(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/60 20060101AFI20231110BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20231110BHJP
B65H 5/36 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
B65H29/60 C
B65H7/14
B65H5/36
(21)【出願番号】P 2022191012
(22)【出願日】2022-11-30
(62)【分割の表示】P 2019040641の分割
【原出願日】2019-03-06
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河田 憲吾
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-099826(JP,A)
【文献】特開2014-069917(JP,A)
【文献】特開2006-155458(JP,A)
【文献】特開2008-270954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/60
B65H 7/14
B65H 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送路と、
第2搬送路と、
挿入排出口と、
第1位置に配置されるときに前記挿入排出口と前記第1搬送路とを接続し、第2位置に配置されるときに前記第1搬送路と前記第2搬送路とを接続する切替部と、
前記切替部が前記第1位置に配置されるときに、前記挿入排出口から挿入された媒体を前記第1搬送路に搬送し、または、前記第1搬送路を搬送される媒体を前記挿入排出口から排出する搬送部と、
前記切替部を前記第1位置または前記第2位置に配置するアクチュエータと、
前記第2搬送路を介して排出される媒体が載置されるスタッカと、
前記切替部の移動と前記スタッカの移動とを連動的に動作させる機構とを備え、
前記搬送部は、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに、前記第1搬送路から前記第2搬送路に媒体を搬送する
媒体搬送装置。
【請求項2】
前記切替部が前記第1位置に配置されるときに前記切替部から離れ、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに前記切替部に接触するストッパ
をさらに備える請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1搬送路に接続されるシュータと、
前記シュータに媒体が載置されたか否かを検出する載置センサと、
前記シュータに媒体が載置されたことが検出されたときに、前記切替部を前記第2位置に配置するように、前記アクチュエータを制御する制御部
とをさらに備える請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記切替部が前記第1位置に配置されているか前記第2位置に配置されているかを検出する開閉センサをさらに備え、
前記制御部は、前記切替部が前記第2位置に配置されていると検出された後に媒体が前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送されるように、前記搬送部を制御する
請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記挿入排出口に媒体が挿入されたか否かを検出する挿入センサをさらに備え、
前記制御部は、前記挿入排出口に媒体が挿入されたことが検出されたときに、前記挿入排出口に挿入された媒体が前記挿入排出口から前記第1搬送路に搬送されるように、前記搬送部を制御する
請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記挿入センサは、
所定領域を通過する光が検出されたときに前記媒体が前記挿入排出口に挿入されていないと検出し、
前記光が検出されないときに前記媒体が前記挿入排出口に挿入されていると検出し、
前記開閉センサは、
前記切替部が前記第1位置に配置されるときに前記光を遮蔽せず、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに前記光を遮蔽する遮蔽部材を有し、
前記挿入センサにより前記光が検出されたときに前記切替部が前記第1位置に配置されていると検出する
請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記第1搬送路を搬送される媒体の画像を読み取る読取部をさらに備え、
前記読取部は、前記挿入排出口から挿入された挿入媒体が前記第1搬送路を前記挿入排出口に向かって搬送されるときに前記挿入媒体の画像を撮像する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
第1媒体と第2媒体とを搬送する媒体搬送装置であり、
第1端と第2端とを有し、前記第1媒体を前記第1端から前記第2端に搬送し、前記第2媒体を前記第2端から前記第1端に搬送してから前記第2端に搬送する第1搬送路と、
前記第1媒体が排出されるように前記第1媒体を搬送する第2搬送路と、
前記第2媒体が挿入され排出される挿入排出口と、
第1位置に配置されるときに前記挿入排出口と前記第1搬送路の前記第2端とを接続し、第2位置に配置されるときに前記第2搬送路と前記第1搬送路の前記第2端とを接続する切替部と、
前記第1媒体を前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送し、前記第2媒体を前記挿入排出口から前記第1搬送路に搬送して前記第1搬送路から前記挿入排出口に搬送する搬送部と、
前記第1媒体が搬送されるときに前記切替部を前記第2位置に移動させ、前記第2媒体が搬送されるときに前記切替部を前記第1位置に移動させるアクチュエータと、
前記媒体搬送装置のケーシングと、
前記第2媒体が搬送されるときに第3位置に位置し、前記第1媒体が搬送されるときに第4位置に位置し、前記第3位置に配置されたときに前記ケーシングに格納され、前記第4位置に配置されたときに前記ケーシングから展開して前記第2搬送路からの前記第1媒体が載置されるスタッカと、
前記スタッカを前記切替部に連動させる連動機構
とを備える媒体搬送装置。
【請求項9】
前記第1搬送路に接続されるシュータと、
前記シュータに前記第1媒体が載置されたか否かを検出する載置センサと、
前記シュータに前記第1媒体が載置されたことが検出されたときに、前記切替部を前記第2位置に配置するように、前記アクチュエータを制御する制御部
とをさらに備える請求項8に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
前記切替部が前記第1位置に配置されているか前記第2位置に配置されているかを検出する開閉センサをさらに備え、
前記制御部は、前記切替部が前記第2位置に配置されていると検出された後に前記第2媒体が前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送されるように、前記搬送部を制御する
請求項9に記載の媒体搬送装置。
【請求項11】
前記挿入排出口に前記第2媒体が挿入されたか否かを検出する挿入センサをさらに備え、
前記制御部は、前記挿入排出口に前記第2媒体が挿入されたことが検出されたときに、前記第2媒体が前記挿入排出口から前記第1搬送路に搬送されるように、前記搬送部を制御する
請求項10に記載の媒体搬送装置。
【請求項12】
前記挿入センサは、
所定領域を通過する光が検出されたときに前記第2媒体が前記挿入排出口に挿入されていないと検出し、
前記光が検出されないときに前記第2媒体が前記挿入排出口に挿入されていると検出し、
前記開閉センサは、
前記切替部が前記第1位置に配置されるときに前記光を遮蔽せず、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに前記光を遮蔽する遮蔽部材を有し、
前記挿入センサにより前記光が検出されたときに前記切替部が前記第1位置に配置されていると検出する
請求項11に記載の媒体搬送装置。
【請求項13】
前記第1媒体の画像と前記第2媒体の画像を読み取る読取部をさらに備え、
前記読取部は、前記第2媒体が前記第1搬送路を前記第1端から前記第2端に搬送されるときに前記第2媒体の画像を撮像する
請求項8に記載の媒体搬送装置。
【請求項14】
前記切替部が前記第1位置に配置されるときに前記切替部から離れ、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに前記切替部に接触するストッパ
をさらに備える請求項8に記載の媒体搬送装置。
【請求項15】
第1媒体と第2媒体とを搬送する媒体搬送装置であり、
第1端と第2端とを有し、前記第1媒体を前記第1端から前記第2端に搬送し、前記第2媒体を前記第2端から前記第1端に搬送してから前記第2端に搬送する第1搬送路と、
前記第1媒体が排出されるように前記第1媒体を搬送する第2搬送路と、
前記第2媒体が挿入され排出される挿入排出口と、
第1位置に配置されるときに前記挿入排出口と前記第1搬送路の前記第2端とを接続し、第2位置に配置されるときに前記第2搬送路と前記第1搬送路の前記第2端とを接続する切替部と、
前記第1媒体を前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送し、前記第2媒体を前記挿入排出口から前記第1搬送路に搬送して前記第1搬送路から前記挿入排出口に搬送する搬送部と、
前記第1媒体が搬送されるときに前記切替部を前記第2位置に移動させ、前記第2媒体が搬送されるときに前記切替部を前記第1位置に移動させるアクチュエータと、
前記第1搬送路に接続されるシュータと、
前記シュータに前記第1媒体が載置されたか否かを検出する載置センサと、
前記切替部が前記第1位置に配置されているか前記第2位置に配置されているかを検出する開閉センサと、
前記挿入排出口に前記第2媒体が挿入されたか否かを検出する挿入センサと、
前記シュータに前記第1媒体が載置されたことが検出されたときに、前記切替部を前記第2位置に配置するように、前記アクチュエータを制御し、前記切替部が前記第2位置に配置されていると検出された後に前記第2媒体が前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送されるように、前記搬送部を制御し、前記挿入排出口に前記第2媒体が挿入されたことが検出されたときに、前記第2媒体が前記挿入排出口から前記第1搬送路に搬送されるように、前記搬送部を制御する制御部とを備え、
前記挿入センサは、
所定領域を通過する光が検出されたときに前記第2媒体が前記挿入排出口に挿入されていないと検出し、
前記光が検出されないときに前記第2媒体が前記挿入排出口に挿入されていると検出し、
前記開閉センサは、
前記切替部が前記第1位置に配置されるときに前記光を遮蔽せず、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに前記光を遮蔽する遮蔽部材を有し、
前記挿入センサにより前記光が検出されたときに前記切替部が前記第1位置に配置されていると検出する
媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの搬送路が設けられ、媒体の種類に応じた搬送路に媒体を搬送させて、媒体の画像を読み取る画像読取装置が知られている(特許文献1参照)。このような画像読取装置は、搬送路を切り替える切替部を備えることにより、媒体を搬送路に適切に案内することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような画像読取装置は、切り替えられた搬送路に沿って媒体が適切に搬送されない不具合が発生することがある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、切り替えられた搬送路に沿って媒体を適切に搬送する媒体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様における媒体搬送装置は、第1搬送路と、第2搬送路と、挿入排出口と、第1位置に配置されるときに前記挿入排出口と前記第1搬送路とを接続し、第2位置に配置されるときに前記第1搬送路と前記第2搬送路とを接続する切替部と、前記切替部が前記第1位置に配置されるときに、前記挿入排出口から挿入された媒体を前記第1搬送路に搬送し、または、前記第1搬送路を搬送される媒体を前記挿入排出口から排出する搬送部と、前記切替部を前記第1位置または前記第2位置に配置するアクチュエータと、前記第2搬送路を介して排出される媒体が載置されるスタッカと、前記切替部の移動と前記スタッカの移動とを連動的に動作させる機構とを備える。前記搬送部は、前記切替部が前記第2位置に配置されるときに、前記第1搬送路から前記第2搬送路に媒体を搬送する。
【発明の効果】
【0007】
開示の媒体搬送装置は、切り替えられた搬送路に沿って媒体を適切に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例の画像読取装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1スタッカ部材がスタッカ格納位置に配置されているときの実施例の画像読取装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1スタッカ部材がスタッカ格納位置に配置されているときの実施例の画像読取装置を示す側断面図である。
【
図4】
図4は、シュータがシュータ格納位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す側断面図である。
【
図5】
図5は、シュータが画像読取装置本体から取り外されたときの実施例の画像読取装置1を示す側断面図である。
【
図6】
図6は、媒体読取用搬送路と、媒体分離用搬送路とを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、切替部が閉鎖位置に配置されているときの実施例の画像読取装置を示す正面図である。
【
図10】
図10は、切替部が開放位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す正面図である。
【
図11】
図11は、切替部と、第2媒体セットセンサとを示す側面図である。
【
図12】
図12は、切替部が閉鎖位置に配置されているときの第2媒体セットセンサを示す側面図である。
【
図16】
図16は、切替部が閉鎖位置に配置されているときの第1スタッカ部材を示す側断面図である。
【
図17】
図17は、実施例の画像読取装置を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、実施例の画像読取装置の動作を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施例の画像読取装置の動作を示す、他のフローチャートである。
【
図20】
図20は、実施例の画像読取装置の動作を示す、さらに他のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる媒体搬送装置が設けられている画像読取装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本発明が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例】
【0010】
図1は、実施例の画像読取装置1を示す斜視図である。画像読取装置1は、
図1に示されるように、画像読取装置本体2と、切替部3と、シュータ5と、スタッカ6とを備える。画像読取装置本体2は、箱型に形成され、画像読取装置1が設置される設置面に載置される。画像読取装置本体2には、挿入排出口7が形成されている。切替部3は、挿入排出口7の近傍に配置される。シュータ5は、板状に形成され、シュータ載置面11が形成されている。シュータ5は、シュータ展開位置またはシュータ格納位置に配置されるように、回転軸12を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持される。シュータ5は、
図1に示されるように、シュータ展開位置に配置されるときに、シュータ載置面11が斜め上方を向くように配置され、画像読取装置本体2に固定される。
【0011】
スタッカ6は、第1スタッカ部材14と、第2スタッカ部材15と、第3スタッカ部材16と、図示されていない第1連動機構と、第2連動機構とを備え、伸縮可能に形成される。第1スタッカ部材14は、板状に形成され、第1スタッカ載置面17が形成されている。第1スタッカ部材14は、スタッカ展開位置またはスタッカ格納位置に配置されるように、回転軸18を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第1スタッカ部材14は、
図1に示されるように、スタッカ展開位置に配置されるときに、第1スタッカ載置面17が斜め上方を向くように配置され、画像読取装置本体2に固定される。
【0012】
第2スタッカ部材15は、板状に形成され、第2スタッカ載置面21が形成されている。第2スタッカ部材15は、第2スタッカ載置面21が第1スタッカ載置面17に沿う平面に沿うように配置され、第2スタッカ延伸位置または第2スタッカ短縮位置に配置されるように、伸縮方向22に並進可能に第1スタッカ部材14に支持される。伸縮方向22は、第1スタッカ載置面17に沿う平面に平行であり、回転軸18に垂直である。第2スタッカ部材15は、
図1に示されるように、第2スタッカ延伸位置に配置されるときに、第2スタッカ載置面21が第1スタッカ載置面17より回転軸18から遠い側に配置されるように、配置される。
【0013】
第1連動機構は、第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置に向かって移動するときに、第2スタッカ部材15が第2スタッカ延伸位置に向かって移動するように、第1スタッカ部材14の回転運動を第2スタッカ部材15の並進運動に変換する。第1連動機構は、さらに、第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置に配置されるときに、第2スタッカ部材15を第2スタッカ延伸位置に配置する。
【0014】
第3スタッカ部材16は、板状に形成され、第3スタッカ載置面23が形成されている。第3スタッカ部材16は、第3スタッカ載置面23が第2スタッカ載置面21に沿う平面に沿うように配置され、第3スタッカ延伸位置または第3スタッカ短縮位置に配置されるように、伸縮方向22に並進可能に第2スタッカ部材15に支持される。第3スタッカ部材16は、
図1に示されるように、第3スタッカ延伸位置に配置されるときに、第3スタッカ載置面23が第2スタッカ載置面21より回転軸18から遠い側に配置されるように、配置される。
【0015】
第2連動機構は、第2スタッカ部材15が第2スタッカ延伸位置に向かって移動するときに、第3スタッカ部材16が第3スタッカ延伸位置に向かって移動するように、第2スタッカ部材15の回転運動を第3スタッカ部材16の並進運動に変換する。第2連動機構は、さらに、第2スタッカ部材15が第2スタッカ延伸位置に配置されるときに、第3スタッカ部材16を第3スタッカ延伸位置に配置する。すなわち、スタッカ6は、第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置に配置されるときに、第1スタッカ載置面17と、第2スタッカ載置面21と、第3スタッカ載置面23とが同一平面に沿って並ぶように延伸する。
【0016】
図2は、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す斜視図である。
図3は、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す側断面図である。第1スタッカ部材14は、スタッカ格納位置に配置されているときに、画像読取装置本体2の上面に沿うように配置される。第1連動機構は、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に向かって移動するときに、第2スタッカ部材15が第2スタッカ短縮位置に向かって移動するように、第1スタッカ部材14の回転運動を第2スタッカ部材15の並進運動に変換する。第1連動機構は、さらに、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されるときに、第2スタッカ部材15を第2スタッカ短縮位置に配置する。第2スタッカ部材15は、第2スタッカ短縮位置に配置されるときに、第2スタッカ載置面21が第1スタッカ載置面17に重なるように、第1スタッカ部材14の内部に配置される。
【0017】
第2連動機構は、第2スタッカ部材15が第2スタッカ短縮位置に向かって移動するときに、第3スタッカ部材16が第3スタッカ短縮位置に向かって移動するように、第2スタッカ部材15の回転運動を第3スタッカ部材16の並進運動に変換する。第2連動機構は、第2スタッカ部材15が第2スタッカ短縮位置に配置されるときに、第3スタッカ部材16を第3スタッカ短縮位置に配置する。第3スタッカ部材16は、第3スタッカ短縮位置に配置されるときに、第3スタッカ載置面23が第2スタッカ載置面21に重なるように、第2スタッカ部材15の内部に配置される。
【0018】
すなわち、スタッカ6は、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されるときに、第1スタッカ載置面17と、第2スタッカ載置面21と、第3スタッカ載置面23とが重なるように短縮し、画像読取装置本体2の上面に沿うように格納される。スタッカ6は、さらに、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されるときに、シュータ5がシュータ展開位置からシュータ格納位置に移動するときに通過する領域から退避する。スタッカ6がその領域から退避することにより、シュータ5が回転軸12を中心に回転するときに、スタッカ6がシュータ5に干渉するのを防止する。
図4に示されるように、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されるときに、シュータ5をシュータ格納位置に配置することができる。
図4は、シュータ5がシュータ格納位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す側断面図である。
【0019】
シュータ5のシュータ載置面11は、シュータ5がシュータ格納位置に配置されることにより、下側を向き、第1スタッカ載置面17に対向する。画像読取装置1は、シュータ5がシュータ格納位置に配置されているときに、シュータ5がシュータ展開位置に配置されているときの画像読取装置1よりコンパクトになり、より小さいスペースに格納することができる。
【0020】
シュータ5は、
図5に示されるように、画像読取装置本体2から取り外すことができる。
図5は、シュータ5が画像読取装置本体2から取り外されたときの実施例の画像読取装置1を示す側断面図である。画像読取装置1は、シュータ5が画像読取装置本体2から取り外されたときに、シュータ5が画像読取装置本体2に取り付けられているときの画像読取装置1よりコンパクトになり、より小さいスペースに格納することができる。画像読取装置1は、シュータ5が画像読取装置本体2から取り外されたときに、シュータ5が画像読取装置本体2に取り付けられているときの画像読取装置1より軽量になり、ユーザによる持ち運びを容易にすることができる。
【0021】
画像読取装置本体2には、媒体読取用搬送路31と、媒体引込用搬送路32と、媒体分離用搬送路33と、媒体排出用搬送路34とがさらに形成されている。媒体読取用搬送路31は、画像読取装置1の設置面に沿う平面に概ね平行である他の平面に沿うように、画像読取装置本体2の内部に形成される。媒体読取用搬送路31は、さらに、媒体読取用搬送路31に沿う平面が挿入排出口7と交差するように配置される。媒体読取用搬送路31の一端は、切替部3が画像読取装置本体2に対して移動するときに通過する切替領域35に接続され、切替領域35を介して挿入排出口7に接続される。媒体読取用搬送路31の他端は、合流点36に接続される。
【0022】
媒体引込用搬送路32は、媒体読取用搬送路31に沿う平面に沿うように、画像読取装置本体2の内部に形成される。媒体引込用搬送路32の一端は、合流点36に接続され、合流点36を介して媒体読取用搬送路31に接続される。
【0023】
媒体分離用搬送路33は、画像読取装置本体2の内部の媒体引込用搬送路32の上部に形成される。媒体分離用搬送路33の一端は、シュータ5がシュータ展開位置に配置されるときにシュータ載置面11に接続される給紙口37に接続され、給紙口37を介してシュータ載置面11に接続される。媒体分離用搬送路33の他端は、合流点36に接続され、合流点36を介して媒体読取用搬送路31に接続される。媒体分離用搬送路33は、合流点36に近い側の端がシュータ載置面11に近い側の端より下側に配置されるように、設置面に沿う平面に対して傾斜する平面に沿うように形成される。
【0024】
媒体排出用搬送路34は、画像読取装置本体2の内部の切替領域35の上部に形成され、屈曲している。媒体排出用搬送路34の一端は、第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置に配置されるときに、第1スタッカ載置面17に接続される。媒体排出用搬送路34の他端は、切替領域35に接続され、切替領域35を介して媒体読取用搬送路31に接続される。
【0025】
画像読取装置1は、搬送部41と、読取部42とをさらに備える。搬送部41は、分離部43と、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46と、第1プレッシャローラ47と、第2プレッシャローラ48と、第3プレッシャローラ49とを備える。分離部43は、媒体分離用搬送路33の途中に配置される。
【0026】
第1フィードローラ44は、円柱状に形成される。第1フィードローラ44は、媒体読取用搬送路31に配置される媒体に接触するように、媒体読取用搬送路31の下側に配置され、回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第1フィードローラ44は、順回転(
図5で反時計回り)することにより、第1フィードローラ44に接触する媒体を媒体読取用搬送路31に沿って切替領域35に向けて搬送する。第1フィードローラ44は、逆回転(
図5で時計回り)することにより、第1フィードローラ44に接触する媒体を媒体読取用搬送路31に沿って合流点36に向けて搬送する。
【0027】
第2フィードローラ45は、円柱状に形成される。第2フィードローラ45は、媒体読取用搬送路31に配置される媒体に接触するように、媒体読取用搬送路31の下側の第1フィードローラ44と切替領域35との間に配置され、回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第2フィードローラ45は、順回転(
図5で反時計回り)することにより、第2フィードローラ45に接触する媒体を媒体読取用搬送路31に沿って切替領域35に向けて搬送する。第2フィードローラ45は、逆回転(
図5で時計回り)することにより、第2フィードローラ45に接触する媒体を媒体読取用搬送路31に沿って合流点36に向けて搬送する。
【0028】
第3フィードローラ46は、円柱状に形成される。第3フィードローラ46は、媒体排出用搬送路34の近傍に配置され、回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第3フィードローラ46は、第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置に配置されるときに、順回転することにより、媒体排出用搬送路34に配置される媒体を切替領域35から第1スタッカ部材14の第1スタッカ載置面17に向けて搬送する。
【0029】
第1プレッシャローラ47は、円柱状に形成される。第1プレッシャローラ47は、媒体読取用搬送路31の上側かつ第1フィードローラ44の上側に配置される。第1プレッシャローラ47は、媒体読取用搬送路31に沿う平面に垂直である上下方向に並進可能に、かつ、回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第1プレッシャローラ47は、媒体読取用搬送路31に配置される媒体が第1フィードローラ44に適切に接触するように、媒体読取用搬送路31に配置される媒体を第1フィードローラ44に押し付ける。
【0030】
第2プレッシャローラ48は、円柱状に形成される。第2プレッシャローラ48は、媒体読取用搬送路31の上側かつ第2フィードローラ45の上側に配置される。第2プレッシャローラ48は、上下方向に並進可能に、かつ、回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第2プレッシャローラ48は、媒体読取用搬送路31に配置される媒体が第2フィードローラ45に適切に接触するように、媒体読取用搬送路31に配置される媒体を第2フィードローラ45に押し付ける。
【0031】
第3プレッシャローラ49は、円柱状に形成される。第3プレッシャローラ49は、媒体排出用搬送路34が第3フィードローラ46と第3プレッシャローラ49との間に配置されるように配置される。第3プレッシャローラ49は、回転可能に画像読取装置本体2に支持される。第3プレッシャローラ49は、媒体排出用搬送路34に配置される媒体が第3フィードローラ46に適切に接触するように、媒体排出用搬送路34に配置される媒体を第3フィードローラ46に押し付ける。
【0032】
読取部42は、下側読取部51と、上側読取部52とを備える。下側読取部51は、CIS(Contact Image Sensor)タイプのイメージセンサから形成される。下側読取部51は、媒体読取用搬送路31の下側かつ第1フィードローラ44と第2フィードローラ45との間に配置される。下側読取部51は、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される媒体の下側の面の画像を読み取る。上側読取部52は、CISタイプのイメージセンサから形成される。上側読取部52は、媒体読取用搬送路31の上側の下側読取部51の上側かつ第1プレッシャローラ47と第2プレッシャローラ48との間に配置される。上側読取部52は、上下方向に並進可能に画像読取装置本体2に支持される。上側読取部52は、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される媒体の上側の面の画像を読み取る。
【0033】
図6は、媒体読取用搬送路31と、媒体分離用搬送路33とを示す斜視図である。画像読取装置1は、第1媒体セットセンサ53と、第2媒体セットセンサ54と、媒体位置検出センサ55とをさらに備える。第1媒体セットセンサ53は、媒体分離用搬送路33の分離部43より合流点36から遠い側に配置される。第1媒体セットセンサ53は、シュータ5がシュータ展開位置に配置されているときに、シュータ5に媒体が載置されているか否かを検出する。第2媒体セットセンサ54は、媒体読取用搬送路31の第2フィードローラ45と切替領域35との間に配置される。
【0034】
媒体位置検出センサ55は、媒体読取用搬送路31の第1フィードローラ44と下側読取部51との間に配置される。媒体位置検出センサ55は、媒体読取用搬送路31の第1フィードローラ44と下側読取部51との間の媒体検出位置56に媒体が配置されているか否かを検出し、媒体の端が媒体検出位置56を通過するタイミングを検出する。
【0035】
図7は、分離部43を示す斜視図である。分離部43は、フリクションパッド61と、ピックローラ62とを備える。フリクションパッド61は、シュータ5がシュータ展開位置に配置されているときに、シュータ5に載置される複数の媒体のうちのシュータ載置面11に接触する1つの媒体に接触するように、媒体分離用搬送路33の下側に配置される。ピックローラ62は、円柱状に形成される。ピックローラ62は、シュータ5がシュータ展開位置に配置されているときに、シュータ5に載置される複数の媒体のうちのフリクションパッド61から遠い側に配置される1つの媒体に接触するように、媒体分離用搬送路33の途中に配置される。ピックローラ62は、順回転することにより、シュータ5に載置される複数の媒体から、ピックローラ62に接触する1つの媒体を分離する。ピックローラ62は、順回転することにより、その分離された1つの媒体を媒体分離用搬送路33に沿って合流点36に向けて搬送し、その分離された1つの媒体を媒体読取用搬送路31に繰り出す。
【0036】
図8は、切替部3を示す側面図である。切替部3は、切替領域35に配置され、閉鎖位置または開放位置に配置されるように、回転軸64を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持される。回転軸64は、回転軸18に平行である。切替部3は、開放位置に配置されているときに、回転軸64を中心に順回転(
図8で時計回り)することにより、閉鎖位置に向かって移動する。切替部3は、閉鎖位置に配置されているときに、回転軸64を中心に逆回転(
図8で反時計回り)することにより、開放位置に向かって移動する。画像読取装置1は、回転ストッパ65をさらに備える。回転ストッパ65は、切替部3が閉鎖位置に配置されているときに、切替部3に接触するように配置され、画像読取装置本体2に固定される。回転ストッパ65は、切替部3が閉鎖位置に配置されているときに切替部3に接触することにより、切替部3が閉鎖位置から順回転しないように、切替部3の回転を抑制する。
【0037】
切替部3は、閉鎖位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路31に沿って切替領域35に向かって搬送される媒体を媒体排出用搬送路34に案内する。画像読取装置1は、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、回転ストッパ65により、切替部3が閉鎖位置から順回転しないように、切替部3の回転を抑制することにより、媒体から切替部3に与えられる力により切替部3が閉鎖位置から移動することを防止することができる。
【0038】
図9は、切替部3が閉鎖位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す正面図である。挿入排出口7は、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、切替部3により閉鎖される。画像読取装置1は、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、挿入排出口7が閉鎖されることにより、挿入排出口7から媒体が挿入されることを防止することができる。
図10は、切替部3が開放位置に配置されているときの実施例の画像読取装置1を示す正面図である。挿入排出口7は、切替部3が開放位置に配置されるときに、挿入排出口7が切替領域35を介して媒体読取用搬送路31に接続されるように、開放される。
【0039】
図11は、切替部3と、第2媒体セットセンサ54とを示す側面図である。切替部3は、開放位置に配置されるときに、切替領域35と媒体排出用搬送路34との間を遮断することにより、挿入排出口7と媒体排出用搬送路34との間を遮断し、媒体読取用搬送路31と媒体排出用搬送路34との間を遮断する。画像読取装置1は、切替部3が開放位置に配置されるときに、挿入排出口7と媒体排出用搬送路34との間が遮断されることにより、挿入排出口7から挿入された媒体が媒体排出用搬送路34に入り込むことを防止することができる。画像読取装置1は、切替部3が開放位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路31と媒体排出用搬送路34との間が遮断されることにより、媒体読取用搬送路31から切替領域35に搬送される媒体が媒体排出用搬送路34に入り込むことを防止することができる。
【0040】
第2媒体セットセンサ54は、発光部66と、受光部67とを備える。発光部66は、媒体読取用搬送路31の下部かつ第2フィードローラ45と切替領域35との間に配置される。発光部66は、媒体読取用搬送路31の第2フィードローラ45と切替領域35との間の媒体検出領域68に向けて光を発光する。受光部67は、発光部66から媒体検出領域68に向けて発光された光を受光するように、媒体読取用搬送路31の上部に配置される。第2媒体セットセンサ54は、切替部3が開放位置に配置されている場合で、受光部67が発光部66から発光された光を受光しないときに、挿入排出口7に媒体が挿入されていると検出する。第2媒体セットセンサ54は、切替部3が開放位置に配置されている場合で、受光部67が発光部66から発光された光を受光するときに、挿入排出口7に媒体が挿入されていないと検出する。
【0041】
画像読取装置1は、遮蔽部材71をさらに備える。遮蔽部材71は、遮蔽位置または露出位置に配置されるように、回転軸72を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持される。遮蔽部材71は、
図11に示されるように、切替部3が開放位置に配置されているときに、切替部3に接触することにより、露出位置に配置される。遮蔽部材71は、露出位置に配置されるときに、受光部67を媒体検出領域68に露出し、発光部66と受光部67との間を隔てないため、発光部66から受光部67に進行する光を遮蔽しない。
【0042】
図12は、切替部3が閉鎖位置に配置されているときの第2媒体セットセンサ54を示す側面図である。遮蔽部材71は、
図12に示されるように、切替部3が閉鎖位置に配置されているときに、切替部3から離れることにより、自重で遮蔽位置に配置される。遮蔽部材71は、遮蔽位置に配置されるときに、受光部67を覆い、発光部66と受光部67との間を隔てるため、発光部66から受光部67に進行する光を遮蔽する。
【0043】
第2媒体セットセンサ54は、切替部3が閉鎖位置に配置されているか開放位置に配置されているかを検出する開閉センサに兼用される。その開閉センサは、受光部67が発光部66から発光された光を受光するときに、切替部3が開放位置に配置されていると検出する。その開閉センサは、媒体検出領域68に媒体が配置されていない場合で、受光部67が発光部66から発光された光を受光しないときに、切替部3が閉鎖位置に配置されていると検出する。
【0044】
画像読取装置1は、
図13に示されるように、切替モータ75と、駆動軸76とをさらに備える。
図13は、切替モータ75を示す斜視図である。切替モータ75は、駆動軸76を順回転または逆回転させる。画像読取装置1は、
図14に示されるように、第1ギア列77をさらに備える。
図14は、第1ギア列77を示す斜視図である。第1ギア列77は、互いに噛み合う複数のギアから形成され、複数のギアのうちの1つのギアは、駆動軸76に固定され、複数のギアのうちの他のギアは、切替部3に固定される。第1ギア列77は、駆動軸76の回転運動を切替部3の回転運動に変換することにより、駆動軸76が順回転するときに切替部3を順回転させ、駆動軸76が逆回転するときに切替部3を逆回転させる。
【0045】
画像読取装置1は、
図15に示されるように、第2ギア列78をさらに備える。
図15は、第2ギア列78を示す斜視図である。第2ギア列78は、互いに噛み合う複数のギアから形成され、複数のギアのうちの1つのギアは、第1ギア列77の複数のギアのうちの1つのギアに噛み合い、複数のギアのうちの他のギアは、第1スタッカ部材14に固定される。第2ギア列78は、駆動軸76の回転運動を第1スタッカ部材14の回転運動に変換することにより、駆動軸76が順回転するときに第1スタッカ部材14を順回転させ、駆動軸76が逆回転するときに第1スタッカ部材14を逆回転させる。第2ギア列78は、切替部3が開放位置に配置されるときに、第1スタッカ部材14をスタッカ格納位置に配置するように形成される。
【0046】
図16は、切替部3が閉鎖位置に配置されているときの第1スタッカ部材14を示す側断面図である。第1スタッカ部材14は、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、スタッカ展開位置に配置される。すなわち、第2ギア列78は、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、第1スタッカ部材14をスタッカ展開位置に配置するように形成される。
【0047】
図17は、実施例の画像読取装置1を示すブロック図である。画像読取装置1は、搬送モータ81と、スキャンボタン82と、表示装置83と、制御部84とをさらに備える。搬送モータ81は、制御部84に制御されることにより、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46と、ピックローラ62とを順回転または逆回転させる。スキャンボタン82は、画像読取装置本体2に設けられ、ユーザに押下されたか否かを検出し、検出結果を制御部84に出力する。表示装置83は、制御部84に制御されることにより、制御部84により作成されたメッセージを表示する。
【0048】
制御部84は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)85と、記憶装置86とを備える。CPU85は、制御部84にインストールされているコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置86を制御する。CPU85は、さらに、第1媒体セットセンサ53と、第2媒体セットセンサ54と、媒体位置検出センサ55と、切替モータ75と、読取部42と、搬送モータ81と、スキャンボタン82と、表示装置83とを制御する。記憶装置86としては、RAM、ROM等のメモリ、ハードディスクのような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)が例示される。記憶装置86は、制御部84にインストールされるコンピュータプログラムを記録し、CPU85により利用される情報を記録する。
【0049】
たとえば、制御部84は、シュータ5に媒体が載置されているか否かが検出されるように、第1媒体セットセンサ53を制御する。制御部84は、切替部3が開放位置に配置されているときに、媒体検出領域68に媒体が配置されているか否かが検出されるように、第2媒体セットセンサ54を制御する。制御部84は、切替部3が閉鎖位置に配置されているか否かが検出されるように、第2媒体セットセンサ54を制御する。制御部84は、媒体検出位置56に媒体が配置されているか否かが検出されるように、媒体位置検出センサ55を制御する。
【0050】
制御部84は、切替部3が開放位置または閉鎖位置に配置されるように、切替モータ75を制御する。制御部84は、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される媒体の画像が撮像されるように、読取部42を制御する。制御部84は、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46と、ピックローラ62とが順回転または逆回転するように、搬送モータ81を制御する。制御部84は、スキャンボタン82が押下されたか否かが検出されるように、スキャンボタン82を制御する。制御部84は、所定のメッセージが表示装置83に表示されるように、表示装置83を制御する。
【0051】
[画像読取装置1の動作]
図18は、実施例の画像読取装置1の動作を示すフローチャートである。
図19は、実施例の画像読取装置1の動作を示す、他のフローチャートである。
図20は、実施例の画像読取装置1の動作を示す、さらに他のフローチャートである。ユーザは、画像読取装置1を用いて媒体の画像を読み取りたいときに、画像読取装置1を起動する。制御部84は、画像読取装置1が起動されると、切替モータ75を制御することにより、駆動軸76を順回転させ、切替部3を開放位置に配置し、第1スタッカ部材14をスタッカ格納位置に配置する。挿入排出口7は、切替部3が開放位置に配置されることにより、開放される。スタッカ6は、第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置に配置されることにより、短縮され、画像読取装置本体2の上面に沿うように格納される(ステップS1)。
【0052】
ユーザは、画像読取装置1を用いて1つの厚手媒体の画像を読み取りたいときに、厚手媒体が第2フィードローラ45と第2プレッシャローラ48とに接触するように、厚手媒体を挿入排出口7に挿入する。厚手媒体とは、屈曲し難い、または、屈曲癖が付きやすい媒体であり、樹脂製のカード、冊子が例示される。カードとしては、クレジットカード、キャッシュカードが例示される。冊子としては、パスポート、通帳が例示される。画像読取装置1は、切替部3が開放位置に配置されていることにより、厚手媒体が媒体排出用搬送路34に入り込むことが防止され、厚手媒体が第2フィードローラ45と第2プレッシャローラ48とに接触するように、厚手媒体を適切に案内することができる。
【0053】
ユーザは、画像読取装置1を用いて1つの薄手媒体の画像を読み取りたいときに、1つの薄手媒体をシュータ5に載置する。薄手媒体とは、屈曲しやすい媒体であり、コピー用紙が例示される。または、ユーザは、画像読取装置1を用いて複数の薄手媒体の画像を読み取りたいときに、複数の薄手媒体をシュータ5に載置する(ステップS2)。シュータ5に載置された薄手媒体は、シュータ5が傾斜していることにより、自重で媒体分離用搬送路33に沿って合流点に向かって移動し、分離部43のフリクションパッド61と、ピックローラ62とに接触する。ユーザは、媒体を挿入排出口7に挿入した後に、または、媒体をシュータ5に載置した後に、スキャンボタン82を押下する(ステップS3)。
【0054】
制御部84は、スキャンボタン82が押下されたことが検出された後に、第1媒体セットセンサ53を制御することにより、シュータ5に媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS4)。制御部84は、シュータ5に媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS4、Yes)、第2媒体セットセンサ54を制御することにより、挿入排出口7に媒体が挿入されているか否かを検出する(ステップS5)。制御部84は、挿入排出口7に媒体が挿入されていることが検出されたときに(ステップS5、No)、表示装置83を制御することにより、シュータ5と挿入排出口7との両方に媒体がセットされていることを示すエラーメッセージを表示する(ステップS6)。制御部84は、挿入排出口7に媒体が挿入されていないことが検出されたときに(ステップS5、Yes)、屈曲搬送路モードに切り替える(ステップS7)。
【0055】
制御部84は、シュータ5に媒体が載置されていないことが検出されたときに(ステップS4、No)、第2媒体セットセンサ54を制御することにより、挿入排出口7に媒体が挿入されているか否かを検出する(ステップS8)。制御部84は、挿入排出口7に媒体が挿入されていないことが検出されたときに(ステップS8、No)、シュータ5と挿入排出口7との両方に媒体がセットされていないことを示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS9)。制御部84は、挿入排出口7に媒体が挿入されていることが検出されたときに(ステップS8、Yes)、直線搬送路モードに切り替える(ステップS10)。
【0056】
制御部84は、屈曲搬送路モードが切り替えられたときに(ステップS11、Yes)、切替モータ75を制御することにより、切替部3を順回転させ、切替部3を閉鎖位置に向かって移動させる(ステップS12)。第1スタッカ部材14は、切替部3が閉鎖位置に向かって移動することにより、スタッカ展開位置に向かって移動し、スタッカ6は、延伸する。制御部84は、切替部3を順回転させた後に、第2媒体セットセンサ54を制御することにより、切替部3が閉鎖位置に配置されているか否かを検出する(ステップS13)。
【0057】
制御部84は、切替部3が閉鎖位置に配置されたときに(ステップS13、Yes)、切替モータ75の駆動を停止させる。制御部84は、切替部3が閉鎖位置に配置されたときに、さらに、搬送モータ81を制御することにより、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46と、ピックローラ62とを順回転させる(ステップS14)。シュータ5に載置された複数の媒体のうちのピックローラ62に接触している1つの媒体は、ピックローラ62が順回転することにより、媒体分離用搬送路33に沿って搬送され、合流点36を介して媒体読取用搬送路31に繰り出される。媒体読取用搬送路31に繰り出された媒体は、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45とが順回転することにより、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される。
【0058】
制御部84は、搬送モータ81が駆動された後に、媒体位置検出センサ55を制御することにより、媒体検出位置56に媒体が配置されているか否かを検出する(ステップS15)。制御部84は、搬送モータ81が駆動されてから所定時間経過後までに媒体検出位置56に媒体が配置されていることが検出されなかったときに(ステップS15、No)、切替モータ75を制御することにより駆動軸76を逆回転させる(ステップS16)。駆動軸76が逆回転することにより、切替部3は、開放位置に配置され、スタッカ6は、短縮し、格納される。制御部84は、駆動軸76を逆回転させた後に、紙詰まりまたは誤検知を示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS17)。
【0059】
制御部84は、媒体検出位置56に媒体が配置されていることが検出されたときに(ステップS15、Yes)、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46と、ピックローラ62との順回転を継続させる。制御部84は、媒体検出位置56に媒体が配置されていることが検出されたときに(ステップS15、Yes)、さらに、読取部42を制御することにより、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される媒体の画像の撮像を開始する(ステップS18)。
【0060】
制御部84は、画像の撮像が開始されてから所定期間経過後までに媒体検出位置56を媒体の後端が通過しないことが検出されたときに(ステップS19、No)、紙詰まりを示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS20)。制御部84は、媒体検出位置56を媒体の後端が通過したことが検出されたときに(ステップS19、Yes)、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46との順回転を継続させる。制御部84は、媒体検出位置56を媒体の後端が通過してから所定時間経過後に、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される媒体の画像の撮像を終了する(ステップS21)。
【0061】
制御部84は、媒体の画像の撮像が終了した後に、シュータ5に媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS22)。制御部84は、シュータ5に媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS22、No)、ステップS14からステップS22までの処理を繰り返し実行する。
【0062】
制御部84は、シュータ5に媒体が載置されていないことが検出されたときに(ステップS22、Yes)、媒体検出領域68を媒体の後端が通過してから所定時間経過後まで、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46とを順回転させる。撮像された媒体は、所定時間経過後まで第2フィードローラ45と第3フィードローラ46とが順回転することにより、スタッカ6に載置される。制御部84は、媒体の後端が媒体検出領域68を通過してから所定時間経過した後に、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45と、第3フィードローラ46と、ピックローラ62との順回転を停止させる(ステップS23)。制御部84は、順回転が停止した後に、切替部3を逆回転させ、切替部3を開放位置に配置し、スタッカ6を格納する(ステップS24)。
【0063】
制御部84は、直線搬送路モードが設定されたときに(ステップS11、No)、搬送モータ81を制御することにより、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45とを逆回転させる(ステップS31)。挿入排出口7に挿入された媒体は、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45とが逆回転することにより、媒体読取用搬送路31に沿って合流点36に向かって搬送される。制御部84は、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45とが逆回転した後に、媒体位置検出センサ55を制御することにより、媒体の先端が媒体検出位置56を通過したか否かを検出する(ステップS32)。制御部84は、第2フィードローラ45が逆回転してから所定時間経過しても媒体が媒体検出位置56を通過しないことが検出されたときに(ステップS32、No)、紙詰まりまたは誤検知を示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS33)。
【0064】
制御部84は、媒体の先端が媒体検出位置56を通過したことが検出されたときに(ステップS32、Yes)、第1フィードローラ44と第2フィードローラ45との逆回転を継続させる(ステップS34)。制御部84は、媒体の先端が媒体検出位置56を通過してから所定時間経過後までに媒体の後端が媒体検出位置56を通過しないことが検出されたときに(ステップS35、No)、紙詰まりまたは用紙長オーバーを示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS36)。
【0065】
制御部84は、媒体の後端が媒体検出位置56を通過したことが検出されたときに(ステップS35、Yes)、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45とを順回転させる(ステップS37)。媒体読取用搬送路31に沿って合流点36に向かって搬送された媒体は、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45とが順回転することにより、媒体読取用搬送路31に沿って切替領域35に向かって搬送される。制御部84は、第1フィードローラ44を順回転させた後に、媒体が媒体検出位置56に配置されたか否かを検出する(ステップS38)。
【0066】
制御部84は、第1フィードローラ44が順回転してから所定時間経過後までに媒体の先端が媒体検出位置56を通過しないことが検出されたときに(ステップS38、No)、紙詰まりを示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS39)。
【0067】
制御部84は、第1フィードローラ44が順回転した後で媒体の先端が媒体検出位置56を通過したことが検出されたときに(ステップS38、Yes)、第1フィードローラ44と、第2フィードローラ45との順回転を継続させる。制御部84は、さらに、媒体の先端が媒体検出位置56を通過してから所定時間経過後に、媒体読取用搬送路31に沿って搬送される媒体の画像の撮像を開始する(ステップS40)。制御部84は、媒体の画像の撮像が開始された後に、媒体の後端が媒体検出位置56を通過したか否かを検出する(ステップS41)。
【0068】
制御部84は、媒体の先端が媒体検出位置56を通過してから所定時間経過後までに媒体の後端が媒体検出位置56を通過しないことが検出されたときに(ステップS41、No)、紙詰まりを示すエラーメッセージを表示装置83に表示する(ステップS42)。
【0069】
制御部84は、媒体の後端が媒体検出位置56を通過したことが検出されたときに(ステップS41、Yes)、媒体の後端が媒体検出位置56を通過してから所定時間経過後に、媒体の画像の撮像を終了する(ステップS43)。媒体読取用搬送路31に沿って切替領域35に向かって搬送される媒体は、切替部3が解放位置に配置されていることにより、媒体排出用搬送路34に入り込むことが防止され、挿入排出口7に適切に案内される。媒体読取用搬送路31に沿って切替領域35に向かって搬送される媒体は、第2フィードローラ45が順回転することにより、挿入排出口7から排出される。
【0070】
[画像読取装置1の効果]
実施例の画像読取装置1は、媒体読取用搬送路31と、媒体排出用搬送路34と、挿入排出口7と、読取部42と、切替部3とを備える。読取部42は、媒体読取用搬送路31を搬送される媒体の画像を読み取る。切替部3は、開放位置または閉鎖位置に配置されるように、移動可能に画像読取装置本体2に支持される。切替部3は、開放位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路31と媒体排出用搬送路34との間を遮断し、挿入排出口7と媒体読取用搬送路31とを接続する。切替部3は、閉鎖位置に配置されるときに、挿入排出口7と媒体読取用搬送路31との間を遮断し、媒体読取用搬送路31と媒体排出用搬送路34とを接続する。
【0071】
このとき、画像読取装置1は、切替部3が開放位置に配置されるときに、媒体が媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34に搬送されることを防止することができ、媒体読取用搬送路31から挿入排出口7に媒体を適切に搬送することができる。画像読取装置1は、さらに、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、媒体が媒体読取用搬送路31から挿入排出口7に搬送されることを防止することができ、媒体を媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34に適切に搬送することができる。
【0072】
また、実施例の画像読取装置1は、回転ストッパ65をさらに備える。回転ストッパ65は、切替部3が開放位置に配置されるときに切替部3から離れるように、かつ、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに切替部3に接触するように、配置され、画像読取装置本体2に固定される。
【0073】
このとき、画像読取装置1は、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、媒体から切替部3に与えられる力により切替部3が閉鎖位置から移動することを防止することができる。画像読取装置1は、切替部3が閉鎖位置から移動することが防止されることにより、媒体読取用搬送路31と挿入排出口7とが接続されることが防止され、媒体を媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34に適切に案内することができる。ところで、既述の実施例の画像読取装置1は、回転ストッパ65が設けられているが、媒体が切替部3により媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34に適切に案内されるときに、回転ストッパ65が省略されてもよい。
【0074】
また、実施例の画像読取装置1は、搬送部41をさらに備える。搬送部41は、切替部3が開放位置に配置されるときに、挿入排出口7から挿入された媒体を媒体読取用搬送路31に搬送し、または、媒体読取用搬送路31を搬送される媒体を挿入排出口7から排出する。搬送部は、さらに、切替部3が閉鎖位置に配置されるときに、媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34に媒体を搬送する。画像読取装置1は、媒体が挿入排出口7から媒体読取用搬送路31に搬送される場合でも、媒体が挿入排出口7から媒体排出用搬送路34に入り込むことが防止され、媒体を適切に搬送することができる。
【0075】
また、実施例の画像読取装置1は、切替部3を開放位置または閉鎖位置に配置する切替モータ75をさらに備える。このとき、ユーザは、手動で切替部3を開放位置または前記閉鎖位置に配置する必要がなく、画像読取装置1は、ユーザの操作を容易にすることができる。
【0076】
また、実施例の画像読取装置1は、第1スタッカ部材14と、第2ギア列78とをさらに備える。第1スタッカ部材14は、スタッカ展開位置またはスタッカ格納位置に配置されるように、移動可能に画像読取装置本体2に支持される。第2ギア列78は、切替部3が開放位置へ移動するときに第1スタッカ部材14がスタッカ格納位置へ移動するように、切替部3の回転運動を第1スタッカ部材14の回転運動に変換する。第2ギア列78は、さらに、切替部3が閉鎖位置へ移動するときに第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置へ移動するように、切替部3の回転運動を第1スタッカ部材14の回転運動に変換する。媒体排出用搬送路34を介して排出された媒体は、第1スタッカ部材14がスタッカ展開位置に配置されるときに、第1スタッカ部材14に載置される。
【0077】
このとき、画像読取装置1は、第1スタッカ部材14を移動させるアクチュエータを、切替部3を移動させる切替モータ75と別個に設ける必要がなく、部品点数を低減することができ、製造コストを低減することができる。ところで、既述の実施例の画像読取装置1には、第2ギア列78が設けられているが、第2ギア列78が省略されてもよい。第1スタッカ部材14は、画像読取装置1から第2ギア列78が省略されたときに、ユーザにより手動で移動される、または、切替モータ75と異なる他のアクチュエータにより移動される。
【0078】
また、実施例の画像読取装置1は、シュータ5と、第1媒体セットセンサ53と、制御部84とをさらに備える。シュータ5は、媒体読取用搬送路31に接続される。第1媒体セットセンサ53は、シュータ5に媒体が載置されているか否かを検出する。制御部84は、シュータ5に媒体が載置されたことが検出されたときに、切替部3を閉鎖位置に配置するように、切替モータ75を制御する。制御部84は、さらに、媒体がシュータ5から媒体読取用搬送路31を介して媒体排出用搬送路34に搬送されるように、搬送部41を制御する。
【0079】
このとき、ユーザは、切替部3を手動で開放位置に配置するか閉鎖位置に配置するかを自分で決定する必要がなく、画像読取装置1は、ユーザの操作を容易にすることができる。ところで、既述の制御部84は、第1媒体セットセンサ53の検出結果に基づいて切替部3を閉鎖位置または開放位置に配置するが、ユーザの操作に基づいて切替部3を閉鎖位置または開放位置に配置してもよい。
【0080】
また、実施例の画像読取装置1は、切替部3が開放位置に配置されているか閉鎖位置に配置されているかを検出する開閉センサをさらに備える。制御部84は、切替部3が閉鎖位置に配置されていると検出された後に、媒体が媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34に搬送されるように、搬送部41を制御する。このとき、画像読取装置1は、切替部3が閉鎖位置に移動するまで十分に待機するのに比較して、媒体の媒体読取用搬送路31から媒体排出用搬送路34への搬送を早く開始することができ、媒体の画像を高速に撮像することができる。既述の実施例の画像読取装置1は、切替部3が開放位置に配置されていると検出された後に媒体の搬送を開始しているが、切替部3が閉鎖位置に移動するまで十分に待機した後に媒体の搬送を開始してもよい。この場合も、画像読取装置1は、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0081】
また、実施例の画像読取装置1は、挿入排出口7から媒体が挿入されたか否かを検出する第2媒体セットセンサ54をさらに備える。制御部84は、挿入排出口7から媒体が挿入されたことが検出されたときに、挿入排出口7から挿入された媒体が挿入排出口7から媒体読取用搬送路31に搬送されるように、搬送部41を制御する。このとき、ユーザは、挿入排出口7から挿入された媒体の画像を読み取るか、シュータ5に載置された媒体の画像を読み取るかを画像読取装置1に入力する必要がなく、ユーザの操作を容易にすることができる。ところで、既述の実施例の画像読取装置1は、第2媒体セットセンサ54の検出結果に基づいて、媒体が搬送される方向が決定されるが、ユーザの操作に基づいてその方向が決定されてもよい。この場合も、画像読取装置1は、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0082】
また、実施例の画像読取装置1の第2媒体セットセンサ54は、媒体検出領域68を通過する光が検出されたときに、媒体が挿入排出口7に挿入されていないと検出し、その光が検出されないときに、媒体が挿入排出口7に挿入されていると検出する。画像読取装置1は、遮蔽部材71をさらに備える。遮蔽部材71は、切替部3が開放位置に配置されるときにその光を遮蔽せず、切替部3が閉鎖位置に配置されるときにその光を遮蔽する。このとき、開閉センサは、第2媒体セットセンサ54により光が検出されたときに、切替部3が開放位置に配置されていると検出する。
【0083】
このとき、画像読取装置1は、第2媒体セットセンサ54が開閉センサに兼用されることにより、部品点数を低減することができ、製造コストを低減することができる。ところで、既述の実施例の画像読取装置1は、第2媒体セットセンサ54を用いて、切替部3が配置されている位置が検出されるが、第2媒体セットセンサ54を利用しない他の開閉センサにより切替部3の位置を検出してもよい。この場合も、画像読取装置1は、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0084】
また、実施例の画像読取装置1の読取部42は、挿入排出口7から挿入された媒体が媒体読取用搬送路31に沿って挿入排出口7に向かって搬送されるときに、その媒体の画像を撮像する。このとき、画像読取装置1は、挿入排出口7から挿入された媒体の画像を読み取るときの媒体が搬送される方向と、シュータ5に載置された媒体の画像を読み取るときの媒体が搬送される方向とが同じである。このため、画像読取装置1は、挿入排出口7から挿入された媒体の画像と、シュータに載置された媒体の画像との両方を適切に読み取ることができる。
【0085】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0086】
1 :画像読取装置
2 :画像読取装置本体
3 :切替部
5 :シュータ
6 :スタッカ
7 :挿入排出口
14 :第1スタッカ部材
31 :媒体読取用搬送路
33 :媒体分離用搬送路
34 :媒体排出用搬送路
35 :切替領域
36 :合流点
41 :搬送部
42 :読取部
53 :第1媒体セットセンサ
54 :第2媒体セットセンサ
55 :媒体位置検出センサ
65 :回転ストッパ
71 :遮蔽部材
75 :切替モータ
78 :第2ギア列
81 :搬送モータ
84 :制御部