(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】情報処理装置および画像表示方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20231110BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20231110BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20231110BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231110BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/52
A63F13/533
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2021540748
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 JP2020030759
(87)【国際公開番号】W WO2021033616
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2021-10-06
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】布施 篤
(72)【発明者】
【氏名】トロンベッタ スティーブン
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-118786(JP,A)
【文献】特開2017-104573(JP,A)
【文献】特開2015-171454(JP,A)
【文献】特開2015-2895(JP,A)
【文献】特開2014-236866(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0217205(US,A1)
【文献】ルーム画面、ONLINE MANUAL GRAN TURISMO SPORT,世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業 [online],2019年07月26日,https://web.archive.org/web/20190726164432/http://www.gran-turismo.com/jp/gt6/manual/#!/onlinerace/lounge,[2023年08月14日検索]
【文献】STEAM グループ 日本Gauntletマルチプレイ部 JGMP,STEAM[online],2015年10月30日,https://steamcommunity.com/groups/gauntletjapan/discussions/0/496879865901185265/,[2023年03月16日検索]
【文献】[追記:11/18]第15回「モンスト公式ニコニコ生放送」11/18(水)放送決定!,モンスターストライク公式サイト [online],2015年11月18日,https://www.monster-strike.com/news/20151111_2.html,[2023年03月16日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
G06F 3/01,3/048- 3/04895
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
ゲーム画像を表示するゲーム画像表示部と、
ユーザ操作に応じて、システム画像をゲーム画像に重畳して表示するシステム画像表示部と、を備え、
前記システム画像表示部は、
マルチプレイ用のセッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示する選択領域表示部を有
し、
前記選択領域表示部は、前記セッションに観客用のスロットが空いている場合に、観客として参加するための選択領域を表示する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置であって、
ゲーム画像を表示するゲーム画像表示部と、
ユーザ操作に応じて、システム画像をゲーム画像に重畳して表示するシステム画像表示部と、を備え、
前記システム画像表示部は、
ユーザのフレンドが参加しているマルチプレイ用のセッションの情報を含むフレンドの情報を表示するフレンド情報表示部と、
前記セッションの情報が選択されると、前記セッションに参加するための参加ボタン、前記セッションにプレイヤとして参加しているユーザに関する情報、前記セッションに観客として参加しているユーザに関する情報を表示するセッション情報表示部と、
参加ボタンが操作されると、前記セッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示する選択領域表示部を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記選択領域表示部は、前記セッションにプレイヤ用のスロットが空いている場合に、プレイヤとして参加するための選択領域を表示する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記システム画像表示部は、
前記セッションに参加するための参加ボタン、
前記セッションにプレイヤとして参加しているユーザに関する情報、
前記セッションに観客として参加しているユーザに関する情報を表示するセッション情報表示部を有し、
参加ボタンが操作されると、前記選択領域表示部が、
前記セッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置がゲーム画像に別の画像を重畳表示する方法であって、当該情報処理装置が、
ゲーム画像を表示するステップと、
マルチプレイ用のセッションに関する情報を含むウィンドウをゲーム画像に重畳して表示するステップと、
前記セッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示するステップと、を実施
し、
表示するステップは、前記セッションに観客用のスロットが空いている場合に、観客として参加するための選択領域を表示する、
画像表示方法。
【請求項6】
情報処理装置がゲーム画像に別の画像を重畳表示する方法であって、当該情報処理装置が、
ゲーム画像を表示するステップと、
ユーザのフレンドが参加しているマルチプレイ用のセッションの情報を含むフレンドの情報を表示するステップと、
前記セッションの情報が選択されると、前記セッションに参加するための参加ボタン、前記セッションにプレイヤとして参加しているユーザに関する情報、前記セッションに観客として参加しているユーザに関する情報を表示するステップと、
参加ボタンが操作されると、前記セッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示するステップと、
を実施する画像表示方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ゲーム画像を表示する
第1機能と、
マルチプレイ用のセッションに関する情報を含むウィンドウをゲーム画像に重畳して表示する
第2機能と、
前記セッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示する
第3機能と、を実現させるためのプログラム
であって、
第3機能は、前記セッションに観客用のスロットが空いている場合に、観客として参加するための選択領域を表示する機能を含む、プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
ゲーム画像を表示する機能と、
ユーザのフレンドが参加しているマルチプレイ用のセッションの情報を含むフレンドの情報を表示する機能と、
前記セッションの情報が選択されると、前記セッションに参加するための参加ボタン、前記セッションにプレイヤとして参加しているユーザに関する情報、前記セッションに観客として参加しているユーザに関する情報を表示する機能と、
参加ボタンが操作されると、前記セッションに観客として参加するために選択する領域と、プレイヤとして参加するために選択する領域とを同時に表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システムソフトウェアが生成するシステム画像をゲーム画像に重畳して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ゲームセッションへの招待メッセージをディスプレイに表示する技術を開示する。特許文献1に開示される技術において、有効な招待メッセージと無効な招待メッセージは、それぞれ異なる態様で表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2016/121223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレンドから招待メッセージを受け取ったユーザは、招待を承諾すると、当該ゲームを起動してプレイヤとして参加する。現状、システムソフトウェアを介したゲーム参加の態様として、プレイヤとして参加する以外の選択肢は存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報処理装置は、ゲーム画像を表示するゲーム画像表示部と、ユーザ操作に応じて、システム画像をゲーム画像に重畳して表示するシステム画像表示部とを備える。システム画像表示部は、マルチプレイ用のセッションに観客として参加するために選択する領域を表示する選択領域表示部を有する。
【0006】
本開示の別の態様の画像表示方法は、ゲーム画像に別の画像を重畳表示する方法であって、ゲーム画像を表示するステップと、マルチプレイ用のセッションに関する情報を含むウィンドウをゲーム画像に重畳して表示するステップと、セッションに観客として参加するために選択する領域を表示するステップとを含む。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
【
図2】ゲームが作成するセッションの説明図である。
【
図3】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図5】システム画像をゲーム画像に重畳して表示した例を示す図である。
【
図7】フレンドの詳細ウィンドウの例を示す図である。
【
図10】表示される項目欄の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、トロフィサーバ4、イベントサーバ5、セッションサーバ6を含む複数種類のアクティビティサーバ7、管理サーバ8および複数の情報処理装置10a~10z(以下、特に区別しない場合には「情報処理装置10」と呼ぶ)を備える。情報処理システム1において、各種アクティビティサーバ7、管理サーバ8および情報処理装置10は、互いにインターネットなどのネットワーク3によって通信可能に接続されている。
【0010】
情報処理装置10はシステムソフトウェアを有し、ゲームプログラムを実行するゲーム装置であってよい。情報処理装置10のユーザはゲームコントローラなどの入力装置を操作して、ゲームの操作情報を入力する。情報処理システム1においてユーザは、自身を一意に識別する識別情報(ユーザID)を有し、管理サーバ8にサインインすることで、管理サーバ8および各種アクティビティサーバ7が提供するサービスにサインインして、各種サービスを利用する。
【0011】
実施例のゲームプログラムは、ゲーム内でイベントが発生すると、発生したイベントを識別するイベントコードを含むイベント情報をシステムソフトウェアに出力する。イベントは、ゲームプレイの進行に変化があったり、プレイヤキャラクタやゲームキャラクタの行動に変化があったときに発生するように設定されている。システムソフトウェアは、出力されたイベント情報をユーザIDとともに、アクティビティサーバ7および/または管理サーバ8に送信する。
【0012】
アクティビティサーバ7は、ユーザのアクティビティを管理する。ユーザのアクティビティは、ユーザのゲーム内における行動や行動により得られた結果、またゲームやセッションにおけるユーザの状態を含む。実施例ではアクティビティサーバ7として、トロフィサーバ4、イベントサーバ5、セッションサーバ6が存在するが、他の種類のアクティビティサーバ7が存在してもよい。
【0013】
トロフィサーバ4は、ユーザのトロフィの獲得状況や、トロフィ獲得までの進捗状況を管理する。ゲームには様々なミッションが設定されており、ミッションがクリアされると、ミッションに対応する仮想的な表彰品であるトロフィがユーザに付与される。ミッションのクリア条件は、トロフィをユーザに開放するプレイ条件であるため、トロフィの「アンロック条件」とも呼ばれる。情報処理装置10は、アンロック条件が成立したことを判定すると、その判定結果をトロフィサーバ4に送信する。情報処理装置10は、アンロック条件の成立に関係するイベント情報を、トロフィサーバ4に送信してよい。これによりトロフィサーバ4は、ユーザのトロフィの獲得状況や、トロフィ獲得までの進捗状況を含むユーザのアクティビティを管理する。
【0014】
イベントサーバ5は、ユーザのゲームプレイの状況を管理する。情報処理装置10はゲームから出力されたイベント情報を、イベントサーバ5に送信する。イベントサーバ5はイベント情報を時系列で取得して記憶し、ゲームプレイの進捗状況を含むユーザのアクティビティを管理する。
【0015】
セッションサーバ6は、ゲームが作成するセッションの状態を管理する。セッションサーバ6は、ゲームが作成するセッションについて、プレイされるゲームのタイトル、セッションを作成したメンバ(セッションリーダ)のユーザID、セッションに参加しているメンバのユーザID、セッションの維持時間、セッションの空きスロット数などの情報を管理する。情報処理装置10は、ゲームからセッションに関して出力されたイベント情報を、セッションサーバ6に送信する。このようにセッションサーバ6は、セッションの状態を含むユーザのアクティビティを管理する。
【0016】
図2は、ゲームが作成するセッションの説明図である。ゲームは少なくとも第1セッションを作成し、実施例では、第1セッションおよび第2セッションを作成している。1人のユーザ(リーダ)が第1セッションを生成すると、他のユーザは、リーダからの招待に承諾することで、第1セッションに参加できる。リーダがゲームを起動後、ゲームのマルチプレイヤモードを選択すると、ゲームは、ネットワーク3との接続環境が良好であることを条件として、第1セッションを作成する。第1セッションはマルチプレイヤモードにおいてのみ有効であり、マルチプレイヤモードが終了すると、第1セッションは自動的に終了する。なお情報処理システム1において、1人のユーザは1つの第1セッションにしか参加できず、同時に複数の第1セッションには参加できない。
【0017】
第2セッションは、第1セッションが存在することを前提として作成されるセッションである。ゲームメーカは、ゲーム対戦用のセッションやロビーなどのコミュニケーション用のセッションなど、用途に応じた第2セッションを設定してよい。リーダにより招待されたユーザは、第1セッションに参加していることを前提に、第2セッションに参加できる。
【0018】
各セッションについて説明する。
(時間t1)
ユーザAがゲームを起動する。この時点で、第1セッションは作成されていない。
(時間t2)
ユーザAがマルチプレイヤモードを選択する。このときゲームは第1セッションを作成して、セッションサーバ6に、ユーザAのユーザIDと、ゲームの識別情報(ゲームID)などを含むセッション情報を通知し、セッションサーバ6は、セッションの識別情報(セッションID)をゲームに返し、第1セッションの状態を管理する。このときユーザAは、第1セッションにプレイヤとして参加している状態になる。
(時間t3)
ユーザAが一緒に遊びたいユーザBを第1セッションに招待し、招待を承諾したユーザBが第1セッションに参加する。
【0019】
(時間t4)
ユーザA、Bのチームが、別のチームに対戦を申し込み、承諾されると、ゲームが、第2セッションを作成して、チーム同士の対戦が開始する。ここではユーザA、Bのチームと、ユーザQ、Rのチームの対戦が行われている。
(時間t5)
対戦が終了すると、ゲームは、第2セッションを終了する。
【0020】
(時間t6)
ユーザA、Bのチームが、また別のチームに対戦を申し込み、承諾されると、ゲームが、第2セッションを作成して、チーム同士の対戦が開始する。ここではユーザA、Bのチームと、ユーザS、Tのチームの対戦が行われている。
(時間t7)
対戦が終了すると、ゲームは、第2セッションを終了する。
【0021】
(時間t8)
ユーザAがマルチプレイヤモードを終了すると、ゲームは第1セッションを終了する。ゲームが終了したときや、ユーザAの情報処理装置10がオフラインとなったときには、システムソフトウェアが、セッションサーバ6に第1セッションの終了を通知する。
【0022】
特許文献1に開示されるゲームセッションは
図2に示す第2セッションに対応する。そのためセッションの維持期間は短く、招待されたユーザが参加しようとしたときには、セッションが消失している状況が発生しうる。一方で実施例では第1セッションが、リーダがマルチプレイモードを継続する限り維持されるセッションとして作成されるため、招待されたユーザが第1セッションに参加できる可能性を高められる。実施例のゲームは、リーダが他のユーザを第1セッションにのみ招待でき、第2セッションには招待できないように構成されてもよい。なお
図2に示す例では第2セッションでチーム同士の対戦が実施されているが、第1セッション内でチーム同士の対戦が実施されてよく、また第1セッション内で参加メンバ同士での対戦や協力プレイが実施されてもよい。
【0023】
実施例のゲームは、ゲーム内観戦モードをサポートする。そのため第1セッション、第2セッションともに、ゲームをプレイする「プレイヤ」用のスロットと、ゲームを観戦する「観客」用のスロットが用意される。「プレイヤ」用のスロット数の上限値は、参加可能なプレイヤ数の最大値を意味し、「観客」用のスロット数の上限値は、参加可能な観客数の最大値を意味する。実施例の情報処理装置10は、ユーザがセッションに参加する際に、プレイヤとしての参加であるか、または観客としての参加であるかを指定するためのユーザインタフェースを提供する。
【0024】
時間t2において、ユーザAがマルチプレイヤモードを選択すると、ユーザAの情報処理装置10で実行されているゲームは第1セッションを作成して、セッションサーバ6に、セッション名、ユーザAのユーザIDおよびゲームIDとを含むセッション情報を送信する。セッションサーバ6はセッション情報を受信すると、セッションIDを付与してゲームに返す。
【0025】
セッションサーバ6は、ゲームIDごとに、ゲームタイトル名およびゲームアイコン、さらに「プレイヤ」用のスロット数の上限値、「観客」用のスロット数の上限値を保持するテーブルを有している。セッションサーバ6は、受信したゲームIDから各スロットの上限値を認識する。なおゲームタイトル名、ゲームアイコンおよび各スロットの上限値はセッション情報に含まれて、ゲームからセッションサーバ6に提供されてもよい。以下、ユーザAがユーザBを第1セッションに招待したときの動作について説明する。ユーザAがユーザBを招待したことを示す情報は、セッションIDとともに、セッションサーバ6および管理サーバ8に通知される。
【0026】
図3は、ユーザBの情報処理装置の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、処理部100および通信部102を備える。処理部100は、操作受付部110、ゲーム実行部112、ゲーム画像表示部114、取得部116、参加処理部118およびシステム画像表示部130を備える。システム画像表示部130はシステムソフトウェアにより実現され、メニュー表示部132、フレンド情報表示部134、セッション情報表示部136および選択領域表示部138を有して、システム画像を生成する。システム画像表示部130はユーザ操作に応じて、システム画像をゲーム画像に重畳して表示する。
【0027】
図3において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、システムソフトウェアや、メモリにロードされたゲームプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0028】
通信部102は、入力装置のボタン等をユーザが操作した操作情報を受信し、操作受付部110に提供する。また通信部102は、管理サーバ8や各種アクティビティサーバ7と通信して、フレンドに関する情報や、セッションに関する情報を受信する。通信部102は無線通信モジュールおよび有線通信モジュールの機能を併せ持ってよい。
【0029】
操作受付部110は、通信部102を介して、入力装置の操作情報を受け付ける。実施例でゲーム実行部112は、ゲームプログラムを実行して、ゲームの画像データおよび音声データを生成する。ゲーム実行部112として示す機能は、システムソフトウェア、ゲームプログラム、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアなどにより実現される。なおゲームはアプリケーションの一例であり、ゲーム実行部112は、ゲーム以外のアプリケーションを実行してもよい。
【0030】
ユーザによるゲームプレイ中、操作受付部110は、入力装置の操作情報をゲーム実行部112に供給し、ゲーム実行部112は、操作情報をもとに、仮想空間内でプレイヤキャラクタを動かす演算処理を行う。ゲーム実行部112は、レンダリング処理などを実行するGPUを含み、仮想空間における演算処理結果を受けて、仮想空間内の視点位置(仮想カメラ)からのゲーム画像データおよびゲーム音声データを生成する。ゲーム画像表示部114がディスプレイからゲーム画像を表示し、音声提供部(図示せず)がスピーカからゲーム音声を出力する。情報処理装置10は、ディスプレイおよびスピーカを備えたテレビに接続し、テレビからゲーム画像およびゲーム音声を出力させてよい。
【0031】
図4は、ユーザBによりプレイされているゲーム画面の例を示す。ユーザBはゲーム画像およびゲーム音声を視聴しながら、入力装置を操作してゲームをプレイする。ゲームプレイ中、ユーザBが入力装置における所定のボタンを短押しすると、操作受付部110が当該ボタンの短押し操作を受け付ける。
【0032】
操作受付部110は、ゲーム実行中に受け付けた所定のボタンの短押し操作情報を、システム画像表示部130に供給する。システム画像表示部130においてメニュー表示部132は、複数のメニュー項目を含むシステム画像をゲーム画像に重畳して表示する。システム画像がゲーム画像上に重畳表示されると、操作受付部110は、これから受け付ける操作情報を、システムソフトウェアに供給するようになる。
【0033】
図5は、メニューアイコンを含むシステム画像をゲーム画像に重畳して表示した例を示す。メニュー表示部132は、表示画面の下段に機能アイコン選択領域200を設定して、複数のメニューアイコンを並べて配置する。ユーザBはメニューアイコンを選択することで、そのアイコンに関連付けられたシステム機能を実行できる。ここでユーザBは、フレンドアイコン202を選択する。
【0034】
操作受付部110が、フレンドアイコン202を選択した操作情報を受け付けると、フレンド情報表示部134は、ユーザBのフレンドに関する情報を含むシステム画像をゲーム画像に重畳して表示する。
【0035】
図6は、フレンドウィンドウ210の例を示す。フレンド情報表示部134は、オンラインにあるユーザA、C、D、Eのユーザ名と、プレイ中のゲームタイトルを含むフレンドウィンドウ210をゲーム画像に重畳して表示する。フレンドに関する情報は、取得部116により管理サーバ8から取得される。取得部116は、フレンドに関する情報を定期的に管理サーバ8から取得してもよく、また管理サーバ8においてフレンドのステータスに変化があったときに管理サーバ8から取得してもよい。情報処理装置10において、フレンドに関する情報は、最新の状態を維持されることが好ましい。ユーザBは、フレンドウィンドウ210を見ることで、オンラインにあるフレンドを確認でき、プレイしているゲームタイトルも確認できる。
【0036】
フレンドウィンドウ210には選択枠212が含まれ、ユーザBは、選択枠212を動かして1人のフレンドを選択する。ここでユーザAの表示領域には、ユーザAがユーザBをセッションに招待中であることを示す情報(「招待中」)が含まれている。ユーザBが選択枠212をユーザAの表示領域に合わせ、入力装置の決定ボタンを操作すると、操作受付部110が操作情報を受け付け、フレンド情報表示部134が、ユーザAの詳細情報を含む詳細ウィンドウを、フレンドウィンドウ210の右側に表示する。
【0037】
図7は、フレンドの詳細ウィンドウ214の例を示す。フレンド情報表示部134は、選択されたユーザAの詳細情報を含む詳細ウィンドウ214をゲーム画像に重畳して表示する。取得部116が管理サーバ8およびセッションサーバ6から、ユーザAのゲームおよびセッションに関する情報を取得し、フレンド情報表示部134が、詳細ウィンドウ214内に表示する。なお取得部116がユーザAのトロフィの取得状況をトロフィサーバ4から取得して、フレンド情報表示部134が、詳細ウィンドウ214内に表示してもよい。
【0038】
図7に示す詳細ウィンドウ214には、セッション名や、当該セッションに参加しているユーザのアイコン、プレイ時間などのセッション情報が表示される。なお
図2に示すt2~t3の間には、ユーザAしかセッションに参加していないため、ユーザAのアイコンのみが表示されている。ユーザBが選択枠212をセッション情報の表示領域に合わせ、入力装置の決定ボタンを操作すると、操作受付部110が操作情報を受け付け、セッション情報表示部136が、ユーザAのセッションに関する情報を含むセッションウィンドウを、ゲーム画像に重畳して表示する。セッションウィンドウは、詳細ウィンドウ214の右側に表示されてよい。
【0039】
図8は、セッションウィンドウ216の例を示す。セッション情報表示部136は、ユーザAの第1セッションの情報を含むセッションウィンドウ216をゲーム画像に重畳して表示する。取得部116は、セッションサーバ6からユーザAのセッションに関する詳細情報を取得し、セッション情報表示部136が、セッションウィンドウ216内に表示する。
【0040】
セッションウィンドウ216において、上から、タイトル表示領域232、セッション名表示領域234、参加ボタン236、プレイヤ表示領域238、観客数表示領域240、プレイ時間表示領域242が設けられる。タイトル表示領域232には、ゲームタイトルが、セッション名表示領域234には、セッション名が表示される。参加ボタン236は、ユーザBがユーザAのセッションに参加するためのGUIであり、選択枠212を参加ボタン236に合わせた状態で入力装置の決定ボタンが操作されると、ユーザBがセッションに参加できるようになる。
【0041】
プレイヤ表示領域238には、セッションにプレイヤとして参加しているユーザに関する情報が表示される。
図8に示す例では、プレイヤの上限数が6名であり、1名(ユーザA)がプレイヤとして参加していることと、参加しているプレイヤのアイコンとが示されている。
【0042】
観客数表示領域240には、セッションに観客として参加しているユーザに関する情報が表示される。
図8に示す例では、観客の上限数が20名であり、まだ誰も観客として参加していないことが示されている。
【0043】
ユーザBが、選択枠212を参加ボタン236に配置して、入力装置の決定ボタンを操作すると、選択領域表示部138が、セッションに観客として参加するために選択する領域と、セッションにプレイヤとして参加するために選択する領域とを表示する。
【0044】
図9は、参加ボタン236が操作されて表示される項目欄248の例を示す。参加ボタン236が操作されると、選択領域表示部138は、マルチプレイ用のセッションに観客として参加するために選択する領域(第1選択領域250)と、マルチプレイ用のセッションにプレイヤとして参加するために選択する領域(第2選択領域252)を含む項目欄248を表示する。ユーザBが観客としての参加を希望する場合には、第1選択領域250を選択する。一方、ユーザBがプレイヤとしての参加を希望する場合には、第2選択領域252を選択する。参加処理部118は、選択領域を選択した情報を、セッションIDとともにセッションサーバ6に送信し、これによりユーザBは、ユーザAのセッションに参加できるようになる。なお最終的にユーザBがセッションに参加するためには、リーダであるユーザAが参加を承認し、ユーザAのゲームが、ユーザBの参加をセッションサーバ6に通知してもよい。
【0045】
このように実施例の情報処理装置10では、ゲームではなく、システムソフトウェアが、現在の状態を含むセッション情報をユーザBに提示するため、ユーザBは、ゲームに依存しない共通したユーザインタフェースから、ゲームへの参加を決定することができる。また項目欄248において、ゲームの参加態様の選択肢が表示されることで、ユーザBは、プレイヤとしての参加を希望しない場合には、観客としての参加を選択できる。
【0046】
図10は、参加ボタン236が操作されて表示される項目欄248の別の例を示す。プレイヤ表示領域238には、6名をプレイヤ上限数とするセッションに4名がプレイヤとして参加していることが示され、また観客数表示領域240には、20名を観客上限数とするセッションに20名が観客として参加していることが示されている。したがって当該セッションのプレイヤ用のセッションには2つの空きスロットが存在する一方で、観客用のスロットには空きがない。そのため参加ボタン236が操作されて表示される項目欄248には、プレイヤとして参加するために選択する第2選択領域252のみが表示され、観客として参加するための第1選択領域250は表示されない。
【0047】
このように選択領域表示部138は、セッションに観客用のスロットが空いている場合に、観客として参加するための第1選択領域250を表示するが、観客用のスロットが空いていなければ、第1選択領域250を表示しない。同様に選択領域表示部138は、セッションにプレイヤ用のスロットが空いている場合に、プレイヤとして参加するための第2選択領域252を表示するが、プレイヤ用のスロットが空いていなければ、第2選択領域252を表示しない。
【0048】
以上のように、情報処理システム1では、セッションサーバ6が、ゲームのセッションに関する最新の情報を取得することで、これから参加しようとするユーザの情報処理装置10に、セッションの情報を提供できるようになる。情報処理装置10においては、セッションの状態をシステムソフトウェアで処理することで、ゲームの種類によることなく、ユーザに対して、共通のインターフェースでセッションウィンドウ216を提供できる。
【0049】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本開示は、システムソフトウェアが生成するシステム画像をゲーム画像に重畳する技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・情報処理システム、6・・・セッションサーバ、8・・・管理サーバ、10・・・情報処理装置、100・・・処理部、102・・・通信部、110・・・操作受付部、112・・・ゲーム実行部、114・・・ゲーム画像表示部、116・・・取得部、118・・・参加処理部、130・・・システム画像表示部、132・・・メニュー表示部、134・・・フレンド情報表示部、136・・・セッション情報表示部、138・・・選択領域表示部。