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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】液体ドームの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/00 20060101AFI20231110BHJP
   E04H 7/02 20060101ALI20231110BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20231110BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20231110BHJP
   B63B 25/12 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
B65D90/00 H
E04H7/02
F17C13/00 302D
B65D90/00 P
B63B25/16 F
B63B25/12
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020571851
(86)(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 FR2019051542
(87)【国際公開番号】W WO2020002812
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】1855679
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デタイユ ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】レプロント アレクサンドル
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0017704(KR,A)
【文献】特公昭51-019234(JP,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0101082(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0028518(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0009071(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/00
E04H 7/02
F17C 13/00
B63B 25/16
B63B 25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造体(1)内に密閉された断熱タンクを組み立てる方法であって、前記支持構造体(1)は、内部空間を区切る複数の壁(2、3、4、5、6)を有し、開口部(11)を有する前記支持構造体(1)の上壁(4)を含み、前記組み立て方法は、
前記開口部(11)を介して前記内部空間にロード/オフロードタワー(17)を設置するステップであって、前記ロード/オフロードタワー(17)は、それぞれが前記内部空間から突出する上端(19)を有する複数のパイプ(18)を有し、前記ロード/オフロードタワー(17)は、少なくとも1つの保持部材(22、23)を有する、設置するステップと、
タンク壁部分を有する閉鎖ブロック(20)を提供するステップであって、前記閉鎖ブロック(20)は、オリフィス(21)を有する、提供するステップと、
前記パイプ(18)の前記上端(19)を前記閉鎖ブロック(20)内の対応する前記オリフィス(21)に挿入するステップと、
前記閉鎖ブロック(20)が前記内部空間内の前記保持部材(22、23)に接するまで、前記閉鎖ブロック(20)を前記パイプ(18)に沿ってスライドさせるステップと、
貫通オリフィス(25)を有する支持構造体インサート(24)を提供するステップと、
前記支持構造体インサート(24)は、前記支持構造体(1)の前記上壁(4)の前記開口部(11)を塞ぎ、前記ロード/オフロードタワー(17)の前記パイプ(18)の端部(19)が、前記支持構造体インサート(24)の前記貫通オリフィス(25)を貫通するように前記支持構造体インサート(24)を前記支持構造体に取り付けるステップと、
前記閉鎖ブロック(20)を前記パイプ(18)に沿って前記支持構造体インサート(24)の方向にスライドさせるステップと、
前記閉鎖ブロック(20)を前記支持構造体インサート(24)に固定するステップと、を含む、組み立て方法。
【請求項2】
前記支持構造体インサート(24)は、前記閉鎖ブロック(20)の外面(27)に面する内面(26)を有し、前記方法はまた、前記閉鎖ブロック(20)の前記外面(27)と前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)との間に修正ストリップ(28)を挿入するステップを含み、前記修正ストリップ(28)は、前記支持構造体(1)の前記内部空間に平面支持面を形成し、前記閉鎖ブロック(20)の前記外面(27)は、前記平面支持面に固定されている、請求項1に記載の組み立て方法。
【請求項3】
前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)の平面性を測定するステップと、
前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)の平面性の測定値に応じて、前記支持構造体(24)の反対側にある前記修正ストリップ(28)の内面が、1つの同じ平面(29)に配置されて前記平面支持面を一緒に形成するように前記修正ストリップ(28)の厚さを寸法決定するステップと、をまた含む、請求項2に記載の組み立て方法。
【請求項4】
前記修正ストリップ(28)は樹脂のビード(30)を有し、前記樹脂のビード(30)は前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)に固定されている、請求項2と3のいずれかに記載の組み立て方法。
【請求項5】
前記修正ストリップ(28)はバテン(34)を有し、それぞれの樹脂のビード(30)は各バテン(34)に固定されている、請求項4に記載の組み立て方法。
【請求項6】
前記バテン(34)は、前記平面支持面を形成するように、前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)の平面性の測定値に応じて寸法決定される厚さを有し、前記バテン(34)は、前記閉鎖ブロック(20)の前記外面(27)に固定されている、請求項5に記載の組み立て方法。
【請求項7】
前記樹脂のビード(30)が均一な厚さを有する、請求項6に記載の組み立て方法。
【請求項8】
前記閉鎖ブロック(20)を前記支持構造体インサート(24)の方向にスライドさせる前に、前記修正ストリップ(28)を前記閉鎖ブロック(20)の前記外面(27)に固定し、次に、前記閉鎖ブロック(20)を前記支持構造体インサート(24)に固定するために、前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)に前記修正ストリップ(28)を固定することも含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の組み立て方法。
【請求項9】
前記樹脂のビード(30)を前記バテン(34)の前記外面に当てるステップも含み、前記バテン(34)の前記外面が前記支持構造体インサート(24)の反対側にある、請求項8に記載の組み立て方法。
【請求項10】
前記閉鎖ブロック(20)が前記支持構造体インサート(24)の方向にスライドされる前に、前記樹脂のビード(30)を前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)に当てるステップも含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の組み立て方法。
【請求項11】
前記支持構造体インサート(24)の前記内面(26)に基準ストリップ(32)を設置するステップも含み、前記基準ストリップ(32)は、前記支持構造体インサート(24)とは反対側に内面を有し、1つの同じ平面に配置され、前記修正ストリップ(28)は、前記平面に支持面を形成するように寸法決定されている、請求項4から10に記載の組み立て方法。
【請求項12】
前記支持構造体インサート(24)と前記閉鎖ブロック(20)との間にタイロッド(35)を設置するステップも含み、前記タイロッド(35)は、前記支持構造体インサート(24)の方向に前記閉鎖ブロック(20)をスライドするように作動される、請求項1から11のいずれか一項に記載の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉された断熱膜型タンクの分野に関する。詳細には、本発明は、液化石油ガス(LPGとしても知られる)を例えば-50℃~0℃の間の温度で輸送するため、または液化天然ガス(LNG)を大気圧で約-162℃で輸送するためのタンクなど、液化ガスを低温で貯蔵および/または輸送するための密閉された断熱タンクの分野に関する。これらのタンクは、陸上または浮体式構造物に設置できる。浮体式構造物の場合、タンクは、液化ガスを輸送すること、または浮体式構造物の推進のための燃料として使用される液化ガスを保持することを目的とすることができる。
【0002】
一実施形態では、液化ガスはLNG、すなわち大気圧で約-162℃の温度で貯蔵された高いメタン含有量を有する混合物である。他の液化ガス、具体的にはエタン、プロパン、ブタンまたはエチレンも想定され得る。液化ガスは、圧力下、たとえば2~20バールの相対圧力、具体的には約2バールの相対圧力で貯蔵することもできる。タンクは、特に一体型膜型タンクまたは自立型タンクの形態で、さまざまな技術によって製造することができる。
【背景技術】
【0003】
文書FR2785034は、船の二重船殻に設置される液化天然ガスを貯蔵するための密閉された断熱タンクを開示する。
【0004】
密閉された断熱タンクは、船の内部船体に接する二次断熱バリアで連続的に構成された多層構造の壁、二次断熱バリアに接する二次シーリング膜、二次シーリング膜に接する一次断熱バリア、およびタンク内に含有される液化ガスと接触することを目的とした一次シーリング膜を有する壁を有する。
【0005】
タンクには、輸送前に貨物をタンクに積み込み、輸送後に貨物を積み出すためのロード/オフロードタワーが装備されている。
【0006】
このようなタンクの組み立て中に、二次および一次断熱バリアならびに二次および一次シーリング膜が船の二重船殻に取り付けられ、そこに固定される。続いて、第2のステップで、ロード/オフロードタワーがタンク内に取り付けられ、船の二重船殻に固定される。
【0007】
ただし、タンクの貯蔵空間に含有される液体をタンクから注ぎ出すことができるようにするために、ロード/オフロードタワーのパイプはタンク壁と二重船殻を通過する必要がある。この目的のために、二重船殻の上壁には、タンクにロード/オフロードタワーを取り付けるために空けられた開口部がある。同様に、二重船殻の上壁に固定された上部タンク壁は、前述の開口部に沿って通路を有する。上部タンク壁のこの通路も、ロード/オフロードタワーを取り付けるために空けておかれる。このように、タンク内へのロード/オフロードタワーの設置中、ロード/オフロードタワーのパイプは、端部が上部タンク壁の通路と二重船殻の開口部を連続して通過するように配置されている。
【0008】
ロード/オフロードタワーの設置に続いてタンクの組み立てを完了するために、二重船殻の開口部を塞ぐために、開口部の二重船殻に船体インサートが取り付けられる。この船体インサートには、ロード/オフロードタワーのパイプを通すためのオリフィスが設けられている。次に、複数のタンク壁部分が船体インサートに取り付けられて、パイプを囲み、上部タンク壁が断熱され、密閉されたままであることを確実にする。
【0009】
このようなタンクを組み立てる方法は、特に時間がかかり複雑であるため、完全に満足のいくものではない。
【発明の概要】
【0010】
本発明の根底にあるアイデアは、組み立て時間を短縮することを可能にする、密閉された断熱タンクを組み立てるための方法を提案することである。
【0011】
一実施形態によれば、本発明は、支持構造体内に密閉された断熱タンクを組み立てるための方法を提供し、前記支持構造体は、内部空間を区切る複数の壁を有し、開口部を有する前記支持構造体の上壁を含み、前記組み立て方法は、
前記開口部を介して前記内部空間に、ロード/オフロードタワーを設置するステップであって、前記ロード/オフロードタワーは、それぞれが前記内部空間から突出する上端を有する複数のパイプを有し、前記ロード/オフロードタワーは、少なくとも1つの保持部材を有する、設置するステップと、
タンク壁部分を有する閉鎖ブロックを提供するステップであって、前記閉鎖ブロックはオリフィスを有する、提供するステップと、
前記パイプの前記上端を前記閉鎖ブロック内の前記対応するオリフィスに挿入するステップと、
前記閉鎖ブロックが前記内部空間内の前記保持部材に接するまで、前記閉鎖ブロックを前記パイプに沿ってスライドさせるステップと、
貫通オリフィスを有する支持構造体インサートを提供するステップと、
前記支持構造体インサートは前記支持構造体の前記上壁の前記開口部を塞ぎ、前記ロード/オフロードタワーの前記パイプの端部が前記支持構造体インサートの前記貫通オリフィスを貫通するように、前記支持構造体インサートを前記支持構造体に取り付けるステップと、
前記閉鎖ブロックを前記パイプに沿って前記支持構造体インサートの方向にスライドさせるステップと、
前記閉鎖ブロックを前記支持構造体インサートに固定するステップと、を含む。
【0012】
したがって、このような組み立て方法は、閉鎖ブロックを事前に組み立ててから、タンクの貯蔵空間に直接一体に挿入することができるので、組み立て時間を大幅に短縮することを可能にする。
【0013】
さらに、閉鎖ブロックおよび突出部材内の貫通オリフィスの存在は、支持構造体インサートが支持構造体に取り付けられている間、前述の閉鎖ブロックを貯蔵空間内の所定の位置に維持することを可能にする。したがって、支持構造体インサートが支持構造体に取り付けられているときに固定するために、パイプに沿って支持構造体インサートの方向にスライドさせることによって、閉鎖ブロックを簡単に一体に引き上げることができる。したがって、このような取り付け方法は、迅速かつ簡単に実施できる。
【0014】
実施形態によれば、そのような組み立て方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0015】
一実施形態によれば、この方法はまた、タンク内の流体の貯蔵空間を区切るように、支持構造体の対応する壁に複数のタンク壁を固定するステップを含み、前述のタンク壁の1つは、支持構造体の上壁上に固定された上部タンク壁であり、前述の上部タンク壁は、支持構造体の上壁の開口部に沿って通路を有し、前述の通路は、貯蔵空間を支持構造体の外部空間と連絡させる。
【0016】
一実施形態によれば、パイプは、タンクの貯蔵空間内に延在する。
【0017】
一実施形態によれば、パイプの上端は、支持構造体の内部空間から、上部タンク壁の通路および支持構造体の上壁の開口部を通って連続的に突出している。
【0018】
一実施形態によれば、前述のパイプの少なくとも1つは、保持部材を有し、前述の保持部材は、前述のパイプからタンクの貯蔵空間に突出している。
【0019】
一実施形態によれば、この方法はまた、上部タンク壁と閉鎖ブロックによって形成されたタンク壁部分との間でタンクを密閉するステップを含む。
【0020】
一実施形態によれば、各タンク壁は、断熱バリアおよびシーリング膜を有し、シーリング膜は、タンクの貯蔵空間に貯蔵された流体と接触し、前述の断熱バリアに接することを目的とする。
【0021】
一実施形態によれば、閉鎖ブロックのタンク壁部分は、断熱バリア部分とシーリング膜部分とを有する。
【0022】
一実施形態によれば、この方法は、ロード/オフロードタワーのパイプを支持構造体インサートに溶接するステップも含む。
【0023】
一実施形態によれば、この方法はまた、ロード/オフロードタワーのパイプを閉鎖ブロックに溶接するステップを含む。
【0024】
一実施形態によれば、ロード/オフロードタワーのいくつかのパイプまたは各パイプは、タンクの貯蔵空間に突出する突出部分を有する。したがって、閉鎖ブロックはいくつかの突出部分上で静止する。
【0025】
一実施形態によれば、突出部材は、ロード/オフロードタワーの2つのパイプを一緒に連結する。典型的には、そのような突出部材は、ロード/オフロードタワーの鉄筋であり得る。
【0026】
一実施形態によれば、支持構造体インサートは、閉鎖ブロックの外面に面する内面を有し、この方法は、閉鎖ブロックの外面と支持構造体インサートの内面との間に修正ストリップを挿入するステップも含む。前述の修正ストリップは、支持構造体の内部空間に平面支持面を形成し、閉鎖ブロックの外面は、前述の平面支持面に固定されている。
【0027】
一実施形態によれば、閉鎖ブロックおよび突出部材は、前述の閉鎖ブロックが突出部材の貯蔵空間で静止しているときに、閉鎖ブロックの外面が支持構造体インサートの内面から1.5m以上の距離だけ離れるように構成される。
【0028】
そのような修正ストリップにより、支持構造体インサートの平面性の欠陥を補うことができるようになり、したがって、支持構造体インサートへの閉鎖ブロックの安定した確実な固定を可能にする平面支持面を与える。
【0029】
一実施形態によれば、閉鎖ブロックの壁部分は、閉鎖ブロックの外面を形成するエンドパネルを有し、修正ストリップは、前述のエンドパネルにステープルで留められる。
【0030】
一実施形態によれば、エンドパネルは合板パネルである。
【0031】
一実施形態によれば、この方法はまた、支持構造体インサートの内面上の修正ストリップの位置をマーキングすることを含む。
【0032】
一実施形態によれば、この方法はまた、
支持構造体インサートの内面の平面性を測定するステップと、
支持構造体インサートの内面の平面性の測定値に応じて、支持構造体の反対側にある前述の修正ストリップの内面が1つの同じ平面に配置されて一緒に平面支持面を形成するように、修正ストリップの厚さを寸法決定するステップと、を含む。
【0033】
一実施形態によれば、修正ストリップは樹脂のビードを有し、樹脂のビードは支持構造体インサートの内面に固定されている。
【0034】
一実施形態によれば、樹脂のビードはマスチックでできている。
【0035】
一実施形態によれば、閉鎖ブロックを支持構造体インサートに固定するステップは、樹脂のビードを押しつぶすステップを含む。
【0036】
一実施形態によれば、樹脂のビードは、閉鎖ブロックが支持構造体インサートに固定されている間に、圧縮によって変形される。
【0037】
一実施形態によれば、樹脂のビードは、押しつぶしステップから生じる押しつぶされた状態で、平面支持面を一緒に形成する。
【0038】
一実施形態によれば、樹脂のビードは、支持構造体インサートの内面の平面性の測定値に応じて寸法決定された厚さを有する。
【0039】
一実施形態によれば、樹脂のビードは、平面支持面を形成するように寸法決定される。
【0040】
一実施形態によれば、樹脂のビードは、支持構造体インサートの方向に前述の閉鎖ブロックをスライドさせるステップの前に、閉鎖ブロック、典型的には閉鎖ブロックの外面に固定される。
【0041】
一実施形態によれば、修正ストリップはバテンを有し、樹脂のそれぞれのビードが各バテンに固定されている。
【0042】
一実施形態によれば、バテンは合板バテンである。
【0043】
一実施形態によれば、バテンは、平面支持面を形成するように支持構造体インサートの内面の平面性の測定値に応じて寸法決定される厚さを有し、前述のバテンは、閉鎖ブロックの外面に固定される。
【0044】
これらの特徴により、支持構造体インサートの平面性欠陥はバテンによって補われ、それにより、支持構造体インサートの平面性欠陥を埋めるために異なるサイズの樹脂のビードを提供する必要がない。
【0045】
一実施形態によれば、樹脂のビードは均一な厚さを有する。
【0046】
均一な厚さを有するそのような樹脂のビードは、迅速かつ容易に製造される。したがって、樹脂のビードを次々に製造し、バテン上に直接配置することができ、したがって、前述の樹脂のビードは、迅速かつ容易に製造される。さらに、均一な厚さのそのような樹脂のビードは、間違ったバテン上に所与の厚さの樹脂のビードを配置することに関連付けられたエラーを回避する。
【0047】
したがって、前述の樹脂のビードの連続生産は、樹脂のビードのセットの設置時間を制限し、したがって、最初の樹脂のビードの設置と最後の樹脂のビードの設置との間に必要な時間を制限し、それによって、最初の樹脂のビードが、閉鎖ブロックと支持構造体インサートとの間に押しつぶされることなく設置される期間を制限する。したがって、バテンに設置された最初の樹脂のビードが最終位置にいることなく乾燥の対象になる時間が短縮される。
【0048】
一実施形態によれば、この方法はまた、修正ストリップを閉鎖ブロックの外面に固定することを含む。
【0049】
一実施形態によれば、この方法はまた、閉鎖ブロックを支持構造体インサートの方向にスライドさせる前に、修正ストリップを閉鎖ブロックの外面に固定し、次に閉鎖ブロックを支持構造体インサートに固定するため支持構造体インサートの内面に修正ストリップを固定することを含む。
【0050】
一実施形態によれば、この方法はまた、樹脂のビードを、外面が支持構造体インサートの反対側にあるバテンの外面に当てるステップを含む。
【0051】
一実施形態によれば、バテンは、閉鎖ブロックの外面にステープルで留められる。
【0052】
一実施形態によれば、バテンを閉鎖ブロックの外面に固定するためのステープルは、200mmの間隔である。
【0053】
一実施形態によれば、この方法はまた、閉鎖ブロックが支持構造体インサートの方向にスライドされる前に、樹脂のビードを支持構造体インサートの内面に当てるステップを含む。
【0054】
一実施形態によれば、修正ストリップは、組み立て前の段階で支持構造体インサートの内面に固定され、その結果、組み立て方法は、支持構造体インサートを提供するステップの前に、修正ストリップを支持構造体インサートに固定するステップを含む。
【0055】
一実施形態によれば、閉鎖ブロックを支持構造体インサートに固定するステップは、閉鎖ブロックを支持構造体インサートの方向にスライドさせるステップの後に、修正ストリップを前述の閉鎖ブロックの外面に固定するステップを含む。
【0056】
一実施形態によれば、この方法は、支持構造体インサートの内面に基準ストリップを取り付けるステップも含み、前述の基準ストリップは、支持構造体インサートとは反対側に内面を有し、1つの同じ平面に配置され、修正ストリップが支持面を形成するように寸法決定されている。
【0057】
言い換えれば、基準ストリップは、基準面を規定するように寸法決定され、修正ストリップは、閉鎖ブロックが前述の基準面の修正ストリップに押し付けられるように、前述の基準面に支持面を形成するように寸法決定される。
【0058】
一実施形態によれば、基準ストリップは、基準パターンで支持構造体インサート上に配置される。
【0059】
一実施形態によれば、修正ストリップは、固定パターンで支持構造体インサート上に配置される。
【0060】
一実施形態によれば、固定パターンおよび基準パターンは、基準ストリップおよび修正ストリップが支持構造体インサートの異なる部分に配置されるように構成される。
【0061】
一実施形態によれば、この方法は、支持構造体インサートと閉鎖ブロックとの間にタイロッドを設置するステップも含み、前述のタイロッドは、支持構造体インサートの方向に閉鎖ブロックをスライドさせるように作動される。
【0062】
一実施形態によれば、閉鎖ブロックおよび支持構造体インサートは、タイロッドが貫通する貫通通路を有する。
【0063】
一実施形態によれば、かしめナットは、タイロッドの第1の端部に取り付けられ、タイロッドの前述の第1の端部は、支持構造体インサートを貫通する。
【0064】
一実施形態によれば、ナットはタイロッドの第2の端部にねじ込まれ、前述の第2の端部は閉鎖ブロックを貫通する。
【0065】
一実施形態によれば、タイロッドは、樹脂のビードの乾燥期間、閉鎖ブロックを所定の位置に保持する。
【0066】
このようなタンクは、例えばLNGを貯蔵するための陸上貯蔵施設、または浮体式の沿岸または沖合構造物、具体的にはメタン運搬船、浮体式貯蔵再ガス化設備(FSRU)、浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)などで組み立てることができる。このようなタンクは、あらゆるタイプの船の燃料リザーバとしても機能し得る。
【図面の簡単な説明】
【0067】
本発明はよりよく理解され、そのさらなる目的、詳細、特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例示としてのみ与えられる本発明のいくつかの特定の実施形態の以下の説明からより明確に明らかになるであろう。
【0068】
図1】密閉された断熱タンクの壁を受けることを目的とした支持構造体の部分的な概略図である。
図2】タンクの壁の多層構造の概略図である。
図3】ロード/オフロードタワーを示し、その内部に取り付けられている支持構造体を部分的に示す概略図である。
図4】船体インサートがまだ液体ドームに取り付けられていない、液体ドームおよびロード/オフロードタワーでの組み立ての過程での密閉された断熱タンクの長手方向断面の部分概略図である。
図5】閉鎖ブロックがまだ船体インサートに固定されていない、液体ドームおよびロード/オフロードタワーでの組み立ての過程での密閉された断熱タンクの長手方向断面の部分概略図である。
図6】液体ドームおよびロード/オフロードタワーで組み立てられた密閉された断熱タンクの長手方向断面の部分概略図である。
図7】船体インサートと閉鎖ブロックとの間の平面性の違いを示している、図5の部分的な概略詳細図である。
図8】本発明の第1の実施形態を示す図7と同様の概略詳細図である。
図9】本発明の第1の実施形態による、船体インサートに固定された閉鎖ブロックの部分概略図である。
図10】本発明の第2の実施形態による図8と同様の部分概略図である。
図11】本発明の第3の実施形態による図8と同様の部分概略図である。
図12】閉鎖ブロックの持ち上げ手段を示す、密閉された断熱タンクの長手方向断面の部分概略図である。
図13】メタン運搬船のタンクと、このタンクからの積み込み/積み出し用のターミナルの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1を参照すると、密閉された断熱タンクの壁を受けることを目的とした支持構造体1の後部を見ることができる。支持構造体1は、船の二重船殻で形成されている。支持構造体1は、全体的に多面体形状である。支持構造体1は、この場合、八角形である前壁2および後壁3を有する。図1では、支持構造体1の内部空間を見ることができるようにするために、前壁2が部分的にのみ示されている。前壁2および後壁3は、船の仮締切壁であり、船の長手方向に対して横方向に延在する。支持構造体1はまた、上壁4、下壁5および側壁6を有する。上壁4、下壁5および側壁6は、船の長手方向に延在し、前壁2と後壁3を連結している。
【0070】
支持構造体1の後壁3の近くに、上壁4は、液体ドーム7として知られる、上向きに突出する長方形の平行六面体形状の空間を有する。液体ドーム7は、前部横壁8および後部横壁9によって、ならびに垂直に延在して上方に突出する2つの側壁10によって画定される。液体ドーム7は、以下に説明するように、支持構造体に取り付けられたタンクとの間で液体を移送するためのパイプの通過のために、上壁4に開口部11を区切る。
【0071】
タンクは多層構造の膜式タンクである。したがって、図2に概略的に示すように、タンクの各壁は、壁の厚さの方向に、外側から内側に連続して、支持構造体1に対して接する断熱要素を有する二次断熱バリア12、二次断熱バリア12の断熱要素に固定された二次シーリング膜13、二次シーリング膜13に対して接する断熱要素を有する一次断熱バリア14、および一次断熱バリア14の断熱要素に固定され、タンクに含有される流体と接触することを目的としてする一次シーリング膜15を有する。タンクのこの多層構造は、支持構造体1の壁2、3、4、5、6のそれぞれに配置されている。この多層構造は、液体ドーム7の壁8、9、10にも存在し、したがって、液体ドーム7の開口部11に沿ってタンク壁の通路16を区切る。
【0072】
例として、タンクの各壁は、具体的には、例えばFR2691520に記載されているようなマークIIIタイプ、例えばFR2877638に記載されているようなNO96タイプ、または例えばWO14057221に記載されているようなマークVタイプであり得る。
【0073】
支持構造体1でのタンクの組み立て中、タンクの各壁は、タンクの外側から内側に向かって、支持構造体1のそれぞれの壁に固定される。すなわち、
二次断熱バリア12の断熱要素を支持構造体1のそれぞれの壁に固定する。
二次シーリング膜13を二次断熱バリア12の断熱要素に固定する。
一次断熱バリア14の断熱要素を、二次断熱バリア12の断熱要素上、または二次シーリング膜13を介して支持構造体1上に固定する。その後、
一次シーリング膜15を一次断熱バリア14の断熱要素に固定する。
【0074】
タンク壁の支持構造体1への固定は、液体ドーム7の開口部11に沿って通路16を形成するように行われる。したがって、通路16および開口部11は、タンク内にロード/オフロードタワー17を設置することを可能にするために空けておかれる。図3に示されるそのようなロード/オフロードタワー17は、特に貨物をタンクに積み込み、および/または貨物をタンクから積み出すことを可能にする。
【0075】
ロード/オフロードタワー17は、3つの垂直マスト18からなる三脚構造を有する。これらの垂直マスト18は、タンクの貯蔵空間の実質的に全高にわたって延在する。ロード/オフロードタワー17の全高にわたって分散されたクロス部材23は、ロード/オフロードタワー17の剛性および完全性を確保するために、マスト18を一緒に連結する。
【0076】
ロード/オフロードタワー17のベースは、支持構造体1の下壁5に固定され、ロード/オフロードタワー17を垂直位置に維持することを目的とする支持脚と協働する。そのような支持脚は、例えば、特許出願FR3035475およびWO2011157915に記載されている。
【0077】
垂直マスト18の上端19は、液体ドーム7の通路16および開口部11を通って支持構造体1から突出している。前述の上端19のうちの1つ以上は、LNG移送システムに連結されることを目的とする。
【0078】
垂直マスト18はそれぞれ中空であり、したがって、流体をタンクに積み込むか、またはタンクから積み出すためのパイプ、あるいは、他のオフロードポンプが故障した場合に、緊急ポンプとオフロードラインを下げるための緊急シャフトのいずれかを形成する。図3に示す実施形態では、マスト18のうちの2つは、タンクから積み出しするためのオフロードラインを形成し、この目的のために、それぞれ、ロード/オフロードタワー17の下端に固定されたオフロードポンプに関連付けられている。一方で、第3のマスト18は、緊急シャフトを形成する。
【0079】
図4から図6は、液体ドーム7を閉じるプロセス中のタンクのさまざまな組み立て状態を示している。具体的には、タンクの断熱および密閉機能を維持するために、マスト18の上端19を貫通させながら、タンク壁の通路16を塞ぐ必要がある。この目的のために、図3に示すように、通路16のための閉鎖ブロック20を備える。
【0080】
閉鎖ブロック20は、断熱バリア部分とシーリング膜部分とを有する。閉鎖ブロック20の断熱バリア部分は、例えば合板で作られた2枚の剛性シートの間に挿入された、例えばポリウレタンフォームで作られた断熱ライニングを有し得る。例えば、閉鎖ブロックの断熱バリア部分は、タンクの壁の断熱バリア12、14のうちの1つの構成断熱要素の構造と同様の構造を有する。同様に、閉鎖ブロックのシーリング膜部分は、タンク壁のシーリング膜13、15の構造と同様の構造を有し得る。
【0081】
閉鎖ブロック20は、通路16の寸法に相補的な寸法を有する。さらに、閉鎖ブロック20は、貫通オリフィス21を有する。これらの貫通オリフィス21は、ロード/オフロードタワー17のマスト18の外形に相補的な形状を有する。これらの貫通オリフィス21は、通路16内のマスト18の位置に対応する位置で、閉鎖ブロック20内に配置されている。
【0082】
図3に示すように、閉鎖ブロック20は、ロード/オフロードタワー17のマスト18を閉鎖ブロック20の対応する貫通オリフィス21に挿入し、次に閉鎖ブロック20をロード/オフロードタワー17に沿ってスライドさせることによって、タンクの貯蔵空間に挿入される。
【0083】
マスト18は、保持部材22を有する。このような保持部材22は、マスト18の外面からタンクの貯蔵空間に突出している。閉鎖ブロック20は、保持部材22に圧力をかけるようになるまでマスト18に沿ってスライドされる。これらの保持部材22は、液体ドーム7を閉じる他の操作の間、閉鎖ブロック20を所定の位置に維持することを可能にする。
【0084】
図示されていない実施形態では、保持部材22は、マスト18を一緒に連結するクロス部材23によって形成されている。より具体的には、閉鎖ブロック20は、支持構造体1の上壁4に最も近く位置するクロス部材23に圧力をかけるタンクベアリングの貯蔵空間内で静止する。したがって、現在のタンクで使用されるようなロード/オフロードタワー17は、本明細書に記載の組み立て方法を実施するために変更する必要はない。
【0085】
閉鎖ブロック20が保持部材22に圧力をかける貯蔵空間ベアリング内にあるとすぐに、支持構造体1の上壁4の開口部11を塞ぐことができる。この目的のために、船体インサート24は、液体ドーム7の壁8、9、10上に移動され、この船体インサート24は、液体ドーム7のカバーを形成する。したがって、船体インサート24は、液体ドーム7の壁8、9、10の上端で静止することができるように、開口部11の寸法よりも大きい寸法を有する。船体インサート24は、例えば、支持構造体1の上壁4と同様の構造および材料を用いて、多くの方法で作製することができる。船体インサート24は、好ましくは、例えば溶接によって、液体ドーム7の前述の壁8、9、10に固定される。
【0086】
閉鎖ブロック20と同様の方法で、船体インサート24は、マスト18の上端19が貫通するためのオリフィス25を有する。したがって、船体インサート24は、マスト18の端部19を船体インサート24の対応するオリフィス25に挿入することによって、液体ドームの壁8、9、10に取り付けられる。マスト18のこれらの端部19は、例えば溶接によって、船体インサート24に固定されている。言い換えれば、マスト18は、船体インサート24から吊り下げることができる。
【0087】
船体インサート24は、タンク上部壁の断熱および密閉を完了することによってタンクの組み立てを終了するために、閉鎖ブロック20のための固定構造を構成する。船体インサート24が設置され、液体ドーム7の開口部11を塞ぐとき、閉鎖ブロック20は、船体インサート24に向けて引き上げることができる。閉鎖ブロック20は、マスト18に沿って船体インサート24の方向に一体にスライドされる。次に、船体インサート24に面する閉鎖ブロック20の外面27が、前述の船体インサート24の内面26に固定される。タンクの密閉を完了するために、マスト18は、例えば溶接によって、密閉された方法で、閉鎖ブロック20のシーリング膜部分に固定される。同様に、閉鎖ブロック20のシーリング膜部分は、液体ドーム7の壁8、9、10に固定されたタンク壁のシーリング膜に密閉された方法で溶接される。
【0088】
図4から図6を参照して上記の液体ドームにタンクを組み立てる方法は、迅速かつ簡単に実施できる。これは、閉鎖ブロック20をプレハブ式に作り、タンクの貯蔵空間に一体で挿入することができるためである。同様に、この一体閉鎖ブロック20は、船体インサート24に向けて容易に引き上げられ、固定することができ、マスト18は、保持部材22によってそれを貯蔵空間内の所定の位置に保持し、閉鎖ブロック20をスライドすることによってそれを案内することを可能にする。
【0089】
しかしながら、閉鎖ブロック20が固定されている船体インサート24の内面26は、平面性の欠陥を有する可能性がある。図6から図11では、このような平面性の欠陥は、図と以下の説明を研究しやすくするために、意図的に誇張して示されている。
【0090】
図6に示すように、閉鎖ブロック20が船体インサート24に向けて引き上げられるとき、船体インサート24の内面26の平面性欠陥により、閉鎖ブロック20の外面27に平面固定面を提供できるようにはならない。そのような平面固定面は、閉鎖ブロック20の外面27との良好な協調を可能にし、したがって、閉鎖ブロック20を船体インサート24上/への安定かつ信頼性の高い位置決めおよび固定を可能にする。
【0091】
船体インサート24の内面26の平面性欠陥を補うために、修正ストリップ28が、閉鎖ブロック20と船体インサート24との間、すなわち、閉鎖ブロック20の外面27と船体インサート24の内面26との間に挿入される。これらのストリップは、閉鎖ブロックに平面固定面を提供する機能を持つ。したがって、これらの修正ストリップ28は、閉鎖ブロック20の平面固定面を共同で形成するために、1つの同じ基準面29に位置する内面を持たなければならない。
【0092】
修正ストリップ28は、樹脂のビード30を有する。そのような樹脂のビード30は、例えば、支持構造体1の壁2、3、4、5、6にタンク壁を固定する間、支持構造体1の平面性欠陥を補うために使用されるストリップの製造に使用される。これらの樹脂のビード30は、例えばマスチックで作られている。
【0093】
ただし、タンクの壁はすでに支持構造体1の壁2、3、4、5、6に固定されているため、支持構造体1の壁2、3、4、5、6の平面性欠陥を補うためのストリップに必要な樹脂の製造に使用された機械は、支持構造体1の内部空間にはもう存在しない。したがって、修正ストリップ28用の樹脂のビード30を製造するための樹脂は、タンクの外で製造され、樹脂のビード30を製造し、それらを船体インサート24と閉鎖ブロック20との間に設置するために、タンクに導入される。
【0094】
タンクの外で樹脂を製造し、樹脂のビード30をその設置場所で製造するため送達することにより、前述の樹脂のビード30の設置時間は増加する。樹脂のビード30の設置時間におけるこの増加は、そのような樹脂のビード30がその特性が劣化する前に周囲空気への最大曝露時間を有するので不利である。
【0095】
樹脂のビード30を次々に製造および設置し、それらの周囲空気への曝露時間を制限するため、間隔パターンを確立するように表面26の平面性の測定値が取られる。この間隔パターンは、各修正ストリップ28に提供される位置に沿って、船体インサート24の内面26と基準面29との間の距離31を定義する。したがって、この間隔パターンは、その位置に応じて各修正ストリップ28の厚さを寸法決定することを可能にする。
【0096】
間隔パターンを実現しやすくするために、基準ストリップ32(図12を参照)を船体インサート24の内面26に配置することができる。そのような基準ストリップ3は、例えば、両面接着テープ、接着剤、または任意の他の固定手段によって内面26に固定される。これらの基準ストリップ32は、基準面29内に位置する内面を有し、例えば合板などで作られている。これらの基準ストリップ32は、前述の修正ストリップ28の位置決めを妨害しないように、修正ストリップ28に提供される位置とは異なる位置で、船体インサート24の内面26に設置される。
【0097】
図8から図11は、液体ドーム7でタンクを組み立てる異なるモードに関する、修正ストリップ28の異なる実施形態を示している。
【0098】
図8および図9に示される第1の変形によれば、修正ストリップ28は、樹脂のビード30のみの助けを借りて製造される。樹脂のビード30は、船体インサート24の表面26の平面性の測定値、すなわち間隔パターンに応じて寸法決定される。したがって、樹脂のビード30は、船体インサート24の内面26上のそれらの位置、およびこの位置での前述の内面26と基準面29との間の距離31に応じて決定される厚さを有する。樹脂のビード30はそれぞれ、間隔パターンに従って決定された寸法で、閉鎖ブロック20の外面27上に直接製造される。したがって、樹脂のビード30は、閉鎖ブロック20の外面27上に次々に実現することができる。
【0099】
樹脂のビード30の厚さは、間隔パターンに応じて寸法決定されるので、前述の樹脂のビード30と船体インサート24の内面26との間の距離33は均一であり、樹脂のビード30の厚さの違いは、船体インサート24の平面性欠陥を埋めることが可能である。したがって、閉鎖ブロック20が船体インサート24の内面26に向けて引き上げられると、樹脂のビード30は、内面26の平面性の欠陥にもかかわらず、実質的に同時に前述の内面26に押し付けられる。これらの樹脂のビード30は、閉鎖ブロック20を船体インサート24に向けて引き上げる間に圧縮および均一な変形を受ける可能性があり、接着によって閉鎖ブロック20を船体インサート24に対して固定することを可能にする。この圧縮状態では、樹脂のビード30の内面は、基準面29内に位置している。
【0100】
図10および図11は、修正ストリップ28の実施形態の変形を示している。この変形では、各修正ストリップ28は、バテン34に関連付けられた樹脂のビード30を有する。そのようなバテン34は、例えば合板で作られている。この変形では、バテン34は、船体インサート24の内面26の平面性欠陥を補うために、間隔パターンに応じて寸法決定されている。それらの部分の樹脂のビード30は、均一な厚さを有する。
【0101】
均一な厚さのそのような樹脂のビード30は、前述の樹脂のビード30の厚さを調整するためにそれらを製造するための工具を変更する必要がないので、製造が迅速である。したがって、前述の装置は、均一な厚さの連続した樹脂のビード30を製造することができ、これは、修正ストリップ28のバテン34に関連付けられる樹脂のビード30の所望の長さに応じて連続的に切断される。そのような装置は、例えば、塗布オリフィスまたは空気式または電気式樹脂ノズルを有する樹脂ポーチである。
【0102】
図10は、そのような修正ストリップ28を組み立てる第1のモードを示している。この第1の組み立てモードでは、各修正ストリップ28は、正しく寸法決定されたバテン34および対応する樹脂のビード30を組み立てることによってプレハブ式に作製される。次に、各プレハブ式修正ストリップ28は、タンクの貯蔵空間内の閉鎖ブロック20の外面27に固定される。より具体的には、バテン34は、樹脂のビード30がバテン34と船体インサート24の内面26との間に挿入されるように、閉鎖ブロック20の外面27に固定されている。バテン34は、例えば、閉鎖ブロック30の外面27にステープルで留められる。バテン34の適合された寸法決定のために、樹脂のビード30と船体インサート24の内面26との間の距離33は、前述の内面26の平面性欠陥にもかかわらず、均一である。
【0103】
修正ストリップ28が閉鎖ブロック20の外面27に固定されると、閉鎖ブロック20は、上記のように船体インサート24に向けて引き上げることができる。樹脂のビード30は、バテン34と船体インサート24の内面26との間で均一に圧縮および変形することができ、閉鎖ブロック20を船体インサート24に固定するための接着剤として機能する。
【0104】
この第1の組み立てモードの変形によれば、バテン34はプレハブ式ではなく、タンクの貯蔵空間に直接組み立てられる。最初に、正しく寸法決定されたバテン34が製造され、タンクの貯蔵空間で静止する閉鎖ブロック20の外面27に固定される。バテン34は、例えば、20cm以下のステープル間隔で、例えば、閉鎖ブロックの外面27にステープルで留められる。バテン34が閉鎖ブロック20に正しく固定されると、樹脂のビード30は、バテン34の外面35上に製造されるか、またはバテン34の前述の外面35、すなわち、船体インサート24の内面26の反対側のバテン34の面に取り付けられる。
【0105】
第1の組み立てモードのこの変形は、閉鎖ブロック20が船体インサート24に向けて引き上げられることなく、樹脂のビード30が製造される期間をさらに短縮することを可能にする。具体的には、樹脂のビード30は次々に製造され、バテン34を閉鎖ブロック20の外面27に固定するステップ中に樹脂のビードが周囲空気と接触したままにならないように、閉鎖ブロック20にすでに固定されているバテン34上に直接配置される。
【0106】
図11は、修正ストリップ28が閉鎖ブロック20に固定されておらず、船体インサート24の内面26に直接固定されているという点で他の組み立てモードとは異なる第2の組み立てモードを示している。したがって、修正ストリップ28は、次々にプレハブ式に作製され、その後、船体インサート24の内面26に固定される。修正ストリップ28はまた、例えば、樹脂のビード30を変形させ、バテン34の内面が基準面29内にあることを確実にするために、テンプレートによって圧縮され得る。
【0107】
タンクの組み立てを容易にするために、有利なことには、修正ストリップ28をタンクの外側の船体インサート24に固定することができる。したがって、液体ドーム7の壁8、9、10に取り付けられた船体インサート24は、船体インサート24が液体ドーム7の壁8、9、10に固定されるとすぐに、閉鎖ブロック20が船体インサート24の方向に直接引き上げることができるように、その内面26に固定された修正ストリップ28をすでに有する。閉鎖ブロック20は、船体インサート24に固定された修正ストリップ28のバテン34と接触するまで、船体インサート24の方向に引き上げられる。
【0108】
修正ストリップ28の船体インサート24への事前の固定は、図8および図9を参照して上述した通り、樹脂のビード30に関連付けられたバテン34を有するか、または間隔パターンに従って寸法決定された樹脂のビード30のみを有する修正ストリップ28を用いて実現することができる。
【0109】
図12は、船体インサート24に固定された閉鎖ブロック20を示している。この図では、タイロッド35が船体インサート24と閉鎖ブロック20との間に設置されている。これらのタイロッド35は、船体インサート24が液体ドーム7の壁8、9、10に設置されているときに、船体インサート24に向けて閉鎖ブロック20を引き上げることを可能にする。そのようなタイロッド35は、船体インサート24および閉鎖ブロック20を貫通するロッド36を有する。図示されていない実施形態では、タイロッド35は、ロッド36の代わりにチェーンを有する。
【0110】
前述のロッド36の上端は、支持構造体1の内部空間の外側に配置された第1のロック部材37を支持する。この第1のロック部材37は、例えば、ロッド36のねじ付き上端にねじ込まれたナットである。この第1のロック部材37は、船体インサート24の外面38に隣接しており、前述の外面38は、閉鎖ブロック20が固定されている内面26とは反対側にある。
【0111】
同様に、ロッド36の下端は、閉鎖ブロック20の内面40に対して配置された第2のロック部材39を支持する。この第2のロック部材39は、例えば、前述の閉鎖ブロック20の内面40に対して隣接するかしめナットである。そのようなタイロッド35は、閉鎖ブロック20を、タンクの貯蔵空間内の保持部材21に重みがかかる静止位置から、船体インサート24に固定された位置まで、すなわち、基準面29内に位置する閉鎖ブロック20の外面27まで引き上げることを可能にする。シーリング膜の密閉はまた、タイロッド35および前述のシーリング膜を密閉することによって、閉鎖ブロックが船体インサート24に対して所定の位置にあるときに完了することができる。同様に、第1のロック部材36は、船体インサート24に溶接することができる。
【0112】
別の実施形態では、タイロッドを使用して、樹脂のビード30の乾燥期間、例えば約24時間、閉鎖ブロック20を定位置に維持し、その後、閉鎖ブロック20を船体インサート24に固定するため適切な固定部材と交換される。
【0113】
有利なことには、基準面29を規定するために船体インサート24の内面26に設置された基準ストリップ32はまた、閉鎖ブロック20の上昇を遮断することを可能にする。具体的には、閉鎖ブロック20を船体インサート24に向けて引き上げることにより、樹脂のビード30が船体インサート24の内面26に対して押し付けられる。しかしながら、前述の樹脂のビード30の変形により、前述の閉鎖ブロック20の外面27が基準面29に到達したときに、閉鎖ブロック20の上昇を確実に阻止できるようにはならない。基準ストリップ32は、ストッパとして機能し、前述の閉鎖ブロック20の外面27が基準面29に到達したときに、閉鎖ブロック20の上昇を遮断する。
【0114】
密閉された断熱タンクを組み立てるための上記の技術は、例えば、陸上施設またはメタン運搬船等などの浮体式構造物でLNGリザーバの密閉された断熱タンクを形成するようにさまざまなタイプのリザーバで使用できる。
【0115】
図13を参照すると、メタン運搬船70の断面図は、船の二重船殻72に取り付けられた全体的に角柱形状の密閉され、断熱されたタンク71を示している。タンク71の壁は、タンクに含有されるLNGと接触することを目的とした一次密閉バリア、一次密閉バリアと船の二重船殻72との間に配置された二次密閉バリア、ならびに一次密閉バリアと二次密閉バリアの間および二次密閉バリアと二重船殻72の間それぞれに配置された2つの断熱バリアを有する。
【0116】
それ自体が知られている方法で、船の上甲板に配置されたロード/オフロードパイプライン73は、LNG貨物をタンク71との間で移送するために、適切なコネクタによって海上または港湾ターミナルに連結することができる。
【0117】
図13は、ロード・オフロードステーション75、水中パイプ76、および陸上施設77を有する海上ターミナルの例を示している。ロード・オフロードステーション75は、可動アーム74および可動アーム74を支持するタワー78を有する固定された沖合施設である。可動アーム74は、ロード/オフロードパイプライン73に連結することができる断熱された可撓性パイプ79の束を支える。配向可能な可動アーム74は、あらゆるサイズのメタン運搬船に適応可能である。連結パイプ(図示せず)は、タワー78の内側に延在する。ロード・オフロードステーション75は、陸上施設77との間のメタン運搬船70のロードおよびメタン運搬船70からのオフロードを可能にする。陸上施設77は、液化ガス80を貯蔵するためのタンクと、水中パイプ76によってロードまたはオフロードステーション75に連結されたパイプ81を連結するためのタンクを有する。水中パイプ76は、ロードまたはオフロードステーション75と陸上施設77との間の長距離にわたる、例えば5kmの液化ガスの移送を可能にし、メタン運搬船70をロード・オフロード動作中に沿岸から離れたままにしておくことができる。
【0118】
液化ガスの移送に必要な圧力を発生させるために、船70に搭載されたポンプおよび/または陸上施設77に装備されたポンプおよび/またはロード・オフロードステーション75に装備されたポンプが使用される。
【0119】
本発明は、いくつかの特定の実施形態に関連して説明されてきたが、それが決してそれらに限定されず、これらが本発明の範囲内にある場合、説明された手段およびそれらの組み合わせのすべての技術的同等物を包含することは明らかである。
【0120】
動詞「有する(have)」、「備える(comprise)」または「含む(include)」およびそれらの活用形の使用は、クレームに記載されているもの以外の他の要素または他のステップの存在を除外するものではない。要素またはステップに対する不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、特に明記しない限り、複数のそのような要素またはステップの存在を除外するものではない。
【0121】
特許請求の範囲において、括弧内の参照符号はクレームを制限するものとして解釈されるべきではない。
図1
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