(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】充電方法、駆動用電池の電池管理システム及び充電スタンド
(51)【国際特許分類】
H02J 7/04 20060101AFI20231110BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231110BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H02J7/04 F
H02J7/00 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2021575017
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2021074181
(87)【国際公開番号】W WO2022160188
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】熊 淑云
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲衛▼平
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-117685(JP,A)
【文献】特開2019-021608(JP,A)
【文献】特開平10-210675(JP,A)
【文献】特開2002-125326(JP,A)
【文献】特開2010-272470(JP,A)
【文献】国際公開第2022/160186(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
H02J 7/00
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動用電池を充電するための充電方法であって、
パルス充電モードに入るか否かを決定するステップであって、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである、ステップと、
前記パルス充電モードに入ることを決定する場合に、前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定するステップと、
充電スタンドにパルス充電情報を送信するステップであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる、ステップと、
を含むことを特徴とする充電方法。
【請求項2】
前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
パルス充電モードに入るか否かを決定する前記ステップは、
前記電池状態パラメータに基づき、
前記パルス充電モードに入ることを決定するステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記電池状態パラメータは前記駆動用電池の電池温度を含み、
前記電池状態パラメータに基づき、パルス充電モードに入ることを決定する前記ステップは、
前記電池温度が温度閾値以下である場合、前記パルス充電モードに入ることを決定するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電池温度が前記温度閾値よりも高い場合、前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示するための終了指示情報を前記充電スタンドに送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
駆動用電池を充電するための充電方法であって、
充電スタンドは前記駆動用電池の電池管理システムBMSから
パルス充電モードに入ることを決定する場合に送信されたパルス充電情報を受信するステップであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられ、
前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである、ステップと、
前記充電スタンドは前記パルス充電需要パラメータに基づき、前記駆動用電池に前記パルス電流を出力するステップと、
を含むことを特徴とする充電方法。
【請求項8】
前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パルス充電需要パラメータは前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づいて決定されることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記充電スタンドは前記駆動用電池の電池温度が温度閾値よりも高い時に
前記電池管理システムBMSが送信した終了指示情報を受信するステップであって、前記終了指示情報は前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである、ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項12】
駆動用電池の電池管理システムであって、
パルス充電モードに入るか否かを決定するための処理ユニットであって、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードであり、前記処理ユニットはさらに、前記パルス充電モードに入ることを決定する場合に、前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、
パルス充電需要パラメータを決定することに用いられる、処理ユニットと、
充電スタンドにパルス充電情報を送信するための通信ユニットであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる通信ユニットと、
を含むことを特徴とする駆動用電池の電池管理システム。
【請求項13】
前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載の電池管理システム。
【請求項14】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12又は13に記載の電池管理システム。
【請求項15】
前記処理ユニットは、
具体的には、
前記電池状態パラメータに基づき、
前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられることを特徴とする請求項12又は13に記載の電池管理システム。
【請求項16】
前記電池状態パラメータは前記駆動用電池の電池温度を含み、前記処理ユニットは具体的には、
前記電池温度が温度閾値以下である場合、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられることを特徴とする請求項15に記載の電池管理システム。
【請求項17】
前記通信ユニットは、さらに、
前記電池温度が前記温度閾値よりも高い場合、前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示するための終了指示情報を前記充電スタンドに送信することに用いられることを特徴とする
請求項16に記載の電池管理システム。
【請求項18】
駆動用電池を充電するための充電スタンドであって、
前記駆動用電池の電池管理システムBMSから
パルス充電モードに入ることを決定する場合に送信されたパルス充電情報を受信するための通信ユニットであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられ、
前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである通信ユニットと、
前記パルス充電需要パラメータに基づき、前記駆動用電池に前記パルス電流を出力するための処理ユニットと、を含むことを特徴とする充電スタンド。
【請求項19】
前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項18に記載の充電スタンド。
【請求項20】
前記パルス充電需要パラメータは前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づいて決定されることを特徴とする請求項18又は19に記載の充電スタンド。
【請求項21】
前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の充電スタンド。
【請求項22】
前記通信ユニットは、さらに、
前記駆動用電池の電池温度が温度閾値よりも高い時に
前記電池管理システムBMSが送信した終了指示情報を受信することに用いられ、前記終了指示情報は前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードであることを特徴とする請求項18又は19に記載の充電スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は駆動用電池の技術分野に関し、より具体的には、充電方法、駆動用電池の電池管理システム及び充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会のエネルギー不足及び環境汚染問題の深刻化に伴い、電気自動車は新エネルギー自動車として発売されると、あらゆる分野から注目を集めている。しかしながら、その充電問題は終始その発展を制限する重要な要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、如何に電気自動車の効果的な充電を確保するかは、解決を急ぐべき問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は充電方法、駆動用電池の電池管理システム及び充電スタンドを提供しており、電気自動車の通常の充電を効果的に確保することができる。
【0005】
第1態様では、駆動用電池を充電するための充電方法を提供しており、前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定するステップと、充電スタンドにパルス充電情報を送信するステップであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる、ステップと、を含む。
【0006】
上記技術案では、BMSは駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定し、次に充電スタンドはBMSから送信されたパルス充電需要パラメータに基づき、駆動用電池にパルス電流を出力でき、このようにして、いくつかのシーンで充電スタンドから出力した電圧及び電流の範囲が駆動用電池にマッチングできない問題を回避でき、それにより、駆動用電池の通常の充電が確保される。また、電池状態パラメータは駆動用電池の状態を最もよく反映できるパラメータであってもよく、電池状態パラメータに基づいて変換されるパルス電流は駆動用電池の通常の給電を効果的に確保することができる。
【0007】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含む。
【0009】
いくつかの可能な実施例では、前記方法は、前記電池状態パラメータに基づき、パルス充電モードに入ることを決定するステップであって、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである、ステップをさらに含む。
【0010】
電池状態パラメータは駆動用電池の状態を最もよく反映できるパラメータであってもよいため、上記技術案は電池状態パラメータに基づいてパルス充電モードに入ることを決定することで、パルス充電モードに入る正確率を向上させることができる。
【0011】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは前記駆動用電池の電池温度を含み、前記電池状態パラメータに基づき、パルス充電モードに入ることを決定する前記ステップは、前記電池温度が温度閾値以下である場合、前記パルス充電モードに入ることを決定するステップを含む。
【0012】
低温環境では、BMSはパルス充電モードに入り、充電スタンドにパルスパルス電流を出力させることで、リチウム電池が低温環境で充電できない問題を回避する。従来の方式に比べて、上記技術案は、駆動用電池を予熱するために電池パック内に加熱装置を設置する必要がなくなり、充電時間を大幅に短縮させ、電池温度が迅速に高くなり、駆動用電池の充電効率が効果的に向上する。さらに、電池パック内に加熱装置を設置する必要がないため、上記技術案は駆動用電池の重量及びコストを削減することもできる。
【0013】
いくつかの可能な実施例では、前記方法は、前記電池温度が前記温度閾値よりも高い場合、前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示するための終了指示情報を前記充電スタンドに送信するステップをさらに含む。
【0014】
第2態様では、駆動用電池を充電するための充電方法を提供しており、充電スタンドは前記駆動用電池の電池管理システムBMSから送信されたパルス充電情報を受信するステップであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる、ステップと、前記充電スタンドは前記パルス充電需要パラメータに基づき、前記駆動用電池に前記パルス電流を出力するステップと、を含む。
【0015】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含む。
【0016】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電需要パラメータは前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づいて決定される。
【0017】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含む。
【0018】
いくつかの可能な実施例では、前記方法は、前記充電スタンドは前記駆動用電池の電池温度が温度閾値よりも高い時に、前記BMSが送信した終了指示情報を受信するステップであって、前記終了指示情報は前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである、ステップをさらに含む。
【0019】
第3態様では、駆動用電池の電池管理システムを提供しており、前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定するための処理ユニットと、充電スタンドにパルス充電情報を送信するための通信ユニットであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる通信ユニットと、を含む。
【0020】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含む。
【0021】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含む。
【0022】
いくつかの可能な実施例では、前記処理ユニットは、さらに、前記電池状態パラメータに基づき、パルス充電モードに入ることを決定することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである。
【0023】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは前記駆動用電池の電池温度を含み、前記処理ユニットは具体的には、前記電池温度が温度閾値以下である場合、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0024】
いくつかの可能な実施例では、前記通信ユニットは、さらに、前記電池温度が前記温度閾値よりも高い場合、前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示するための終了指示情報を前記充電スタンドに送信することに用いられる。
【0025】
第4態様では、駆動用電池を充電するための充電スタンドを提供しており、前記駆動用電池の電池管理システムBMSから送信されたパルス充電情報を受信するための通信ユニットであって、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる通信ユニットと、前記パルス充電需要パラメータに基づき、前記駆動用電池に前記パルス電流を出力することに用いられる処理ユニットと、を含む。
【0026】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含む。
【0027】
いくつかの可能な実施例では、前記パルス充電需要パラメータは前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づいて決定される。
【0028】
いくつかの可能な実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含む。
【0029】
いくつかの可能な実施例では、前記通信ユニットは、さらに、前記駆動用電池の電池温度が温度閾値よりも高い時に前記BMSが送信した終了指示情報を受信することに用いられ、前記終了指示情報は前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである。
【0030】
第5態様では、駆動用電池の電池管理システムを提供しており、プロセッサ及びメモリを含む。該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して実行して、上記第1態様又はその各実現方式における方法を実行することに用いられる。
【0031】
第6態様では、充電スタンドを提供しており、プロセッサ及びメモリを含む。該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該メモリに記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して実行して、上記第2態様又はその各実現方式における方法を実行することに用いられる。
【0032】
第7態様では、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供しており、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記コンピュータプログラムは上記第1態様又はその各実現方式における方法を実行することに用いられる。
【0033】
第8態様では、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供しており、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記コンピュータプログラムは上記第2態様又はその各実現方式における方法を実行することに用いられる。
【0034】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、本願の実施例において使用される図面を簡単に説明し、明らかなように、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに、さらに図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本願の実施例に係る充電方法の適用可能な応用アーキテクチャの概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る充電方法の概略フローチャートである。
【
図3】
図2に示される充電方法の一つの具体的な概略フローチャートである。
【
図4】本願の実施例に係る駆動用電池の電池管理システムの概略ブロック図である。
【
図5】本願の実施例に係る充電スタンドの概略ブロック図である。
【
図6】本願の実施例に係る駆動用電池の電池管理システムの別の概略ブロック図である。
【
図7】本願の実施例に係る充電スタンドの別の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願の実施例の目的、技術案、及びメリットをより明確に説明するために、以下において、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術案について明確に説明する。明らかなように、説明される実施例は本願のいくつかの実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに得るその他の実施例は、いずれも本願の範囲に属するものとなる。
【0037】
特に定義されていない限り、本願で使用される全ての専門用語又は科学用語は当業者が理解できる通常の意味であり、本願では、出願の明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限するためのものではなく、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における用語「第1」、「第2」等は、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではなく、異なる対象を区別するために使用される。
【0038】
本願に言及される「実施例」は、実施例を参照しながら説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書のさまざまな位置に該句が出現しているが、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的な独立した又は代替の実施例でもない。当業者は、本願において説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的又は暗黙的に理解できる。
【0039】
ただし、本願の説明において、特に明確に規定及び限定されていない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「アタッチ」などの用語は広義に理解されるべきであり、たとえば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的接続であってもよく、直接接続、中間媒体を介した間接接続、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願での上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0040】
本願の「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明するためのものに過ぎず、3種の関係が存在することを示し、たとえば、A及び/又はBの場合、Aが単独で存在し、AとBとが同時に存在し、Bが単独で存在するという3種の状況を指す。また、本願の「/」という文字は、一般的に前後の関連対象が「又は」という関係であることを示す。
【0041】
本願において出現する「複数」とは、2つ以上でありかつ2つも含まれることを指し、同様に、「複数のセット」とは、2セット以上であり且つ2セットも含まれることを指し、「複数枚」とは、2枚以上であり且つ2枚も含まれることを指す。
【0042】
電気自動車の充電問題は終始その発展を制限する主な要素であり、いくつかの特殊なシーンでは、充電スタンドが出力できる電圧及び電流の範囲は駆動用電池とマッチングできない。たとえば、低温のシーンでは、充電スタンドが出力できる最小電圧又は電流により充電過程においてリチウム析出の発生を引き起こして、駆動用電池に対する通常の充電を実現できない恐れがある。また、場合によっては、充電スタンドと駆動用電池との間は電力変換を行う必要があり、たとえば、電圧変化、電流変化、電力状態変化、電流、電圧、電力タイミング変化等である。
【0043】
上記事情に鑑みて、本願の実施例は充電方法を提供しており、駆動用電池の通常の充電を効果的に確保できる。
【0044】
図1は本願の実施例の充電方法の適用可能な応用アーキテクチャの概略図であり、実線は電力線を示し、破線は通信線を示す。該応用アーキテクチャは電池管理システム(Battery Management System、BMS)10及び充電スタンド20を含み、BMS10は通信線を介して充電スタンド20と接続されて、充電スタンド20と情報交換を行う。たとえば、通信線はコントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)通信線又はデイジーチェーン通信線であってもよい。
【0045】
BMS10は駆動用電池のBMSであり、駆動用電池は電力消費装置に動力源を提供する電池である。選択可能に、駆動用電池は動力蓄電池であってもよい。電池の種類という点から、該駆動用電池はリチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛酸電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池等であってもよく、本願の実施例において具体的に限定しない。電池の規模という点から、本願の実施例の駆動用電池はセル/単電池であってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、本願の実施例において具体的に限定しない。選択可能に、電力消費装置は車両、船又は宇宙船等であってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。BMSは駆動用電池が安全に使用できるように保護する制御システムであり、充放電管理、高電圧制御、電池保護、電池データの収集、電池状態の評価等の機能を果たす。BMSは駆動用電池と同じ機器/装置内に統合されてもよく、又は、BMSは独立した機器/装置として駆動用電池の外部に設置されてもよい。
【0046】
充電スタンド20は、充電器とも呼ばれ、駆動用電池を充電するための装置である。充電スタンドはBMS10の充電需要に応じて充電電力を出力して、駆動用電池を充電することができる。たとえば、充電スタンド20はBMS10から送信された需要電圧及び需要電流に応じて電圧及び電流を出力することができる。
【0047】
図2は本願の一実施例に係る充電方法200の概略フローチャートである。理解されるように、
図2のステップ又は操作は例に過ぎず、本願の実施例は他の操作又は
図2のさまざまな操作の変形をさらに実行できる。また、
図2の各ステップはそれぞれ
図2に示される順序とは異なる順序で実行されてもよく、且つ
図2のすべての操作を実行する必要はない場合もある。
【0048】
方法200におけるBMSは、たとえば、
図1のBMS10であってもよく、充電スタンドは、たとえば、
図1の充電スタンド20であってもよい。以下、電力消費装置が電気自動車であることを例として、方法200を説明するが、理解されるように、本願の実施はこれに制限されない。方法200は以下のステップの一部又は全部を含んでもよい。
ステップ210では、BMSは駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定する。
【0049】
電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態(State of Charge、SOC)という駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含むがそれらに制限されない。パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要のうちの少なくとも1種を含んでもよい。たとえば、パルス充電需要パラメータは、パルス電圧ピーク需要値、パルス電流実効値需要値、パルス電流ピーク需要値、パルス方向需要、及びパルス周波数需要値を含んでもよい。
【0050】
一実現方式では、BMSは駆動用電池の電池状態パラメータ及び電池状態パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係に基づき、パルス充電需要パラメータを決定してもよい。
【0051】
選択可能に、電池状態パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係はBMSに予め設定されてもよい。たとえば、電池状態パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係は表の形でBMS上に予め設定されてもよく、このように、BMSは内部ルックアップテーブルによってパルス充電需要パラメータを決定することができる。例を挙げて、電池状態パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係は表1に示されてもよく、表1の第1行はSOCであり、第1列は電池温度であり、A、B及びCはパルス電流需要値である。BMSはSOC、電池温度及び表1に基づいてパルス電流需要値を決定でき、電池温度が-10℃であり、SOCが30%である場合、BMSはパルス電流需要値がBであることを決定できる。
【0052】
【0053】
理解されるように、表1は例に過ぎず、SOCは必ずしも0-100%ではなく、電池温度及びSOCの勾配値も必ずしも表1に示されるものではない。さらに理解されるように、電池状態パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係は線形関係であってもよく、非線形関係であってもよい。
【0054】
選択可能に、電池状態パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係はBMSによって他の機器から取得されてもよい。
【0055】
別の実現方式では、BMSはまず電池状態パラメータに基づいて直流充電需要パラメータを決定し、次に直流充電需要パラメータに基づいてパルス充電需要パラメータを決定してもよい。
【0056】
具体的には、直流充電需要パラメータは、電圧需要値、電流需要値及び充電スタンドの出力モードの少なくとも1種を含んでもよい。充電スタンドの出力モードは定電流モード又は定電圧モードであり、定電圧モードでは、充電スタンドの出力電圧は電圧需要値を満たすべきであり、出力電流が電流需要値を超えてはならず、定電流モードでは、充電スタンドの出力電流は電流需要値を満たすべきであり、出力電圧は電圧需要値を超えてはならない。BMSは直流充電需要パラメータに基づいて内部計算を行って、それによりパルス充電需要パラメータを得てもよく、又は、BMSは決定された直流充電需要パラメータ及び直流充電需要パラメータとパルス充電需要パラメータとの対応関係に基づき、パルス充電需要パラメータを決定してもよい。
【0057】
ステップ210の前、BMSはまずパルス充電モードに入り、さらに電池状態パラメータに基づいて駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断する。電池状態パラメータがパルス充電条件を満たす場合、BMSはステップ210を実行し、電池状態パラメータがパルス充電条件を満たさない場合、BMSはパルス充電モードから直流充電モードに切り替わる。
【0058】
パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードであり、直流充電モードは定電圧又は定電流を使用する充電モードである。
【0059】
たとえば、電池状態パラメータが電池温度を含む場合、電池温度が温度閾値(たとえば、温度閾値が5℃である)以下であると、BMSは駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすと決定し、ステップ210を実行する。又は、電池状態パラメータがSOCを含む場合、SOCがSOC閾値以下であると、BMSは駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすと決定し、ステップ210を実行する。さらに又は、電池状態パラメータが電池温度及びSOCを含む場合、電池温度は温度閾値以下で且つSOCがSOC閾値以下であると、BMSは駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすと決定し、ステップ210を実行する。
【0060】
電気自動車の低温環境での充電問題を解決するために、現在、市販されている電気自動車の駆動用電池に熱管理システムが配置されることは多い。駆動用電池の温度が低すぎる時、熱管理システムは一部の電気エネルギーを熱エネルギーに転化して、電池パック全体を加熱する。この予熱方式により駆動用電池が適切な温度にあり、これをもとに、充電スタンドは駆動用電池を充電する。しかしながら、この予熱方式は駆動用電池の温度を上昇させた後にそれを充電し、駆動用電池の温度上昇に限界があるため、低温環境で電気自動車の充電時間が長すぎるという問題を徹底的に解決できない。また、駆動用電池内に熱管理システムを配置すると、駆動用電池の重量を増加させるだけでなく、駆動用電池のコストを増加させる。
【0061】
上記技術案では、低温環境では、BMSはパルス充電モードに入り、充電スタンドにパルスパルス電流を出力させ、それにより駆動用電池に対する通常の充電が実現可能である。上記従来の方式に比べて、本願の実施例は駆動用電池を予熱するために電池パック内に加熱装置を設置する必要がなく、それにより、充電時間を大幅に短縮させることができ、それにより電池温度が迅速に高くなり、駆動用電池の充電効率が効果的に向上する。さらに、電池パック内に加熱装置を設置する必要がないため、上記技術案は駆動用電池の重量及びコストを削減させることができる。
【0062】
一方、電池状態パラメータが電池温度を含む場合、電池温度が温度閾値よりも高いと、BMSは駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たさないと決定し、BMSがパルス充電モードから直流充電モードに切り替わる。
【0063】
別の可能な実現方式では、BMSはまず直流充電モードに入り、さらに電池状態パラメータに基づいて駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断してもよい。電池状態パラメータがパルス充電条件を満たす場合、BMSが直流充電モードからパルス充電モードに切り替わり、電池状態パラメータがパルス充電条件を満たさない場合、BMSが直流充電モードを継続的に維持する。
【0064】
別の可能な実施例では、BMSは電池状態パラメータを取得した後、電池状態パラメータに基づいてパルス充電モードに入るか直流充電モードに入るかを決定してもよい。
【0065】
ステップ220では、BMSは充電スタンドにパルス充電情報を送信する。
【0066】
パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、パルス充電需要パラメータは充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、パルス電流は駆動用電池を充電することに用いられる。つまり、パルス充電需要パラメータはパルス充電モードを指示することに用いられる。
【0067】
たとえば、BMSは充電スタンドに第1メッセージを送信することができ、該第1メッセージに含まれる内容は表2に示されてもよい。
【0068】
【0069】
ただし、本願の実施例のパルス電流はパルス電流波形又はパルス充電波形とも呼ばれる。
【0070】
充電スタンドは所定時間内にBMSから送信された充電情報を受信しなかった場合、充電スタンドは充電過程を終了することができる。たとえば、該所定時間は1sであってもよい。
【0071】
又は、充電スタンドは駆動用電池の状態が直流充電条件を満たすと判定してもよく、パルス充電モードから直流充電モードに切り替わる。たとえば、充電スタンドは直流充電モードに直接切り替わってもよく、またたとえば、充電スタンドは、駆動用電池の状態が直流充電条件を満たすかどうかを照会するための照会情報をBMSに送信し、充電スタンドがBMSから送信された肯定情報を受信した場合、充電スタンドはBMSに直流電流を出力でき、充電スタンドがBMSから送信された否定応答情報(たとえば、Negative Acknowledgment情報)を受信した場合、充電スタンドは直ちに充電を終了できる。
【0072】
従来の充電プロトコルとよりよくマッチングするために、BMSは充電スタンドに直流充電需要パラメータを送信してもよい。一例として、第1メッセージは直流充電需要パラメータを含んでもよい。別の例として、直流充電需要パラメータは電池充電需要(BCL)メッセージにベアラされてもよく、BCLメッセージに含まれる具体的な内容は表3に示されてもよい。
【0073】
【0074】
選択可能に、BMSは充電スタンドにBCLメッセージと第1メッセージとを同時に送信してもよく、充電スタンドに第1メッセージを送信した後、BCLメッセージを送信してもよく、又は、BMSは充電スタンドにBCLメッセージを送信した後、第1メッセージを送信してもよく、本願の実施例はこれに対して具体的に限定しない。
【0075】
ステップ230では、充電スタンドはパルス充電需要パラメータに基づき、駆動用電池を充電するためのパルス電流を駆動用電池に出力する。
【0076】
さらに、方法200は、パルス充電過程において、BMSが駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかをリアルタイムに判断するステップをさらに含んでもよい。駆動用電池の現在の時点での状態がパルス充電条件を満たす場合、BMSはパルス充電モードを継続的に維持し、駆動用電池の現在の時点での状態がパルス充電条件を満たさない場合、BMSはパルス充電モードを終了する。
【0077】
一例として、BMSは予め設定した期間おきに駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断してもよい。たとえば、BMSは1sおきに駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断してもよい。
【0078】
選択可能に、該予め設定した期間はBMSと充電スタンドにより交渉されてもよい。
選択可能に、該予め設定した期間はBMSにより自ら決定されてもよい。
【0079】
別の例として、BMSは電池状態パラメータを取得すると、駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断する。つまり、BMSは電池状態パラメータを取得するたびに、駆動用電池の状態がパルス充電条件を満たすかどうかを判断する。
【0080】
駆動用電池の現在の時点での状態がパルス充電条件を満たす場合、充電スタンドが充電過程をリアルタイムに監視して駆動用電池の充電に最適なパルス電流を出力するために、BMSは充電スタンドにパルス充電測定パラメータをリアルタイムに報告してもよく、パルス充電測定パラメータは、パルス充電電圧測定値、パルス充電電流測定値、パルス方向、及びパルス周波数測定値の少なくとも1種を含むがそれらに制限されない。選択可能に、BMSはパルス充電測定パラメータを含む第2メッセージを充電スタンドに送信してもよい。たとえば、第2メッセージに含まれる内容は表4に示されてもよい。
【0081】
【0082】
充電スタンドは第2メッセージを受信した後、パルス充電測定パラメータに基づいて、駆動用電池に出力するパルス電流をリアルタイムに調整できる。このように、充電スタンドは現在の時点での駆動用電池の状態に最適なパルス電流を出力でき、それにより、さらに充電効率を向上させることができる。
【0083】
充電スタンドは、たとえば、5s以内に第2メッセージを受信しなかった場合、充電スタンドは駆動用電池へのパルス充電を終了することができる。たとえば、充電スタンドは直ちにパルス充電を終了することができる。
【0084】
第1メッセージ以外、BMSは充電スタンドに電池充電状態(Battery Charge State、BCS)メッセージを送信してもよく、BCSメッセージは、充電電圧測定値、充電電流測定値、駆動用電池単体の最大電圧及びその番号、現在のSOC、及び推定された残り充電時間の少なくとも1つを含んでもよい。たとえば、BCSメッセージに含まれる内容は表5に示されてよい。
【0085】
【0086】
第1メッセージ及びBCLメッセージと同様に、BSMは充電スタンドに第2メッセージとBCSメッセージとを同時に送信してもよく、又は、第2メッセージを送信した後、BCSメッセージを送信してもよく、又は、BCSメッセージを送信した後、第2メッセージを送信してもよい。
【0087】
さらに、パルス充電過程において、BMSが充電スタンドの現在の時点で出力したパルス電流、パルス電圧等の情報を監視するために、充電スタンドはBMSに第3メッセージを送信してもよく、該第3メッセージは、パルス充電電圧出力値、パルス充電電流出力値、パルス方向及びパルス周波数出力値等を含む。たとえば、第3メッセージに含まれる内容は表6に示されてもよい。
【0088】
【0089】
選択可能に、BMSは所定時間内に第3メッセージを受信しなかった場合、BMSはパルス充電を終了することができる。たとえば、BMSは直ちにパルス充電を終了してもよく、又は、BMSはパルス充電から直流充電に切り替わってもよい。
【0090】
同様に、従来の充電プロトコルによりよく対応するために、充電スタンドはBMSに直流充電出力パラメータを送信してもよい。一例として、第3メッセージは直流充電出力パラメータを含んでもよい。別の例として、直流充電出力パラメータは、たとえば、充電スタンド充電状態(Charger Charging State、CCS)メッセージにベアラしてもよく、CCSメッセージに含まれる具体的な内容は、たとえば、表7に示されてもよい。
【0091】
【0092】
本願の実施例では、方法200は、電池状態パラメータがパラメータ閾値に達し、たとえば、電池温度が10℃に達する場合、BMSはパルス充電モードを終了することができるステップをさらに含んでもよい。同時に、BMSは、充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示するための終了命令を充電スタンドに送信してもよい。
【0093】
選択可能に、終了命令は1ビットを含んでもよく、ビット「1」は、充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示し、ビット「0」は、充電スタンドがパルス充電モードを維持するように指示する。又は、終了命令は複数のビットを含んでもよく、複数のビットが同じである場合、充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示し、複数のビットのうち少なくとも2つのビットが異なる場合、充電スタンドがパルス充電モードを維持するように指示する。
【0094】
本願の実施例をより明確に説明するために、以下、
図3を参照しながら方法200の1つの具体的な実現過程を詳細に説明する。理解されるように、
図3は当業者が本願の実施例をよりよく理解するためのものに過ぎず、本願の実施例の範囲を制限するものではない。
【0095】
310では、BMSは電池状態パラメータに基づき、パルス充電モードに入るかどうかを判断する。
【0096】
たとえば、BMSは電池温度と温度閾値とを比較し、温度閾値が5℃であると仮定する。電池温度が5℃以下である場合、BMSはパルス充電モードに入ることを決定し、ステップ320を実行し、電池温度が5℃よりも高い場合、BMSは直流充電モードに入ることを決定する。
【0097】
320では、BMSは電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定する。
【0098】
パルス充電需要パラメータは、パルス電圧ピーク需要値、パルス電流実効値需要値、パルス電流ピーク需要値、パルス方向需要及びパルス周波数需要値を含む。
【0099】
330では、BMSは充電スタンドに第1メッセージ及びBCLメッセージを送信する。
【0100】
第1メッセージは、パルス充電需要パラメータを含み、BCLメッセージは電圧需要値、電流需要値及び充電モードを含む。
【0101】
充電スタンドは1s以内に第1メッセージ及び/又はBCLメッセージを受信した場合、ステップ340を実行し、充電スタンドは1s以内に第1メッセージ及び/又はBCLメッセージを受信しなかった場合、直ちに充電を終了する。
【0102】
340では、充電スタンドはパルス充電需要パラメータに基づいて駆動用電池にパルス電流を出力する。
【0103】
本願の実施例によれば、BMSは駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定し、次に充電スタンドはBMSから送信されたパルス充電需要パラメータに基づき、駆動用電池にパルス電流を出力でき、このように、いくつかのシーンで充電スタンドが出力した電圧及び電流の範囲が駆動用電池とマッチングできない問題を回避でき、それにより、駆動用電池の通常の充電を確保する。また、電池状態パラメータは駆動用電池の状態を最もよく反映できるパラメータであってもよく、電池状態パラメータに基づいて変換されるパルス電流は駆動用電池の通常の給電を効果的に確保できる。
【0104】
本願の実施例では、上記各過程の番号の大きさは実行順序を意味せず、各過程の実行順序はその機能及び内部ロジックによって決定されるべきであり、本願の実施例の実施過程を限定するものではない。
【0105】
また、矛盾しない限り、本願で説明される各実施例及び/又は各実施例の技術的特徴は任意に組み合わせることができ、組み合わせて得た技術案も本願の保護範囲に属すべきである。
【0106】
上記は本願の実施例の充電方法を詳細に説明しており、以下、本願の実施例の駆動用電池のBMSについて説明する。理解されるように、本願の実施例のBMSは本願の実施例の充電方法を実行でき、対応する方法を実行する機能を有する。
【0107】
図4は本願の実施例に係る駆動用電池のBMS400の概略ブロック図である。
図4に示すように、該BMS400は処理ユニット410と、通信ユニット420と、を含んでもよい。
【0108】
前記処理ユニット410は、前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づき、パルス充電需要パラメータを決定することに用いられる。
【0109】
前記通信ユニット420は、充電スタンドにパルス充電情報を送信することに用いられ、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる。
【0110】
選択可能に、本願の実施例では、前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含む。
【0111】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含む。
【0112】
選択可能に、本願の実施例では、前記処理ユニット410は、さらに、前記電池状態パラメータに基づき、パルス充電モードに入ることを決定することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである。
【0113】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは前記駆動用電池の電池温度を含み、前記処理ユニット410は具体的には、前記電池温度が温度閾値以下である場合、前記パルス充電モードに入ることを決定することに用いられる。
【0114】
選択可能に、本願の実施例では、前記通信ユニット420は、さらに、前記電池温度が前記温度閾値よりも高い場合、前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示するための終了指示情報を前記充電スタンドに送信することに用いられる。
【0115】
理解されるように、該BMS 400は該方法200におけるBMSの対応する操作を実現可能であり、簡潔さの点から、ここで詳細説明は省略する。
【0116】
図5は本願の実施例に係る充電スタンド500の概略ブロック図である。該充電スタンド500は駆動用電池を充電することに用いられ、
図5に示すように、該充電スタンド500は、通信ユニット510と、処理ユニット520と、を含む。
【0117】
前記通信ユニット510は、前記駆動用電池の電池管理システムBMSから送信されたパルス充電情報を受信することに用いられ、前記パルス充電情報はパルス充電需要パラメータを含み、前記パルス充電需要パラメータは前記充電スタンドがパルス電流を出力するように指示することに用いられ、前記パルス電流は前記駆動用電池を充電することに用いられる。
【0118】
前記処理ユニット520は、前記パルス充電需要パラメータに基づき、前記駆動用電池に前記パルス電流を出力することに用いられる。
【0119】
選択可能に、本願の実施例では、前記パルス充電需要パラメータは、パルス電流需要、パルス電圧需要、パルス方向需要、パルス周波数需要、パルス間隔需要及びパルス持続時間需要の少なくとも1つを含む。
【0120】
選択可能に、本願の実施例では、前記パルス充電需要パラメータは前記駆動用電池の電池状態パラメータに基づいて決定される。
【0121】
選択可能に、本願の実施例では、前記電池状態パラメータは、電池温度、電池電圧、電池容量及び電池の荷電状態SOCという前記駆動用電池のパラメータの少なくとも1つを含む。
【0122】
選択可能に、本願の実施例では、前記通信ユニット510は、さらに、前記駆動用電池の電池温度が温度閾値よりも高い時に前記BMSが送信した終了指示情報を受信することに用いられ、前記終了指示情報は前記充電スタンドがパルス充電モードを終了するように指示することに用いられ、前記パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を使用する充電モードである。
【0123】
理解されるように、該充電スタンド500は該方法200における充電スタンドの対応する操作を実現可能であり、簡潔さの点から、ここで詳細説明は省略する。
【0124】
図6は本願の別の実施例に係る駆動用電池のBMS600の概略ブロック図である。
図6に示すように、該BMS600はメモリ610及びプロセッサ620を含む。メモリ610はプロセッサ620に結合され、メモリ610はプログラム命令を記憶することに用いられ、プロセッサ620はメモリ610に記憶されているプログラム命令を呼び出して、上記した本願のさまざまな実施例の方法を実行することに用いられる。
【0125】
図7は本願の別の実施例に係る充電スタンド700の概略ブロック図である。
図7に示すように、該充電スタンド700はメモリ710及びプロセッサ720を含む。メモリ710はプロセッサ720に結合され、メモリ710はプログラム命令を記憶することに用いられ、プロセッサ720はメモリ710に記憶されているプログラム命令を呼び出して、上記した本願のさまざまな実施例の方法を実行することに用いられる。
【0126】
本願の実施例はコンピュータ読み取り可能記憶媒体をさらに提供しており、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記コンピュータプログラムは上記した本願のさまざまな実施例の方法を実行することに用いられる。
【0127】
なお、上記実施例は本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、上記実施例を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記各実施例に記載の技術案を変更し、又は一部の技術的特徴に対して同等置換を行うことができるが、それらの変更や置換により、対応する技術案の本質が本願の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0128】
10 電池管理システム(Battery Management System、BMS)
20 充電スタンド
200 充電方法
400 BMS
410 処理ユニット
420 通信ユニット
500 充電スタンド
510 通信ユニット
520 処理ユニット
600 BMS
610 メモリ
620 プロセッサ
700 充電スタンド
710 メモリ
720 プロセッサ