(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】エンジンバルブ作動システム用の可変長ピストンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F01L 13/00 20060101AFI20231110BHJP
F01L 13/06 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
F01L13/00 301H
F01L13/00 302D
F01L13/00 303D
F01L13/06 Z
(21)【出願番号】P 2021518463
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(86)【国際出願番号】 US2019054631
(87)【国際公開番号】W WO2020072862
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-02
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505413266
【氏名又は名称】ジェイコブス ビークル システムズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルトラッキ、ジャスティン、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フェレイラ、デイビッド エム.
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0186546(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0023671(US,A1)
【文献】特表昭61-501580(JP,A)
【文献】特開2014-104870(JP,A)
【文献】特開2005-180625(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0196457(US,A1)
【文献】特開昭54-007016(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014001169(DE,A1)
【文献】米国特許第1757721(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 13/00~13/08
F16H 25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のエンジンバルブを作動させるためのバルブトレインを備える内燃機関において、前記1つ以上のエンジンバルブに適用される動作を制御するための可変長アセンブリであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、その上に画定されたピストン作業面を有するピストンであって、前記ピストン作業面が、少なくとも1つのピストン作業面傾斜部分を含む、ピストンと、
前記ピストンと協調的に関連付けられ、その上に画定された作動プレート作業面を有する作動プレートであって、前記作動プレート作業面が、前記少なくとも1つのピストン作業面傾斜部分に選択的に係合するための少なくとも1つの作動プレート作業面傾斜部分を含む、作動プレートと、
前記作動プレートまたは前記ピストンの少なくとも1つを前記ハウジング内に保持するための保持アセンブリと、
前記ハウジングに対して前記ピストンまたは前記作動プレートの1つを回転させるための作動アセンブリであって、前記ピストンまたは前記作動プレートの回転が、前記可変長アセンブリに長さを変化させて前記バルブトレイン内の間隙を吸収させる、作動アセンブリと、を備え、
前記ピストン作業面傾斜部分および前記作動プレート作業面傾斜部分がそれぞれ可変ピッチらせん面を含
み、半径方向平面内の断面図における前記可変ピッチらせん面のピッチは、前記半径方向平面が前記可変ピッチらせん面の軸を中心として所定の角度にわたって回転されるにつれて、変化する、可変長アセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングが固定ハウジングである、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングが動的ハウジングである、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項4】
前記ピストンおよび前記作動プレートと協調して関連付けられて付勢力を提供する付勢要素をさらに備える、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項5】
前記ピストン作業面および前記作動プレート作業面が、それぞれ、少なくとも1つの下部平坦面および1つの上部平坦面を含み、前記少なくとも1つのそれぞれの傾斜部分が、前記少なくとも1つの下部平坦面と前記少なくとも1つの上部平坦面との間にそれぞれ延在している、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項6】
前記ピストン作業面傾斜部分および前記作動プレート作業面傾斜部分がそれぞれ、中断を介在させることなく連続的に延在している、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項7】
前記ピストン作業面傾斜部分および前記作動プレート作業面傾斜部分が5度未満の角度で延在している、請求項3に記載の可変長アセンブリ。
【請求項8】
前記バルブトレインが、ロッカーアームを含み、前記ハウジングが、前記ロッカーアームのためのロッカーアームピボットである、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングが、エンジンに固定されかつ前記ピストンおよび前記作動プレートを受け入れるためにその中に画定されたボアを含む、ブリーダブレーキハウジングである、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項10】
前記作動プレートが前記ハウジングに対して固定されている、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項11】
前記ピストンおよび前記ハウジングのうちの少なくとも1つが、前記ハウジングに対する前記ピストンの回転を防止するための回転防止要素を含む、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項12】
前記作動プレートおよび前記ピストンのうちの少なくとも1つが、前記ハウジングに対する回転を防止するための回転防止要素を含む、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項13】
前記作動プレートおよび前記ピストンのうちの少なくとも1つが、前記ハウジングに対して回転を制限するための回転リミッタを含み、前記回転リミッタが、前記ハウジングに対して、前記バルブトレインにラッシュを設定するように調整可能である、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項14】
前記作動プレートおよび前記ピストンのうちの少なくとも1つが、前記付勢要素に対して回転動作するように取り付けられている、請求項4に記載の可変長アセンブリ。
【請求項15】
前記ピストンが肩を含み、前記保持アセンブリが、前記肩に係合して前記ピストンを前記ハウジングに固定するように適合された保持プレートを含む、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項16】
前記作動アセンブリが、ソレノイド、ステッピングモータ、可変位置アクチュエータまたは可変力アクチュエータのうちの1つを含む、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項17】
前記ハウジングがロッカーアームである、請求項3に記載の可変長アセンブリ。
【請求項18】
前記作動アセンブリが前記ロッカーアームに一体化されている、請求項17に記載の可変長アセンブリ。
【請求項19】
前記ハウジングがブリーダブレーキハウジングである、請求項2に記載の可変長アセンブリ。
【請求項20】
前記ピストンと協働して前記作動プレートに対して前記ピストンの回転動作を引き起こす作動リングをさらに備える、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項21】
前記作動アセンブリが、前記ピストンまたは作動プレートのうちの1つを回転させるための歯車インターフェースを備える、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項22】
前記歯車インターフェースが、前記ピストンまたは作動プレートのうちの1つに実質的に一定の回転動作を加える、請求項21に記載の可変長アセンブリ。
【請求項23】
前記ハウジング内の前記作動プレートの位置を調整するために前記作動プレートに当接する調整ねじをさらに備える、請求項15に記載の可変長アセンブリ。
【請求項24】
前記少なくとも1つの傾斜が、前記作動プレートおよび前記ピストンのうちの少なくとも1つの円周の約50度にわたって延在している、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項25】
前記少なくとも1つの傾斜が、前記作動プレートおよび前記ピストンのうちの少なくとも1つの異なる半径において異なるピッチおよび曲率を有する、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項26】
前記ピストンおよび前記作動プレートと協調して関連付けられて付勢力を提供する付勢要素をさらに備え、前記付勢力が、前記ピストンを前記作動プレートに向けて付勢する、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【請求項27】
前記ピストンおよび前記作動プレートと協調して関連付けられて付勢力を提供する付勢要素をさらに備え、前記付勢力が、前記ピストンを前記作動プレートから離れるように付勢する、請求項1に記載の可変長アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、内燃機関のバルブを作動させるためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、エンジンバルブトレインにおけるロストモーションアセンブリおよびバルブロッカーアームおよびロッカーアームピボットに一体化されることができるロストモーション機能に関連する用途を含む、様々な用途で使用されることができる可変長ピストンアセンブリに関する。本開示は、さらに、ブリーダブレーキシステムにおいて使用されることができる可変長ピストンアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、動作中に1つ以上の燃焼室への可燃性成分、通常は燃料および空気の流れを制御するためのバルブ作動システムを必要とする。そのようなシステムは、エンジン動作中の吸気バルブおよび排気バルブの動きとタイミングを制御する。正出力モードでは、燃料および空気を燃焼用のシリンダに入れるために吸気バルブが開かれ、続いて燃焼生成物がシリンダから逃げることができるように排気バルブが開かれる。この動作は、通常、バルブの「主イベント」動作と呼ばれる。
【0003】
正出力の主イベント動作に加えて、バルブ作動システムは、エンジン動作中の「補助イベント」を容易にするように構成されることができる。これらは、これらに限定されるものではないが、エンジンブレーキ、排気ガス再循環(EGR)および内部排気ガス再循環(iEGR)を含むことができる。これらの補助イベント中に、バルブタイミングと動きが制御されて、エンジンに排気ガスを再循環させて改善された排出ガスを達成したり、エンジンブレーキ動作においてエンジン負荷からエネルギを吸収させたりすることができる。
【0004】
主イベントの正出力動作モード中のバルブの動きは、通常、動作源として1つ以上の回転カムによって制御される。バルブトレインに配置されたカムフォロア、プッシュロッド、ロッカーアームおよびその他の要素は、カム面からバルブへの動きの直接伝達を提供する。補助イベントの場合、「ロストモーション」装置は、補助イベントバルブの動きを容易にするために、バルブトレインにおいて利用されることができる。ロストモーション装置は、それぞれのカム面のみによる作動の結果として発生する動きと比較して、バルブモーションが変更される技術解決策のクラスを指す。ロストモーション装置は、バルブの主イベント動作に加えて、またはその代替として、補助イベントの選択的発生を容易にするために、その長さ、剛性、または圧縮性が変化および制御される装置を含むことができる。ロストモーション装置は、可変長ピストンアセンブリのより大きなカテゴリのサブクラスとみなすことができ、ロストモーションを伴うものを超えた用途を有することができる。
【0005】
従来技術のロストモーションシステムは、通常、それらの動作のために油圧または空気圧の作動流体(すなわち、油または空気)に依存している。結果として、そのようなシステムは、そのような作動流体を利用しない、またはロストモーションシステムを作動させるのに十分ではない比較的低い圧力でそのような流体を使用するエンジンに容易に適応することができない。
【0006】
ロストモーションシステムに加えて、従来技術のバルブ作動システムは、ブリーダブレーキ構成要素によって提供されるブレーキ作用などの他の機能を提供するために作動されることができる可変長要素を必要とすることができる。そのような可変長要素を使用して、エンジンバルブを選択的に作動させて、ブリーダブレーキ動作を発生させることができる。
【0007】
機械的に相互作用する要素および表面を使用することにより、当該技術分野における別の課題は、エンジンバルブトレイン環境で発生する急速かつ繰り返される循環および応力に耐えることができ、動作中に過大なピーク応力が発生する可能性を低減する作動アセンブリを提供することである。
【0008】
したがって、従来技術における上述した欠点およびその他に対処するシステムおよび方法を提供することが有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の課題に対応して、特許出願人は、可変長アセンブリおよびシステムの様々な実施形態を提供し、これらは、エンジンバルブ作動システムにおけるロストモーションアセンブリなど、長さが拡張または収縮する可能性のある構成要素を含む用途、またはブリーダブレーキの作動などの他の用途において使用されることができ、可変長装置は、バルブトレインにおいて役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様によれば、動作のための油圧または空気圧作動流体の必要性を排除し、バルブシステム動作中の開始-停止減圧および迅速な循環を容易にするロストモーションアセンブリおよびシステムが提供される。一実施形態では、ロストモーションアセンブリは、バルブロッカーアームピボットに一体化されている。ピストンまたはピボットのベースは、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられることができかつ複数のシリンダのバルブトレイン構成要素を支持することができる台座のボア内の静止位置に保持される。ピストンに対する回転動作のために作動プレートが取り付けられている。ばねなどの付勢要素がピストン内のボアまたは凹部に配置されて、作動プレートに付勢力を提供することができる。作動プレートは、台座上で回動動作のために取り付けられたソレノイドおよび作動アームを含むことができる作動アセンブリを可能にする作動ポストを含むことができる。ピストンおよび作動プレートは、ロストモーションアセンブリを、動きが吸収されることができる「オフ」状態、およびロストモーションアセンブリが完全なカム動作を伝達する固体要素として機能する「オン」状態に構成するために、作動プレートがピストンに対して回転されるときに相互作用する作業面を備えている。一実施形態では、作業面は、下部平坦部分、傾斜移行部分、および上部平坦部分を含む。
【0011】
別の態様によれば、作業面は、連続的な浅い傾斜部分を含むことができる。傾斜角は、ロッカーアームからの負荷がかかったときに作動プレートが逆回転するのを防ぐように十分に浅い。この実施形態では、作業面の平坦部分および不連続性は、低減または排除されることができる。ロストモーションアセンブリが作動されるとき、作動プレートおよびピストンの作業面の浅い傾斜は密接に接触したままであり、接触面の部分的な係合の可能性を低減し、過度の接触応力をもたらす。
【0012】
さらなる態様によれば、ロストモーションアセンブリは、ラッシュアジャスタを利用するバルブトレインリンケージと組み合わせて提供されることができる。ロストモーションアセンブリは、ロストモーションアセンブリの作動プレートおよびピストンに力を及ぼす内部ばねを含むことができる。力は、ラッシュアジャスタの拡張の試みから生じる力がバルブトレインに加えられたときに、ばねの圧縮、したがってロストモーションアセンブリに抵抗するのに十分である。ロストモーションアセンブリストロークは、ピストンの肩と台座面または保持プレート面との間に配置されたシムを使用して調整されることができる。この支持構造は、ロストモーションアセンブリのストロークを調整する簡単な方法を提供する。ばねは、作動プレートが回転することができる中央の円形突起を含むばねキャップと係合することができる。ばねキャップはまた、ボア内の表面にも係合する。作動プレートは、ロストモーションアセンブリピストンが最大位置(すなわち、シムからの最大リフト)にあるとき、ばねが無負荷であるままのラッシュアジャスタおよび作動プレートによってバルブトレインに加えられる力に対抗するように、小さな間隙を備えることができる。これは、比較的小さな力によって作動プレートの作動を容易にする。
【0013】
さらなる態様によれば、ロストモーションアセンブリを取り付けるための保持アセンブリが提供される。保持アセンブリは、ロッカーアームピボット、ロッカーアームおよび他のバルブ作動構成要素を取り付けるために使用される台座のボアを含むことができる。ピストンおよび作動プレートアセンブリは、ボア内に保持されることができる。台座内でのピストンの回転を防ぐために、ピストン本体に回転防止キーが設けられることができる。環状保持プレートは、ロストモーションアセンブリピストンの肩に係合し、ねじ付き留め具によって台座に固定され、それによって、ピストンおよび作動プレートアセンブリを台座のボア内に保持することができる。
【0014】
さらなる態様によれば、ロストモーションアセンブリ用の作動アセンブリが提供される。一実施形態では、作動プレート上の作動ポストは、台座に形成されたスロットを通って延在することができ、台座に回動可能に取り付けられた作動アームと係合することができる。作動ソレノイドは、ロストモーションアセンブリの作動が望まれるときに作動アームに係合して回動させるプランジャを含む。この動きは、ピストンに対して作動プレートを回転させ、ロストモーションアセンブリの状態を、動きが吸収されることができる「オフ」状態から、ロストモーションアセンブリが剛性で動きを吸収しない「オン」状態に変更する。
【0015】
一態様によれば、可変長アセンブリを備えるロストモーションアセンブリは、ロッカーアームに一体化されることができる。ロストモーション作動アセンブリはまた、ロッカーアームに一体化されている。ロストモーションアセンブリは、例えば、バルブステムと接触するロッカーアームの動作付与端部に一体化されることができる。作業面を有する作動プレートは、ロッカーアーム内で軸方向に移動することができるが回転することはできないピストンに対して回転することができる。例えば、ロッカーアームシャフト内をロッカーアームのポートを通って流れる油を利用する空気圧、電磁または油圧アクチュエータとすることができるアクチュエータは、直線的に移動することができ、リンケージを介して、作動プレートを回転させて、ロストモーションアセンブリの状態を、動きが吸収されることができる「オフ」状態から、ロストモーションアセンブリが剛性で動きを吸収しない「オン」状態に変更することができる。
【0016】
さらなる態様によれば、可変長アセンブリは、ブリーダブレーキハウジングに一体化され、ブリーダブレーキ用途のために1つ以上のバルブを作動させるために使用されることができる。固定プレートは、ブリーダブレーキハウジング内に固定されており、回転防止機能を有することができる。ピストンは、ハウジング内で回転および軸方向に移動するために取り付けられている。固定プレートおよびピストンの双方は、ピストンが固定プレートに対して回転するときにピストンの軸方向の動きを提供するために互いに係合する相互作用する作業面を有する。ピン付きの作動リングは、ピストンのポケットに係合し、ピストンの回転動作を可能にすることができる。ばねは、ピン上およびピストンのポケット内に配置されて、正の出力動作中に固定プレートに向かう方向およびエンジンバルブから離れる方向においてピストンに比較的低い付勢力を提供することができる。ソレノイド作動アセンブリは、ハウジングに一体化され、軸方向の動きを提供することができ、これは、リンケージを介して、ハウジング内のピストンの回転動作をもたらす。したがって、ソレノイドの作動は、アセンブリが最小の長さを有する「オフ」状態から、アセンブリが最大の長さを有する「オン」状態への可変長アセンブリに対する状態変化をもたらす。
【0017】
さらなる態様によれば、可変長アセンブリは、らせん接触面が半径方向に湾曲したプロファイルを有するらせん相互作用面を含むことができる。これは、表面の係合部分全体に均一に分散された接触応力を提供し、ピストンの軸の近くでの高い接触応力を回避する。そのような構成では、動作中の最大またはピーク接触応力が低減されることができる。
【0018】
本開示の他の態様および効果は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになり、上記の態様は、包括的または制限的であるとみなされるべきでない。上記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本開示の発明的態様の実施例を提供することを意図しており、決して、添付の特許請求の範囲で定義された範囲を制限または拘束するものと解釈されるべきでない。
【0019】
特許または特許出願ファイルは、カラーで実行された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を有するこの特許または特許出願の公開物の写しは、請求および必要な料金の支払いに応じて、特許庁によって提供される。
【0020】
上記および他の本発明の付随する効果および特徴は、全体を通して同じ参照符号が同じ要素を表す添付図面とともに、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。説明および実施形態は、本開示の態様にかかる例示的な実施例を意図しており、また、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に限定されることを意図していないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本開示の態様を実装するのに適した内燃機関環境の構成要素の断面図である。
【
図2】
図2は、エンジン動作中に発生する可能性のある主イベントおよび補助イベントのバルブリフトおよびクランク角度を相関させる曲線を示している。
【
図3】
図3は、ロッカーアームの中央ピボットに一体化されたロストモーションアセンブリの例を示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、
図3のロストモーションアセンブリならびに取り付けおよび作動の詳細の分解図である。
【
図5A】
図5Aは、ロストモーションアセンブリ用の例示的なアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、ロストモーションアセンブリ用の例示的なアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5Aのアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの作業面プロファイルのグラフィカル表現である。
【
図6B】
図6Bは、
図5Bのアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの作業面プロファイルのグラフィカル表現である。
【
図6C】
図6Cは、
図5Aのアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートとともに使用されることができる作業面プロファイルの代替の実施形態のグラフィカル表現である。
【
図6D】
図6Dは、
図5Bのアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートとともに使用されることができる作業面プロファイルの代替の実施形態のグラフィカル表現である。
【
図7】
図7は、作動リンケージおよびソレノイドを示す
図4のロストモーションアセンブリの平面図である。
【
図8A】
図8Aは、
図5Aの例示的なアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの動作位置を示す斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、
図5Bの例示的なアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの動作位置を示す斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、代替の例示的なアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、代替の例示的なアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの斜視図である。
【
図11A】
図11Aは、
図10Aのアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの作業面プロファイルのグラフィカル表現である。
【
図11B】
図11Bは、
図10Bのアクチュエータピストンおよびアクチュエータプレートの作業面プロファイルのグラフィカル表現である。
【
図15A】
図15Aは、ラッシュアジャスタを備えたシステムにおける代替のロストモーションアセンブリの動作位置を示す断面図である。
【
図15B】
図15Bは、ラッシュアジャスタを備えたシステムにおける代替のロストモーションアセンブリの動作位置を示す断面図である。
【
図15C】
図15Cは、ラッシュアジャスタを備えたシステムにおける代替のロストモーションアセンブリの動作位置を示す断面図である。
【
図16A】
図16Aは、アクチュエータプレートの動作のための回転動作リミッタを組み込んだ作動システムの平面図である。
【
図16B】
図16Bは、アクチュエータプレートの動作のための回転動作リミッタを組み込んだ作動システムの平面図である。
【
図18】
図18は、3つの部分からなるロストモーションアセンブリを示す概略図である。
【
図20】
図20は、アクチュエータピストンの代替の回転防止構成である。
【
図21】
図21は、ロストモーションアセンブリおよび作動アセンブリがその中に一体化されたロッカーアームの分解図である。
【
図23A】
図23Aは、「オフ」位置を示す、
図21のロストモーションアセンブリの作動アセンブリの平面図である。
【
図23B】
図23Bは、「オフ」位置を示す、
図21のロストモーションアセンブリの作動アセンブリの側面斜視図である。
【
図23C】
図23Cは、「オン」位置を示す、
図21のロストモーションアセンブリの作動アセンブリの平面図である。
【
図23D】
図23Dは、「オン」位置を示す、
図21のロストモーションアセンブリの作動アセンブリの側面斜視図である。
【
図24】
図24は、
図21の作動アセンブリ上のラッシュ設定プレートとして機能することができる動作リミッタの平面図である。
【
図25】
図25は、ブリーダブレーキハウジングに一体化された可変長アセンブリおよび作動アセンブリの分解図である。
【
図26】
図26は、
図25のブリーダブレーキハウジング、可変長アセンブリおよび作動アセンブリの組み立て図である。
【
図28A】
図28Aは、ブリーダブレーキハウジング内の固定プレートおよび固定プレートレセプタクルの回転防止構成の例を示す平面図である。
【
図28B】
図28Bは、ブリーダブレーキハウジング内の固定プレートおよび固定プレートレセプタクルの回転防止構成の例を示す平面図である。
【
図29】
図29は、ブリーダブレーキハウジング内の可変長アセンブリのラッシュ設定調整機能を示す断面図である。
【
図30】
図30は、可変長アセンブリ用の代替の例示的な作動リングの斜視図である。
【
図31】
図31は、可変長アセンブリ用の作動リング取り付け構成の断面図である。
【
図32】
図32は、可変長アセンブリ用の付勢ばね構成および作動リング取り付け構成の断面図である。
【
図33】
図33は、
図32の取り付け構成によって使用されることができる例示的なピストンの斜視図である。
【
図34A】
図34Aは、例示的なアクチュエータピストンのそれぞれの作動位置を示す図である。
【
図34B】
図34Bは、例示的なアクチュエータピストンのそれぞれの作動位置を示す図である。
【
図34C】
図34Cは、例示的なアクチュエータピストンのそれぞれの作動位置を示す図である。
【
図35】
図35は、可変長アセンブリにおいて使用されることができる例示的ならせんアクチュエータピストン面の斜視図である。
【
図36】
図36は、
図35のアクチュエータピストン面と併せて使用されることができる例示的ならせん固定プレート面の斜視図である。
【
図37】
図37は、ピストンおよび固定プレート上のらせん相互作用面の概略図である。
【
図38】
図38は、等高線を示すらせんピストン面の詳細な斜視図である。
【
図39A】
図39Aは、ロストモーションアセンブリピストン上の傾斜面のらせん形状の例を示す、
図35の半径方向平面39A-39Aにおける断面図である。
【
図39B】
図39Bは、ロストモーションアセンブリピストン上の傾斜面のらせん形状の例を示す、
図35の半径方向平面39B-39Bにおける断面図である。
【
図39C】
図39Cは、ロストモーションアセンブリピストン上の傾斜面のらせん形状の例を示す、
図35の半径方向平面39C-39Cにおける断面図である。
【
図39D】
図39Dは、ロストモーションアセンブリピストン上の傾斜面のらせん形状の例を示す、
図35の半径方向平面39D-39Dにおける断面図である。
【
図39E】
図39Eは、ロストモーションアセンブリピストン上の傾斜面のらせん形状の例を示す、
図35の半径方向平面39E-39Eにおける断面図である。
【
図40A】
図40Aは、ロストモーションアセンブリピストンの平坦な傾斜したらせん面における接触応力の図である。
【
図40B】
図40Bは、らせんの大きな半径に向かって付勢された接触領域を有する、ロストモーションアセンブリピストンの湾曲した傾斜したらせん面における接触応力の図である。
【
図41A】
図41Aは、「オフ」位置にあるロストモーションピストン用のギア作動アセンブリを示す平面図である。
【
図41B】
図41Bは、「オン」位置にあるロストモーションピストン用のギア作動アセンブリを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本開示の態様の背景目的および用途に適している米国特許第7,458,350号明細書に記載されているような内燃機関環境10を示している。これは、それぞれがセンターボールピボット20上で回動するロッカーアーム50によって作動されるオーバーヘッドバルブ12を有するV-8エンジンとすることができる。ロッカーまたはタペットタイプのフォロアとすることができるカムフォロア14は、次に動作をロッカーアーム50に伝達する1つ以上のプッシュロッド16を駆動することができる。各カムローブからの動きは、それぞれのフォロワ14を駆動することができる。各フォロワ14は、同じタイプ(吸気または排気)の2つのロッカーアーム50に連結されて駆動され、それぞれの独立したラッシュアジャスタを介してそれに動作を伝達することができる。このエンジンアーキテクチャは、本特許出願において説明されているロストモーションアセンブリおよび関連する機能の用途に適しているが、当業者は、他のエンジンアーキテクチャが等しく使用されることができることを理解するであろう。さらに、ロストモーション機能は、圧縮解除、ブリーダブレーキ、減圧バルブリフトイベント、およびエンジン動作の他の態様の文脈において適用されることができる。
【0023】
図2は、典型的なエンジン動作曲線を示しており、これは、エンジン動作中に発生する可能性のある主イベントおよび補助イベントのバルブリフトおよびクランク角度を相関させる。そのような動作は、米国特許第7,905,208号明細書に記載されており、その教示は、この参照により本明細書に組み込まれる。通常の主イベントバルブの動きは、2つの排気イベント曲線(第1のリフトイベント)の低い方の曲線60において表される。正の出力の間、リフトは、吸気および排気サイクルのためにバルブに提供される。主イベント動作中、バルブトレイン内のロストモーション構成要素は、圧縮解放イベント62およびブレーキガス再循環イベント64におけるバルブリフトを引き起こすバルブトレイン内の動作がバルブリフトをもたらさないように動作を吸収する。曲線70によって表されるように発生する可能性がある補助イベントの間、ロストモーション構成要素は、圧縮解放イベント72およびブレーキガス再循環イベント74がこれらのイベントを実行するためにエンジンサイクルの適切な時間にバルブリフトをもたらすように、バルブトレイン内の動作を吸収しない。
【0024】
図3は、ロストモーションアセンブリとして使用される可変長アセンブリ100の部分断面を示しており、これは、ロッカーアーム50用のロッカーアームピボットなどのハウジングに一体化されることができ、これは、シリンダヘッド上に取り付けられた台座90に取り付けられることができる。本明細書で使用される場合、ハウジングは、固定ハウジングまたは動的ハウジングを備えることができる。本明細書で使用される場合、構成要素は、バルブ作動動作源によって提供されるバルブ作動動作に対して本質的に(すなわち、設計パラメータおよび許容範囲内で)不動である範囲で「固定」される。対照的に、本明細書で使用される場合、構成要素は、バルブ作動動作源によって提供されるバルブ作動動作によって少なくとも部分的に駆動される動作が可能である範囲で「動的」である。以下に説明する様々な実施形態に記載されるように、ハウジングは、固定される場合、エンジンロッカーアームピボット、ブリーダブレーキハウジング、バルブオーバーヘッド留め具またはエンジン支持構造、またはそれらに取り付けられたブラケットまたは留め具などの構成要素において具体化されることができ、動的な場合、ハウジングは、ロッカーアーム、バルブブリッジ、プッシュロッドまたはカムフォロアを含む多数のバルブトレイン構成要素のいずれかにおいて具体化することができる。ロストモーションアセンブリ100は、説明されるように、作動リンケージによって制御されて、必要に応じて、ロッカーアームピボット、したがってバルブトレインにロストモーションを提供することができる。説明されるように、アセンブリは、「オフ」位置または状態(非アクティブ化またはロストモーション状態とも呼ばれる)および「オン」状態(アクティブ化またはフルモーション伝達状態とも呼ばれる)に作動されることができる。非アクティブ化状態(
図2の曲線60)では、アセンブリは、固体になって主イベント動作を伝達する前に特定の変形を受け、したがって補助イベント動作を吸収し、主イベント動作のみを伝達することができる。アクティブ化状態(
図2の曲線70)では、ロストモーションアセンブリは、剛性状態にあり、したがって、全てのカムシャフト動作を対応するエンジンバルブに伝達する。
【0025】
図4は、例示的なロストモーションアセンブリ100、ならびにそれを取り付けて作動させるための他の構成要素の分解された斜視図である。台座90は、同数のロッカーアームピボットおよびロッカーアームを取り付けるためのいくつかのステーションを含むことができる。簡単にするために、1つのピボットとロッカーアームのみが示されている。
【0026】
さらに
図5Aおよび
図5Bを参照すると、ロストモーションアセンブリ100は、ピストンまたはベース110を含むことができ、これは、一般に円筒形とすることができ、その側面に形成された、またはその側面に固定された1つ以上の回転防止要素またはキー112を含むことができる。丸いピボット面114は、ピストン110の下部に設けられている。内部のくぼみまたはボア118は、ばね140を受け入れる。ピストン作業面116は、そこから延在する作動ポスト122を含むアクチュエータプレート120上のアクチュエータプレート作業面126と相互作用するようにベース110上に設けられる。これらの要素とそれらの相互作用については、ここでさらに詳細に説明される。
【0027】
ロストモーションアセンブリ100は、以下の方法で、台座90および他の取り付け構成要素を含むことができる保持アセンブリに組み立てられて設置されることができる。ばね140は、凹部118に設置され、ばねキャップ150は、ばね140の上部に設置されている。次に、アクチュエータプレート120は、回転動作のためにばねキャップ150に設置され、円形の延長部152がアクチュエータプレート120の対応する円形のくぼみ128に嵌合する。次に、これらの組み立てられた構成要素は、ベース110の主外径および回転防止要素112を受け入れるように形作られた台座90のボア94に設置されている。作動ポスト122は、台座90のスロット92を通って延在することができる。保持リングまたはプレート230は、ピストン110上に形成されかつ台座90上の所定の位置に留め具232によって保持され、それによってピストン110、したがってロストモーションアセンブリ100を台座90上の所定の位置に保持する肩119と係合することができる。
【0028】
さらに
図7を参照すると、ロストモーションアセンブリ100は、台座90に取り付けられたソレノイド200によって作動されることができる。作動アーム210は、留め具212によって台座90に回動可能に取り付けられることができる。ソレノイド200は、作動アーム210上の表面211に選択的に係合して力を加え、それによって作動アーム210を回転させることができるプランジャを含む。戻りばね213は、プランジャの作用に対して付勢力を提供する。作動アームの開口209は、作動アーム210の回動動作が作動プレート120の回転動作およびロストモーションアセンブリ100の動作をもたらすように、作動ポスト122を受け入れる。
【0029】
図6Aおよび
図6Bは、それぞれ、例示的なピストン作業面116および作動プレート作業面126のグラフィカル表現(縮尺どおりではない)である。これらのグラフの横軸は、ピストンまたは作動プレートの中心の周りの基準点から測定された角度であることが理解されよう。相補的な上部および下部の段付き部分には、それらの間に傾斜した移行部が設けられている。より具体的には、ピストン作業面116は、2つの下部プラトーまたは平坦部分116.1、2つの傾斜移行部分116.2、および2つの上部プラトーまたは平坦部分116.3を含むことができる。同様に、作動プレート作業面126は、2つの上部プラトーまたは平坦部分126.1、2つの傾斜移行部分126.2、および2つの下部プラトーまたは平坦部分126.3を含むことができる。
図6Aおよび
図6Bに示されるように、ピストン110および作動プレート120は、ピストン作業面116の2つの下部平坦部分116.1が相補的な作動プレート作業面126の上部平坦部分126.1と整列される動作吸収状態にしたがって、互いに対して配置される(すなわち、回転可能に配置される)。この状態では、以下にさらに説明されるように、ピストン作業面116および作動プレート作業面126は、それらが通常はばね140によって互いに離れるように付勢されるため、それらの間にギャップを有することができる(すなわち、作業面116、126の間にラッシュスペースが設けられる)が、バルブトレイン内の力が付勢力に打ち勝つのに十分である場合、それ以外の場合は互いに自由に接触し、それによってロストモーションアセンブリ100が動作を「失う」ことを可能にする。このラッシュスペースの範囲は、ロストモーションアセンブリのストロークと呼ばれることができる。作動プレート120がピストンに対して回転され、それによってピストン110および作動プレート120が動作伝達状態に置かれるとき、
図6Bのグラフに表されるプロファイルは、
図6Aのグラフに対してシフトし、作業面116および126は、それらの間の間隙が低減するように相互作用する。具体的には、作動プレート120の回転は、作動プレート作業面126の上部平坦部分126.1をピストン作業面116の上部平坦部分116.3と位置合わせする。この状態では、作動プレート作業面126の上部平坦部分126.1とピストン作業面116の上部平坦部分116.3との間の係合は、ピストン100と作動プレート120との間の相対的な軸方向の動きを防ぎ、ピストン100に加えられるいかなる動きも失われることを効果的に防ぐ。傾斜移行部は、ねじ山と同様の動きを提供し、2つの動作状態間のスムーズな動作を支援し、摩耗を最小限に抑える。認識されるように、記載された例示的な構成要素の傾斜角および他のパラメータは、部分的な係合の場合でさえ、許容範囲内に動作接触応力を維持するために変更されることができる。例えば、より高いリフトを達成するために、より急な傾斜角および/またはピストンと作動プレートとの間の相対回転角の増加が利用されることができる。2つの傾斜移行部を備えた作動プレートおよびピストン構成の場合、約70度の相対回転が適切な場合がある。さらに、ピストンの直径、または作業面の直径を大きくして、接触応力を許容範囲内に保つことができる。以下にさらに詳細に説明するように、特に
図34Aおよび
図34Bおよび
図37に関して、移行部は、作業面間で部分的な接触が発生した場合であっても、過度の接触応力のインスタンスを排除するために平滑化およびブレンドされることができる。
【0030】
さらに、
図6Aおよび
図6Bに示される作業面プロファイルは、互いに180度で離隔された上部116.3、126.3および下部116.1、126.1の平坦部分の対を示し、平坦部分の上部/下部対のより多いまたはより少ない数がピストン110および作動プレート120上に設けられることができることが理解される。例えば、ピストン110および作動プレート120の双方は、各対が全体のプロファイルの90度にまたがるように、それぞれ4対の上部/下部平坦面(再び傾斜部分によって分離される)を備えることができる。さらにまた、
図6Aおよび
図6Bは、上部および下部の平坦部分の間の単一の高さの違いを示している。しかしながら、異なるまたは中間レベルのロストモーションアセンブリ動作長が提供されることができるように(すなわち、ロストモーションアセンブリが最大の「固体」長よりも短い中間の「固体」動作長を有する動作状態)、複数の高さの平坦部分が提供されることができることが理解される。作業面616および626のそのような例は、
図6Cおよび
図6Dに示されている。認識されるように、図示の作業面プロファイルでは、ロストモーションアセンブリは、示されるように作業面が位置合わせされた第1のストロークを有する第1の動作状態をとることができ、移動面が接触する前に移動することができるため、傾斜面626.2は、傾斜面616.2と位置合わせされ、第1のストロークが定義される。第2の動作状態は、作動プレート作業面が
図6Cに示される位置から右にシフトした結果であり、傾斜面626.2は、傾斜面616.4と整列しており、第2のストロークは、ロストモーションアセンブリに対して定義される。
【0031】
さらに、台座が省略された
図8Aおよび
図8Bを参照すると、
図8Aに示される「オフ」または非アクティブ化された位置では、平坦部分126.1(
図6B)は、平坦部分126.1が平坦部分116.1に係合する点までばね140が圧縮するときに、ロストモーションアセンブリ100が動作を吸収することができるように、ピストン作業面の平坦部分116.1(
図6A)と位置合わせされる。ロストモーションアセンブリ100が完全に「オン」または作動位置まで
図8Bの矢印の方向に作動されるとき、作動プレート作業面126の平坦部分126.1は、ロストモーションアセンブリ100が剛性であって動作を吸収しないように、ピストン作業面116の平坦部分116.3と完全に係合される。
【0032】
図9A、
図9Bおよび
図9Cは、例示的なロストモーションアセンブリの動作位置を示している。
図9Aは、ピストン110の位置が対応するカムのベースサークルまたは最低点に対応する、ロストモーションアセンブリの「オフ」位置または状態に対応する。この状態では、ロストモーションアセンブリ100は、内側のばねが圧縮されるときに動作を吸収することができるストローク長さ「S」を有する。
図9Bは、ピークロストモーションが存在する「オフ」状態のロストモーションアセンブリを示している。すなわち、失われることを意図した全ての動作が失われ、ロストモーションアセンブリと相互作用するバルブトレイン構成要素からさらなる動作が与えられると、通常のバルブリフトが始まる。
図9Cは、ピストンの位置がカムベース円に対応する「オン」状態のロストモーションアセンブリを示している。したがって、当業者によって理解されるように、作動プレートの回転は、ベースサークル上のピストンとのラッシュ吸収をもたらす。
【0033】
図10A、
図10B、
図11Aおよび
図11Bは、ロストモーションアセンブリの代替の実施形態を示している。この実施形態では、作業面516および526は、浅い傾斜部分を備えている。この構成は、部品間の摩擦が、ピストン110への負荷が作動プレートの回転を誘発するのを防ぐのに十分である場合に有用とすることができる。すなわち、接触角によって引き起こされる回転力は、接線力と摩擦係数によって提供される静止摩擦よりも小さくなる。この構成では、平坦面は、不要な場合がある。さらに、ロストモーションアセンブリのストロークは、傾斜角および作動プレートの回転度(すなわち、ソレノイドプランジャおよび/または作動アームの移動)を適切に選択することによって制御されることができる。
図11Aおよび
図11Bは、作業面の形状を詳細に示している(縮尺どおりではない)。作業面の角度は、3度程度であり、相対回転に対する負荷および摩擦に基づいて決定されることができる。例えば、鋼と鋼、および潤滑摩擦係数が0.1の場合、5.7度の角度がほぼ平衡状態にあることができる。例えば、浅い3度の角度では、摩擦力は、作動プレート120を逆回転させる傾向がある回転力よりも約90%大きい。負荷がかかると、アクチュエータは、負荷時の角度位置に留まる。ストローク制御のために、回転の範囲または程度を管理することができる。角度が同じに維持される場合には、1回転あたりのストロークも増やすことができるが、計算では、より大きな直径のピストンを使用して周囲長を増やすことができる。認識されるように、そのような緩やかな傾斜または浅い傾斜面は、急激な移行部を有さず、傾斜部分から平坦部分への移行を必要としない。そのため、軸受表面の部分的な係合と接触応力の増加の可能性が減少する可能性がある。また認識されるように、相対回転が発生するとき、傾斜は、フラットオンフラット接触を維持する。
図12Aおよび
図12Bは、それぞれ、ロストモーション「オフ」およびロストモーション「オン」に対応する動作位置を示している。見てわかるように、作動プレートがピストンに対して回転するときに、急激な移行部は発生しない。
図13は、接触領域を示しており、これは、本質的に、円形リングの2つのセグメントのフラットオンフラット接触である。当業者によって認識されるように、接触領域の直径および幅、ならびに接触領域の長さは、動作中に接触応力が過度にならないことを確実にするために変更されることができる。
【0034】
図14A、
図14B、
図14Cおよび
図14Dは、ピストン作業面および作動プレート作業面に傾斜を有するロストモーションアセンブリの動作状態を示している。これらの図は、それぞれ、0度、30度、80度、および100度のアクチュエータプレートの回転に対応している。見てわかるように、作業面の相互作用は、アクチュエータの可変位置/ストロークを提供することができる。アクチュエータの緩やかな傾斜ランプは、無負荷時にピストンが容易に回転し、負荷がかかると摩擦によってピストンを所定の位置にロックすることを可能にする。作動は、回転式もしくは線形ステッピングモータ、または任意のタイプの可変位置もしくは可変力アクチュエータの方法を使用して変更され、複数の動作位置を提供することができる。傾斜ランプアクチュエータを所定の位置に移動して保持するために必要な力は、低角度の傾斜設計と、カムプロファイルのベースサークル位置においてメカニズムをアンロードする付勢ばねのために非常に低くなっている。
【0035】
別の態様によれば、ロストモーションアセンブリは、ラッシュアジャスタを備えたシステムで動作するように構成されることができる。ラッシュは、バルブトレイン-例えば、プッシュロッドからロッカー、またはプッシュロッドからカムフォロアインターフェースを含む、カムからバルブへのリンケージの過度の遊びである。ラッシュは、過度のノイズ、衝撃負荷およびその他の問題を引き起こす可能性がある。ロストモーションアセンブリは、「通常の」主イベント動作中に不要なイベントを吸収するストロークを有するように設計されている。同様に、カムシャフトフォロア(またはシステムの他の場所)にラッシュアジャスタを備えたシステムもまた、バルブトレインのたるみを吸収するように設計されている。したがって、ロストモーション装置のストロークが、ラッシュアジャスタによってバルブトレインに導入された力の下で消耗しないことが重要である。ロストモーションアセンブリのばね力は、ラッシュアジャスタが動作してバルブトレインのたるみを吸収するときにアセンブリのストロークを維持するのに十分であると同時に、ロストモーションアセンブリがカムシャフトの動きの結果としてのみ圧縮されるようにする必要がある。したがって、ラッシュアジャスタは、通常、システムからたるみを取り除き、カムシャフトのロストモーションイベントを追跡するために、ロストモーションアセンブリのストロークを厳密に制御する必要がある。「ブレーキ」またはロストモーションラッシュは、設定される必要はない。むしろ、システムのストロークのみが設定される必要がある。
【0036】
図15A、
図15B、および
図15Cは、ラッシュアジャスタを含むバルブ作動システムにおいて使用されることができるロストモーションアセンブリ100の動作状態を示している。
図15Aは、カムベースサークルに対応するピストン位置を備えた「オフ」状態のロストモーションアセンブリを示している。ピストン110のストローク「S」は、作動プレート120の作業面とピストン110との間の距離に対応する。この場合のストロークは、ロストモーションリフトに作動プレート120の回転を可能にするための小さな間隙を加えたものに等しい。この間隙は、+/-0.001インチ程度とすることができ、ピストン肩119と保持プレート230との間に配置されたシム235を使用して制御されることができる。したがって、シムの厚さ(非常に正確に決定されることができる)を使用して、作動プレートとピストン110との間の間隙を制御することができる。さらに、認識されるように、シムは、ロストモーションアセンブリのストローク「S」を設定するために使用されることができ、バルブトレインにラッシュアジャスタが存在するため、バルブシステムのラッシュは設定される必要はない。ロストモーションアセンブリばね140は、バルブトレイン内のラッシュアジャスタがラッシュを吸収するように動作するときに圧縮されないように十分な付勢力を発揮する。
図15Bは、例えば、ピーク圧縮解放リフトに対応するピストン110の位置を備えた「オフ」状態のロストモーションアセンブリを示している。これは、ロストモーションアセンブリが「安定」し、正の出力リフトが提供されるポイントである。したがって、リフト「L」は、シム235から持ち上げるピストン肩119と、ピストン110が作動プレート120としっかりと接触する点との間の移行中に失われる。
図15Cは、「オン」位置およびカムベースサークルに対応するピストン位置でのロストモーションアセンブリを示している。作動プレート120とピストン110との間のこの点に残っている小さな間隙は、作動プレート120の比較的容易な回転を可能にすることが理解されよう。さらに、この段階の作動プレートは、大きな負荷に耐えず、ロストモーションアセンブリばね140がラッシュアジャスタによって引き起こされるバルブトレイン内の力に対抗する力を及ぼし、ばねキャップ150を台座ボア94の床(天井)98に対して本質的に底に保つため、本質的に無負荷である。したがって、この状態での作動プレート120の作動は、力をほとんど必要とせず、頻繁な動作であっても、ロストモーションアセンブリ構成要素に過度の摩耗を与えることなく実装されることができる。低力作動の利用可能性はまた、作動コマンドがソレノイドまたは他の作動装置(ステッピングモータ、可変位置アクチュエータおよび可変力アクチュエータなどの漸進的作動装置を含むことができる)に対して開始されるときの迅速なシステム応答時間を提供する。
【0037】
図16Aおよび
図16Bは、2位置オン/オフ作動システムの詳細を示している。作動プレート120の回転動作は、作動プレートポスト122の角度のオンおよびオフ位置を画定するスロット92を台座に提供することによって制限されることができる。スロットは、台座に機械加工されることができる(
図1も参照)。
図16Aは、作動アームのオフ位置210’、ならびに作動アームのオン位置210’’、およびソレノイド200によって動かされる作動プレート120の作動ポスト122の対応する位置を示している。スロット92は、ロストモーションアセンブリの異なる用途およびストローク長を達成するように変更されることができる。
図17は、タイミングプレート290が、プレート290の回転調整を可能にし、したがって、作動プレートポスト122の移動範囲を調整する第2のスロット296の調整を可能にする第1のスロット294内の留め具292によって台座90に調整可能に固定されることができる取り付け詳細のさらなる変更を示している。この実装は、アクチュエータピストンのラッシュと角度移動とを調整するために使用されることができる。
【0038】
図18は、所与の角度相対回転に対して増加した有効移動およびストロークを達成するために2組の相互作用する作業面を利用するロストモーションアセンブリ1100の別の実施形態を示している。中央作動プレート1120は、2つの作業面1126.1および1126.2を含むことができ、それらのそれぞれは、それぞれのピストン1110.1および1110.2上の作業面と相互作用する。中央の作動プレートの回転動作は、半径方向に延在するポスト(図示せず)または作動アセンブリと係合することができる他の延長部によって達成されることができる。ピストン1110.1および1110.2は、保持アセンブリ内で回転静止状態を維持するように取り付けられている。付勢要素1140は、構成要素内に延在し、それらを別個の構成で付勢することができる。
図19Aは、アセンブリがその最大ストロークまで拡張された状態で、アセンブリがベースサークル位置にある「オフ」位置を示している。
図19Bは、アセンブリの全ストロークが吸収されたときの「オフ」位置を示している。
図19Cは、ロストモーションアセンブリが固体の非圧縮性状態にあり、それによって完全なカム動作を伝達する「オン」位置を示している。認識されるように、この構成は、作動プレート1120の所与の回転度に対して、ロストモーションアセンブリストロークの増加を可能にする。
【0039】
図20は、
図1に示されるようなロストモーションアセンブリピストンの代替の取り付けおよび回転防止構成を示している。ピストン110は、
図1に示される保持リング230と同様の方法で台座90に固定されることができる保持リング230上に相補的な形状のタブまたは突起238を受け入れる回転防止凹部112’を含むことができる。当業者によって認識されるように、本明細書に記載のロストモーションアセンブリの構成要素に対して、様々な取り付け構成が実装されることができる。
【0040】
本開示の態様によれば、ロストモーションアセンブリとして機能する可変長ピストンアセンブリは、バルブロッカーアームに一体化されることができる。
図21および
図22を参照すると、ロッカーアーム2150は、ピンまたは車軸2156によってジャーナル2154内に固定されたローラー要素2152を含むことができる。ローラー要素2152は、公知のように、カム面(図示せず)と係合して、バルブ要素(図示せず)の動きに影響を与える。ロッカーアームシャフトジャーナル2158は、エンジン上の回動動作のためにロッカーアームを支持するロッカーアームシャフト(図示せず)を受け入れる。ロッカーアーム2150は、可変長アセンブリ/ロストモーションアセンブリ2100の構成要素をその中に受け入れるためのロストモーションピストンアセンブリレセプタクルまたはボア2180を含むことができる。そのような構成要素は、ロストモーションピストンアセンブリボア2180に組み立てられて留め具2170によってその中に保持される、ロストモーションアクチュエータピストン2110、付勢ばね2140、ばねキャップ2145、および作動プレート2120を含むことができる。留め具2170は、回転を防止するが、その軸方向の動きを制限することを可能にするために、ロストモーションアクチュエータピストン2110のスロット2112と係合することができる。ロストモーションアクチュエータピストン2110および作動プレート2120は、相互作用して、他の実施形態と比較して上述した方法で選択的な軸方向動作を提供するそれぞれの作業面を備えている。作動ピン2122は、作動プレート2120から延在し、アクチュエータリンケージ2124と係合する。作動プレート2120は、アクチュエータレセプタクル2190内に固定された構成要素を作動させることによって動力が与えられるアクチュエータリンケージ2124からの力の下で、ロストモーションアクチュエータピストン2110に対して回転することができる。アクチュエータプレートリミッタ2126は、ロッカーアーム2150に固定されることができ、作動プレートピン2122の動き、したがって作動プレート2120の動きを制限することができる。作動プレートリミッタ2126はまた、作動プレートの回転位置を調整し、それによって、説明されるように、ロストモーションアセンブリ2100のラッシュを設定することができる。
【0041】
アクチュエータレセプタクル2190内の作動構成要素は、作動ピストン2192、作動ピストン付勢要素2194、付勢要素エンドプレート2196、およびその中に要素を保持するためにボア2190におけるスロット内で拡張するばね保持器または「C」クリップとすることができる保持要素2198を含むことができる。さらに
図23Aおよび
図23Cを参照すると、作動ピストン2192は、作動ピストン2192およびレセプタクル2190によって画定されるチャンバ2312に油圧流体を供給する油路2310を介して油圧的に作動されることができる。油は、公知の方法でポートを使用してロッカーシャフトから選択的に供給されることができる。付勢要素2194は、作動ピストン2192にかかる油力を打ち消し、作動ピストン2192をその「オフ」位置(
図23Aおよび
図23Cの左側)に戻す傾向がある。作動ピストン2192は、作動ピストン2192からレセプタクル2190の上部側壁に形成された細長開口部を通って延在するピン2125を用いてリンケージ2124に固定されることができる。リンケージ2124は、リンケージピボットピン2127を中心に回動する。動作中、作動アセンブリは、チャンバ2312内に十分な油圧作動油および圧力がない場合、
図23Aに示される「オフ」状態にある。作動ピストン2192は、(
図23Aの左側に)引き込まれ、作動プレートピン2122は、示されている位置にある。
図23Bに示されるように、この「オフ」状態は、積み重ねられた作動プレート2120およびピストン2110の短縮された長さに対応する。油圧作動油がチャンバ2312に流入すると、ピストン2192は、
図23Cに示される位置に移動し、したがって、作動プレートピン2122を示されている位置に移動させ、積み重ねられた作動プレート2120をピストン2110に対して回転させ、積み重ねられた作動プレートおよびピストン2110の有効長を増加させる。
【0042】
図24は、中央ピボット2408によってロッカーアームに回転可能に固定されることができ、調整留め具2412を受け入れるための調整スロット2410を含むことができるリミッタ2126のさらなる詳細を示している。作動ピン受け入れスロット2414は、作動プレートピン2122の動きを受け入れて制限する。したがって、リミッタ2126の回転調整を使用して、作動プレートピン2122の移動を制限し、したがって、ロストモーションアセンブリ2100が受ける拡張を制限することができる。さらに、ラッシュは、リミッタ2126を使用して設定されることができる。留め具2412および2408を緩めることができ、ラックを手動で「オン」位置に移動させることができる。そして、リミッタ2126は、作動プレートピン2122がスロット2414の端部によって係合される位置まで回転されることができる。これは、過度のラッシュが存在するポイントを超えてピストンの延伸を効果的に低減させる。認識されるように、アセンブリのストロークは、スロット2414の形状によって固定される。したがって、リミッタ2126の回転は、「オフ」位置停止(スロット2414の右端の範囲)を調整することができる。例えば、リミッタ2126を反時計回りに回転させると、「オフ」位置ストップが反時計回りに移動し、アセンブリが「オフ」状態のときにピストンが傾斜に乗って部分的に延伸する。
【0043】
本開示の態様によれば、可変長ピストンアセンブリは、ロストモーション用途以外の用途において使用されることができる。例えば、そのような可変長ピストンアセンブリは、ブリーダブレーキ用途において利用されることができる。当該技術分野において認識されるように、ブリーダブレーキ構成要素は、ブレーキ作用をもたらすために、エンジンサイクル中の適切な時間にエンジンバルブの僅かな持ち上げを提供する。
図25および
図26は、一体化された可変長ピストンアセンブリおよびアクチュエータセンブリを含む、例示的なブリーダブレーキハウジングの分解図および組み立て図をそれぞれ示している。ブリーダブレーキハウジング2510は、固定ボア2514を通って延在するハウジング留め具2512を使用して、例えば、排気バルブまたはバルブトレイン構成要素の上方でエンジンに固定されることができる。ブリーダブレーキハウジングは、可変長ピストンアセンブリ2550の構成要素を受け入れるための可変長ピストンアセンブリレセプタクル2516を含むことができる。作動アセンブリ取り付け延長部2571は、作動アセンブリをそれに固定するための1つ以上のねじボア2572を含むことができる。
【0044】
例示的な可変長ピストンアセンブリ2550は、その上に画定されたピストン作業面2554を備えたピストン2552と、その上に画定された固定プレート作業面2558を備えた固定プレート2556とを含むことができる。これらのそれぞれの表面は、さらに説明される方法で相互作用して、相対的な回転動作に応答してピストン/固定プレートスタックの長さの変化を提供する。作動リング2560は、そこから延在する作動リングピン2562を含むことができる。ピストン付勢ばね2564がピン2562上に配置されることができる。調整止めねじ2569は、固定プレート2556の背面に当接し、ねじボア(
図25では隠されている)におけるハウジング2510内のナット2567によって固定されることができる。スナップリング保持器2561は、可変長ピストンアセンブリ構成要素をレセプタクル2516内に固定することができる。これらの構成要素とそれらの相互作用に関するさらなる詳細が以下に提供される。
【0045】
作動アセンブリ2570は、ブリーダブレーキハウジング2510に固定されることができる。アセンブリ2570は、ねじ付き留め具2574によって取り付けブラケット2573に固定されかつコイル2572内での選択的な軸方向移動のために配置されたソレノイドプランジャ2575を有するソレノイドコイル2572を含むことができる。ばね要素2576は、ソレノイドプランジャを延伸方向に付勢することができる。プランジャ2575の端部は、説明されるように、ピストン2552の回転動作を引き起こすために回動されることができるリンケージ2566内の開口2568に固定されたヨークを含むことができる。
【0046】
図27Aおよび
図27Bは、例示的な作動動作を示している。
図27Aは、「オフ」位置にあるピストン2552を示す、ハウジング2510の下側からの図である。ソレノイドプランジャ2575は、図に見られるように、ピストン2552が「10時」位置のピン2562の位置によって示される第1の回転位置にある延伸位置にある。ソレノイド2572が作動すると、プランジャ2575は、
図27Bに示される位置に後退し、これにより、ピストン2552は、図に見られるように、「8時」の位置にあるピン2562の位置によって示される第2の回転位置にある。この「オン」位置は、ピストンおよび固定プレートスタックの最大長と一致する。
図41Aおよび
図41Bは、ピストン4152への歯車インターフェース4130を利用する代替の作動アセンブリ4100を示し、これは、作動されたときにピストン4152に一定の回転速度および力をもたらすインボリュート要素とすることができる多数の歯車歯4162を備えることができる。作動アーム4166は、ピストン歯車歯4162と係合するいくつかの歯車歯4168をその端部に含むことができる。ソレノイドプランジャ4175からの作用下で、作動アーム4166は、
図41Aに示される「オフ」位置から
図41Bに示される「オン」位置へのピストン4152の回転を引き起こすことができる。
【0047】
図28Aおよび
図28Bは、それぞれ、ブリーダブレーキハウジング2510内の固定プレートおよびピストンアセンブリレセプタクルの回転防止取り付け構成の例を示している。固定プレート2556は、外周に1つ以上のノッチまたは凹部2810を備えることができる。さらに
図28Bを参照すると、ブリーダブレーキハウジング2510は、固定プレートがハウジング2510内の所定の位置に取り付けられたときに凹部2810に受け入れられる同数の突起2820を備え、それにより、ハウジング内の固定プレートの回転を防止することができる。
【0048】
図29は、例示的な可変長アセンブリの構成要素の設置位置、および調整止めねじ2567を使用したアセンブリの調整を示す断面図である。固定プレート2556は、ハウジング2510内の同様のサイズのボアに配置され、調整止めねじ2569の端部と当接して係合して、上述したように相対的な回転動作に対して固定される。認識されるように、調整ねじ2567を使用して、固定プレート2556のロックされた高さを調整することができる。例えば、ねじ2569の下方調整は、示されるように、固定プレート2556およびピストン2552の積み重ねられた構成要素の距離「G」だけの変位をもたらすことができる。したがって、この構成は、可変長アセンブリに対するラッシュおよび他の調整を可能にするのに有利である。
【0049】
図30は、ピストン作動リングピン2562がその中に取り付けられたピストン作動リング2560の斜視図である。
図31は、ピストン作動リング2560の代替の取り付け構成を示している。この例によれば、可変長アセンブリレセプタクル2516は、作動リング2560がその中に乗るためのジャーナルまたはガイドとして機能する座ぐり3110を備えることができる。スナップリング3112を使用して、座ぐり3110内に作動リング2560を固定することができる。この構成は、レセプタクル2516内の作動リング2560の結合またはコッキングを防止し、ピストン2552への側面負荷の影響を軽減し、可変長ピストンアセンブリ全体の円滑な動作を提供するのに有利である。
【0050】
図32および
図33は、ピストン付勢要素の特徴を含む、例示的な可変長ピストンアセンブリの構成要素がブリーダブレーキハウジングにどのように取り付けられることができるかに関するさらなる詳細を示している。この構成は、スペースが限られているバルブカバーの下方の制約されたスペースなどの用途において使用されることができる低プロファイルのピストン付勢機能を提供する。
図33は、環状ベース3310と、その側面に画定された横方向ポケットまたは凹部3314を有する中央隆起部分3312とを含むことができる例示的なピストンの詳細を示している。ばね2564を受け入れ、ピン2562の端部の間隙を可能にするために、円形凹部3316もベース3310に形成されている。
図32は、ピストンアセンブリ構成要素の配置を示す断面図である。ピストン2552(
図33と比較して反転した位置で示されている)は、レセプタクル2516のボア内に延在する。作動リング2560は、回転動作のためにボア3210内に保持され、作動リングピン2562は、円形ポケット3316内に上方に延在し、横方向ポケット3314内に配置される。スナップリング2561は、作動リングおよびピストンを所定の位置に保持する。認識されるように、ばね2564は、ブリーダブレーキ動作が提供されていないときにバルブまたはバルブトレイン構成要素との接触を防ぐために、ピストン2552に比較的軽い上向きの付勢力を提供する。
【0051】
図34A、
図34B、および
図34Cは、例示的な可変長ピストンアセンブリの異なる動作位置を示している。
図34Aでは、アセンブリは、アセンブリの有効長が最小になるように、固定プレート2556およびピストン2552の作業面が完全に相補的に係合した状態で「オフ」位置にある。
図34Bでは、ピストンは、作業面の平坦部分が部分的に係合し、アセンブリの有効長がその全範囲にあるように、中間位置に回転される。
図34Cでは、ピストンは、完全に回転し、作業面の接触面積が増加し、有効長を完全な範囲に維持している。認識されるように、約70度の回転を約1.5mmの延長およびロックに変換し、50度の回転で完全な1.5mmのリフトおよび追加の回転を生成し、作業面上の接触面積を増加させる作業面プロファイルを提供することができる。
【0052】
本開示の態様によれば、作業面プロファイルは、相互作用するピストンおよび固定プレートが経験するピーク接触応力を有利に低減する可変長ピストンアセンブリ上に提供される。より具体的には、作業面の傾斜部分は、利用可能な可変ピッチらせんの形態である表面を含むことができる。そのような表面は、部分的な係合の場合、すなわち、ピストン表面が固定プレート表面と係合するときにピストンが部分的にアクティブ化された位置にあるとき、ピストン表面と固定プレート表面との間に「コーンオンコーン」接触形状をもたらす。この接触形状は、接触応力が過度にならないように構成されることができる。
図35および
図36は、それぞれ、ピストンおよび固定プレート上のらせん状の作業面の例の詳細を示す斜視図である。ピストン3510は、可変ピッチ対称らせんの形態を有する2つのランプ3520.1および3520.2を備えたらせん状の作業面を含むことができる。中央に接線勾配断面を設けることができる。例示的な実装では、傾斜部分のリフトおよびピッチは、表面の中心軸の周りの半径方向の掃引の約50度にわたって延在することができ、平坦領域3530.1および3530.2は、この回転を超えている。より具体的には、ゼロから約24度の半径方向の掃引から、ピッチは、ゼロ(平坦表面)から21のピッチ(接線傾斜)まで進行することができる。21のピッチでは、1度の滞留がある可能性がある。さらに半径方向の掃引位置が25から50度の場合、ピッチは、21のピッチから0のピッチに進む(後退する)ことができる。同様に、固定プレート3610は、可変ピッチ対称らせんの形態の2つの傾斜3620.1および3620.2を有し、約50度だけ延在することができ、平坦領域3630.1および3630.2は、この回転を超えている。
【0053】
図37は、ピストン3510および固定プレート3610のそれぞれの傾斜部分3520.1および3620.1の係合を概略的に示している。
図38は、中心からの3つの異なる半径での表面の曲率を示す等高線3550.1、3550.2および3550.3を有する複雑ならせん表面プロファイルのさらなる詳細を示している。認識されるように、ピッチおよび曲率は、異なる半径で変化する。任意の所与の半径において、らせんは、軸を中心とした表面の角度掃引であるとともに、指定されたピッチで軸方向に平行移動する。複雑な湾曲した傾斜の場合、掃引が角度を回転するにつれてピッチが変化する。角度の中間点でピークに到達するゼロピッチで始まり、最後にゼロピッチで終わる形状が上記に示されている。
【0054】
図39A~
図39Eは、
図35に示されるように、それぞれの半径方向平面で取られた、らせん状の傾斜部分を有する例示的なロストモーションアセンブリピストンの断面図である。
図39Aの断面図は、下側の平坦領域から移行した直後の傾斜3520.1および3520.1の高さを示している(上から見たときに反時計回りの方向に進んでいる)。右側の背景には、隆起した平坦領域3530.2の1つが視認可能である。
図39Bは、傾斜3520.1および3520.2の僅かに高い高さを示している。
図39Cおよび
図39Dは、傾斜3520.1および3520.2のさらに高い高さを示しており、
図39Dは、平坦領域3530.2とほぼ同一平面である傾斜3520.1および3520.2の高さを示している。
図39Eは、平坦領域3530.1および3530.2を通る断面を示している。
【0055】
接触応力をさらに低減するために、傾斜3520.1および3520.1の可変ピッチらせん面は、半径方向に僅かな曲率(すなわち、大きな曲率半径)を備え、ピストンの外側半径においてより多くの接触面積を提供するように配向されることができる。
図39Dには、断面の半径方向平面における表面3520.1の半径「R」の僅かな曲率を示すように注釈が付けられている。曲率半径は、300から500mm程度とすることができる。さらに、示されるように、曲率は、半径原点「O」がピストンの回転軸「A」からオフセットされることができるように配向されることができる。この曲率の配向は、ピストンの外側半径方向縁の近くの表面の非常に僅かに高い高さを提供し、それによってピストンと作動プレートとの間の接触を付勢し、ピストンの外側半径方向縁の近くにおいて僅かに大きな接触力が発生し、したがって、線接触のより広い幅の領域に広がり、接触応力を低減させる。
【0056】
図40Aおよび
図40Bは、接触応力を低減する際の半径方向湾曲面形状の利点を示している。
図40Aは、平坦な断面プロファイルを有する傾斜(すなわち、
図39A~Dのいずれかの表面を表す半径方向に延在する線3520.1に曲率がない場合)の接触応力の結果を示している。
図40Bは、傾斜面の断面プロファイルに僅かな曲率を有する傾斜の接触応力の結果を示している。見てわかるように、傾斜面の半径方向曲率は、ピストンの内側領域(半径が小さい)の場合よりも僅かに広い線接触領域にわたって分散された、ピストンの外側領域(より大きな半径)がより高い接触力をサポートするように接触力を分散させるため、接触応力の大幅な低減をもたらすことができる。
【0057】
認識されるように、それぞれの作業面の可変ピッチ対称らせんセクションの相互作用は、それぞれの傾斜部分が互いに係合する場合に、すなわち、ピストンが中間回転方向にあるときの表面係合中に、ピストン作業面と固定プレート作業面との間のシリンダ線接触をシリンダに提供する。「オン」作動シーケンスが開始された場合、平坦領域が整列していないときにピストンと固定プレートとの係合が発生し、負荷が加えられたときにそれぞれの傾斜部分が係合する場合、接触は、ピーク接触応力が低減されることができる十分な幅の線接触になり、したがって、材料の限界を超える接触応力の発生を防ぐことができる。さらに、そのような場合、および傾斜が8度を超える場所で線接触が発生すると、ピッチは、ピストンがバルブトレイン力の下で回転してオフ位置に戻ることを可能にすることができる。
【0058】
認識されるように、本開示の態様によれば、様々な製造方法を使用して、可変長ピストンおよびピストンアセンブリを作成することができる。そのような方法は、冷間成形、熱間成形、粉末金属成形、鋳造または従来の機械加工のステップを含むことができる。成形後硬化は、これらのステップの1つ以上によって使用されることができる。
【0059】
本実装は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲に記載されているようなより幅の広い本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、様々な変更および変形がこれらの実施形態に行われ得ることが明らかになるであろう。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものであるとみなされるべきである。