(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】LED光ユニット
(51)【国際特許分類】
F21K 9/232 20160101AFI20231110BHJP
F21S 4/22 20160101ALI20231110BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231110BHJP
F21Y 107/30 20160101ALN20231110BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231110BHJP
【FI】
F21K9/232 100
F21S4/22
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21Y107:30
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023524988
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(86)【国際出願番号】 EP2021081003
(87)【国際公開番号】W WO2022101152
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-04-24
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2778503(EP,A2)
【文献】米国特許第10767816(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/232
F21S 4/22
F21V 19/00
F21Y 107/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光を提供するためのLED光ユニットであって、
第1の長手方向軸線を有するフレキシブルプリント回路基板(PCB)と、
第2の長手方向軸線をそれぞれ有する複数の細長い光源であって、前記複数の細長い光源の前記第2の長手方向軸線がいずれも前記フレキシブルPCBの前記第1の長手方向軸線に平行でないように、前記フレキシブルPCB上に配置された、複数の細長い光源と、
支持体と、を備え、
前記フレキシブルPCBが、前記細長い光源がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、前記第1の長手方向軸線に沿って曲げられ、
前記フレキシブルPCBが、その後に前記支持体に少なくとも部分的に取り付けられ、
前記支持体が、正反射凹面を有する、
LED光ユニット。
【請求項2】
前記フレキシブルPCB上に配置された前記細長い光源が、互いに平行である、請求項1に記載のLED光ユニット。
【請求項3】
前記円弧がそれぞれ、前記支持体の平面に実質的に垂直な平面にある、請求項1又は2に記載のLED光ユニット。
【請求項4】
前記実質的な円弧によって画定された扇形の中心角が、少なくとも180度である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のLED光ユニット。
【請求項5】
前記実質的な円弧によって画定された扇形の前記中心角が、200~360度である、請求項4に記載のLED光ユニット。
【請求項6】
前記細長い光源の前記第2の長手方向軸線のそれぞれと前記フレキシブルPCBの前記第1の長手方向軸線との間の角度が、5~85度である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLED光ユニット。
【請求項7】
前記細長い光源がそれぞれ、LED光を提供する複数の発光ダイオード(LED)を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のLED光ユニット。
【請求項8】
前記細長い光源の少なくとも1つが、LED光を変換光に少なくとも部分的に変換するように構成されたルミネッセント材料及び/又はLED光を散乱させるように構成された光散乱材料を含む、封止材を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のLED光ユニット。
【請求項9】
前記細長い光源が、互いに距離を置いて配置され、間隔領域が、各2つの細長い光源の間で前記フレキシブルPCBに形成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のLED光ユニット。
【請求項10】
隣り合う各2つの細長い光源の間の前記距離が一定である、請求項9に記載のLED光ユニット。
【請求項11】
前記間隔領域が、少なくとも半透明である、請求項9又は10に記載のLED光ユニット。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のLED光ユニットを備える、照明デバイス。
【請求項13】
LED光を提供するためのLED光ユニットを製造する方法であって、
a)第1の長手方向軸線を有するフレキシブルプリント回路基板(PCB)を用意するステップと、
b)第2の長手方向軸線をそれぞれ有する複数の細長い光源を用意するステップと、
c)前記複数の細長い光源の前記第2の長手方向軸線がいずれも前記フレキシブルPCBの前記第1の長手方向軸線に平行でないように、前記複数の細長い光源を前記フレキシブルPCB上に配置するステップと、
d)正反射凹面を有する支持体を用意するステップと、
e)前記細長い光源がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、前記第1の長手方向軸線に沿って前記フレキシブルPCBを曲げるステップと、
f)前記フレキシブルPCBを前記支持体に少なくとも部分的に取り付けるステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光を提供するためのLED光ユニットであって、フレキシブルプリント回路基板(PCB)と、複数の細長い光源と、支持体とを備えるLED光ユニットに関する。本発明は更に、そのようなLED光ユニットを備える照明デバイスと、そのようなLED光ユニットを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
照明目的のための発光ダイオード(LED)の使用が、注目を集め続けている。白熱ランプ、蛍光ランプ、ネオン管ランプなどと比較して、LEDは、より長い動作寿命、電力消費の低減、及び、光エネルギーと熱エネルギーとの比率に関する効率の向上などの、数多くの利点をもたらす。この理由のために、白熱ランプは、LEDベースの照明ソリューションによって、急速に置き換えられつつある。しかし、白熱電球に似ているLEDベースの光源を有することが、ユーザによって評価され、望まれている。この目的のために、ガラスに基づいて白熱ランプを製造するためのインフラストラクチャを利用して、フィラメントをLEDに置き換えることができる。構想のうちの1つは、そのような電球内に配置される、LEDフィラメントに基づく。これらのランプの外観は、装飾性に優れて見えるため、高く評価されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、改善された美的外観を有する一方で、LED光ユニットのコストを低減し、組み立てを改善するLED光ユニットを得ることが望まれる。更に、照明器具に適したLED光ユニットを提供することが望ましい。
【0004】
欧州特許第2778503号では、基材と、基材に沿って離間して光を生成するように構成された2つ以上のLEDとを備える少なくとも1つのLEDアセンブリを含む発光ダイオード(LED)照明デバイスが開示されている。硬化構造コーティングが、LEDアセンブリの少なくとも一部の上に配置され、硬化構造コーティングは、LEDアセンブリを所定の形状に維持するように構成される。LEDアセンブリの基材は、細長い及び/又はフレキシブルな基材を備えてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の検討をふまえて、本発明の目的は、照明器具に特に適しており、改善された外観及び組立性並びに低い製造コストをもたらすLED光ユニットを提供することである。
【0006】
よって、本発明は、LED光を提供するためのLED光ユニットであって、
第1の長手方向軸線を有するフレキシブルプリント回路基板(PCB)と、
第2の長手方向軸線をそれぞれ有する複数の細長い光源であって、複数の細長い光源の第2の長手方向軸線がいずれもフレキシブルPCBの第1の長手方向軸線に平行でないように、フレキシブルPCB上に配置された、複数の細長い光源と、
支持体と、を備え、
フレキシブルPCBが、細長い光源がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線に沿って曲げられ、フレキシブルPCBが、その後に支持体に少なくとも部分的に取り付けられる、LED光ユニットを提供する。
【0007】
本発明のLED光ユニットの利点は、曲げる、折る、捩じるなどして螺旋形状にされる連続した1つのLEDフィラメントではなく、比較的短い別々の細長い光源を使用して、簡単な構造によって螺旋様の外観が実現されることである。本発明のLED光ユニットの別の利点は、螺旋様の外観が、真の螺旋よりも少ない空間しか必要としないコンパクトな構造によって実現されることであり、このことは、本発明のLED光ユニットを、美的外観を損なうことなく、照明器具などの平坦な照明デバイスに使用するのに特に適したものにする。
【0008】
本発明の文脈で使用される「LED」という用語は、無機LED、有機LED、ポリマー/ポリマー(polymer/polymeric)LED、紫色LED、青色LED、光励起蛍光体被覆LED、光励起ナノ結晶LEDなど、当技術分野で知られている任意のタイプのLEDを意味する。本明細書で使用される「LED」という用語は、LEDパッケージと称され得る、ハウジング内に配置されたベアLEDダイを包含し得る。
【0009】
「フレキシブル」という用語は、PCBが、曲げる、折る、捩じる、又はこれらの任意の組み合わせによって異なる形状にされ得ることを意味する。更に、「フレキシブル」という用語は、PCBの形状が柔軟性又は適合性であり得ることを意味する。
【0010】
好ましくは、PCBは実質的に長方形の形状を有する。更に、本発明のPCBは、実質的に楕円形、三角形又は任意の他の好適な形状であってもよい。第1の長手方向軸線は、PCBの長手方向延長に平行に、好ましくはPCBの中央部分を通って延びる。
【0011】
フレキシブルPCBは、プラスチックなどの任意の好適な材料で作られてもよい。その上、フレキシブルPCBは、透光性材料で作られてもよい。
【0012】
「細長い光源」という用語は、長手方向延長が幅よりも大きいような、長手方向延長及び幅を有する光源を意味する。細長い光源は、同じ形状を有してもよく、又は異なる形状であってもよい。細長い光源は、実質的に長方形、楕円形、三角形などであってもよい。細長い光源のそれぞれの第2の長手方向軸線は、細長い光源の長手方向延長に平行に、好ましくは細長い光源の中央部分を通って延びる。複数の細長い光源は、機械的かつ電気的に接続されてもよい。電気的な接続は、並列及び/又は直列であってもよい。
【0013】
細長い光源はそれぞれ、LEDフィラメント及び複数のLEDを備えてもよい。LEDフィラメントは、複数のLEDを支持するように配置されてもよい。LEDフィラメントは、好ましくは、フレキシブルな材料、例えばポリアミドなどのポリマーから形成される。その上、LEDフィラメントは、複数のLEDを電気的に接続するための電極を備えてもよい。
【0014】
本発明によるLED光ユニットは、少なくとも3つの細長い光源、好ましくは少なくとも4つの細長い光源、より好ましくは少なくとも5つの細長い光源を備えてもよい。
【0015】
細長い光源のそれぞれの複数のLEDは、少なくとも10個のLED、好ましくは少なくとも15個のLED、より好ましくは少なくとも20個のLEDを備えてもよい。
【0016】
本発明の細長い光源の少なくとも1つは、封止材を備えてもよい。特に、細長い光源の少なくとも1つの複数のLEDは、ルミネッセント材料及び/又は光散乱材料を含む封止材によって封止されてもよい。用語「封止材」によって、ここでは、細長い光源の少なくとも1つの複数のLEDを少なくとも部分的に包囲し、封止し、及び/又は囲むように構成又は配置される材料、要素、構成、又は同様のものが意味される。したがって、そのような実施形態は、LEDに追加の保護をもたらし、LED光ユニットが使用される照明器具又は照明デバイスの寿命を延ばす点で有利である。
【0017】
封止材のルミネッセント材料は、LEDから生じる直接LED光を変換光に少なくとも部分的に変換してもよい。変換光及び/又は直接LED光は、LED光として理解されてもよい。
【0018】
封止材は、光入力の少なくとも一部を選択波長範囲を有する光に変換するように構成された波長変換材料を含んでもよい。封止材は、好ましくは、複数のLEDの少なくとも90%を覆ってもよい。
【0019】
上述されたように、複数の細長い光源は、複数の細長い光源の第2の長手方向軸線がいずれもフレキシブルPCBの第1の長手方向軸線に平行でないように、フレキシブルPCB上に配置される。特に、細長い光源の第2の長手方向軸線のそれぞれとフレキシブルPCBの第1の長手方向軸線との間の角度は、5度~85度であってもよい。
【0020】
本発明によるLED光ユニットは、フレキシブルPCBを少なくとも部分的に支持するための支持体を備える。上述されたように、フレキシブルPCBは、細長い光源がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線に沿って曲げられ、その後に支持体に少なくとも部分的に取り付けられる。曲げられたフレキシブルPCBの支持体への取り付けは、接着、溶着、ねじ、リベットなどの、当業者に知られている任意の好適な方法によって行われてもよい。
【0021】
支持体は、フレキシブルPCBが少なくとも部分的に取り付けられる少なくとも1つの平坦面を有してもよい。
【0022】
「円弧」という用語は、例えば、扇形又は弓形として理解されてもよい。円弧は、一定の半径を有してもよい。円弧によって画定された扇形の中心角は、少なくとも180度であってもよい。円弧によって画定された扇形の中心角は、200~360度、好ましくは200~340度であってもよい。
【0023】
フレキシブルPCBが曲げられて支持体に取り付けられると、複数の細長い光源のそれぞれの第2の長手方向軸線は、細長い光源を支持体の平面に投影することによって形成されることに留意されたい。
【0024】
よって、本発明によれば、細長い光源がそれぞれ円弧として配置されるので、LED光ユニットは、螺旋形状を有するLEDフィラメントを備えるものとして知覚される。一方、本発明のLED光ユニットの組み立ては、真の螺旋を設けるのと比較して、著しく簡素化され、コストが低減される。また、本発明のLED光ユニットの構造は、非常にコンパクトである。
【0025】
各円弧は、支持体の平面に実質的に垂直であってもよい。しかし、各円弧は、支持体の平面に対してある角度で配置されてもよく、その角度は1~45度であってもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、照明デバイスにLED光ユニットを配置するために必要な空間が更に減少する。
【0026】
本発明によれば、フレキシブルPCB上に配置された複数の細長い光源の少なくとも一部は、互いに平行であってもよい。好ましくは、細長い光源は全て、互いに平行である。そのような配置は、LED光ユニットの螺旋様の外観を更に増強させる。
【0027】
複数の細長い光源のうちの隣り合う少なくとも2つの光源は、間隔領域が隣り合う2つの細長い光源の間でフレキシブルPCBに形成されるように、互いに距離を置いて配置されてもよい。好ましくは、複数の光源のうちの隣り合う各2つの光源は、互いに距離を置いて配置され、よって複数の間隔領域を形成する。隣り合う各2つの細長い光源の間の距離は一定であってもよく、0.3~10cm、好ましくは0.5~5cm、より好ましくは1~2cmであってもよい。
【0028】
各2つの細長い光源の間でフレキシブルPCBに形成された間隔領域は、少なくとも半透明であってもよい。「半透明」という用語は、本発明の文脈では、間隔領域の表面に向けられた光の全てが間隔領域を透過する訳ではないなど、「不完全に透明」又は「ある程度透明」を意味する。その上、間隔領域は、半透明であってもよく、よって光の通過を可能にする。本発明の文脈における「半透明」という用語は、向こう側の物体がはっきりと見えないように光を透過及び拡散させることができる材料を含む。更に、隣り合う各2つの細長い光源の間に形成された間隔領域は透明であってもよく、それにより、全ての光が、感知できるほどの散乱を伴わずに透過され、その結果、向こう側にある物体がはっきりと見られる。好ましくは、間隔領域は、透明であり、それにより、螺旋状のLEDフィラメントを備えるようなLED光ユニットの知覚が強化される。
【0029】
間隔領域の透明性は、透明プラスチック材料などの好適な材料を使用することによって実現されてもよい。代替的に、間隔領域の透明性は、間隔領域のPCB材料を除去することにより、すなわち、隣り合う各2つの光源の間に切り欠きを形成することにより、実現されてもよい。
【0030】
好ましくは、間隔領域は、フレキシブルPCBの材料と比較して高い透光度を可能にする。
【0031】
本発明によれば、支持体は正反射面を有してもよい。正反射面は、フレキシブルPCBが取り付けられる支持体の全面を覆ってもよい。そのような正反射面を設けることにより、上で開示されたように円弧状である細長い光源がそれぞれ、反射面によって映し出され、よって閉ループを形成する。よって、そのような反射面を有するLED光ユニットは、強調された螺旋状の外観を有する。
【0032】
LED光ユニットの螺旋状の外観を更に改善するために、支持体の正反射面は凹面であってもよい。
【0033】
本発明によれば、上述されたようなLED光ユニットを備える照明デバイスが提供される。そのような照明デバイスは、好ましくは、複数の細長い光源が光出射窓を通して見えるように配置された光出射窓を備えるハウジングを備える。光出射窓は、支持体の表面に平行であるように配置されてもよい。支持体は、ハウジングの一体部分であってもよい。そのような配置により、ユーザは、LED光ユニットが連続的な螺旋状のLEDフィラメントではなく複数の細長い光源を備えるという事実にもかかわらず、照明デバイスが実質的に螺旋状のLEDフィラメントを備えるように知覚する。よって、本発明のLED光ユニットは、簡単な構造を有し、よって製造コストが低い、螺旋様のLEDフィラメントを提供する。
【0034】
好ましくは、本発明による照明デバイスは、長方形又は正方形の断面を有するハウジングを有する屋内用又は屋外用のフラット照明器具である。
【0035】
本発明によれば、LED光を提供するためのLED光ユニットを製造する方法であって、
a)第1の長手方向軸線を有するフレキシブルプリント回路基板(PCB)を用意するステップと、
b)第2の長手方向軸線をそれぞれ有する複数の細長い光源を用意するステップと、
c)複数の細長い光源の第2の長手方向軸線がいずれもフレキシブルPCBの第1の長手方向軸線に平行でないように、複数の細長い光源をフレキシブルPCB上に配置するステップと、
d)支持体を用意するステップと、
e)細長い光源がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線に沿ってフレキシブルPCBを曲げるステップと、
f)フレキシブルPCBを支持体に少なくとも部分的に取り付けるステップと、を含む方法が説明される。
【0036】
既に上述されたように、本発明の方法は、螺旋様の外観を有するLED光ユニットを提供する一方で、LED光ユニットの組み立てが簡素化され、製造コストが低減される。実際に、本発明の方法は、折る、曲げる、捩じるなどによって螺旋形状にされる必要がある連続的なLEDフィラメントを用意する必要性を無くす。その上、本発明の方法は、螺旋に似ているが、同時に、真の螺旋と比較して少ない空間しか必要としないコンパクトな構造を有するLED光ユニットを提供し、このことは、本発明の方法を、フラット照明器具などの平坦な照明デバイスのためのLED光ユニットを製造するときに特に適したものにする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
次に、本発明の実施形態が、添付図面を参照して例として説明される。
【
図1】本発明の例示的な実施形態によるLED光ユニットの斜視図である。
【
図2a】本発明の様々な例示的な実施形態によるLED光ユニットの側面図である。
【
図2b】本発明の様々な例示的な実施形態によるLED光ユニットの側面図である。
【
図3a】更なる実施形態によるLED光ユニットの概略図である。
【
図3b】更なる実施形態によるLED光ユニットの概略図である。
【
図3c】更なる実施形態によるLED光ユニットの概略図である。
【
図4a】本発明によるLEDフィラメントの製造プロセスの概略図である。
【
図4b】本発明によるLEDフィラメントの製造プロセスの概略図である。
【
図4c】本発明によるLEDフィラメントの製造プロセスの概略図である。
【0038】
全ての図は、概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、全般的に、本発明の実施形態を明確化するために必要な部分のみを示しており、他の部分は、省略されるか又は単に示唆される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明の例示的実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明が以降で説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の、本発明の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本発明のこれらの実施形態は、本開示が、本発明の範囲を当業者に伝えるように、例として提供されている。図面では、別段の指定のない限り、同一の参照数字は、同じ又は同様の機能を有する、同じ又は同様の構成要素を示す。
【0040】
図1は、本発明によるLED光ユニット1を示す。LED光ユニット1は、第1の長手方向軸線LA1を有するフレキシブルプリント回路基板(PCB)2と、第2の長手方向軸線LA2をそれぞれ有する複数の細長い光源3とを備える。複数の細長い光源3は、複数の細長い光源3の第2の長手方向軸線LA2がいずれもフレキシブルPCB2の第1の長手方向軸線LA1に平行でないように、フレキシブルPCB2上に配置される。LED光ユニット1は、支持体4を更に備え、フレキシブルPCB2は、細長い光源3がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線LA1に沿って曲げられ、フレキシブルPCB2は、その後に支持体4に取り付けられる。
【0041】
上述されたように、
図1に示されるLED光ユニット1の利点は、曲げる、折る、捩じるなどして螺旋形状にされる連続した1つのLEDフィラメントではなく、比較的短い別々の細長い光源3を使用して、簡単な構造によって螺旋様の外観が実現されることである。本発明のLED光ユニット1の別の利点は、螺旋様の外観が、真の螺旋よりも少ない空間しか必要としないコンパクトな構造によって実現されることであり、このことは、本発明のLED光ユニット1を、美的外観を損なうことなく、照明器具などの平坦な照明デバイスに使用するのに特に適したものにする。
【0042】
PCB2は、実質的に長方形の形状を有する。第1の長手方向軸線LA1は、PCB2の中央部分を通ってPCB2の長手方向延長に平行に延びる。
【0043】
LED光ユニット1は、6つの細長い光源3を備える。細長い光源3はそれぞれ、LEDフィラメント7と、LEDフィラメント7によって支持された複数のLED6とを備える。
図1に示される細長い光源3はそれぞれ、封止材5を更に備える。
【0044】
図1から明らかなように、LED光ユニット1は、螺旋の形状に似ている。
【0045】
図1に見られるように、複数の細長い光源3は、それらが互いに平行であるようにフレキシブルPCB2上に配置される。各円弧は、支持体4の平面に垂直である。
【0046】
隣り合う各2つの光源3は、複数の間隔領域AがフレキシブルPCB2に形成されるように、互いに距離D1を置いて配置される。隣り合う各2つの細長い光源3の間の距離D1は一定である。そのような配置は、LED光ユニットの螺旋様の外観を更に増強させる。
【0047】
図1に示されるように、各2つの細長い光源3の間でフレキシブルPCB2に形成された間隔領域Aは、透明であり、間隔領域のPCB材料を除去することにより、すなわち、隣り合う各2つの光源3の間に切り欠きを形成することにより、形成される。PCB材料は、細長い光源3によって形成された円弧内に依然として存在することに留意されたい。
【0048】
よって、間隔領域Aは、フレキシブルPCB2の材料と比較して高い透光度を可能にする。
【0049】
図1に示されるように、支持体4は、正反射面8を有する。
図1に示される実施形態では、正反射面8は、フレキシブルPCB2の取り付け部分の間に配置された支持体表面の部分に設けられる。そのような正反射面8を設けることにより、上で開示されたように円弧状である細長い光源3がそれぞれ、反射面8によって映し出され、よって閉ループ9を形成する。よって、そのような正反射面8を有するLED光ユニット1は、強調された螺旋状の外観を有する。LED光ユニット1の螺旋状の外観を更に改善するために、支持体の正反射面8は凹面である。
【0050】
よって、本発明によれば、細長い光源3がそれぞれ円弧として配置されるので、LED光ユニット1は、螺旋形状を有するLEDフィラメントを備えるものとして知覚される。一方、本発明のLED光ユニット1の組み立ては、真の螺旋を設けるのと比較して、著しく簡素化され、コストが低減される。
【0051】
図2a及び
図2bは、本発明によるLED光ユニット11、21の2つの異なる実施形態の断面の概略図である。
図2aは、第1の長手方向軸線LA1を有するフレキシブルPCB12と、第2の長手方向軸線LA2を有する複数の細長い光源13の1つとを備えるLED光ユニット11を示す。LED光ユニット11は、支持体14を更に備え、フレキシブルPCB12は、細長い光源13が実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線LA1に沿って曲げられ、フレキシブルPCB12は、その後に支持体14に取り付けられる。
図2aに見られるように、円弧によって画定された扇形の中心角αは、180°(πラジアン)である。
【0052】
図2bは、第1の長手方向軸線LA1を有するフレキシブルPCB22と、第2の長手方向軸線LA2を有する複数の細長い光源23の1つとを備えるLED光ユニット21の別の実施形態を示す。LED光ユニット21は、支持体24を更に備え、フレキシブルPCB22は、細長い光源23が実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線LA1に沿って曲げられ、フレキシブルPCB22は、その後に支持体24に取り付けられる。
図2bに見られるように、円弧によって画定された扇形の中心角αは、約280°(1.6πラジアン)である。
【0053】
図3a及び
図3bには、LED光ユニットの別の実施形態の断面図及び上面図がそれぞれ示されている。LED光ユニット31は、第1の長手方向軸線LA1を有するフレキシブルPCB32と、第2の長手方向軸線LA2を有する複数の細長い光源33の1つとを備える。LED光ユニット31は、支持体34を更に備え、フレキシブルPCB32は、細長い光源33が実質的に円弧状に配置されるように、第1の長手方向軸線LA1に沿って曲げられ、フレキシブルPCB32は、その後に支持体34に取り付けられる。支持体34は、フレキシブルPCB32が取り付けられる正反射面38を更に有する。そのような正反射面38を設けることにより、上で開示されたように円弧状である細長い光源33がそれぞれ、反射面38によって映し出され、よって、
図3bに示されるように閉ループ39を形成する。よって、そのような反射面38を有するLED光ユニット31は、強調された螺旋状の外観を有する。
【0054】
図3cは、支持体44の正反射面48が凹面である、LED光ユニット41のまた別の実施形態を示す。よって、LED光ユニット41の螺旋状の外観は、更に改善される。
【0055】
図4a~
図4cは、本発明によるLED光を提供するためのLED光ユニット51を製造する方法を示す。
図4aは、第1の長手方向軸線LA1を有するフレキシブルPCB52を用意するステップa)と、第2の長手方向軸線LA2をそれぞれ有する複数の細長い光源53を用意するステップb)と、複数の細長い光源53の第2の長手方向軸線LA2がいずれもフレキシブルPCB52の第1の長手方向軸線LA1に平行でないように、複数の細長い光源53をフレキシブルPCB52上に配置するステップc)とを示す。
図4aに示される特定の実施形態では、細長い光源53の第2の長手方向軸線LA2のそれぞれとフレキシブルPCB52の第1の長手方向軸線LA1との間の角度βは、約70°である。
図4aに見られるように、複数の細長い光源53は、それらが互いに平行であるようにフレキシブルPCB52上に配置される。
【0056】
隣り合う各2つの光源53は、複数の間隔領域AがフレキシブルPCB52に形成されるように、互いに距離D1を置いて配置される。隣り合う各2つの細長い光源53の間の距離D1は一定である。そのような配置は、LED光ユニット51の螺旋様の外観を更に増強させる。
【0057】
図4bに示されるように、各2つの細長い光源53の間でフレキシブルPCB52に形成された間隔領域Aは、間隔領域のPCB材料を除去することにより、すなわち、隣り合う各2つの光源53の間に切り欠きを形成することにより、透明にされる。
【0058】
最後に、
図4cは、支持体54を用意するステップd)と、細長い光源53がそれぞれ実質的に円弧状に配置されるように、フレキシブルPCB52をその長手方向軸線LA1に沿って曲げるステップe)と、フレキシブルPCB52を支持体54に少なくとも部分的に取り付けるステップf)とを示す。
図4cに見られるように、各円弧53は、支持体54の平面に垂直である。
【0059】
本発明が様々な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく変更が行われ得ることを認識するであろう。詳細な説明が例示的なものとみなされること、また添付の特許請求の範囲が、全ての均等物を含めて、本発明の範囲を定義することが意図される。本発明は、添付図面及び上記の説明において例示されているが、そのような例示は、図解的又は例示的なものであり、制限的ではないとみなされるべきであり、本発明は、開示される実施形態に限定されるものではない。図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。添付の請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。