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特許7383155複数の分析試験ストリップを製造する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】複数の分析試験ストリップを製造する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/327 20060101AFI20231110BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20231110BHJP
   B32B 37/14 20060101ALI20231110BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20231110BHJP
【FI】
G01N27/327 353Z
G01N27/416 338
B32B37/14 Z
B32B7/025
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022536580
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2020087036
(87)【国際公開番号】W WO2021123178
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】19217795.4
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】デトロフ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フンベク,エゴン
(72)【発明者】
【氏名】レトケマン,アルトゥール
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152592(JP,A)
【文献】特開2007-216343(JP,A)
【文献】特開2012-208135(JP,A)
【文献】特開昭63-196850(JP,A)
【文献】特表2006-504946(JP,A)
【文献】特表2006-504945(JP,A)
【文献】特表2012-524568(JP,A)
【文献】特表2016-521856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26-27/49
B32B 1/00-43/00
B26D 7/00-11/00
B26F 1/00-3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ(146)を製造する方法であって、各分析試験ストリップ(146)が、少なくとも1つの第1の電極(200)を有する少なくとも1つの第1の層(198)と、少なくとも1つのスペーサ層(202)と、少なくとも1つの第2の電極(206)を有する少なくとも1つの第2の層(204)と、を含み、前記方法が、
i.第1の面(118)上に配置された少なくとも1つの第1の電極層(120)を有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブ(114)を提供することであって、前記第1の層ウェブ(114)が第1の層エッジ(122)を有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブ(114)を提供することと、
ii.少なくとも1つの第1の積層ステーション(116)において、少なくとも1つの連続したスペーサ層ウェブ(124)を前記第1の層ウェブ(114)の前記第1の面(118)上に連続的に配置することであって、前記スペーサ層ウェブ(124)がスペーサ層エッジ(126)を有し、前記配置することが、前記第1の層エッジ(122)の位置をマスタ位置として使用し、前記スペーサ層エッジ(126)の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、前記配置することが、前記スペーサ層エッジ(126)が前記第1の層エッジ(122)からオフセットされ、それによって、前記第1の層ウェブ(114)の前記第1の面(118)の一部および前記第1の電極層(120)の一部が前記スペーサ層ウェブ(124)によって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの連続したスペーサ層ウェブ(124)を前記第1の層ウェブ(114)の前記第1の面(118)上に連続的に配置することと、
iii.少なくとも1つの第2の積層ステーション(128)において、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブ(130)を前記スペーサ層ウェブ(124)上に連続的に配置することであって、前記第2の層ウェブ(130)が、第1の面(132)上に配置された少なくとも1つの第2の電極層(134)を有し、前記配置することが、前記第2の電極層(134)が前記第1の層ウェブ(114)に面するように実行され、前記第2の層ウェブ(130)が、第2の層エッジ(136)を有し、前記配置することが、前記第2の層エッジ(136)が前記第1の層エッジ(122)と位置合わせされるように行われ、前記配置することが、前記第2の層エッジ(136)の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブ(130)を前記スペーサ層ウェブ(124)上に連続的に配置することと
を含み、
前記マスタ-スレーブ方式では、前記スレーブ位置が、前記マスタ位置にしたがって適合される、方法。
【請求項2】
ステップiii.が、前記第1の層エッジ(122)の位置がマスタ位置として使用されるように実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の積層ステーション(128)の下流で少なくとも1つの位置合わせセンサ(154)を使用することによって、前記第2の層エッジ(136)と前記第1の層エッジ(122)との間の位置合わせを検出することと、前記第2の積層ステーション(128)に供給される前記連続した第2の層ウェブ(130)の前記第2の層エッジ(136)の位置を制御することと、をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置合わせセンサ(154)が、前記第1の層ウェブ(114)の延長面に本質的に平行な検知方向を有する少なくとも1つの光学距離センサを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光学距離センサが、前記第1の層エッジ(122)および前記第2の層エッジ(136)の上に、および/または前記第1の層エッジ(122)および前記第2の層エッジ(136)に垂直な検知方向を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記位置合わせセンサ(154)が、少なくとも1つのレーザセンサを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのレーザセンサが、レーザプロファイルセンサである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記位置合わせセンサ(154)が、上位センサである、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の層エッジ(122)と前記第2の層エッジ(136)との間の位置合わせのずれが、前記第2の積層ステーション(128)に供給される前記連続した第2の層ウェブ(130)の前記第2の層エッジ(136)の前記位置を補正することによって、少なくとも部分的に補正される、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の積層ステーション(116)の下流で少なくとも1つのオフセットセンサ(158)を使用することによって、前記スペーサ層エッジ(126)と前記第1の層エッジ(122)との間のオフセットを検出することと、前記第1の積層ステーション(116)に供給される前記連続したスペーサ層ウェブ(124)の前記スペーサ層エッジ(126)の位置を制御することと、をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの第1の層センサ(162)を使用することによって、前記第1の積層ステーション(116)に供給される前記連続した第1の層ウェブ(114)の前記第1の層エッジ(122)の前記位置を検出することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのスペーサ層センサ(164)を使用することによって、前記第1の積層ステーション(116)に供給される前記連続したスペーサ層ウェブ(124)の前記スペーサ層エッジ(126)の前記位置を検出することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの積層センサ(165)を使用することによって、ステップii.において生成された連続した中間積層ウェブ(166)の前記第1の層エッジ(122)の前記位置を検出することをさらに含み、前記積層ウェブ(166)は、前記第1の層ウェブ(114)および前記スペーサ層ウェブ(124)を含み、前記積層ウェブ(166)が、前記第2の積層ステーション(128)に供給される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの第2の層センサ(168)を使用することによって、前記第2の積層ステーション(128)に供給される前記連続した第2の層ウェブ(130)の前記第2の層エッジ(136)の前記位置を検出することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の層ウェブ(114)が、前記第1の層ウェブ(114)の前記第1の面(118)が上方に向けられた状態で前記第1の積層ステーション(116)に提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項16】
前記連続した第2の層ウェブ(130)が、前記第2の層ウェブ(130)の前記第1の面(132)が下方に向いた状態で前記第2の積層ステーション(128)に供給される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
前記連続した第1の層ウェブ(114)が、複数のローラ(182)を介して前記第1の積層ステーション(116)に供給され、前記第1の面(118)が、前記ローラ(182)から離れる方向に面し、前記連続した第2の層ウェブ(130)が、複数のローラ(182)を介して前記第2の積層ステーション(128)に供給され、前記第1の面(132)が、前記ローラ(182)から離れる方向に面する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項18】
リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ(146)を製造するための製造システム(110)であって、各分析試験ストリップ(146)が、少なくとも1つの第1の電極(200)を有する少なくとも1つの第1の層(198)と、少なくとも1つのスペーサ層(202)と、少なくとも1つの第2の電極(206)を有する少なくとも1つの第2の層(204)と、を含み、前記製造システム(110)が、
I.少なくとも1つの連続した第1の層ウェブ(114)を提供するための少なくとも1つの供給装置(112)であって、前記第1の層ウェブ(114)が、第1の面(118)上に配置された少なくとも1つの第1の電極層(120)を有し、前記第1の層ウェブ(114)が第1の層エッジ(122)を有する、少なくとも1つの供給装置(112)と、
II.少なくとも1つの第1の積層ステーション(116)であって、少なくとも1つの連続したスペーサ層ウェブ(124)を前記第1の層ウェブ(114)の前記第1の面(118)上に連続的に配置するように構成され、前記スペーサ層ウェブ(124)がスペーサ層エッジ(126)を有し、前記配置することが、前記第1の層エッジ(122)の位置をマスタ位置として使用し、前記スペーサ層エッジ(126)の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、前記配置することが、前記スペーサ層エッジ(126)が前記第1の層エッジ(122)からオフセットされ、それによって、前記第1の層ウェブ(114)の前記第1の面(118)の一部および前記第1の電極層(120)の一部が前記スペーサ層ウェブ(124)によって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの第1の積層ステーション(116)と、
III.少なくとも1つの第2の積層ステーション(128)であって、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブ(130)を前記スペーサ層ウェブ(124)上に連続的に配置するように構成され、前記第2の層ウェブ(130)が、第1の面(132)上に配置された少なくとも1つの第2の電極層(134)を有し、前記配置することが、前記第2の電極層(134)が前記第1の層ウェブ(114)に面するように実行され、前記第2の層ウェブ(130)が、第2の層エッジ(136)を有し、前記配置することが、前記第2の層エッジ(136)が前記第1の層エッジ(122)と位置合わせされるように行われ、前記配置することが、前記第2の層エッジ(136)の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの第2の積層ステーション(128)と
を備え、
前記マスタ-スレーブ方式では、前記スレーブ位置が、前記マスタ位置にしたがって適合される、製造システム(110)。
【請求項19】
前記製造システム(110)が、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、請求項18に記載の製造システム(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本出願は、リール間プロセスを使用することによって分析試験ストリップを製造する方法に関する。本発明は、さらに、リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップを製造するための製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
医療技術および診断の分野では、一般に、分析試験ストリップなどの試験ストリップは、血液、間質液、尿、唾液または他の種類の体液などの、体組織および体液および/または体液の1つ以上の試料中に存在する少なくとも1つの分析物を検出するために使用されることができる。検出される分析物の例は、グルコース、ケトン、トリグリセリド、乳酸、コレステロール、またはこれらの体液中に典型的に存在する他のタイプの分析物である。分析物の濃度および/または存在に応じて、必要に応じて適切な処置が選択されることができる。
【0003】
一般に、当業者に知られている複数の分析試験ストリップを製造する方法およびシステムは、リール間プロセスを利用する。典型的には、そのようなリール間プロセスは、例えば印刷産業において印刷に使用されることができる。例として、独国特許出願公開第10 2015 221 663号明細書は、積層される材料のためのシートフィーダの形態である少なくとも1つの材料源を有する積層機を記載している。積層機は、材料を積層するための少なくとも1つの第1の積層源を含む少なくとも1つの積層ユニットを有し、少なくとも1つの第1の積層源は、第1のロール交換器として構成され、少なくとも2つの第1のロール保持装置を有する。
【0004】
さらに、独国特許出願公開第10 2015 221 661号明細書は、材料ウェブの部分を分離するために使用可能な分離装置を記載している。分離装置は、少なくとも1つの前方クランプ点を有する少なくとも1つの前方クランプ装置と、少なくとも1つの後方クランプ点を有する少なくとも1つの後方クランプ装置と、少なくとも1つの第1の延伸要素とを有する。分離装置は、少なくとも1つの第1の横断位置と少なくとも1つの第1の分離位置との間の少なくとも1つの第1の延伸装置の移動によって、少なくとも1つの横断モードと少なくとも1つの分離モードとの間で切り替えられることができる。
【0005】
欧州特許出願公開第2 907 573号明細書は、少なくとも1つの分析装置の製造方法を記載している。分析装置は、少なくとも1つの毛細管要素を有する。本プロセスは、以下のステップを含む:a)少なくとも1つのキャリア層を提供するステップ、b)少なくとも1つのスペーサ層を設けるステップ、c)キャリア層の上にスペーサ層を適用するステップ、d)少なくとも1つのカバー層を設けるステップ、e)スペーサ層の上にカバー層を適用するステップ。本プロセスは、少なくとも1つの切断ステップをさらに含み、毛細管要素の少なくとも1つの毛細管チャネルは、スペーサ層から切り出される。切断ステップは、少なくとも2つの切断ツールを使用することによって行われ、切断ツールは、毛細管チャネルの輪郭を形成するように互いに補完する。
【0006】
米国特許出願公開第2007/278097号明細書は、電極システムがその上に形成されるベース基材を備える試験ストリップまたはバイオセンサを記載している。1つ以上の積層体層がベース基材の上に重なり、試薬が堆積される試料受容チャンバを形成する。試料受容チャンバからバイオセンサの外部に開口が設けられている。層およびベース基材は、バイオセンサを固定するためにレーザ溶接される。層およびベース基材のうちの一方は、それらの間の界面でレーザ溶接を可能にするために光透過性である。バイオセンサは、続いてスライスされて個々のバイオセンサを形成する一連の連続ウェブから形成されることができる。
【0007】
医療技術および診断の分野では、特に分析試験ストリップを製造する場合、印刷産業において使用される製造プロセスなどの一般的な製造プロセスと比較して、特に精度、安全性および衛生の観点から、製造プロセスに関する異なる要件が適用されることができる。したがって、分析試験ストリップを製造する場合、製造プロセスは、通常、精度および衛生に対する高い要求を満たさなければならない。例として、汚染を回避するために、一般に、高感度表面の接触は、最小限に制限されることができる。したがって、例えば欧州特許出願公開第0 734 986号明細書に記載されているような材料の移動ストリップの位置の非接触検出は、接触位置検出よりも好ましい場合がある。欧州特許出願公開第0 734 986号明細書には、材料の移動ストリップの位置の非接触検出のための装置が記載されている。材料の移動ストリップは、その全幅にわたって延在するストリップの一方の側と、発振器からの材料のストリップのエッジの領域の他方の側とに検出器電極を有し、その結果、送信電極と検出器電極との間の容量結合は、中心からのバンドの位置ずれに対して反対方向に反応する。
【0008】
したがって、例えば上述した概念を用いてなされた進歩にもかかわらず、いくつかの技術的課題が残っている。具体的には、これまでの分析試験要素のリール間製造プロセスにおける障害または非理想的な部分の検出は、一般に、必要以上に多くの材料が廃棄されることができるように、高い時間オフセットで検出される。さらに、2つの従動ローラ間の材料搬送の一般的な手法は、一般に、損傷および汚染のリスクを増加させる可能性がある。さらにまた、2つ以上またはさらには3つ以上の層を使用する場合、相対位置決めの精度および正確さは一般に困難である。これまでのところ、既知のプロセスにおいて使用される一般的なエッジ検出センサは、通常、<0.01mmの精度に近付くと限界に到達する。したがって、一般に、安全性および製造精度および精度を向上させることが望ましい場合がある。さらに、一般に、欠陥位置および/または位置ずれの補正における精度の向上および時間遅延の最小化が望ましい場合がある。したがって、高精度の直接誤り訂正が目標とされることができる。
【発明の概要】
【0009】
解決すべき課題
したがって、複数の分析試験ストリップを製造するという上述した技術的課題に対処する方法およびシステムを提供することが望ましい。具体的には、安全性および製造精度を向上させるのに適した方法およびシステムが提案されるべきである。
【0010】
概要
この課題は、独立請求項の特徴を有するリール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップを製造する方法およびシステムによって対処される。単独で、または任意の組み合わせで実現されることができる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0011】
以下において使用される場合、用語「有する」、「備える」もしくは「含む」またはこれらの任意の文法的変化形は、包括的に用いられる。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0012】
さらに、特徴または要素が1回または複数回存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回を超えて存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0013】
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、決して特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実施されてもよい。同様に、「本発明の実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限がなく、本発明の範囲に関する制限がなく、およびそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限がない任意の特徴であることを意図する。
【0014】
第1の態様では、リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップを製造する方法が開示される。各分析試験ストリップは、少なくとも1つの第1の電極を有する少なくとも1つの第1の層と、少なくとも1つのスペーサ層と、少なくとも1つの第2の電極を有する少なくとも1つの第2の層とを含む。本方法は、例として、所与の順序で実行されてもよい以下のステップを含む。しかしながら、異なる順序も可能であることに留意するものとする。さらに、方法ステップの1つ以上またはさらには全てを1回または繰り返し実行することが可能である。さらに、2つ以上の方法ステップを同時にまたは適時に重複して実行することが可能である。本方法は、記載されていない追加の方法ステップを含むことができる。
【0015】
一般に、複数の分析試験ストリップを製造する方法は、以下のステップを含む:
i.第1の面上に配置された少なくとも1つの第1の電極層を有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブを提供するステップであって、第1の層ウェブが第1の層エッジを有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブを提供するステップ、
ii.少なくとも1つの第1の積層ステーションにおいて、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブを第1の層ウェブの第1の面上に連続的に配置するステップであって、スペーサ層ウェブがスペーサ層エッジを有し、配置することが、第1の層エッジの位置をマスタ位置として使用し、スペーサ層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、配置することが、スペーサ層エッジが第1の層エッジからオフセットされ、それによって、第1の層の第1の面の一部および第1の電極層の一部がスペーサ層ウェブによって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブを第1の層ウェブの第1の面上に連続的に配置するステップ、および
iii.少なくとも1つの第2の積層ステーションにおいて、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブをスペーサ層ウェブ上に連続的に配置するステップであって、第2の層ウェブが、第1の面上に配置された少なくとも1つの第2の電極層を有し、配置することが、第2の電極層が第1の層ウェブに面するように実行され、第2の層ウェブが、第2の層エッジを有し、配置することが、第2の層エッジが第1の層エッジと位置合わせされるように行われ、配置することが、第2の層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブをスペーサ層ウェブ上に連続的に配置するステップ。
【0016】
本明細書で使用される「製造する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、製造プロセスを指すことができる。具体的には、複数の分析試験ストリップを生成することは、複数の分析試験ストリップを取り出すような方法での少なくとも1つの要素および/または構成要素の処理を指すことができる。
【0017】
本明細書で使用される「分析試験ストリップ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、体液中、特に体液の試料中などの液体試料中の分析物を検出するかまたは分析物の濃度を決定するように構成された要素または装置を指すことができる。分析試験ストリップは、試験ストリップまたは試験要素とも呼ばれることがある。例として、分析試験ストリップは、分析物が体液中に存在する場合に少なくとも1つの検出可能な特性を変化させる少なくとも1つの成分を含むことができる。分析試験ストリップは、具体的には、インビトロ測定に適することができる。分析試験ストリップは、具体的には、電気化学試験ストリップであってもよい。
【0018】
本明細書で使用される「分析物」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、例えば、ブドウ糖、トリグリセリド、乳酸塩またはコレステロールなどの分子などの任意の化学的、生化学的、または生物学的物質、成分または化合物を指すことができる。特に、「分析物」という用語はまた、体液の試料中などの試料の検出可能な特性を指すことができる。したがって、分析物は、具体的には、試料、例えば体液の試料の少なくとも1つのパラメータを指すことができる。ここで、「パラメータ」という用語は、一般に、分析試験内または分析試験によって得ることができる測定値などの任意の値を指すことができる。例示的には、パラメータは、上述したように、試料の特性および/または少なくとも1つの分析物の特性に対応することができる。具体的には、パラメータは、分析物の凝固時間などの凝固パラメータとすることができる。
【0019】
本明細書で使用される「体液」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、間質組織などのヒトまたは動物の体組織に存在する任意の液体体液を指すことができる。例として、体液は、血液、間質液、尿、唾液などの1つ以上であってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0020】
本明細書で使用される「リール間プロセス」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの回転ホイールおよび/またはロールなどの少なくとも2つの旋回および/または回転物体を含むプロセスを指すことができる。リール間プロセスは、具体的には、第1のロールに貯蔵された少なくとも1つの要素、例えばシート形態および/またはテープ形態を有する要素を第2のロールに移送することを含むことができ、少なくとも1つの処理ステップは、移送中に実行される。したがって、例として、リール間プロセスは、材料のロール、例えば第1のロールから開始し、プロセスを実行した後に、例えば出力ロール、例えば第2のロールに巻き戻す任意のプロセスを指すことができる。リール間プロセスは、ロールツーロールプロセスとも呼ばれることがある。
【0021】
本明細書で使用される「層」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、独立型フィルムとして、または基材上に堆積されたフィルムとして、シートまたはフィルムを形成する材料の任意のアリコートを指すことができる。層は、具体的には、スタックおよび/または多層要素などの複数の層の少なくとも1つの束に配置されてもよく、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの他の層の上または下に配置および/または敷設されてもよい。分析試験ストリップは、少なくとも2つの層を含み、これらの層は、「第1の層」および「第2の層」と呼ばれ、「第1の」および「第2の」という用語は、単に命名の目的で、層のランク付けまたは番号付けを行わずに、いかなる選好も与えずに使用される。
【0022】
一般に、本明細書で使用される「第1の」および「第2の」という用語は、単に命名の目的で、ランク付けまたは番号付けを意図せず、いかなる選好も与えずに使用される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「スペーサ層」という用語は、所定の厚さを有する任意の層を指すことができる。スペーサ層は、具体的には、少なくとも2つの他の層の間に配置されるように、例えば前記他の2つの層の相対的な位置決めを可能にするように構成されてもよい。特に、スペーサ層は、少なくとも1つの最小距離を有する少なくとも2つの他の層の相対的な位置決めを可能にすることができ、最小距離は、具体的には、スペーサ層の厚さ以上であってもよい。
【0024】
本明細書で使用される「電極」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、少なくとも1つの導電性材料、例えば導電性金属または炭素などの導電体を指すことができる。したがって、少なくとも1つの電極を有する層は、具体的には、少なくとも1つの導電体を含む層を指すことができる。例えば、導電体は、層の少なくとも1つの面に配置されたおよび/または置かれた導電性材料、例えば導電性金属、例えば金または炭素の薄層および/または膜など、層の少なくとも1つの面に配置されてもよい。具体的には、「電極層」という用語は、導電性材料の層などの電極の層を指すことができる。本明細書では、電極層は、「第1の電極層」および「第2の電極層」と呼ばれることがあり、ここでも「第1の」および「第2の」という用語は、単に命名の目的で、これらの層のランク付けまたは番号付けを行わずに、いかなる選好も与えずに使用される。
【0025】
本明細書で使用される「提供する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、供給および/または利用可能にする任意のプロセスを指すことができる。特に、ステップi)において、少なくとも1つの連続層ウェブが提供されてもよく、例えば供給されてもよい。例として、ステップi)において、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブは、以下にさらに詳細に開示されるように、第1の積層ステーションに供給および/または利用可能にされるなどして提供されてもよい。
【0026】
本明細書で使用される「層ウェブ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、層の未処理状態および/または前処理状態を指すことができる。特に、層ウェブは、例えばロールまたはリール上に設けられた、未処理の材料層であってもよく、またはそれを含んでもよい。特に、層ウェブは、任意の材料の薄いシートおよび/またはプレートおよび/またはストリップを指すことができる。層ウェブは、具体的には、ロールおよび/またはリールなどの連続形態で提供されてもよい。本明細書では、層ウェブは、「第1の層ウェブ」および「第2の層ウェブ」と呼ばれることがあり、ここでも、「第1の」および「第2の」という用語は、単に命名の目的で、これらの層のランク付けまたは番号付けを行わずに、いかなる選好も与えずに使用される。
【0027】
本明細書で使用される場合、「連続的」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、途切れないおよび/または永続的である特性および/または形態を指すことができる。したがって、例として、連続層ウェブは、例えば、層ウェブのロールなどのリールおよび/またはボビン上に設けられた層ウェブを、例えばリールおよび/またはボビン上にも設けられた後続の層ウェブによって付加および/または延長することによって提供されてもよく、それによって層ウェブの中断されないおよび/または永続的な利用可能性を可能にする。例として、連続層ウェブを提供するために、少なくとも1つのスプライシングステーションが使用されて、層ウェブを追加および/または拡張することができる。特に、連続層ウェブは、巻き取られたおよび/またはリールアップされた量の層ウェブなどの複数の付加された層ウェブのロールであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0028】
本明細書で使用される「層エッジ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、層のリムおよび/または境界を指すことができる。特に、層エッジは、層ウェブの少なくとも1つの側など、層ウェブの幅の端部に配置されてもよい。本明細書では、層エッジは、「第1の層エッジ」および「第2の層エッジ」と呼ぶことができ、ここでも、「第1の」および「第2の」という用語は、単に命名の目的で、これらの層のランク付けまたは番号付けを行わずに、いかなる選好も与えずに使用される。
【0029】
本明細書で使用される「連続的に配置する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、ある任意の材料を別の任意の材料上に連続的におよび/または絶え間なく配置するプロセスを指すことができる。
【0030】
本明細書で使用される「積層ステーション」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの層を積層するように構成された装置および/またはシステムを指すことができる。ここで、「積層」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの層を接合するプロセスを指すことができる。特に、積層ステーションにおいて少なくとも2つの層を積層するとき、少なくとも2つの接合層を含む層などの少なくとも1つの結合層が生成されることができる。
【0031】
本明細書で使用される「スペーサ層ウェブ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スペーサ層の未処理および/または前処理状態を指すことができる。特に、スペーサ層ウェブは、スペーサ材料、例えば、ロールまたはリールに設けられた所定の厚さを有する材料の未処理層であってもよく、またはそれを含んでもよい。特に、スペーサ層ウェブは、任意のスペーサ材料の薄いシートおよび/またはプレートおよび/またはストリップを指すことができる。スペーサ層ウェブは、具体的には、ロールおよび/またはリールなどの連続形態で提供されてもよい。
【0032】
本明細書で使用される「スペーサ層エッジ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スペーサ層のリムおよび/または境界を指すことができる。特に、スペーサ層エッジは、スペーサ層ウェブの少なくとも1つの側など、スペーサ層ウェブの幅の端部に配置されてもよい。
【0033】
本明細書で使用される「位置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、空間内の位置を指すことができる。任意の物体の位置は、例えば、物体に関する空間情報であってもよく、またはそれを含んでもよく、例えば、座標系で与えられてもよい。
【0034】
本明細書で使用される「位置制御された」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、任意の物体の位置などの位置を誘導および/または影響を与えるプロセスを指すことができる。したがって、誘導および/または影響は、具体的には、位置の実際の値が位置の目標値と比較され、逸脱を低減、最小化、または排除するために影響および/または誘導が行われるように行われることができる。特に、任意の物体の位置制御された配置は、物体の位置に起因して影響を受けているおよび/または適合されている物体の配置および/または位置決めのプロセスを指すことができる。例として、位置は、所定の規則および/またはシーケンスにしたがうことによって制御されてもよい。具体的には、配置することは、マスタ-スレーブ方式で位置制御されてもよい。
【0035】
本明細書で使用される「マスタ-スレーブ方式」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スレーブ位置がマスタ位置にしたがって適合されるように構成されている、位置を制御するときにしたがうべき規則および/またはシーケンスを指すことができる。したがって、マスタ-スレーブ方式では、例として、スレーブ位置は、マスタ位置に応じて制御されることができる。「マスタ位置」という用語は、任意の先導および/または支配的な物体の位置であってもよく、またはそれを含んでもよく、一方で「スレーブ位置」という用語は、任意の追従および/または支配的でない物体の位置であってもよく、またはそれを含んでもよい。特に、マスタ-スレーブ方式では、スレーブ位置は、マスタ位置にしたがって適合させることができる。
【0036】
本明細書で使用される「オフセット」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの値、物体または要素の間の所定の距離などの所定の変位などの変位を指すことができる。
【0037】
本明細書で使用される「位置合わせする」および/または「位置合わせしている」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの物体および/または要素を一列および/または平行に相対的に位置決めするプロセスを指すことができる。したがって、第2の層エッジが第1の層エッジと位置合わせされることは、第2の層エッジと第1の層エッジとが平行に、例えば一列に配置されることを指すことができる。
【0038】
例として、ステップiii.は、第1の層エッジの位置がマスタ位置として使用されることができるように実行されることができる。したがって、ステップiii.において、第1の層エッジの位置は、先頭位置として使用されることができる。
【0039】
本方法は、具体的には、第2の積層ステーションの下流の少なくとも1つの位置合わせセンサを使用することによって、第2の層エッジと第1の層エッジとの間の位置合わせを検出することをさらに含んでもよい。特に、本方法は、第2の積層ステーションの下流で少なくとも1つの位置合わせセンサを使用することによって、第2の層エッジと第1の層エッジとの間の位置合わせを検出することと、第2の積層ステーションに供給される連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を制御することと、をさらに含むことができる。したがって、本方法は、例えば、位置合わせを検出するための少なくとも1つの位置合わせセンサを使用することによって、第2の積層ステーションに供給される連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を制御することを含むことができる。
【0040】
本明細書で使用される「検出する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、検出されるべき要素および/または物体の存在を定性的および/または定量的に決定するプロセスを指すことができる。具体的には、位置合わせを検出することは、少なくとも2つの物体および/または要素間の位置合わせを決定および/または監視するプロセスを指すことができる。特に、位置合わせセンサを使用することによって位置合わせが検出されることができる。
【0041】
本明細書で使用される「センサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの測定変数または測定特性を検出、測定または監視する1つ以上のために構成された任意の要素を指すことができる。具体的には、センサは、測定変数および/または測定特性の定性的または定量的指標である測定信号、例えば電気信号などの少なくとも1つの信号を生成することができる。
【0042】
本明細書で使用される「位置合わせセンサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの要素および/または物体間の位置合わせを決定および/または検出するように構成されたセンサを指すことができる。
【0043】
位置合わせセンサは、具体的には、第2の積層ステーションの下流に配置および/または配置されてもよい。ここで、「下流」という用語は、性能の順序および/または順序の仕様を指すことができる。具体的には、基準ステップの下流に配置されるステップは、基準ステップの実行後に実行されるステップを指すことができる。したがって、位置合わせセンサは、積層ステーションを通過する第1の層エッジおよび第2の層エッジ、例えば、第1の層ウェブおよび第2の層ウェブに続いて、第2の層エッジと第1の層エッジとの間の位置合わせの検出を実行するように位置するおよび/または配置されてもよい。特に、位置合わせの検出は、層ウェブが第2の積層ステーションを通過した後に実行されてもよい。したがって、例として、位置合わせセンサは、第2の積層ステーションの後および/または後方に位置するおよび/または配置されてもよい。
【0044】
位置合わせセンサは、少なくとも1つの光学距離センサを含んでもよい。本明細書で使用される「光学距離センサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの光学的方法を使用することによって任意の物体および/または要素の少なくとも1つの距離および/または少なくとも1つの位置を決定および/または測定するように構成されたセンサを指すことができる。特に、光学距離センサは、物体および/または要素の少なくとも1つの位置を光学的に測定および/または決定することができる。
【0045】
具体的には、光学距離センサは、第1の層ウェブの延長面に本質的に平行な検知方向を有してもよい。特に、本明細書で使用される検知方向は、光学距離センサの光学視軸などの視野方向を指すことができる。本明細書で使用される場合、「本質的に平行」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、平行な配向と10°以下、具体的には5°以下、より具体的には3°以下だけ異なることができる配向を指すことができる。特に、光学距離センサは、例えば、第1の層エッジおよび第2の層エッジ、好ましくはスペーサ層エッジの上および/またはスペーサ層エッジに垂直な検知方向を有することができる。
【0046】
位置合わせセンサは、少なくとも1つのレーザセンサ、具体的にはレーザプロファイルセンサを備えてもよい。本明細書で使用される「レーザセンサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのレーザを使用することによって少なくとも1つの物体および/または要素の少なくとも1つの位置を決定および/または測定するように構成されたセンサを指すことができる。
【0047】
位置合わせセンサは、具体的には、第1の層エッジ、スペーサ層エッジ、および第2の層エッジの位置を同時に検出するように構成されることができる。
【0048】
特に、位置合わせセンサは、上位階層のセンサ、例えば、キングセンサおよび/またはマスタセンサのマスタなどの上位センサであってもよい。したがって、例として、位置合わせセンサによって決定および/または検出された位置合わせは、マスタ-スレーブ方式位置制御におけるマスタ位置のキングおよび/またはマスタなどの上位位置として使用されることができる。具体的には、位置合わせ位置、例えば第2の層エッジと第1の層エッジとの間の位置合わせ、好ましくはスペーサ層エッジにおいても、電気信号の形態などで位置合わせセンサによって生成された少なくとも1つの信号は、上位信号、例えばマスタ信号のマスタおよび/またはマスタ信号のキングとして使用されることができ、それにしたがって、第1の層エッジの位置などのマスタ位置が適合されることができる。例として、第2の積層ステーションの下流に位置するおよび/または配置された位置合わせセンサなどの位置合わせセンサによって決定および/または検出された位置合わせは、マスタ位置およびスレーブ位置のいずれか1つまたはさらには双方を適合させることができる上位位置情報として使用されることができる。したがって、詳細には、例えば第2の積層ステーションの下流に位置するおよび/または配置された位置合わせセンサは、上位センサであってもよく、したがって、第1の層ウェブ、第2の層ウェブ、およびスペーサ層ウェブの1つ以上、さらには全ての位置決めを監視および/または制御するための制御機構として機能することができる。
【0049】
第1の層エッジと第2の層エッジとの間の位置合わせのずれは、第2の積層ステーションに供給される連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を補正することによって、少なくとも部分的に補正されることができる。例として、第2の層エッジの位置の補正は、自動的に行われてもよい。特に、第2の層エッジの位置の自動補正は、人間からのいかなる動作も必要とされないなど、コンピュータによって実行されてもよい。
【0050】
第2の層エッジの位置の補正は、具体的には、連続した第2の層ウェブが第2の積層ステーションに供給される少なくとも1つのローラを傾斜させることを含んでもよい。本明細書で使用される「傾斜する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、移動および/または傾斜のプロセスを指すことができる。したがって、本明細書で使用される「ローラを傾斜させる」という用語は、具体的には、限定されないが、プーリおよび/またはリールなどの少なくとも1つのローラを移動および/または傾斜させるプロセスを指すことができる。特に、ローラは、円筒形状であってもよく、または円筒形状を含んでもよく、層ウェブ、特に第2の層ウェブを案内するように構成されてもよい。例として、ローラ、例えば円筒状ローラは、少なくとも1つの制御可能なモータによってローラを傾斜させることによって、ローラの軸に沿って層ウェブの位置を変更するように構成されてもよい。特に、モータは、少なくとも1つのスピンドルおよび/またはシャフトを介してローラの移動に作用するように構成されてもよい。例として、スピンドルおよび/またはシャフトは、1mmのピッチを有することができる。ローラは、具体的には、滑り止め表面であってもよく、または滑り止め表面を含んでもよい。
【0051】
ステップii.およびiii.における位置制御された配置は、ウェブの搬送方向に垂直な位置に対して位置制御された配置であってもよい。特に、配置することは、ウェブの走行方向などの搬送方向に垂直な方向にウェブをシフトおよび/または移動させることによって位置制御されることができる。特に、例として、ウェブの進行方向は、ローラを傾斜させることによって軸方向に左または右に変更されることができる。
【0052】
本方法は、第1の積層ステーションの下流で少なくとも1つのオフセットセンサを使用することによって、スペーサ層エッジと第1の層エッジとの間のオフセットを検出することと、第1の積層ステーションに供給される連続スペーサ層ウェブのスペーサ層エッジの位置を制御することと、をさらに含むことができる。本明細書で使用される「オフセットセンサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの物体および/または要素間の少なくとも1つのオフセットなど、少なくとも1つの物体および/または要素の別のものに対する少なくとも1つのオフセットを決定および/または測定するように構成されたセンサを指すことができる。
【0053】
オフセットセンサは、具体的には、第1の層ウェブの延長面を横切る視野方向におけるカメラ画像の連続画像認識のために構成された少なくとも1つの画像認識装置を備えることができる。具体的には、オフセットセンサの画像認識装置は、ウェブ、具体的には第1の層ウェブの進行方向および/または搬送方向に対して横方向および/または垂直方向の視野方向におけるカメラ画像の連続画像認識のために構成されることができる。本明細書で使用される「画像認識装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、画像内の物体を検出および/または決定するように構成された物体および/または要素を指すことができる。特に、画像認識装置は、例えば第1の層ウェブなどの少なくとも1つのウェブの形状または境界線を認識することなどによって、当業者に一般的に知られている画像認識技術および/または方法を使用するように構成されることができる。
【0054】
オフセットは、具体的には、少なくとも1つの所定のオフセットおよび/または目標オフセットなど、少なくとも1つの公称オフセットと比較されることができる。特に、オフセットと公称オフセットとの間のずれは、第1の積層ステーションに供給される連続スペーサ層ウェブのスペーサ層エッジの位置を補正することによって少なくとも部分的に補正されることができる。例として、スペーサ層エッジの位置を補正することは、具体的には、スペーサ層ウェブが第1の積層ステーションに供給される少なくとも1つのローラを傾斜させることを含むことができる。
【0055】
本方法は、少なくとも1つの第1の層センサを使用することによって、第1の積層ステーションに供給されている連続した第1の層ウェブの第1の層エッジの位置を検出することをさらに含むことができる。第1の層センサは、少なくとも1つの赤外線センサを備えることができる。特に、第1の層センサは、具体的には、第1の層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する少なくとも1つの赤外線センサを備えることができる。本明細書で使用される「赤外線センサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、例えば、700nm≦λ≦1mm、具体的には700nm≦λ≦30μmの波長λを有する光などの赤外スペクトルで放射される光などの赤外光を使用することによって、少なくとも1つの物体および/または要素の少なくとも1つの位置を決定および/または測定するように構成されたセンサを指すことができる。
【0056】
追加的または代替的に、真空テーブルが使用されて、第1の層ウェブ、例えば第1の層エッジの位置を制御することができる。したがって、例として、真空テーブルは、安定した平面配置で第1の層ウェブを案内するように構成されてもよい。真空テーブルは、例えば、第1の層ウェブ、具体的には第1の層エッジを所定の位置に案内するための斜めに立ったホイールを備えることができる。
【0057】
本方法は、少なくとも1つのスペーサ層センサを使用することによって、第1の積層ステーションに供給された連続スペーサ層ウェブのスペーサ層エッジの位置を検出することをさらに含むことができる。スペーサ層センサは、少なくとも1つの赤外線センサを備えることができる。特に、スペーサ層センサは、具体的には、スペーサ層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する少なくとも1つの赤外線センサを備えることができる。
【0058】
本方法は、少なくとも1つの積層センサを使用することによって、ステップii.において生成された連続した中間積層ウェブの第1の層エッジの位置を検出することをさらに含んでもよい。本明細書で使用される「中間積層ウェブ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、材料の一体化された層を含むウェブなど、少なくとも部分的に処理されたウェブを指すことができる。積層ウェブは、第1の層ウェブおよびスペーサ層ウェブを含んでもよい。具体的には、中間積層ウェブは、スペーサ層ウェブと一体化された、例えば第1の積層ステーションで一体化された第1の層ウェブであってもよく、またはそれを含んでもよい。特に、中間積層ウェブなどの積層ウェブは、第2の積層ステーションに供給されてもよい。
【0059】
積層センサは、少なくとも1つの赤外線センサ、具体的には、積層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する少なくとも1つの赤外線センサを備えてもよい。
【0060】
追加的または代替的に、真空テーブルが使用されて、第2の積層ステーションに供給される積層ウェブの位置を制御することができる。
【0061】
本方法は、少なくとも1つの第2の層センサを使用することによって、第2の積層ステーションに供給されている連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を検出することをさらに含むことができる。
【0062】
第2の層センサは、具体的には、超音波センサおよび赤外線センサのうちの少なくとも1つ、具体的には、第2の層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する超音波センサおよび/または赤外線センサを備えることができる。本明細書で使用される「超音波センサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、超音波、例えば、20,000Hz≦f≦200,000,000Hz、具体的には30,000Hz≦f≦100,000,000Hz、より具体的には50,000Hz≦f≦50,000,000Hzの周波数fを有する音で発せられる音などの超音波を使用することによって少なくとも1つの物体および/または要素の少なくとも1つの位置を決定および/または測定するように構成されたセンサを指すことができる。したがって、例として、超音波センサは、f=150,000Hzの周波数を有する音を使用するように構成されてもよい。
【0063】
さらなる態様では、少なくとも1つの未処理層ウェブを切断するための切断ステーションが開示される。上述した実施形態のいずれか1つにかかる、および/または以下にさらに詳細に説明する実施形態のいずれか1つにかかるなど、複数の分析試験ストリップを製造する本発明にかかる方法は、少なくとも1つの切断ステーションを使用することを意味することができる。さらに、以下にさらに詳細に説明する実施形態のいずれか1つにかかるような、複数の分析試験ストリップを製造するための本発明にかかる製造システムはまた、少なくとも1つの切断ステーションを備えることができる。さらに、本明細書で提案される切断ステーションは、本発明にかかる方法または製造システムのさらなる特徴なしに、独立して使用されることもできる。
【0064】
本明細書で使用される「切断する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの物体および/または要素を分離するプロセスを指してもよく、定義されたおよび/または制御されたエッジおよび/またはカッティングエッジが生成される。切断ステーションは、未処理層ウェブの表面と切断ブレードの表面との間の切断角度αで未処理層ウェブを切断するための少なくとも1つの切断ブレードを備え、20°≦α≦40°である。
【0065】
特に、切断ステーションは、未処理層ウェブの長手方向に平行な少なくとも1つの未処理層ウェブを切断するように構成されてもよい。本明細書で使用される「未処理」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、未精製および/または粗状態などの任意の材料の前処理状態を指すことができる。本明細書で使用される未処理層ウェブは、具体的には、切断前の層ウェブの状態、例えば切断されていない層ウェブを指すことができる。
【0066】
具体的には、切断ステーションは、少なくとも1つの切断ブレードを使用することによって少なくとも1つの未処理層ウェブを切断するように構成されてもよい。特に、切断ステーションは、25°≦α≦35°、具体的には27°≦α≦33°、より具体的には29°≦α≦31°の切断角度αを使用することによって少なくとも1つの未処理層ウェブを切断するように構成されてもよい。好ましくは、切断角度α=30°である。特に、切断角度αは、例えば、±5°の最大公差で、具体的には±3°の最大公差で、より具体的には±1°の最大公差で30°に等しくてもよい。
【0067】
α=30°の切断角度αは、具体的には、層ウェブエッジの破砕および/または層間剥離を回避しながら、層ウェブのエッジの正確な切断を可能にすることができる。
【0068】
切断ステーションは、具体的には、少なくとも1つのハーフカットステーションを備えることができる。本明細書で使用される「ハーフカットステーション」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、任意の材料を所定の深さまで切断するように構成された切断ステーションを指すことができる。特に、ハーフカットステーションは、例えばスペーサ層ウェブなどの層ウェブをハーフカットするように構成されることができ、所定の深さに到達するまでスペーサ層ウェブの表面に入るように構成された切断ブレードを備えることができる。したがって、例えば、ハーフカットステーションは、層ウェブの所定の深さのみを切断するように構成されることができる。
【0069】
特に、ハーフカットステーションは、例えば所定の長さにわたって、カットを徐々に深くするように構成されることができる。したがって、ハーフカットステーションは、ウェブがハーフカットステーションを通過することができる間に、切断を所定の深さまで徐々に深くすることができる。具体的には、層ウェブは、所定の深さまで切り込みを徐々に深くしながら、ハーフカットステーションの周りのラップなどの最大180°の進行方向の変更を実行することができる。
【0070】
上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、複数の分析試験ストリップを製造する方法は、具体的には、切断ステーションを利用することができる。特に、本方法では、未処理の第1の層ウェブおよび/または未処理の第2の層ウェブおよび/または未処理のスペーサ層ウェブなどの少なくとも1つの未処理の層ウェブを切断するために、少なくとも1つの切断ステーションが使用されることができる。したがって、用語の可能な定義については、切断ステーションの説明および方法の説明を参照することができる。具体的には、方法または切断ステーションに関して与えられた定義は、交換可能に参照されることができる。
【0071】
特に、本方法のステップi.における連続した第1の層ウェブの提供は、少なくとも1つの第1の切断ステーションに連続した未処理の第1の層ウェブを提供することを含むことができる。第1の切断ステーションでは、連続した未処理の第1の層ウェブは、未処理の第1の層ウェブの延伸の長手方向に平行な切断方向に切断されてもよく、それによって第1の層エッジが生成されてもよい。
【0072】
具体的には、連続した未処理の第1の層ウェブは、第1の層供給ホイールから提供されてもよい。本明細書で使用される「供給ホイール」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、スプールおよび/またはドラム上に貯蔵された任意の材料を提供するように構成されたスプールおよび/またはドラムを指すことができる。特に、材料は、さらなる処理のために材料を提供する目的で、供給ホイール上に巻き付けられ、および/または配置されてもよい。この場合、連続した未処理の層ウェブは、スプールおよび/またはドラムなどの供給ホイール上に巻き取られてもよく、供給ホイールの回転運動によって切断ステーションに提供され、それによって連続した未処理の層ウェブを巻き戻すことができる。供給ホイールは、供給リールとも呼ばれることがある。
【0073】
本方法は、少なくとも1つの第2の切断ステーションに連続した未処理の第2の層ウェブを提供することをさらに含むことができる。第2の切断ステーションでは、連続した未処理の第2の層ウェブは、未処理の第2の層ウェブの延伸の長手方向に平行な切断方向に切断されてもよく、それによって第2の層エッジが生成されてもよい。連続した未処理の第2の層ウェブは、第2の層供給ホイールから提供されてもよい。
【0074】
本方法は、少なくとも1つの連続した未処理のスペーサ層ウェブを、少なくとも1つのスペーサ層切断ステーション、例えば、少なくとも1つの未処理のスペーサ層を切断するように構成された切断ステーションに提供することをさらに含むことができる。特に、スペーサ層切断ステーションは、連続スペーサ層ウェブを第1の積層ステーションに供給する前に、連続した未処理のスペーサ層ウェブを連続スペーサ層ウェブに切断するように構成されてもよい。
【0075】
スペーサ層切断ステーションは、具体的には、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、少なくとも1つのハーフカットステーションを備えることができる。特に、未処理のスペーサ層は、2つ以上の層、例えば2つ以上のスペーサ層を含んでもよい。例として、未処理のスペーサ層は、スペーサ層に加えて、少なくとも1つの接着層、例えば接着特性を有する層、例えば接着剤などの層を含んでもよい。したがって、ハーフカットステーションは、スペーサ層を無傷のままにしながら少なくとも1つの接着層を切断するだけで、未処理のスペーサ層を連続スペーサ層ウェブに切断するように構成されることができる。
【0076】
分析試験ストリップの第1の電極は、具体的には作用電極を形成することができる。分析試験ストリップの第2の電極は、対電極および参照電極の一方または双方を形成することができる。
【0077】
第1の電極層は、少なくとも1つの金属層と、金属層上に配置された少なくとも1つの検出層とを含むことができる。特に、検出層は、少なくとも1つの分析物を検出するように構成された少なくとも1つの化合物を含んでもよい。本明細書で使用される「化学化合物」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの他の材料の存在下で反応プロセスを行うように構成された物質を指すことができる。化学化合物は、具体的には、分析物の存在下で少なくとも1つの検出可能な特性を変化させることによって反応プロセスを実行するように構成されることができる。したがって、化学化合物は、具体的には、検出される分析物の存在下で少なくとも1つの検出可能な特性を変化させるように構成されることができる。
【0078】
検出層は、少なくとも1つの酵素を含むことができる。本明細書で使用される「酵素」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、生物学的触媒を指すことができる。酵素は、検出層における反応速度を高めるように構成されることができる。したがって、酵素は、化合物の反応プロセスなどの反応プロセスを特異的に高速化するように構成されることができる。酵素は、検体特異的検出反応を可能にするタンパク質などの検体特異的タンパク質であってもよく、またはそれを含んでもよい。特に、酵素は、特定の分析物および/または分析物の群のみに作用するように構成されてもよい。したがって、酵素は、試料中の特定の分析物、例えば血液試料中のグルコースのみを変換するように構成されることができる。
【0079】
第1の層ウェブは、具体的には、第1の面が上方に向けられた状態で第1の積層ステーションに提供されてもよい。したがって、第1の積層ステーションに供給されるとき、第1の層ウェブの第1の面は、重力の方向に対向する方向など、上方を向いてもよい。
【0080】
連続した第2の層ウェブは、第1の面を下方に向けた状態で第2の積層ステーションに供給されてもよい。したがって、第2の積層ステーションに供給されるとき、第2の層ウェブの第1の面は、重力の方向などの下方を向いてもよい。
【0081】
連続した第1の層ウェブは、具体的には、複数のローラを介して第1の積層ステーションに供給されてもよく、第1の面は、ローラから外方を向いてもよい。したがって、複数のローラは、具体的には、第1の層ウェブの第1の面に触れることなく、第1の層ウェブを第1の積層ステーションに案内するように構成されてもよい。
【0082】
例として、ローラは、少なくとも1つの真空ローラを備えてもよい。特に、真空ローラは、第1の層ウェブを第1の積層ステーションに供給するときに真空および/または吸引力を利用することができる。したがって、第1の層ウェブを案内するために、少なくとも1つの真空ローラが使用されることができる。
【0083】
連続した第2の層ウェブは、複数のローラを介して第2の積層ステーションに供給されてもよく、第1の面は、ローラから離れる方向に面する。したがって、複数のローラは、具体的には、第2の層ウェブの第1の部材に触れることなく、第2の層ウェブを第2の積層ステーションに案内するように構成されてもよい。ローラ、具体的には第2の層ウェブを第2の積層ステーションに供給する複数のローラは、少なくとも1つの真空ローラを備えることができる。したがって、例として、第2の層ウェブを案内するために、少なくとも1つの真空ローラが使用されることができる。
【0084】
ステップiii.において、例として、本方法の連続分析試験ストリップウェブが生成されることができ、本方法は、連続分析試験ストリップウェブを少なくとも1つの試験ストリップ切断ステーションに供給することをさらに含むことができる。特に、試験ストリップ切断ステーションでは、個々の分析試験ストリップは、連続分析試験ストリップウェブから切断されることができる。
【0085】
本方法は、少なくとも1つの障害検出ステーションを使用することをさらに含むことができる。本明細書で使用される「障害検出ステーション」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、欠陥および/またはエラーを識別するように構成された装置を指すことができる。具体的には、障害検出ステーションは、第1の層ウェブ、第2の層ウェブ、スペーサ層ウェブ、ステップii.において生成された連続中間積層ウェブ、およびステップiii.において生成された連続分析試験ストリップウェブのうちの1つ以上における障害および/または欠陥を検出するように構成されることができる。
【0086】
さらに、障害検出ステーションは、障害として検出されたウェブ部分をマーキングするように構成された少なくとも1つのマーキング装置を備えることができる。したがって、例えば欠陥を識別することに加えて、障害検出ステーションは、ステップii.において生成された第1の層ウェブ、第2の層ウェブ、スペーサ層ウェブ、連続中間積層ウェブ、およびステップiii.において生成された連続分析試験ストリップウェブのうちの1つ以上に障害および/または欠陥を含むそれぞれのウェブ部分をマーキングすることなどによって、識別された欠陥をマーキングするように構成されることができる。
【0087】
障害検出ステーションは、少なくとも1つの画像認識装置を備えることができる。したがって、例として、少なくとも1つの画像認識装置が使用されて、障害検出ステーションの欠陥および/または障害を検出および/または識別することができる。
【0088】
本方法は、少なくとも1つの廃棄ステーションをさらに備えることができ、廃棄ステーションにおいて、欠陥とマーキングされたウェブ部分が廃棄される。廃棄ステーションは、例えば、少なくとも1つの試験ストリップ切断ステーションの一部であってもよい。
【0089】
本方法は、少なくとも1つの静電放電ステーションをさらに備えることができる。本明細書で使用される「静電放電ステーション」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、静電荷を散逸させるように構成されたシステムおよび/またはユニットを指すことができる。例として、静電放電ステーションは、少なくとも1つの接地ロッドであってもよく、またはそれを備えてもよい。
【0090】
静電放電ステーションは、具体的には、第1の積層ステーションの前などの上流に配置されてもよい。特に、静電放電ステーションは、スペーサ層が第1の積層ステーションに入る前に電気的に放電されることができるように配置されてもよい。
【0091】
特に、検出層の損傷を回避するために、例えば層間剥離および破砕を防止するために、層ウェブ、特に第1の層ウェブおよび第2の層ウェブは、層ウェブの前面および/または端面などの層ウェブの側面に触れることによって案内されなくてもよい。したがって、第1の層ウェブおよび第2の層ウェブは、層ウェブの裏側に触れることによって、具体的には、電極層が配置および/または存在し得る側とは反対側など、第1の面に対向する層ウェブの側に触れることによってのみ機械的に案内されることができる。特に、フライングベアリングを有する少なくとも1つのフレームレスローラは、例えば第1の層ウェブおよび/または第2の層ウェブなどの層ウェブの位置を案内および/または適合させるために使用されることができる。さらに、例えば下に絞りノズルを有する微孔性表面および/または穿孔ステンレス鋼表面を有する真空ローラが使用されて、例えば第1の層ウェブ、スペーサ層ウェブおよび/または第2の層ウェブなどの層ウェブを案内することができる。さらにまた、ドローローラ、例えば接着剤コーティングを有するドローローラが、層ウェブを案内するために使用されることができる。
【0092】
特に、本方法は、生成された分析試験ストリップの第1の層および第2の層の位置合わせの0±0.1mmの製造公差を満たすことを可能にすることができる。レーザセンサなどの位置合わせセンサは、検知方向が第1の層ウェブの延長面に本質的に平行であり得るように、例えば第1の層エッジに垂直に面し得るように配置されることができるため、この製造公差は、特に到達可能であり得る。次いで、位置合わせセンサによって検出された測定値および位置は、マスタスレーブ方式で第1の層エッジにしたがってスペーサ層エッジの位置を制御し、必要に応じて補正するために直接使用されることができる。例として、ローラを介したスレーブ位置の位置、例えばスペーサ層エッジの位置の適合は、≦0.2μmの精度であってもよく、またはそれを含んでもよく、したがって、例として、位置の高精度で正確な再調整を可能にしてもよい。
【0093】
さらに、本方法では、例えば測定された位置合わせ値に加えて、特定の一定の距離に対する第2の差分測定を用いて連続較正が実行されることができる。したがって、測定された各位置合わせ値は、信頼性試験を恒久的に受けることができる。
【0094】
さらなる態様では、リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップを製造するための製造システムが開示され、各分析試験ストリップは、少なくとも1つの第1の電極を有する少なくとも1つの第1の層と、少なくとも1つのスペーサ層と、少なくとも1つの第2の電極を有する少なくとも1つの第2の層とを含む。製造システムは、以下を備える:
I.少なくとも1つの連続した第1の層ウェブを提供するための少なくとも1つの供給装置であって、第1の層ウェブが、第1の面上に配置された少なくとも1つの第1の電極層を有し、第1の層ウェブが第1の層エッジを有する、少なくとも1つの供給装置、
II.少なくとも1つの第1の積層ステーションであって、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブを第1の層ウェブの第1の面上に連続的に配置するように構成され、スペーサ層ウェブがスペーサ層エッジを有し、配置することが、第1の層エッジの位置をマスタ位置として使用し、スペーサ層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、配置することが、スペーサ層エッジが第1の層エッジからオフセットされ、それによって、第1の層の第1の面の一部および第1の電極層の一部がスペーサ層ウェブによって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの第1の積層ステーション、および
III.少なくとも1つの第2の積層ステーションであって、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブをスペーサ層ウェブ上に連続的に配置するように構成され、第2の層ウェブが、第1の面上に配置された少なくとも1つの第2の電極層を有し、配置することが、第2の電極層が第1の層ウェブに面するように実行され、第2の層ウェブが、第2の層エッジを有し、配置することが、第2の層エッジが第1の層エッジと位置合わせされるように行われ、配置することが、第2の層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの第2の積層ステーション。
【0095】
本明細書で使用される「供給装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの材料を提供および/または利用可能にするように構成された材料の任意の形成されたリザーバを指すことができる。
【0096】
製造システムは、具体的には、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、複数の分析試験ストリップを製造する方法を実行するように構成されることができる。したがって、可能な追加の定義および実施形態については、上記の説明を参照するか、または以下にさらに詳細に説明するように参照することができる。
【0097】
製造システムは、第1の積層ステーションおよび第2の積層ステーションの少なくとも一方を制御するように構成された少なくとも1つの制御装置をさらに備えてもよい。本明細書で使用される「制御装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、監視および/または調整の目的のためのシステムを指すことができる。特に、制御装置は、第1の積層ステーションおよび/または第2の積層ステーションの少なくとも1つの特性を監視および/または調整するように構成されることができる。
【0098】
連続した第1の層ウェブを提供するための供給装置は、具体的には、少なくとも1つの供給リール、例えば少なくとも1つの供給ホイールを備えることができる。
【0099】
製造システムは、連続スペーサ層ウェブを提供するための少なくとも1つの供給装置、具体的には少なくとも1つの供給ホイールなどの少なくとも1つの供給リールをさらに備えることができる。
【0100】
製造システムは、連続した第2の層ウェブを提供するための少なくとも1つの供給装置、具体的には少なくとも1つの供給ホイールなどの少なくとも1つの供給リールをさらに備えることができる。
【0101】
さらに、製造システムは、第2の積層ステーションによって生成された連続分析試験ストリップウェブを中間的に貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵装置を備えることができる。
【0102】
製造システムは、具体的には、上述したように、または以下にさらに詳細に説明するように、少なくとも1つの切断ステーションをさらに備えることができる。
【0103】
本発明にかかる製造システムおよび/または本発明にかかる方法は、完全にまたは部分的にコンピュータ制御されてもよい。したがって、製造システムは、製造システムおよび/または方法を制御するための少なくとも1つのプロセッサなどの少なくとも1つのコントローラを備えることができる。
【0104】
本発明にかかる方法、ステーション、およびシステムは、既知の方法、ステーション、およびシステムを超える多数の利点を提供することができる。特に、複数の分析試験ストリップを製造する開示された製造システムおよび方法は、既知のシステムおよび方法と比較して製造廃棄物の量を低減することができる。具体的には、傷や汚れの発生が抑制されることができる。さらに、提案されたシステムおよび方法では、最先端の案内システムによって引き起こされる破砕および層間剥離などの材料損傷が大幅に低減されるか、または排除されることさえできる。したがって、特に、材料関連の安全上の問題に起因する廃棄定格が最小限に抑えられることができ、製造歩留まりを高めることができる。
【0105】
さらに、方法、ステーションおよびシステムは、分析試験ストリップのより精密で正確な製造を可能にすることができる。したがって、生産プロセスは、改善されることができ、具体的には、廃棄率の低下および資源のより効率的な使用のためにより経済的であり得る。
【0106】
要約すると、さらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態が想定されることができる:
実施形態1:リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップを製造する方法であって、各分析試験ストリップが、少なくとも1つの第1の電極を有する少なくとも1つの第1の層と、少なくとも1つのスペーサ層と、少なくとも1つの第2の電極を有する少なくとも1つの第2の層と、を含み、方法が、
i.第1の面上に配置された少なくとも1つの第1の電極層を有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブを提供することであって、第1の層ウェブが第1の層エッジを有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブを提供することと、
ii.少なくとも1つの第1の積層ステーションにおいて、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブを第1の層ウェブの第1の面上に連続的に配置することであって、スペーサ層ウェブがスペーサ層エッジを有し、配置することが、第1の層エッジの位置をマスタ位置として使用し、スペーサ層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、配置することが、スペーサ層エッジが第1の層エッジからオフセットされ、それによって、第1の層の第1の面の一部および第1の電極層の一部がスペーサ層ウェブによって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブを第1の層ウェブの第1の面上に連続的に配置することと、
iii.少なくとも1つの第2の積層ステーションにおいて、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブをスペーサ層ウェブ上に連続的に配置することであって、第2の層ウェブが、第1の面上に配置された少なくとも1つの第2の電極層を有し、配置することが、第2の電極層が第1の層ウェブに面するように実行され、第2の層ウェブが、第2の層エッジを有し、配置することが、第2の層エッジが第1の層エッジと位置合わせされるように行われ、配置することが、第2の層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブをスペーサ層ウェブ上に配置することと
を含む、方法。
【0107】
実施形態2:ステップiii.が、第1の層エッジの位置がマスタ位置として使用されるように実行される、実施形態1に記載の方法。
【0108】
実施形態3:第2の積層ステーションの下流で少なくとも1つの位置合わせセンサを使用することによって、第2の層エッジと第1の層エッジとの間の位置合わせを検出することと、第2の積層ステーションに供給される連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を制御することと、をさらに含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0109】
実施形態4:位置合わせセンサは、第1の層ウェブの延長面に本質的に平行な検知方向を有し、具体的には、第1の層エッジおよび第2の層エッジ上および/または第2の層エッジ、好ましくはスペーサ層エッジにも検知方向を有する少なくとも1つの光学距離センサを含む、実施形態3に記載の方法。
【0110】
実施形態5:位置合わせセンサが、少なくとも1つのレーザセンサ、具体的にはレーザプロファイルセンサを備える、実施形態3または4に記載の方法。
【0111】
実施形態6:位置合わせセンサが、第1の層エッジ、スペーサ層エッジ、および第2の層エッジの位置を同時に検出するように構成されている、実施形態4から6のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
実施形態7:第1の層エッジと第2の層エッジとの間の位置合わせのずれが、第2の積層ステーションに供給される連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を補正することによって、少なくとも部分的に補正される、実施形態3から6のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
実施形態8:第2の層エッジの位置の補正が自動的に実行される、実施形態7に記載の方法。
【0114】
実施形態9:第2の層エッジの位置を補正することが、連続した第2の層ウェブが第2積層ステーションに供給される少なくとも1つのローラを傾斜させることを含む、実施形態7または8に記載の方法。
【0115】
実施形態10:ステップii.およびiii.における位置制御された配置が、ウェブの搬送方向に垂直な位置に対して位置制御された配置である、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
実施形態11:第1の積層ステーションの下流で少なくとも1つのオフセットセンサを使用することによって、スペーサ層エッジと第1の層エッジとの間のオフセットを検出することと、第1の積層ステーションに供給される連続スペーサ層ウェブのスペーサ層エッジの位置を制御することと、をさらに含む、実施形態1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
実施形態12:オフセットセンサが、第1の層ウェブの延長面を横切る視野方向のカメラ画像の連続画像認識のために構成された少なくとも1つの画像認識装置を備える、実施形態11に記載の方法。
【0118】
実施形態13:オフセットが少なくとも1つの公称オフセットと比較され、オフセットと公称オフセットとの間の偏差が、第1の積層ステーションに供給される連続スペーサ層ウェブのスペーサ層エッジの位置を補正することによって少なくとも部分的に補正される、実施形態11または12に記載の方法。
【0119】
実施形態14:スペーサ層エッジの位置を補正することが、スペーサ層ウェブが第1の積層ステーションに供給される少なくとも1つのローラを傾斜させることを含む、実施形態13に記載の方法。
【0120】
実施形態15:少なくとも1つの第1の層センサを使用することによって、第1の積層ステーションに供給される連続した第1の層ウェブの第1の層エッジの位置を検出することをさらに含む、実施形態1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
実施形態16:第1の層センサが、少なくとも1つの赤外線センサ、具体的には、第1の層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する少なくとも1つの赤外線センサを備える、実施形態15に記載の方法。
【0122】
実施形態17:少なくとも1つのスペーサ層センサを使用することによって、第1の積層ステーションに供給される連続スペーサ層ウェブのスペーサ層エッジの位置を検出することをさらに含む、実施形態1から16のいずれか一項に記載の方法。
【0123】
実施形態18:スペーサ層センサが、少なくとも1つの赤外線センサ、具体的には、スペーサ層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する少なくとも1つの赤外線センサを備える、実施形態17に記載の方法。
【0124】
実施形態19:少なくとも1つの積層センサを使用することによって、ステップiiにおいて生成された連続した中間積層ウェブの第1の層エッジの位置を検出することをさらに含み、積層ウェブが、第1の層ウェブおよびスペーサ層ウェブを含み、積層ウェブが、第2の積層ステーションに供給される、実施形態1から18のいずれか一項に記載の方法。
【0125】
実施形態20:積層センサが、少なくとも1つの赤外線センサ、具体的には、積層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する少なくとも1つの赤外線センサを含む、実施形態19に記載の方法。
【0126】
実施形態21:少なくとも1つの第2の層センサを使用することによって、第2の積層ステーションに供給される連続した第2の層ウェブの第2の層エッジの位置を検出することをさらに含む、実施形態1から20のいずれか一項に記載の方法。
【0127】
実施形態22:第2の層センサが、超音波センサおよび赤外線センサのうちの少なくとも1つ、具体的には、第2の層ウェブの延長面を横切る検知方向を有する超音波センサおよび/または赤外線センサを備える、実施形態21に記載の方法。
【0128】
実施形態23:少なくとも1つの未処理の層ウェブを切断するように構成された切断ステーションであって、少なくとも1つの未処理の層ウェブを、未処理の層ウェブの表面と切断ブレードの表面との間の切断角度αで切断するための少なくとも1つの切断ブレードを備え、20°≦α≦40°である、切断ステーション。
【0129】
実施形態24:切断ステーションが、未処理の層ウェブの長手方向に平行な少なくとも1つの未処理の層ウェブを切断するように構成されている、実施形態23に記載の切断ステーション。
【0130】
実施形態25:切断角度αが、25°≦α≦35°、具体的には27°≦α≦33°、より具体的には29°≦α≦31°、好ましくはα=30°である、実施形態23または24に記載の切断ステーション。
【0131】
実施形態26:切断ステーションを参照する実施形態23から25のいずれか一項に記載の少なくとも1つの切断ステーションを使用することを含む、方法を参照する実施形態1から22のいずれか一項に記載の方法。
【0132】
実施形態27:切断ステーションが少なくとも1つの第1の切断ステーションを備え、ステップi.において連続した第1の層ウェブを提供することが、少なくとも1つの第1の切断ステーションに連続した未処理の第1の層ウェブを提供することを含み、第1の切断ステーションにおいて、連続した未処理の第1の層ウェブが、未処理の第1の層ウェブの長手方向に平行な切断方向に切断され、それによって第1の層エッジが生成される、実施形態26に記載の方法。
【0133】
実施形態28:連続した未処理の第1の層ウェブが、第1の層供給ホイールから提供される、実施形態27に記載の方法。
【0134】
実施形態29:切断ステーションが少なくとも1つの第2の切断ステーションを備え、方法が、少なくとも1つの第2の切断ステーションに連続した未処理の第2の層ウェブを提供することをさらに含み、第2の切断ステーションにおいて、連続した未処理の第2の層ウェブが、未処理の第2の層ウェブの延伸の長手方向に平行な切断方向に切断され、それによって第2の層エッジが生成される、実施形態26から28のいずれか一項に記載の方法。
【0135】
実施形態30:連続した未処理の第2の層ウェブが、第2の層供給ホイールから提供される、実施形態29に記載の方法。
【0136】
実施形態31:切断ステーションが少なくとも1つのスペーサ層切断ステーションを備え、方法が、少なくとも1つの連続した未処理のスペーサ層ウェブを少なくとも1つのスペーサ層切断ステーションに提供することをさらに含み、スペーサ層切断ステーションが、連続スペーサ層ウェブを第1の積層ステーションに供給する前に、連続した未処理のスペーサ層ウェブを連続スペーサ層ウェブに切断する、実施形態26から30のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
実施形態32:スペーサ層切断ステーションが、少なくとも1つのハーフカットステーションを備える、実施形態31に記載の方法。
【0138】
実施形態33:分析試験ストリップの第1の電極が作用電極を形成し、分析試験ストリップの第2の電極が対電極および参照電極の一方または双方を形成する、実施形態1から22および実施形態26から32のいずれか一項に記載の方法。
【0139】
実施形態34:第1の電極層が、少なくとも1つの金属層と、金属層上に配置された少なくとも1つの検出層とを含み、検出層が、少なくとも1つの分析物を検出するように構成された少なくとも1つの化合物を含む、実施形態1から22および実施形態26から33のいずれか一項に記載の方法。
【0140】
実施形態35:検出層が少なくとも1つの酵素を含む、実施形態34に記載の方法。
【0141】
実施形態36:第1の層ウェブが、第1の面が上方に向けられた状態で第1の積層ステーションに提供される、実施形態1から22および実施形態26から35のいずれか一項に記載の方法。
【0142】
実施形態37:連続した第2の層ウェブが、第1の面が下方に向いた状態で第2の積層ステーションに供給される、実施形態1から22および実施形態26から36のいずれか一項に記載の方法。
【0143】
実施形態38:連続した第1の層ウェブが、複数のローラを介して第1の積層ステーションに供給され、第1の面がローラから離れる方向に面する、実施形態1から22および実施形態26から37のいずれか一項に記載の方法。
【0144】
実施形態39:ローラが少なくとも1つの真空ローラを備える、実施形態38に記載の方法。
【0145】
実施形態40:連続した第2の層ウェブが、複数のローラを介して第2の積層ステーションに供給され、第1の面がローラから離れる方向に面する、実施形態1から22および実施形態26から39のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
実施形態41:ローラが少なくとも1つの真空ローラを備える、実施形態40に記載の方法。
【0147】
実施形態42:ステップiii.において、連続分析試験ストリップウェブが生成され、方法が、連続分析試験ストリップウェブを少なくとも1つの試験ストリップ切断ステーションに供給することをさらに含み、試験ストリップ切断ステーションでは、個々の分析試験ストリップが連続分析試験ストリップウェブから切断される、実施形態1から22および実施形態26から41のいずれか一項に記載の方法。
【0148】
実施形態43:少なくとも1つの障害検出ステーションを使用することをさらに含み、障害検出ステーションにおいて、第1の層ウェブ、第2の層ウェブ、スペーサ層ウェブ、ステップii.において生成された連続中間積層ウェブ、またはステップiii.において生成された連続分析試験ストリップウェブのうちの1つ以上の障害が検出され、障害検出ステーションが、障害として検出されたウェブ部分をマーキングするためのマーキング装置をさらに備える、実施形態1から22および実施形態26から42のいずれか一項に記載の方法。
【0149】
実施形態44:少なくとも1つの廃棄ステーションをさらに備え、廃棄ステーションにおいて、欠陥とマーキングされたウェブ部分が廃棄される、実施形態43に記載の方法。
【0150】
実施形態45:廃棄ステーションが試験ストリップ切断ステーションの一部である、実施形態44に記載の方法。
【0151】
実施形態46:障害検出ステーションが、少なくとも1つの画像認識装置を備える、実施形態43から45のいずれか一項に記載の方法。
【0152】
実施形態47:方法が、少なくとも1つの静電放電ステーションをさらに含み、静電放電ステーションが、分析試験ストリップの静電帯電を防止するように構成されている、方法実施形態1から22および実施形態26から46のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
実施形態48:少なくとも1つの静電放電ステーションが、第1の積層ステーションの上流に配置される、実施形態47に記載の方法。
【0154】
実施形態49:リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップを製造するための製造システムであって、各分析試験ストリップが、少なくとも1つの第1の電極を有する少なくとも1つの第1の層と、少なくとも1つのスペーサ層と、少なくとも1つの第2の電極を有する少なくとも1つの第2の層と、を含み、製造システムが、
I.少なくとも1つの連続した第1の層ウェブを提供するための少なくとも1つの供給装置であって、第1の層ウェブが、第1の面上に配置された少なくとも1つの第1の電極層を有し、第1の層ウェブが第1の層エッジを有する、少なくとも1つの供給装置と、
II.少なくとも1つの第1の積層ステーションであって、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブを第1の層ウェブの第1の面上に連続的に配置するように構成され、スペーサ層ウェブがスペーサ層エッジを有し、配置することが、第1の層エッジの位置をマスタ位置として使用し、スペーサ層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、配置することが、スペーサ層エッジが第1の層エッジからオフセットされ、それによって、第1の層の第1の面の一部および第1の電極層の一部がスペーサ層ウェブによって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの第1の積層ステーションと、
III.少なくとも1つの第2の積層ステーションであって、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブをスペーサ層ウェブ上に連続的に配置するように構成され、第2の層ウェブが、第1の面上に配置された少なくとも1つの第2の電極層を有し、配置することが、第2の電極層が第1の層ウェブに面するように実行され、第2の層ウェブが、第2の層エッジを有し、配置することが、第2の層エッジが第1の層エッジと位置合わせされるように行われ、配置することが、第2の層エッジの位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの第2の積層ステーションと
を備える、製造システム。
【0155】
実施形態50:製造システムが、方法を参照する実施形態1から22および実施形態26から48のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、システム実施形態49に記載の製造システム。
【0156】
実施形態51:製造システムが、第1の積層ステーションおよび第2の積層ステーションの少なくとも一方を制御するように構成された少なくとも1つの制御装置をさらに備える、システム実施形態49または50に記載の製造システム。
【0157】
実施形態52:連続した第1の層ウェブを提供するための供給装置が、少なくとも1つの供給リールを備える、システム実施形態49から51のいずれか一項に記載の製造システム。
【0158】
実施形態53:連続スペーサ層ウェブを提供するための少なくとも1つの供給装置、具体的には少なくとも1つの供給リールをさらに備える、システム実施形態49から52のいずれか一項に記載の製造システム。
【0159】
実施形態54:連続した第2の層ウェブを提供するための少なくとも1つの供給装置、具体的には少なくとも1つの供給リールをさらに備える、システム実施形態49から53のいずれか一項に記載の製造システム。
【0160】
実施形態55:第2の積層ステーションによって生成された連続分析試験ストリップウェブを中間的に貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵装置をさらに備える、システム実施形態49から54のいずれか一項に記載の製造システム。
【0161】
実施形態56:製造システムは、切断ステーションを参照する実施形態23から25のいずれか一項に記載の少なくとも1つの切断ステーションをさらに備える、システム実施形態49から55のいずれか一項に記載の製造システム。
【0162】
実施形態57:製造システムが、少なくとも1つの障害検出ステーションをさらに備え、障害検出ステーションが、障害として検出されたウェブ部分をマーキングするためのマーキング装置をさらに備える、システム実施形態49から56のいずれか一項に記載の製造システム。
【0163】
実施形態58:製造システムは、少なくとも1つの廃棄ステーションをさらに備え、廃棄ステーションにおいて、障害とマーキングされたウェブ部分が廃棄される、実施形態57に記載の製造システム。
【0164】
実施形態59:廃棄ステーションが試験ストリップ切断ステーションの一部である、実施形態58に記載の製造システム。
【0165】
実施形態60:障害検出ステーションが、少なくとも1つの画像認識装置を備える、実施形態57から59のいずれか一項に記載の製造システム。
【0166】
実施形態61:製造システムが、少なくとも1つの静電放電ステーションをさらに備え、静電放電ステーションが、分析試験ストリップの静電帯電を防止するように構成されている、システム実施形態49から60のいずれか一項に記載の製造システム。
【0167】
実施形態62:少なくとも1つの静電放電ステーションが、第1の積層ステーションの上流に配置される、実施形態61に記載の製造システム。
【0168】
図面の簡潔な説明
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。ここで、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって限定されない。実施形態は、図に概略的に示されている。ここで、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0169】
図1】製造システムの実施形態の概略図を示している。
図2a】切断ステーションの実施形態を示している。
図2b】切断ステーションの実施形態を示している。
図3】製造された分析試験ストリップの実施形態の断面図を示している。
図4】複数の分析試験ストリップを製造する方法の実施形態のフローチャートを示している。
図5】複数の分析試験ストリップを製造する方法の実施形態のフローチャートを示している。
図6】複数の光学試験ストリップを製造する方法の実施形態を実行する製造システムの概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0170】
実施形態の詳細な説明
図1には、製造システム110の実施形態の概略図が示されている。製造システム110は、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブ114を、具体的には第1の積層ステーション116に供給するための少なくとも1つの供給装置112を備える。第1の層ウェブ114は、第1の面118に少なくとも1つの第1の電極層120を有する。第1の層ウェブ114は、少なくとも1つの第1の層エッジ122をさらに有する。
【0171】
製造システム110は、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブ124を第1の層ウェブ114の第1の面118上に連続的に配置するように構成された少なくとも1つの第1の積層ステーション116をさらに備える。スペーサ層ウェブ124は、スペーサ層エッジ126を有し、両面において接着性であってもよい。配置することは、第1の層エッジ122の位置をマスタ位置とし、スペーサ層エッジ126の位置をスレーブ位置として、マスタ-スレーブ方式で位置制御される。配置することは、スペーサ層エッジ126が第1の層エッジ122からオフセットされ、それによって第1の層114の第1の面118の一部および第1の電極層120の一部がスペーサ層ウェブ124によって覆われないままであるように行われる。例として、図3では、覆われていない部分は、文字「A」によって参照される。
【0172】
さらに、製造システム110は、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブ130をスペーサ層ウェブ124上に連続的に配置するように構成された少なくとも1つの第2の積層ステーション128を備える。第2の層ウェブ130は、第1の面132上に少なくとも1つの第2の電極層134を有する。配置することは、第2の電極層134が第1の層ウェブ114に対向するように実行される。第2の層ウェブ130は、第2の層エッジ136を有する。配置することは、第2の層エッジ136が第1の層エッジ122と位置合わせされるように行われ、配置することは、第2の層エッジ136の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される。
【0173】
製造システム110は、第1の積層ステーション116および第2の積層ステーション128の少なくとも一方を制御するように構成された少なくとも1つの制御装置138をさらに備えてもよい。さらに、製造システム110は、連続スペーサ層ウェブ124を提供するための少なくとも1つの供給装置112と、連続した第2の層ウェブ130を提供するための少なくとも1つの供給装置112とを備えることができる。各供給装置112は、具体的には、少なくとも1つの供給リール140を備えることができる。製造システム110は、第2の積層ステーション128によって生成された連続分析試験ストリップウェブ144を中間的に貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵装置142をさらに備えてもよい。さらに、製造システム110は、少なくとも1つのスプライシングステーション145を備えてもよく、スプライシングステーション145は、層ウェブを付加および/または拡張するために使用されてもよい。したがって、例として、製造システム110は、具体的には、第1の層ウェブ114、スペーサ層ウェブ124、および第2の層ウェブ130を連続した第1の層ウェブ114、連続スペーサ層ウェブ124、および連続した第2の層ウェブ130にそれぞれ付加および/または延長する目的で、3つのスプライシングステーション145を備えてもよい。
【0174】
製造システム110は、具体的には、リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ146を製造する方法を実行するように構成されてもよい。したがって、製造システム110は、本方法を実行するためのさらなる要素などのさらなる要素を備えることができる。本方法の例示的な実施形態は、図4図5および図6のいずれか1つに示されている。
【0175】
リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ146を製造する方法は、少なくとも以下のステップを含む:
i.(参照符号148によって示される)第1の面118上に配置された少なくとも1つの第1の電極層120を有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブ114を提供するステップであって、第1の層ウェブ114が第1の層エッジ122を有する、少なくとも1つの連続した第1の層ウェブ114を提供するステップ、
ii.(参照符号150によって示される)少なくとも1つの第1の積層ステーション116において、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブ124を第1の層ウェブ114の第1の面118上に連続的に配置するステップであって、スペーサ層ウェブ114がスペーサ層エッジ126を有し、配置することが、第1の層エッジ122の位置をマスタ位置として使用し、スペーサ層エッジ126の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御され、配置することが、スペーサ層エッジ126が第1の層エッジ122からオフセットされ、それによって、第1の層114の第1の面118の一部および第1の電極層120の一部がスペーサ層ウェブ124によって覆われないままであるように行われる、少なくとも1つの連続スペーサ層ウェブ124を第1の層ウェブ114の第1の面118上に連続的に配置するステップ、および
iii.(参照符号152によって示される)少なくとも1つの第2の積層ステーション128において、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブ130をスペーサ層ウェブ124上に連続的に配置するステップであって、第2の層ウェブ130が、第1の面132上に配置された少なくとも1つの第2の電極層134を有し、配置することが、第2の電極層134が第1の層ウェブ114に面するように実行され、第2の層ウェブ130が、第2の層エッジ136を有し、配置することが、第2の層エッジ136が第1の層エッジ122と位置合わせされるように行われ、配置することが、第2の層エッジ136の位置をスレーブ位置として使用することによってマスタ-スレーブ方式で位置制御される、少なくとも1つの連続した第2の層ウェブ130をスペーサ層ウェブ124上に連続的に配置するステップ。
【0176】
特に、本方法は、例えば製造システム110にさらに含まれる少なくとも1つの位置合わせセンサ154を使用することによって、第2の積層ステーション128の下流で、第2の層エッジ136と第1の層エッジ122との間の位置合わせを検出することをさらに含んでもよい。位置合わせセンサ154は、具体的には、レーザプロファイルセンサなどの少なくとも1つのレーザセンサであってもよく、またはレーザプロファイルセンサを含んでもよい。さらに、位置合わせセンサ154は、第1の層エッジ122、スペーサ層エッジ126および第2の層エッジ136の位置を同時に検出するように構成されてもよい。第1の層エッジと第2の層エッジとの間の位置ずれが検出される場合、例として、ずれは、連続した第2の層ウェブ130の第2の層エッジ136の位置を補正することによって少なくとも部分的に補正されてもよい。第2の層エッジ136の位置を補正することは、具体的には、例えば製造システム110にさらに含まれる少なくとも1つのローラ156を傾斜させることを含んでもよく、その上に連続した第2の層ウェブ130を第2の積層ステーション128に供給することができる。
【0177】
例として、本方法は、例えば製造システム110にさらに含まれる少なくとも1つのオフセットセンサ158を使用することによって、第1の積層ステーション116の下流で、スペーサ層エッジ126と第1の層エッジ122との間のオフセットを検出することをさらに含んでもよい。オフセットセンサ158は、具体的には、第1の層ウェブ114の延長面を横切る視野方向におけるカメラ画像の連続画像認識のために構成された少なくとも1つの画像認識装置を備えてもよい。オフセット、具体的には、オフセットセンサ158を使用することによって検出されたオフセットは、例えば、少なくとも1つの公称オフセットと比較されることができ、オフセットと公称オフセットとの間のずれは、連続スペーサ層ウェブ124のスペーサ層エッジ126の位置を補正することによって少なくとも部分的に補正されることができる。スペーサ層エッジ126の位置を補正することは、具体的には、例えば製造システム110にさらに含まれる少なくとも1つのローラ160を傾斜させることを含むことができ、それにわたってスペーサ層ウェブ124を第1の積層ステーション116に供給することができる。
【0178】
本方法は、例えば製造システム110にさらに含まれる少なくとも1つの第1の層センサ162を使用することによって、第1の積層ステーション116に供給されている連続した第1の層ウェブ114の第1の層エッジ122の位置を検出することをさらに含んでもよい。第1の層センサ162は、具体的には、第1の層ウェブ114の延長面を横切る検知方向を有する赤外線センサなどの少なくとも1つの赤外線センサを備えてもよい。本方法では、スペーサ層エッジ126の位置を検出するための少なくとも1つのスペーサ層センサ164、本方法のステップii.150において生成された連続した中間積層ウェブ166の第1の層エッジ122の位置を検出するための積層センサ165などのさらなるセンサが使用されることができる。積層ウェブ166は、具体的には、第1の層ウェブ114およびスペーサ層ウェブ124を含んでもよい。さらに、本方法は、少なくとも1つの第2の層センサ168を使用することによって、連続した第2の層ウェブ130の位置の第2の層エッジ136の位置を検出することを含むことができる。第2の層センサ168は、具体的には、超音波センサおよび赤外線センサのうちの少なくとも一方、具体的には、第2の層ウェブ130の延長面を横切る検知方向を有する超音波センサおよび/または赤外線センサを備えてもよい。例として、第1の層センサ162、スペーサ層センサ164、積層センサ165および第2の層センサ168などのさらなるセンサもまた、製造システム110に含まれてもよい。さらなるセンサ、例えば、第1の層センサ162、スペーサ層センサ164、積層センサ165および第2の層センサ168は、具体的には、例えば光の反射などの反射によって引き起こされる測定結果への影響を回避するために、層ウェブの裏面に面する検知方向を有するように配置されてもよい。
【0179】
本方法、具体的には本方法のステップi.は、未処理の第1の層ウェブ114などの連続した未処理の第1の層ウェブ114を、第1の切断ステーション174などの少なくとも1つの切断ステーション172に提供するサブステップ(参照符号170によって示される)をさらに含んでもよい。第1の切断ステーション174において、連続した未処理の第1の層ウェブ114は、第1の層ウェブ114の移動方向など、未処理の第1の層ウェブ114の長手延在方向に平行な切断方向に切断されてもよく、それによって第1の層エッジ122が生成されてもよい。特に、図1に示す矢印は、それぞれの層ウェブの進行方向を示すことができる。さらに、本方法は、少なくとも1つの第2の切断ステーション176に連続した未処理の第2の層ウェブ130を提供することを含むことができ、第2の切断ステーション176では、連続した未処理の第2の層ウェブ130は、未処理の第2の層ウェブ130の延伸の長手方向に平行な切断方向に切断されることができ、それによって第2の層エッジ136を生成されることができる。さらにまた、本方法は、少なくとも1つの連続した未処理のスペーサ層ウェブ124を少なくとも1つのスペーサ層切断ステーション178に提供することを含んでもよく、スペーサ層切断ステーション178は、連続スペーサ層ウェブ124を第1の積層ステーション116に供給する前に、連続した未処理のスペーサ層ウェブ124を連続スペーサ層ウェブに切断してもよい。具体的には、スペーサ層切断ステーション178は、少なくとも1つのハーフカットステーションであってもよく、またはそれを備えてもよい。
【0180】
例として、切断ステーション172、具体的には第1の切断ステーション174、第2の切断ステーション176およびスペーサ層切断ステーション178は、製造システム110に含まれてもよい。切断ステーション172の実施形態が図2aおよび図2bに示されており、例示的には、第1の層ウェブ114、具体的には第1の電極層120を有する第1の層ウェブの切断が示されている。具体的には、図2aは、切断前の切断ステーションを示し、図2bは、切断実行中の切断ステーションを示している。切断ステーション172は、未処理の第1の層ウェブ114、未処理の第2の層ウェブ130および未処理のスペーサ層ウェブ124のうちの1つ以上などの少なくとも1つの未処理の層ウェブを、未処理の層ウェブの表面と切断ブレード180の表面との間の切断角度αで切断するための少なくとも1つの切断ブレード180を備える。切断角度αは、具体的には、α=30°とすることができる。
【0181】
製造システム110は、複数のローラ182をさらに備えることができる。特に、連続した第1の層ウェブ114および連続した第2の層ウェブ130のそれぞれは、複数のローラ182を介して第1の積層ステーション116および第2の積層ステーション128にそれぞれ供給されてもよい。具体的には、本方法は、第1の層ウェブ114を第1の積層ステーション116に供給し、第2の層ウェブ130を第2の積層ステーション128に供給することを含んでもよく、第1の面118および132は、ローラ182から外方を向いている。例として、第1の層ウェブ114は、第1の面118が上方に向けられた状態で第1の積層ステーション116に提供されてもよく、第2の層ウェブ130は、第1の面132が下方を向いた状態で第2の積層ステーション128に供給されてもよい。
【0182】
本方法、具体的には本方法のステップiii.は、連続分析試験ストリップウェブ144を生成するサブステップ(参照符号184によって示される)をさらに含んでもよい。例として、生成された分析試験ストリップウェブ144は、次いで、少なくとも1つの試験ストリップ切断ステーションに供給されてもよく、分析試験ストリップ146は、連続分析試験ストリップウェブ144から切断されてもよい。したがって、本方法は、連続分析試験ストリップウェブ144から分析試験ストリップ146を切断するサブステップ(参照符号185によって示される)をさらに含んでもよい。
【0183】
本方法は、分析試験ストリップウェブ144上に情報を印刷するために、例えば製造システム110にさらに含まれる印刷ステーション186を使用することをさらに含むことができる。さらに、本方法は、例えば製造システム110にさらに含まれる、少なくとも1つの障害検出ステーション188を使用するサブステップ(参照符号187によって示される)を含んでもよい。障害検出ステーション188は、具体的には、ステップii.において生成された第1の層ウェブ114、第2の層ウェブ130、スペーサ層ウェブ124、連続中間積層ウェブ166、およびステップiii.において生成された連続分析試験ストリップウェブ144のうちの1つ以上の障害を検出するように構成されてもよい。特に、障害検出ステーション188は、例えば、部分をマーキングするために少なくとも1つのレーザ190を使用することによって、障害として検出されたウェブ部分をマーキングするようにさらに構成されることができる。続いて、具体的には試験ストリップ切断ステーションの一部として、少なくとも1つの廃棄ステーションが使用されて、障害としてマーキングされたウェブ部分を廃棄するサブステップ(参照符号192によって示される)を実行することができる。
【0184】
本方法は、例えば製造システム110によってさらに構成された少なくとも1つの静電放電ステーション194をさらに備えることができる。静電放電ステーション194は、具体的には、分析試験ストリップ146の静電帯電を防止するように構成されることができる。好ましくは、静電放電ステーション194は、第1の積層ステーション116の上流に配置されてもよい。しかしながら、図1に示すように、例えば、剥がされた保護ライナなどのスペーサ層ウェブ124の剥がされた残留物がその上に貯蔵されることができる各ライナ残留物ロール196を有するなど、さらなる静電放電ステーション194が製造システム110内に配置されることができ、および/または印刷ステーション186および障害検出ステーション188の一方または双方内に、および/または分析試験ストリップウェブ144を貯蔵装置142に貯蔵する前に配置されることができる。少なくとも1つの静電放電ステーション194を配置するためのさらなる位置が実現可能であり得る。
【0185】
図3では、製造された分析試験ストリップ146の実施形態の断面図が示されている。分析試験ストリップ146は、少なくとも1つの第1の電極200、例えば第1の電極層120の一部を有する、少なくとも1つの第1の層198、例えば第1の層ウェブ114の一部を含む。さらに、分析試験ストリップ146は、スペーサ層ウェブ124の一部などの少なくとも1つのスペーサ層202と、少なくとも1つの第2の電極206、例えば第2の電極層134の一部を有する第2の層204、例えば第2の層ウェブ130の一部とを含む。特に、第1の電極層120の一部などの第1の電極200は、作用電極を形成することができ、第2の電極層134の一部などの第2の電極206は、対電極および参照電極の一方または双方を形成することができる。例として、第1の電極200は、少なくとも1つの金属層208と、金属層208上に配置された少なくとも1つの検出層210とを備えてもよい。第1の電極200の検出層210は、例えば少なくとも1つの酵素212を含んでいてもよい。さらに、第2の電極206はまた、少なくとも1つの金属層208と、金属層208上に配置された少なくとも1つの検出層210とを含んでもよい。しかしながら、酵素は、第1の電極200の検出層210にのみ存在していてもよい。
【0186】
製造システム110では、具体的には、リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ146を製造する方法を実行することによって、第1の電極200の部分「A」がスペーサ層202によって覆われないままであるように、第1の層198およびスペーサ層202が互いに対して位置決めされることができる。さらに、製造システム110では、具体的には、リール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ146を製造する方法を実行することによって、第2の電極206の部分「B」がスペーサ層202によって覆われないままであるように、第2の層204およびスペーサ層202が互いに対して位置決めされることができる。部分「A」と「B」との間のスペーサ層によって形成された間隙は、分析物検出のために分析試験ストリップ146を使用するときに試料が塗布されることができる試料塗布ゾーン214を形成することができる。特に、スペーサ層は、第1の電極200と第2の電極206とを絶縁、例えば電気的に絶縁してもよい。
【0187】
さらに、製造システム110では、具体的にはリール間プロセスを使用することによって複数の分析試験ストリップ146を製造する本方法のステップiii.を実行することによって、例えば第2の層204の第2の層エッジ136は、マスタ-スレーブ方式で、例えば第1の層198の第1の層エッジ122と位置合わせされる。例として、位置合わせは、±0.1mmの最大差「x」であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0188】
例として、分析試験ストリップ146は、電極層を有する二層ウェブを含んでもよい。これらの層ウェブは、具体的には、ポリエチレンテレフタレートのウェブ(PETウェブ)から作製されてもよく、または少なくとも部分的にそれを含んでもよく、具体的には、ウェブは、少なくとも片面に金スパッタリングを有してもよい。第1の層ウェブ114などの一層ウェブは、例えば、長方形のパンチなどの複数のパンチアウトを有してもよい。特に、第1の層ウェブ114は、第1の電極層120が第2の層ウェブ130の第2の電極層134と向かい合って配置されることができるように配置されてもよい。第1の層ウェブ114と第2の層ウェブ130との間など、2つの層ウェブの間には、少なくとも1つのスペーサ層ウェブ124が配置されてもよい。スペーサ層ウェブ124は、具体的には、両面が接着剤であってもよく、電極層120および134を互いに絶縁するように構成されてもよい。電極層120および134は、例えば、スペーサ層ウェブ124を僅かに越えて突出してもよく、それによって、横方向毛細管、例えば分析試験ストリップ146の少なくとも一端を形成してもよい。この横方向毛細管は、試料塗布ゾーン214として機能することができる。したがって、分析試験ストリップ146は、容易な試料塗布を可能にすることができる。具体的には、電極層120および134は、位置合わせされて終端してもよく、測定セルを形成してもよい。特に、電極層120および134は、双方とも、検出層210を含むなどしてコーティングされてもよく、作用電極は、酵素含有試薬を含んでもよく、対電極および/または参照電極は、酵素を含まない試薬を含んでもよい。したがって、例として、試料塗布ゾーン214は、分析物を検出するための反応ゾーンであるか、または反応ゾーンとして機能することができる。
【0189】
図6には、複数の光学試験ストリップ146を製造する方法の実施形態を実行する製造システム110の概略図が示されている。特に、右上隅を起点として、第1の層ウェブ114が提供されることができる。同様に、図6の左側に示すように、第2の層ウェブ130が提供されることができる。第1の層ウェブ114および第2の層ウェブ130は、双方とも、それぞれのウェブ、例えば第1の層ウェブ114および/または第2の層ウェブ130を、第1の面118および132に対向する面、例えば第1の電極層120および第2の電極層134にそれぞれ対向する面のみで吸引するように構成されることができる真空ローラなどの複数のローラ182を使用することによって搬送されることができる。ローラ182の回転運動により、層ウェブ114および130は、製造システム110内で搬送されることができる。例として、真空ローラの場合、絞りノズルが下にある真空作動の微孔性表面材料または穿孔ステンレス鋼表面が、具体的には層ウェブ114および130を完全に吸引して搬送することによって使用されることができる。例として、一方の供給リール140は、最大1000mの第1の層ウェブ114、第2の層ウェブ130およびスペーサ層ウェブ124のうちの1つを備えてもよい。さらに、製造システム110は、最大50m/分の第1の層ウェブ114および/または第2の層ウェブ130および/またはスペーサ層ウェブ124を処理するように構成されてもよい。
【0190】
本方法では、電極層120および134のそれぞれ、具体的には金属層208および検出層210を層ウェブ114および130のエッジに配置するなどのために、層ウェブ114および130の少なくとも一部がエッジトリミングによって除去されることができる。このエッジトリミングは、少なくとも1つの切断ステーション172において実行されることができる。具体的には、第1の層ウェブ114は、第1の切断ステーション174において切断されてもよく、第2の層ウェブ130は、第2の切断ステーション176において切断されてもよい。層ウェブ114および130は、特に、それぞれ切断ステーション174および176内に10°の角度でラップで案内されてもよい。所望の幅を生成するなどのために、α=30°の切断角度が使用されて、層ウェブ114および130を切断することができ、損傷および破砕が回避されることができる。
【0191】
未処理のスペーサ層ウェブ124は、その上下の接着面に保護ライナを備えることができる。しかしながら、スペーサ層ウェブ124の前面および端面は、汚染にさらされる可能性があり、したがって、おそらくは汚染された領域を除去するために、ハーフカットステーションなどのスペーサ層切断ステーション178において切断されることができる。スペーサ層切断ステーション178は、製造システムにおける後続のプロセスにおいて、保護ライナが完全にまたは部分的に除去され、例えば剥がされ、ライナ残留物ロール196上に貯蔵されることができるように、スペーサ層ウェブ124を切断するようにさらに構成されることができる。しかしながら、この除去および/または剥離は、スペーサ層ウェブ124の帯電につながる可能性がある。したがって、第1の積層ステーション116に供給される前に、例えばスペーサ層ウェブ124の表面を中和し、電荷が試料塗布ゾーン214に蓄積するのを防止するために、静電放電ステーション194を使用することによってスペーサ層ウェブ124が放電されなければならない場合がある。そうしないと、試料塗布ゾーン214に蓄積された電荷が試料が横方向毛細管および/または試料塗布ゾーン214に入るのを妨げる可能性があるため、使用不能および/または障害の分析試験ストリップ146をもたらす可能性がある。
【0192】
試料塗布ゾーン214は、0±0.1mmの極めて狭い製造公差を受ける可能性がある。特に、分析試験ストリップ146の機能性は、第1の層198および第2の層204、具体的には第1の電極200および第2の電極206の正確な相対位置に依存することができる。しかしながら、第1の電極200および第2の電極206、具体的には金属層208および検出層210は、触れたときに破損しやすい場合がある。したがって、エッジガイドを介した第1の層ウェブ114および第2の層ウェブ130の位置決めは、許容されない場合がある。
【0193】
切断ステーション172、例えばそれぞれの第1の切断ステーション174またはスペーサ層切断ステーション176を通過させた後、第1の層ウェブ114およびスペーサ層ウェブ124は、それぞれ、少なくとも1つのドローローラ216によって搬送されてもよい。ドローローラ216は、具体的には、層ウェブ内で一定の引張応力を維持するように構成されてもよい。さらに、第1の層ウェブ114は、特に安定した平面配置で第1の層ウェブ124を案内するために、少なくとも1つの真空テーブル218上をさらに通過してもよい。真空テーブル218は、例えば、第1の層ウェブ114を、具体的には第1の層エッジ122に対向する側、例えば後に試料塗布ゾーン214の一部となる側に対向する側に案内するための斜めに立ったホイールを備えてもよい。次いで、赤外線センサなどの少なくとも1つの第1の層センサ162は、第1の層ウェブ114の第1の層エッジ122の位置を検出し、その位置に関する情報を制御装置138に提供してもよい。具体的には、第1の層エッジ122の位置は、マスタ位置として使用されることができる。スペーサ層ウェブ124のスペーサ層エッジ126の位置は、スレーブ位置として使用されることができ、したがって、第1の層エッジ122のマスタ位置にしたがって適合させることができる。特に、制御装置138は、第1の層ウェブ114の位置に応じてスペーサ層ウェブ124の位置を適合させるために、例えば第1の層エッジ126の位置に応じてスペーサ層エッジ122の位置を適合させるために、ローラ160を例えば傾斜させることによって制御するように構成されてもよい。次いで、スペーサ層ウェブ124、例えばスペーサ層エッジ126の適合位置は、少なくとも1つのスペーサ層センサ164、例えば赤外線センサを使用して検出されることができる。スペーサ層エッジ126の位置に関する情報は、ここでも制御装置138に提供されてもよい。続いて、第1の層ウェブ114とスペーサ層ウェブ124の双方が第1の積層ステーション116に供給されてもよい。例として、第1の積層ステーション116に供給されるとき、スペーサ層ウェブ124は、例として、第1の層ウェブ114に積層された側に対向する側に取り付けられた保護ライナを依然として有してもよい。次いで、カメラなどの少なくとも1つのオフセットセンサ158が使用されて、第1の層ウェブ114とスペーサ層ウェブ124との間のオフセットを検出することができる。追加的または代替的に、オフセットは、レーザセンサを使用することによって検出されてもよく、レーザセンサは、レーザが第1の積層ステーション116において生成された積層ウェブの移動および/または搬送方向を横切るおよび/または垂直な方向を向くように配置されてもよい。また、オフセットに関する情報は、制御装置138に提供されてもよい。
【0194】
このようにして生成された積層ウェブ166は、その後、さらなる真空テーブル218上を通過することができ、積層ウェブ166の位置は、第2の積層ステーション128に供給される前に、少なくとも1つの積層センサ165を使用することによって制御されることができる。第2の積層ステーション128に供給される前の第2の層ウェブ130、特に第2の層ウェブ130の第2の層エッジ136の位置は、スペーサ層ウェブ124の位置と同様に制御されることができる。したがって、積層ウェブ166の位置は、マスタ位置として使用されることができ、第2の層ウェブ130の位置は、スレーブ位置として、積層ウェブ166のマスタ位置に応じて適合されることができる。特に、制御装置138は、第2の層ウェブ130が第1の層ウェブ114と位置合わせされることができるように、具体的には第2の層エッジ136が第1の層エッジ122と位置合わせされることができるように、第2の層ウェブ130の位置を適合させるために、例えば傾斜によってローラ160を制御するように構成されることができる。次いで、少なくとも1つの第2の層センサ168、例えば赤外線センサを使用することによって、第2の層ウェブ130、例えば第2の層エッジ136の適合位置が検出されることができる。次に、検出された第2の層エッジ136の位置に関する情報が、再び制御装置138に提供されてもよい。
【0195】
第2の積層ステーション128を通過した後、第2の層エッジ136と第1の層エッジ122との位置合わせを検出する位置合わせセンサ154は、第2の層エッジ136の位置を制御するために使用されてもよい。次いで、分析試験ストリップウェブ144は、貯蔵装置142に貯蔵される準備ができることができる。
【符号の説明】
【0196】
110 製造システム
112 供給装置
114 第1の層ウェブ
116 第1の積層ステーション
118 第1の層ウェブの第1の面
120 第1の電極層
122 第1の層エッジ
124 スペーサ層ウェブ
126 スペーサ層エッジ
128 第2の積層ステーション
130 第2の層ウェブ
132 第2の層ウェブの第1の面
134 第2の電極層
136 第2の層エッジ
138 制御装置
140 供給リール
142 貯蔵装置
144 分析試験ストリップウェブ
145 スプライシングステーション
146 分析試験ストリップ
148 ステップi.
150 ステップii.
152 ステップiii.
154 位置合わせセンサ
156 ローラ
158 オフセットセンサ
160 ローラ
162 第1の層センサ
164 スペーサ層センサ
165 積層センサ
166 積層ウェブ
168 第2の層センサ
170 連続した未処理の第1の層ウェブを切断ステーションに提供するサブステップ
172 切断ステーション
174 第1の切断ステーション
176 第2の切断ステーション
178 スペーサ層切断ステーション
180 切断ブレード
182 ローラ
184 連続分析試験ストリップウェブを生成するサブステップ
186 印刷ステーション
187 障害検出ステーションを使用するサブステップ
188 障害検出ステーション
190 レーザ
192 障害とマーキングされたウェブ部分を配置するサブステップ
194 静電放電ステーション
196 ライナ残留物ロール
198 第1の層
200 第1の電極
202 スペーサ層
204 第2の層
206 第2の電極
208 金属層
210 検出層
212 酵素
214 試料塗布ゾーン
216 ドローローラ
218 真空テーブル
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6