(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20231110BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20231110BHJP
F24F 13/06 20060101ALI20231110BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F24F13/02 D
F24F13/06 A
F24F13/08 C
(21)【出願番号】P 2021569953
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 CN2019122738
(87)【国際公開番号】W WO2021031449
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】201910780120.0
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 川川
(72)【発明者】
【氏名】▲藍▼ 渊
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 雁青
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 世涛
(72)【発明者】
【氏名】汪 耀▲東▼
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-074287(JP,A)
【文献】特表2013-545921(JP,A)
【文献】実開平06-059740(JP,U)
【文献】特開2002-036852(JP,A)
【文献】実開平06-054992(JP,U)
【文献】特開平06-074510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24F 13/02
F24F 13/06
F24F 13/08
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジフードであって、
吸気口と排気口とを有する主筐体と、
排気源、排気ダクト及びエジェクタチューブが含まれる排気装置であって、前記エジェクタチューブが前記主筐体の下方に位置し、前記主筐体の底壁から離間し、前記エジェクタチューブにはジェットフローフィールドを形成するための噴射口が設けられ、前記排気源が前記排気ダクトを介して気流を前記エジェクタチューブに導く排気装置と、を含み、
煙道ガスの流れ方向において前記エジェクタチューブは上流端と下流端とを有し、前記エジェクタチューブは上側壁と下側壁とを含み、前記上側壁と前記下側壁とが上流端で接続され、前記上側壁と前記下側壁とが下流端の間に前記噴射口を形成し、前記上側壁と前記下側壁とが弧状壁として形成され、前記弧状壁の外面の少なくとも一部はコアンダ面であり、
前記エジェクタチューブの両端は前記排気ダクトに接続され、前記排気源が前記排気ダクトを介して前記エジェクタチューブの両端から気流を前記エジェクタチューブに導く、
前記エジェクタチューブは、前記主筐体の前後方向に設置され、
前記主筐体の底部は集煙フードとして形成され、前記エジェクタチューブが、前記集煙フードの底部であって前記集煙フードの外縁に近接する箇所に設けられており、
前記エジェクタチューブの水平投影は前記集煙フードの水平投影内にあり、前記エジェクタチューブの前記上側壁と前記集煙フードの底壁との間の間隔は30~50mmであり、前記エジェクタチューブの上流端と前記集煙フードの外縁との間の距離は0~100mmである、
ことを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
煙道ガスの流れ方向において前記上側壁と前記下側壁は、先に互いに離れ、後に互いに接近し、前記上側壁と前記下側壁の外面はいずれもコアンダ面である、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記噴射口の噴射方向は、水平面から水平面に対する上向き20度の角度までの範囲内にある、
ことを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項4】
前記エジェクタチューブのチューブ断面は翼形形状であり、前記エジェクタチューブの上流端が翼形形状の前縁に位置し、前記エジェクタチューブの下流端が翼形形状の後縁に位置する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項5】
前記エジェクタチューブのチューブ断面では、前記エジェクタチューブの上流端と下流端との結線を第1の結線とし、前記第1の結線に垂直な方向において前記上側壁と前記下側壁との間の距離が最も遠い点の結線を第2の結線とし、前記エジェクタチューブの上流端と前記第2の結線との距離はL1であり、前記エジェクタチューブの下流端と前記第2の結線との距離はL2であり、前記上側壁と前記第1の結線の最も遠い距離はH1であり、前記下側壁と前記第1の結線の最も遠い距離はH2であり、H1とH2は等しく、L1とH1の比は0.8から1.5の間であり、L2とH1の比は2から4の間である、
ことを特徴とする請求項4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記噴射口は、複数の噴孔またはスリットである、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項7】
前記噴孔または前記スリットの高さは、1mmから5mmの間である、
ことを特徴とする請求項6に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記噴射口は複数の前記噴孔を含み、隣接する前記噴孔の間の孔距離は、前記噴孔の高さの2.5~4倍である、
ことを特徴とする請求項6~7のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項9】
前記噴射口は前記スリットであり、前記スリット内にはガイドスペーサーリブが設けられ、前記ガイドスペーサーリブの間隔は、前記スリットの高さの3~10倍である、
ことを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項10】
前記噴射口は複数の前記噴孔を含み、前記噴孔は楕円形であり、前記楕円形の長軸と短軸との比は2~4であり、隣接する前記楕円形の中心の間の距離は長軸の3~5倍である、
ことを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項11】
前記排気源は前記主筐体内の排気ファンの上方に位置する、
ことを特徴とする請求項1~
10のいずれかに記載のレンジフード。
【請求項12】
前記排気ダクトは、
前記主筐体内に縦方向に設けられた下向きの延在部分と、
前記主筐体の底部に設けられた分岐部分であって、前記下向きの延在部分の底部が複数の前記分岐部分に接続される分岐部分と、
前記主筐体の下方に位置する曲管であって、前記曲管の上端が前記主筐体内に伸びて前記分岐部分の端部に接続され、前記曲管の下端が前記エジェクタチューブの端部に接続される曲管と、を含む、
ことを特徴とする請求項
11に記載のレンジフード。
【請求項13】
前記排気ダクトは、
前記排気ファンの上方に位置し、前記排気源に接続される上部ガイド部分であって、前記上部ガイド部分が水平に設けられて両端がそれぞれ1つの前記下向きの延在部分に接続される上部ガイド部分をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
12に記載のレンジフード。
【請求項14】
前記排気ダクト内にはガイド構造が設けられ、前記下向きの延在部分と前記分岐部分との接続箇所には前記ガイド構造が設けられ、前記分岐部分と前記曲管との接続箇所には前記ガイド構造が設けられる、
ことを特徴とする請求項
12~13のいずれかに記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、中国特許出願番号が「201910780120.0」であり、出願日が2019年08月22日である中国特許出願に基づいて提供され、上記中国特許出願の優先権を請求し、上記中国特許出願のすべての内容はここで参照として本出願に導入される。
【0002】
本出願は、キッチン家電技術の分野に関し、特にレンジフードに関する。
【背景技術】
【0003】
レンジフードは現在家庭のキッチンに欠かせない家電製品の1つとなっている。レンジフードは主に調理中に生成する油煙などの有害ガスを排出し、人体の健康と室内の空気の質を維持するために使用される。
【0004】
優れた油煙吸収効果を達成し、煙漏れ現象の生成を防止するために、通常、インペラの設計を改善することを主として、メインファンの風量または風圧の冗長性を向上させることを主要な手段として、ファンの性能が減衰しても油煙吸収性能を確保する能力が十分である。この方法は油煙吸収効果を効果的に改善することができるが、一定の弊害をもたらし、例えば、ファンの電力上昇による消費電力の著しい増加、騒音の増加によるユーザの体験への影響などである。そのため、現在のレンジフードはまだ大きな改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、技術従来に存在する少なくとも1つの技術的課題を解決することを目的とする。そのため、本出願は、レンジフードを提出し、レンジフードの油煙吸収効果を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施例に係るレンジフードは、吸気口と排気口とを有する主筐体と、排気源、排気ダクト及びエジェクタチューブが含まれる排気装置と、を含み、前記エジェクタチューブは、前記主筐体の下方に位置し、前記主筐体の底壁から離間し、前記エジェクタチューブにはジェットフローフィールドを形成するための噴射口が設けられ、前記排気源が前記排気ダクトを介して気流を前記エジェクタチューブに導き、煙道ガスの流れ方向において前記エジェクタチューブは上流端と下流端とを有し、前記エジェクタチューブは上側壁と下側壁とを含み、前記上側壁と前記下側壁とが上流端で接続され、前記上側壁と前記下側壁とが下流端の間に前記噴射口を形成し、前記上側壁と前記下側壁とが弧状壁として形成され、前記弧状壁の外面の少なくとも一部はコアンダ面である。
【0007】
本出願の実施例に係るレンジフードによれば、エジェクタチューブを含む排気装置を設け、エジェクタチューブは気流を噴射する噴射口を有し、エジェクタチューブの上側壁及び下側壁を弧状壁として形成し、弧状壁の外面の少なくとも一部はコアンダ面であり、ジェット効果とコアンダ効果の組み合わせを形成し、エジェクタチューブの上流の煙道ガスが吸気口に強く吸引され、これによって主筐体の外側の逃げようとする煙道ガスが吸気口に流れ、既存のレンジフードによる主筐体の外側に逃げる煙道ガスへの吸引力不足という欠陥を補った。これにより、レンジフードの煙が漏れやすい現象が減少し、さらにレンジフードの油煙吸収効果を向上させ、人体の健康を守る。メインファンの風量が不足している場合でも、排気装置の設置により、煙漏れ現象を減少できるため、油煙吸収効果を確保するとともに、レンジフードのメインファンに対する風量要件を大幅に削減し、合理的な設置でレンジフードがメインファンの回転速度を適切に下げることができ、これによってレンジフードの消費電力を大幅に低減することができ、省エネと環境保護に役立つ。また、レンジフードがメインファンの回転速度を適切に下げることができれば、レンジフードの全体的な騒音を著しく低減することができ、従来のレンジフードに比べて、同じ油煙吸収効果を確保する場合、騒音は明らかに低減される。
【0008】
いくつかの実施例では、煙道ガスの流れ方向において前記上側壁と前記下側壁は、先に互いに離れ、後に互いに接近し、前記上側壁と前記下側壁との外面はいずれもコアンダ面である。
【0009】
いくつかの実施例では、前記噴射口の噴射方向は、水平面から水平面に対する上向き20度の角度までの範囲内にある。
【0010】
いくつかの実施例では、前記エジェクタチューブのチューブ断面は翼形形状であり、前記エジェクタチューブの上流端は翼形形状の前縁に位置し、前記エジェクタチューブの下流端は翼形形状の後縁に位置する。
【0011】
具体的には、前記エジェクタチューブのチューブ断面で、前記エジェクタチューブの上流端と下流端との結線を第1の結線とし、前記第1の結線に垂直な方向において前記上側壁と前記下側壁との間の距離が最も遠い点の結線を第2の結線とし、前記エジェクタチューブの上流端と前記第2の結線との距離はL1であり、前記エジェクタチューブの下流端と前記第2の結線との距離はL2であり、前記上側壁と前記第1の結線との最も遠い距離はH1であり、前記下側壁と前記第1の結線との最も遠い距離はH2であり、H1とH2は等しく、L1とH1の比は0.8から1.5の間であり、L2とH1の比は2から4の間である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記噴射口は複数の噴孔またはスリットである。
【0013】
具体的には、前記噴孔または前記スリットの高さは1mmから5mmの間である。
【0014】
いくつかの実施例では、前記噴射口は複数の前記噴孔を含み、隣接する前記噴孔の間の孔距離は前記噴孔の高さの2.5~4倍である。
【0015】
いくつかの実施例では、前記噴射口は前記スリットであり、前記スリット内にはガイドスペーサーリブが設けられ、前記ガイドスペーサーリブの間隔は前記スリットの高さの3~10倍である。
【0016】
いくつかの実施例では、前記噴射口は複数の前記噴孔を含み、前記噴孔は楕円形であり、前記楕円形の長軸と短軸との比は2~4であり、隣接する前記楕円形の中心の間の距離は長軸の3~5倍である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記主筐体の底部は集煙フードとして形成され、前記エジェクタチューブが前記集煙フードの底部であって前記集煙フードの外縁に近接する箇所に設けられている。
【0018】
いくつかの実施例では、前記エジェクタチューブの水平投影は前記集煙フードの水平投影内にあり、前記エジェクタチューブの前記上側壁と前記集煙フードの底壁との間の間隔は30~50mmであり、前記エジェクタチューブの上流端と前記集煙フードの外縁との間の距離は0~100mmである。
【0019】
いくつかの実施例では、前記排気源は前記主筐体内の排気ファンの上方に位置する。
【0020】
具体的には、前記排気ダクトは、前記主筐体内に縦方向に設けられた下向きの延在部分と、前記主筐体の底部に設けられる分岐部分であって、前記下向きの延在部分の底部が複数の前記分岐部分に接続される分岐部分と、前記主筐体の下方に位置する曲管であって、前記曲管の上端が前記主筐体内に伸びて前記分岐部分の端部に接続され、前記曲管の下端が前記エジェクタチューブの端部に接続される曲管と、を含む。
【0021】
さらに、前記排気ダクトは、前記排気ファンの上方に位置し、前記排気源に接続される上部ガイド部分であって、前記上部ガイド部分が水平に設けられて両端がそれぞれ1つの前記下向きの延在部分に接続される上部ガイド部分をさらに含む。
【0022】
選択可能ないくつかの実施例では、前記排気ダクト内にはガイド構造が設けられ、前記下向きの延在部分と前記分岐部分との接続箇所に前記ガイド構造が設けられ、前記分岐部分と前記曲管との接続箇所に前記ガイド構造が設けられる。
【0023】
本出願の追加の様態及び利点は、以下の説明において部分的に示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本出願の実践により理解されることになる。
【0024】
本出願の上記および/または追加の態様及び利点は、図面を参照した、実施例に対する以下の説明によって明らかになり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本出願の一実施例におけるレンジフードの正面図である。
【
図2】本出願の一実施例における排気装置の斜視図である。
【
図3】
図2に示される排気装置及び集煙フードの部分拡大図である。
【
図4】本出願の一実施例におけるエジェクタチューブ及び一部の曲管の概略図である。
【
図5】一実施例における集煙フードの下方でレンジフードの使用時の煙道ガスの流れ方向の概略図である。
【
図6】
図4に示される構造のレンジフードの使用時の煙道ガスの流れ方向の概略図である。
【
図7】本出願の一実施例におけるエジェクタチューブの部分概略図である(ここで、噴孔は円形である)。
【
図8】本出願の別の実施例におけるエジェクタチューブの部分概略図である(ここで、噴孔は2列の丸孔である)。
【
図9】本出願の一実施例におけるエジェクタチューブの部分概略図である(ここで、噴孔は楕円形である)。
【
図10】本出願の別の実施例におけるエジェクタチューブの部分概略図である(ここで、噴孔は矩形である)。
【
図11】本出願の別の実施例におけるエジェクタチューブの部分概略図である(ここで、噴孔はコース形状である)。
【
図12】本出願の別の実施例における排気装置の斜視図である。
【
図13】
図12に示される排気装置が存在するレンジフードの正面図である。
【
図14】
図12に示される排気装置の部分の風向き流れの概略図である。
【
図15】一実施例における排気ダクトの部分概略図である(ここで、排気ダクトは風向きの曲がり角にガイド構造が設けられる)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本出願の実施例について詳細に説明し、前記実施例の例は添付図面に示され、ここで、最初から最後まで同じまたは類似する符号は同じまたは類似する素子、または同じまたは類似する機能を備える素子を示す。以下、添付図面を参照して説明される実施例は例示的であり、本出願を説明するためのみであり、本出願を限定するものと理解してはいけない。
【0027】
本出願の説明では、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「中心」、「幅」、「水平」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、本出願を便利に又は簡潔に説明するためのものであり、指定された装置または素子が必ず特定の方位にあり、特定の方位に構造され操作されると指示または暗示するものではないので、本出願を限定するものと理解してはいけない。また、「第1の」、「第2の」が限定されている特徴は、1つ又はより多くの前記特徴をを含むことを明示または暗示するものである。本出願の説明では、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数の」とは、2つ以上のことを意味する。
【0028】
本出願の説明では、特に明示的な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連なる」、「接続」などの用語は広義的な理解を意味するものとし、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよく、直接接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に基づいて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0029】
以下、
図1~
図15を参照して、本出願の実施例に係るレンジフード100を説明する。
【0030】
本出願の実施例に係るレンジフード100は、
図1~
図3に示すように、主筐体1と排気装置2とを含む。主筐体1は、吸気口11と排気口12とを有し、吸気口11が主筐体1の底部に位置して主筐体1の下方に負圧領域111を形成する。
【0031】
排気装置2は、排気源21、排気ダクト22及びエジェクタチューブ23を含み、エジェクタチューブ23が主筐体1の下部に位置し、主筐体1の底壁から離間し、エジェクタチューブ23にはジェットフローフィールドを形成するための噴射口231が設けられ、排気源21が排気ダクト22を介して気流をエジェクタチューブ23に導く。煙道ガスの流れ方向においてエジェクタチューブ23は上流端Aと下流端Bとを有し、エジェクタチューブ23は上側壁2341と下側壁2342とを含み、上側壁2341と下側壁2342とが上流端Aで接続され、上側壁2341と下側壁2342とが下流端Bの間に噴射口231を形成し、上側壁2341と下側壁2342とが弧状壁234を形成し、弧状壁234の外面の少なくとも一部はコアンダ面である。
【0032】
なお、調理中に、レンジフード100の下方の調理器具や炊事用具から大量の油煙が生成し、浮力によって油煙が急速に上昇し、上昇中に周囲に拡散する。レンジフード100のメインファンは排気ファン14であり、排気ファン14は気流を吸気口11から吸い込み、排気口12から排出し、気流が流れている間に冷たい壁(例えば凝縮板15)、フィルターなどの部材に遭遇したとき、気流中の油滴が析出しやすくて分離される。
【0033】
メインファンの駆動作用の影響で、負圧領域111の負圧が大きく、調理器具や炊事用具で生成された油煙を吸引して吸気口11に集めて、レンジフード100に入らせることができる。もちろん、主筐体1の下方に形成された負圧場分布は、メインファンの運転状態とレンジフード100の構造の影響を受け、主筐体1の下方では通常、吸気口の正対領域で負圧が最大であるが、主筐体1は吸気口11に凝縮板15が設けられる場合、凝縮板15が負圧の最も強い領域を外側に移動させ、負圧の最も強い領域の輪郭が大きくなるため、異なる実施例では、噴射口231の方向は、当該実施例の負圧場分布に基づいて調整することができる。
【0034】
本出願の実施例に係るレンジフード100は、排気ファン14に加えて排気装置2も備え、排気装置2は、排気源21を使用して排気気流を形成する。排気源21がファンを採用して排気する場合、レンジフード100は、一方のファンが吸気口11から空気を吸収し、他方のファンが吸気口11に形成された負圧領域111に空気を吹き込む二重ファンシステムになる。もちろん、排気源21は、他の装置(例えば空気圧縮機)を用いて実現されてもよい。排気源21は排気ダクト22を介して気流をエジェクタチューブ23に導き、噴射口231が気流を噴射することができ、噴出された気流は煙道ガスの流れ方向に向かって空気を噴射してジェットフローフィールドを形成することができる。油煙量が大きい場合、負圧領域111は油煙を完全に吸気口11に吸引せず、一部の油煙がレンジフードの両側に拡散して両側から逃げようとする。油煙が排気装置2の近くに拡散する場合、噴射口231での気流の巻き取り及びジェット効果のため、外側に拡散した油煙は、排気装置2によって生成された、負圧領域111に向かう気流によって運動方向を強制的に変更し、外向きの動きから内向きの動きに変更し、油煙を負圧領域111に再輸送し、これによって油煙の漏れを最小限に抑えることができる。
【0035】
本出願において、エジェクタチューブ23が上側壁2341と下側壁2342とを含むように設置し、上側壁2341と下側壁2342とが上流端Aで接続され、上側壁2341と下側壁2342とが下流端Bの間に噴射口231を形成し、上側壁2341と下側壁2342はいずれも弧状壁234であり、弧状壁234の外面の少なくとも一部はコアンダ面であり、これによってエジェクタチューブ23の外部の気流をより多く負圧領域111に押し寄せ、集めることができ、特にレンジフード100の外側に拡散しようとする気流を負圧領域111に大量に吸引することができる。
【0036】
具体的には、コアンダ面は、流体(水流または気流)が本来の流れ方向からずれて、突出した物体の表面に沿って流れる傾向があるというコアンダ効果を生むことができる。
図5及び
図6に示すように、上側壁2341の上面がコアンダ面である場合、上側壁2341の上方の気流は負圧領域111に向かって流れる時に上側壁2341の上面に密接して流れ、上側壁2341の上方の気流は噴射口231から噴出された気流と迅速に合流するか、または噴射口231が気流を噴射することによって生成されたジェットフローフィールドの作用で、負圧領域111に流れることができる。上側壁2341の上方の気流は、方向が一致して負圧領域111に向かって流れることができ、これによって上側壁2341の上方の領域に負圧が形成される。本出願の実施例では、エジェクタチューブ23が主筐体1の下方に位置し主筐体1の底壁から離間するため、主筐体1の外側は上側壁2341の上方の領域と連通し、これによって負圧が形成された上側壁2341の上方の領域は主筐体1の外側から煙道ガスを吸引することができる。コアンダ面の設置により、主筐体1の外側の流出しようとする煙道ガスが、コアンダ面に沿って横方向に流れて吸気口11の下方の負圧領域111に入り、そして負圧の作用で主筐体1に吸い込まれる。
【0037】
同じように
図5及び
図6に示すように、下側壁2342の下面がコアンダ面である場合、下側壁2342の下方の気流は負圧領域111に向かって流れる時に下側壁2342の下面に密接して流れ、下側壁2342の下方の領域に負圧が形成され、負圧が形成された下側壁2342の下方の領域が主筐体1の外側から煙道ガスを吸引することができる。コアンダ面の設置により、主筐体1の外側の流出しようとする煙道ガスが、コアンダ面に沿って横方向に流れて吸気口11の下方の負圧領域111に入り、そして負圧領域111の負圧の作用で主筐体1に吸い込まれる。
【0038】
なお、排気装置2は、エジェクタチューブ23をこのように設置することにより、ジェットフローフィールドを使用してジェットフローフィールドの上方と下方の気流が負圧領域11に向けて流れるように動かす一方、ジェットフローフィールドを使用して上側壁2341の上面の上の気流が負圧領域11に向かって流れる傾向を形成し、下側壁2342の下面の下の気流が負圧領域11に向かって流れる傾向を形成する。上側壁2341及び下側壁2342の少なくとも一部の外面をコアンダ面とすることにより、コアンダ面を流れる気流がコアンダ面に沿って噴射口231に向かってしっかりと流れ、もう1つの負圧を形成することで、負圧領域111に流れるように主筐体1の外側の流出しようとする煙道ガスを吸引する。ジェットフローフィールドとコアンダ効果の組み合わせは、吸引された領域に対して非常に明確であり、吸気口11に流れるようにエジェクタチューブ23の外側の煙道ガスをよりよく吸引する。このような吸引作用は、既存の吸気口11によって生成された負圧領域が、主筐体1の外側に対する吸引が不足しているという欠陥を補う。
【0039】
本出願の実施例に係るレンジフード100は、エジェクタチューブ23を含む排気装置2を設け、エジェクタチューブ23は負圧領域111に向かって気流を噴射する噴射口231を有し、エジェクタチューブ23の上側壁2341及び下側壁2342を弧状壁234として形成し、弧状壁234の外面の少なくとも一部はコアンダ面であり、ジェット効果とコアンダ効果の組み合わせを形成し、エジェクタチューブ23の上流の煙道ガスが吸気口11に強く吸引され、これによって主筐体1の外側の逃げようとする煙道ガスが吸気口11に流れ、既存のレンジフードによる主筐体の外側に逃げる煙道ガスへの吸引力不足という欠陥を補った。これにより、レンジフードが煙漏れしやすい現象を減らし、さらにレンジフード100の油煙吸収効果を向上させ、人体の健康を守る。メインファンの風量が不足している場合でも、排気装置2の設置により、煙漏れ現象を減少できるため、油煙吸収効果を確保するとともに、レンジフード100のメインファンに対する風量要求を大幅に削減し、合理的な設置でレンジフード100がメインファンの回転速度を適切に下げることができ、これによってレンジフードの消費電力を大幅に低減することができ、省エネと環境保護に役立つ。また、レンジフード100がメインファンの回転速度を適切に下げることができれば、レンジフードの全体的な騒音を著しく低減することができ、従来のレンジフードに比べて、同じ吸収効果を確保する場合、騒音は明らかに低減される。
【0040】
いくつかの実施例では、
図1に示すように、主筐体1は、ファンケース16と集煙フード13とを含み、集煙フード13がファンケース16の底部に設けられ、集煙フード13の底壁が上に凹んだ曲面形状を形成し、吸気口11が集煙フード13の底壁のくぼみの中心に形成される。メインファンがオンにされた後、集煙室の下方に負圧領域111が形成され、近くの油煙を集煙室のモールドラインに沿ってファンケース16に吸い込んだ後、公衆の煙道に排出する。集煙フード13の設置は負圧領域を拡大し、煙道ガスの集め効果を向上させることができる。
【0041】
選択可能に、集煙フード13の底部には凝縮板15が設けられ、凝縮板15は油滴の分離効果を向上させることができる。さらに、凝縮板15は吸気口11に対応して設けられ、凝縮板15の周囲と集煙室とが環状の吸込口を形成し、油煙が環状の吸込口からファンケース16の内部に入る。凝縮板15の作用により、負圧領域11を集煙室のエッジに移動させることで、負圧領域11の範囲を拡大し、エッジの煙漏れを減少させ、油煙吸収効果を向上させる。
【0042】
具体的には、排気ファン14がファンケース16内に設けられ、選択可能に、排気ファン14は遠心ファンであり、排気ファン14は大きな風量と風圧を提供し、外部の煙道の圧力を克服して内部に負圧領域を形成する役割を果たし、室内のガスを排気ファン14に吸い込んで室外に排出する(公衆の煙道)。
【0043】
いくつかの実施例では、
図4~
図6に示すように、煙道ガスの流れ方向において、上側壁2341と下側壁2342とは、先に互いに離れ、後に互いに接近する弧状壁234として形成する。このようにして、エジェクタチューブ23の加工製造が容易になるだけでなく、エジェクタチューブ23内には内部の気流をより均一かつ平穏にするための十分な大きさの管腔がある。
図5及び
図6の矢印は油煙の流れ方向を表す。
【0044】
具体的には、上側壁2341及び下側壁2342の外面はいずれもコアンダ面である。なお、油煙が負圧領域111の周辺から外側に流出する時、一部がエジェクタチューブ23の下側壁2342に接触し、この部分の油煙は、噴流効果とコアンダ効果の二重の作用で、下側壁2342に沿って負圧領域111に流れやすく、もう一部の油煙が下側壁2342を迂回して上方に拡散する時、上側壁2341で形成された負圧場によって吸引されやすく、この部分の煙道ガスは上側壁2341に沿って負圧領域111に流れることができる。排気装置2の上下の二重のジェット吸引作用によって、外側に拡散した油煙はできるだけで負圧領域111に吸い込まれることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、
図1及び
図2に示すように、噴射口231の噴射方向は水平面と水平面に対する上向き20度の角度の範囲内にある。つまり、噴射口231は、水平方向に沿って噴射することができ、噴射口231の噴射方向は、やや上方に傾斜してもよいが、噴射口231の噴射方向は水平面から20度を超えない。このような設置により、ジェット効果とコアンダ効果の二重の作用で形成された煙道ガス吸引力は、噴射の逆方向に沿ってエジェクタチューブ23の上流領域に放射することができ、噴射口231が水平方向に沿って噴射することを例として、上記煙道ガス吸引力は、エジェクタチューブ23の水平外側の煙道ガスを負圧領域に非常によく吸引でき、これによって負圧領域11の負圧を低減しない前提で、煙道ガスの吸収範囲を拡大することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、
図4及び
図5に示すように、エジェクタチューブ23のチューブ断面は翼形形状であり、エジェクタチューブ23の上流端Aが翼形形状の前縁に位置し、エジェクタチューブ23の下流端Bが翼形形状の後縁に位置する。上流端Aは翼形形状の前縁で、鈍角であり、下流端Bは翼形形状の後縁で、鋭角である。
【0047】
このようにして、油煙がエジェクタチューブ23の外側に逃げた場合、ジェット効果とコアンダ効果の二重の作用で生成された煙道ガス吸引力が、気流を巻き取って負圧領域111に向かって流す。流れ過程において、チューブ断面が翼形形状のエジェクタチューブ23は、油煙の流れに対する抵抗力を低減することができ、これによって油煙が上流端Aから下流端Bに迅速に流れるのに有利であり、さらに油煙が負圧領域111に迅速に流れるのに有利であり、レンジフード100の煙道ガスの吸収效率を向上させることができる。なお、翼形形状とは、航空機の翼の断面形状を指し、エジェクタチューブ23のチューブ断面は従来技術の周知の翼形形状を採用してもよく、ここでは翼形形状に対して具体的に限定しない。
【0048】
具体的には、噴射口231の噴射方向を参照面として、エジェクタチューブ23の翼形形状は、上下対称の翼形形状である。
【0049】
具体的には、
図4に示すように、エジェクタチューブ23のチューブ断面では、エジェクタチューブ23の上流端Aと下流端Bとの結線を第1の結線とし、第1の結線に垂直な方向において上側壁2341と下側壁2342との間の隔離が最も遠い点の結線を第2の結線とする。エジェクタチューブ23の上流端Aと第2の結線との距離はL1であり、エジェクタチューブ23の下流端Bと第2の結線との距離はL2であり、上側壁2341と第1の結線との最も遠い距離はH1であり、下側壁2342と第1の結線との最も遠い距離はH2であり、H1とH2は等しく、L1とH1の比は0.8から1.5の間であり、L2とH1の比は2から4の間である。
【0050】
具体的には、
図4に示すように、第1の結線はAB線分であり、第2の結線はCD線分であり、AB線分とCD線分の交点はOである。AO線分の長さはL1であり、BO線分の長さはL2であり、CO線分の長さはH1であり、DO線分の長さはH2である。ここで、H1=H2であり、a=L1/H1、b=L2/H1、0.8≦ a≦ 1.5、2≦ b≦ 4とする。このように限定すると、エジェクタチューブ23が上下対称の翼形の風道構造として形成され、良好なジェット効果を達成することができる。
【0051】
本出願の実施例では、エジェクタチューブ23は一本のチューブであってもよいし、複数のチューブであってもよい。エジェクタチューブ23は主筐体1の底部のエッジに沿って設けられるが、エジェクタチューブ23の具体的な延在形状はここで限定されず、実際の必要に応じて適合させてもよい。例えば、主筐体1の底部が四角形である場合、エジェクタチューブ23は、線形、L形または四角形などであり、主筐体1の底部が円形または楕円である場合、エジェクタチューブ23は、弧状または円形、楕円形などである。高さの方向において、エジェクタチューブ23は一層で設けられてもよいし、多層で設けられてもよい。
【0052】
同じように、エジェクタチューブ23上の噴射口231も様々な設置方式を有する。
【0053】
いくつかの実施例では、
図3、
図7に示すように、噴射口231は、複数の噴孔2311またはスリット2312である。このように、気流は複数の噴孔2311またはスリット2312を介して外側に噴射することができ、複数の噴孔2311またはスリット2312は気流の流れを案内するのに有利であり、気流がより均一になる。
【0054】
噴射口231が複数の噴孔2311である場合、噴孔2311の孔の形状に対しては、ここでは限定されず、例えば、
図7に示すような丸孔でも、
図9に示すような楕円孔であってもよい。
【0055】
ある例では、エジェクタチューブ23は吸気口11の軸線方向に沿って延在する環状の管であり、ある例では、エジェクタチューブ23は主筐体1の片側に設けられた直管または曲管などであり、またある例では、エジェクタチューブ23は主筐体1の隣接する両側または隣接する三側に延在し、噴射口231はエジェクタチューブ23の延在方向に沿って配列された複数の噴孔2311であってもよく、噴射口231はエジェクタチューブ23の延在方向に沿って設けられたスリット2312であってもよい。
【0056】
また、
図7及び
図8に示すように、噴孔2311は単列でも二列であってもよい。
【0057】
具体的には、噴射口231が複数の噴孔2311である場合、噴孔2311は、等間隔で配列されてもよいし、不等間隔で配列されてもよい。
【0058】
選択可能に、
図7~
図11に示すように、噴孔2311またはスリット2312の高さは1mm~5mmの間である。噴孔2311が
図7及び
図8に示すような丸孔である場合、上記高さの限定とは丸孔の直径dの寸法が1mm~5mmの間であることを指す。噴孔2311が
図9に示すような楕円孔である場合、楕円孔の長軸が水平に沿って設置され、上記高さの限定とは楕円孔の短軸の寸法が1mm~5mmの間であることを指す。このようにして、噴孔2311またはスリット2312は気流を噴射するために適切な高度を有し、良好なジェット効果を達成する。
【0059】
なお、噴孔2311またはスリット2312の寸法が1mm~5mmの間である場合、噴孔2311またはスリット2312は、気流をバランスよく噴射させ、気流による強力な噴流巻き取り作用に有利であり、エジェクタチューブ23の剛性を向上させることができる。
【0060】
いくつかの実施例では、噴射口231は複数の噴孔2311を含み、隣接する噴孔2311の間の孔距離は噴孔2311の高さの2.5~4倍である。
図7を例として、隣接する丸孔の間の孔距離Ldの最適範囲は2.5*d≦ Ld≦ 4*dである。このように、複数の噴孔2311の間が適切な間隔を有し、上側壁2341及び下側壁2342の構造強度への影響を減少させ、上側壁2341及び下側壁2342の変形をできるだけ減少させる。同時に、合理的な間隔を有する複数の噴孔2311は、エジェクタチューブ23による気流への案内作用を向上させて良好なジェット効果を得ることができる。
【0061】
いくつかの実施例では、
図10及び
図11に示すように、噴射口231はスリット2312であり、スリット2312内にはガイドスペーサーリブ2313が設けられ、ガイドスペーサーリブ2313の間隔はスリット2312の高さの3~10倍である。なお、ガイドスペーサーリブ2313は上側壁2341及び下側壁2342を支持し、上側壁2341及び下側壁2342の構造強度に対して強化の役割を果たし、上側壁2341及び下側壁2342の変形をできるだけ減少させることができ、また、ガイドスペーサーリブ2313は、気流の流れ方向を案内する役割をさらに果たし、気流が負圧領域111に向かって移動し、気流が傾いて他の方向に流れることによる煙漏れなどの隠れた危険をできるだけ減少する。
【0062】
具体的には、
図10に示すように、スリット2312は長手形状であり、複数のガイドスペーサーリブ2313の間隔で複数の矩形の開口部に分けられる。スリット2312の幅が大きい場合、ガイドスペーサーリブ2313の上下端に面取りを形成してもよい。以上はいずれも排気装置2の良好なジェット効果を実現でき、ここではスリット2312の形状に対して具体的に限定しない。
【0063】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、噴射口231は複数の噴孔2311を含み、噴孔2311は楕円形であり、楕円形の長軸と短軸との比は2~4であり、隣接する楕円形の中心の間の距離は長軸の3~5倍である。このようにして、噴孔2311は適切な曲率を有し、気流の流れを案内することに有利であり、隣接する楕円形は適切な間隔を有し、エジェクタチューブ23の構造強度を確保する前提で、気流をさらに均一にする。
【0064】
いくつかの実施例では、
図1及び
図2に示すように、主筐体1の底部は集煙フード13として形成され、エジェクタチューブ23が、集煙フード13の底部であって集煙フード12の外縁に近接する箇所に設けられている。
【0065】
具体的には、エジェクタチューブ23の上側壁2341と集煙フード13の底壁との間の間隔は30~50mmである。なお、集煙フード13は、油煙を集煙フード13の側壁に沿ってレンジフード100に入れ、油煙を案内する役割を果たす。エジェクタチューブ23の上側壁2341と集煙フード13の底壁との間の間隔は30~50mmであり、このようにして、気流が良好なジェット効果を有し、良好な油煙吸収効果を達成する。具体的には、エジェクタチューブ23の上側壁2341と集煙フード13の底壁との間の間隔が30~50mmである場合、エジェクタチューブ23の油煙に対するジェット範囲が大きく、強力なジェット巻き取り作用を発揮することができ、すなわち、油煙が大きい場合、多くの油煙がレンジフードの外側に逃げ、この時にエジェクタチューブ23で噴射された気流の案内で、油煙が吸気口に流れることができ、これによって集煙フード13から遠い油煙のジェットを実現する。
【0066】
いくつかの実施例では、
図1及び
図2に示すように、エジェクタチューブ23の水平投影は集煙フード13の水平投影内にあり、エジェクタチューブ23の上流端Aと集煙フード13の外縁との間の距離は0~100mmである。このようにして、集煙フード13の底部とエジェクタチューブ23の上側壁2341との間に限定的な空間が形成され、良好なガイド役割を果たす。水平方向において、エジェクタチューブ23と集煙フード13とは適切な距離を有し、気流が良好なジェット効果を有し、これによって良好な油煙吸収効果を達成する。
【0067】
いくつかの実施例では、
図1及び
図3に示すように、排気源21は主筐体1内の排気ファン14の上方に位置する。なお、メインファンにとって、排気源21によって生成された風量が小さく、構造の寸法はより小さく設計されてもよい。したがって、排気源21を排気ファン14の上方に設けることにより、排気ファン14の上方の空間が十分に使用され、排気源21の設置はメインファンが位置する領域の空間を占有する必要がなく、メインファンの風量に対して過大な障害を引き起こすことを回避する。
【0068】
具体的には、排気源21は遠心ファンまたは斜流ファンであってもよく、風量が大きく、占有される空間が小さい。合理的な設置では、排気源21は上記の遠心ファンまたは斜流ファンに限定されず、排気源21は軸流ファンなどであってもよい。
【0069】
具体的には、排気源21はメインファンの上方の頂板に取り付けられ、排気源21の排気端は下向きに設置されてもよく、水平にまたは傾斜して設置されてもよい。
【0070】
具体的には、
図2及び
図12に示すように、排気ダクト22は、下向きの延在部分222、複数の分岐部分223、及び曲管224を含む。下向きの延在部分222は主筐体1内に縦方向に設けられ、分岐部分223は主筐体1の底部に設けられ、下向きの延在部分222の底部が複数の分岐部分223に接続される。曲管224は主筐体1の下方に位置し、曲管224の上端が主筐体1内に伸びて分岐部分223の端部に接続され、曲管224の下端がエジェクタチューブ23の端部に接続される。複数の分岐部分223の設置により、気流がエジェクタチューブ23に流れる前に分離することができ、各噴射口231での気流のバランス噴射に有利である。
【0071】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、排気ダクト22は、上部ガイド部分221を含み、上部ガイド部分221は排気ファン14の上方に位置し、排気源21に接続され、上部ガイド部分221は水平に設けられて両端がそれぞれ1つの下向きの延在部分222に接続され、このようにして、気流が下向きの延在部分222に入る前にいくつか分配される。
【0072】
具体的な一実施例では、
図2に示すように、上部ガイド部分221が水平に設けられ、上部ガイド部分221の両端がそれぞれ1つの下向きの延在部分222に接続され、2つの下向きの延在部分222がそれぞれファンケース16の内部の左右の2つの側壁に位置し、各下向きの延在部分222の底部がそれぞれ2つの分岐部分223に接続され、すべての分岐部分223がいずれも集煙フード13内に位置する。なお、集煙フード13は頂壁と底壁とを有し、分岐部分223が集煙フード13の頂壁と底壁との間に位置する。そのため、中間層内に各下向きの延在部分222の底部には人の字形の三方構造が形成され、それを2つに分割し、それぞれ前側と後側に延在する。このように、レンジフードの左右両側には、排気風道はそれぞれ2本の管路を有する。
図2では、左側の2つの分岐部分223にはいずれも曲管224が接続され、2つの曲管224の下端が互いに向かって曲げ、1本のエジェクタチューブ23に接続される。各曲管224はいずれも円弧ベンドであり、曲管224の設置により、気流の流れ方向を垂直方向から水平方向にスムーズに移行させ、配管の抵抗力を低減し、気流の損失を低減することができる。
【0073】
別の具体的な実施例では、
図12及び
図13に示すように、排気ダクト22は上部ガイド部分221を備えなく、排気源21は下向きの延在部分222に直接接続され、下向きの延在部分222の底部が複数の分岐部分223に接続され、各分岐部分223の自由端が1つの曲管224に接続され、曲管224がエジェクタチューブ23に接続すされる。ここで、下向きの延在部分222はファンケース16内の後壁に位置し、複数の分岐部分223は集煙フード13の頂壁と底壁との間に位置する。
図12において、各エジェクタチューブ23は、一端のみで1つの曲管224が接続され、曲管224は円弧曲管である。
【0074】
図2及び
図12の2つの実施例から分かるように、気流を排気源21からエジェクタチューブ23に導く過程において、排気ダクト22は、気流をエジェクタチューブ23に均一に分布させるように、様々な分岐方式を設置することができる。
【0075】
さらに、排気ダクト22の管腔は、平らな断面構造が好ましく、メインファンの吸気への影響を低減でき、断面の形状は矩形、円形、楕円形などであってもよい。風道の延在中に、断面の面積は変化してもよいし、変化しなくてもよい。集煙フード12の頂壁と底壁との間の中間層の空間に入った後、排気ダクト22は1つまたは複数の分岐管路を分割されて、下方のエジェクタチューブ23に接続されることができる。各エジェクタチューブ23は複数の箇所で排気ダクト22と連通することができ、複数の箇所の入気は排気管22及びエジェクタチューブ23の流体の抵抗力を減少させ、エジェクタチューブ23の気流の速度の均一性を増加させることができる。
【0076】
選択可能ないくつかの実施例では、
図14及び
図15に示すように、排気ダクト22内にはガイド構造225が設けられる。例えば、
図14に示すように、下向きの延在部分222と分岐部分223との接続箇所にはガイド構造225が設けられてもよく、また例えば、
図15に示すように、分岐部分223と曲管224との接続箇所にはガイド構造225が設けられる。ガイド構造225の設置により、気流の流れに有利であり、気流の流れ中の抵抗力を減少させ、気流の損失を減少させ、排気装置2のジェット効果を向上させることができる。
【0077】
以上のように、本出願の実施例に係るレンジフード100において、設計された噴流排気装置を使用して、周囲に拡散した油煙をメインファンによって形成された負圧領域111に再集めて、メインファンに吸い込む。二重ファン風道システムの共同の作用で、従来の単一ファンシステムに比べて、メインファンの風量を大幅に低減することができる場合、依然として良好な油煙吸収効果を実現でき、良好な外界環境の悪化を防ぐ能力を有する。したがって、本出願は、良好な油煙吸収効果を実現できることに加えて、メインファンの消費電力と騒音(低風量、低回転速度)を大幅に低減することもできる。省エネと環境保護の観点からも、ユーザの体験の良い観点からも、製品を画期的に向上させることができる。
【0078】
以下、
図1~
図6を参照して本出願の具体的な一実施例におけるレンジフード100を説明する。
【0079】
本出願の実施例に係るレンジフード100は、主筐体1と排気装置2とを含む。
【0080】
主筐体1の底部は集煙フード13として形成され、主筐体1は吸気口11と排気口12を有し、吸気口11が主筐体1の底部に位置して吸気口11の下方に負圧領域111を形成し、吸気口11の軸線は縦方向に設けられる。
【0081】
排気装置2は、排気源21、排気ダクト22及びエジェクタチューブ23を含み、排気源21は排気ダクト22を介して気流をエジェクタチューブ23に導く。
【0082】
エジェクタチューブ23は、主筐体1の下方に位置し、主筐体1の底壁から離間し、エジェクタチューブ23は、吸気口11の軸線に向かう側に噴射口231が設けられる。煙道ガスの流れ方向においてエジェクタチューブ23は上流端Aと下流端Bとを有し、エジェクタチューブ23は上側壁2341と下側壁2342とを含み、上側壁2341と下側壁2342とが上流端Aで接続され、上側壁2341と下側壁2342とが下流端Bに噴射口231を形成し、エジェクタチューブ23のチューブ断面は翼形形状であり、エジェクタチューブ23の上流端Aが翼形形状の前縁に位置し、エジェクタチューブ23の下流端Bが翼形形状の後縁に位置する。上側壁2341と下側壁2342は対称的に設けられた弧状壁234として形成され、上側壁2341の上面と下側壁2342の下面はいずれもコアンダ面である。
【0083】
エジェクタチューブ23のチューブ断面では、エジェクタチューブ23の上流端Aと下流端Bとの結線を第1の結線とし、第1の結線に垂直な方向において上側壁2341と下側壁2342との間の隔離が最も遠い点の結線を第2の結線とし、エジェクタチューブ23の上流端Aと第2の結線との距離はL1であり、エジェクタチューブ23の下流端Bと第2の結線との距離はL2であり、上側壁2341と第1の結線との最も遠い距離はH1であり、下側壁2342と第1の結線との最も遠い距離はH2であり、H1とH2は等しく、L1とH1の比は0.8から1.5の間であり、L2とH1の比は2から4の間である。噴射口231は、エジェクタチューブの延在方向に沿って配列された複数の噴孔2311であり、噴孔2311は丸孔である。噴孔2311の直径寸法は1mm~5mmの間であり、隣接する噴孔2311の間の孔距離は噴孔2311の直径寸法の2.5~4倍である。エジェクタチューブ23の水平投影は集煙フード13の水平投影内にあり、エジェクタチューブ23の上流端Aと集煙フード13の外縁との間の距離は0~100mmである。
【0084】
排気ダクト22は、上部ガイド部分221、下向きの延在部分222、複数の分岐部分223及び複数の曲管224を含む。上部ガイド部分221は排気ファン14の上方に位置し、排気源21に接続される。下向きの延在部分222はそれぞれ上部ガイド部分221の両端から下方に延在し、上部ガイド部分221及び2つの下向きの延在部分222は主筐体1内に位置する。各下向きの延在部分222の底部はいずれも複数の分岐部分223に接続され、各分岐部分は曲管224を介してエジェクタチューブ23に接続される。
【0085】
本出願の実施例に係るレンジフード100の回路基板やモータなどの他の構成及び操作は、当業者にとっては周知のことであり、ここでは説明を省略する。
【0086】
本明細書の説明では、「実施例」、「例」などの参照用語の説明は、当該実施例または例と併せて説明された具体的な特徴、構造、材料または特性が本実施例の少なくとも1つの実施例または例に含まれていることを意味する。本明細書では、上記用語に対する例的な説明は、必ずしも同じ実施例または例を指すものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料または特性は、いずれも1つまたは複数の実施例において、適切に結合することができる。
【0087】
本出願の実施例を示して説明したが、当業者であれば、本願の原理と趣旨を逸脱しないに限らず、これらの実施例に対して様々な変化、修正、置換、変形を行うことができ、本願の範囲は請求項及びその均等物によって限定されることが理解することができる。
【符号の説明】
【0088】
100 レンジフード
1 主筐体
11 吸気口
111 負圧領域
12 排気口
13 集煙フード
14 排気ファン
15 凝縮板
16 ファンケース
2 排気装置
21 排気源
22 排気ダクト
221 上部ガイド部分
222 下向きの延在部分
223 分岐部分
224 曲管
225 ガイド構造
23 エジェクタチューブ
231 噴射口
2311 噴孔
2312 スリット
ブ2313 ガイドスペーサーリ
A 上流端
B 下流端
234 弧状壁
2341 上側壁
2342 下側壁