(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20231110BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2022118928
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2020000920の分割
【原出願日】2020-01-07
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】結城 崇
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/030340(WO,A1)
【文献】特開2004-091187(JP,A)
【文献】特開2002-197190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するサービス利用者情報取得部と、
前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する標準ケアプラン選択部と、
前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成する修正ケアプラン生成部と、
各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新部と、
を備え
、
前記標準ケアプラン更新部は、各標準ケアプランについて、
当該標準ケアプランから生成された1以上の前記修正ケアプランおよび当該標準ケアプランのうち、所定の観点に基づき選択したケアプランを、更新後の前記標準ケアプランとするか、または、
当該標準ケアプランから生成された1以上の前記修正ケアプランのうち、所定の観点に基づき選択したケアプランの一部または全部と、当該標準ケアプランの一部または全部とを組み合わせたケアプランを、更新後の前記標準ケアプランとする、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記標準ケアプラン選択部は、
選択ルールを用いて、前記サービス利用者情報に基づいて複数の標準ケアプランのうち何れかを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記標準ケアプラン選択部は、
学習済みモデルを用いて、前記サービス利用者情報に基づいて複数の標準ケアプランのうち何れかを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記学習済みモデルを学習させる学習部、
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記標準ケアプラン更新部は、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々を
、前記所定の観点としての第1観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第1条件を満たすケアプランを
、前記所定の観点に基づき選択したケアプランとして用いて、前記標準ケアプランを更新する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記標準ケアプラン更新部は、
前記ユーザを
、前記所定の観点としての第2観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第2条件を満たすユーザが利用したケアプランを
、前記所定の観点に基づき選択したケアプランとして用いて、前記標準ケアプランを更新する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記標準ケアプラン更新部は、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々に含まれるケアサービス内容を
、前記所定の観点としての第3観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第3条件を満たすケアサービス内容を含むケアプランを
、前記所定の観点に基づき選択したケアプランとして用いて、前記標準ケアプランを更新する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するサービス利用者情報取得部と、
前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する標準ケアプラン選択部と、
前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成する修正ケアプラン生成部と、
各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新部と、
を備え、
前記標準ケアプラン更新部は、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々を第1観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第1条件を満たすケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するサービス利用者情報取得部と、
前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する標準ケアプラン選択部と、
前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成する修正ケアプラン生成部と、
各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新部と、
を備え、
前記標準ケアプラン更新部は、
前記ユーザを第2観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第2条件を満たすユーザが利用したケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するサービス利用者情報取得部と、
前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する標準ケアプラン選択部と、
前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成する修正ケアプラン生成部と、
各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新部と、
を備え、
前記標準ケアプラン更新部は、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々に含まれるケアサービス内容を第3観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第3条件を満たすケアサービス内容を含むケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
1以上のプロセッサが実行する方法であって、
前記1以上のプロセッサが、ケアサービスのサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成するステップと、
前記1以上のプロセッサが、各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新ステップと、
を含み、
前記標準ケアプラン更新ステップにおいて、前記1以上のプロセッサは、各標準ケアプランについて、
当該標準ケアプランから生成された1以上の前記修正ケアプランおよび当該標準ケアプランのうち、所定の観点に基づき選択したケアプランを、更新後の前記標準ケアプランとするか、または、
当該標準ケアプランから生成された1以上の前記修正ケアプランのうち、所定の観点に基づき選択したケアプランの一部または全部と、当該標準ケアプランの一部または全部とを組み合わせたケアプランを、更新後の前記標準ケアプランとする、方法。
【請求項12】
1以上のプロセッサが実行する方法であって、
前記1以上のプロセッサが、ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成するステップと、
前記1以上のプロセッサが、各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新ステップと、を含み、
前記標準ケアプラン更新ステップにおいて、前記1以上のプロセッサは、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々を第1観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第1条件を満たすケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、方法。
【請求項13】
1以上のプロセッサが実行する方法であって、
前記1以上のプロセッサが、ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成するステップと、
前記1以上のプロセッサが、各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新ステップと、を含み、
前記標準ケアプラン更新ステップにおいて、前記1以上のプロセッサは、
前記ユーザを第2観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第2条件を満たすユーザが利用したケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、方法。
【請求項14】
1以上のプロセッサが実行する方法であって、
前記1以上のプロセッサが、ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示するステップと、
前記1以上のプロセッサが、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成するステップと、
前記1以上のプロセッサが、各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新ステップと、を含み、
前記標準ケアプラン更新ステップにおいて、前記1以上のプロセッサは、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々に含まれるケアサービス内容を第3観点に基づき評価し、
前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第3条件を満たすケアサービス内容を含むケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、方法。
【請求項15】
請求項1または2に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項8に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項9に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項10に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケアプランの生成を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ケアサービスを利用するサービス利用者に提供するケアプランの生成を支援する技術が知られている。例えば、特許文献1には、各アセスメント項目に対応付けて予め定めたケアサービス内容を記憶しておき、選択されたアセスメント項目に対応したケアサービス内容の読出しを行ってケアプランを生成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-352820号公報(2005年12月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術には、以下の課題がある。当該技術を利用した場合、選択した各アセスメント項目に対応付けられたケアサービス内容を組み合わせたケアプランがユーザに提示されることになる。当該ケアプランは、そのような組み合わせがサービス利用者に適しているか考慮されておらず、サービス利用者にとって適切とは言えない可能性がある。そのため、特許文献1に記載された技術は、サービス利用者にとってより適切なケアプランを提供するよう改善する余地がある。
【0005】
本発明の一態様は、サービス利用者にとってより適切なケアプランを提供する技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、ケアサービスのサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するサービス利用者情報取得部と、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する標準ケアプラン選択部と、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成する修正ケアプラン生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、サービス利用者にとってより適切なケアプランを提供する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1における標準ケアプランの構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態1におけるサービス利用者情報の構成例を説明する図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの動作の概要を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態1における選択処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態1における更新処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態1における更新処理の具体例を説明する図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係る情報処理システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態2における選択処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【
図10】変形例1における更新処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【
図11】変形例1における更新処理の具体例を説明する図である。
【
図12】変形例2における更新処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【
図13】変形例2における更新処理の具体例を説明する図である。
【
図14】情報処理システム1を構成する各コンピュータの物理的構成を例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1に係る情報処理システム1について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
≪情報処理システム1の概要≫
情報処理システム1は、ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する。また、情報処理システム1は、ユーザに提示した標準ケアプランをユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成し、生成した修正ケアプランを参照して各標準ケアプランを更新する。
【0011】
(サービス利用者)
本実施形態では、サービス利用者とは、ケアサービスのサービス利用者である。ケアサービスとは、例えば、介護保険サービス、障害福祉サービスを含む。換言すると、サービス利用者は、介護保険サービスを利用して介護を受ける被介護者であってもよいし、障害福祉サービスを利用して介護または機能訓練を受ける障害者であってもよいが、これに限られない。
【0012】
(ケアプラン)
本実施形態では、ケアプランとは、ケアサービスの利用計画を示す情報であり、サービス利用者毎に生成される。また、ケアプランとは、他のケアプランに含まれる各ケアサービスのさらに詳細な利用計画を示す情報であってもよい。例えば、ケアプランは、居宅サービス計画書、個別サービス計画書、施設サービス計画書、機能訓練サービス計画書等と呼ばれる情報であってもよいが、これに限られない。
【0013】
(ユーザ)
本実施形態では、ユーザとは、ケアサービスのサービス利用者に提供するケアプランを生成する生成者である。例えば、ユーザは、ケアマネージャ、相談員、計画生成担当者等と呼ばれる者であってもよいが、これに限られない。
【0014】
≪情報処理システム1の構成≫
図1は、情報処理システム1の機能的な構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理システム1は、サーバ10と、ユーザ端末20とを含む。サーバ10は、本発明における情報処理装置の一例である。サーバ10およびユーザ端末20は、ネットワークN1を介して通信可能に接続される。サーバ10およびユーザ端末20を接続するネットワークN1は、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、インターネット、公衆回線網、モバイルデータ通信網、またはこれらの組み合わせである。
【0015】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、記憶部11と、制御部12とを含む。記憶部11は、標準ケアプランSPと、修正ケアプランMPと、サービス利用者情報Uと、選択ルールRとを記憶する。制御部12は、サービス利用者情報取得部121と、標準ケアプラン選択部122と、修正ケアプラン生成部123と、標準ケアプラン更新部124とを含む。
【0016】
(標準ケアプランSP)
標準ケアプランSPは、サービス利用者に提供し得る標準的なケアプランである。複数の標準ケアプランSPが、予め記憶部11に記憶される。各標準ケアプランSPは、実際にサービス利用者に提供されたものであってもよいし、典型例として生成されたものであってもよい。標準ケアプランSPは、情報処理システム1の動作により更新される可能性がある。各標準ケアプランSPには、標準ケアプランSPを識別する識別情報が付与される。そのような識別情報を、以降、標準ケアプランIDとも記載する。
【0017】
また、標準ケアプランSPは、修正されることなくそのままサービス利用者に提供される場合がある。この場合、サービス利用者は、標準ケアプランSPに沿ってケアサービスを利用する。以降、ケアプランに沿ってケアサービスを利用したサービス利用者を、当該ケアプランが適用されたサービス利用者、とも記載する。標準ケアプランSPは、標準ケアプランSPが適用されたサービス利用者に関連付けて記憶部11に記憶される。例えば、標準ケアプランIDとサービス利用者IDとが関連付けられて記憶されていてもよい。
【0018】
図2は、標準ケアプランSPの一例を示す図である。この例では、標準ケアプランSPは、居宅サービス計画書D101と、週間サービス計画表D102とを含む。居宅サービス計画書D101は、ケアサービス毎に、課題、目標、ケアサービス、従事者、頻度、期間等を定めた計画内容を含む。週間サービス計画表D102は、1週間のケアサービスを利用するスケジュールを含む。なお、標準ケアプランSPは、上述した構成に限られない。
【0019】
(修正ケアプランMP)
修正ケアプランMPは、標準ケアプランSPがユーザの操作により修正されることにより生成されたケアプランである。以降、「標準ケアプランSPを修正して修正ケアプランMPを生成する」ことを、「標準ケアプランSPから修正ケアプランMPを生成する」、とも記載する。修正ケアプランMPは、情報処理システム1の動作により記憶部11に蓄積されていく。修正ケアプランMPには、修正ケアプランMPを識別する識別情報が付与される。そのような識別情報を、以降、修正ケアプランIDとも記載する。
【0020】
また、修正ケアプランMPは、その基となった標準ケアプランSPと関連付けて、記憶部11に記憶される。例えば、修正ケアプランIDと標準ケアプランIDとが関連付けられて記憶されていてもよい。
【0021】
また、修正ケアプランMPは、当該修正ケアプランMPが適用されたサービス利用者に関連付けて記憶部11に記憶される。例えば、修正ケアプランIDとサービス利用者IDとが関連付けられて記憶されていてもよい。
【0022】
なお、以降の説明において、標準ケアプランSPおよび修正ケアプランMPのそれぞれを特に区別しない場合には、単にケアプランとも記載する。
【0023】
(サービス利用者情報U)
サービス利用者情報Uとは、サービス利用者の状態を示す情報を含む情報である。サービス利用者情報Uは、情報処理システム1の動作により記憶部11に蓄積されていく。サービス利用者情報Uには、当該サービス利用者を識別するサービス利用者IDが付与される。
図3は、サービス利用者情報Uの一例を説明する図である。
【0024】
図3に示すように、サービス利用者情報Uは、サービス利用者の状態を示す情報として、例えば、ユーザによって実施されたアセスメント項目を含んでもよい。また、サービス利用者の状態を示す情報は、課題分析標準項目を含んでもよいし、認定調査結果を含んでもよいし、その他の項目を含んでもよい。ただし、サービス利用者の状態を示す情報は、これらに限られない。
【0025】
また、
図3に示すように、サービス利用者情報Uは、さらに、要望を示す情報を含んでいてもよい。要望を示す情報とは、サービス利用者の要望を含んでもよいし、従事者の要望を含んでもよい。従事者とは、例えば、ケアサービスに従事する者である。従事者は、介護に従事する介護者であってもよいし、機能訓練を施す訓練士であってもよいが、これらに限られない。
【0026】
また、
図3に示すように、サービス利用者情報Uは、さらに、サービス利用者の等級を示す情報を含んでいてもよい。等級とは、ケアサービスを受けられる範囲を規定するためにサービス利用者毎に認定される情報である。そのような等級とは、介護保険サービスにおける要介護度であってもよいし、障害福祉サービスにおける障害等級であってもよいが、これらに限られない。
【0027】
(サービス利用者情報取得部121)
サービス利用者情報取得部121は、ケアサービスのサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報Uを取得する。例えば、サービス利用者情報取得部121は、ユーザによって入力されたサービス利用者情報Uを、ユーザ端末20から受信することにより取得する。ただし、サービス利用者情報Uの取得元は、ユーザ端末20に限られない。例えば、サービス利用者情報取得部121は、サービス利用者情報Uを記憶する外部の装置から、サービス利用者情報Uを取得してもよい。サービス利用者情報取得部121は、取得したサービス利用者情報Uを、記憶部11に記憶する。サービス利用者情報Uは、サービス利用者IDに関連付けて記憶部11に記憶されてもよい。
【0028】
(標準ケアプラン選択部122)
標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uに基づいて、記憶部11に記憶された複数の標準ケアプランSPのうち何れかを選択してユーザに提示する。具体的には、標準ケアプラン選択部122は、選択ルールRを用いて、複数の標準ケアプランSPのうち何れかを選択する。また、標準ケアプラン選択部122は、選択した標準ケアプランSPを、ユーザ端末20に送信することによりユーザに提示する。選択ルールRを用いた選択処理の詳細については後述する。
【0029】
(修正ケアプラン生成部123)
修正ケアプラン生成部123は、ユーザに提示した標準ケアプランSPをユーザの操作により修正した修正ケアプランMPを生成する。具体的には、修正ケアプラン生成部123は、標準ケアプランSPを提示したユーザ端末20においてユーザによって入力される修正情報を取得する。また、修正ケアプラン生成部123は、取得した修正情報に基づいて標準ケアプランSPを修正したものを、修正ケアプランMPとして生成する。また、修正ケアプラン生成部123は、生成した修正ケアプランMPを、ユーザ端末20に送信することによりユーザに提示する。
【0030】
(標準ケアプラン更新部124)
標準ケアプラン更新部124は、各標準ケアプランSPを、修正ケアプランMPを参照して更新する。具体的には、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランSPおよび修正ケアプランMPの各々を第1観点に基づき評価し、標準ケアプランSPおよび修正ケアプランMPのうち評価結果が第1条件を満たすケアプランを用いて、標準ケアプランSPを更新する。
【0031】
例えば、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPと、当該標準ケアプランSPを修正することにより生成された1または複数の修正ケアプランMPのうち、第1観点に基づく評価結果が第1条件を満たすケアプランを選択する。この場合、標準ケアプラン更新部124は、選択したケアプランを、標準ケアプランIDが「x」の新たな標準ケアプランSPとする。標準ケアプラン更新部124が元の標準ケアプランSPを選択した場合、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPは元の標準ケアプランSPに更新される(すなわち、標準ケアプランSPが維持される)。一方、標準ケアプラン更新部124が修正ケアプランMPを選択した場合、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPは修正ケアプランMPに更新される。標準ケアプランSPの更新処理の詳細については後述する。
【0032】
<ユーザ端末20の構成>
図1において、ユーザ端末20は、記憶部21と、制御部22とを含む。
【0033】
制御部22は、ユーザによって入力装置を介して入力されるサービス利用者情報Uを取得する。以降、ユーザによって入力装置を介して入力されることを、単に、ユーザによって入力される、と記載する。また、制御部22は、サービス利用者情報Uの送信に応答してサーバ10から送信される標準ケアプランSPを、表示装置に表示することによりユーザに提示する。以降、表示装置に表示することによりユーザに提示することを、単に、ユーザに提示する、と記載する。
【0034】
また、制御部22は、提示された標準ケアプランSPを修正するために、ユーザによって入力される修正情報を取得する。また、制御部22は、取得した修正情報をサーバ10に送信することにより、サーバ10から送信される修正ケアプランMPをユーザに提示する。
【0035】
記憶部21には、サーバ10との間で送受信する情報が記憶される。
【0036】
≪情報処理システム1の動作≫
以上のように構成された情報処理システム1の動作について、
図4~
図6を参照して説明する。
【0037】
<動作の概要>
図4は、情報処理システム1の動作の概要を説明するフローチャートである。
【0038】
ステップS101において、ユーザ端末20の制御部22は、ユーザによって入力されるサービス利用者情報Uを、サーバ10に対して送信する。
【0039】
ステップS102において、サーバ10のサービス利用者情報取得部121は、サービス利用者情報Uを、ユーザ端末20から受信することにより取得する。
【0040】
ステップS103において、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uに基づいて、複数の標準ケアプランSPのうち何れかを選択する。本ステップにおける選択処理の詳細については後述する。標準ケアプラン選択部122は、選択した標準ケアプランSPを、ユーザ端末20に対して送信する。
【0041】
ステップS104において、ユーザ端末20の制御部22は、受信した標準ケアプランSPを、ユーザに提示する。
【0042】
ステップS105において、制御部22は、ユーザによって入力される修正情報を、サーバ10に対して送信する。
【0043】
ステップS106において、サーバ10の修正ケアプラン生成部123は、受信した修正情報に基づいて標準ケアプランSPを修正した修正ケアプランMPを生成する。また、修正ケアプラン生成部123は、生成した修正ケアプランMPを、ユーザ端末20に送信するとともに、記憶部11に保存する。
【0044】
ステップS107において、ユーザ端末の制御部22は、受信した修正ケアプランMPをユーザに提示する。
【0045】
ステップS108において、サーバ10の標準ケアプラン更新部124は、記憶部11に記憶された標準ケアプランSPを更新する。本ステップにおける更新処理の詳細については後述する。
【0046】
以上で、情報処理システム1は、動作を終了する。
【0047】
<選択処理の詳細>
ステップS103における選択処理の詳細な例について説明する。ステップS103では、選択ルールRを用いて選択処理が実行される。ここでは、選択ルールRとして「サービス利用者情報Uのクラスに関連付けられた標準ケアプランSPを選択する」とのルールを用いる例について説明する。この場合、記憶部11には、選択ルールRとして、条件となるクラスを特定するクラスIDと、条件を満たした場合に選択する標準ケアプランIDとを関連付けた情報が記憶される。
【0048】
(選択処理の流れ)
図5は、選択ルールRを用いた選択処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0049】
ステップS201において、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uに含まれる等級を参照して、サービス利用者情報Uを分類する。
【0050】
ステップS202において、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uに含まれるサービス利用者の状態を示す情報を参照して、サービス利用者情報Uを分類する。
【0051】
ステップS203において、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uに含まれる要望を示す情報を用いて、サービス利用者情報Uを分類する。
【0052】
ステップS204において、標準ケアプラン選択部122は、ステップS201~S203の分類に基づいて、サービス利用者情報Uのクラスを特定する。また、標準ケアプラン選択部122は、選択ルールRを参照することにより、特定したクラスに関連付けられた標準ケアプランSPを選択する。
【0053】
以上で、選択処理の詳細な流れの説明を終了する。
【0054】
(選択処理の具体例)
例えば、介護保険サービスでは、サービス利用者の等級を示す要介護度は、7段階(要支援1~2および要介護1~5)で表される。また、サービス利用者情報Uに含まれるサービス利用者の状態が、3種類に分類されるとする。また、サービス利用者情報Uに含まれる要望が、3種類に分類されるとする。この場合、サービス利用者情報Uは、7段階×3種類×3種類=63クラスのうち何れかに分類される。このようにして特定したクラスを、クラスi(i=1、2、・・・、n:この例では、n=63)と表す。
【0055】
この場合、選択ルールRは、クラスiと、標準ケアプランSP(k)(k=1、2、・・・、m)とを関連付けた情報である。mは、予め用意される標準ケアプランSPの個数であり、m=nの場合、分類iと標準ケアプランSP(k)とは、1対1で関連付けられる。
【0056】
この場合、標準ケアプラン選択部122は、63クラスのうちサービス利用者情報Uのクラスiを特定する。また、標準ケアプラン選択部122は、選択ルールRを参照して、63個の標準ケアプランSP(k)のうち、特定したクラスに関連付けられた標準ケアプランSP(k)を選択する。
【0057】
なお、m=nに限らず、m<nであってもよい。つまり、クラス数より標準ケアプランSPの数が少なくてもよい。この場合、各標準ケアプランSPは、1または複数のクラスに関連付けられる。
【0058】
なお、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uを分類するステップS201~S203の処理に代えて、ルールベース、クラスタリング、機械学習等の手法を適用してサービス利用者情報Uを分類してもよい。
【0059】
また、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uに含まれる選択項目を用いて、サービス利用者情報Uを分類してもよい。この場合、サービス利用者情報Uが、ユーザにより選択される選択項目で表されていることが前提となる。例えば、サービス利用者情報Uにおいて、状態を示す情報が5択の選択項目で表され、要望を示す情報が2択の選択項目で表されるとする。この場合、標準ケアプラン選択部122は、サービス利用者情報Uを、(要介護度の7段階)×(サービス利用者の状態の5択)×(要望の2択)=70クラスの何れかに分類することができる。このような分類処理は、サービス利用者情報Uに含まれる選択項目数が相対的に少なければ、クラス数が極端に多くならないため、好適である。
【0060】
<更新処理の詳細>
(更新処理のタイミング)
ここで、更新処理を実行するタイミングについて説明する。ステップS108における標準ケアプランSPの更新は、必ずしも、ステップS106で修正ケアプランMPが取得されたことに応答して実行されなくてもよい。
【0061】
ステップS108における更新処理は、定期的なタイミングで実行されてもよいし、ユーザの要求に応答したタイミングで実行されてもよいし、所定のイベントの発生に応答したタイミングで実行されてもよい。定期的とは、例えば、毎週1回の定められた日時、毎月1回の定められた日時等であってもよい。また、ユーザの要求とは、例えば、画面に表示された更新ボタンの押下操作であってもよい。また、所定のイベントとは、例えば、修正ケアプランMPを保存することであってもよいし、ある標準ケアプランSPから生成された修正ケアプランMPの個数が閾値を超えることであってもよい。ただし、更新処理を実行するタイミングは、これらに限られない。
【0062】
(更新処理の詳細)
ステップS108における更新処理の詳細な例について説明する。ステップS108では、第1観点による評価結果が第1条件を満たす標準ケアプランSPまたは修正ケアプランMPを用いて、標準ケアプランSPの更新処理が実行される。
【0063】
(第1観点)
ここで、第1観点とは、ケアプラン自体を評価する観点である。具体例として、第1観点は、当該ケアプランが適用されたサービス利用者の適用前の状態から適用後の状態への変化が好ましいとの観点であってもよい。この場合、標準ケアプラン更新部124は、当該ケアプランの適用後のサービス利用者情報Uと適用前のサービス利用者情報Uとを比較したときの変化が好ましいほど、高い評価値を算出してもよい。
【0064】
サービス利用者の状態の変化が好ましいとは、改善の程度が大きいこと、または、悪化の程度が小さいことである。例えば、当該ケアプランの適用前から適用後に改善した要介護度の等級の幅が大きいほど、変化が好ましい。具体例として、適用前に要介護度2だったサービス利用者が適用後に要介護度1になった場合(要介護度が1等級改善した場合)よりも、適用前に要介護度3だったサービス利用者が適用後に要介護度1になった場合(要介護度が2等級改善した場合)のほうが、改善の程度が大きい。また、適用前に要介護度2だったサービス利用者が適用後に要介護度4になった場合(要介護度が2等級悪化した場合)よりも、適用前に要介護度2だったサービス利用者が適用後に要介護度3になった場合(要介護度が1等級悪化した場合)のほうが、悪化の程度が少ない。
【0065】
なお、第1観点は、上述したものに限られず、ケアプラン自体を評価する観点であれば、その他の観点であってもよい。また、標準ケアプラン更新部124は、外部装置から、第1観点に基づくケアプランの評価結果を示す情報を取得してもよい。
【0066】
(第1条件)
また、第1条件とは、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された修正ケアプランMPの中で最も評価値が高いことであってもよい。ただし、第1条件は、第1観点に基づく評価結果に関わる条件であればよく、これに限られない。
【0067】
(更新処理の流れ)
図6は、第1条件を用いた更新処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0068】
ステップS301において、標準ケアプラン更新部124は、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された修正ケアプランMPを第1観点に基づき評価する。
【0069】
一例として、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPを修正することにより生成された各修正ケアプランMPについて、第1観点に基づき評価値を算出する。
【0070】
このとき、標準ケアプラン更新部124は、各ケアプランの評価値を算出するために、各ケアプランを適用したサービス利用者の適用後のサービス利用者情報Uを、ユーザ端末20から受信することにより取得して、記憶部11に保存してもよい。標準ケアプラン更新部124は、記憶部11を参照して、各ケアプランが適用されたサービス利用者の適用前のサービス利用者情報Uと、適用後のサービス利用者情報Uとを比較することにより、第1観点に基づく評価値を算出可能である。
【0071】
ステップS302において、標準ケアプラン更新部124は、第1条件を満たすケアプランを用いて、標準ケアプランSPを更新する。
【0072】
一例として、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された各修正ケアプランMPのうち、最も評価値が高いものを選択する。また、標準ケアプラン更新部124は、選択したケアプランを、標準ケアプランIDが「x」の新たな標準ケアプランSPとする。
【0073】
なお、ステップS302において、いずれの修正ケアプランMPの評価値も元の標準ケアプランSPの評価値よりも低い場合、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPは更新されずに維持される。
【0074】
(更新処理の具体例)
図7は、上述した更新処理を具体的に説明する図である。以降、具体例の説明において、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPを、「標準ケアプランx」と記載し、修正ケアプランIDが「y」の修正ケアプランMPを、「修正ケアプランy」と記載することもある。
【0075】
図7の例では、標準ケアプラン1を基に、ユーザAの操作により修正された修正ケアプラン1Aと、ユーザCの操作により修正された修正ケアプラン1Cと、ユーザDの操作により修正された修正ケアプラン1Cとが生成されている。また、ユーザBは、標準ケアプラン1を修正せずにそのまま用いている。この場合、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプラン1、修正ケアプラン1A、1C、1Dを第1観点に基づき評価して、それぞれ評価値8、10、8、4を算出する。そこで、標準ケアプラン1は、最も評価値が高い修正ケアプラン1Aを用いて更新される。例えば、最も評価値が高い修正ケアプラン1Aが、新たな標準ケアプラン1となる。
【0076】
また、
図7の例では、標準ケアプラン2を基に、ユーザBの操作により修正された修正ケアプラン2Bが生成されている。また、ユーザDは、標準ケアプラン2を修正せずにそのまま用いている。標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプラン2、修正ケアプラン2Bを第1観点に基づき評価して、それぞれ評価値7、3を算出する。この場合、最も評価値が高い修正ケアプラン2Bの評価値は、標準ケアプラン2の評価値より低い。したがって、標準ケアプラン2は更新されず、維持される。
【0077】
≪実施形態1の効果≫
本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の標準ケアプランSPのうち、サービス利用者情報Uに基づいて選択された標準ケアプランSPを、修正可能にユーザに提示する。これにより、サービス利用者にとってより適切な標準ケアプランSPをユーザに提示できるだけでなく、その修正を可能としてさらに適切なケアプランをサービス利用者に提供することができる。また、本実施形態は、標準ケアプランSPおよび蓄積された修正ケアプランMPのうち第1条件を満たす(例えば、サービス利用者の状態の変化が好ましい)修正ケアプランMPを用いて、標準ケアプランSPを更新する。このため、ユーザに提示される標準ケアプランSP自体が、ユーザによる修正を反映したものに更新される。その結果、本実施形態は、サービス利用者にとってさらに適切なケアプランを提供することができる。
【0078】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る情報処理システム1Aについて、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0079】
≪情報処理システム1Aの構成≫
図8は、情報処理システム1Aの機能的な構成を示すブロック図である。
図8に示すように、情報処理システム1Aは、サーバ10に替えてサーバ10Aを含む点が、実施形態1に係る情報処理システム1に対して異なる。また、サーバ10Aは、選択ルールRに替えて学習済みモデルMを記憶部11に記憶する点と、標準ケアプラン選択部122に替えて標準ケアプラン選択部122Aを含む点と、学習部125Aを含む点とが、サーバ10に対して異なる。その他の構成については、実施形態1と同様である。
【0080】
(学習済みモデルM)
学習済みモデルMは、サービス利用者情報Uに基づいて複数の標準ケアプランSPのうち何れかを選択するよう学習されたモデルである。
【0081】
例えば、学習済みモデルMは、サービス利用者情報Uを入力としてもよい。また、学習済みモデルMは、サービス利用者情報Uのクラスを入力としてもよい。また、学習済みモデルMは、標準ケアプランIDを出力としてもよい。ただし、学習済みモデルMは、サービス利用者情報Uに基づいて複数の標準ケアプランSPのうち何れかを選択するよう学習されていればよく、その入出力情報は上述したものに限られない。
【0082】
(学習部125A)
学習部125Aは、機械学習モデルを学習させ、学習済みモデルMを生成する。例えば、学習部125Aは、機械学習モデルを、教師データを用いて教師あり学習させてもよい。教師データとしては、標準ケアプランSPと、当該ケアプランを生成したユーザが参照したサービス利用者情報Uとの組が考えられる。例えば、学習部125Aは、教師データとして、実際にサービス利用者の状態の変化が好ましいとの評価結果が得られたケアプランと、当該ケアプランを生成したユーザが参照したサービス利用者情報Uとの組を用いてもよい。この場合、教師データとして用いたケアプランが、標準ケアプランSPとして記憶部11に記憶される。
【0083】
なお、機械学習モデルを学習させる学習アルゴリズムとしては、公知の学習アルゴリズムを適用可能である。例えば、学習部125Aは、サポートベクタマシン、またはディープラーニング(CNN:Convolutional Neural Networks、RNN:Recurrent Neural Network、GAN:Generative Adversarial Network等)を用いて、機械学習モデルを学習させてもよい。また、学習部125Aは、教師あり学習に限らず、教師無し学習、半教師あり学習等によって、機械学習モデルを学習させてもよい。
【0084】
(標準ケアプラン選択部122A)
標準ケアプラン選択部122Aは、学習済みモデルMを用いて、標準ケアプランSPを選択する。一例として、標準ケアプラン選択部122は、学習済みモデルMにサービス利用者情報Uを入力し、出力される標準ケアプランIDが示す標準ケアプランSPを選択してもよい。また、標準ケアプラン選択部122は、学習済みモデルMにサービス利用者情報Uのクラスを入力し、出力される標準ケアプランIDが示す標準ケアプランSPを選択してもよい。この場合、標準ケアプラン選択部122は、例えば、実施形態1の
図5に示すステップS201~S203を参照して説明したサービス利用者情報Uの分類処理を実行することにより、サービス利用者情報Uのクラスを特定可能である。
【0085】
≪情報処理システム1Aの動作≫
以上のように構成された情報処理システム1Aの動作について、図面を参照して説明する。情報処理システム1Aの動作は、
図4を参照して説明した情報処理システム1の動作の概要のうち、ステップS103における選択処理の詳細が異なる。ステップS103において、標準ケアプラン選択部122Aは、学習済みモデルMを用いて、サービス利用者情報Uに基づいて複数の標準ケアプランSPのうち何れかを選択する。
【0086】
<選択処理の詳細>
ステップS103における選択処理の詳細な例について説明する。本実施形態では、ステップS103において、学習済みモデルMを用いて選択処理が実行される。
【0087】
(選択処理の流れ)
図9は、学習済みモデルMを用いた選択処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0088】
ステップS401において、標準ケアプラン選択部122Aは、サービス利用者情報Uを、学習済みモデルMに入力する。
【0089】
ステップS402において、標準ケアプラン選択部122Aは、学習済みモデルMから出力される標準ケアプランIDが示す標準ケアプランSPを選択する。
【0090】
以上で、選択処理の詳細な流れの説明を終了する。
【0091】
≪実施形態2の効果≫
本実施形態に係る情報処理システム1Aは、複数の標準ケアプランSPのうち、サービス利用者情報Uに基づいて選択した標準ケアプランSPを、学習済みモデルMを用いて選択する。このため、本実施形態は、サービス利用者により適切なケアプランを、より精度よく選択して提供することができる。
【0092】
〔変形例1〕
上述した各実施形態では、第1観点に基づく評価結果が第1条件を満たす標準ケアプランSPまたは修正ケアプランMPを用いて、標準ケアプランSPを更新する更新処理について説明した。本変形例では、標準ケアプランSPの更新処理を次のように変形することができる。
【0093】
本変形例では、
図5のステップS108において、標準ケアプラン更新部124は、ユーザを、第2観点に基づき評価する。また、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された1または複数の修正ケアプランMPのうち、評価結果が第2条件を満たすユーザが利用したケアプランを用いて、当該標準ケアプランSPを更新する。ここで、「ユーザが利用したケアプラン」とは、「ユーザが修正せずに用いた標準ケアプランSP」または「ユーザが標準ケアプランSPから生成した修正ケアプランMP」である。
【0094】
(第2観点)
ここで、第2観点とは、ユーザを評価する観点である。一例として、第2観点は、サービス利用者の状態を好ましく変化させるケアプランを利用できるとの観点であってもよい。例えば、標準ケアプラン更新部124は、実施形態1で説明した第1観点に基づく評価結果がより高いケアプランを利用したユーザほど、高い評価値を算出してもよい。また、例えば、標準ケアプラン更新部124は、第1観点に基づく評価結果が所定基準を満たすケアプランをより多く利用したユーザほど、高い評価値を算出してもよい。
【0095】
なお、第2観点は、上述したものに限られず、ユーザ自体を評価する観点であれば、その他の観点であってもよい。また、標準ケアプラン更新部124は、外部装置から、第2観点に基づくユーザの評価結果を示す情報を取得してもよい。
【0096】
(第2条件)
第2条件とは、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された修正ケアプランMPを利用したユーザの中で、最も評価値が高いことであってもよい。ただし、第2条件は、第2観点に基づく評価結果に関わる条件であればよく、これに限られない。
【0097】
なお、本変形例では、ケアプランは、当該ケアプランを利用したユーザに関連付けて記憶部11に記憶される。具体的には、ユーザが標準ケアプランSPを利用した場合、当該ユーザと標準ケアプランSPとが関連付けて記憶される。例えば、標準ケアプランIDとユーザを識別するユーザIDとが関連付けて記憶されてもよい。また、ユーザが修正ケアプランMPを生成して利用した場合、当該ユーザと修正ケアプランMPとが関連付けて記憶される。例えば、修正ケアプランIDとユーザIDとが関連付けて記憶されてもよい。
【0098】
(更新処理の流れ)
図10は、本変形例における更新処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0099】
ステップS501において、標準ケアプラン更新部124は、ケアプランを利用したユーザを第2観点に基づき評価する。
【0100】
一例として、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPから生成された各修正ケアプランMPを生成したユーザの評価値を、第2観点に基づき算出する。また、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPを修正せずに用いたユーザの評価値についても、第2観点に基づき算出する。
【0101】
このとき、各ユーザを第2観点に基づき評価するために必要となる、更新対象の標準ケアプランSPおよび各修正ケアプランMPを第1観点に基づき評価する処理については、実施形態1で説明した通りであるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0102】
ステップS502において、標準ケアプラン更新部124は、評価結果が第2条件を満たすユーザが利用したケアプランを用いて、標準ケアプランSPを更新する。
【0103】
一例として、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された各修正ケアプランMPのうち、最も評価値が高いユーザによって利用されたケアプランを選択する。また、標準ケアプラン更新部124は、選択したケアプランを、標準ケアプランIDが「x」の新たな標準ケアプランSPとする。
【0104】
(更新処理の具体例)
図11は、本変形例における更新処理を具体的に説明する図である。
【0105】
図11の例では、標準ケアプラン1を基に、ユーザAの操作により修正された修正ケアプラン1Aと、ユーザCの操作により修正された修正ケアプラン1Cと、ユーザDの操作により修正された修正ケアプラン1Cとが生成されている。また、ユーザBは、標準ケアプラン1を修正せずにそのまま用いている。この場合、標準ケアプラン更新部124は、ユーザA~Dを第2観点に基づき評価して、それぞれ、評価値7、6、8、7を算出する。そこで、標準ケアプラン1は、最も評価値が高いユーザCによって生成された修正ケアプラン1Cを用いて更新される。例えば、最も評価値が高いユーザCによって生成された修正ケアプラン1Cが、新たな標準ケアプラン1となる。
【0106】
また、
図11の例では、標準ケアプラン2を基に、ユーザBの操作により修正された修正ケアプラン2Bが生成されている。また、ユーザDは、標準ケアプラン2を修正せずにそのまま用いている。標準ケアプラン更新部124は、ユーザB、Dを第2観点に基づき評価して、それぞれ評価値6、7を算出する。この場合、最も評価値が高いのはユーザDであり、ユーザDは標準ケアプラン2を修正せずにそのまま用いている。したがって、標準ケアプラン2は更新されず、維持される。
【0107】
なお、ユーザの評価値は、当該ユーザが利用した複数のケアプランを基に算出されてもよい。例えば、
図11の例では、ユーザBの評価値が、ユーザBが利用した標準ケアプラン1および修正ケアプラン2Bを基に算出される。この場合、ユーザBの評価値は、第1観点に基づく標準ケアプラン1および修正ケアプラン2Bの評価値の平均値であり得るが、これに限られない。
【0108】
(変形例1の効果)
本変形例において、標準ケアプランSPは、標準ケアプランSPおよび蓄積された修正ケアプランMPのうち、第2条件を満たすユーザ(例えば、サービス利用者の状態を好ましく変化させるケアプランを生成できるユーザ)によって利用されたケアプランを用いて更新される。このため、ユーザに提示される標準ケアプランSP自体が、そのようなユーザによる利用を反映したものに更新される。その結果、本変形例は、サービス利用者にとってさらに適切なケアプランを提供することができる。
【0109】
〔変形例2〕
上述した各実施形態において、標準ケアプランSPの更新処理は、変形例1とはさらに異なる以下の態様に変形することができる。
【0110】
本変形例では、
図4のステップS108において、標準ケアプラン更新部124は、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された1または複数の修正ケアプランMPの各々に含まれるケアサービス内容を、第3観点に基づき評価する。また、標準ケアプラン更新部124は、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された1または複数の修正ケアプランMPのうち、評価結果が第3条件を満たすケアサービス内容を含むケアプランを用いて、当該標準ケアプランSPを更新する。
【0111】
(第3観点)
ここで、第3観点とは、ケアプランに含まれるケアサービス内容を評価する観点である。具体例として、第3観点は、サービス利用者の状態を好ましく変化させるケアサービス内容であるとの観点であってもよい。第3観点による評価としては、例えば、特定の地域資源によって提供されるケアサービスである、特定の従事者によって提供されるケアサービスである、特定の事業者によって提供されるケアサービスである、特定の計画立案者によって提供されるケアサービスである、等が挙げられる。一例として、標準ケアプラン更新部124は、第1観点に基づく評価結果が所定基準を満たすより多くのケアプランに共通して含まれるケアサービスほど、高い評価値を算出してもよい。
【0112】
なお、第3観点は、ケアサービス内容自体を評価する観点であれば、これらに限られない。また、標準ケアプラン更新部124は、第3観点に基づくケアサービス内容の評価結果を示す情報を、外部から取得してもよい。
【0113】
(第3条件)
第3条件とは、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された1または複数の修正ケアプランMPに含まれるケアサービスの中で、最も評価値が高いことであってもよい。また、第3条件とは、同一のケアプランに含まれる各サービスの評価値の統計値(例えば、平均値)が最も高いことであってもよい。また、第3条件とは、同一のケアプランに評価値が所定基準を満たすケアサービスがより多く含まれることであってもよい。ただし、第3条件は、第3観点に基づく評価結果に関わる条件であればよく、これらに限られない。
【0114】
(更新処理の流れ)
図12は、本変形例における更新処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0115】
ステップS601において、標準ケアプラン更新部124は、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された1または複数の修正ケアプランMPの各々に含まれる各ケアサービスを第3観点に基づき評価する。
【0116】
具体的には、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された各修正ケアプランMPについて、含まれる各ケアサービスを第3観点に基づき評価値を算出する。また、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPが修正されずに用いられている場合、当該標準ケアプランSPに含まれる各ケアサービスについても、第3観点に基づき評価値を算出する。
【0117】
このとき、各ケアサービスを第3観点に基づき評価するために必要となる、標準ケアプランSPおよび各修正ケアプランMPを第1観点に基づき評価する処理については、実施形態1で説明した通りであるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0118】
ステップS602において、標準ケアプラン更新部124は、更新対象の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された1または複数の修正ケアプランMPのうち、第3条件を満たすケアプランを用いて、標準ケアプランSPを更新する。
【0119】
例えば、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPおよび当該標準ケアプランSPから生成された各修正ケアプランMPのうち、含まれるケアサービスの評価値の平均値が最も高いものを選択する。また、標準ケアプラン更新部124は、選択したケアプランを、標準ケアプランIDが「x」の新たな標準ケアプランSPとする。
【0120】
なお、ステップS602において、いずれの修正ケアプランMPも、含まれる各ケアサービスの評価値の平均値が標準ケアプランSPより低い場合、標準ケアプランIDが「x」の標準ケアプランSPは更新されずに維持される。
【0121】
(更新処理の具体例)
図13は、本変形例における更新処理を具体的に説明する図である。
【0122】
図13の例では、標準ケアプラン1には、サービスA、Bが含まれる。ユーザAの操作により、サービスBをサービスCに変更した修正ケアプラン1Aが生成されている。また、ユーザCの操作により、サービスBをサービスDに変更した修正ケアプラン1Cが生成されている。また、ユーザDの操作により、サービスEが付加された修正ケアプラン1Dが生成されている。また、ユーザBは、標準ケアプラン1を修正せずにそのまま用いている。この場合、標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプラン1および修正ケアプラン1A、1C、1Dに含まれるサービスA~Eを第3観点に基づき評価して、それぞれ、評価値8、8、9、7、10を算出する。そこで、標準ケアプラン1は、評価値の平均値が最も高い修正ケアプラン1Dを用いて更新される。例えば、評価値の平均値が最も高い修正ケアプラン1Dが、新たな標準ケアプラン1となる。
【0123】
また、
図13の例では、標準ケアプラン2には、サービスX、Yが含まれる。ユーザBの操作により、サービスYをサービスZに変更した修正ケアプラン2Bが生成されている。また、ユーザDは、標準ケアプラン2を修正せずにそのまま用いている。標準ケアプラン更新部124は、標準ケアプラン2、修正ケアプラン2Bに含まれるサービスX、Y、Zを第3観点に基づき評価して、それぞれ評価値7、7、6を算出する。この場合、修正ケアプラン2Bの評価結果の平均値は、標準ケアプラン2の評価結果の平均値より低い。したがって、標準ケアプラン2は更新されず、維持される。
【0124】
(変形例2の効果)
本変形例において、標準ケアプランSPは、標準ケアプランSPおよび蓄積された修正ケアプランMPのうち、第3条件を満たすケアサービス(例えば、サービス利用者の状態を好ましく変化させるケアサービス)を含むケアプランを用いて更新される。このため、ユーザに提示される標準ケアプランSP自体が、そのようなユーザによる修正を反映したものに更新される。その結果、本変形例は、サービス利用者にとってさらに適切なケアプランを提供することができる。
【0125】
〔その他の変形例〕
上述した各実施形態において、標準ケアプラン更新部124は、第1観点~第3観点に基づき選択した修正ケアプランMPを、そのまま新たな標準ケアプランとすることにより、標準ケアプランを更新する例について説明した。これに限らず、標準ケアプラン更新部124は、選択した修正ケアプランMPの一部または全部と、更新対象の標準ケアプランSPの一部または全部とを組み合わせることにより、当該標準ケアプランを更新してもよい。
【0126】
また、上述した各実施形態において、サーバ10に含まれる各機能ブロックの少なくとも一部は、ユーザ端末20に含まれていてもよい。また、サーバ10が実行するステップの少なくとも一部は、ユーザ端末20が実行してもよい。また、情報処理システム1は、単体の装置として実現されてもよい。
【0127】
また、上述した実施形態1において、選択ルールRは、外部の装置に記憶されていてもよい。また、上述した実施形態2において、学習済みモデルMは、外部の装置に記憶されていてもよい。また、サーバ10Aは、学習部を含まなくてもよい。
【0128】
また、上述した各実施形態において、標準ケアプラン更新部124が第1観点、第2観点、または第3観点に基づく評価結果を示す情報を外部から取得する場合、記憶部11は、必ずしもサービス利用者情報を記憶していなくてもよい。
【0129】
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ10、10Aの制御ブロック(特に、サービス利用者情報取得部121、標準ケアプラン選択部122、122A、修正ケアプラン生成部123、標準ケアプラン更新部124、および学習部125A)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、サーバ10、10Aおよびユーザ端末20の各々は、例えば、コンピュータ(電子計算機)を用いて構成される。
【0130】
(サーバ10の物理的構成)
図14は、サーバ10およびユーザ端末20として用いられるコンピュータの物理的構成を例示したブロック図である。なお、サーバ10Aの物理的構成についても、以下の説明においてサーバ10をサーバ10Aと読み替えることにより同様に説明される。
【0131】
サーバ10は、
図14に示すように、バス110と、プロセッサ101と、主メモリ102と、補助メモリ103と、通信インタフェース104とを備えたコンピュータによって構成可能である。プロセッサ101、主メモリ102、補助メモリ103、および通信インタフェース104は、バス110を介して互いに接続されている。
【0132】
プロセッサ101としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。
【0133】
主メモリ102としては、例えば、半導体RAM(random access memory)等が用いられる。
【0134】
補助メモリ103としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。補助メモリ103には、上述したサーバ10の動作をプロセッサ101に実行させるためのプログラムが格納されている。プロセッサ101は、補助メモリ103に格納されたプログラムを主メモリ102上に展開し、展開したプログラムに含まれる各命令を実行する。
【0135】
通信インタフェース104は、ネットワークN1に接続するインタフェースである。
【0136】
この例で、プロセッサ101および通信インタフェース104は、制御部12を実現するハードウェア要素の一例である。また、主メモリ102および補助メモリ103は、記憶部11を実現するハードウェア要素の一例である。
【0137】
(ユーザ端末20の物理的構成)
ユーザ端末20は、
図14に示すように、バス210と、プロセッサ201と、主メモリ202と、補助メモリ203と、通信インタフェース204と、入出力インタフェース205とを備えたコンピュータによって構成可能である。プロセッサ201、主メモリ202、補助メモリ203、通信インタフェース204、および入出力インタフェース205は、バス210を介して互いに接続されている。入出力インタフェース205には、入力装置206および出力装置207が接続されている。
【0138】
プロセッサ201としては、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。
【0139】
主メモリ202としては、例えば、半導体RAM等が用いられる。
【0140】
補助メモリ203としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD、SSD、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。補助メモリ203には、当該コンピュータをユーザ端末20として動作させるためのプログラムが格納されている。プロセッサ201は、補助メモリ203に格納されたプログラムを主メモリ202上に展開し、展開したプログラムに含まれる各命令を実行する。また、補助メモリ203には、当該コンピュータをユーザ端末20として動作させるためにプロセッサ201が参照する各種データが格納されている。
【0141】
通信インタフェース204は、ネットワークN1に接続するインタフェースである。
【0142】
入出力インタフェース205としては、例えば、USBインタフェース、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離通信インタフェース、またはこれらの組み合わせが用いられる。
【0143】
入力装置206としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。出力装置207としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、またはこれらの組み合わせが用いられる。
【0144】
この例で、プロセッサ201および通信インタフェース204は、制御部22を実現するハードウェア要素の一例である。また、主メモリ202および補助メモリ203は、記憶部21を実現するハードウェア要素の一例である。
【0145】
なお、上述した各プログラムは、補助メモリ103、および203にそれぞれ記憶される代わりに、外部記録媒体に記録され、外部記録媒体から読み込まれることにより該当するコンピュータに供給されてもよい。外部記録媒体としては、コンピュータ読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路等を用いることができる。また、上述した各プログラムは、伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータに供給されてもよい。また、本発明の一態様は、各プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0146】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0147】
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、ケアサービスを利用するサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するサービス利用者情報取得部と、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示する標準ケアプラン選択部と、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成する修正ケアプラン生成部と、を備える。
【0148】
上記の構成によれば、サービス利用者にとってより適切な標準ケアプランを提示できるだけでなく、その修正によりさらに適切な修正ケアプランを提供することができる。
【0149】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記標準ケアプラン選択部は、選択ルールを用いて、前記サービス利用者情報に基づいて複数の標準ケアプランのうち何れかを選択する、ことが好ましい。
【0150】
上記の構成によれば、選択ルールを適宜設定することにより、サービス利用者により適切なケアプランを提供することができる。
【0151】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記標準ケアプラン選択部は、学習済みモデルを用いて、前記サービス利用者情報に基づいて複数の標準ケアプランのうち何れかを選択する、ことが好ましい。
【0152】
上記の構成によれば、学習済みモデルを用いることにより、サービス利用者により適切なケアプランを提供することができる。
【0153】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記学習済みモデルを学習させる学習部、をさらに備えた、ことが好ましい。
【0154】
上記の構成によれば、上記効果を奏するために用いる学習済みモデルを生成することができる。
【0155】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、各標準ケアプランを、前記修正ケアプランを参照して更新する標準ケアプラン更新部、をさらに備えた、ことが好ましい。
【0156】
上記の構成によれば、サービス利用者に提示する標準ケアプランを、ユーザによる修正を反映させたものに更新することができる。その結果、サービス利用者にとってさらに適切な標準ケアプランを提供することができる。
【0157】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記標準ケアプラン更新部は、前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々を第1観点に基づき評価し、前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第1条件を満たすケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、ことが好ましい。
【0158】
上記の構成によれば、標準ケアプランまたは修正ケアプラン自体を第1観点に基づいて評価した評価結果を反映させて、標準ケアプランを更新することができる。
【0159】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記標準ケアプラン更新部は、前記ユーザを第2観点に基づき評価し、前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第2条件を満たすユーザが利用したケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、ことが好ましい。
【0160】
上記の構成によれば、標準ケアプランまたは修正ケアプランを利用したユーザを第2観点に基づいて評価した評価結果を反映させて、標準ケアプランを更新することができる。
【0161】
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記標準ケアプラン更新部は、前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランの各々に含まれるケアサービス内容を第3観点に基づき評価し、前記標準ケアプランおよび前記修正ケアプランのうち、評価結果が第3条件を満たすケアサービス内容を含むケアプランを用いて、前記標準ケアプランを更新する、ことが好ましい。
【0162】
上記の構成によれば、標準ケアプランまたは修正ケアプランの各々に含まれるケアサービスを第3観点に基づいて評価した評価結果を反映させて、標準ケアプランを更新することができる。
【0163】
本発明の一態様に係る方法は、情報処理装置を用いて、ケアサービスのサービス利用者の状態を示す情報を含むサービス利用者情報を取得するステップと、前記サービス利用者情報に基づいて、複数の標準ケアプランのうち何れかを選択してユーザに提示するステップと、前記ユーザに提示した前記標準ケアプランを前記ユーザの操作により修正した修正ケアプランを生成するステップと、を実行する。
【0164】
上記構成によれば、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【0165】
本発明の一態様に係るプログラムは、上述した情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記各部としてコンピュータを機能させる。
【0166】
上記構成によれば、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0167】
1、1A 情報処理システム
10、10A サーバ
20 ユーザ端末
11、21 記憶部
12、22 制御部
101、201 プロセッサ
102、202 主メモリ
103、203 補助メモリ
104、204 通信インタフェース
110、210 バス
121 サービス利用者情報取得部
122、122A 標準ケアプラン選択部
123 修正ケアプラン生成部
124 標準ケアプラン更新部
125A 学習部
205 入出力インタフェース
206 入力装置
207 出力装置