020542630
(86)(22)【出願日】2019-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2019052942
(87)【国際公開番号】W WO2019154878
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-11-19
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515151273
【氏名又は名称】アレディア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・シン・タン
(72)【発明者】
【氏名】パメラ・ルエダ・フォンセカ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ジレ
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-282942(JP,A)
【文献】特開2003-218034(JP,A)
【文献】特開2016-195148(JP,A)
【文献】特開2003-179311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0145382(US,A1)
【文献】国際公開第2007/029655(WO,A1)
【文献】特開2013-209226(JP,A)
【文献】特開2002-270898(JP,A)
【文献】国際公開第2009/118979(WO,A1)
【文献】特表2016-535449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01S 5/00-5/50
C30B 1/00-35/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の放射線を放出するように適合されたエミッタ(25)であって、
前記エミッタ(25)が、
基板(55)と、
第1の半導体材料で作られるメサ(40)であって、前記第1の半導体材料が、第1のバンドギャップ値を有し、前記メサ(40)が、上面(70)及び側面(75)を有し、前記側面(75)が、前記上面(70)を囲い、前記基板(55)と前記上面(70)との間に延びる、メサ(40)と、
1つ又は複数の放射線放出層(85)を含む被覆層(45)であって、少なくとも1つの放射線放出層(85)が、第2の半導体材料で作られ、前記第2の半導体材料が、第2のバンドギャップ値を有し、前記第2のバンドギャップ値が、前記第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さく、各放射線放出層(85)が、前記上面(70)に対応する第1の部分(95)及び前記側面(75)に対応する第2の部分(100)を有し、第1の厚さ(e1)が、前記第1の部分(95)に定義され、第2の厚さ(e2)が、前記第2の部分(100)に定義され、前記第2の厚さ(e2)が、前記第1の厚さ(e1)より厳密に小さい、被覆層(45)と、
を備え、
前記第1の厚さ(e1)と前記第2の厚さ(e2)との比率が、1.5から6の間に含まれ、
前記上面(70)が、9平方マイクロメートルから900平方マイクロメートルの間で構成される表面を有し、
前記被覆層(45)が、前記メサ(40)の少なくとも一部を覆う、第1の放射線を放出するように適合されたエミッタ(25)。
【請求項2】
以下の特性:
-前記第1の部分(95)が、前記メサの上面(70)を少なくとも部分的に覆い、前記第2の部分(100)が、前記メサ(40)の側面(75)を少なくとも部分的に覆う、
-前記第2の部分(100)が、少なくとも1つの量子井戸を生成する、及び、
-前記側面(75)が、複数の平面を含む、
のうちの少なくとも1つが満たされる、請求項1に記載のエミッタ。
【請求項3】
以下の特性:
-前記基板(55)が半導体材料で作られ、前記メサ(40)が、前記基板(55)から前記基板(55)に垂直な第1の方向(D)に沿って延在し、前記基板(55)に電気的に接続され、前記基板(55)が、前記第1の方向(D)に垂直な平面で前記メサ(40)を囲む主表面(65)を有し、前記基板(55)が、前記主表面(65)上に延びる電気絶縁層(60)をさらに備え、前記絶縁層(60)が、前記基板(55)と前記被覆層(45)との間に障壁を形成する、及び、
-前記側面(75)の各点について、前記点を通過し、前記側面(75)に垂直な方向に対応する軸(A)が定義され、前記基板(55)に垂直な第1の方向(D)と前記軸(A)との間の角度(α)が、30度から80度の間に含まれる、
のうちの少なくとも1つが満たされる、請求項1又は2に記載のエミッタ。
【請求項4】
以下の特性:
-前記第1の半導体材料及び前記第2の半導体材料のうちの少なくとも1つが、III族窒化物材料である、
-結晶構造体が、前記第1の半導体材料に対して定義され、前記結晶構造体が、少なくとも1つの極性方向及び少なくとも1つの半極性方向を有し、前記上面(70)が、前記極性
方向に垂直であり、
前記側面(75)の各点について、前記点を通過
し、前記側面(75)に垂直な
方向に対応する軸(A)が定義され、前記軸(A)が、前記半極性方向に垂直である、
のうちの少なくとも1つが満たされる、請求項1から3の何れか一項に記載のエミッタ。
【請求項5】
以下の特性:
-前記エミッタ(25)が、前記第1の部分(95)に電気的に接続された第1の電気接点(50)をさらに備え、前記エミッタ(25)が、電流が前記第1の電気接点(50)、前記被覆層(45)及び前記メサ(40)を通って流れるときに前記第1の放射線を放出するように構成され、前記第1の電気接点(50)がさらに、前記第2の部分(100)に電気的に接続される、
-前記エミッタ(25)が、前記第1の部分(95)に電気的に接続された第1の電気接点(50)をさらに備え、前記エミッタ(25)が、電流が前記第1の電気接点(50)、前記被覆層(45)及び前記メサ(40)を通って流れるときに前記第1の放射線を放出するように構成され、前記第1の電気接点(50)が、第1の接続層及び第2の障壁層を含み、前記第2の障壁層が、前記第1の接続層と前記被覆層(45)との間に挿入され、前記第1の接続層が、第4の材料で作られ、前記第4の材料が、導電性材料又は半導体材料であり、前記第2の障壁層が、絶縁材料で作られ、前記被覆層(45)、前記第2の障壁層及び前記第1の接続層が、トンネル接合を形成する、
-前記被覆層(45)が、前記第2の半導体材料で作られた少なくとも2つの重ねられた放射線放出層(85)を含み、第3の半導体材料で作られた第1の障壁層(90)が、連続する放射線放出層(85)の各対の間に挿入され、前記第3の半導体材料が、第3のバンドギャップ値を有し、前記第3のバンドギャップ値が、前記第2のバンドギャップ値よりも厳密に大きい、及び、
-前記第1の放射線が、第1の組の電磁波を含み、前記放射線放出層(85)が、第2の組の電磁波を含む第2の放射線を放出するように構成され、前記エミッタ(25)が、前記第2の放射線を吸収し、前記第1の放射線に応答して放出するように構成された放射線変換器(52)をさらに備え、波長が、各電磁波に対して定義され、前記第1の組が、第1の波長範囲に対応し、前記第2の組が、第2の波長範囲に対応し、前記第1の
波長範囲が、第1の平均波長を有し、前記第2の
波長範囲が、第2の平均波長を有し、前記第1の平均波長が、前記第2の平均波長とは異なる、
のうちの少なくとも1つが満たされる、請求項1から4の何れか一項に記載のエミッタ。
【請求項6】
以下の特性:
-前記メサ(40)が、最小横方向寸法(l)及び高さ(h)を有し、前記高さ(h)が、前記基板(55)に垂直な第1の方向(D)で測定され、前記最小横方向寸法(l)が、前記第1の方向(D)に垂直な平面で測定され、前記高さ(h)が、前記最小横方向寸法(l)よりも厳密に小さい、
-前記メサ(40)が、前記基板(55)と接触する基部(80)を有する錐台を形成し、前記基部(80)が、長方形又は六角形である、
-前記メサ(40)が、前記基板(55)に垂直な第1の方向(D)に沿って測定された高さ(h)を有し、前記高さ(h)が、100ナノメートルから1000ナノメートルの間に含まれる、
のうちの少なくとも1つが満たされる、請求項1から5の何れか一項に記載のエミッタ。
【請求項7】
前記側面(75)の各点について、前記点を通過し、前記側面(75)に垂直な方向に対応する軸(A)が定義され、前記基板(55)に垂直な第1の方向(D)と前記軸(A)との間の角度(α)が、55度から65度の間に含まれる。請求項1から6の何れか一項に記載のエミッタ。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の少なくとも2つのエミッタ(25)を含む発光デバイス(15)。
【請求項9】
請求項8に記載の発光デバイス(15)の組を含む表示スクリーン(10)。
【請求項10】
第1の放射線を放出するように適合されたエミッタ(25)を製造するための方法であって、
基板(55)の提供する段階と、
第1の半導体材料で作られるメサ(40)を作成する段階であって、前記第1の半導体材料が、第1のバンドギャップ値を有し、前記メサ(40)が、上面(70)及び側面(75)を有し、前記側面(75)が、前記上面(70)を囲い、前記基板(55)と前記上面(70)との間に延びる、メサ(40)を作成する段階と、
前記メサ(40)上に、1つ又は複数の放射線放出層(85)を含む被覆層(45)を堆積させる段階であって、少なくとも1つの放射線放出層(85)が、第2の半導体材料で作られ、前記第2の半導体材料が、第2のバンドギャップ値を有し、前記第2のバンドギャップ値が、前記第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さく、各放射線放出層(85)が、前記上面(70)に対応する第1の部分(95)、及び、前記側面(75)に対応する第2の部分(100)を有し、第1の厚さ(e1)が、前記第1の部分(95)に定義され、第2の厚さ(e2)が、前記第2の部分(100)に定義され、前記第2の厚さ(e2)が、前記第1の厚さ(e1)より厳密に小さい、被覆層(45)を堆積させる段階と、
を含み、
前記第1の厚さ(e1)と前記第2の厚さ(e2)との比率が、1.5から6の間に含まれ、
前記上面(70)が、9平方マイクロメートルから900平方マイクロメートルの間で構成される表面を有する、方法。
【請求項11】
メサ(40)を作成する前記段階が、前記メサ(40)を作成するために前記第1の
半導体材料で作られたバルクの一部をエッチング除去する段階を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1のエミッタ(25)及び少なくとも1つの第2のエミッタ(25)を含み、各エミッタ(25)が、対応する第1の放射線を放出するように適合されている、発光デバイス(15)を製造する方法であって、
基板(55)の提供する段階と、
各エミッタ(25)について、第1の半導体材料で作られるメサ(40)を作成する段階であって、前記第1の半導体材料が、第1のバンドギャップ値を有し、前記メサ(40)が、上面(70)及び側面(75)を有し、前記側面(75)が、前記上面(70)を囲い、前記基板(
55)と前記上面(70)との間に延びる、メサ(40)を作成する段階と、
前記メサ(40)上に、1つ又は複数の放射線放出層(85)を含む被覆層(45)を堆積させる段階であって、少なくとも1つの放射線放出層(85)が、第2の半導体材料で作られ、前記第2の半導体材料が、第2のバンドギャップ値を有し、前記第2のバンドギャップ値が、前記第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さく、各放射線放出層(85)が、前記上面(70)に対応する第1の部分(95)、及び、前記側面(75)に対応する第2の部分(100)を有し、第1の厚さ(e1)が、前記第1の部分(95)に定義され、第2の厚さ(e2)が、前記第2の部分(100)に定義され、前記第2の厚さ(e2)が、前記第1の厚さ(e1)より厳密に小さい、被覆層(45)を堆積させる段階と、
を含み、
前記第1の厚さ(e1)と前記第2の厚さ(e2)との比率が、1.5から6の間に含まれ、
前記上面(70)が、9平方マイクロメートルから900平方マイクロメートルの間で構成される表面を有する、方法。
【請求項13】
各メサ(40)を作成する前記段階が、各メサ(40)を作成するために前記第1の
半導体材料で作られたバルクの一部をエッチング除去する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バルクが、基板(55)である、請求項11又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記バルクが、前記第1の
半導体材料で作られ、前記基板(55)によって支持される層である、請求項11又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エミッタに関する。本発明はまた、少なくとも2つのそのようなエミッタを含む発光デバイスに関する。本発明はまた、そのような発光デバイスのセットを含む表示スクリーンに関する。本発明は、同様に、そのようなエミッタを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光構造体は、別個の発光メサのセットを形成するように構造化された、重ね合わされた半導体層のスタックを含む。このような構造体は通常、発光メサを画定するために、2次元層のスタックの一部をエッチングで除去することによって製造される。発光は通常、メサの上部又はその近くに位置する発光層によって提供される。
【0003】
発光メサは互いに分離されているため、このような構造体により、各メサに独立して電力が供給され、隣接するメサへの電流漏れのリスクが低減されるため、各メサの発光を簡単に制御することができる。前述の利点のために、そのような発光構造体を表示スクリーンの一部として使用することが提案されており、スクリーンがモノクロスクリーンの場合、各メサが画素を形成し、スクリーンが多色スクリーンの場合、サブ画素を形成する。従って、このような表示スクリーンの空間分解能は、メサの横方向寸法に直接関連する。
【0004】
しかしながら、メサの露出した側面は、キャリアの表面再結合の増加を引き起こす。従って、そのような構造体の全体的な発光効率(「ウォールプラグ効率」とも呼ばれる)は、メサの横方向寸法とともに減少する。なぜなら、横方向寸法が減少すると、発光層の表面と比較して側面の表面が相対的に増加するからである。その結果、メサベースの画素又は表示スクリーンのウォールプラグ効率は、スクリーンの解像度が上がると、特にメサの横方向寸法が10マイクロメートル(μm)以下の場合に低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、横方向寸法が小さく、ウォールプラグ効率が高い発光体が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本説明の詳細な説明は、第1の放射線を放出するように適合されたエミッタであって、エミッタが、
基板と、
第1の半導体材料で作られるメサであって、第1の半導体材料が、第1のバンドギャップ値を有し、メサが、上面及び側面を有し、側面が、上面を囲い、基板と上面との間に延びる、メサと、
1つ又は複数の放射線放出層を含む被覆層であって、少なくとも1つの放射線放出層が、第2の半導体材料で作られ、第2の半導体材料が、第2のバンドギャップ値を有し、第2のバンドギャップ値が、第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さく、各放射線放出層が、上面に対応する第1の部分及び側面に対応する第2の部分を有し、第1の厚さが、第1の部分に定義され、第2の厚さが、第2の部分に定義され、第2の厚さが、第1の厚さより厳密に小さい、被覆層と、
を備える、第1の放射線を放出するように適合されたエミッタに関する。
【0007】
特定の実施形態によれば、エミッタは、別々に、または任意の可能な組み合わせに従って、以下の特徴のうちの1つ又はいくつかを含む:
以下の特性のうちの少なくとも1つが満たされる:
-第1の部分が、メサの上面を少なくとも部分的に覆い、第2の部分が、メサの側面を少なくとも部分的に覆い、
-第2の部分が、少なくとも1つの量子井戸を形成し、及び、
-側面が、複数の平面を含む。
【0008】
以下の特性のうちの少なくとも1つが満たされる:
-基板が半導体材料で作られ、メサが、基板から基板に垂直な第1の方向に沿って延在し、基板に電気的に接続され、基板が、第1の方向に垂直な平面でメサを囲む主表面を有し、基板が、主表面上に延びる電気絶縁層をさらに備え、絶縁層が、基板と被覆層との間に障壁を形成し、及び、
-側面の各点について、点を通過し、側面に垂直な方向に対応する軸が定義され、基板に垂直な第1の方向と軸との間の角度が、30度から80度の間に含まれる。
【0009】
以下の特性のうちの少なくとも1つが満たされる:
-第1の半導体材料及び第2の半導体材料のうちの少なくとも1つが、III族窒化物材料であり、
-結晶構造が、第1の半導体材料に対して定義され、結晶構造が、少なくとも1つの極性方向及び少なくとも1つの半極性方向を有し、上面が、極性軸に垂直であり、点を通過する方向に対応し、側面に垂直な軸が、側面の各点に対して定義され、軸が、半極性方向に垂直である。
【0010】
以下の特性のうちの少なくとも1つが満たされる:
-エミッタが、第1の部分に電気的に接続された第1の電気接点をさらに備え、エミッタが、電流が前記第1の電気接点、被覆層及びメサを通って流れるときに第1の放射線を放出するように構成され、第1の電気接点がさらに、第2の部分に電気的に接続され、
-エミッタが、第1の部分に電気的に接続された第1の電気接点をさらに備え、エミッタが、電流が第1の電気接点、被覆層及びメサを通って流れるときに第1の放射線を放出するように構成され、第1の電気接点が、第1の接続層及び第2の障壁層を含み、第2の障壁層が、第1の接続層と被覆層との間に挿入され、第1の接続層が、第4の材料で作られ、第4の材料が、導電性材料又は半導体材料であり、第2の障壁層が、絶縁材料で作られ、被覆層、第2の障壁層及び第1の接続層が、トンネル接合を形成し、
-被覆層が、第2の半導体材料で作られた少なくとも2つの重ねられた放射線放出層を含み、第3の半導体材料で作られた第1の障壁層が、連続する放射線放出層の各対の間に挿入され、第3の半導体材料が、第3のバンドギャップ値を有し、第3のバンドギャップ値が、第2のバンドギャップ値よりも厳密に大きく、及び、
-第1の放射線が、第1の組の電磁波を含み、放射線放出層が、第2の組の電磁波を含む第2の放射を放出するように構成され、エミッタが、第2の放射線を吸収し、第1の放射線に応答して放出するように構成された放射線変換器をさらに備え、波長が、各電磁波に対して定義され、第1の組が、第1の波長範囲に対応し、第2の組が、第2の波長範囲に対応し、第1の範囲が、第1の平均波長を有し、第2の範囲が、第2の平均波長を有し、第1の平均波長が、第2の平均波長とは異なる。
【0011】
以下の特性のうちの少なくとも1つが満たされる:
-第1の厚さと第2の厚さとの比率が、1.5から6の間に含まれ、
-メサが、最小横方向寸法及び高さを有し、高さが、基板に垂直な第1の方向で測定され、最小横方向寸法が、第1の方向に垂直な平面で測定され、高さが、最小横方向寸法よりも厳密に小さく、
-メサが、基板と接触する基部を有する錐台を形成し、基部が、長方形であり、
-メサが、基板と接触する基部を有する錐台を形成し、基部が、六角形であり、
-メサが、基板に垂直な第1の方向に沿って測定された高さを有し、高さが、100ナノメートルから1000ナノメートルの間に含まれ、
-上面が、9平方マイクロメートルから900平方マイクロメートルの間で構成される表面を有する。
【0012】
以前に定義された少なくとも2つのエミッタを含む発光デバイスも提案される。
【0013】
特定の実施形態によれば、発光デバイスは、別々に、又は任意の可能な組み合わせに従って、以下の特徴のうちの1つ又はいくつかを含む:
-メサの側面は、互いに接触し、
-各エミッタは、エミッタの第1の部分に電気的に接続された第1の電気接点を含み、発光デバイスは、単一の接続構造体をさらに含み、接続構造体は、メサ、被覆層及び第2の電気接点を含み、第2の電気接点は、接続構造体のメサの少なくとも上面及び少なくとも部分的に側面を部分的に覆い、第2の電気接点は、基板に電気的に接続され、各エミッタは、電流が、対応する第1の電気接点、対応する非複層、対応するメサ、基板及び第2の電気接点を通って流れるときに、対応する第1の放射線を放出するように構成され、
-発光デバイスは、3つのエミッタを含み、第1の放射線の各々は、第1の組の電磁波を含み、波長は、各電磁波に対して定義され、第1の組の各々は、第1の波長範囲に対応し、第1の範囲の各々は、対応する第1の平均波長を有し、各エミッタの第1の平均波長は、他の各エミッタの第1の平均波長とは互いに異なる。
【0014】
以前に定義された一組の発光デバイスを含む表示スクリーンも提案される。
【0015】
本説明はまた、第1の放射線を放出するように適合されたエミッタを製造するための方法であって、
基板の提供する段階と、
第1の半導体材料で作られるメサを作成する段階であって、第1の半導体材料が、第1のバンドギャップ値を有し、メサが、上面及び側面を有し、側面が、上面を囲い、基板と上面との間に延びる、メサを作成する段階と、
メサ上に、1つ又は複数の放射線放出層を含む被覆層を堆積させる段階であって、少なくとも1つの放射線放出層が、第2の半導体材料で作られ、第2の半導体材料が、第2のバンドギャップ値を有し、第2のバンドギャップ値が、第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さく、各放射線放出層が、上面に対応する第1の部分、及び、側面に対応する第2の部分を有し、第1の厚さが、第1の部分に定義され、第2の厚さが、第2の部分に定義され、第2の厚さが、第1の厚さより厳密に小さい、被覆層を堆積させる段階と、
を含む、方法に関する。
【0016】
本発明の詳細な説明はさらに、第1のエミッタ及び少なくとも1つの第2のエミッタを含み、各エミッタが、対応する第1の放射線を放出するように適合されている、発光デバイスを製造する方法であって、
基板の提供する段階と、
各エミッタについて、第1の半導体材料で作られるメサを作成する段階であって、第1の半導体材料が、第1のバンドギャップ値を有し、メサが、上面及び側面を有し、側面が、上面を囲い、基板と上面との間に延びる、メサを作成する段階と、
メサ上に、1つ又は複数の放射線放出層を含む被覆層を堆積させる段階であって、少なくとも1つの放射線放出層が、第2の半導体材料で作られ、第2の半導体材料が、第2のバンドギャップ値を有し、第2のバンドギャップ値が、第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さく、各放射線放出層が、上面に対応する第1の部分、及び、側面に対応する第2の部分を有し、第1の厚さが、第1の部分に定義され、第2の厚さが、第2の部分に定義され、第2の厚さが、第1の厚さより厳密に小さい、被覆層を堆積させる段階と、
を含む、方法に関する。
【0017】
特定の実施形態によれば、基板は、第1の側部及び第2の側部有し、第1の側部は、メサを支持し、第1の側部及び第2の側部は、互いに平行であり、各第1の放射線は、第1の組の電磁波を含み、各第2のエミッタの放射線放出層が、第2の組の電磁波を含み、この方法はさらに、各エミッタにおいて、第1の部分に電気的に接続された第1の電気接点を形成する段階を含み、このエミッタは、電流が第1の電気接点、被覆層及びメサを通って流れるとき、対応する第1の放射線を放出するように構成される。この方法はまた、各電流を生成するように適合された制御回路に各第1の電気接点を接続する段階と、第2の放射線を吸収し、第2のエミッタに対応する第1の放射線に対応して放出するように構成された放射線変換器を基板の第2の側部に配置する段階とを含み、波長は、各電磁波に対して定義され、第1の組の第2のエミッタは、第1の波長範囲に対応し、第2の組は、第2の波長範囲に対応し、第1の範囲は、第1の平均波長を有し、第2の範囲は、第2の平均波長を有し、第1の平均波長は、第2の平均波長とは異なる。
【0018】
本発明の特徴及び利点は、非限定的な例としてのみ与えられ、添付の図面を参照することにより、以下の明細書によって明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一組の発光デバイスを含む表示スクリーンの部分上面図である。
【
図2】
図1の線II-IIに沿った発光デバイスの断面の側面図であり、各発光デバイスは、一組のエミッタを含む。
【
図4】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図5】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図6】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図7】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図8】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図9】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図10】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図11】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図12】発光デバイスを製造するための方法の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図18】発光デバイスを製造するための方法の別の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図19】発光デバイスを製造するための方法の別の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図20】発光デバイスを製造するための方法の別の例の様々な段階での結果の概略図である。
【
図21】発光デバイスの別の例の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
表示スクリーン10は、
図1に部分的に示され、
図12に概略的に表されている。
【0021】
表示スクリーン10は、例えば、携帯電話、タブレット、又はラップトップコンピュータなどの電子デバイスに統合される。別の実施形態では、表示スクリーン10は、テレビセット、デスクトップコンピュータスクリーン、スマートウォッチ、又はスマートグラスなどの専用表示デバイスに統合することができる。
【0022】
表示スクリーン10は、一組の画像を表示するように構成される。
【0023】
表示スクリーン10は、一組の発光デバイス15及び制御回路20を備える。
【0024】
各発光デバイス15は、「画像要素」又は略して「画素」とも呼ばれ、少なくとも1つの第1の放射線を放出するように構成される。
【0025】
便宜上、以下では、発光デバイス15は、画素15と名付けられる。
【0026】
例えば、各画素15は、3つの第1の放射線を含む一組の電磁波のうちの1つを放出するように構成される。
【0027】
変形例では、3つより多い又は少ない放射線(例えば4つ)を放出するように構成された画素15を有する実施形態を考慮することができる。
【0028】
各第1の放射線は、第1の組の電磁波を含む。
【0029】
電磁波毎に波長が定義される。
【0030】
各第1の組は、第1の波長範囲に対応する。第1の波長範囲は、第1の組の電磁波の全ての波長によって形成されるグループである。
【0031】
第1の平均波長は、各第1の波長範囲に定義される。
【0032】
各画素15は、少なくとも1つの発光体25、及び、少なくとも1つの接続構造体30を含む。例えば、各画素15は、3つの発光体25及び単一の接続構造体30を含む。
【0033】
各発光体25は、それぞれの第1の放射線を放出するように構成される。特に、各発光体25は、第1の電流が発光体25を通って流れるときに、それぞれの第1の放射線を放出するように構成される。
【0034】
各発光体25の第1の平均波長は、例えば、同じ画素15の他の各発光体25の第1の平均波長とは異なる。
【0035】
一実施形態によれば、1つの発光体25の第1の平均波長は、430ナノメートル(nm)から480nmの間に含まれ、別の発光体25の第1の平均波長は、500nmから560nmの間に含まれ、第3の発光体25の第1の平均波長は、580nmから680nmの間に含まれる。
【0036】
単一画素15の2つの異なる発光体25の第1の平均波長が同一である実施形態もまた考慮され得る。
【0037】
図2に示されるように、各発光体25は、基板55、メサ40、被覆層45、第1の電気接点50、放射線変換器52、及び、絶縁層60を備える。
【0038】
基板55は、メサ40、被覆層45、及び、第1の電気接点50を支持するように構成される。
【0039】
基板55は、例えば、全ての発光体25及び接触ブロック又は接続構造体に共通である。
【0040】
いくつかの実施形態では、基板55は、支持プレート120をさらに含み得る。
図2及び
図3に示される実施形態では、基板55は、いかなる支持プレート120も含まない。
【0041】
基板55は、例えば、平坦である。平坦な基板は、平坦な主表面65を有する基板である。
【0042】
法線方向Dは、基板55に対して定義される。基板55の主表面65は、法線方向Dに垂直である。
【0043】
主表面65は、法線方向Dに垂直な平面内で各メサ40を囲む。
【0044】
基板55は、第1の半導体材料で作られる。第1のバンドギャップ値は、第1の半導体材料に対して定義される。
【0045】
「バンドギャップ値」という表現は、材料の価電子帯と伝導帯との間の禁制帯の値を意味すると理解されるべきである。
【0046】
バンドギャップ値は、例えば、電子ボルト(eV)で測定される。
【0047】
価電子帯は、材料内の電子に許容されるエネルギーバンドの中で、20ケルビン(K)以下の温度で完全に満たされている間に最も高いエネルギーを持つバンドとして定義される。
【0048】
第1のエネルギー準位は、価電子帯毎に定義される。第1のエネルギー準位は、価電子帯の最高エネルギー準位である。
【0049】
伝導帯は、材料内の電子に許容されるエネルギーバンドの中で、20K以下の温度では完全に満たされていないのにエネルギーが最も低いバンドとして定義される。
【0050】
第2のエネルギー準位は、伝導帯毎に定義される。第2のエネルギー準位は、伝導帯の最高エネルギー準位である。
【0051】
従って、各バンドギャップ値は、材料の第1のエネルギー準位と第2のエネルギー準位との間で測定される。
【0052】
半導体材料は、バンドギャップ値がゼロより厳密に上で、6.5eV以下である材料である。
【0053】
第1の半導体材料は、例えば、III族窒化物材料である。III族窒化物材料は、GaN、AlN及びInNと、GaN、AlN及びInNの合金を含む材料のグループである。
【0054】
一実施形態によれば、第1の材料は、GaNである。
【0055】
ドーピングは、材料中に、自由電荷キャリアをもたらす不純物の存在として定義される。不純物は、例えば、材料に自然に存在しない元素の原子である。
【0056】
不純物が、ドープされていない材料と比較して、材料の正孔の体積密度を増加させる場合、ドーピングは、p型である。例えば、GaNの層は、マグネシウム(Mg)原子を追加することによってpドープされる。
【0057】
不純物が、ドープされていない材料と比較して、材料内の自由電子の体積密度を増加させる場合、ドーピングは、n型である。例えば、GaNの層は、シリコン(Si)原子を追加することによってnドープされる。
【0058】
第1の材料は、例えば、nドープされる。しかしながら、ドーピングのタイプは、いくつかの実施形態において変化し得る。
【0059】
第1の材料は、例えば、結晶性材料である。結晶又は結晶材料は、その構成要素(原子、分子、イオンなど)が高度に秩序化された微視的構造に配置され、すべての方向に伸びる結晶格子を形成する固体材料である。
【0060】
第1の材料には結晶構造が定義される。結晶学では、結晶構造は、結晶性材料内の原子、イオン又は分子の規則正しい配置の記述である。
【0061】
結晶構造は、例えば、極性構造である。極性構造は、正電荷及び負電荷の重心が空間的に離れている結晶構造である。
【0062】
結晶構造は、例えば、極性方向、少なくとも1つの非極性方向、及び、少なくとも1つの半極性方向を有する。
【0063】
極性方向は、正電荷及び負電荷の重心が空間的に離れている方向である。
【0064】
非極性方向は、正電荷及び負電荷の重心が同じになる方向である。
【0065】
半極性方向は、極性軸及び材料のすべての非極性方向の両方と非ゼロの角度を形成する方向である。
【0066】
例えば、結晶構造は、ウルツ鉱などの六方晶構造である。ウルツ鉱は、III族窒化物の最も一般的な結晶構造である。ウルツ鉱型構造の極性軸は、c軸と呼ばれる。
【0067】
法線方向Dは、例えば、結晶構造の極性方向に平行である。
【0068】
絶縁層60は、主表面65上に延在する。絶縁層60は、例えば、法線方向Dに垂直な平面内の各メサ40を囲む。
【0069】
絶縁層60は、電気絶縁材料で作られる。例えば、絶縁層60は、酸化ケイ素で作られる。
【0070】
絶縁層60は、被覆層45と基板55との間に障壁を形成する。特に、絶縁層60は、メサ40を通って流れることなく、電流が被覆層45と基板55との間に流れるのを防ぐ。
【0071】
各メサ40は、基板55から法線方向Dに沿って延びる。
【0072】
各メサ40は、上面70、側面75及び基部80を有する。
【0073】
メサ40は、法線方向Dに沿って、基部80及び上面70によって区切られている。
【0074】
各メサ40は、例えば、錐台の形をしている。
【0075】
幾何学では、錐台は、固体を切断する1つ又は2つの平行な平面の間にある固体の部分である。切頭角錐台は、錐台の一例である。
【0076】
例えば、メサ40は、切頭直角錐の形をしている。幾何学では、ピラミッドは、多角形の底面80と頂点と呼ばれる点を接続することによって形成される多面体である。直角錐台の頂点は、基部80の重心の真上にある。
【0077】
より正確には、メサ40は、その頂点が法線方向Dに沿って基部80の重心と整列している切頭角錐の形状をしている。
【0078】
各メサ40は、法線方向Dに沿って測定された高さh、及び、法線方向に垂直な平面で測定された横方向の寸法を有する。横方向寸法のうち、メサの最小横方向寸法lは、法線方向Dに垂直な全ての方向の中でメサ40が最小の寸法を有する方向に沿って測定されたメサ40の寸法として定義される。
【0079】
メサ40が、基部80が偶数の辺を有する切頭直角錐の形状である場合、最小横方向寸法lは、基部80の2つの対向する側部間の距離である。
【0080】
高さhは、最小横寸法lよりも厳密に小さい。
【0081】
高さhは、100nmから2μmの間であり、例えば、100nmから1μmの間である。
【0082】
メサ40は、半導体材料で作られる。例えば、メサ40は、第1の半導体材料で作られる。
【0083】
メサ40は、基板55に電気的に接続されている。一実施形態では、メサ40は、基板55と一体である。
【0084】
上面70は、例えば、平坦である。
図2に示す実施形態では、上面70は、法線方向Dに垂直である。
【0085】
上面70は、多角形である。
【0086】
図1に示されるように、基部80は、例えば、長方形である。正方形の上面70は、長方形の上辺70の例である。
【0087】
他の実施形態では、上面70は、六角形又は三角形である。
【0088】
上面70は、4平方マイクロメートル(μm2)から900平方マイクロメートル(μm2)の間で構成される表面を有し、例えば、9μm2から900μm2の間で構成される。
【0089】
側面75は、基板55と上面70との間に延びる。
【0090】
図3に見られるように、側面75は、上面70を囲む。側面75は、法線方向Dに垂直な平面内でメサ40を区切る。
【0091】
軸Aは、側面75の各点に対して定義される。軸Aは、その点を通過し、その点において側面75に垂直な方向に対応する。
【0092】
法線方向と軸Aとの間の角度αは、側面75の任意の点において、90度(°)よりも厳密に小さい。特に、角度αは、30から80°である。例えば、各軸Aは、半極方向に垂直である。
【0093】
換言すれば、法線方向Dと、法線方向Dを含む垂直面に含まれる、側面75上の線との間の角度βは、ゼロよりも厳密に大きく、例えば、10°から60°である。
【0094】
一実施形態によれば、各角度αは、50°から80°である。言い換えれば、角度βは、10°から40°である。
【0095】
一実施形態によれば、角度αは、55°から65°である。
【0096】
側面75は、例えば、複数の平面を含む。特に、メサ40が切頭直角錐ある場合、各平面は、長方形であり、基部80の片側から上面70の片側まで延びる。この場合、同じ平面の任意の2点の角度αは同じである。
【0097】
一実施形態によれば、単一画素の少なくとも2つのエミッタ25の側面75は、互いに接触している。
【0098】
メサ40の基部80は、基板55と接触している。
【0099】
基部80は、上面70の表面よりも厳密に高い表面を有する。
【0100】
基部80は、多角形である。長方形又は六角形の基部80は、多角形の基部80の例である。例えば、基部80の形状は、上面70の形状と同じである。
【0101】
図1に示される例によれば、各メサ40の基部80の側面は、互いに平行である。
【0102】
【0103】
被覆層45は、メサ40の少なくとも一部を覆う。
【0104】
被覆層45は、第1の電流をメサ40から第1の電気接点50に伝達するように適合されている。
【0105】
被覆層45は、上面70の少なくとも一部及び側面75の少なくとも一部に延在する。特に、被覆層45は、上面70と接触する上部77と、側面75と接触する外部78とを有する。
【0106】
メサ40と第1の電気接点50との間に流れる第1の電流が被覆層45を通って流れるように、各被覆層45は、第1の電気接点50とメサ40との間に挿入される。
【0107】
被覆層45は、少なくとも1つの放射線放出層85を含む。例えば、被覆層45は、複数の重ね合わされた放射線放出層85及び少なくとも1つの第1の障壁層90を含む。
【0108】
被覆層45は、第1の電流が被覆層45を通って流れるとき、第1の電流が各放射線放出層85を通って流れるように構成される。
【0109】
各放射線放出層85は、第1の電流が放射線放出層85を通って流れるときに放射線を放出するように構成される。例えば、各放射線放出層85は、第2の放射線を放出するように構成される。
【0110】
各第2の放射線は、第2の組の電磁波を含む。
【0111】
各第2の組の電磁波は、第2の波長範囲に対応する。第2の波長範囲は、第2の組の電磁波の全ての波長によって形成されるグループである。
【0112】
第2の平均波長は、第2の波長範囲毎に定義される。第2の平均波長は、放射線放出層85がその一部を構成する発光体25に対応する第1の放射線の第1の平均波長とは異なる。例えば、第2の平均波長は、第1の平均波長よりも厳密に短い。
【0113】
別の実施形態によれば、第2の平均波長は、第1の放射線の第1の平均波長に等しい。
【0114】
第1の半導体材料は、第2の放射線に対して透明である。
【0115】
各放射線放出層85は、第2の半導体材料で作られる。
【0116】
第2の半導体材料は、第2のバンドギャップ値を有する。第2のバンドギャップ値は、第1のバンドギャップ値よりも厳密に小さい。
【0117】
第2の半導体材料は、結晶性材料である。例えば、第2の半導体材料は、第1の半導体材料と同じ結晶構造を有する。第2の半導体材料が第1の半導体材料とは異なる結晶構造を有する実施形態を想定することができる。
【0118】
第2の半導体材料は、例えば、III-N材料である。特に、第1の半導体材料がGaNの場合、第2の半導体材料は、InGaNである。
【0119】
各放射線放出層85は、側面75及び上面70に延在する。
【0120】
特に、各放射線放出層85は、側面75の少なくとも一部及び上面70を覆う。言い換えれば、各放射線放出層85は、側面75及び上面70によって支持されている。
【0121】
各放射線放出層85は、第1の部分95及び第2の部分100を有する。
【0122】
放射線放出層85の第1の部分95は、被覆層45の上部77の一部である放射線放出層85の部分である。
【0123】
第1の部分95は、上面70に対応する。特に、第1の部分95は、上面70の少なくとも一部を覆う。例えば、第1の部分95は、上面70を完全に覆う。
【0124】
第1の部分95は、法線方向Dに垂直である。
【0125】
第1の部分95は、第1の厚さe1を有する。第1の厚さe1は、法線方向Dに沿って測定される。
【0126】
単一量子井戸の場合、第1の厚さe1は、1nmから20nmである。
【0127】
同じエミッタ25内の全ての放射線放出層85の第1の部分95は、法線方向Dに沿って重ね合わされる。言い換えれば、第1の部分95は、法線方向Dに沿って積み重ねられた第1の部分95のスタックを形成する。
【0128】
放射線放出層85の第2の部分100は、被覆層45の側部78の一部である放射線放出層85の部分である。
【0129】
第2の部分100は、側面75に対応する。特に、第2の部分100は、側面75の少なくとも一部を覆う。
【0130】
一実施形態によれば、第2の部分は、側面75の表面の少なくとも30パーセント(%)を覆う。例えば、第2の部分100は、側面75の少なくとも50%を覆う。第2の部分100が側面75の少なくとも90%を覆う、特に側面75を完全に覆う実施形態が想定され得る。
【0131】
第2の部分で覆われる側面75の表面の百分率の上記の値は、例えば、絶縁層60と接触していない側面75の表面のみを考慮して計算される。
【0132】
しかしながら、第2の部分によって覆われる側面75の表面の百分率が、絶縁層60と接触していない側面75の表面と、絶縁層60で覆われている側面75の表面との両方を考慮することによって計算される実施形態が考えられる。
【0133】
第2の部分100は、側面75の任意の点において、軸Aに垂直である。
【0134】
同じエミッタ25内の全ての放射線放出層85の第2の部分100は、互いに重ね合わされている。言い換えれば、これらの第2の部分100は、第2の部分100のスタックを形成する。第2の部分100は、軸Aに沿って積み重ねられている。
【0135】
各第2の部分100は、第2の厚さe2を有する。第2の厚さe2は、対応する軸Aに沿って、第2の部分100の任意の点で測定される。
【0136】
第2の厚さe2は、第1の厚さe1よりも厳密に小さい。例えば、第1の厚さe1と第2の厚さe2との比は、1.5から6である。
【0137】
第2の部分100は、第2の部分100内の電荷キャリアのエネルギー準位が、第1の部分95内の電荷キャリアのエネルギー準位よりも厳密に高いように配置されている。
【0138】
第2の厚さe2は、第2の部分100が第2の材料の電荷キャリアのための量子井戸を形成するようなものである。
【0139】
構造的に、単一の量子井戸は、第2の半導体材料の2つの層の間に第1の半導体材料の層を挿入することによって作られ、ドープされた第1の半導体材料と第2の半導体材料は、異なるバンドギャップ値を有する。対照的に、多重量子井戸構造は、量子井戸と障壁とが交互に並んだ半導体層のスタックである。
【0140】
機能的には、量子井戸は、少なくとも1つのタイプの電荷キャリアに対して一方向に量子閉じ込めが発生する構造である。量子閉じ込めの効果は、その方向に沿った構造体の寸法が、一般に電子及び/又は正孔であるキャリアのドブロイ波長に匹敵するか、それよりも小さくなると発生し、「エネルギーサブバンド」と呼ばれるエネルギー準位につながる。
【0141】
このような量子井戸では、キャリアは離散的なエネルギー値しか持たない場合があるが、通常、閉じ込めが発生する方向に垂直な平面内を移動することができる。「エネルギー準位」とも呼ばれる、キャリアが利用できるエネルギー値は、閉じ込めが発生する方向に沿って量子井戸の寸法が減少すると増加する。従って、第2の部分100の第2の厚さe2は、第1の部分95の第1の厚さe1よりも小さいので、第2の部分100のエネルギー準位は、第1の部分95のエネルギー準位よりも高い。
【0142】
量子力学では、「ドブロイ波長」は、粒子が波と見なされるときの粒子の波長である。電子のドブロイ波長は、「電子波長」とも呼ばれる。電荷キャリアのドブロイ波長は、キャリアが含まれる材料によって異なる。
【0143】
第2の半導体材料の電子の電子波長と5との積よりも厳密に小さい第2の厚さe2を有する第2の部分100は、量子井戸の例である。
【0144】
第2の厚さe2は、例えば、0.3nmから10nmのである。
【0145】
各障壁層90は、第3の半導体材料で作られる。第3の半導体材料は、第3のバンドギャップ値を有する。第3のバンドギャップ値は、第2のバンドギャップ値よりも厳密に大きい。
【0146】
一実施形態では、第3の半導体材料は、第1の半導体材料である。例えば、第3の半導体材料は、GaNなどのIII族窒化物材料である。
【0147】
第3の半導体材料は、例えば、ドープされる。第3の半導体材料のドーピングのタイプは、例えば、第1の半導体材料のドーピングのタイプとは異なる。特に、第3の半導体材料は、pドープされる。
【0148】
1つの障壁層90は、連続する放射線放出層85の各対の間に挿入される。
【0149】
一実施形態では、1つの障壁層90はまた、メサ40から最も遠い放射線放出層85を覆う。この障壁層90は、メサ40から最も遠い放射線放出層85とエミッタ25の外側との間に障壁を形成する。
【0150】
各障壁層90は、1nmから30nmの厚さを有する。第1の電気接点50は、第1の電流を制御回路20から被覆層45に伝達するように構成される。
【0151】
第1の電気接点50は、被覆層45の上部77と接触している。例えば、第1の電気接点50は、上部77と側部78の両方に電気的に接続され、従って、発光層85の第1の部分95及び第2の部分100の両方に電気的に接続される。
【0152】
第1の電気接点50は、例えば、金属材料で作られる。
【0153】
別の実施形態では、第1の電気接点50は、接続層及び第2の障壁層を含む。
【0154】
接続層は、第4の材料で作られる。第4の材料は、導電性材料又は半導体材料である。第4の材料は、1019原子/cm3を超える、好ましくは1020原子/cm3を超えるドーパント濃度のドーパントを用いて第1の導電性タイプで高濃度にドープされる。
【0155】
第2の障壁層は、電気絶縁材料で作られる。
【0156】
第2の障壁層は、接続層と被覆層45との間に挿入される。
【0157】
第2の障壁層は、被覆層45、第2の障壁層及び接続層がトンネル接合を生成するように構成される。
【0158】
このような文脈において、被覆層は、1019原子/cm3を超える、好ましくは1020原子/cm3を超えるドーパント濃度のドーパントを用いて第2の導電性タイプで高濃度にドープされた半導体である。第2の導電性タイプは、第1の半導体タイプとは異なる。
【0159】
トンネル接合は、2つの導電性材料の間に薄い絶縁層や電位などの障壁を含む構造である。障壁が薄いため、障壁が絶縁材料で作られても、電子は、量子トンネリングの技術によって障壁を通過する可能性がある。
【0160】
第2の障壁層は、50nmから300nmの厚さを有する。
【0161】
放射線変換器52は、第2の放射線を第1の放射線に変換するように適合されている。
【0162】
放射線変換器52は、フォトルミネッセンス材料、例えば、蛍光体又はナノ蛍光体である。
【0163】
変形例では、フォトルミネッセンス材料は、粒子の組である。フォトルミネッセンス材料の例は、YAG:Ce又はYAG:Ce3+とも呼ばれる3価のセリウムイオンによって活性化されるイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)である。従来のフォトルミネッセンス材料の粒子の平均サイズは、5μmを超える。
【0164】
一実施形態では、フォトルミネッセンス材料は、以下では半導体ナノ結晶又はナノ蛍光体粒子とも呼ばれる、半導体材料のナノメートル範囲の単結晶粒子をその中に分散させたマトリックスである。
【0165】
一実施形態によれば、ナノ結晶の平均サイズは、0.5nmから1,000nm、好ましくは0.5nmから500nm、より好ましくは1nmから100nm、特に2nmから30nmの範囲にある。50nm未満の寸法の場合、半導体ナノ結晶の光変換特性は、本質的に量子閉じ込め現象に依存する。半導体ナノ結晶は、量子箱又は量子ドットに対応する。
【0166】
一実施形態によれば、半導体結晶の半導体材料は、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化インジウム(InP)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、酸化カドミウム亜鉛(ZnCdO)、硫化カドミウム亜鉛(CdZnS)、セレン化カドミウム(CdZnSe)、硫化銀インジウム(AgInS2)、及び、これらの化合物の少なくとも2つの混合物を含む群から選択される。
【0167】
マトリックスは、少なくとも部分的に透明な材料で作られる。マトリックスは、例えばシリカで作られる。マトリックスは、例えば、少なくとも部分的に透明なポリマー、特にシリコーン、エポキシ、又はポリ乳酸(PLA)で作られる。マトリックスは、PLAなどの3次元プリンタで使用される少なくとも部分的に透明なポリマーで作られる場合がある。一実施形態によれば、マトリックスは、2質量%から90質量%、好ましくは10質量%から60質量%のナノ結晶、例えば、約20質量%のナノ結晶を含む。
【0168】
他の可能な実施形態によれば、放射線変換器52は、感光性樹脂に埋め込まれた一群の半導体粒子を含む。
図2に示されるように、放射変換器52は、主表面65の反対側で、メサ40に面する基板55の底面102によって支持される。
【0169】
底面102は、例えば、主表面65に平行である。
図2に示される例では、底面102は、法線方向Dに沿って基板55を区切る。
【0170】
基板55は、例えば、法線方向Dに沿って、主表面65及び底面102によって区切られる。
【0171】
法線方向に沿って測定された、底面102と主表面65との間の距離は、例えば、500nmから50μmである。
【0172】
接続構造体30は、基板55と制御回路20とを電気的に接続するように構成されている。
【0173】
接続構造体30は、例えば、メサ40、被覆層45及び第2の電気接点105を備える。
【0174】
接続構造体30のメサ40及び被覆層45は、発光体のメサ40及び被覆層45と同一である。
【0175】
第2の電気接点105は、制御回路20と基板55とを電気的に接続する。例えば、第2の電気接点105は、絶縁層60を介して制御回路20と基板55とを接続する。
【0176】
第2の電気接点105は、金属材料などの導電性材料で作られる。
【0177】
第2の電気接点105は、接続構造体30のメサ40及び被覆層45によって支持される。例えば、第2の電気接点105は、接続構造体30の上部77及び側部78の少なくとも一部を覆う。
【0178】
制御回路20は、各発光体25に対応する第1の電流を生成し、各第1の電流を対応する発光体25に送信するように構成される。
【0179】
制御回路20は、例えば、第1又は第2の電気接点50、105にそれぞれ接続された接続パッド110を備える。
【0180】
より正確には、第2の電気接点105に対応する接続パッド110は、第2の電気接点105の一部と接触している。第2の電気接点105の前記部分は、対応する被覆層45の第1の部分95と接続パッド110との間に挿入される。
【0181】
次に、発光体25の動作について説明する。
【0182】
制御回路20が第1の電流を生成すると、第1の電流は、第2の電気接点105、基板55、メサ40、被覆層45及び第1の電気接点50を通って順次流れる。
【0183】
電流が流れると、各発光層85に電子と正孔が到着する。発光層又は複数の発光層85における電子正孔対の再結合は、第2の放射線の放出をもたらす。
【0184】
第2の放射線の少なくとも一部は、変換器52によって吸収される。第2の放射線を吸収すると、変換器は、第1の放射線を放出する。
【0185】
発光体25の動作中、第2の部分100の電荷キャリアのエネルギー準位が、第1の部分95内の同じキャリアのエネルギー準位よりも高いので、電荷キャリアは、発光層又は複数の発光層85の第2の部分100によって反発される。従って、電荷キャリアは、メサ40の側面75から離れるように駆動される。
【0186】
従って、メサ40の側面75でのキャリアの表面再結合は、第2の部分100を含まない発光体25と比較した場合に減少する。結果として、発光体25の発光効率は、従来技術で知られている発光体25の発光効率よりも高い。
【0187】
このような効果は、メサ40の横方向寸法が減少するときに増加する。さらに、この効果は、側面75の表面の30%以上が第2の部分100によって覆われている場合に、より強くなる。
【0188】
第1の部分95よりも薄い第2の部分100を使用することは、第2の部分100が量子井戸を生成するのに十分薄い場合に容易に再現可能である第1の部分95よりも第2の部分100においてより高いエネルギー準位を得る方法である。1.5から6に含まれる第1の厚さ対第2の厚さの比は、第2の部分100からのキャリアの良好な反発を可能にする第1の部分と第2の部分95、100との間のエネルギー差に対応する。
【0189】
角度αが10°から50°に含まれるメサ40上への発光層85の堆積は、そのようなより薄い第2の部分100を容易に得ることを可能にする。実際に、そのような側面75に堆積された材料は、通常の材料堆積チャンバの形状のために、上面70に堆積されたときよりもゆっくりと成長する。
【0190】
画素15のそのような容易な取得は、
図4から12によって概略的に示されるそのような画素15を製造するための方法を実行する例を参照して説明される。
【0191】
画素15を製造するための方法は、供給する段階、生成する段階、絶縁する段階、堆積する段階、形成する段階、接続する段階、及び、配置する段階を含む。
【0192】
供給する段階中に、基板55が供給される。供給する段階中に、基板55は、基板55を支持する支持プレート120を備える。支持プレート120は、例えば、シリコン又はサファイアプレートである(特に
図4を参照)。
【0193】
作成する段階中に、各メサ40が作成される。例えば、各メサ40は、第1の材料で作られたバルクの一部をエッチング除去することによって作成される。
【0194】
一実施形態によれば、各メサ40は、基板55の一部をエッチング除去することによって作成され(特に
図5を参照)、この場合、バルクは、基板55である。
【0195】
可能な変形によれば、この方法は、第1の材料の層を基板55上に堆積させる段階を含む。従って、この層は、基板55によって支持される。次に、各メサ40は、前記層の一部をエッチング除去することによって作成される。従って、この場合、バルクは、基板55によって支持される第1の材料の層である。
【0196】
絶縁する段階中に、絶縁層60は、基板55の主表面の選択された領域に堆積される。
【0197】
例えば、電気絶縁材料は、基板55及びメサ40上に堆積され、次いで、メサ40から除去される。他の実施形態では、感光性樹脂の層がメサ40上に堆積され、その結果、電気絶縁材料は、主表面65上にのみ堆積される。
【0198】
堆積する段階は、対応するメサ40上に各被覆層45を堆積する段階を含む(特に
図6を参照)。例えば、同一の被覆層45が各メサ40上に堆積される。
【0199】
堆積は、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD)などの堆積技術を使用して実行される。
【0200】
MOCVDは、「MOVPE」とも呼ばれ、「Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy」の略である。他の化学蒸着(CVD)法も想定され得る。
【0201】
しかしながら、分子線エピタキシー(MBE)、ガス源MBE(GSMBE)、金属有機MBE(MOMBE)、プラズマ支援MBE(PAMBE)、原子層エピタキシー(ALE)、又は、水素化エピタキシー(HVPE)などの他の堆積技術を使用することもできる。
【0202】
上面70及び側面75の結晶配向が異なるため、発光層85の堆積は、第2の厚さe2が第1の厚さe1よりも小さい結果となる。第1の厚さe1と第2の厚さe2との間の比率は、特に角度αに依存する。
【0203】
形成する段階中に、各第1の電気接点50が形成される。例えば、各第1の電気接点50及び各第2の電気接点105は、
図7に示されるように、対応するメサ40及び被覆層45上に同時に堆積される。
【0204】
一実施形態では、保護樹脂の層が、堆積の前に、基板55、メサ40、及び、被覆層45上に形成され、電気接点50、105が堆積される領域のみを明らかに残すようにパターン化される(
図8及び9を参照)。
【0205】
電気接点50、105は、例えば、電子ビーム堆積、熱蒸着及びスパッタ堆積などの金属堆積技術を使用して堆積される。
【0206】
次に、各第1及び第2の電気接点50、105は、接続する段階中に制御回路20に電気的に接続される(
図9を参照)。
【0207】
支持プレートを基板55から取り外して、基板55の底面102を露出させる(
図10を参照)。
【0208】
次に、各放射線変換器52は、対応するメサ40の反対側の底面102上に形成される。リソグラフィは、そのような変換器を配置するための適切な方法の例である(
図11を参照)。
【0209】
画素の製造は、いくつかの発光体を含む画素15の場合について以前に説明された。しかしながら、単一の発光体25を製造する方法は、作成する段階中に1つのメサ40のみが作成され、堆積する段階中に、作成されたメサのみに保護層45が堆積されるという条件で、供給する段階及び堆積する段階を含み得る。
【0210】
そのため、各製造する方法は、容易に実施される。
【0211】
さらに、メサ40が、第1の材料の既存のバルクの一部をエッチング除去することによって作成されるので、メサ40の形状は、効率的に制御され得る。特に、角度αは、自由に選択することができ、成長中に自然に得られる角度によって制限されない。従って、第2の部分100からのキャリアの良好な反発と両立する第1及び第2の厚さe1及びe2の比率を可能にする角度αを得ることができる。特に、角度αは、所望の厚さe1及びe2に応じて修正することができる。
【0212】
エミッタ25はまた、ここで説明される追加の利点を提供する。
【0213】
第1の電気接点50が第2の部分100に電気的に接続されている場合、電流は、軸Aに沿って第2の部分100と第1の電気接点50との間を移動する。軸Aが結晶構造の半極性方向に平行である場合、被覆層45への正孔の注入が、より容易になる。
【0214】
被覆層45と第1の電気接点50との間のより大きな接触面積のために、電圧が低下し、壁プラグの効率が改善される(
図14を参照)。
【0215】
絶縁層60の存在は、基板55と被覆層45との間の短絡による電気的損失を減少させる。隣接する発光体のメサ40が互いに接触している場合にも同じ効果が得られる。なぜなら、その場合、被覆層45と基板55との間の電気的接触もまた排除されるからである。
【0216】
材料の結晶構造が六角形である場合、基部80の六角形の形状は、ウルツ鉱の六角形の対称性のために、側面75の面の特性が互いに同一であることを可能にする。
【0217】
さらに、六角形又は長方形の基部80は、メサ40を基板55上にコンパクトに配置することを可能にし、従って、画素15をより小さくすることを可能にする。従って、一組の画素15を含む表示スクリーン10の解像度はより高い。
【0218】
全ての発光層85を堆積するために1つの堆積段階のみが実行されるので、光変換器52を使用することにより、同一の発光層85を有する発光体25が、容易に製造されながら、異なる第1の放射線、特に異なる色の第1の放射線を放出することができる。
【0219】
単一画素15の3つの発光体25のそれぞれが異なる第1の放射線を放出するとき、その画素は、表示スクリーンにおいてカラー画素として使用され得る。
【0220】
しかしながら、1つ又はいくつかの発光体25が放射線変換器52を含まない実施形態が想定され得る。この場合、発光層85によって放出される放射線が第1の発光である。
【0221】
例えば、発光体25のうちの2つは、放射線変換器52を含むが、第3の発光体25は、特に第3の発光体25が青色の第1の放射線を放出する場合、放射線変換器52を含まない。別の実施形態では、発光体25のいずれも放射線変換器52を含まず、発光体25の発光層85は、例えば、発光体25の第2の材料が異なる場合、異なる平均波長を有する第1の放射線を放出するように構成される。
【0222】
放射線変換器52を奪われた発光体25は、より効率的である。
【0223】
さらに、各発光体25が放射線変換器52を含む実施形態は、想定され得る。例えば、各放射線放出層85は、紫外線放射線であり、各放射線変換器52は、紫外線放射線を対応する第1の放射線に変換する。
【0224】
メサ40は、切頭直角錐形状の場合に、ここで上に説明されている。しかしながら、メサ40の形状は、異なる場合がある。
【0225】
一実施形態では、メサ40は、円錐台の形をしている。例えば、上面70及び基部80は、円形である。
【0226】
上記の例では、第2の部分100のみが量子井戸として記述されている。しかしながら、第1の部分95が量子井戸を生成する実施形態が想定され得る。量子井戸の発光効率は、多くの場合、より厚い層の発光効率よりも優れる。
【0227】
平坦化層を使用できることに留意されたい。平坦化層は、基板55、メサ40、及び、被覆層45上に堆積された材料の層であり、その結果、メサ40及び被覆層45は、平坦化層に埋め込まれ、従って、平面を形成する。平面は、デバイス処理に有益であり、より均一な電気的注入を提供する可能性がある(
図17を参照)。
【0228】
平坦化層は、例えば、第1の半導体材料で作られる。
【0229】
一実施形態では、平坦化層は、ドープされる。特に、平坦化層は、メサ40とは異なる種類のドーピングを有する。
【0230】
特定の例では、平坦化層は、pドープGaNで作られる。
【0231】
発光層85は、単一材料のコンパクトな層として説明されている。発光層85が超格子である実施形態も想定される。超格子は、2つ以上の異なる材料の副層のスタックによって形成される層であり、スタック方向に沿って繰り返されるパターンを形成し、副層は、非常に薄いため、副層間に量子結合が存在する。
【0232】
上記で説明した様々な半導体材料は、ウルツ鉱型構造のIII族窒化物材料である。しかしながら、他の結晶構造及び材料を使用することができる。
【0233】
例えば、第1、第2、第3及び第4の半導体材料のいずれか1つは、AlAs、GaAs、InAsなどのヒ化物材料の中から、AlP、GaP、InPなどのリン化物材料の中から、ZnSe、CdSe、ZnTe、CdTeなどのII-VI材料の中から、又は、SiやGeなどのIV材料の中から、又は、そのような材料の任意の合金から選択され得る。
【0234】
考慮され得る様々な実施形態の一般的な例示として、特に、画素の例の概略側面図である
図13から17が参照される。
【0235】
図13は、メサマイクロLEDに対応し、
図14は、重なり合うp-金属に対応し、
図15は、トンネル接合接点に対応し、
図16は、最密充填メサマイクロLEDに対応し、
図17は、平坦化された表面を備えた最密充填メサマイクロLEDに対応する。
【0236】
さらに、超格子が量子井戸の下に追加される実施形態を考慮することができる。
【0237】
画素15を製造するための別の例は、
図18から20に示される。
【0238】
この例によれば、被覆層45は、絶縁層60の堆積の前に堆積される。従って、被覆層45は、メサ40と主表面65の両方を覆う(
図18を参照)。
【0239】
後続の除去段階中に、主表面65を覆う被覆層45の部分が、例えばエッチングによって除去される(
図19を参照)。一実施形態では、メサ40の最下部を覆い、従って主表面65と電気的に接触している被覆層45の部分もまた除去される。
【0240】
絶縁段階は、取り外し後に任意に実行して、主表面65を電気絶縁材料で覆うことができる(
図20を参照)。
【0241】
接続構造体30は、メサ40、被覆層45及び第2の電気接点105を含むものとして、上で説明されてきた。しかしながら、接続構造体が第2の電気接点105のみを含む、より単純な実施形態が、想定され得る。この場合、第2の電気接点は、例えば、全高がエミッタ25の全高に等しい導電性材料のブロックである(
図21を参照)。
【符号の説明】
【0242】
10 表示スクリーン
15 発光デバイス
20 制御回路
25 エミッタ
30 接続構造体
40 メサ
45 被覆層
50 第1の電気接点
52 放射線変換器
55 基板
60 絶縁層
65 主表面
70 上面
77 上部
78 側部
80 基部
85 放射線放出層
90 第1の障壁層
95 第1の部分
100 第2の部分
102 底面
105 第2の電気接点
110 接続パッド
120 支持プレート