(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20231110BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20231110BHJP
G01R 29/10 20060101ALI20231110BHJP
G01R 29/08 20060101ALI20231110BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
G01R31/28 S
G01R31/28 J
G01R31/26 J
G01R31/26 Z
G01R29/10 E
G01R29/08 A
G01R31/00
(21)【出願番号】P 2020560933
(86)(22)【出願日】2019-04-19
(86)【国際出願番号】 US2019028249
(87)【国際公開番号】W WO2019217057
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-05
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ワデル、 ブライアン チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ、 ジョナサン ヘインズ
(72)【発明者】
【氏名】シンシェイマ―、 ロジャー アレン
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0102409(US,A1)
【文献】国際公開第2014/115530(WO,A1)
【文献】特開2013-2953(JP,A)
【文献】特開平11-142291(JP,A)
【文献】特開2013-65979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0168486(US,A1)
【文献】国際公開第2014/136159(WO,A1)
【文献】特開2008-14847(JP,A)
【文献】国際公開第2015/094177(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0153158(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
G01R 31/26
G01R 29/10
G01R 29/08
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
被試験デバイス(DUT)を収容する受容部であって、前記受容部は、前記DUTを保持するソケットの上に設置されて前記ソケットを取り囲むように構成される壁を含み、前記ソケットは、前記受容部とは別個の試験システムのデバイスインタフェースボード(DIB)に接続されるように構成される、受容部と、
複数の信号を前記DUTと交換するための
前記受容部の中のアンテナであって、前記信号の少なくとも幾つかは、前記DUTの放射試験を行うときに使用されるアンテナと、
前記受容部と嵌合して、前記DUTを格納するハウジングを形成するように構成されたキャップであって、前記ハウジングは前記受容部を含み、前記ソケットとは別個にされ、前記DUTを物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離する、キャップと
を含
み、
前記DIBは当初、前記DUTの導電性試験をサポートするが放射試験はサポートしないように構成され、
前記システムは、前記DUTの同時の放射試験及び導電性試験をサポートするように前記DIBを再構成するべく前記DIBに取り付け可能である、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記DIBに接続されるように構成され、
前記DIBは、一つ以上の他のDUTを受けるための一つ以上の他のソケットを含み、
前記ハウジングは、前記DUTを前記一つ以上の他のDUTから隔離する、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記DIBは、前記ハウジングがなく、また放射試験に関していない場合に使用するためにも構成可能なレガシDIBを含む、請求項2のシステム。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記DUTを、以下、すなわち他のDUT、誘電材料、金属材料、又は磁気材料のうちの一つ以上から物理的かつ電磁的に隔離する、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記キャップは、前記受容部の中で移動可能なプランジャであって、前記DUTに圧力をかけて、前記DUTを試験ソケットに接続させるプランジャを含む、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記アンテナは、前記ソケットの一つの側に配置される、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記アンテナは複数のアンテナを含み、
前記複数のアンテナの各々は、前記ソケットの一つの側に配置される、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記アンテナは前記DUT又は前記DIBの少なくとも一つの下に配置される、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記アンテナは前記DUTの下に存在する、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記アンテナは前記DIBの下に存在する、請求項8のシステム。
【請求項11】
前記アンテナは前記DIBの一部である、請求項8のシステム。
【請求項12】
前記DUTは、電気接続部を含む表面を有し、
前記キャップは、前記電気接続部を含む前記表面により前記DUTを保持するべく構成されたプランジャであって、前記DUTを、前記電気接続部が前記ソケットと反対になるように取り付けるべく構成されたプランジャを含み、
前記システムは、前記電気接続部に接続する一つ以上の電気コンジットを含む、請求項8のシステム。
【請求項13】
前記キャップは前記DUTと接触するプランジャを含み、
前記アンテナは前記プランジャの中に配置される、請求項1のシステム。
【請求項14】
前記プランジャは、前記ソケットの直上に存在し、前記受容部の中で前記ソケットに対して移動するように構成される、請求項13のシステム。
【請求項15】
前記キャップは、前記DUTと接触するプランジャを含み、
前記プランジャは、複数の電気特性の一つ以上を有する材料から構成される、請求項1のシステム。
【請求項16】
前記一つ以上の電気特性は、誘電率、透磁率、又は導電率の範囲を含む、請求項15のシステム。
【請求項17】
前記材料は、少なくとも一部に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項15のシステム。
【請求項18】
前記キャップは、前記DUTと接触するプランジャを含み、
前記プランジャは、前記プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って複数の穴を有する、請求項1のシステム。
【請求項19】
前記キャップは、前記DUTと接触するプランジャを含み、
前記プランジャは、前記プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って一つの穴を有する、請求項1のシステム。
【請求項20】
前記キャップは、前記DUTと接触するプランジャを含み、
前記プランジャは、前記プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って中空である、請求項1のシステム。
【請求項21】
前記ハウジングの内部は、少なくとも部分的に、反響を抑制する材料で裏打ちされる、請求項1のシステム。
【請求項22】
前記キャップはプランジャを含み、前記プランジャは、前記受容部までの搬送中に吸引を介して前記DUTを保持するための真空チャネルを含む、請求項1のシステム。
【請求項23】
前記ハウジングは、前記DUT及び少なくとも一つの他のDUTを収容するように構成され、
前記DUTは、異なる周波数バンドを有する信号を通じて前記少なくとも一つの他のDUTから電磁的に隔離される、請求項1のシステム。
【請求項24】
前記DUTとの信号交換は第一の周波数バンド内であり、
前記少なくとも一つの他のDUTとの信号交換は少なくとも一つの第二の周波数バンド内であり、
前記第一の周波数バンドは前記少なくとも一つの第二の周波数バンドとは異なる、請求項23のシステム。
【請求項25】
前記システムは、前記DIBに接続されるように構成された交換キットの一部であり、
前記DIBは、非放射試験を行うように構成された試験ソケットを含み、
前記交換キットは、前記試験ソケットの少なくとも一つを前記DUTに放射試験を行うように適応させる、請求項1のシステム。
【請求項26】
システムであって、
試験システムとインタフェースするためのデバイスインタフェースボード(DIB)であって、複数のソケットを含み、前記複数のソケットの各々が、一の被試験デバイス(DUT)を受容する、デバイスインタフェースボード(DIB)と、
複数の受容部であって、各受容部が前記複数のソケットのうち異なる一つのソケットを目的とし、各受容部が、前記複数のソケットのうち異なる一つのソケットの上に設置されて前記異なる一つのソケットを取り囲むように構成される壁を含み、各受容部は前記異なる一つのソケットとは別個にされる、複数の受容部と、
複数のアンテナであって、各
アンテナが
各受容部の中で前記複数のソケットのうち異なる一つのソケットに関連付けられ、各アンテナは、一ソケットの中のDUTとの信号の交換を目的とし、前記信号の少なくとも幾つかが前記一ソケットの中の前記DUTの放射試験を行う際に使用される
、アンテナと、
前記受容部と嵌合して、前記DUTの各一つを目的として格納する別々のハウジングを形成するように構成された一のキャップであって、各別々のハウジングは、前記一ソケットとは別個にされ、前記ハウジングの中に格納されたDUTを物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離する、キャップと
を含
み、
前記DIBは当初、前記DUTの導電性試験をサポートするが放射試験はサポートしないように構成され、
前記受容部、前記アンテナ及び前記キャップは、前記DUTの同時の放射試験及び導電性試験をサポートするように前記DIBを再構成するべく前記DIBに取り付け可能である、システム。
【請求項27】
前記キャップは一つ以上のプランジャを含み、
前記一つ又は複数のプランジャの各々は、別々のソケットにおいてDUTを保持してDUTに接触する、請求項26のシステム。
【請求項28】
前記別々のハウジングのうちの一つのハウジングについて、前記アンテナのうちの一つのアンテナは前記DIB上のソケットの一つの側に位置付けられる、請求項26のシステム。
【請求項29】
前記別々のハウジングのうちの一つのハウジングについて、前記アンテナのうちの一つのアンテナは、前記DIB上のDUTの下に位置付けられる、請求項26のシステム。
【請求項30】
前記別々のハウジングのうちの一つのハウジングについて、前記アンテナのうちの一つのアンテナは、前記DIB上のソケットの直上に位置付けられる、請求項26のシステム。
【請求項31】
前記キャップは、別々のハウジングの各々のための一のプランジャを含み、
前記プランジャは前記プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って複数の穴を有する、請求項26のシステム。
【請求項32】
前記キャップは、別々のハウジングの各々のための一のプランジャを含み、
前記プランジャは前記プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って一つの穴を有する、請求項26のシステム。
【請求項33】
前記キャップは、別々のハウジングの各々のための一のプランジャを含み、
前記プランジャは前記プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って中空である、請求項26のシステム。
【請求項34】
別々のハウジングの各々は、前記ハウジングに格納されたDUTを、前記ハウジングの他の一つの中の他のDUT
から物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離する、請求項26のシステム。
【請求項35】
前記システムは、前記DIBの前記ソケットを前記DUTに放射試験を行うように適応させるべく構成される交換キットの一部である、請求項26のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に、半導体試験装置(ATE:automatic test equipment)等の試験システムのためのハンドラ交換キットに関する。
【背景技術】
【0002】
ATE等の試験システムは、コンピュータチップ等の電子機器に対して導電性試験を行うように構成されていてよい。ある例において、デバイスインタフェースボード(DIB:device interface board)は、試験システムとインタフェースする特定顧客向けのハードウェアを含む。DIBは複数のソケットを含んでいてよく、その各々が別々の電子機器を保持し、試験システムが電子機器に信号を送信し、またそこから信号を受信できるようにしてよい。信号は、電子機器の動作を試験するため、及びその他の適当な目的のために使用されてよい。このような試験は導電性試験と呼ばれてよいが、それは、電子機器とDIBとの間に確立される接続が導電性接続であるからであり、例えば接続は、試験システムと電子機器との間のDIBを介した信号の流れを可能にする金属間接続であってよい。
【0003】
導電性試験と対照的に、放射試験は、無線伝送された信号を使って試験を行うことを含んでいる。例えば、放射試験は、高周波(RF)アンテナ、マイクロ波アンテナ、又は電子機器上のその他の種類のアンテナの動作を試験するために使用されてよい。放射試験はまた、必要に応じて、アンテナ以外の電子機器のコンポーネントを試験するために使用されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的なシステムは、被試験デバイス(DUT:device under test)を収容するための受容部と、DUTと信号を交換するためのアンテナであって、信号の少なくとも幾つかは、DUTの放射試験を行う際に使用されるものであるアンテナと、受容部と嵌合して、DUTを格納するためのハウジングを形成するように構成されたキャップと、を含む。ハウジングは、DUTを物理的又は電磁的の少なくとも一方の点において隔離するためのものである。例示的なシステムは、以下の特徴のうちの1つ又は複数を、単独で、又は組み合わせて含んでいてよい。
【0005】
システムは、試験システムのデバイスインタフェースボード(DIB)に接続されるように構成されてよい。DIBは、DUTを受けるためのソケットを含んでいてよい。DIBは、1つ又は複数の他のDUTを受けるための1つ又は複数の他のソケットを含んでいてよい。ハウジングは、DUTを1つ又は複数の他のDUTから隔離するためのものであってよい。DIBは、ハウジングがなく、また放射試験に関していない場合の使用のためにも構成可能であるレガシDIBを含んでいてよい。ハウジングは、DUTを以下、すなわち他のDUT、誘電材料、金属材料、磁気材料、又は電磁信号のうちの1つ又は複数から物理的且つ電磁的に隔離するためのものであってよい。
【0006】
キャップはプランジャを含んでいてよく、これは受容部の中で移動可能で、DUTに圧力をかけ、DUTが試験ソケットに接続されるようにする。システムは、DUTを受けるソケットを含む試験システムに接続されるように構成されてよい。アンテナは、ソケットの1つの側に配置されてよい。アンテナは、複数のアンテナを含んでいてよい。複数のアンテナの各々は、ソケットの1つの側に配置されてよい。アンテナは、DUT又はDIBの少なくとも一方の下に配置されてもよい。ソケットは、DIBの一部であってよい。アンテナは、DUTの下にあってよい。アンテナは、DIBの下にあってよい。アンテナは、DIBの一部であってよい。
【0007】
DUTは、電気接続を含む表面を有していてよい。キャップはプランジャを含んでいてよく、これは、電気接続を含む表面によってDUTを保持し、電気接続をソケットと反対向きにしてDUTを取り付けるように構成される。システムは、電気接続に接続される1つ又は複数の電気コンジットを含んでいてよい。システムは、DUTを受けるためのソケットを含む試験システムに接続されるように構成されてよい。
【0008】
キャップは、DUTと接触するプランジャを含んでいてよい。アンテナは、プランジャの中に配置されてよい。プランジャは、ソケットの直上にあってよく、受容部の中でソケットに関して移動するように構成されてよい。プランジャは、電気特性の1つ又は複数を有する材料から構成されてもよい。1つ又は複数の電気特性には、誘電率、透磁率、又は導電率の範囲が含まれていてよい。材料には、少なくとも一部に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれていてよい。プランジャは、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って複数の穴を有していてよい。プランジャは、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って1つの穴を有していてよい。プランジャは、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って中空であってよい。プランジャは、受容部まで搬送する間に吸引によってDUTを保持するための真空チャネルを含んでいてよい。
【0009】
ハウジングの内部は、少なくとも一部に、反響を抑制する材料で裏打ちされていてよい。ハウジングは、DUT及び少なくとも1つの他のDUTを収容するように構成されていてよい。DUTは、その少なくとも1つの他のDUTから、異なる周波数バンドを有する信号を通じて電磁的に隔離されてよい。DUTと交換される信号は、第一の周波数バンド内にあってよく、少なくとも1つの他のDUTと交換される信号は、少なくとも1つの第二の周波数バンド内であってよく、第一の周波数バンドは少なくとも1つの第二の周波数バンドと異なっていてよい。
【0010】
システムは、試験システムのDIBに接続されるように構成されたハンドラ交換キットの一部であってよい。DIBは、非放射試験を行うように構成された試験ソケットを含んでいてよい。ハンドラ交換キットは、試験ソケットの少なくとも1つを、DUTに対する放射試験を行うように適応させるためのものであってよい。
【0011】
例示的なシステムは、試験システムとインタフェースするDIBを含み、DIBはソケットを含み、その各々はDUTを受け入れるためのものである。例示的なシステムはまた、各々がソケットのうちの異なる1つのためのものである受容部と、その各々がソケットのうちの異なる1つに関連付けられるアンテナも含む。各アンテナは、ソケット内のDUTと信号を交換するためのものである。信号の少なくとも一部は、ソケット内のDUTの放射試験を行う際に使用するものである。例示的なシステムはキャップを含み、これは受容部と嵌合して、DUTの各々のための、それを格納する別々のハウジングを形成するように構成される。別々のハウジングは各々、ハウジング内に格納されたDUTを、物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離する。例示的なシステムは、以下の特徴の1つ又は複数を、単独で、又は組み合わせて含んでいてよい。
【0012】
キャップは1つ又は複数のプランジャを含んでいてよく、その各々は、DUTを別々のソケット内に保持し、それと接触させるためのものである。別々のハウジングのうちの1つのハウジングについて、複数のアンテナのうちの1つのアンテナはDIBのソケットの横に位置付けられてよい。別々のハウジングのうちの1つのハウジングについて、複数のアンテナのうちの1つのアンテナは、DIB上のDUTの下に位置付けられてよい。別々のハウジングのうちの1つのハウジングについて、複数のアンテナのうちの1つのアンテナは、DIB上のソケットの直上に位置付けられてよい。
【0013】
キャップは、別々の各ハウジングのためのプランジャを含んでいてよい。プランジャは、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って複数の穴を有していてよい。プランジャは、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って1つの穴を有していてよい。プランジャは、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って中空であってよい。別々の各ハウジングは、そのハウジング内に格納されたDUTを収容し、ハウジングの他のひとつひとつの中の他のDUTから物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離するためのものであってよい。システムは、DIBのソケットを、DUTに対して放射試験を行うために適応させるように構成された交換キットの一部であってよい。
【0014】
この概要の項を含めた本明細書に記載されている特徴の何れか2つ又は3つ以上を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない実施例を形成することができる。
【0015】
本明細書に記載されているシステムと技術、又はそれらの一部は、1つ又は複数の非一時的機械可読記憶媒体上に記憶され、本明細書に記載されている動作を制御する(例えば、調整する)ために1つ又は複数の処理デバイス上で実行可能な命令を含むコンピュータプログラム製品を使って実装し、及び/又はそれによって制御することができる。本明細書に記載されているシステム及び技術、又はその一部は、1つ又は複数の処理デバイスと、各種の動作を実施するための実行可能な命令を記憶するメモリを含むことのできる装置、方法、又は電気システムとして実装できる。
【0016】
1つ又は複数の実施例の詳細は、添付の図面と以下の説明の中に示されている。他の特徴、目的、及び利点は、説明と図面から、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1A及び1Bから構成され、例示的なハンドラ交換キットの側面図と断面斜視図を示す。
【
図2】例示的なハンドラ交換キットの分解斜視図を示す。
【
図3A-3C】例示的なハンドラ交換キットと共に使用するための例示的なプランジャ構成を透視図で示す。
【
図4】異なるアンテナ構成を有する例示的なハンドラ交換キットのコンポーネントを透視図で示す。
【
図5】異なるアンテナ構成を有する例示的なハンドラ交換キットのコンポーネントを透視図で示す。
【
図6】異なるアンテナ構成を有する例示的なハンドラ交換キットのコンポーネントを透視図で示す。
【
図7】異なるアンテナ構成を有する例示的なハンドラ交換キットのコンポーネントを透視図で示す。
【
図8】異なるアンテナ構成を有する例示的なハンドラ交換キットのコンポーネントを透視図で示す。
【
図9】複数のハウジングを含む維持的なハンドラ交換キットのコンポーネントを透視図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
異なる図中の同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【0019】
本明細書では、半導体試験装置(ATE)等の試験システムのためのハンドラ交換キットの例示的な実施例を説明する。ハンドラ交換キットは、DIB又はその他の適当な試験システムハードウェアと共に使用するように構成されてよい。ある例において、DIBは、コンピュータチップ等の電子機器の導電性試験をサポートするように構成されてよい。例えば、DIBは複数のソケットを含んでいてよく、各々が試験される電子機器を保持するためのものである。ある例において、ソケットは、被試験デバイス(DUT)のための機械的ガイドと、DUTの底部にあるコンタクトとの直接電気接続を提供し、電源供給と制御を行うコンプライアントコンタクトを含む。DIBはまた、インタフェースハードウェア、ビア、及び電子機器とその下の試験システムとの間の電気的インタフェースを確立するためのその他の適当な回路構成も含んでいてよい。信号は、試験システムと電子機器との間で受け渡されてよく、それによって試験システムは電子機器を試験することができる。
【0020】
ハンドラ交換キットは、導電性試験のみをサポートするように構成され得るDIBを、放射試験もサポートするように構成する。例えば、ハンドラ交換キットの全部又は一部は、DIB上に、幾つか実施例ではそのソケット上に取り付けられて、放射試験をサポートするDIBを構成してよい。それゆえ、ハンドラ交換キットを使用すれば、導電性試験を実施するように構成され得るレガシDIBを、放射試験も行うように適応させることができる。幾つかのDIBは、導電性及び放射試験の両方を行うために使用できる。それによって、試験時間が節約されることがあり、これは例えばDIBを交換する必要がないためであり、また試験実施時のコストも削減される場合もある。
【0021】
幾つかの実施例において、ハンドラ交換キットは、DUTを収容する受容部を含むシステムである。例えば、本明細書に記載されているように、受容部はDIBのソケットの上に設置されてよい。キャップは、受容部と嵌合して、DUTを格納するハウジングを形成するように構成される。ハウジングは、DUTを物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離するためのものである。例えば、DUTは、以下、すなわち他のDUT、誘電材料、金属材料、磁気材料、又は漂遊無線電子信号のうちの1つ又は複数から物理的に、電磁的に、又は物理的且つ電磁的に隔離されてよい。ハウジングはまた、全体的又は部分的に、DUTの放射試験の使用される無線電子信号を含む信号を閉じ込めるように構成される。1つ又は複数のアンテナは、そのような信号をDUTと交換して、DUTの放射試験を行うために、ハウジングの付近に含められる。例えば、アンテナはハウジングの中にあってよい。
【0022】
ある例において、試験サイトは、DUTごとにハンドラ交換キットハードウェアの全部の組合せを含み、例えば試験サイトはハウジング、キャップ、及びプランジャを含む。試験サイトはまた、ハンドラ交換キットの下のDIB上のソケットも含む。
【0023】
図1及び2は、ハンドラ交換キットの実施例を示す。どちらの図面にも、すべてのコンポーネントが示されているわけではない。コンポーネント10は、受容部11と、キャップ12と、キャップの一部であってよいプランジャ14と、1つ又は複数のアンテナ13と、を含むが、これらに限定されない。先に説明したように、受容部は、DIB 23と嵌合して、全体的又は部分的に、電子機器の非放射試験を行うためにも構成されているDIB上の試験ソケット20を格納してよい。幾つかの実施例において、受容部11はソケットを取り囲み、その上部にのみ、プランジャとキャップを受けるための穴を有する。キャップ12は、受容部11に関して移動可能である。具体的には、キャップ12は、受容部11の上で、それと接触するように移動可能である。接触すると、キャップ12は受容部11と嵌合して、ソケット20及び、ひいてはソケット20内のDUTを格納するハウジングを形成する。
【0024】
例示的なキャップ12は、プランジャ14等のピックアップ要素を含む。この例では、プランジャ14はアーム15と吸引カップ16を含んでいるが、ピックアップ要素は何れの適当なコンポーネントを含んでいてもよい。動作中、プランジャ14は、DUT 19を回収し、そのDUTを受容部11により格納されるDIB 23上のソケット20まで移動させる。何れの適当なロボット又はロボティックシステムを使ってキャップとプランジャの組合せを保持し、移動させてもよく、これは例えばピックアンドプレースロボットである。例えば、ロボットは、キャップとプランジャの組合せを、吸引カップ16が被試験デバイスすなわちDUTと接触するように移動させてよい。吸引カップの下の真空によって、
図1及び2に示されているように、DUTは吸引カップにくっつく。したがって、キャップとプランジャの組合せが移動されるときに、DUTは吸引カップにくっついたままである。
【0025】
キャップとプランジャの組合せは所定の位置まで移動され、それによってDUTはソケット20の上にあり、キャップ12は受容部11の上にある状態である。キャップとプランジャの組合せは、ソケットと受容部に向かって移動され、最終的にキャップは受容部と接触し、DUTはソケットと接触する。例えば、キャップ12は、まず受容部と接触してハウジングを形成してよい。この例では、プランジャ14は下方に、キャップ12の中で、それを通って移動されてよく、最終的にDUTはソケット内の位置に固定される。幾つかの実施例において、DUTはソケットの中に、プランジャはDUTから外れるが、DUTはソケットから外れないような程度にきつく保持される。幾つかの実施例において、プランジャは試験中、DUTと接触したままであり、試験後にはDUTをソケットから外して、DUTをソケットから取り出すことができるように構成される。
【0026】
幾つかの実施例において、DUTはソケット20内の電気コンタクトに電気的に接続される。導電性試験は、これらの接続を介して行われてよい。それゆえ、DUTには導電性及び放射試験の両方が同時に行われてよい。幾つかの実施例において、DIBは、ハウジングがなく、また放射試験に関していない場合の使用のために構成可能なレガシDIBである。前述のように、DIBは、DUTに導電性試験を行うために使用されてよく、本明細書に記載されているハンドラ交換キットを使って、DUTに放射試験も行うように構成されてよい。
【0027】
ハウジングは、少なくとも部分的にDUTを取り囲む空間を画定する。すなわち、幾つかの実施例において、ハウジングはDUTと接触せず、DUTを格納するチャンバ25を画定する。チャンバは、無線電磁信号を全部又は部分的にその内部に閉じ込める。これらの信号は、本明細書に記載されているように、DUTに放射試験を行うために使用される。幾つかの実施例において、チャンバは少なくとも部分的に無響である。例えば、チャンバの内壁、例えばキャップ12の下面24を含むハウジング内側は、チャンバ内での無線電磁信号の反響を抑制する、例えば排除し、又は軽減させる1種又は複数の適当な材料で裏打ちされてよい。適当な材料が反響の抑制に使用されてよい。このような材料の例には、炭素添加発泡材、炭素添加ゴム、及び磁性体装荷材料が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、ハウジングは、信号損失を減少させ、又はチャンバ内の信号干渉を軽減させるためにシールされてよい。幾つかの実施例において、ハウジングは電磁(EM)干渉から遮蔽されてよい。幾つかの実施例において、ハウジングはEM信号がハウジングに入るのを防止し、又はEM信号がハウジングから出るのを防止する。幾つかの実施例において、ハウジングはまた、気密性であってもよい。その結果、ハウジングは、対応するDUTを物理的に、電磁的に、又は物理的且つ電磁的に隔離してよい。
【0028】
幾つかの実施例において、ハウジングは、幾つかの実施形態において少なくとも受容部とキャップから構成され、金属で製作されてよいが、システムは金属製ハウジングとの使用に限定されない。何れの適当な種類の金属又はその他の材料が使用されてもよい。幾つかの実施例において、プランジャ14は、全体的又は部分的に、非導電性材料で製作される。幾つかの実施例において、プランジャ14のうち、少なくともチャンバ25の中へと延びる部分は非導電性材料で製作されて、チャンバ内の信号との干渉が軽減される。幾つかの実施例において、プランジャは、信号干渉を軽減させるために、適当な範囲の1つ又は複数の電気特性を有する材料から構成される。このような電気特性には、誘電率、透磁率、導電率、又は誘電率、透磁率、及び/又は導電率の幾つかの組合せが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、プランジャは、少なくとも一部に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から製作されるか、これを含んでいてよい。しかしながら、プランジャはPEEKを含む組成物に限定されず、何れの適当な材料がプランジャの実装に使用されてもよい。
【0029】
幾つかの実施例において、プランジャ中の材料の量は削減されてよく、それによってチャンバ内の空気以外の物質の量が減る。このような物質の減少により、信号干渉が軽減されて、チャンバ内のシグナルインテグリティが向上し得る。異なるプランジャ構成の例が
図3A、3B、及び3Cに示されている。しかしながら、システムはこれらの構成を有するプランジャとの使用に限定されず、何れの適当なプランジャ構成が使用されてもよい。
図3A、3B、及び3Cの各々において、キャップ12は、本明細書に記載されているように、DUTと接触するプランジャを含む。プランジャは、キャップ12の中及びそれに関して移動することによって、DUTに圧力をかけるか、DUTをソケットから外し、他方で例えばキャップが受容部11と接触してハウジングを構成しているままとなるようにすることができる。
図3Aの例では、プランジャ14Aはプランジャの長さ方向の寸法の全部又は一部に沿って複数の穴を有する。この場合、長さ方向の寸法は矢印26により表される。
図3Bの例では、プランジャ14Bは、プランジャの長さ方向の寸法の全部又は一部に沿って1つの穴を有する。
図3Cの例では、プランジャ14Cは、プランジャの長さ方向の寸法の全部又は一部に沿って中空である。
図3Cにおいて、プランジャの構造的部分は、DUTを保持し、DUTをソケットと接触するように押し付け、DUTをソケットから取り外すのに必要な圧力を支持するのに十分な厚さであってよい。幾つかの実施例において、プランジャの上部は、穴がハウジングの内部、すなわちチャンバ25が外部環境にさらされないように覆われるが、これは要求事項ではない。
【0030】
ハンドラ交換キットは、DIBを、コンタクトダウン構成又はコンタクトアップ構成でDUTを試験するように構成してよい。これに関して、例示的なDUTは1つの表面上に、DIB又は他のデバイス上の、それに対応する電気コンタクトと電気接続するための電気コンタクトを有する。DUTの反対の面は典型的に、パッケージングを含み、電気コンタクトを含まない。幾つかの実施例において、プランジャはパッケージングを含む表面と接触してよく、それによってコンタクトは下向き、すなわち吸引カップと反対向きになり、DIBのソケット上の、それに対応する電気コンタクトと係合できる。幾つかの実施例において、プランジャはコンタクトを含む表面と接触してよく、それによってコンタクトは上向き、すなわち吸引カップに面することになる。この場合、プランジャ、例えばプランジャの吸引カップは、DUTの、コンタクトを含まない部分と接触してよい。コンタクトは上向きであるため、DUTがソケット内に位置付けられると、接続はPOPスタイルソケットを用いて行われてよく、これはDUTのソケット側との接触を提供する。これらの種類のソケットにより、底部ソケットはDIBと接触し、キャップが閉じられると、上部ソケットは底部ソケットを通じてなされるDIBとの接続を有し、DUTの、DIBと反対の面で接続を確立させる。幾つかの実施例において、このタイプのソケットは、DIBから接続をとり、キャップへと、及びその後DUTへと接続を受け渡す。
【0031】
無線電子信号は、チャンバの内部又は外部の適当な位置に位置付けられてよい1つ又は複数の試験アンテナを介して、チャンバ25内に導入される。これらの試験アンテナから発せられた無線電磁信号は、DUT上のアンテナ又はDUT上の他の何れの適当な回路構成を試験するために使用されてもよい。例えば、1つ又は複数の試験アンテナから送信された信号は、1つ又は複数のDUTアンテナにより受信されてよい。これらの信号に対する応答がその後、DUTからそのアンテナを介して、又は試験ソケット上の電気コンタクトを介して送信されてよい。何れの場合も、これらの応答が試験システム又は試験計器により分析されて、DUTアンテナが適正に動作しているか、DUTが適正に動作しているか、DUTの何れかのパラメータが許容可能範囲内にあるか、及びその他が特定されてよい。試験アンテナは、ハンドラ交換キットの一部であってよく、DUT又はDIBの上方、上、中、又は下の様々な位置において組み込まれてもよい。何れの適当な数の試験アンテナが使用されてもよい。
【0032】
図4、5、6、7、及び8は、ハンドラ交換キット30のコンポーネントの例を示し、これは
図1及び2に示される種類であってよい。ハンドラ交換キット30は、DIB 33の上方のキャップ31とプランジャ32を含む。これらの図では、受容部の一部は省略されている。アンテナの各々は、試験計器と有線又は無線接続してよい。
【0033】
図4を参照すると、幾つかの実施例において、1つ又は複数の試験アンテナ38は、DIB内に位置付けられてよい。
図5を参照すると、幾つかの実施例において、1つ又は複数の試験アンテナ38は、DIBの下に位置付けられてよい。この例では、アンテナは試験計器内に位置付けられるが、これは要求事項ではない。
図6を参照すると、幾つかの実施形態において、1つ又は複数の試験アンテナ38は、DUTの下に位置付けられてよい(
図6では、DUTを受け、保持するように構成されたソケット39の下に示されている)。例えば、DUTは、DIB上のソケット39と嵌合してよく、試験アンテナは、DUTの下の適当な何れの適当な位置に位置付けられてもよい。
図7を参照すると、幾つかの実施例において、1つ又は複数の試験アンテナ38は、プランジャ上のDUTの何れかの側に位置付けられてよい。例えば、
図7に示されるように、ハンドラ交換キットは、2つの試験アンテナを含んでいてよい。2つの試験アンテナの一方は、DUT/試験ソケットの1つの側に位置付けられてよく、2つの試験アンテナのもう一方は、DUT/試験ソケットの他の側、例えば反対又は隣接する側に位置付けられてよい。
図8を参照すると、幾つかの実施例において、1つ又は複数の試験アンテナ38はプランジャの中に位置付けられてよい。例えば、プランジャ内の試験アンテナは、その使用に伴うプランジャの移動に耐え、それと共に動作するように構成されてよい。幾つかの実施形態に例において、各アンテナは、チャンバのサイズを小さくするために、DUTの近くに位置決めされた低ゲインアンテナである。ハンドラ交換キットは、上記のアンテナの位置又はアンテナ数に限定されず、何れの適当な位置又は数が使用されてもよい。
【0034】
DIB試験ソケットについて1つのハンドラ交換キットが記されているが、DIBは1つ又は複数の他のDUTを受けるための1つ又は複数の他のソケットを含んでいてよい。各DIB試験ソケットは、必要に応じて、本明細書に記載されているタイプの別のハンドラ交換キットを受け入れてもよい。各ハンドラ交換キットは、本明細書に記載されているように、対応するDUTを物理的に、電磁的に、また物理的且つ電磁的に隔離してよい。
【0035】
幾つかの実施例において、
図2のチャンバ25のように、1つのチャンバに2つ又は3つ以上の試験ソケットが格納されてよい。これらの例において、複数のプランジャがDUTをソケット内に取り付けるためのキャップの中で利用されてよい。これらの例示的システムにおける隔離は物理的ではなく、電磁的である。例えば、信号は第一の周波数バンドにおいて1つのDUTと交換され、信号は第一の周波数バンドとは異なる少なくとも1つの第二の周波数バンドにおいて少なくとも1つの他のDUTと交換されてよい。したがって、1つのチャンバ内のDUTは、異なる周波数バンドの信号の使用を通じて相互に電磁的に隔離される。すなわち、1つのDUTは、1つの周波数バンド内の信号しか認識しない場合があり、他のDUTは、異なる周波数バンド内の信号しか認識しない場合がある。そのため、同じチャンバ内で異なるDUTに電磁試験が行われてよい。
【0036】
幾つかの実施例において、ハンドラ交換キットは、試験システム、例えばATEとインタフェースするためのDIBを含むシステムの一部である。DIBは、複数のソケットを含み、ソケットの各々が1つのDUTを受ける。システムは複数の受容部を含み、その各々はソケットの異なる1つのためのものである。システムはアンテナを含む。アンテナの各々は、ソケットの異なる1つに関連付けられ、各ソケットは複数のアンテナを含んでいてよい。各アンテナは、ソケット内のDUTと信号を交換するためのものである。信号の少なくとも幾つかは、本明細書に記載されているように、ソケット内のDUTの放射、すなわち非導電性試験を行うのに使用されるものである。1つ又は複数のキャップ、例えば1つのキャップは、受容部と嵌合して、DUTのそれぞれ1つのための、これを格納する別々のハウジングを形成するように構成される。キャップは、各受容部につき1つのプランジャ等、1つ又は複数のプランジャを含んでいてよい。複数のプランジャは、異なる作動メカニズムを使って、又は1つの作動メカニズムを使って作動されてよい。別々の各ハウジングは、本明細書に記載されているように、ハウジング内に格納されたDUTを物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離する。
図9は、上述のタイプの例示的なハンドラ交換キット40を示す。ハンドラ交換キットは、本明細書に記載されている何れの適当な特徴を含んでいてもよく、これには
図1~8に関して説明したものが含まれる。
【0037】
図9の例において、ハンドラ交換キット40は、受容部45及び46を含み、これは、別々に、それぞれ、DIB 47の複数の試験ソケット42及び43を格納する。受容部は、1つの連続的な構造又は、図のように複数の別々の受容部であってよい。2つの試験ソケットが示されているが、何れの適当な数の試験ソケットが格納されてもよい。ハンドラ交換キット40はキャップ60及び61を含み、これは、受容部45及び46と嵌合すると、それぞれ、この例においては2つの別々のハウジングを形成し、それがその中に含まれるDUTを物理的且つ電磁的に隔離できる。各ハウジングは、必要に応じて、本明細書に記載されているハウジングの何れの特徴を有していてもよく、これは例えば、受容部11とキャップ12から構成されるハウジングである。この例において、キャップ60はプランジャ51を含み、キャップ61はプランジャ52を含み、各々、本明細書に記載されているように、DIB上の対応する試験ソケット内にDUTを保持するため、及びその中にDUTをセットすることの各々である。各プランジャは、同じ又は異なる構成を有していてよい。プランジャに関する例示的な構成には、
図3A、3B、及び3Cに示されるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
DIBソケットの中でのDUTの配置は、前述のように、コンタクトダウン又はコンタクトアップであってよい。プランジャは、必要に応じて、別々に、又は同時に作動されてよい。キャップとの間のコンタクトにより形成される各ハウジングは、本明細書に記載されているように、1つ又は複数のアンテナを含んでいてよい。各ハウジングは、同じ構成で、又は異なる構成で設置されたアンテナを有していてよい。例示的なアンテナ構成は例えば、
図4、5、6、7、及び8に示されるものに限定されない。例えば、各ハウジングにおいて、各アンテナはDIB上のソケットの1つの側に配置されてよく、又はアンテナはDUTの下、DIBの下、DUTの上方、DIBの上方、DIBの中、又はハウジングの内部又は外部の他の何れの適当な位置に位置付けられてもよい。各プランジャは、本明細書に記載されているように、プランジャの長さ方向の寸法の少なくとも一部に沿って、複数の穴、1つの穴、を有していても、又は中空であってもよい。各ハウジングは、ハウジング内に格納されたDUTを、ハウジングの他の1つの中の他のDUTから物理的又は電磁的の少なくとも一方の点で隔離するためのものである。
【0039】
本明細書に記載されている例示的な試験システムは、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組合せを含む1つ又は複数のコンピュータシステムによって実装され、及び/又はそれを使って制御されてよい。例えば、DUTを試験するためのシステムは、自動要素の動作を制御するための、システム内の様々な地点にある各種のコントローラ及び/又は処理デバイスを含んでいてよい。中央コンピュータは、各種のコントローラ又は処理デバイス間の動作を調整してよい。中央コンピュータ、コントローラ、及び処理デバイスは、各種のソフトウェアルーチンを実行し、各種の自動要素の制御と調整を行ってよい。
【0040】
本明細書に記載の例示的なシステムは、少なくとも一部に、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品、例えば、1つ又は複数の非一時的機械可読媒体等の1つ又は複数の情報キャリアにおいて有形に具現化された、例えば1つ又は複数のデータ処理装置、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、複数のコンピュータ、及び/又はプログラマブルロジックコンポーネントによる実行のため、又はその動作を制御するための1つ又は複数のコンピュータプログラムを使って制御できる。
【0041】
コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタプリタ型言語を含む何れの形態のプログラミング言語で書くこともでき、また、スタンドアロン型プログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境内での使用に適したその他のユニットとして等、何れの形態でも展開できる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのソケットの、又は複数のソケットにわたって分散され、ネットワークにより相互接続される複数のコンピュータ上で実行されるように展開できる。
【0042】
試験の全部又は一部を実施することに関連付けられるアクションは、本明細書に記載されている機能を実行するための1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラマブルプロセッサにより実行できる。試験の全部又は一部は、特定用途論理回路構成、例えばFPGA(field programmable gate array)及び/又はASIC(application-specific integrated circuit)を使って実施できる。
【0043】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサとしては、例えば、汎用及び特定目的両方のマイクロプロセッサ並びに、あらゆる種類のデジタルコンピュータの何れか1つ又は複数のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは、リードオンリストレージエリア若しくはランダムアクセスストレージエリア、又はそれらの両方から命令及びデータを受信する。コンピュータ(サーバを含む)の要素は、命令を実行するための1つ又は複数のプロセッサと、命令及びデータを保存するための1つ又は複数のストレージエリアデバイスを含む。一般に、コンピュータはまた、1つ又は複数の機械可読記憶媒体、例えば、データを記憶するための大量ストレージデバイス、例えば磁気、磁気光ディスク、若しくは光ディスク等を含み、又は、それに動作的に連結されて、そこからデータを受信し、若しくはそこにデータを伝送し、又はその両方を行う。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに適した機械可読記憶媒体には、例えば、半導体ストレージエリアデバイス、例えばEPROM、EEPROM、及びフラッシュストレージエリアデバイス、磁気ディスク、例えば内部ハードディスク又はリムーバブルディスク、磁気光媒体、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクが含まれる。
【0044】
本明細書で使用される何れの「電気接続」も、直接的な物理的接続又は、介在コンポーネントを含む、若しくは含まないが、それでもなお接続されたコンポーネント間での電気信号の流れを可能にする有線若しくは無線接続を黙示してよい。特に別段の明記がないかぎり、信号の流れを可能にする電気回路構成を含む何れの「接続」も、「接続」を修飾する「電気」という単語が使用されているか否かにかかわらず、電気的接続であり、必ずしも直接的な物理的接続とはかぎらない。
【0045】
本明細書に記載されている異なる実施例の要素を組み合わせることによって、具体的に上述されていない他の実施形態を形成してもよい。要素は、本明細書に記載されている構造から、それらの動作に不利な影響を与えなければ省かれてよい。さらに、本明細書に記載されている機能を実行するために、様々な別々の要素を1つ又は複数の個別の要素と組み合わせてもよい。