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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】金属的外観を有する印刷された構造体
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/106 20170101AFI20231110BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231110BHJP
   B33Y 70/10 20200101ALI20231110BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20231110BHJP
   B29C 64/314 20170101ALI20231110BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20231110BHJP
【FI】
B29C64/106
B33Y10/00
B33Y70/10
B33Y80/00
B29C64/314
B29C64/118
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020556841
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019058931
(87)【国際公開番号】W WO2019201671
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】18167508.3
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
(72)【発明者】
【氏名】グリュールケ ステファン ヴィリー ユリウス
(72)【発明者】
【氏名】クープマンス ルース ヨハンナ マティルダ
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-213813(JP,A)
【文献】特開2017-052870(JP,A)
【文献】特表2017-533837(JP,A)
【文献】国際公開第2018/054724(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/114720(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/083797(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0346997(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
B33Y 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D物品を3D印刷するための方法であって、
3D印刷可能材料を提供するステップと、
3D印刷された材料の層を有する前記3D物品を提供するために、前記3D印刷可能材料を層状に堆積させるステップと、を含み、
前記3D印刷可能材料が、或る粒子濃度で前記3D印刷可能材料中に埋め込まれている粒子を含み、
前記粒子が、金属粒子、又は金属コーティング及び金属酸化物コーティングのうちの1つ以上でコーティングされた粒子であり、
前記粒子のそれぞれが、粒子長さ、粒子高さ、及び、前記粒子長さと前記粒子高さとの比として定義される第1の粒子アスペクト比を備える、コイン形状及びフレーク形状の群から選択される形状を有し、前記第1の粒子アスペクト比が5以上であり、
前記3D印刷された材料の各層が、層高さ、層幅、及び、前記層幅と前記層高さとの比として定義される層アスペクト比を有し、
前記層アスペクト比が、2よりも大きい場合、前記粒子濃度が、前記3D印刷可能材料の総体積に対して、4~13体積%の範囲であり、前記層アスペクト比が、2以下かつ1以上である場合、前記粒子濃度が、前記3D印刷可能材料の総体積に対して、0.004~4体積%の範囲である、方法。
【請求項2】
少なくとも50重量%の前記粒子に関して、前記粒子長さが5~100μmの範囲であり、前記粒子高さが0.1~20μmの範囲であり、前記層高さは0.05~5mmの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子が、5~100μmの範囲の粒子幅を有し、前記粒子が、前記粒子幅と前記粒子高さとの比として定義される第2の粒子アスペクト比を有し、前記第2の粒子アスペクト比が5以上である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記粒子のそれぞれが、銀コーティング及びアルミニウムコーティングのうちの1つ以上を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記3D印刷可能材料が、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、及びこれらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの1つ以上を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
3D印刷された材料の層を有する前記3D物品を提供するために、前記3D印刷可能材料を層状に堆積させる前記ステップが、熱溶解積層法3Dプリンタにより実行され、前記熱溶解積層法3Dプリンタがプリンタヘッドを備え、前記プリンタヘッドが、前記粒子長さよりも大きい円相当径を有するプリンタノズルを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
3D印刷された材料の層を備える3D物品であって、前記3D印刷された材料が、或る粒子濃度で前記3D印刷された材料中に埋め込まれている粒子を含み、前記粒子が、金属粒子、又は金属コーティング及び金属酸化物コーティングのうちの1つ以上でコーティングされた粒子であり、前記粒子のそれぞれが、粒子長さ、粒子高さ、及び、前記粒子長さと前記粒子高さとの比として定義される第1の粒子アスペクト比を備える、コイン形状及びフレーク形状の群から選択される形状を有し、前記第1の粒子アスペクト比が5以上であり、前記3D印刷された材料の各層が、層高さ、層幅、及び、前記層幅と前記層高さとの比として定義される層アスペクト比を有し、前記層アスペクト比が、2よりも大きく、前記粒子濃度が、前記3D印刷可能材料の総体積に対して、4~13体積%の範囲であるか、又は、前記層アスペクト比が、2以下かつ1以上であり、前記粒子濃度が、前記3D印刷可能材料の総体積に対して、0.004~4体積%の範囲である、3D物品。
【請求項8】
粒子の総数の少なくとも一部に関して、前記粒子長さが5~200μmの範囲であり、前記粒子高さが0.1~100μmの範囲であり、前記層高さが0.05~5mmの範囲である、請求項7に記載の3D物品。
【請求項9】
前記粒子の少なくとも50重量%に関して、前記粒子長さが10~100μmの範囲であり、前記粒子高さが0.1~20μmの範囲であり、前記粒子が、5~100μmの範囲の粒子幅を有し、前記粒子が、前記粒子幅と前記粒子高さとの比として定義される第2の粒子アスペクト比を有し、前記第2の粒子アスペクト比が5以上であり、前記粒子が、銀コーティング及びアルミニウムコーティングのうちの1つ以上を含む、請求項7又は8のいずれか一項に記載の3D物品。
【請求項10】
前記3D印刷された材料が、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、及びこれらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの1つ以上を含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の3D物品。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか一項に記載の3D物品を備える、照明器具又はランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(印刷された)物品を製造するための方法に関する。本発明はまた、そのような方法で得ることが可能な3D(印刷された)物品にも関する。更には、本発明は、そのような3D(印刷された)物品を含む、ランプ又は照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
3D物品を調製するための、微粒子状充填剤を含む熱可塑性ポリマーの使用が、当該技術分野において既知である。例えば、国際公開第2017/040893号は、粉末組成物であって、二峰性の粒径分布によって特徴付けられる複数の熱可塑性粒子を含み、当該粉末組成物が、微粒子状充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収添加剤、近赤外線吸収添加剤、赤外線吸収添加剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、抗菌剤、着色剤、レーザマーキング添加剤、表面効果添加剤、放射線安定剤、難燃剤、防滴剤、芳香剤、繊維、又は、前述のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくは着色剤若しくは金属微粒子を更に含み得る、粉末組成物を説明している。この文献は更に、三次元物品を調製する方法であって、三次元物品を形成するために、粉末状組成物を粉末床溶融結合させるステップを含む方法を説明している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
今後10~20年以内に、デジタルファブリケーションは、グローバル製造業の性質を、ますます変貌させていくであろう。デジタルファブリケーションの諸態様のうちの1つは、3D印刷である。現在、セラミックス、金属、及びポリマーなどの様々な材料を使用して、3D印刷された様々な物体を製造するために、多種多様な技術が開発されている。3D印刷はまた、金型を製造する際にも使用されることができ、金型は、その後、物体を複製するために使用されることができる。
【0004】
金型を作製する目的のために、ポリジェット技術の使用が提案されてきた。この技術は、光重合性材料の層ごとの堆積を利用しており、光重合性材料は、各堆積の後に硬化されて、固体構造体を形成する。この技術は、平滑な表面を作り出すが、光硬化性材料は、さほど安定したものではなく、それらはまた、射出成形用途に関して有用となる熱伝導率も、比較的低い。
【0005】
最も広く使用される付加製造技術は、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling;FDM)として知られているプロセスである。熱溶解積層法(FDM)は、モデリング、プロトタイピング、及び生産の用途に関して一般に使用される付加製造技術である。FDMは、材料を層状に配置することによる「付加」原理に基づいて機能するものであり、プラスチックフィラメント又は金属ワイヤが、コイルから巻き出され、部品を製造するための材料を供給する。場合により、(例えば、熱可塑性樹脂に関しては)フィラメントは、配置される前に、融解されて押し出される。FDMは、高速プロトタイピング技術である。FDMの他の表現は「融合フィラメント加工」(Fused Filament Fabrication;FFF)又は「フィラメント3D印刷」(Filament 3D Printing;FDP)であり、これらはFDMと等しいものと見なされる。一般に、FDMプリンタは、熱可塑性フィラメントを使用するものであり、熱可塑性フィラメントは、その融点まで加熱され、次いで、一層ずつ(又は、実際には、フィラメントが次々に)押し出されて、三次元の物体を作り出す。FDMプリンタは、比較的高速であり、複雑な物体を印刷するために使用されることができる。
【0006】
FDMプリンタは、比較的高速で、低コストであり、複雑な3D物体を印刷するために使用されることができる。そのようなプリンタは、様々なポリマーを使用して様々な形状を印刷する際に使用される。当該技術はまた、LED照明器具及び照明ソリューションの製造においても、更に開発されつつある。
【0007】
金属的外見を有する物体を有することが、望ましいと思われる。本発明の文脈において、用語「金属的外見」とは、金属物体に類似している外観、具体的には、金属物体の光反射特性に類似している外観を指すものとして解釈されるべきである。
【0008】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは上述の欠点のうちの1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な3D印刷方法及び/又は3D(印刷された)物品を提供することである。本発明は、先行技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、例えば、フレーク状粒子及び/又はコイン状粒子を備える、ポリマーが使用されることができる。これらは例えば、金属フレーク、及び/又は、金属でコーティングされた無機粒子に基づき得る。フレーク状の基材はまた、無機質の多層を備えてもよい。しかしながら、そのような物体の側面の金属的外見は、本質的に、特定の条件下でのみ得られることが可能であると思われる。
【0010】
それゆえ、第1の態様では、本発明は、3D物品を3D印刷するための方法であって、(i)3D印刷可能材料を供給するステップと、(ii)3D印刷された材料の層を有する3D物品を提供するために、3D印刷可能材料を(印刷段階の間に)層状に堆積させるステップとを含む、方法を提供する。
【0011】
3D印刷可能材料は、或る粒子濃度で3D印刷可能材料中に埋め込まれている、粒子を含む。
【0012】
粒子は、粒子長さ(L1)、粒子高さ(L2)、粒子幅(L3)、及び、粒子長さ(L1)と粒子高さ(L2)との比として定義される第1のアスペクト比ARを有する。以下で示されるように、これらの寸法は、粒子を包含する最小直方体に関連して定義されてもよい。
【0013】
3D印刷された材料の層は、層高さ(H)、層幅(W)、及び、層幅(W)と層高さ(H)との比として定義される層アスペクト比を有する。
【0014】
特定の実施形態では、第1のアスペクト比AR≧2であり、更にとりわけ、AR≧5である。上述のように、第1のアスペクト比ARは、L1/L2として定義される。更には、特に実施形態では、L1≒L3である。
【0015】
印刷された物体における層アスペクト比(W/H)が、2よりも大きい場合(W/H>2)、粒子濃度は、4~13体積%の範囲である必要がある。
【0016】
印刷された物体における層アスペクト比(W/H)が、1≦W/H≦2である場合、粒子濃度は、0.004~13体積%の範囲とすることができるが、特に、0.004~4体積%の範囲とすることができる。しかしながら、後者の実施形態では、約4体積%を超える濃度の増大は、本質的に、反射率の増大をもたらさないため、粒子濃度は、特に0.004~4体積%の範囲である。
【0017】
そのような方法では、(リブ状の)側面であっても比較的反射性の外観を有する、3D印刷された材料を有する3D物品を印刷することが可能である。また以下でも更に論じられるように、そのような物品は、装飾目的のために使用されてもよいが、また、例えば、シェード(の一部)のような、ランプ若しくは照明器具の一部、又は、(ランプ又は照明器具の光のビームをビーム成形するための)反射面の一部などの、機能構成要素であってもよい。
【0018】
特に、粒子濃度(特に0.004~13体積%のような、0.004~30体積%などの、0.001~60体積%)は、層高さ(0.05~5mm)の逆数にほぼ対応するか、又は、層高さが、粒子濃度の逆数にほぼ対応する。それゆえ、60体積%の粒子では、層高さは約0.05mmであってもよく、約0.001体積%の粒子では、層高さは約5mmであってもよい。特に、30体積%の粒子では、層高さは約0.05mmであってもよく、約0.004体積%の粒子では、層高さは約5mmであってもよい。同様に、特に13体積%の粒子では、層高さは約0.05mmであってもよく、約0.004体積%の粒子では、層高さは約5mmであってもよい。
【0019】
特定の実施形態では、約0.8~3mmなどの比較的大きい層高さを有する層を印刷する場合、粒子濃度は、それゆえ、例えば約0.004~4体積%の範囲などの、比較的低いものとすることができ、その一方で、層高さが、約0.05~0.8mmの範囲などの、比較的小さい場合、粒子濃度は、例えば約4~13体積%の範囲などの、比較的高いものであってもよい。
【0020】
上述のように、3D印刷可能材料は、(粒子を含む)3D印刷可能材料の総体積に対して、0.001~60体積%、特に0.004~30体積%、更にとりわけ0.004~13体積%の範囲の粒子を含む。
【0021】
これらの粒子に加えて、3D印刷可能材料は、それゆえ、(反射性粒子、及びオプションの更なる粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して、合計で60体積%、更にとりわけ合計で最大30体積%、更にとりわけ、最大で合計約13体積%の量の、(以下でもまた示されるような)更なる微粒子状材料を含んでもよい。
【0022】
更には、(反射性)粒子の濃度は、3D印刷された材料の層高さ及び層幅に依存し得る。それゆえ、堆積されたフィラメントは、層高さ(H)及び層幅Wを有してもよい。印刷された物体における幅/層高さの比(W/H)が、1≦W/H≦2の範囲内である場合、粒子濃度は、0.004~13%から選択されることができると思われる。しかしながら、上述のように、4体積%を超える濃度の増大は、反射率の増大をもたらさないため、粒子濃度は、特に0.004~4体積%の範囲である。層幅に対する層高さの比がW/H>2である場合、粒子の濃度は、特に、4~13体積%の範囲から選択されてもよい。
【0023】
それゆえ、3D印刷された材料における、層高さ(H)に対する層幅(W)の比が、W/H>2に適合する場合、粒子濃度は、4~13体積%の範囲から選択され、3D印刷された材料における、層高さ(H)に対する層幅(W)の比が、1≦W/H≦2に適合する場合、粒子濃度は、0.004~4%の範囲から選択される。
【0024】
特に、コイン形状の粒子又はフレーク状の形状の粒子などの、本質的に平坦な粒子が適用されてもよい。粒子は、規則的な形状であってもよく、又は不規則な形状であってもよい。また、異なる形状の粒子の組み合わせが提供されてもよい。それゆえ、実施形態では、粒子は、コイン形状及びフレーク形状のうちの1種以上から選択される形状を有する。
【0025】
特定の実施形態では、粒子(410)は、粒子幅(L3)と粒子高さ(L2)との第2のアスペクト比AR2を有し、AR2≧5である。
【0026】
特に、AR≧20などの、AR≧10である。更には、特に、AR2≧20のような、AR2≧10などの、AR2≧5である。
【0027】
実施形態では、特に1≦L1/L3≦2のような、1≦L1/L3≦3のような、1≦L1/L3≦4である。それゆえ、長さと幅とは、ほぼ同じであってもよいが、高さは、長さ又は幅よりも実質的に小さい。それゆえ、実施形態では、L1≒L3である。長さと幅とが等しくない場合、(定義により)L1>L3である。それゆえ、長さは、本明細書ではまた、「最長寸法」として示されてもよい。
【0028】
上記で定義されたような粒子は、本明細書ではまた、「反射性粒子」としても示される。これらの粒子は、特に、フレーク状又はコイン状である。それゆえ、これらの粒子はまた、「フレーク」又は「反射性フレーク」などとして示されてもよい。
【0029】
更に他の実施形態では、粒子は、コインの形状を有する。それゆえ、これらの粒子はまた、「コイン」、「ドル」、又は「反射性コイン」若しくは「反射性ドル」などとして示されてもよい。
【0030】
それゆえ、粒子は、小さい高さと、比較的大きい長さ及び幅とを有する、比較的平坦な(薄い)ものである。
【0031】
実施形態では、粒子は、ガラス及び雲母のうちの1種以上を含む。更に他の実施形態では、粒子は、金属を含む。それゆえ、粒子は、アルミニウム及び銅などの金属で作製されてもよい。実施形態では、粒子は、反射性材料でコーティングされてもよい。粒子は、コーティングを有してもよく、コーティングは、金属コーティング及び金属酸化物コーティングのうちの1つ以上を含む。
【0032】
粒子は、可視光の少なくとも一部、すなわち、380~780nmの範囲から選択される1つ以上の波長を有する光に対して反射性である。
【0033】
フレークは、本明細書で言及されるように、任意の形状を有してもよい。高いアスペクト比を有する粒子の一例は、コーンフレーク粒子である。コーンフレーク粒子は、ギザギザの縁部とコーンフレーク状の外観とを有する、高アスペクト比のフレークである。コーンフレーク粒子は、10~1,000の範囲のアスペクト比を有してもよい。特定の実施形態では、粒子は、「銀ドル」形状などのフレークの形状を有してもよい。
【0034】
特定の実施形態では、粒子は、不規則に成形されてもよい。
【0035】
特定の実施形態では、粒子は、(本明細書で定義される寸法を有する)破砕ガラス片を含んでもよい。
【0036】
粒子は、雲母粒子又はガラス粒子、特にコーティングを有する雲母粒子又はガラス粒子とすることができる。特定の実施形態では、粒子は、コーティングを有するガラス粒子を含む。そのような粒子は、反射、特に鏡面反射の観点などから、金属フレークよりも良好な特性を有するものと思われる。そのような粒子は、相対的に、より高い拡散反射をもたらす傾向がある。
【0037】
しかしながら、特にガラス粒子又は雲母粒子、特にガラス粒子は、金属コーティング及び金属酸化物コーティングのうちの1つ以上を含むコーティングを有してもよい。
【0038】
金属コーティングは、例えば、アルミニウム、銀、金などから選択されてもよい。金属酸化物コーティングは、例えば、酸化スズ、酸化チタンなどを含んでもよい。酸化マグネシウム及び/又は酸化アルミニウムもまた、適用されてもよい。それゆえ、特定の実施形態では、粒子は、ガラスフレークを含む。更なる特定の実施形態では、粒子は、銀又はアルミニウムでコーティングされたガラス粒子を含む。特定の実施形態では、異なるタイプの粒子の組み合わせもまた使用されてもよい。特に、粒子は、銀コーティング及びアルミニウムコーティングのうちの1つ以上を含む。
【0039】
粒子はまた、いわゆるグリッタ粒子であってもよい。グリッタは、ポリマーのシートを小片に切断することによって作製される。グリッタはまた、コーティングを含んでもよい。
【0040】
金属コーティングは、特に、本質的に鏡面反射性のコーティングを有してもよい。それゆえ、特に、金属コーティングが適用されてもよい。
【0041】
粒子は、単一の材料を含んでもよく、又は、種々のタイプの材料を含んでもよい。
【0042】
粒子は、単峰性の粒径分布、又は多峰性のサイズ分布を有してもよい。
【0043】
特に、実施形態では、粒子の総数の少なくとも一部に関しては、粒子長さ(L1)は、5~100μmなどの5~200μmの範囲から選択され、更にとりわけ、粒子長さ(L1)は、10~100μmの範囲から選択される。
【0044】
更には、実施形態では、粒子高さ(L2)は、0.1~100μmの範囲から選択されてもよく、更にとりわけ、粒子高さ(L2)は、0.1~20μmの範囲から選択されてもよい。特に、そのような粒子は、説明された層高さの範囲内で、金属的外見をもたらし得る。
【0045】
特に、実施形態では、粒子の総数の少なくとも一部に関しては、粒子幅(L3)は、5~100μmなどの5~200μmの範囲から選択され、更にとりわけ、粒子幅(L3)は10~100μmの範囲から選択される。
【0046】
また更なる特定の実施形態では、少なくとも50重量%の粒子は、5~100μm、更にとりわけ10~100μmなどの、5~200μmの範囲から選択される、粒子長さ(L1)を有する。
【0047】
また更なる特定の実施形態では、少なくとも50重量%の粒子は、0.1~100μm、更にとりわけ0.1~20μmの範囲から選択される、粒子高さ(L2)を有する。
【0048】
また更なる特定の実施形態では、少なくとも50重量%の粒子は、5~100μm、更にとりわけ10~100μmなどの、5~200μmの範囲から選択される、粒子幅(L3)を有する。
【0049】
更には、実施形態では、少なくとも50重量%の粒子に関しては、AR≧2、更にとりわけAR≧5が適用される。更には、実施形態では、少なくとも50重量%の粒子に関しては、AR2≧2、更にとりわけAR2≧5が適用される。
【0050】
不規則形状の粒子に関して、また規則的形状の物品に関しても、容易性のために、(不規則形状の)粒子を包囲する最小矩形直方体(rectangular cuboid)(直方体(rectangular parallelepiped))が、長さ、幅、及び高さを画定するために使用されてもよい。それゆえ、用語「第1の寸法」は特に、不規則形状の粒子を包囲する最小矩形直方体(直方体)の長さを指す。
【0051】
本明細書では、用語「第1の寸法」又は「最長寸法」は、特に粒子長さを指す。特に、最大寸法は、粒子の平面における寸法である。本明細書では、用語「第2の寸法」又は「最短寸法」は、特に粒子の厚さを指す。本明細書では、用語「第3の寸法」は、特に粒子の幅を指す。
【0052】
上述のようなアスペクト比は、オプションの粒子のコーティングを含む、粒子に言及する。語句「粒子のコーティング」とは、特に、個々の粒子上のコーティング、すなわち、単一の粒子を包囲するコーティングを指す。それゆえ、用語「粒子コーティング」もまた使用されてもよい。コーティングは、粒子を完全に包囲してもよく、又は粒子の一部のみを包囲してもよい。総粒子の或るサブセットの粒子が、粒子コーティングを含んでもよく、粒子の総数の別のサブセットは、粒子コーティングを含まなくてもよい。更には、上述のアスペクト比は、異なるアスペクト比を有する複数の粒子に言及する場合がある。それゆえ、粒子は、実質的に同一であってもよいが、粒子の2つ以上のサブセットなどの、コーティング内の粒子はまた、相互に異なっていてもよく、サブセット内では、粒子は実質的に同一である。
【0053】
それゆえ、粒子は相互に異なっていてもよい。例えば、粒子は、粒子長さ、粒子高さ、及び、中間長さのうちの1つ以上の、サイズの分布を有してもよい。それゆえ、平均では、粒子は、本明細書で説明されるような寸法を有することになる。例えば、少なくとも85重量%のような、少なくとも75重量%などの、少なくとも50重量%の粒子が、本明細で示される(比を含めた)寸法に適合する。
【0054】
ポリマー印刷可能材料、すなわち連続相は、特に架橋されていないが、熱可塑性材料を特に含んでもよい。特定の実施形態では、3D印刷可能材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、より高いTgを有する改質PC(例えば、Covestro社製のApec)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び、これらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの、1つ以上を含んでもよい。
【0055】
本明細書で示されるように、3D物品は、特に、層を層ごとに堆積させることによって生成される。フィラメントの堆積の間又はフィラメントの堆積後の、粒子の濃度に言及する場合、濃度は特に、そのようなフィラメントの少なくとも一部、又は堆積された層の少なくとも一部に言及する。それゆえ、粒子の濃度は、フィラメントの長さにわたって変化してもよく、又は層の長さにわたって変化してもよく、又は層間で異なっていてもよい。粒子を有さない層と粒子を有する層とが存在することさえも可能である。濃度が適用される最小の(一体的)体積は、少なくとも5cmのような、少なくとも2cmなどの、少なくとも1cmである。当然ながら、層の高さ及び幅は、一般に比較的小さいため、これは、相対的に拡張された体積であり得る。
【0056】
粒子は、材料中に埋め込まれているが、このことは、粒子のサブセットが、3D印刷可能材料から部分的に突出してもよい点を排除するものではない。このことはまた、3D印刷された材料にも当てはまり得る。それゆえ、3D印刷された材料は、(3D印刷された物品の表面の平滑化が、本質的に平滑な表面をもたらし得る場合であっても)(ポリマーの)3D印刷された材料から粒子が部分的に延出する結果としての、粗さを有してもよい。このことは、製品の反射性外観に寄与し得る。
【0057】
それゆえ、印刷可能材料は、2つの相を含み得る。印刷可能材料は、印刷可能ポリマー材料、特に熱可塑性材料(以下もまた参照)の相を含んでもよく、当該相は、本質的に連続相である。熱可塑性材料ポリマーの、この連続相中には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収添加剤、近赤線光吸収添加剤、赤外線吸収添加剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、抗菌剤、着色剤、レーザマーキング添加剤、表面効果添加剤、放射線安定剤、難燃剤、防滴剤のうちの1つ以上などの、添加剤が存在してもよい。印刷可能材料は、微粒子状材料、すなわち、印刷可能ポリマー材料中に埋め込まれている粒子を更に含み、当該粒子は、実質的に不連続な相を形成する。全混合物中の粒子の量は、特に熱膨張係数を低減するための用途では、(粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して、特に60体積%以下である。光学効果及び表面関連効果に関しては、全混合物中の粒子の量は、(粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して、13体積%以下のような、30体積%以下である。それゆえ、3D印刷可能材料とは特に、架橋ポリマー材料の粒子、及びオプションとして他の粒子が埋め込まれている、本質的に熱可塑性の材料の連続相を指す。同様に、3D印刷された材料とは特に、架橋ポリマー材料の粒子、及びオプションとして他の粒子が埋め込まれている、本質的に熱可塑性の材料の連続相を指す。
【0058】
以降では、粒子に言及される場合、別段の指示がない限り、又は文脈から明らかではない限り、反射性粒子に言及される。それゆえ、(粒子を含む)印刷可能材料もまた、本明細書では、「印刷可能材料」として示される。しかしながら、用語「3D印刷可能材料」とは、特に、熱可塑性材料の連続相を指し、粒子の実施形態が説明される場合に、特に「粒子」に言及される。それゆえ、(連続相をもたらす)熱可塑性材料は、それ自体が、3D印刷可能、特にFDM印刷可能であってもよいが、その一方で粒子は、それ自体では、本質的に3D印刷可能ではなくてもよく、熱可塑性の(本質的に(化学的に)架橋されていない)3D印刷可能材料中に埋め込まれている場合にのみ、印刷可能であってもよい。
【0059】
光学用途に関しては、また非光学用途に関しても、3D印刷可能材料、すなわち熱可塑性材料は、光透過性であることが望ましい場合がある。
【0060】
上述のように、本方法は、3D印刷可能材料を(印刷段階の間に)層状に堆積させるステップを含む。本明細書では、用語「3D印刷可能材料」とは、堆積又は印刷されることになる材料を指し、用語「3D印刷された材料」は、堆積後に得られる材料を指す。これらの材料は、本質的に同じであってもよいが、これは、3D印刷可能材料が、高温のプリンタヘッド又は押出機内の材料を特に指す場合があり、3D印刷された材料が、同じ材料ではあるが、後の堆積された段階の材料を指すためである。3D印刷可能材料は、フィラメントとして印刷され、フィラメントとして堆積される。3D印刷可能材料は、フィラメントとして供給されてもよく、又はフィラメントに形成されてもよい。それゆえ、いかなる出発材料が適用されるとしても、3D印刷可能材料を含むフィラメントが、プリンタヘッドによって供給されて、3D印刷される。本明細書では、用語「3D印刷可能材料」はまた、「印刷可能材料」として示されてもよい。用語「ポリマー材料」とは、実施形態では、異なるポリマーのブレンドを指す場合もあるが、実施形態ではまた、本質的に、異なるポリマー鎖長を有する単一のポリマーのタイプを指す場合もある。それゆえ、用語「ポリマー材料」又は「ポリマー」は、単一のタイプのポリマーを指す場合もあるが、また、複数の異なるポリマーを指す場合もある。用語「印刷可能材料」は、単一のタイプの印刷可能材料を指す場合もあるが、また、複数の異なる印刷可能材料を指す場合もある。用語「印刷された材料」は、単一のタイプの印刷された材料を指す場合もあるが、また、複数の異なる印刷された材料を指す場合もある。
【0061】
3D印刷可能材料を有するフィラメントは、それゆえ、3D印刷された材料の層に変換される。一般に、プリンタノズルからのフィラメントは、円形の断面を有してもよいが、その一方で、層は、印刷の間のノズルの圧力などにより、平坦化される。それゆえ、3D印刷された材料の堆積層は、特に、堆積された層の高さと少なくとも等しいが一般には高さよりも大きい、幅を有する。それゆえ、基本的に、3D印刷可能材料は、オプションとしてフィラメントの形態で、プリンタヘッドに供給されてもよい。3D印刷可能材料は、3D印刷可能材料のフィラメントを供給するように、プリンタノズルを通って駆動され、フィラメントは、層として堆積される。それゆえ、堆積時に、3D印刷可能材料のフィラメントは、3D印刷された材料の層となる。
【0062】
層ごとの堆積により、3D印刷されたフィラメントは、1つずつ上に堆積される。それゆえ、用語「層の高さ」及び同様の用語は、特に、受け物品に垂直な方向での、層の高さを指す。それゆえ、(特徴的な)リブの高さである。用語「層の幅」及び同様の用語は、特に、受け物品に平行な幅を指す。それゆえ、そのような(特徴的な)リブの幅である。高さ及び幅は、受け物品上でのフィラメントの3D印刷部分の結果であるものなどの、単一層の高さを指す。
【0063】
それゆえ、用語「3D印刷可能材料」はまた、2種以上の材料の組み合わせを指す場合もある。一般に、これらの(ポリマー)材料は、ガラス転移温度T及び/又は融解温度Tを有する。3D印刷可能材料は、ノズルから出る前に、3Dプリンタによって、少なくともガラス転移温度、及び一般には、少なくとも融解温度の温度まで加熱されることになる。それゆえ、特定の実施形態では、3D印刷可能材料は、ガラス転移温度(T)及び/又は融点(T)を有する熱可塑性ポリマーを含み、プリンタヘッドの動作は、3D印刷可能材料を、ガラス転移を超えて加熱することを含み、材料が半結晶性ポリマーである場合には、融解温度を超えて加熱することを含む。更に別の実施形態では、3D印刷可能材料は、融点(T)を有する(熱可塑性)ポリマーを含み、プリンタヘッドの動作は、受け物品上に堆積されることになる3D印刷可能材料を、少なくとも融点の温度まで加熱することを含む。ガラス転移温度は、一般に融解温度と同じではない。融解は、結晶性ポリマーにおいて生じる転移である。融解は、ポリマー鎖が、当該ポリマー鎖の結晶構造から脱落して、無秩序な液体となる際に発生する。ガラス転移は、非晶質ポリマーに発生する転移であり、すなわち、固体状態である場合であっても、鎖が規則的な結晶として配列されておらず、いずれかの方式で単に分散されているポリマーである。ポリマーは、本質的にガラス転移温度を有するが融解温度を有さない、非晶質とすることができ、又は、一般にガラス転移温度及び融解温度の双方を有し、一般に後者が前者よりも高い、(半)結晶質とすることもできる。
【0064】
上述のように、本発明は、それゆえ、3D印刷可能材料のフィラメントを供給するステップと、3D物品を提供するために、3D印刷可能材料を(印刷段階の間に)基材上に印刷するステップとを含む、方法を提供する。
【0065】
3D印刷可能材料として特に適格であり得る材料は、金属、ガラス、熱可塑性ポリマー、シリコーンなどから成る群から選択されてもよい。特に、3D印刷可能材料は、ABS(acrylonitrile butadiene styrene;アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ナイロン(又は、ポリアミド)、アセテート(又は、セルロース)、PLA(poly lactic acid;ポリ乳酸)、テレフタレート(PETポリエチレンテレフタレートなど)、アクリル(ポリメチルアクリレート、Perspex、ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリプロピレン(又は、ポリプロペン)、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、低密度ポリエチレン(low density polyethylene;LDPE)、高密度ポリテン(High density polythene;HDPE))、PVC(polyvinyl chloride;ポリ塩化ビニル)、ポリクロロエテン、ポリアミド、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)などの他のポリエステル、ポリスルホンなどの硫化物含有ポリマー、ポリウレタンなどの熱弾性エラストマ、及びポリエチレングリコールとPETとのコポリマーから成る群から選択される、(熱可塑性)ポリマーを含む。特定の実施例もまた上述されている。
【0066】
特に、印刷可能材料は、それ自体が光透過性であり、更にとりわけ、光学的に透明である。PPMA、PC、非晶質PET、PS、及び、これらのうちの2つ以上のコポリエステルが、好適なポリマーである。それゆえ、特に、可視光に対して少なくとも部分的に透過性であるポリマー材料が適用されてもよい。例えば、ポリマー材料は、(粒子が(未だ)利用可能ではないと想定すると)光に対して透明である。
【0067】
印刷可能材料は、受け物品上に印刷される。特に、受け物品は、構築プラットフォームとすることができ、又は、構築プラットフォームによって含まれることができる。受け物品もまた、3D印刷の間に加熱されてもよい。しかしながら、受け物品はまた、3D印刷の間に冷却されてもよい。
【0068】
語句「受け物品上に印刷する」及び同様の語句は、とりわけ、受け物品上に直接印刷すること、又は、受け物品上のコーティング上に印刷すること、又は、受け物品上に先に印刷されている、3D印刷された材料上に印刷することを含む。用語「受け物品」とは、印刷プラットフォーム、プリントベッド、基材、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなどを指す場合がある。用語「受け物品」の代わりに、用語「基材」もまた使用されてもよい。語句「受け物品上に印刷する」及び同様の語句は、とりわけ、印刷プラットフォーム、プリントベッド、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなどの上の、あるいは、それらによって含まれている、別個の基材上に印刷することもまた含む。それゆえ、語句「基材上に印刷する」及び同様の語句は、とりわけ、基材上に直接印刷すること、又は、基材上のコーティング上に印刷すること、又は、基材上に先に印刷されている、3D印刷された材料上に印刷することを含む。以降では、基材という用語が更に使用され、当該用語は、印刷プラットフォーム、プリントベッド、基材、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなど、あるいは、当該のものの上の、又は当該のものによって含まれている、別個の基材を指す場合がある。
【0069】
印刷可能材料が一層ずつ堆積され、それにより、3D印刷された物品が(印刷段階の間に)生成される。3D印刷された物品は、(堆積されたフィラメントに由来する)特徴的なリブ状構造を示し得る。しかしながら、印刷段階の後に、仕上げ段階などの、更なる段階が実行されることもまた可能であってもよい。この段階は、印刷された物品を受け物品から取り出すこと、及び/又は、1つ以上の後処理動作を含んでもよい。1つ以上の後処理動作は、印刷された物品を受け物品から取り出す前に実行されてもよく、及び/又は、1つ以上の後処理動作は、印刷された物品を受け物品から取り出した後に実行されてもよい。後処理は、例えば、研磨、コーティング、機能構成要素の追加などのうちの、1つ以上を含んでもよい。後処理は、リブ状構造を平滑化することを含んでもよく、このことは、本質的に平滑な表面をもたらし得る。
【0070】
本方法は、特に、熱溶解積層法3Dプリンタを使用して適用されてもよく、熱溶解積層法3Dプリンタは、プリンタノズルを含むプリンタヘッドを備える。特に、プリンタノズルは、最大寸法又は長さ(L1)よりも大きい、円形断面を有してもよい。不規則に成形されている二次元形状の円相当径(又は、ECD;equivalent circular diameter)は、等価面積の円の直径である。例えば、辺aを有する正方形の円相当径は、2SQRT(1/π)である。
【0071】
本明細書で説明される方法において使用されてもよい3D印刷可能材料は、粒子が中に埋め込まれており、粒子は、可視光の少なくとも一部に対して反射性であり、粒子は、粒子長さ(L1)、粒子高さ(L2)、及び、粒子長さ(L1)と粒子高さ(L2)との比として定義される第1のアスペクト比ARを有し、特に、3D印刷可能材料は、3D印刷された材料の総体積に対して、0.001~60体積%の粒子の範囲の、粒子濃度Cを有する。
【0072】
3D印刷可能材料に関連する、いくつかの特定の実施例が、以下で本方法を論じる際に既に明らかにされている。以下では、3D印刷可能材料に関連する、いくつかの特定の実施例が、より詳細に論じられる。
【0073】
特定の実施例では、熱溶解積層法3D印刷可能材料中、少なくとも50体積%の粒子は、5~200μm、特に5~100、更にとりわけ10~100μmの範囲から選択される粒子長さ(L1)と、0.1~20μmの範囲から選択される粒子高さ(L2)とを有する。更には、当該粒子は、銀コーティング及びアルミニウムコーティングのうちの1つ以上を含む。また更なる実施例では、3D印刷可能材料は、3D印刷された材料の総体積に対して、0.001~30体積%、更にとりわけ0.04~13体積%の粒子の範囲の、粒子濃度Cを有する。
【0074】
上述のように、濃度は、3D印刷可能材料を含むフィラメントの長さにわたって変化してもよい。しかしながら一般に、濃度は、フィラメントの長さにわたって本質的に均一となる。
【0075】
上述のように、特定の実施例では、AR≧2であり、ARは、L1/L2として定義されている。特定の実施例では、粒子は、粒子幅(L3)と粒子高さ(L2)との第2のアスペクト比AR2を有し、AR2≧5である。特に、AR≧20などの、AR≧10である。更には、特に、AR2≧10などの、AR2≧5である。
【0076】
実施例では、特に1≦L1/L3≦2のような、1≦L1/L3≦3のような、1≦L1/L3≦4である。それゆえ、長さと幅とは、ほぼ同じであってもよいが、高さは、長さ又は幅よりも実質的に小さい。それゆえ、実施例では、L1≒L3である。
【0077】
上記では、本方法に関連して粒子が説明された。しかしながら、上述のような粒子の実施例は、3D印刷可能材料ばかりではなく、3D印刷された材料にも同様に適用される。それゆえ、特に、実施例では、粒子の総数の少なくとも一部に関しては、粒子長さ(L1)は、5~100μmなどの5~200μmの範囲から選択され、更にとりわけ、粒子長さ(L1)は、10~100μmの範囲から選択される。
【0078】
更には、実施例では、粒子高さ(L2)は、0.1~100μmの範囲から選択されてもよく、更にとりわけ、粒子高さ(L2)は、0.1~20μmの範囲から選択されてもよい。特に、そのような粒子は、説明された層高さの範囲内で、金属的外見をもたらし得る。特に、実施形態では、粒子の総数の少なくとも一部に関しては、粒子幅(L3)は、5~100μmなどの5~200μmの範囲から選択され、更にとりわけ、粒子幅(L3)は、10~100μmの範囲から選択される。
【0079】
また更なる特定の実施例では、少なくとも50重量%の粒子は、5~100μm、更にとりわけ10~100μmなどの、5~200μmの範囲から選択される、粒子長さ(L1)を有する。
【0080】
また更なる特定の実施例では、少なくとも50重量%の粒子は、0.1~100μm、更にとりわけ0.1~20μmの範囲から選択される、粒子高さ(L2)を有する。
【0081】
また更なる特定の実施例では、少なくとも50重量%の粒子は、5~100μm、更にとりわけ10~100μmなどの、5~200μmの範囲から選択される、粒子幅(L3)を有する。
【0082】
更には、実施例では、少なくとも50重量%の粒子に関しては、AR≧2、更にとりわけAR≧5が適用される。
【0083】
更には、実施例では、少なくとも50重量%の粒子に関しては、AR2≧2、更にとりわけAR2≧5が適用される。
【0084】
更には、本発明は、本明細書で説明される方法を実行するために使用されることが可能な、ソフトウェア製品に関する。用語「ソフトウェア製品」の代わりに、用語「コンピュータプログラム製品」もまた適用されてもよい。
【0085】
本明細書で説明される方法は、3D印刷された物品を提供する。それゆえ、本発明はまた、更なる態様では、本明細書で説明される方法で得ることが可能な、3D印刷された物品も提供する。
【0086】
特に、本発明は、或る粒子濃度で粒子が中に埋め込まれている、3D印刷された材料(3D印刷された材料は、熱可塑性材料を含む)を含む、3D物品であって、粒子が、可視光の少なくとも一部に対して反射性であり、粒子が、粒子長さ(L1)、粒子高さ(L2)、及び、粒子長さ(L1)と粒子高さ(L2)との比として定義される第1のアスペクト比ARを有し、3D物品が、層高さ(H)、層幅(W)、及び、層幅(W)と層高さ(H)との比として定義される層アスペクト比を有する、3D印刷された材料の層を備える、3D物品を提供する。第1のアスペクト比AR≧5である。層アスペクト比は、2よりも大きく、粒子濃度は、3D印刷可能材料(201)の総体積に対して、4~13体積%の範囲であるか、又は、層アスペクト比は、2以下かつ1以上であり、粒子濃度は、3D印刷可能材料(201)の総体積に対して、0.004~4体積%の範囲である。
【0087】
更には、特定の実施形態では、層高さ(H)は、0.05~5mmの範囲から選択される。更には、特に3D印刷された材料は、(対応の層内の)3D印刷された材料の総体積に対して、0.001~60体積%、特に0.001~30体積%の粒子の範囲の、粒子濃度Cを有する。
【0088】
粒子は、3D印刷された材料中に埋め込まれている。しかしながら、粒子の総数のサブセットはまた、3D印刷された材料の表面に存在してもよく、表面から部分的に延出してもよい。それゆえ、粒子の総数の少なくとも一部は、印刷された材料中に完全に埋め込まれており、粒子の総数の一部は、印刷された材料中に部分的に埋め込まれていてもよく、3D印刷された材料の表面から延出していてもよい。
【0089】
上述のように、濃度が適用される最小の(一体的)体積は、少なくとも5cmのような、少なくとも2cmなどの、少なくとも1cmである。当然ながら、層の高さ及び幅は、一般に比較的小さいため、これは、相対的に拡張された体積であり得る。それゆえ、語句「3D印刷された材料の総体積に対して」及び同様の語句は、特に、(3D印刷された)層の少なくとも一部内の、3D印刷された材料の総体積に対することを指す。
【0090】
3D印刷された物品に関連する、いくつかの特定の実施形態が、以下で本方法を論じる際に既に明らかにされている。以下では、3D印刷された物品に関連する、いくつかの特定の実施形態が、より詳細に論じられる。
【0091】
上記から導き出され得るように、特に、3D印刷された材料は、3D印刷された材料の総体積に対して、0.001~60体積%、特に0.001~30体積%の範囲で含む。これらの粒子に加えて、3D印刷された材料は、それゆえ、印刷可能材料の総体積に対して、合計で60体積%、更にとりわけ合計で最大30体積%の量の、(上述のような)更なる微粒子状材料を含んでもよい。それゆえ、実施形態では、3D印刷された材料は、3D印刷された材料の総体積に対して、最大30体積%などの、最大60体積%の範囲で含む。
【0092】
更には、(反射性)粒子の濃度は、3D印刷された材料の層高さ及び層幅に依存し得る。それゆえ、堆積されたフィラメントは、層高さ(H)及び層幅Wを有してもよい。印刷された物体における幅/層高さの比(W/H)が、1≦W/H≦2の範囲内である場合、粒子濃度は、0.004~13%から選択されることができると思われる。
【0093】
しかしながら、上述のように、4体積%を超える濃度の増大は、反射率の増大をもたらさないため、粒子濃度は、特に0.004~4体積%の範囲である。層幅に対する層高さの比がW/H>2である場合、粒子の濃度は、特に、4~13体積%の範囲から選択されてもよい。それゆえ、3D印刷された材料における、層高さ(H)に対する層幅(W)の比が、W/H>2に適合する場合、粒子濃度は、4~13体積%の範囲から選択され、3D印刷された材料における、層高さ(H)に対する層幅(W)の比が、1≦W/H≦2に適合する場合、粒子濃度は、0.004~4%の範囲から選択される。
【0094】
上述のように、特に実施形態では、粒子の総数の少なくとも一部に関しては、粒子長さ(L1)は、5~100μmなどの5~200μmの範囲から選択され、更にとりわけ、粒子長さ(L1)は、10~100μmの範囲から選択される。更には、実施形態では、粒子高さ(L2)は、0.1~100μmの範囲から選択されてもよく、更にとりわけ、粒子高さ(L2)は、0.1~20μmの範囲から選択されてもよい。特に、そのような粒子は、説明された層高さの範囲内で、金属的外見をもたらし得る。特に、実施形態では、粒子の総数の少なくとも一部に関しては、粒子幅(L3)は、5~100μmなどの5~200μmの範囲から選択され、更にとりわけ、粒子幅(L3)は、10~100μmの範囲から選択される。また更なる特定の実施形態では、少なくとも50重量%の粒子は、5~100μm、更にとりわけ10~100μmなどの、5~200μmの範囲から選択される、粒子長さ(L1)を有する。また更なる特定の実施形態では、少なくとも50重量%の粒子は、0.1~100μm、更にとりわけ0.1~20μmの範囲から選択される、粒子高さ(L2)を有する。また更なる特定の実施形態では、少なくとも50重量%の粒子は、5~100μm、更にとりわけ10~100μmなどの、5~200μmの範囲から選択される、粒子幅(L3)を有する。更には、実施形態では、少なくとも50重量%の粒子に関しては、AR≧2、更にとりわけAR≧5が適用される。更には、実施形態では、少なくとも50重量%の粒子に関しては、AR2≧2、更にとりわけAR2≧5が適用される。
【0095】
更には、反射率を考慮すると、実施形態では、粒子は、Al及び銅などの金属で作製されてもよく、あるいは、銀コーティング及びアルミニウムコーティングのうちの1つ以上を含んでもよい。更にはまた、本方法に関連する実施形態にも言及され、上記もまた参照されたい。
【0096】
特定の実施形態では、3D印刷された材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、及び、これらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの、1つ以上を含む。更には、特定の実施形態では、3D印刷された材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、より高いTgを有する改質PC(例えば、Covestro社製のApec)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び、これらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの、1つ以上を含んでもよい。
【0097】
(本明細書で説明される方法で)得られる3D印刷された物品は、それ自体が機能的であってもよい。そのようにして得られる3D物品は、(代替的に)、装飾目的又は芸術目的のために使用されてもよい。3D印刷された物品は、機能構成要素を含んでもよく、又は機能構成要素を備えてもよい。機能構成要素は、特に、光学構成要素、電気構成要素、及び磁気構成要素から成る群から選択されてもよい。用語「光学構成要素」とは、レンズ、ミラー、(LEDのような)光源などの、光学的機能を有する構成要素を特に指す。用語「電気構成要素」とは、例えば、集積回路、PCB、バッテリ、ドライバを指す場合があるが、また、光源を指す場合などもある(光源は、光学構成要素及び電気構成要素と見なされ得るため)。磁気構成要素という用語は、例えば、磁気コネクタ、コイルなどを指す場合がある。代替的に、又は追加的に、機能構成要素は、(例えば、電気構成要素を冷却又は加熱するように構成されている)熱構成要素を含んでもよい。それゆえ、機能構成要素は、熱を発生させるか、又は熱を除去するなどのように構成されてもよい。
【0098】
また更なる態様では、本発明は、例えば、スポットライト又はスポットライト用などの、3D物品を備える照明器具又はランプを提供する。例えば、物品は、スポットライトなどの、ランプシェードとして、ランプ用のハウジングとして、又は照明器具ハウジングとして使用されてもよい。
【0099】
3D印刷プロセスに戻ると、本明細書で説明される3D印刷された物品を提供するために、特定の3Dプリンタが使用されてもよい。それゆえ、また更なる態様では、本発明はまた、(a)プリンタノズルを含むプリンタヘッドと、(b)3D印刷可能材料をプリンタヘッドに供給するように構成されている3D印刷可能材料供給デバイスとを備える、熱溶解積層法3Dプリンタであって、3D印刷可能材料を基材上に供給して、3D物品を一層ずつ構築するように構成されている、熱溶解積層法3Dプリンタも提供する。3D印刷可能材料供給デバイスは、3D印刷可能材料を含むフィラメントを、プリンタヘッドに供給してもよく、又は、3D印刷可能材料それ自体を供給して、プリンタヘッドが、3D印刷可能材料を含むフィラメントを作り出してもよい。それゆえ、実施形態では、本発明は、(a)プリンタノズルを含むプリンタヘッドと、(b)3D印刷可能材料を含むフィラメントをプリンタヘッドに供給するように構成されているフィラメント供給デバイスとを備える、熱溶解積層法3Dプリンタであって、3D印刷可能材料を基材上に供給して、3D物品を一層ずつ構築するように構成されている、熱溶解積層法3Dプリンタを提供する。
【0100】
しかしながら、特定の態様では、3D印刷された物品は、反射器又は(他の)形状の本体として提供されてもよい。そのような実施形態では、使用された基材は、反射器又は(他の)形状の本体の形状を有し、基材上に最初に層が提供され、その後、当該層上に、3D印刷された材料が提供されている。それゆえ、本発明はまた、反射面を備える、反射器又は(他の)形状の本体も提供し、反射器又は(他の)形状の本体は、本明細書で定義されるような3D印刷された物品を含み、反射面の少なくとも一部は、3D印刷された物品によって提供される。
【0101】
それゆえ、本発明の方法の特定の実施形態では、基材は、湾曲面、ファセット面、及び、それぞれに対して角度を成して構成されている面のうちの1つ以上を有する、反射器又は(他の)形状の本体の形状を有する。
【0102】
上述のように、実施形態では、反射面は、湾曲面、ファセット面、及び、それぞれに対して角度を成すように構成されている面のうちの、1つ以上を含む。実施形態では、反射器は、コリメータ又は放物面ミラーである。それゆえ、反射器のタイプとしては、限定するものではないが、楕円形状の反射器(例えば、光の集束用)、放物線形状の反射器(例えば、平行光線の形成用)、双曲線形状の反射器(光線の発散用)などが挙げられる。
【0103】
反射器はまた、ランプ又は照明器具において使用されてもよい。
【0104】
用語「熱溶解積層法(FDM)3Dプリンタ」の代わりに、簡潔に、用語「3Dプリンタ」、「FDMプリンタ」、又は「プリンタ」が使用されてもよい。プリンタノズルはまた、「ノズル」として、又は場合により「押出機ノズル」として示されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
図1a】3Dプリンタ及び/又は印刷プロセスのいくつかの一般的態様を概略的に示す。
図1b】3Dプリンタ及び/又は印刷プロセスのいくつかの一般的態様を概略的に示す。
図2a】参照目的のために形状の一部が示されている、粒子の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図2b】参照目的のために形状の一部が示されている、粒子の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図2c】参照目的のために形状の一部が示されている、粒子の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図2d】参照目的のために形状の一部が示されている、粒子の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図2e】参照目的のために形状の一部が示されている、粒子の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図2f】参照目的のために形状の一部が示されている、粒子の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図3a】本発明のいくつかの更なる態様を概略的に示す。
図3b】本発明のいくつかの更なる態様を概略的に示す。
図4】ランプ又は照明器具を概略的に示す。
図5】ドル形状のフレークの実施例を示す。
図6】そのようなフレークによる結果を示す。
図7】そのようなフレークによる結果を示す。
図8】そのようなフレークによる結果を示す。
図9】そのようなフレークによる結果を示す。
図10】コーンフレークタイプのフレークの実施例を示す。
図11】そのようなフレークによる結果を示す。
図12】そのようなフレークによる結果を示す。 これらの概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1aは、3Dプリンタのいくつかの態様を概略的に示す。参照符号500は、3Dプリンタを示す。参照符号530は、3D印刷、特にFDM3D印刷を行うように構成されている、機能ユニットを示し、この参照符号はまた、3D印刷段階ユニットを示してもよい。ここでは、FDM3Dプリンタヘッドなどの、3D印刷される材料を供給するためのプリンタヘッドのみが、概略的に示されている。参照符号501は、プリンタヘッドを示す。本発明の3Dプリンタは、特に、複数のプリンタヘッドを含んでもよいが、他の実施形態もまた可能である。参照符号502は、プリンタノズルを示す。本発明の3Dプリンタは、特に、複数のプリンタノズルを含んでもよいが、他の実施形態もまた可能である。参照符号321は、印刷可能な(上述のものなどの)3D印刷可能材料のフィラメントを示す。明瞭性のために、3Dプリンタの全ての特徴部は示されておらず、本発明に特に関連する特徴部(以下もまた更に参照されたい)のみが示されている。
【0107】
3Dプリンタ500は、実施形態では少なくとも一時的に冷却されてもよい受け物品550上に、複数のフィラメント321を層ごとに堆積させることによって、3D物品1を生成するように構成されており、各フィラメント20は、融点Tを有するような3D印刷可能材料を含む。3D印刷可能材料201は、(印刷段階の間に)基材1550上に堆積されてもよい。
【0108】
3Dプリンタ500は、プリンタノズル502の上流でフィラメント材料を加熱するように構成されている。このことは、例えば、押出機能及び/又は加熱機能のうちの1つ以上を有するデバイスで行われてもよい。そのようなデバイスは、参照符号573で示されており、プリンタノズル502の上流に(すなわち、フィラメント材料がプリンタノズル502から出る前の時点に)配置されている。プリンタヘッド501は、(それゆえ)液化器又は加熱器を含み得る。参照符号201は、印刷可能材料を示す。堆積されると、この材料は、(3D)印刷された材料として示され、これは、参照符号202で示されている。
【0109】
参照符号572は、特に、フィラメント320として示されてもよいワイヤの形態の材料を有する、スプール又はローラを示す。3Dプリンタ500は、この材料を、プリンタノズルの下流でフィラメント321に変換し、フィラメント321は、受け物品上で、又は既に堆積されている印刷された材料上で、層322となる。一般に、ノズルの下流のフィラメント321の直径は、プリンタヘッドの上流のフィラメント322の直径に対して低減されている。それゆえ、プリンタノズルは(また)、押出機ノズルとして示される場合がある。層322の脇に層322を、及び/又は、層322上に層322tを配置することで、3D物品1が形成されてもよい。参照符号575は、フィラメント供給デバイスを示し、当該デバイスは、この場合とりわけ、参照符号576で示される、スプール若しくはローラ及び駆動輪を含む。
【0110】
参照符号Aは、長手方向軸線、すなわちフィラメント軸線を示す。
【0111】
参照符号Cは、特に、受け物品550の温度を制御するように構成されている温度制御システムなどの、制御システムを概略的に示す。制御システムCは、加熱器を含んでもよく、加熱器は、受け物品550を、少なくとも50℃の温度まで加熱することが可能であるが、特に、少なくとも200℃などの、最大約350℃の範囲まで加熱することが可能である。
【0112】
代替的又は追加的に、実施形態では、受けプレートはまた、x-y平面(水平面)内で1つ又は2つの方向に移動可能であってもよい。更には、代替的又は追加的に、実施形態では、受けプレートはまた、z軸(垂直)を中心として回転可能であってもよい。それゆえ、制御システムは、受けプレートを、x方向、y方向、及びz方向のうちの1つ以上に移動させてもよい。
【0113】
層は、参照符号322で示されており、層高さH及び層幅Wを有する。
【0114】
3D印刷可能材料は、必ずしもフィラメント320としてプリンタヘッドに供給されるものではない点に留意されたい。更には、フィラメント320はまた、3Dプリンタ500内で、3D印刷可能材料片から製造されてもよい。
【0115】
図1bは、構築中の3D物品1の印刷を、より詳細な3Dで概略的に示す。この場合、この概略図面では、単一平面内のフィラメント321の端部は、相互接続されていないが、現実には、実施形態において、このことが当てはまる場合もある。
【0116】
それゆえ、図1a、図1bは、(a)プリンタノズル502を含む第1のプリンタヘッド501、(b)3D印刷可能材料201を含むフィラメント321を、第1のプリンタヘッド501に供給するように構成されている、フィラメント供給デバイス575、及びオプションとして(c)受け物品550を備える、熱溶解積層法3Dプリンタ500のいくつかの態様を概略的に示す。図1a、図1bでは、第1の印刷可能材料若しくは第2の印刷可能材料、又は第1の印刷された材料若しくは第2の印刷された材料は、全般的表示の、印刷可能材料201及び印刷された材料202で示されている。ノズル502の直接下流で、3D印刷可能材料を有するフィラメント321は、堆積されると、3D印刷された材料202を有する層322となる。
【0117】
図1bは、粒子を含むフィラメントが堆積されていることを概略的に示す。しかしながら、全ての層が微粒子状材料を含む必要はないが、当然ながら、このことが当てはまる場合もある。
【0118】
図2aは、粒子、及び粒子のいくつかの態様を、理解するために概略的に示す。本発明で使用される粒子は、特に、比較的平坦である点に留意されたく、例えば、図2d、図2e、図5、及び図10を参照されたい。
【0119】
粒子は、材料411を含むか、又は、そのような材料411から本質的に成るものであってもよい。粒子410は、第1の寸法又は長さL1を有する。左側の例では、L1は本質的に、本質的に球状の粒子の直径である。右側には、細長形粒子410などの、非球状の形状を有する粒子が示されている。ここでは、例として、L1は粒子長さである。L2及びL3は、幅及び高さとして見なされることができる。当然ながら、粒子は、異なる形状の粒子の組み合わせを含んでもよい。
【0120】
図2b~図2fは、粒子410のいくつかの態様を概略的に示す。いくつかの粒子410は、最長寸法長さL1を有する最長寸法A1と、最短寸法長さL2を有する最短寸法A2とを有する。図面から分かるように、最長寸法長さL1と最短寸法長さL2とは、1よりも大きい第1のアスペクト比を有する。図2bは、粒子410を3Dで概略的に示しており、粒子410は、長さ、高さ、及び幅を有し、粒子(又は、フレーク)は本質的に、細長形状を有する。それゆえ、粒子は、本明細書では更なる寸法A3として示される、更なる軸(短軸又は長軸)を有してもよい。本質的に、粒子410は、薄い粒子であり、すなわち、L2<L1、特にL2≪L1であり、L2≪L3である。L1は、例えば、5~200μmの範囲から選択されてもよく、L3も同様であってもよい。L2は、例えば、0.1~20μmの範囲から選択されてもよい。
【0121】
図2cは、破砕ガラス片などの、規則性に乏しい形状を有する粒子を概略的に示し、仮想の最小直方体が、粒子を包囲している。
【0122】
表記L1、L2、及びL3、並びにA1、A2、及びA3は、軸及び軸長を示すためにのみ使用されており、数字は、軸を区別するためにのみ使用されている点に留意されたい。更には、粒子は、本質的に楕円形又は直方体ではない点に留意されたい。粒子は、最短寸法又は短軸よりも実質的に長い最長寸法を少なくとも有する、任意の形状を有してもよく、本質的に平坦であってもよい。特に、比較的規則的に形成された粒子が使用され、すなわち、粒子を包囲する仮想の最小直方体の残りの体積は小さく、総体積の25%未満のような、50%未満などである。
【0123】
図2dは、コーティング412を含む粒子410を、断面図で概略的に示す。コーティングは、光反射性材料を含んでもよい。例えば、コーティングは、(白色)金属酸化物を含んでもよい。他の実施形態では、コーティングは、本質的に、Agコーティングなどの金属から成るものであってもよい。他の実施形態では、コーティングは、大きい表面の一方又は双方の上にのみ存在し、粒子の薄い側面上には存在しなくてもよい。
【0124】
図2eは、比較的不規則な形状の粒子を概略的に示す。使用される微粒子状材料は、例えば、破砕ガラス小片を含んでもよい。それゆえ、3D印刷可能材料中に埋め込まれるか、又は3D印刷された材料中に埋め込まれている微粒子状材料は、広範な粒径分布を含んでもよい。長さL1、L2、及びL3を有する(直交)寸法を画定するために、直方体が使用されることができる。
【0125】
図2fは、本明細書では一般に使用されることがない、円筒形、球形、及び不規則形状の粒子を概略的に示す(上記もまた参照)。
【0126】
図2b~図2fで示されるように、用語「第1の寸法」又は「最長寸法」とは特に、不規則形状の粒子を包囲する最小矩形直方体(直方体)の、長さL1を指す。粒子が本質的に球状である場合、最長寸法L1、最短寸法L2、及び直径は、本質的に同じである。
【0127】
図3aは、プリンタノズル(図示せず)から抜け出る際などの、3D印刷可能材料201を含むフィラメント321を概略的に示す。3D印刷可能材料は、粒子410が中に埋め込まれている、熱可塑性材料401を含む。
【0128】
図3bは、高さHを有する(堆積されたフィラメントに由来する)リブ状構造を示す、3D物品1を概略的に示す。この高さはまた、幅として示されてもよい。ここでは、高さH及び幅Wを有する、印刷された材料202を含む層322が、概略的に示されている。図3bは、層322の積み重ね体として見なされることができ、複数の隣接する積み重ね体が、図1bに示されている。
【0129】
図4は、光11を生成するための光源10を備える、参照符号1で示されるランプ又は照明器具の一実施形態を概略的に示す。ランプは、ハウジング若しくはシェード又は他の要素を備えてもよく、それらは、3D印刷された物品2を含んでもよく、又は3D印刷された物品2であってもよい、い。材料の可能な透過率が、追加的な光学効果をもたらしてもよく、(ランプ又は照明器具のオフ状態での)外観は、無光沢に見える場合がある。
【0130】
実験研究では、図5に示される20μmのサイズ(厚さ1μm)を有するアルミニウムのドル状フレーク又はコインを含む、ポリカーボネートが準備された。図6図9は、(フレークを含む)PCベースの3D印刷可能材料の総重量に対して、それぞれ、0.2、2、10、及び20重量%(総体積に対して、それぞれ、0.09、0.9、4.4、及び8.9体積%)のフレークに関する、印刷された表面に垂直な方向の反射率に対する、層厚さの影響を示す。図6図9に示されている反射率測定で使用された構造体を印刷するために、層幅にもまた対応する18mmのノズル直径の直径が使用された。
【0131】
図10に示される、いわゆるコーンフレークタイプのフレークもまた使用された。これらのフレークは、45μmの大きいフレーク(厚さ1μm)である。図11では、約1.4重量%を含有する3D印刷されたPCの、側面反射率が示されている。
【0132】
図12では、そのようなフレークを約0.1重量%(0.04体積%)で有するPCの、側面反射率である。ここでは、フレークのサイズは、最大長さが20μmであり、厚さは30nmのみである。これらのフレークは、物理蒸着によって得られた。
【0133】
「実質的に成る」などの、本明細書の用語「実質的に(substantially)」は、当業者によって理解されるであろう。用語「実質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、当該形容詞はまた、実質的に削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更に特に99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。用語「備える(comprise)」は、用語「備える(comprises)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。用語「及び/又は」は、特に、その「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関連し得る。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0134】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0135】
本明細書のデバイスは、とりわけ、動作中について説明されている。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されるものではない。
【0136】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「備える、含む(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0137】
本発明はまた、装置若しくはデバイス若しくはシステムを制御し得るか、又は本明細書で説明される方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムも提供する。また更には、本発明はまた、装置若しくはデバイス若しくはシステムに機能的に結合されているコンピュータ、又は装置若しくはデバイス若しくはシステムによって含まれているコンピュータ上で実行されると、そのような装置若しくはデバイス若しくはシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御する、コンピュータプログラム製品も提供する。
【0138】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイスに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0139】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
【0140】
第1の(印刷可能又は印刷された)材料及び第2の(印刷可能又は印刷された)材料のうちの1つ以上が、当該材料のT又はTに影響を及ぼさない(及ぼす)ガラス及び繊維などの充填剤を含んでもよい点は言うまでもない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12