(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】放射塞栓形成送達デバイスから投与流体の流れパラメータを特定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20231110BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
A61M5/168 500
A61M5/145 500
A61M5/168 512
(21)【出願番号】P 2020564526
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(86)【国際出願番号】 US2019032950
(87)【国際公開番号】W WO2019222678
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-11
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,アダム
(72)【発明者】
【氏名】デスパ,ミルチア
(72)【発明者】
【氏名】ヤーガー,マイケル・ディー
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート,ケイシー・タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マーク・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,ブランドン・デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ドーン,ユルゲン
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/161346(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/014562(WO,A1)
【文献】特開2006-116170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のための方法であって、前記方法が、
並進方向に前記放射塞栓形成送達デバイスのデバイス送達アームを並進移動させるステップであって、前記並進方向における移動がシリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるように、前記デバイス送達アームが前記シリンジ保持体に結合された、並進移動させるステップと、
検知されたパターン移動として、並進移動による前記デバイス送達アームの移動に関連したパターンの対応する移動を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して検知するステップと、
前記検知されたパターン移動に基づいて、1つまたは複数の出力信号を1つまたは複数の前記パターンセンサーを介して生成するステップと、
1つまたは複数の前記出力信号に基づいて、前記投与流体の流量、前記投与流体の流体量、または前記シリンジ保持体に対する前記デバイス送達アームの並進移動による移動方向のうちの少なくとも1つを、プロセッサを介して生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記放射塞栓形成送達デバイスに通信可能に結合されたディスプレイに、前記投与流体の前記流量、前記投与流体の前記流体量、または前記デバイス送達アームの前記移動方向のうちの少なくとも1つを表示するステップ、
を更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記並進方向が、前記デバイス送達アームの長軸に沿った第1の方向、または第2の方向のうちの1つであり、
前記第2の方向が、前記第1の方向の逆であり、
前記第1の方向が、前記シリンジ保持体の近位方向への進行または距離の増加に対応した、前記長軸に沿った近位方向への進行と遠位方向への進行とのうちの一方であり、
前記第2の方向が、前記近位方向への進行または前記遠位方向への進行のうちの他方である、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記デバイス送達アームの長軸の周りにおいて前記デバイス送達アームを回転させるステップが、前記長軸に沿って前記並進方向に前記デバイス送達アームを並進移動させるステップをもたらす、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームに関連した、および、対応する光学的な、電磁的な、磁気的な、またはスイッチパターンを含む、対応する交番ハイ・ローパターンを検知するように構成された、光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、またはスイッチベースのセンサーのうちの少なくとも1つを備える、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームにおけるリングパターンを検出するように構成されたギア組立体を備える、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームにおけるリングパターンを含む前記パターンを検出するように構成されたリング組立体を備える、
方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の方法であって、
前記リング組立体が、ホール効果センサーのペアを備え、前記リングパターンが、前記デバイス送達アームに組み込まれた磁石または鉄の物体のうちの1つを含む、
方法。
【請求項9】
請求項
7に記載の方法であって、
前記リング組立体が、光センサーのペアを備え、前記リングパターンが、前記光センサーの前記ペアによる検出のための少なくとも2つの異なる反射面タイプを備える、
方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームにおけるねじ山パターンを含む前記パターンを検出するように構成されたオムニホイール組立体を備える、
方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームに装着された伝導ロッドのペアに配置される交番スイッチパターンに基づいて前記パターンを検出するように構成された伝導ロッド組立体を備える、
方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームに装着された少なくとも1つのラックロッドにおけるラックパターンに基づいて前記パターンを検出するように構成されたラック・ピニオンロッド組立体を備える、
方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームに装着された少なくとも1つの伝導光学ロッドの光学パターンに基づいて前記パターンを検出するように構成された光学伝導ロッド組立体を備える、
方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームの並進移動に対応した旋回連結部の周りにおける旋回に基づいて前記パターンを検出するように構成されたロータリーエンコーダ組立体を備える、
方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームに配置される交番する光学的ハイ・ローパターンとして前記パターンを検出するように構成された光学リニアエンコーダ組立体を備える、
方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーがロータリーエンコーダ組立体を備え、前記ロータリーエンコーダ組立体が、前記デバイス送達アームの表面に接触するように構成された前記ホイールエンコーダを備えており、前記デバイス送達アームが前記並進方向に並進移動するときに、前記パターンを含む前記ホイールエンコーダが回転するように構成されており、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームの並進移動に対応した前記ホイールエンコーダにおける前記パターンを検出するように構成された、
方法。
【請求項17】
放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のためのシステムであって、前記システムが、
前記放射塞栓形成送達デバイスであって、前記放射塞栓形成送達デバイスが、シリンジ保持体に結合されたデバイス送達アームと、パターン組立体と、前記パターン組立体の移動に基づいて前記パターン組立体を検出するように構成された1つまたは複数のパターンセンサーとを含み、前記デバイス送達アームが、前記シリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるために並進方向に移動するように構成された、前記放射塞栓形成送達デバイスと、
前記放射塞栓形成送達デバイスと非一時的コンピュータ記憶媒体とに通信可能に結合されたプロセッサであって、前記非一時的コンピュータ記憶媒体が、前記プロセッサにより実行されたとき、
前記並進方向における前記放射塞栓形成送達デバイスの前記デバイス送達アームの並進移動を監視することと、
検知されたパターン移動として、並進移動による前記デバイス送達アームの移動に関連した前記パターン組立体の対応する移動を、1つまたは複数の前記パターンセンサーを介して検知することと、
前記検知されたパターン移動に基づいて、1つまたは複数の出力信号を1つまたは複数の前記パターンセンサーを介して生成することと、
1つまたは複数の前記出力信号に基づいて、前記投与流体の流量、前記投与流体の流体量、または前記シリンジ保持体に対する前記デバイス送達アームの移動方向のうちの少なくとも1つを生成することと、
を前記プロセッサにさせる命令を記憶した、前記プロセッサと、
を備える、システム。
【請求項18】
請求項
17に記載のシステムであって、
前記プロセッサにより実行されたとき、前記放射塞栓形成送達デバイスに通信可能に結合されたディスプレイに、前記投与流体の前記流量、前記投与流体の前記流体量、または前記デバイス送達アームの前記移動方向のうちの少なくとも1つを表示することを前記プロセッサにさせる命令を更に含む、
システム。
【請求項19】
請求項
17に記載のシステムであって、
前記並進方向が、前記デバイス送達アームの長軸に沿った第1の方向、または第2の方向のうちの1つであり、
前記第2の方向が、前記第1の方向の逆であり、
前記第1の方向が、前記シリンジ保持体の近位方向への進行または遠位方向への進行に対応した、前記長軸に沿った近位方向への進行と遠位方向への進行とのうちの一方であり、
前記第2の方向が、前記近位方向への進行または前記遠位方向への進行のうちの他方である、
システム。
【請求項20】
請求項
17に記載のシステムであって、
前記プロセッサにより実行された場合、前記デバイス送達アームが前記デバイス送達アームの長軸に沿って前記並進方向に並進移動させられたとき、前記長軸の周りにおける前記デバイス送達アームの回転を監視することを前記プロセッサにさせる命令を更に含む、
システム。
【請求項21】
請求項
17に記載のシステムであって、
1つまたは複数の前記パターンセンサーが、前記デバイス送達アームに関連した、および、対応する光学的な、電磁的な、磁気的な、またはスイッチパターンを含む、対応する交番ハイ・ローパターンを検知するように構成された、光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、またはスイッチベースのセンサーのうちの少なくとも1つを備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、発明の名称を「DUAL-STAGE SYRINGES WITH LOCKING MECHANISM」とする、2018年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/673,628号、および、発明の名称を「RADIOEMBOLIZATION DELIVERY DEVICE」とする、2018年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/673,632号の利益を主張し、両出願の全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
[0002]本明細書は、概して、癌を処置するための医療デバイスに関し、より具体的には、例えば経動脈放射塞栓形成といった工程において患者の体内における処置領域に放射性化合物を送達するように構成された、および動作可能な医療デバイス、および、このような放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定(測定または計測とも言う)に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]放射線治療を伴う癌治療では、放射性治療薬からの放射線に対する不慮の、または過剰な曝露は有害であり得、場合によっては患者または医療関係者に致命的であり得る。したがって、放射線治療のための医療器具は、放射線に不必要に曝露させられないように他者を遮蔽しながら、放射性材料の送達を患者の体の特定の領域に限局するように構成されなければならない。
【0004】
[0004]経動脈放射塞栓形成は、介入型放射線医学により実施される経カテーテル動脈内工程であり、悪性腫瘍の処置のために一般的に使用される。この医療工程中に、マイクロカテーテルが患者の肝臓内に案内され、肝臓において、例えばイットリウム90(90Y)といった放射性化合物を充填された放射塞栓形成マイクロスフィアが標的腫瘍に送達される。マイクロスフィアは、腫瘍に供給する血管に塞栓を生じさせるとともに、腫瘍細胞を殺すための放射線を更に送達する。
【0005】
[0005]概して、放射塞栓形成工程を実施するための医療デバイスは、複数のシリンジ、外部管、放射性化合物を収容したバイアル瓶、および、放射性バイアル瓶を収容するための、および遮蔽するためのバルク状遮蔽組立体を必要とする。このようなデバイスは、典型的には、時間がかかり大きな労力を必要とする設定工程を伴う。複雑なデバイスは通常固定されているので、手術室における医師の動きやすさを、デバイスの特定の近さの中に制限する。
【0006】
[0006]放射塞栓形成工程中における放射性材料を貯蔵している製品容器の日常的な操作は、概して、鉗子またはピンセットを使用して材料を取り扱う核医学技術者を必要とする。この処理は、更なる医療関係者を放射線に曝露させる、および、手術室を汚染する更なる可能性を伴う。投与流体として放射性化合物を手動で投与するためのシリンジは、一貫性のない流量および圧力をもたらす傾向がある。不十分な注入速度は、ビーズの散布度合いの低下をもたらし、このことが処置の有効性に影響を与え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]したがって、患者の体に対して放射性化合物の一定の流量および圧力を与える、および監視するための、単純化した設計および一貫した手段を組み込んだ、放射塞栓形成を実施するように構成された、および動作可能な医療デバイスの必要性が存在する。簡略化されたデバイスは、所望により患者の周りでデバイスを再配置する能力を含む、医療工程中の手術室内における、より高い機動性を医師に提供する。更に、放射性材料のより高い遮蔽を伴うデバイスは、患者を処置している間、医療デバイスを使用する医師に対するより高い保護を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]一実施形態において、放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のための方法は、並進方向に放射塞栓形成送達デバイスのデバイス送達アームを並進移動させることを含み得る。並進方向における移動がシリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるように、デバイス送達アームがシリンジ保持体に結合され得る。上記方法は、検出されたパターン移動として、並進移動によるデバイス送達アームの移動に関連した、パターンの対応する移動を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して検知することと、検知されたパターン移動に基づいて、1つまたは複数の出力信号を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して生成することと、1つまたは複数の出力信号に基づいて、投与流体の流量、投与流体の流体量、またはシリンジ保持体に対するデバイス送達アームの並進移動による移動方向のうちの少なくとも1つを、プロセッサを介して生成することとを更に含み得る。
【0009】
[0009]別の実施形態において、放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のためのシステムは、放射塞栓形成送達デバイスであって、放射塞栓形成送達デバイスが、シリンジ保持体に結合されたデバイス送達アームと、パターン組立体と、パターン組立体の移動に基づいてパターン組立体を検出するように構成された1つまたは複数のパターンセンサーとを含み、デバイス送達アームが、シリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるために並進方向に移動するように構成された、放射塞栓形成送達デバイスと、放射塞栓形成送達デバイスと非一時的コンピュータ記憶媒体とに通信可能に結合されたプロセッサとを含み得る。非一時的コンピュータ記憶媒体は、プロセッサにより実行されたとき、並進方向における放射塞栓形成送達デバイスのデバイス送達アームの並進移動を監視することと、検知されたパターン移動として、並進移動によるデバイス送達アームの移動に関連したパターン組立体の対応する移動を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して検知することと、検出されたパターン移動に基づいて、1つまたは複数の出力信号を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して生成することと、投与流体の流量、投与流体の流体量、または、1つまたは複数の出力信号に基づくシリンジ保持体に対するデバイス送達アームの移動方向のうちの少なくとも1つを生成することとをプロセッサにさせる命令を記憶する。
【0010】
[0010]本明細書において説明されている実施形態により提供されるこれらの特徴および追加的な特徴が、図面と併せて以下の詳細な記述の観点からより完全に理解される。
[0011]図面に記載された実施形態は本質的に説明のためのものであり、および例示的であり、請求項により規定される主題を限定することを意図したものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な記述は、以下の図面と併せて読まれたときに理解されることができ、類似した構造が同様の参照符号により示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0012]
図1Aは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、治療用流体を投与するための並進および/または回転プランジャを含む放射塞栓形成送達デバイスの側面図である。 [0013]
図1Bは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図1Aのデバイスのギア組立体の側面斜視図である。
【
図2】[0014]
図2Aは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、治療用流体を投与するための並進および/または回転プランジャを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの部分的に露出された側面斜視図である。 [0015]
図2Bは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図2Aのデバイスのリング組立体の側面断面図である。
【
図3】[0016]
図3Aは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、治療用流体を投与するための並進および/または回転プランジャを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの部分的に露出された側面斜視図である。 [0017]
図3Bは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図3Aのデバイスのオムニホイール組立体の上面斜視図である。
【
図4A】[0018]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、並進および/または回転プランジャを含む治療用流体を投与するための別の放射塞栓形成送達デバイスの部分的に露出された側面図である。
【
図4B】[0019]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図4Aのデバイスの伝導ロッド組立体の上側斜視図である。
【
図4C】[0020]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による
図4Bの伝導ロッド組立体の上面図である。
【
図5】[0021]
図5Aは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による治療用流体を投与するための並進および/または回転プランジャを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの部分的に露出された側面斜視図である。[0022]
図5Bは、本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図5Aのデバイスのラック・ピニオンロッド組立体の側面図である。
【
図6】[0023]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、光学伝導ロッド組立体を含む、治療用流体を投与するための並進および/または回転プランジャを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの部分的に露出された側面図である。
【
図7】[0024]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、レバーアーム組立体および流れパラメータディスプレイを含む放射塞栓形成送達デバイスの側面斜視図である。
【
図8】[0025]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、レバーアーム組立体とロータリーエンコーダ組立体とを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの側面図である。
【
図9】[0026]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、レバーアーム組立体とリニアエンコーダ組立体とを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの側面図である。
【
図10】[0027]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、レバーアーム組立体と接触ホイールロータリーエンコーダ組立体とを含む別の放射塞栓形成送達デバイスの側面図である。
【
図11】[0028]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図1~
図10のデバイスを使用する処理のフローチャートである。
【
図12】[0029]本明細書において示される、および説明される1つまたは複数の実施形態による、
図1~
図10のデバイスを使用して流れパラメータ特定処理を適用するためのコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実現するためのシステムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0030]全体的に図を参照すると、本開示の実施形態は、本明細書において説明されている放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のためのシステムおよび方法に関する。このようなシステムおよび方法の様々な実施形態が本明細書において詳細に説明されている。
【0013】
[0031]放射塞栓形成は、(1)癌細胞を殺す、および腫瘍を縮小させるために電離放射線を使用した放射線治療と、(2)腫瘍に供給する血管を閉塞させ、ひいては、例えば肝臓の癌を処置するための塞栓形成工程との組み合わせを伴う。放射塞栓形成は、患者の体のまさに内部における放射性材料の配置を目的とし、この形態の処置は内部での合理的な治療と呼ばれる。放射塞栓形成では、マイクロスフィア(または球)と呼ばれる小さいガラスまたは樹脂ビーズが、癌細胞への血液の供給を阻止(例えば閉塞)するために、腫瘍に供給する血管内に配置される。放射性同位体イットリウムY90により充填されたマイクロスフィアが腫瘍部位に詰め込まれることとなり、詰め込まれたマイクロスフィアは高線量の放射線を腫瘍に送達し、正常組織に送達しない。各々がここでおよび上記のとおり本明細書に参照により組み込まれる米国仮特許出願第62/673,628号および米国仮特許出願第62/673,632号において説明されているシリンジ保持体送達装置を使用して患者内に投与流体として注入される、マイクロスフィアと希釈剤との混合物を含むマイクロスフィアの送達。対象者の脈管流量に等しい投与流量が概して所望され、流量は放射塞栓形成工程を実施する臨床医により推定され得る。臨床医は、総体積を特定するために、工程を通して投与されたボーラスの数を手で記録してもよい。
【0014】
[0032]本明細書において説明されている実施形態は、例えば、治療用流体の流量、治療用流体の流体量、および/または、治療用流体を投与するシリンジ保持体に結合されたデバイス送達アームの移動方向といった流れパラメータをパターン信号から自動的に生成する、および特定するためにパターン信号を生成するための、送達デバイス内における1つまたは複数のパターンを検知するためのパターンセンサー組立体を含む放射塞栓形成送達デバイスに関する。したがって、本明細書において説明されている実施形態は、以下で更により詳細に説明されるように、流体経路から除去された、および、投与工程中にシリンジプランジャ位置および作動方向を特定するように構成された非侵襲性パターンセンサーを使用して総注入体積およびボリュメトリック流量の情報を特定すること、および表示することにより治療用流体送達工程に役立つ。デバイス送達アームは、直接的な並進移動を通してであるか、または並進移動をもたらす回転を通してであるかによらず、流体を投与するためのシリンジを進行させるために並進移動し得、このような並進移動および/または回転は本明細書において説明されているセンサーおよび/またはシステムにより監視され得る。更に、監視された情報に基づく送達デバイスアームの移動の対応する方向および/または速度は、本明細書において説明されているシステムを通して表示され得る。本明細書において説明されている送達デバイスアームおよび/またはパターンセンサーの実施形態は、例えば、本明細書における1つまたは複数の実施形態において説明されているように、シリンジを進行させるための遠位方向における移動を示す検知パターンに基づく、シリンジにおける液体体積の変化の測定といった、出力パラメータを特定するための交番集合シーケンスからのパターン検出に基づく、高信頼性、より高い正確さ、および低エネルギー消費に関する1つまたは複数の技術的な効果を含む。
【0015】
[0033]実施形態において、あるパターンをとる複数の離隔したリングを有するリング部を更に含むねじ山付プランジャ(例えばデバイス送達アーム)へのギアの装着が、流量を計算するためにストッパー位置および速度を特定するために直交エンコーダを介して回転方向および距離を検出することを支援する。
図1Aを参照すると、例えば放射塞栓形成工程のための放射性化合物といった治療用流体を投与するための並進および/または回転プランジャを含む放射塞栓形成送達デバイス100が示される。放射塞栓形成送達デバイス100は、放射塞栓形成送達デバイス100のデバイス送達アーム106の長軸LAに沿って矢印Aの方向に、または矢印Aと逆の矢印Bの方向に並進移動により(例えば線形に)移動するように構成されたデバイス送達アーム106を含む。並進方向における移動がシリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるように、デバイス送達アーム106は、(図示されていないが放射塞栓形成送達デバイス100の筐体102内に配置される)シリンジ保持体に結合され得る。本明細書において説明されている放射塞栓形成送達デバイス100、200、300、400、500、600は、同様に、それぞれのデバイス送達アーム106、206、306、406、506、606の長軸LAに沿った矢印Aまたは矢印Bの方向における並進移動の動き、および、それぞれの長軸LAの周りにおける反時計回りまたは時計回りの回転に影響し得る。本明細書において説明されている放射塞栓形成送達デバイス700、800、900、1000は、以下で更により詳細に説明されるように、同様に、それぞれのデバイス送達アーム706、806、906、1006の長軸LAに沿った矢印Aまたは矢印Bの方向における並進移動の動きをもたらし得る。
【0016】
[0034]放射塞栓形成送達デバイス100のデバイス送達アーム106は、長軸LAの周りで回転するように更に構成され得る。デバイス送達アーム106は、ハンドル107、リング部108、およびねじ山部110を含み得る。実施形態において、デバイス送達アーム106は、ねじ山部110の長さの約2倍であり得、筐体は、本明細書において説明されているものと同様に支持板、センサーを含み得る。更に、デバイス送達アーム106は、押されたときにデバイス送達アーム106の回転を伴わずに直接的な並進移動を可能にするように構成されたボタン104を含み得る。非限定的な例として、ボタン104に対する圧力は、ねじ山部110から内部特徴部をアンラッチして、ねじ山部110が筐体102の内面を滑りながら通ることを可能にし得、結果として、デバイス送達アーム106は並進移動の動きをもたらすための回転を必要としない。
【0017】
[0035]
図1Bを参照すると、リング部108は、近接したリング間に間隔幅をもつ決まったパターンにデバイス送達アーム106から突出した一連の離隔したリング特徴部を通して形成されたリングパターンを含む。ギア組立体112は、上部ギア112Aを回転させるための、および、上部ギア112Aに結合されたロータリーホイールエンコーダ112Bの対応する回転をもたらすための突出したリング特徴部の各々とのギア組立体112の歯の接続を通して、リング部108のリングパターンを検出するように構成されている。ロータリーホイールエンコーダ112Bはパターン114を含み、パターン114はパターンセンサーにより検知され、パターンセンサーは、放射塞栓形成送達デバイス100のある位置においてギア組立体112を保持するように構成された支持板116のクランプ118内に位置し得る。矢印Aの方向におけるデバイス送達アーム106の並進移動が、上部ギア112Aを反時計回り方向に回転させるのに対し、矢印Bの方向におけるデバイス送達アーム106の並進移動は、上部ギア112Aを時計回り方向に回転させる。
【0018】
[0036]幾つかの態様において、鉄の物体がプランジャロッド(例えばデバイス送達アーム)に組み込まれ、鉄の物体が並進移動するときの鉄の物体の体積の変化を検知するようにセンサーが配置され、および構成され、これが、並進移動する鉄の物体における対応するパターンを追跡するための信号応答のレベルを変える。信号レベル変化の順序および周波数(頻度)に基づいて、組み込まれた鉄の物体を含むデバイス送達アームの方向および線速度が特定され得る。
図2Aを参照すると、放射塞栓形成送達デバイス200はデバイス送達アーム206を含み、デバイス送達アーム206は筐体202から突出し、アームエンクロージャ203内に位置し、およびクランプ220を介してアームエンクロージャ203内に保持されている。デバイス送達アーム206は、
図2Bに示されるように、ねじ山部210内に組み込まれたリング部208を含む。リング部208のパターンを検出するように構成されたパターンセンサー222、224は、リング部208に向いて位置している。
【0019】
[0037]リング部208は磁気的な、または鉄の物体から作られ得、この物体はデバイス送達アーム206内に位置し、および、パターンセンサー222、224により検知されるように構成されている。リング部208は、デバイス送達アーム206の中心に配置されるボールベアリングおよび/またはパターン・ロッドを含み得、誘導センサーが、デバイス送達アーム206の外部に配置される。追加的に、または代替的に、パターンセンサーは、リング部208の検出されるパターンを検知するためにリング部208の検知される部分に関連した磁場の大きさを測定するように構成されたホール効果センサーであってよい。反射センサーコンポーネントのペア(対)は、送信された信号を戻すように反射するために、パターンセンサー222、224とは反対に位置し得る。パターンセンサー222、224は、リング部208の検出されるパターンに関連したパターンセンサー222、224からの出力信号を検知するように構成されたプリント回路基板上に位置し、および結合され得る。
【0020】
[0038]ホール効果センサーの出力電圧は、ホール効果センサーを通る磁場強度に正比例し、例えばリング部208の突出したリングといった近位の磁気的な、または鉄の材料が、リング部208の突出リングのペア間の間隙とは異なる、ホール効果センサーによる磁場検出をもたらす。突出したリングのパターンセンサー222、224のうちの1つの検知と、リング部208の突出したリングの間隔が既知である突出したリング間の間隙の、パターンセンサー222、224のうちの他方の検知とにより、移動方向および移動量が生成され、および、放射塞栓形成送達デバイス200による流体投与のための関連する流れパラメータを生成するために使用され得る。ワイヤのコイルにおいて電流を誘導して電圧出力を生成する動的な磁場に応答する誘導センサーとは対照的に、ホール効果センサーは、磁場の存在下において、薄い金属ストリップにおける電子が縁部に逸れて、供給電流に直交した電圧勾配を生成するように電流を印加された薄い金属ストリップを通る静磁場を検出する。
【0021】
[0039]ホール効果センサーがパターンセンサー222、224の実施形態として説明されるが、誘導センサー、光センサー、スイッチセンサー、磁気センサーなどが、
図2Bのリング部208のリングパターンを検知するために使用されてよいことが想定され、本開示の範囲に入る。例示として、および限定ではなく、パターンセンサー222、224は、突出したリングの各々、および、リング部108の突出したリング間の各間隙に関連した異なる光反射率を検出するように構成された光センサーであってよい。実施形態において、リング部108の外部配置は、突出部および間隙、ならびに、それらの間に存在する所定の距離を含む外部パターンを検出するように構成された1つまたは複数の光センサーとしての光センサーであってよいパターンセンサー222、224により検出されてもよい。
【0022】
[0040]一実施形態において、エンコードホイールまたは1つまたは複数のシリンダーが、デバイス送達アームの回転および並進移動の動きを検知するために、デバイス送達アーム表面に係合し得、両方の動きが、1つのオムニホイール組立体を通して検知され得る。
図3A~
図3Bを参照すると、オムニホイール組立体328を含む放射塞栓形成送達デバイス300が示される。オムニホイール組立体328がデバイス送達アーム306のねじ山部310の表面に係合するように構成されていることにより、デバイス送達アーム306の並進移動の動きが、少なくとも1つのパターンセンサー(図示されていない)により検知されるパターン334を含むエンコーダホイール332の対応する回転をロッド338を介した接続を通してもたらすオムニホイール組立体328のオムニホイール330を回転させる。実施形態において、デバイス送達アーム306は、クランプ320を通して放射塞栓形成送達デバイス300の筐体内に収容されおり、オムニホイール組立体328は、クランプ336を通して筐体内に収容されている。エンコーダホイール332の回転をもたらすオムニホイール組立体328の回転は、更に、少なくとも1つのパターンセンサーにより検知されるエンコーダホイール332のパターン334の回転をもたらし、パターンセンサーは、パターン334を検出するための、および、検出されるパターン334に基づいて流量、流体量、および移動方向を生成するための、光学ホイールセンサー、誘導センサー、静電容量センサーなどであってよい。
【0023】
[0041]実施形態において、回路に接続する、および電気スイッチとして機能する伝導ロッドのエンコードは、検知されたパターンの特定を支援する。ロッドは、検知領域にロッドを維持するために、デバイス送達アームが回転されるときに中心軸の周りで自由に回転するカラー特徴部に接続され得る。デバイス送達アームはリードまたは軸方向負荷により並進移動し、ロッドは電気回路を閉じる。スイッチング情報の生成されたオーダー(順序)および周波数を通して、デバイス送達アームの方向および線速度が特定され得る。
図4A~
図4Cを参照すると、放射塞栓形成送達デバイス400は、筐体402から延びたデバイス送達アーム406の周りに配置される、およびエンクロージャ403内に配置されるクリップ特徴部440から突出した伝導ロッド442、452のペアを含む伝導ロッド組立体を含む。クリップ特徴部440は、伝導ロッド442、452のペアがデバイス送達アーム406と一緒に動くとともに、送達アーム406の回転がクリップ特徴部440および伝導ロッド442、452のペアの回転をもたらさないように伝導ロッド442、452のペアをデバイス送達アーム406に装着するための、スリップリングまたは他の留め具であってよい。デバイス送達アーム406はねじ山部410を含み、デバイス送達アーム406の長軸に沿った、およびデバイス送達アーム406の長軸の周りにおける回転および/または並進移動のために構成されている。伝導ロッド442は交番パターン444を含み、伝導ロッド452は交番パターン454を含む。
【0024】
[0042]
図4Cを参照すると、交番パターン444は、接触時にリードスイッチ446、448により検出されるハイ特徴部(高い部分)444Aとロー特徴部(低い部分)444Bとを含む。同様に、交番パターン454は、リードスイッチ456、458により検出されるハイ特徴部454Aとロー特徴部454Bとを含む。リードスイッチ446、448、456、458は、本明細書において説明されているように、ハイ読み取り値およびロー読み取り値に従ってオンおよびオフにスイッチングされるように交番パターンに接触するように構成された、例えば金属プレートスイッチといった電気接点を含み得る。リードスイッチ検出は、2値モデルに従ったオン/オフ波形を結果的にもたらし得、およびステップ様波形を形成する。実施形態において、交番パターン444、454は、ホール効果センサー、磁気センサー、光センサーなどを包含するがこれらに限定されない1つまたは複数の他のパターンセンサーにより検知されてよく、ある範囲の非2値信号を生成して正弦波様の波形を形成してよい。パターンセンサーは、交番パターン444、454から90度離れて位置する直交信号を検出してよい。非限定的な例として、リードスイッチ446が、閉じたスイッチを示す交番パターン444のロー特徴部444Bに接点したとき、対向するリードスイッチ456が、開いたスイッチを示す交番パターン454のハイ特徴部454Aに接触する。
【0025】
[0043]一実施形態において、エンコードされたラック・ピニオン組立体は、ロータリー直交エンコーダに装着されたピニオンと、デバイス送達アームの回転に制約されないカラー特徴部を介して並進移動するデバイス送達アームに装着されたラックとを含む。したがって、カラー特徴部は、デバイス送達アームが回転および/または並進移動させられるときに自由な並進移動を可能にしながら、ラック・ピニオン組立体が回転することを防ぐ。
図5A~
図5Bを参照すると、並進方向におけるラック542の移動により回転可能な、および、センサー(図示されていない)による検出のために構成されたパターン568を含むロータリーエンコーダ564に装着されたピニオン562を含むラック・ピニオンロッド組立体560を含む放射塞栓形成送達デバイス500が示される。放射塞栓形成送達デバイス500は、筐体502から延びた、および内部コンポーネントを収容するためのクランプ570を含むエンクロージャ503に収容されたデバイス送達アーム506を含む。ラックロッドのペアは、デバイス送達アーム506の両側に位置し、デバイス送達アーム506の周りに配置されるクリップ特徴部540から延びている。ラックロッド542、552が回転せずに、むしろデバイス送達アーム506とともに並進移動するのみとなるように、デバイス送達アーム506の回転はクリップ特徴部540の対応する回転をもたらさない。ピニオン562の溝に挿入されたラックロッド542の突出した歯はハイ・ローパターンのうちの1つを生成し得るとともに、ピニオン562の歯を収容するラックロッド542の突出した歯の間の間隙がハイ・ローパターンのうちの他方を生成し得ることにより、デバイス送達アーム506の流量、流体量、および動きの方向を生成する。
【0026】
[0044]一態様において、デバイス送達アームが軸方向負荷を通して、または回転を通して並進移動させられる間に、リニアエンコード部材が光学的に検知される。リニアエンコード部材は、デバイス送達アームが回転させられるときに中心軸の周りで自由に回転するカラー特徴部に装着されており、リニアエンコード部材を検知領域に維持する。
図6を参照すると、放射塞栓形成送達デバイス600はデバイス送達アーム606を含み、デバイス送達アーム606はねじ山部610を有し、および、エンクロージャ603内に位置し、および、光学伝導ロッド組立体の光学ロッド642、652のペアにより囲まれ、光学伝導ロッド組立体はパターンセンサー672、674のペアを含み、例えば、回転しない並進移動するクリップ特徴部を通してそれぞれのデバイス送達アーム406および506に同様に装着された放射塞栓形成送達デバイス400および500に関連して説明される光学的なハイ・ローの交番パターンといった、光学パターンを光学ロッド642、652のペアから検出するようになっている。実施形態において、パターンセンサー672、674は、ロッド642、652のペアにおける交番するN極-S極パターンを検知するように構成された磁気センサーであってよく、既知の開始位置の入力が、磁気センサーが出力信号を生成することを支援するように構成され、出力信号からデバイス送達アーム606の漸増進行データおよび実際の位置データを特定する。
【0027】
[0045]
図7を参照すると、放射塞栓形成送達デバイス700は、レバーアーム組立体701と流れパラメータディスプレイ704とを含み、本明細書において特定されている、および説明されているデバイス送達アームの検知された移動に関連した流れパラメータ情報を監視する、および表示するようになっている。放射塞栓形成送達デバイス組立体700は、米国仮特許出願第62/673,632号において説明されているような送達デバイスであってよく、米国仮特許出願第62/673,628号において説明されているように流体を投与するための放射塞栓形成送達デバイス700の筐体702内にシリンジ保持体を含んでよく、両出願の各々がここでおよび上記のように参照することにより組み込まれる。流れパラメータディスプレイ704は、(例えばml/分の単位による)投与流体の流量、(例えばmlの単位による注入体積としての)投与流体の流れの量、およびデバイス送達アーム706の移動方向(例えば、近位方向または遠位方向であり、距離の増加が筐体702内におけるシリンジ保持体から流体を投与する)を表示するように構成され得る。
【0028】
[0046]一実施形態において、レバーの角変位および方向が検知され得るように、および、角変位がデバイス送達アームの直線変位に変換され得るように、ロータリー直交エンコーダは送達デバイスのレバーの旋回中心点に装着され得る。
図8を参照すると、放射塞栓形成送達デバイス800はレバーアーム組立体801を含む。レバーアーム組立体801はハンドル808を含み、ハンドル808は旋回中心点809を介してレバーアーム810に結合され、レバーアーム810が、旋回中心点811を介してベーススタンド812に結合され、レバーアーム組立体801は接続体814を含み、接続体814は旋回中心点813を介してレバーアーム810に結合され、旋回中心点815を介してデバイス送達アーム806に結合されている。デバイス送達アーム806が、流体を投与するためのシリンジ保持体(図示されていない)を含む筐体802に対して近位方向に、および遠位方向に突出するように構成されている。ハンドル808に対する遠位方向への下向きの力の印加が、反時計回り方向における旋回中心点809の周りにおけるレバーアーム810の回転と、旋回中心点815の周りにおいて遠位方向にデバイス送達アーム806を駆動する旋回中心点813の周りにおける接続体814の遠位方向への動きと、反時計回り方向における旋回中心点811の周りにおけるレバーアームの回転とをもたらし、パターン822を含む直交ロータリーエンコーダ820の回転をもたらす。パターンセンサー(図示されていない)はパターン822を検知するように構成されており、パターン822は、レバーアーム810に対する遠位方向または近位方向のうちの一方におけるデバイス送達アーム806の動きに対応している。直交ロータリーエンコーダ820の中央からの水平と、レバーアーム810の長軸との間に規定された角度が、筐体802に対するデバイス送達アーム806の並進移動の変位に関連したレバーアーム810の垂直変位の距離を規定するために使用される。直交ロータリーエンコーダ820のパターン822は、パターンセンサーにハイ・ローパターンを提示する交番白黒パターンであり得、ハイ・ローパターンから流体量、流量、およびデバイス送達アーム806の移動方向が生成され得る。したがって、直交ロータリーエンコーダ820を含む放射塞栓形成送達デバイス800は、レバーアーム810の角変位および方向を検知するように構成されている。角変位は、デバイス送達アーム806の直線変位に変換され得る。所定のシリンジ径が与えられると、供給された体積および流量が、デバイス送達アーム806の検知された直線変位に基づいて特定され得る。
【0029】
[0047]一態様によると、光センサーは、線形直交エンコーダとして機能してデバイス送達アームの直線変位および方向を検知するために、デバイス送達アームに近接するように位置し、および構成され得る。
図9を参照すると、放射塞栓形成送達デバイス900はレバーアーム組立体を含み、レバーアーム組立体において、接続体914は、放射塞栓形成送達デバイス800のレバーアーム組立体801と同様にデバイス送達アーム906に結合されており、筐体902に対するデバイス送達アーム906の並進移動を導くようになっており、投与流体に対するシリンジが筐体902内に収容されており、デバイス送達アーム906の遠位方向への並進移動に基づいて流体を投与し得る。デバイス送達アーム906は、光送信器センサーと光受信センサーとを含む光学直交リニアエンコーダ920による検出のために構成された、交番ハイ・ローシーケンスを含むパターン922を含む。光送信器センサーは、パターン922から反射するための光信号を送信するように構成され、光受信器センサーは、反射されたパターン信号を受信するように構成されている。リニアエンコーダ920のための他のセンサーがデバイス送達アーム906のハイ・ローパターン922を検知するために使用され得ることが本開示の範囲内であると想定される。例示として、および限定ではなく、本明細書において説明されているホール効果センサー、磁気センサー、または電気スイッチセンサーが使用されてよい。パターンセンサーとしてのリニアエンコーダ920が、パターン922、および、デバイス送達アーム906の直線変位および方向を検出するように構成されている。シリンジ保持体の直径が与えられると、投与流体の供給された体積および流量が、デバイス送達アーム906の検知された変位に基づいて計算され得る。
【0030】
[0048]別の一態様によると、直交ロータリーエンコーダはホイールを介してデバイス送達アームに装着され得、ホイールの検知された角変位がデバイス送達アームの直線変位に変換され得る。
図10を参照すると、放射塞栓形成送達デバイス1000は放射塞栓形成送達デバイス800、900と同様に動作して、デバイス送達アーム1006が旋回中心点1015の周りで回転すること、および、シリンジ保持体を収容する筐体1002に対して並進方向に並進移動することをもたらすように、接続体1014を移動させる。ホイール1022が、筐体1002に向かうデバイス送達アーム1006の遠位方向への並進移動に対応して矢印Rの方向に時計回りに回転するように、ホイール1022を含むパターンセンサー1020がホイール接触点1022Pにおいてデバイス送達アーム1006の表面に接触するように構成されている。ホイール1022は、筐体1002から離れるデバイス送達アーム1006の近位方向の並進移動に対応して、矢印Rとは反対の方向に反時計回りに回転する。ホイール1022はパターンを含み、パターンはパターンセンサー1020により検知されるように構成され、パターンセンサー1020は、回転するホイール1022のパターンを検知するための、光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、または他の同様のセンサーを含む直交ロータリーエンコーダであり得る。したがって、パターンセンサー1020は、デバイス送達アーム1006の直線変位および方向を検知するように構成されている。更に、シリンジ保持体の直径が与えられると、シリンジ保持体からの投与流体の供給された体積および流量が、デバイス送達アーム1006の直線変位および方向情報に基づいて計算され得る。
【0031】
[0049]
図11を参照すると、
図1~
図10の放射塞栓形成送達デバイス100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000を使用して、本明細書において説明されているそれぞれのデバイス送達アームの投与流体の流量、流体量、および移動方向を特定する処理のフローチャート1100が示される。放射塞栓形成送達デバイス100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000からの投与流体の流れパラメータの特定のための処理1100は、ブロック1102において、並進方向に放射塞栓形成送達デバイス100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000のそれぞれのデバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006を並進移動させることを含み得る。並進方向における移動がシリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるように、それぞれのデバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006がシリンジ保持体に結合され得る。遠位方向への進行は、例えば、シリンジ保持体が治療用流体を投与することをもたらし得る。したがって、シリンジ保持体の遠位方向への進行は、放射塞栓形成送達デバイス100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000から血管内に流体を投与するように構成され得る。
【0032】
[0050]実施形態において、並進方向は、デバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006の長軸LAに沿った第1の方向、または、第1の方向とは逆の第2の方向のうちの1つである。第1の方向は、シリンジ保持体の近位方向への進行または距離の増加に対応した、長軸LAに沿った近位方向への進行と遠位方向への進行とのうちの一方であり得、第2の方向は、近位方向への進行または遠位方向への進行のうちの他方であり得る。更に、長軸LAに沿って並進方向にデバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006を並進移動させるとき、デバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006は、デバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006の長軸LAの周りで回転させられ得る。
【0033】
[0051]ブロック1104において、並進移動によるデバイス送達アームの移動に関連した、パターンの対応する移動が、検知されたパターン移動として、
図1~
図10に関連して本明細書において説明されているように1つまたは複数のパターンセンサーを介して検知される。実施形態において、および本明細書において説明されているように、1つまたは複数のパターンセンサーは光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、またはスイッチベースのセンサーのうちの少なくとも1つを含み、そのようなセンサーは、デバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006に関連した、および、対応する光学的な、電磁的な、磁気的な、またはスイッチパターンを含む、対応する交番ハイ・ローパターンを検知するように構成されている。
【0034】
[0052]ブロック1106において、1つまたは複数の出力信号が、検知されたパターン移動に基づいて、1つまたは複数のパターンセンサーを介して生成される。
図1~
図10を参照すると、本明細書において、およびここまでに説明されているように、1つまたは複数のパターンセンサーは、それぞれのデバイス送達アームの並進移動の動きに関連したパターンを検出するように構成されている。例示として、および限定ではなく、および
図1A~
図1Bを参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーはギア組立体112を含み、ギア組立体112は、放射塞栓形成送達デバイス100のデバイス送達アーム106におけるリング部108のリングパターンを検出するように構成されている。
図2A~
図2Bを参照すると、1つまたは複数のパターンセンサー222、224は、デバイス送達アーム206におけるリング部208のリングパターンを含むパターンを検出するように構成されたリング組立体を含み得る。リング組立体は、ホール効果センサーのペアを含み得、リングパターンは、デバイス送達アームに組み込まれた磁石または鉄の物体のうちの1つを含み得る。代替的に、リング組立体は、光センサーのペアを含み得、リングパターンは、光センサーのペアによる検出のための少なくとも2つの異なる反射面タイプを含み得る。
【0035】
[0053]
図3A~
図3Bを参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーはオムニホイール組立体328を含み、オムニホイール組立体328は、デバイス送達アーム306におけるねじ山部310のねじ山パターンを含むパターンを検出するように構成されている。
図4A~
図4Cを参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーは、伝導ロッド442、452のペアを含んだ伝導ロッド組立体を含み、伝導ロッド組立体は、デバイス送達アーム406に装着された伝導ロッド442、452のペアに位置する交番スイッチパターン444、454に基づいてパターンを検出するように構成されている。
図5A~
図5Bを参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーはラック・ピニオンロッド組立体560を含み、ラック・ピニオンロッド組立体560は、デバイス送達アーム506に装着された少なくとも1つのラックロッド542におけるラックパターンに基づいてパターンを検出するように構成された。
図6を参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーは、デバイス送達アーム606に装着された少なくとも1つの伝導光学ロッド642、652の光学パターンに基づいてパターンを検出するように構成されたパターンセンサー672、652のペアを含む光学伝導ロッド組立体を含み得る。
【0036】
[0054]
図8を参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーはロータリーエンコーダ組立体を含み、ロータリーエンコーダ組立体は、デバイス送達アーム806の並進移動に対応した旋回連結部811の周りにおける旋回に基づいて直交ロータリーエンコーダ820の回転からパターン822を検出するように構成されている。
図9を参照すると、1つまたは複数のパターンセンサーは、デバイス送達アーム906に配置される交番する光学的ハイ・ローパターンとしてパターン922を検出するように構成された光学直交リニアエンコーダ920を含む光学リニアエンコーダ組立体を含み得る。
図10を参照すると、1つまたは複数のパターンセンサー1020は、ホイール1022を含むロータリーエンコーダ組立体を含み得る。ロータリーエンコーダ組立体は、デバイス送達アーム1006の表面に接触するように構成されたホイール1022としてのホイールエンコーダを含み得る。デバイス送達が並進方向に並進移動するように動くとき、パターンを含むホイールエンコーダが回転するように構成されており、1つまたは複数のパターンセンサー1020が、デバイス送達アーム1006の並進移動に対応したホイールエンコーダ(例えばホイール1022)におけるパターンを検出するように構成されている。
【0037】
[0055]ブロック1108において、投与流体の流量、投与流体の流体量、および、直径が知られているシリンジ保持体に対するデバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006の並進移動による移動方向が、1つまたは複数の出力信号に基づいてプロセッサを介して生成される。実施形態において、投与流体の流量、投与流体の流体量、またはデバイス送達アーム106、206、306、406、506、706、806、906、1006の移動の方向のうちの少なくとも1つが、放射塞栓形成送達デバイス100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000に通信可能に結合されたディスプレイ704に表示され得る。
【0038】
[0056]
図12を参照すると、本明細書において説明されている送達デバイスの実施形態を使用してこのような放射塞栓形成送達デバイス1224からの投与流体の流れパラメータを特定するコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実現するためのシステム1200は、例えば1つまたは複数の流れパラメータを表示するために、放射塞栓形成送達デバイス1224に通信可能に結合されたグラフィカルユーザーインターフェース(GUI:graphical user interface)1226を使用することを伴って実現されるものとして示される。システム1200は、通信経路1202と、1つまたは複数のプロセッサ1204と、メモリコンポーネント1206と、パターンツール1212と、ストレージまたはデータベース1214と、本明細書において説明されているようにパターンツール1212からパターンを検知するように構成されたパターンセンサー1216と、ネットワークインターフェースハードウェア1218と、ネットワーク1222と、クラウドベースのサーバーを含み得るサーバー1220と、放射塞栓形成送達デバイス1224とを含む。放射塞栓形成送達デバイス1224は、本明細書において説明されているデバイス100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000の実施形態、および/または、各々がここでおよび上記のとおり本明細書に参照により組み込まれる米国仮特許出願第62/673,628号または米国仮特許出願第62/673,632号において説明されている送達デバイスのうちの任意のものであってよい。システム1200の様々なコンポーネントおよびその様々なコンポーネントの相互作用が以下で詳細に説明される。パターンセンサー1216は、例えば、本明細書において説明されているように、光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、スイッチベースのセンサー、誘導センサー、容量センサー、無線Bluetooth(登録商標)センサー、および/またはその他のものなどのうちの1つまたは複数であってよい。
【0039】
[0057]幾つかの実施形態において、システム1200は、広域ネットワーク(WAN:wide area network)またはネットワーク1222、例えば、イントラネットまたはインターネットを使用して実現される。放射塞栓形成送達デバイス1224は、デジタルシステム、および、ネットワークへの接続およびネットワークのナビゲーションを可能にする他のデバイスを含んでよい。
図12に示される線は、様々なコンポーネント間の物理的な接続ではなく通信を示す。
【0040】
[0058]上述のように、システム1200は通信経路1202を含む。通信経路1202は、信号を送信することが可能な任意の媒体、例えば例として、伝導ワイヤ、伝導性トレース、光学導波路などから、または信号を送信することが可能な媒体の組み合わせから形成されてよい。通信経路1202は、システム1200の様々なコンポーネントを通信可能に結合する。本明細書において使用されるとき、「通信可能に結合された」という表現は、結合されたコンポーネントが互いにデータ信号を交換すること、例えば例として伝導媒体を介して電気信号を交換すること、空気を介して電磁信号を交換すること、光導波路を介して光信号を交換することなどが可能であることを意味する。
【0041】
[0059]上述のように、システム1200は、プロセッサ1204を含む。プロセッサ1204は、機械可読命令を実行することが可能な任意のデバイスであり得る。したがって、プロセッサ1204は、制御装置、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または任意の他のコンピューティングデバイスであってよい。プロセッサ1204は、通信経路1202によりシステム1200の他のコンポーネントに通信可能に結合される。したがって、通信経路1202は、任意の数のプロセッサを互いに通信可能に結合してよく、通信経路1202に結合されたモジュールが分散型コンピューティング環境において動作することを可能にしてよい。特に、モジュールの各々は、データを送信し、および/または受信し得るノードとして動作し得る。
【0042】
[0060]上述のように、システム1200は、通信経路1202に結合された、および、プロセッサ1204に通信可能に結合されたメモリコンポーネント1206を含む。メモリコンポーネント1206は、非一時的な(一時的に存在するものではない)コンピュータ可読媒体または非一時的コンピュータ可読メモリであってよく、不揮発性コンピュータ可読媒体として構成されてよい。メモリコンポーネント1206は、機械可読命令がプロセッサ1204によりアクセスされ、および実行され得るように、機械可読命令を記憶することが可能な、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または任意のデバイスを備えてよい。機械可読命令は、任意のプログラミング言語、例えば例として、プロセッサにより直接実行され得るマシン語、または、機械可読命令にコンパイルまたはアセンブルされ得るアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラム(OOP:object-oriented programming)、スクリプト言語、マイクロコードなどにより記述された、および、メモリコンポーネント1206に記憶されたロジックまたはアルゴリズムを含んでよい。代替的に、機械可読命令は、ハードウェア記述言語(HDL:hardware description language)、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)構成、または特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、またはそれらと同等なものを介して実現されたロジックにより記述されてよい。したがって、本明細書において説明されている方法は、事前にプログラムされたハードウェア要素として、または、ハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントの組み合わせとして、任意の従来のコンピュータプログラミング言語により実現されてよい。
【0043】
[0061]更に
図12を参照すると、上述のように、システム1200は、視覚出力、例えば例として、情報、グラフィカルな報告、メッセージ、またはそれらの組み合わせを提供するための1つまたは複数の放射塞栓形成送達デバイス1224に通信可能に結合されたスクリーン上の、例えばGUI1226といったディスプレイを含む。スクリーン上のディスプレイは、通信経路1202に結合され、および、プロセッサ1204に通信可能に結合されている。したがって、通信経路1202は、システム1200の他のモジュールにディスプレイを通信可能に結合する。ディスプレイは、光出力を送信することが可能な任意の媒体、例えば例として、ブラウン管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを含んでよい。更に、ディスプレイが、プロセッサ1204およびメモリコンポーネント1206のうちの少なくとも1つを含み得ることに留意されたい。システム1200は
図12において1つの統合されたシステムとして示されるが、他の実施形態において、システムは、独立したシステムであり得る。
【0044】
[0062]システム1200は、本明細書において説明されている実施形態のうちの1つまたは複数に従ってパターンツール1212からパターンを検知し、パターン信号情報に基づいて1つまたは複数の流れパラメータを演算するために使用されるパターン信号情報を送信するためのパターンセンサー1216を備え得る。以下で更に詳細に説明されるように、プロセッサ1204は、システムモジュールから受信された入力信号を処理し、および/または、このような信号から情報を抽出し得る。例えば、実施形態において、プロセッサ1204は、本明細書において説明されている工程を実現するために、メモリコンポーネント1206に記憶された命令を実行し得る。
【0045】
[0063]システム1200は、システム1200をコンピュータネットワーク、例えばネットワーク1222に通信可能に結合するためのネットワークインターフェースハードウェア1218を含む。通信経路1202がネットワークインターフェースハードウェア1218をシステム1200の他のモジュールに通信可能に結合するように、ネットワークインターフェースハードウェア1218が通信経路1202に結合されている。ネットワークインターフェースハードウェア1218は、無線ネットワークを介してデータを送信および/または受信することが可能な任意のデバイスであり得る。したがって、ネットワークインターフェースハードウェア1218は、任意の無線通信規格に従ってデータを送信および/または受信するための通信トランシーバを含み得る。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア1218は、例えば例として、ワイヤレス・フィディリティー(Wi-Fi:wireless fidelity)、WiMAX、Bluetooth(登録商標)、IrDA、無線USB、Z-Wave、ZigBeeなどの有線および/または無線コンピュータネットワークを介して通信するためのチップセット(例えば、アンテナ、プロセッサ、機械可読命令など)を含み得る。
【0046】
[0064]更に
図12を参照すると、放射塞栓形成送達デバイス1224に関連したプログラムにおいて実行される様々なアプリケーションからのデータが、ネットワークインターフェースハードウェア1218を介してシステムに1200に提供され得る。放射塞栓形成送達デバイス1224は、ネットワークインターフェースハードウェア1218およびネットワーク1222と通信可能に結合するためのハードウェア(例えば、チップセット、プロセッサ、メモリなど)を有する任意のデバイスであり得る。
【0047】
[0065]ネットワーク1222は、例えば例として、広域ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、インターネット、イントラネット、衛星ネットワークなどの、任意の有線および/または無線ネットワークを含み得る。したがって、ネットワーク1222は、1つまたは複数のサーバー(例えばサーバー1220)にアクセスするための無線アクセスポイントとして使用され得る。サーバー1220および任意の追加的なサーバーは、概して、ネットワーク1222を介してリソースを届けるためのプロセッサ、メモリ、およびチップセットを含む。リソースは、ネットワーク1222を介してサーバー1220からシステム1200に、提供すること、例えば、処理すること、ストレージ、ソフトウェア、および情報を含み得る。更に、サーバー1220および任意の追加的なサーバーは、例えば例として、ネットワークの有線部分、ネットワークの無線部分、またはそれらの組み合わせを介して、ネットワーク1222を介して互いにリソースを共有し得ることに留意されたい。
【0048】
[0066]本明細書において説明されている実施形態において、流体投与経路から離れて配置される放射塞栓形成送達デバイスにおける1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームの位置および動きを記録して、サブmL/分の分解能で治療用流体の注入体積および流量を連続的に計算および特定し、および、リアルタイムで情報を動的に表示するために使用される。次に、臨床が、表示された情報を使用して、投与速度を動的に調整すること、工程にわたって所望の範囲内に速度を維持すること、および、総注入体積を記録することができ得、そのすべてが、より効率的かつ安全な工程を提供する。実際、本明細書において説明されているシステムおよび方法は、治療用流体の流量および注入体積の記録、および工程中に両方のパラメータを動的に表示することを可能にする。本明細書において説明されているパターンセンサーは、付随した電子機器と、送達デバイスに統合された、および、治療用流体のための流体送達経路から離れて配置されるディスプレイとを含む再使用可能なセンサーであってよい。実施形態において、電気機械的に駆動される投与工程は、治療用流体を送達するためのシリンジ保持体に結合されたデバイス送達アームを制御するための、駆動することと、モーター速度、方向、および周波数に関連した情報を検知することとに基づく、流量および注入体積の自動特定を伴い得る。本明細書において説明されている送達デバイスを制御するためのシステムは、開始、中断、および/または停止の注入動作を制御するために、例えば、ジョイスティックまたはボタンを通して、臨床医により自動的に、部分的に自動的に、または手動により制御され得る。
【0049】
[0067]本明細書において説明されている実施形態は、放射塞栓形成工程中にY90マイクロスフィアを送達するために使用される1つまたは複数のコンポーネントの角度または直線変位を検知するために、1つまたは複数のパターンセンサーを使用する。次に、検知された情報は、工程中に、投与された治療用流体のボリュメトリックな流れおよび流量を特定するために使用され得る。相対的な変位を検知するための異なる方法が、角度およびリニアエンコーダ、誘導接近センサー、光学接近センサー、容量接近センサー、超音波接近センサー、および/または機械スイッチを包含するがこれらに限定されないパターンセンサーに関連して使用され得る。更に、本明細書において説明されているように流れを検出するためのパターンセンサーの使用に加えて、例えば、ビーズ濃度および漏れの可能性のあるものを監視するための放射線量計、液圧を監視する、および報告するための圧力センサー、および、工程中に流体または周辺の温度を監視する、および報告するための温度センサーといった他のセンサーが使用されてよい。
【0050】
[0068]項目リスト
[0069]項目1。放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のための方法は、並進方向に放射塞栓形成送達デバイスのデバイス送達アームを並進移動させることであって、並進方向における移動がシリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるように、デバイス送達アームがシリンジ保持体に結合されている、並進移動させることと、検知されたパターン移動として、並進移動によるデバイス送達アームの移動に関連した、パターンの対応する移動を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して検知することとを含み得る。上記方法は、検知されたパターン移動に基づいて1つまたは複数の出力信号を1つまたは複数のパターンセンサーを介して生成することと、1つまたは複数の出力信号に基づいて、投与流体の流量、投与流体の流体量、またはシリンジ保持体に対するデバイス送達アームの並進移動による移動方向のうちの少なくとも1つを、プロセッサを介して生成することとを更に含み得る。
【0051】
[0070]項目2。項目1に記載の方法であって、放射塞栓形成送達デバイスに通信可能に結合されたディスプレイに、投与流体の流量、投与流体の流体量、またはデバイス送達アームの移動方向のうちの少なくとも1つを表示することを更に含む、方法。
【0052】
[0071]項目3。項目1または項目2に記載の方法であって、シリンジ保持体の遠位方向への進行が、放射塞栓形成送達デバイスから血管内に流体を投与するように構成された、方法。
【0053】
[0072]項目4。項目1から項目3のいずれか1つに記載の方法であって、並進方向が、デバイス送達アームの長軸に沿った第1の方向、または第2の方向のうちの1つであり、第2の方向が、第1の方向の逆であり、第1の方向が、シリンジ保持体の近位方向への進行または距離の増加に対応した、長軸に沿った近位方向への進行と遠位方向への進行とのうちの一方であり、第2の方向が、近位方向への進行または遠位方向への進行のうちの他方である、方法。
【0054】
[0073]項目5。項目1から項目4のいずれか1つに記載の方法であって、長軸に沿って並進方向にデバイス送達アームを並進移動させるときに、デバイス送達アームの長軸の周りにおいてデバイス送達アームを回転させることを更に含む、方法。
【0055】
[0074]項目6。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームに関連した、および、対応する光学的な、電磁的な、磁気的な、またはスイッチパターンを含む対応する交番ハイ・ローパターンを検知するように構成された、光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、またはスイッチベースのセンサーのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【0056】
[0075]項目7。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームにおけるリングパターンを検出するように構成されたギア組立体を含む、方法。
【0057】
[0076]項目8。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームにおけるリングパターンを含むパターンを検出するように構成されたリング組立体を備える、方法。
【0058】
[0077]項目9。項目8に記載の方法であって、リング組立体が、ホール効果センサーのペアを含み、リングパターンが、デバイス送達アームに組み込まれた磁石または鉄の物体のうちの1つを含む、方法。
【0059】
[0078]項目10。項目8に記載の方法であって、リング組立体が、光センサーのペアを含み、リングパターンが、光センサーのペアによる検出のための少なくとも2つの異なる反射面タイプを含む、方法。
【0060】
[0079]項目11。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームにおけるねじ山パターンを含むパターンを検出するように構成されたオムニホイール組立体を含む、方法。
【0061】
[0080]項目12。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームに装着された伝導ロッドのペアに配置される交番スイッチパターンに基づいてパターンを検出するように構成された伝導ロッド組立体を含む、方法。
【0062】
[0081]項目13。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームに装着された少なくとも1つのラックロッドにおけるラックパターンに基づいてパターンを検出するように構成されたラック・ピニオンロッド組立体を含む、方法。
【0063】
[0082]項目14。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームに装着された少なくとも1つの伝導光学ロッドの光学パターンに基づいてパターンを検出するように構成された光学伝導ロッド組立体を含む、方法。
【0064】
[0083]項目15。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームの並進移動に対応した旋回連結部の周りにおける旋回に基づいてパターンを検出するように構成されたロータリーエンコーダ組立体を含む、方法。
【0065】
[0084]項目16。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームに配置される交番する光学的ハイ・ローパターンとしてパターンを検出するように構成された光学リニアエンコーダ組立体を含む、方法。
【0066】
[0085]項目17。項目1から項目6のいずれか1つに記載の方法であって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームが並進方向に並進移動するときにパターンを含むホイールエンコーダが回転するように構成されるように、デバイス送達アームの表面に接触するように構成されたホイールエンコーダを含むロータリーエンコーダ組立体を含み、および、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームの並進移動に対応した、ホイールエンコーダにおけるパターンを検出するように構成された、方法。
【0067】
[0086]項目18。放射塞栓形成送達デバイスからの投与流体の流れパラメータの特定のためのシステムは、放射塞栓形成送達デバイスであって、放射塞栓形成送達デバイスが、シリンジ保持体に結合されたデバイス送達アームと、パターン組立体と、パターン組立体の移動に基づいてパターン組立体を検出するように構成された1つまたは複数のパターンセンサーと、を含み、デバイス送達アームが、シリンジ保持体を近位方向または遠位方向のうちの一方に進行させるために並進方向に移動するように構成された、放射塞栓形成送達デバイスと、放射塞栓形成送達デバイスと非一時的コンピュータ記憶媒体とに通信可能に結合されたプロセッサとを含み得る。非一時的コンピュータ記憶媒体が、プロセッサにより実行されたとき、並進方向における放射塞栓形成送達デバイスのデバイス送達アームの並進移動を監視することと、検知されたパターン移動として、並進移動によるデバイス送達アームの移動に関連したパターン組立体の対応する移動を、1つまたは複数のパターンセンサーを介して検知することと、検知されたパターン移動に基づいて、1つまたは複数の出力信号を1つまたは複数のパターンセンサーを介して生成することと、1つまたは複数の出力信号に基づいて、投与流体の流量、投与流体の流体量、またはシリンジ保持体に対するデバイス送達アームの移動方向のうちの少なくとも1つを生成することとをプロセッサにさせる命令を記憶し得る。
【0068】
[0087]項目19。項目18に記載のシステムであって、プロセッサにより実行されたとき、放射塞栓形成送達デバイスに通信可能に結合されたディスプレイに、投与流体の流量、投与流体の流体量、またはデバイス送達アームの移動方向のうちの少なくとも1つを表示することをプロセッサにさせる命令を更に含む、システム。
【0069】
[0088]項目20。項目18または項目19に記載のシステムであって、シリンジ保持体の遠位方向への進行が、放射塞栓形成送達デバイスから血管内に流体を投与するように構成された、システム。
【0070】
[0089]項目21。項目18から項目20のいずれか1つに記載のシステムであって、並進方向が、デバイス送達アームの長軸に沿った第1の方向、または第2の方向のうちの1つであり、第2の方向が、第1の方向の逆であり、第1の方向が、シリンジ保持体の近位方向への進行または距離の増加に対応した、長軸に沿った近位方向への進行と遠位方向への進行とのうちの一方であり、第2の方向が、近位方向への進行または遠位方向への進行のうちの他方である、システム。
【0071】
[0090]項目22。項目18から項目21のいずれか1つに記載のシステムであって、プロセッサにより実行された場合、デバイス送達アームが長軸に沿って並進方向に並進移動させられたとき、デバイス送達アームの長軸の周りにおけるデバイス送達アームの回転を監視することをプロセッサにさせる命令を更に含む、システム。
【0072】
[0091]項目23。項目18から項目22のいずれか1つに記載のシステムであって、1つまたは複数のパターンセンサーが、デバイス送達アームに関連した、および、対応する光学的な、電磁的な、磁気的な、またはスイッチパターンを含む、対応する交番ハイ・ローパターンを検知するように構成された、光センサー、ホール効果センサー、磁気センサー、またはスイッチベースのセンサーのうちの少なくとも1つを含む、システム。
【0073】
[0092]「実質的に」、「約」、および「おおむね」といった用語は、任意の定量比較結果、値、測定結果、または他の表現に起因し得る本来的に備わる程度の不確かさを表すために本明細書において使用され得ることに留意されたい。これらの用語は、更に、関心対象の主題の基本機能に変化をもたらさずに、記載された言及事項から定量的な表現が変わってよい程度を表すために本明細書において使用される。
【0074】
[0093]特定の実施形態が本明細書において例示および説明されているが、請求項に記載された主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変形および変更が行われてよいことが理解されるべきである。更に、請求項に記載された主題の様々な態様が本明細書において説明されているが、このような態様が組み合わされて使用される必要があるとは限らない。したがって、添付の特許請求の範囲が特許請求の範囲に記載された主題の範囲に入るすべてのこのような変形および変更を包含することが意図される。