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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】建物構造物診断装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231110BHJP
【FI】
G06Q10/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022127722
(22)【出願日】2022-08-10
【審査請求日】2022-12-19
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】相馬 康幸
(72)【発明者】
【氏名】谷口 真琴
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 優
(72)【発明者】
【氏名】牧野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】寺原 英昭
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154466(JP,A)
【文献】特開2014-134470(JP,A)
【文献】特開2001-338042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の構造物を撮影した画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記画像データに基づいて異常を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果を表示部に表示する表示制御部と、
前記検知部により検知された異常におけるユーザーによる度合いの判断結果の入力を受け付ける受付部と、
前記画像データを入力とし、異常に関する情報を出力として機械学習させた学習済モデルと、
を備え、
前記検知部は、前記学習済モデルを用いて異常を検知し、
前記表示制御部は、前記表示部が表示する同じ画面にユーザーが前記度合いを判断するための情報として複数段階からなる前記度合いに応じた前記構造物の損傷具合の判定基準と、前記所定の構造物を撮影した画像と、前記検知結果としての前記画像データに含まれる異常と前記学習済モデルが機械学習している異常との一致率と、を表示する建物構造物診断装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記検知部による検知結果に関するコメントの入力を受け付ける請求項1に記載の建物構造物診断装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示部に前記検知部による検知結果に関するコメントの一又は複数のテンプレートを表示し、
前記受付部は、前記テンプレートの選択を受け付ける請求項1に記載の建物構造物診断装置。
【請求項4】
前記検知部は、前記取得部により取得された一の画像データに基づいて複数種類の異常を検知する請求項1に記載の建物構造物診断装置。
【請求項5】
前記検知部による検知結果、及び前記受付部により受け付けた異常における度合いに基づいてレポートを作成するレポート作成部を備える請求項1に記載の建物構造物診断装置。
【請求項6】
所定の構造物を撮影した画像データを入力とし、異常に関する情報を出力として機械学習させた学習済モデルを備える建物構造物診断装置のコンピューターを、
前記画像データを取得する取得部、
前記取得部により取得された前記画像データに基づいて異常を検知する検知部、
前記検知部による検知結果を表示部に表示する表示制御部、
前記検知部により検知された異常におけるユーザーによる度合いの判断結果の入力を受け付ける受付部、
として機能させ、
前記検知部は、前記学習済モデルを用いて異常を検知し、
前記表示制御部は、前記表示部が表示する同じ画面にユーザーが前記度合いを判断するための情報として複数段階からなる前記度合いに応じた前記構造物の損傷具合の判定基準と、前記所定の構造物を撮影した画像と、前記検知結果としての前記画像データに含まれる異常と前記学習済モデルが機械学習している異常との一致率と、を表示するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物構造物診断装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物や構造物の外観及び内装に生じた異常(例えば、ひび割れ等)を診断する建物構造物診断システムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、建物又は構造物を撮影した画像を編集して編集画像を作成し、当該編集画像に基づいて損傷部を特定、及び損傷の度合いの診断を行う建物構造物診断システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-51022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、損傷の度合いを人工知能によって診断しており、当該診断の結果が間違っている場合に修正できないという問題があった。
また、人工知能による診断の精度が高くない場合等においては、損傷等の異常の度合いを人間が判断したいという要望がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、建物や構造物の異常を好適に診断する建物構造物診断装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、建物構造物診断装置1であって、例えば図2図9及び図12に示すように、
所定の構造物を撮影した画像データを取得する取得部(制御部11)と、
前記取得部により取得された前記画像データに基づいて異常を検知する検知部(制御部11)と、
前記検知部による検知結果を表示部34に表示する表示制御部(制御部11)と、
前記検知部により検知された異常におけるユーザーによる度合いの判断結果の入力を受け付ける受付部(制御部11)と、
前記画像データを入力とし、異常に関する情報を出力として機械学習させた学習済モデル121と、
を備え、
前記検知部は、前記学習済モデル121を用いて異常を検知し、
前記表示制御部は、前記表示部34が表示する同じ画面にユーザーが前記度合いを判断するための情報として複数段階からなる前記度合いに応じた前記構造物の損傷具合の判定基準345dと、前記所定の構造物を撮影した画像と、前記検知結果としての前記画像データに含まれる異常と前記学習済モデル121が機械学習している異常との一致率と、を表示する。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、所定の構造物を撮影した画像データに基づいて検知部により検知された異常をユーザーが参照し、建物構造物診断装置1は、異常の度合いを判断するための情報に基づいてユーザーが判断した異常の度合いの入力を受け付けることができる。
これにより、ユーザーが判断したより正確な異常の度合いを受け付けることができる。したがって、建物や構造物の異常を好適に診断することができる。
また、ユーザーは、複数段階からなる度合いに応じた構造物の損傷具合の判定基準を参照して、異常の度合いを判断することができる。
また、検知部は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)等の学習済みモデルを用いて異常を検知することができる。これにより、容易且つ正確に異常を検知することができる。
また、ユーザーは、同じ画面に表示された、構造物の損傷具合の判定基準と、構造物を撮影した画像と、画像データに含まれる異常と学習済モデルが機械学習している異常との一致率とを容易に見比べることができる。したがって、ユーザーは、構造物の損傷具合の判定基準、及び画像データに含まれる異常と学習済モデルが機械学習している異常との一致率を考慮して、異常の度合いを容易に判断することができる。
これにより、ユーザーは、異常の度合いを容易に判断することができる。
【0011】
請求項に記載の発明は、例えば図9及び図12に示すように、請求項1に記載の建物構造物診断装置1において、
前記受付部は、前記検知部による検知結果に関するコメントの入力を受け付ける。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、ユーザーによる異常に関するコメントの入力を受け付けることができる。
これにより、異常に関してより詳細な診断をすることができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、例えば図13に示すように、請求項1に記載の建物構造物診断装置1において、
前記表示制御部は、前記表示部34に前記検知部による検知結果に関するコメントの一又は複数のテンプレートを表示し、
前記受付部は、前記テンプレートの選択を受け付ける。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、ユーザーは、検知結果に関するコメントをテンプレートから選択して入力することができる。
これにより、ユーザーはコメントを手入力する手間を省くことができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、例えば図9及び図12に示すように、請求項1に記載の建物構造物診断装置1において、
前記検知部は、前記取得部により取得された一の画像データに基づいて複数種類の異常を検知する。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、異常の種類ごとに画像データを取得し、異常の種類ごとに異常検知を行うことなしに、複数種類の異常を検知することができる。
これにより、効率よく異常を検知することができる。
【0019】
請求項に記載の発明は、例えば図2図9、及び図16図17Bに示すように、請求項1に記載の建物構造物診断装置1において、
前記検知部による検知結果、及び前記受付部により受け付けた異常における度合いに基づいてレポートを作成するレポート作成部(制御部11)を備える。
【0020】
請求項に記載の発明によれば、検知結果及び異常における度合いを自動で(制御部11により)レポートに入力することができる。
これにより、効率よくレポートを作成することができる。
【0021】
請求項に記載の発明は、プログラムであって、例えば図2図9及び図12に示すように、
所定の構造物を撮影した画像データを入力とし、異常に関する情報を出力として機械学習させた学習済モデル121を備える建物構造物診断装置1のコンピューター(制御部11)を、
前記画像データを取得する取得部、
前記取得部により取得された前記画像データに基づいて異常を検知する検知部、
前記検知部による検知結果を表示部34に表示する表示制御部、
前記検知部により検知された異常におけるユーザーによる度合いの判断結果の入力を受け付ける受付部、
として機能させ、
前記検知部は、前記学習済モデルを用いて異常を検知し、
前記表示制御部は、前記表示部34が表示する同じ画面にユーザーが前記度合いを判断するための情報として複数段階からなる前記度合いに応じた前記構造物の損傷具合の判定基準345dと、前記所定の構造物を撮影した画像と、前記検知結果としての前記画像データに含まれる異常と前記学習済モデル121が機械学習している異常との一致率と、を表示する。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、所定の構造物を撮影した画像データに基づいて検知部により検知された異常をユーザーが参照し、建物構造物診断装置1は、異常の度合いを判断するための情報に基づいてユーザーが判断した異常の度合いの入力を受け付けることができる。
これにより、ユーザーが判断したより正確な異常の度合いを受け付けることができる。したがって、建物や構造物の異常を好適に診断することができる。
また、ユーザーは、複数段階からなる度合いに応じた構造物の損傷具合の判定基準を参照して、異常の度合いを判断することができる。
また、検知部は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)等の学習済みモデルを用いて異常を検知することができる。これにより、容易且つ正確に異常を検知することができる。
また、ユーザーは、同じ画面に表示された、構造物の損傷具合の判定基準と、構造物を撮影した画像と、画像データに含まれる異常と学習済モデルが機械学習している異常との一致率とを容易に見比べることができる。したがって、ユーザーは、構造物の損傷具合の判定基準、及び画像データに含まれる異常と学習済モデルが機械学習している異常との一致率を考慮して、異常の度合いを容易に判断することができる。
これにより、ユーザーは、異常の度合いを容易に判断することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、建物や構造物の異常を好適に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】建物構造物診断システムの構成を示す図である。
図2】建物構造物診断装置の構成を示すブロック図である。
図3】情報管理装置の構成を示すブロック図である。
図4】端末装置の構成を示すブロック図である。
図5】耐久性診断の流れを示すフローチャートである。
図6】診断登録処理の流れを示すフローチャートである。
図7】端末装置が表示する診断登録画面の例を示す図である。
図8】端末装置が表示する診断リスト画面の例を示す図である。
図9】診断処理の流れを示すフローチャートである。
図10】端末装置が表示する診断メイン画面の例を示す図である。
図11】端末装置が表示する建物問診票画面の例を示す図である。
図12】端末装置が表示する診断詳細画面の例を示す図である。
図13】端末装置が表示する診断詳細画面の例を示す図である。
図14】端末装置が表示する診断メイン画面の例を示す図である。
図15】端末装置が表示する特記事項詳細画面の例を示す図である。
図16】端末装置が表示する診断メイン画面の例を示す図である。
図17A】レポートの例を示す図である。
図17B】レポートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0026】
[1.構成の説明]
[1-1.システム構成の説明]
図1は、建物構造物診断システム100を示す図である。
建物構造物診断システム100は、建物構造物診断装置(以下、診断装置と表記)1と、情報管理装置2と、端末装置3と、を備えている。
【0027】
建物構造物診断システム100を構成する診断装置1、情報管理装置2、及び端末装置3は、例えば通信ネットワークNを介して互いに通信可能となっている。
なお、通信ネットワークNは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0028】
[1-2.建物構造物診断装置の説明]
次に、診断装置1の構成について説明する。
診断装置1は、PC、専用の装置・端末等で構成されている。
【0029】
診断装置1は、図2に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
各部11~13は、バス等で電気的に接続されている。
なお、診断装置1は、表示部及び操作部のうちの少なくとも一方を備えていてもよい。
【0030】
制御部11は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成されている。
ROMは、CPUが実行する各種プログラム等を記憶している。
そして、制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、診断装置1の動作を集中制御するようになっている。
【0031】
記憶部12は、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成されている。
記憶部12には、制御部11が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。
各種プログラムは、例えば、後述する診断登録処理を実行する診断登録プログラム、後述する診断処理を実行する診断プログラム等を含む。その他、本システムの動作に必要なプログラムが適宜含まれているものとする。
また、各種データは、例えば、後述するレポート4の雛型データ等を含む。その他、本システムの動作に必要なデータやパラメーターが適宜含まれているものとする。
【0032】
また、記憶部12は、後述する診断処理において使用する学習済モデル121を記憶している。
学習済モデル121は、所定の構造物を撮影した画像データを入力とし、異常に関する情報を出力として機械学習させたものである。当該異常に関する情報とは、異常の有無及び異常の内容である。つまり、学習済モデル121は、所定の構造物を撮影した画像から当該構造物の異常を検知するものである。構造物の異常とは、例えば、構造物の腐朽、変形、劣化、損傷等である。
学習済モデル121は、深層学習されたニューラルネットワークを有するAI(Artificial Intelligence:人工知能)であってもよい。
【0033】
また、記憶部12は、診断データベース(以下、診断DB)122を備える。
診断DB122は、所定の構造物の耐久性を診断する耐久性診断に関する情報を記憶する。当該耐久性診断に関する情報は、耐久性診断を依頼された日時、診断対象である所定の構造物を備える建物に関する情報、診断対象である所定の構造物を備える建物を訪問する訪問予定日、及び耐久性診断の担当者等を記憶する。
【0034】
通信部13は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部13は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された他の装置(情報管理装置2、端末装置3等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0035】
[1-3.情報管理装置の説明]
次に、情報管理装置2の構成について説明する。
情報管理装置2は、PC、専用の装置・端末等で構成されている。
【0036】
情報管理装置2は、図3に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備える。
各部21~23は、バス等で電気的に接続されている。
なお、情報管理装置2は、表示部及び操作部のうちの少なくとも一方を備えていてもよい。
【0037】
制御部21は、情報管理装置2の動作を制御する部分であり、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えて構成され、記憶部22に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、情報管理装置2の各部を統括制御する。
【0038】
記憶部22は、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成されている。
記憶部22には、制御部21が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。
【0039】
また、記憶部22は、建物データベース(以下、建物DBと表記)221を備える。
建物DB221は、所定の構造物を備える建物に関する情報(建物のオーナー情報(オーナーの名前・住所・連絡先等)、所在地、種別、構造/階数、築年数、引渡日、図面、建物履歴情報等)を記憶する。
【0040】
通信部23は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部23は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された他の装置(診断装置1等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0041】
[1-4.端末装置の説明]
次に、端末装置3の構成について説明する。
端末装置3としては、専用の装置を用いる必要はなく、スマートフォン、タブレット端末等の汎用の携帯端末を使用することができる。
【0042】
端末装置3は、図4に示すように、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、操作部35と、撮像部36と、を備える。
各部31~36は、バス等で電気的に接続されている。
なお、撮像部36は、端末装置3内に備えられなくともよい。端末装置3と通信可能に構成された外部装置が備えるカメラを撮像部として用いてもよい。
【0043】
制御部31は、端末装置3の動作を制御する部分であり、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えて構成され、記憶部32に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、端末装置3の各部を統括制御する。
【0044】
記憶部32は、端末装置3の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成され、プログラムデータ等の端末装置3の運用に必要となるデータを、制御部31から読み書き可能に記憶する。
【0045】
また、記憶部32は、診断アプリケーションプログラム(以下、診断アプリと表記)321を記憶する。
制御部31は、診断装置1から受信した情報に基づいて、診断アプリ321において表示画面を自ら生成して表示する。
なお、端末装置3がブラウザを有する場合、制御部31は、ユーザーによって操作部35になされた操作に従って診断装置1が生成する各種ウェブページを表示部34に表示してもよい。
【0046】
通信部33は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部33は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された他の装置(診断装置1等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0047】
表示部34は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部31から出力された表示制御信号に基づいた画像を当該ディスプレイに表示する。
【0048】
操作部35は、例えば、表示部34と一体的に形成されたタッチパネル等を備え、ユーザーからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部31へと出力する。
操作部35は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等であってもよい。
【0049】
撮像部36は、光学系と、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、を有するデジタルカメラ部であり、被写体を撮像して、静止画や動画の画像データを生成して制御部31に出力する。
撮像部36は、例えば、被写体として、所定の構造物である建物全体、建物の表札、基礎、躯体、屋根、外壁、外部設備、内壁、浴室、給排水設備等を撮影する。
【0050】
[2.建物構造物診断システムの動作の説明]
次に、本実施形態に係る建物構造物診断システム100の動作について説明する。
図5に、建物構造物診断システム100を用いて実行される耐久性診断のフローチャートを示す。
【0051】
(耐久性診断)
まず、診断装置1の制御部11は、ユーザーにより端末装置3の操作部35を介して、診断アプリ321において耐久性診断登録が指示されると、図6に示す診断登録処理を実行する(ステップS1)。
【0052】
(診断登録処理)
診断登録処理において、制御部11は、診断登録画面341(図7)を診断アプリ321において表示させる(端末装置3の表示部34に表示させる)(ステップA1)。
次に、制御部11は、ユーザーにより操作部35を介して指定された、診断対象である所定の構造物を備える建物に関する情報を情報管理装置2の建物DB221から取得し、診断登録画面341に表示させる(ステップA2)。なお、制御部11は、取得した建物に関する情報のうち一部のみを、診断登録画面341に表示させてもよい。
図7に示す例においては、制御部11は、建物に関する情報として、建物のオーナー情報(オーナーの名前・住所・連絡先)、建物の所在地(現場住所)、引渡日を表示させる。
【0053】
次に、制御部11は、端末装置3から、診断登録画面341に入力された、ステップA2において取得した情報以外の耐久性診断に関する情報を受信する(ステップA3)。
図7に示す例においては、制御部11は、耐久性診断を依頼された日時、診断対象である所定の構造物を備える建物を訪問する訪問予定日、及び耐久性診断の担当者等の情報を受信する。
なお、診断装置1が表示部及び操作部を備える場合、制御部11は、ユーザーにより診断装置1の操作部になされた操作に従って、診断登録画面を診断装置1の表示部に表示させ、ステップA2において取得した情報以外の耐久性診断に関する情報を取得してもよい。
【0054】
次に、制御部11は、診断登録画面341においてユーザーにより登録ボタン341aが押下されると、耐久性診断に関する情報(ステップA2において取得した情報及びステップA3において受信した情報)を診断DB122に保存することで、当該耐久性診断を登録し(ステップA4)、本処理を終了する。なお、制御部11は、耐久性診断を登録する際に、診断番号(診断No.)を付して登録してもよい。
【0055】
また、制御部11は、ステップS1において登録した耐久性診断を担当者ごとにリスト化し、当該リストを表示する診断リスト画面342(図8)を診断アプリ321において表示させる(表示部34に表示させる)。
図8に示す例において、制御部11は、登録済みである耐久性診断を訪問予定日の月ごとに表示させる。
【0056】
また、図8に示す例において、制御部11は、耐久性診断リストの表示項目として、診断番号(診断No.)、リスト種別、オーナー情報、診断未/済、その他を診断リスト画面342において表示させる。
【0057】
制御部11は、診断未/済の項目に「未」ボタン342d、または「済」ボタン342eを表示させる。
「未」ボタン342dが表示された耐久性診断は、診断処理が未完了であることを示す。また、「済」ボタン342eが表示された耐久性診断は、診断処理が完了していることを示す。
また、制御部11は、診断処理が未完了である耐久性診断においては、予定変更ボタン342aを表示させ、ユーザーにより予定変更ボタン342aが押下された場合、訪問予定日の変更を受け付ける。
また、制御部11は、診断処理が完了している耐久性診断においては、「済」ボタン342eに診断処理を実行した日(診断日)を表示させる。
ユーザーにより「未」ボタン342d、または「済」ボタン342eが押下された場合については後述する。
【0058】
また、制御部11は、その他の項目に詳細ボタン342b、及びMapボタン342cを表示させる。
制御部11は、ユーザーにより詳細ボタン342bが押下された場合、耐久性診断に関する情報を表示する詳細画面(図示なし)を診断アプリ321において表示させる(表示部34に表示させる)。
制御部11は、ユーザーによりMapボタン342cが押下された場合、耐久性診断に関する情報に含まれる建物の所在地が記載された地図を表示するMap画面(図示なし)を診断アプリ321において表示させる(表示部34に表示させる)。
【0059】
また、制御部11は、診断処理が完了している耐久性診断を、診断処理が完了した時点から所定期間(例えば、一週間)が経過するまでは、診断リスト画面342に表示させたままにしておき、所定期間経過後に診断リスト画面342から削除する。
【0060】
図5に戻り、耐久性診断の担当者(ユーザー)は、ステップS1において保存した耐久性診断に関する情報に基づいて、診断対象である所定の構造物を備える建物を訪問し、所定の構造物を端末装置3の撮像部36を用いて撮影する。耐久性診断の担当者は、所定の構造物として、例えば、建物全体、建物の表札、基礎、躯体、屋根、外壁、外部設備、内壁、浴室、給排水設備等を撮影する。撮影された画像を診断画像とする。
また、耐久性診断の担当者は、建物のオーナーに問診を行い、建物履歴情報を取得する(ステップS2)。建物履歴情報とは、例えば、建物のメンテナンス・リフォーム履歴(増築、改築、補修・補強、白蟻補償有無)、被災履歴(水害、地震、火災)、不具合履歴(不同沈下、白蟻被害、雨漏り)、実際の建物と設計図書との相違等である。
【0061】
次に、制御部11は、ユーザーにより診断リスト画面342において、いずれかの耐久性診断の「未」ボタン342dが押下されることによって、診断処理が未完了である耐久性診断が選択された場合、図9に示す診断処理を実行する(ステップS3)。
【0062】
(診断処理)
診断処理において、制御部11は、診断リスト画面342から図10に示す診断メイン画面343に遷移させる(ステップB1)。
制御部11は、診断メイン画面343において、耐久性診断に関する情報を表示させる。
図10に示す例において、制御部11は、耐久性診断に関する情報として、診断対象である所定の構造物を備える建物に関する情報(オーナー情報(オーナーの名前、連絡先)、建物の種別、構造/階数、引渡日、図面)、及び耐久性診断の担当者を表示する。
なお、制御部11は、ユーザーにより図面閲覧ボタン343aが押下された場合に、建物の図面を診断メイン画面343に表示させる。
また、制御部11は、建物の階数欄343bにおいて、建物の階数の変更を受け付けてもよい。
また、制御部11は、実施日として、訪問予定日の日付を実施日欄343cに表示する。なお、制御部11は、実施日欄343cにおいて、実施日の変更を受け付けてもよい。また、制御部11は、後述するレポート4の表紙に実施日を表示させるか否かのユーザーによる選択を受け付ける。
また、制御部11は、レポート作成日として、訪問予定日の日付をレポート作成日欄343dに表示する。なお、制御部11は、レポート作成日欄343dにおいて、レポート作成日の変更を受け付けてもよい。また、制御部11は、レポート4の表紙にレポート作成日を表示させるか否かのユーザーによる選択を受け付ける。
【0063】
また、制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343の戻るボタン343hが押下された場合、診断メイン画面343において受け付けた上記変更及び選択を保存せずに、診断リスト画面342に戻る。
また、制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343の保存ボタン343iが押下された場合、診断メイン画面343において受け付けた上記変更及び選択を診断DB122に保存する。
【0064】
次に、制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343の「建物問診票」に付されたマーク343eが押下された場合、図11に示す建物問診票画面344を表示させ、建物履歴情報の入力を受け付ける(ステップB2)。
ユーザーは、耐久性診断のステップS2において建物のオーナーへの問診により取得した建物履歴情報を建物問診票画面344において入力する。
図11に示す例において、制御部11は、建物履歴情報として、建物のメンテナンス・リフォーム履歴(増築、改築、補修・補強、白蟻補償有無)、被災履歴(水害、地震、火災)、不具合履歴(不同沈下、白蟻被害、雨漏り)、実際の建物と設計図書との相違の入力を受け付ける。
また、制御部11は、診断登録処理のステップA2において建物DB221から取得した建物に関する情報に、既に建物履歴情報が含まれている場合、当該建物履歴情報を建物問診票画面344において表示させてもよい。
【0065】
また、制御部11は、ユーザーにより建物問診票画面344の保存ボタン344aが押下された場合、建物問診票画面344において入力を受け付けた建物履歴情報を診断DB122及び建物DB221に保存し、診断メイン画面343に戻る。
また、制御部11は、ユーザーにより建物問診票画面344の戻るボタン344bが押下された場合、建物問診票画面344において入力を受け付けた建物履歴情報を保存せずに、診断メイン画面343に戻る。
【0066】
図10に戻り、制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343のいずれかの構造物に付されたマーク343fが押下された場合、図12に示す診断詳細画面345を表示させ、診断画像の登録を受け付けることで、診断画像を取得する(ステップB3)。つまり、制御部11は、所定の構造物を撮影した画像データを取得する。ここで、制御部11は取得部として機能する。
図12に示す例は、ユーザーが所定の構造物として外壁を選択した場合である。
ユーザーは、診断詳細画面345において、選択した構造物の耐久性診断ステップS2で撮影した診断画像をアップロードすることで登録する。
【0067】
次に、制御部11は、学習済モデル121を用いて、登録された診断画像345aから診断画像345aにおいて撮影された構造物の異常を検知する(ステップB4)。つまり、制御部11は、取得部により取得された画像データに基づいて異常を検知する。ここで、制御部11は検知部として機能する。
図12に示す例は、構造物の異常として、「湿式(モルタル)(大型パネル)外壁材の亀裂・浮き・剥離」が検知された場合である。この場合、制御部11は、「湿式(モルタル)(大型パネル)外壁材の亀裂・浮き・剥離」の項目欄345bにおいて、異常検知の検知結果を表示させる。具体的には、制御部11は、表示領域345cに、分類:異常あり及び一致率を表示させる。つまり、制御部11は、検知部による検知結果を表示部34に表示する。ここで、制御部11は表示制御部として機能する。
【0068】
次に、制御部11は、ユーザーによる異常のレベル(度合い)及びコメントの入力を受け付ける(ステップB5)。つまり、制御部11は、検知部により検知された異常における度合いの入力を受け付ける。ここで、制御部11は受付部として機能する。
制御部11は、異常のレベルを判断するための判定基準345d(異常の度合いを判断するための情報)を、異常のレベルごとに項目欄345bに表示させる。つまり、表示制御部としての制御部11は、異常のレベルを判断するための情報として、複数段階からなる度合い(レベル)に応じた構造物の損傷具合の内容を項目欄345bに表示する。
ユーザーは、異常検知の検知結果及び判定基準345dを参照し、構造物の異常のレベルを、選択欄345eにおいて選択する。
また、ユーザーは、入力欄345fにおいて、構造物の異常についてのコメントを入力する。
【0069】
また、制御部11は、ユーザーによりサンプル入力ボタン345iが押下された場合、図13に示すように、表示領域345jに、入力欄345fに記載するコメントの候補やテンプレートを一又は複数表示させる。そして、制御部11は、ユーザーによる当該コメントの候補やテンプレートの選択を受け付ける。ユーザーによりいずれかの当該コメントの候補やテンプレートが選択された場合、制御部11は、選択されたコメントの候補やテンプレートの内容を入力欄345fに表示させる。
これにより、ユーザーはコメントを手入力する手間を省くことができる。
【0070】
なお、図12に示す例においては、構造物の異常として「湿式(モルタル)(大型パネル)外壁材の亀裂・浮き・剥離」のみが検知された例を示したがこれに限らない。一枚の診断画像(例えば、診断画像345a)から、「湿式(モルタル)(大型パネル)外壁材の亀裂・浮き・剥離」、及び「乾式(サイディング)外壁材の損傷」等の複数種類の異常が検知されてもよい。
【0071】
また、制御部11は、ユーザーにより診断詳細画面345の保存ボタン345gが押下された場合、ステップB3において取得した診断画像345a、ステップB4における異常検知の検知結果、及びステップB5において入力を受け付けた異常のレベル及びコメントを診断DB122に保存し、診断メイン画面343に戻る。
また、制御部11は、ユーザーにより診断詳細画面345の戻るボタン345hが押下された場合、診断画像345a、異常検知の検知結果、及び異常のレベル、コメントを保存せずに、診断メイン画面343に戻る。
【0072】
図14に、ユーザーにより診断詳細画面345の保存ボタン345gが押下された場合の診断メイン画面343の例を示す。
図14に示す例において、制御部11は、診断メイン画面343において、ステップB3において取得した診断画像345a、ステップB4における異常検知の検知結果、及びステップB5において入力を受け付けた異常のレベル及びコメントを表示させる。
図14に示す例は、基礎の診断画像から異常として「亀裂」が検知され、屋根の診断画像から異常として「勾配屋根漏水による腐朽・変形」が検知され、外壁の診断画像から「湿式(モルタル)(大型パネル)外壁材の亀裂・浮き・剥離」が検知された場合である。
【0073】
また、制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343の「特記事項、考察、再保証・保証延長の条件」に付されたマーク343gが押下された場合、図15に示す特記事項詳細画面346を表示させ、特記事項、考察、再保証・保証延長の条件の入力を受け付ける(ステップB6)。
図15に示す例において、制御部11は、入力欄346aにおいて、建物履歴情報に関する特記事項または補足事項の入力を受け付ける。
また、制御部11は、入力欄346bにおいて、異常検知の検知結果、及び異常レベルの判定に関する考察の入力を受け付ける。
また、制御部11は、選択欄346cにおいて、再保証・保証延長の条件の選択を受け付ける。
【0074】
また、制御部11は、ユーザーにより特記事項詳細画面346の保存ボタン346dが押下された場合、入力を受け付けた特記事項、考察、再保証・保証延長の条件を診断DB122に保存し、診断メイン画面343に戻る。
また、制御部11は、ユーザーにより特記事項詳細画面346の戻るボタン346eが押下された場合、入力を受け付けた特記事項、考察、再保証・保証延長の条件を保存せずに、診断メイン画面343に戻る。
【0075】
図14に戻り、制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343の完了ボタン343jが押下された場合、当該耐久性診断は、診断処理が完了したとする。そして、制御部11は、図16に示すように、診断メイン画面343にレポート作成ボタン343kを表示させる。
なお、制御部11は、ユーザーにより診断リスト画面342(図8)において、いずれかの耐久性診断の「済」ボタン342eが押下されることによって、診断処理が完了した耐久性診断が選択された場合、図16に示すようなレポート作成ボタン343kを表示させた診断メイン画面343に遷移させる。
【0076】
制御部11は、ユーザーにより診断メイン画面343のレポート作成ボタン343kが押下された場合、図17A及び図17Bに示すレポート4を作成し、出力する(ステップB7)。
制御部11は、レポート4に、診断処理のステップB4における異常検知の検知結果、及びステップB5において入力を受け付けた異常のレベルを記載する。
つまり、制御部11は、検知部による検知結果、及び受付部により受け付けた異常における度合いに基づいてレポート4を作成する。ここで、制御部11はレポート作成部として機能する。
【0077】
図17A及び図17Bに示す例において、制御部11は、項目としての診断対象の構造物(基礎、躯体、屋根、外壁、外備、浴室、給排水設備)ごとに検知した異常を記載する。
また、制御部11は、入力を受け付けた異常のレベルの横に判定として黒丸を記載する。
また、制御部11は、判定基準として図12に示す判定基準345dを記載する。
【0078】
なお、制御部11は、レポート4に、耐久性診断に関する情報として、診断対象である所定の構造物を備える建物に関する情報(オーナー情報、築年数、引渡日)、及び耐久性診断の担当者、実施日、及びレポート作成日等を記載してもよい。
また、制御部11は、レポート4に、診断処理のステップB2において入力を受け付けた建物履歴情報を記載してもよい。
また、制御部11は、レポート4に、診断処理のステップB6において入力を受け付けた特記事項、考察、再保証・保証延長の条件を記載してもよい。
【0079】
なお、このようなレポート4は、例えばPDFの形式で作成されるが、ウェブページの形式やその他の形式で作成されてもよい。
なお、制御部11は、ステップB7のレポート作成処理を、診断アプリ321外の所定のシステムにおいて実行してもよい。
そして、制御部11は、診断処理を終了する。
図5に戻り、耐久性診断が終了する。
【0080】
[3.効果]
以上のように、本実施の形態によれば、建物構造物診断装置1は、所定の構造物を撮影した画像データを取得する取得部(制御部11)と、取得部により取得された画像データに基づいて異常を検知する検知部(制御部11)と、検知部による検知結果を表示部34に表示する表示制御部(制御部11)と、検知部により検知された異常における度合いの入力を受け付ける受付部(制御部11)と、を備え、表示制御部は、表示部34に度合いを判断するための情報(判定基準345d)を表示する。
これによれば、所定の構造物を撮影した画像データに基づいて検知部により検知された異常をユーザーが参照し、建物構造物診断装置1は、異常の度合いを判断するための情報に基づいてユーザーが判断した異常の度合いの入力を受け付けることができる。
よって、ユーザーが判断したより正確な異常の度合いを受け付けることができる。したがって、建物や構造物の異常を好適に診断することができる。
【0081】
また、建物構造物診断装置1において、表示制御部は、度合いを判断するための情報として、複数段階からなる度合いに応じた構造物の損傷具合の内容を表示する。
これによれば、ユーザーは、複数段階からなる度合いに応じた構造物の損傷具合の内容を参照して、異常の度合いを判断することができる。
したがって、異常の度合いを容易に判断することができる。
【0082】
また、建物構造物診断装置1において、受付部は、検知部による検知結果に関するコメントの入力を受け付ける。
これによれば、ユーザーによる異常に関するコメントの入力を受け付けることができる。
したがって、異常に関してより詳細な診断をすることができる。
【0083】
また、建物構造物診断装置1において、表示制御部は、表示部34に検知部による検知結果に関するコメントの一又は複数のテンプレートを表示し、受付部は、テンプレートの選択を受け付ける。
これによれば、ユーザーは、検知結果に関するコメントをテンプレートから選択して入力することができる。
したがって、ユーザーはコメントを手入力する手間を省くことができる。
【0084】
また、建物構造物診断装置1において、検知部は、取得部により取得された一の画像データに基づいて複数種類の異常を検知する。
これによれば、異常の種類ごとに画像データを取得し、異常の種類ごとに異常検知を行うことなしに、複数種類の異常を検知することができる。
したがって、効率よく異常を検知することができる。
【0085】
また、建物構造物診断装置1は、画像データを入力とし、異常に関する情報を出力として機械学習させた学習済モデル121を備え、検知部は、学習済モデル121を用いて異常を検知する。
これによれば、AI(Artificial Intelligence:人工知能)等の学習済みモデルを用いて異常を検知することができる。
したがって、容易且つ正確に異常を検知することができる。
【0086】
また、建物構造物診断装置1は、検知部による検知結果、及び受付部により受け付けた異常における度合いに基づいてレポート4を作成するレポート作成部(制御部11)を備える。
これによれば、検知結果及び異常における度合いを自動で(制御部11により)レポートに入力することができる。
したがって、効率よくレポートを作成することができる。
【0087】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施形態において、建物構造物診断システム100は、建物構造物診断装置1及び情報管理装置2を備えるとしたがこれに限らない。建物構造物診断システム100おいて情報管理装置2を省いて、代わりに、建物に関する情報を記憶した建物データベースを備える建物構造物診断装置を備えてもよい。
【符号の説明】
【0088】
100 建物構造物診断システム
1 建物構造物診断装置
11 制御部(取得部、検知部、表示制御部、受付部、レポート作成部)
12 記憶部
121 学習済モデル
122 診断データベース
13 通信部
2 情報管理装置
21 制御部
22 記憶部
221 建物データベース
23 通信部
3 端末装置
31 制御部
32 記憶部
321 診断アプリ
33 通信部
34 表示部
35 操作部
36 撮像部
4 レポート
【要約】
【課題】建物や構造物の異常を好適に診断する建物構造物診断装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】建物構造物診断装置1は、所定の構造物を撮影した画像データを取得する取得部(制御部11)と、取得部により取得された画像データに基づいて異常を検知する検知部(制御部11)と、検知部による検知結果を表示部34に表示する表示制御部(制御部11)と、検知部により検知された異常における度合いの入力を受け付ける受付部(制御部11)と、を備え、表示制御部は、表示部34に度合いを判断するための情報(判定基準345d)を表示する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B