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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】基板断裁装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20231113BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20231113BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20231113BHJP
   B26D 1/04 20060101ALN20231113BHJP
   B26F 1/38 20060101ALN20231113BHJP
【FI】
B26D7/18 E
B26D7/18 G
B26D7/02 A
B26D7/02 D
H05K3/00 J
H05K3/00 L
H05K3/00 X
B26D1/04 Z
B26F1/38 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019123470
(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2021008010
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】廣内 康充
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正浩
(72)【発明者】
【氏名】秋山 直之
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102903679(CN,A)
【文献】特開2006-237076(JP,A)
【文献】特開2002-236276(JP,A)
【文献】特開2011-191755(JP,A)
【文献】特開平11-330007(JP,A)
【文献】特開2013-219200(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0163907(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B26D 7/02
H05K 3/00
B26D 1/04
B26F 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をステージに固定し、前記基板を複数の個片製品と複数の端材部とに断裁し、
断裁終了後に前記固定を解除し、前記複数の個片製品を取り出す基板断裁装置であって、前記ステージは、平面視で前記端材部と重なる領域の一部が傾斜面部を有し、
前記固定の解除後に、前記端材部を、前記傾斜面部に沿って自然落下させる機能を有し、自然落下する前記端材部を収容する端材収容ユニットを備え、
前記固定及び前記固定の解除は、前記基板の前記個片製品となる領域、及び、前記基板の前記端材部となる領域の両方において行われる、
ことを特徴とする基板断裁装置。
【請求項2】
前記固定は、前記基板と前記ステージとが構成する空間の減圧による吸着により、
前記固定の解除は、前記空間が大気圧に戻ることによる、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板断裁装置。
【請求項3】
前記固定及び固定の解除は、前記基板の前記個片製品となる領域と、前記基板の前記端材部となる領域とで、個別に行うことができる、
ことを特徴とする請求項2に記載の基板断裁装置。
【請求項4】
前記基板の前記端材部となる領域を固定、及び固定を解除するために、前記端材部となる領域へ着脱することができるクランプを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板断裁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個片化してプリント配線板等として使用される基板の断裁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板などの製品は、製造時には複数の製品を面付け配置した製造用基板を断裁加工し個片化して製品化がなされる。製造用基板の四辺の端部は製品とならない端材部となる。このように製造用基板から製品となる個片の基板に断裁する装置として基板断裁装置が使われている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
図7は、従来の一般的な基板断裁装置のステージ部分を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。従来の基板断裁装置のステージ50では、製造用基板(不図示)の断裁時に、該製造用基板は、ずれないようにステージ50上に固定される。この固定方法としては、真空系を利用した吸着方式が一般的である。断裁が終了した後には、吸着用の空間(吸着路)は真空破壊され大気圧に戻される。
【0004】
前記のために、基板断裁装置のステージ50は、製造用基板の個片製品となる部分を吸着するための吸着孔53p、端材部となる部分を吸着するための吸着孔53t、及び断裁のためのブレード溝52を備えている。符号54vは個片製品部と端材部を同時に吸着または真空破壊するための、吸着孔53p及び吸着孔53tを連結する吸着路を示している。
【0005】
図8は、従来の基板断裁装置のステージ50上に製造用基板51を吸着した形態を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。符号54v’は、吸着路54vが減圧状態で吸着時であることを意味している。
【0006】
図9は従来の基板断裁装置で製造用基板を断裁する様態を例示する、模式平面図である。ここで、符号51aは、断裁中の製造用基板を意味する。このように、製造用基板は、ブレードユニット61により、個片製品と端材部に断裁される。符号62bは、製造用基板の断裁された箇所を意味する。図10は、従来の基板断裁装置で断裁工程が終了した様態を例示する模式平面図である。符号51bは断裁後の製造用基板を意味している。
【0007】
図11は、従来の基板断裁装置で個片製品51pを取り出す工程を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。断裁終了後は、吸着路54vは真空破壊され大気圧に戻されて吸着は解除され、断裁後の製造用基板51bから個片製品51pを、アームを備えるピックアップロボット58pにより取り出し、収容トレイ59pに収容する。符号51p’はピックアップ中の個片製品を意味している。
【0008】
図12は、従来の基板断裁装置で端材部51tを取り出す工程を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。このように、個片製品を取り出した後の製造用基板51cから端材部51tを、アームを備えるピックアップロボット58tにより取り出し、収容トレイ59tに収容する。符号51t’はピックアップ中の端材部を意味している。
【0009】
端材部51tは、次に加工する製造用基板を載置する前にステージ50上から排除する必要がある。端材部51tを排除する方法として、断裁後に端材部51tを先に排除すると、端材部51tを取り除く際に個片製品に接触して個片製品のステージ50上の位置や向きが変わってしまい、その後のピックアップロボット58pでの搬送が困難となる。このため、個片製品のピックアップ作業を終えてから端材部51tを取り除く方が個片製品のピックアップを失敗なく進めることができる。
【0010】
しかしながら、上記の手順では、個片製品のピックアップに要する時間が長いため、端材部51tの除去は、ピックアップ作業が終わるまで待機する必要があり、特に人手で端材部51tを取り除こうとすると作業時間に比べて待ち時間がながくなり、作業効率が著しく悪いものであった。
【0011】
また、不要物である端材部51tを取り除く作業専用の機構を断裁装置に設けるのは装置構成が複雑化する場合は、個片製品のピックアップするピックアップロボット58pで端材部51tを取り除く作業も行っていた。いずれにしても、製品ではない端材部51tの排除は効率の悪い作業となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2011-258899号公報
【文献】国際公開第2016/125730号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、製造用基板の断裁後に、端材部を短時間でステージ上からステージの外側に排除できる基板断裁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、基板をステージに固定し、前記基板を複数の個片製品と複数の端材部とに断裁し、
断裁終了後に前記固定を解除し、前記複数の個片製品を取り出す基板断裁装置であって、前記ステージは、平面視で前記端材部と重なる領域の一部が傾斜面部を有し、
前記固定の解除後に、前記端材部を、前記傾斜面部に沿って自然落下させる機能を有し、自然落下する前記端材部を収容する端材収容ユニットを備え、
前記固定及び前記固定の解除は、前記基板の前記個片製品となる領域、及び、前記基板の前記端材部となる領域の両方において行われる、ことを特徴とする基板断裁装置としたものである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記固定は、前記基板と前記ステージとが構成する空間の減圧による吸着により、
前記固定の解除は、前記空間が大気圧に戻ることによる、ことを特徴とする請求項1に記載の基板断裁装置としたものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記固定及び固定の解除は、前記基板の前記個片製品となる領域と、前記基板の前記端材部となる領域とで、個別に行うことができる、ことを特徴とする請求項2に記載の基板断裁装置としたものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記基板の前記端材部となる領域を固定、及び固定を解除するために、前記端材部となる領域へ着脱することができるクランプを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の基板断裁装置としたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造用基板の断裁後に、端材部をステージ上からステージの外側に排除可能とする基板断裁装置を提供することができる。端材部の排出は、基板を固定するための吸着機構を真空破壊するだけでできるため、特別の払い出し機構を設ける必要がなく、装置仕様の簡素化ができるという効果がある。また、払い出しに要する時間が短いため、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態の基板断裁装置の構成を示す、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。
図2】本発明の第1実施形態の基板断裁装置の変形例の構成を示す、模式断面図である。
図3】本発明の第2実施形態の基板断裁装置の構成を示す、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。
図4】本発明の第1実施形態の基板断裁装置を用いて、基板を断裁し、端材部及び個片製品を取り出すプロセスを工程順に示す、模式断面図である。
図5】本発明の第2実施形態の基板断裁装置を用いて、基板を断裁し、個片製品及び端材部を取り出すプロセスを工程順に示す、模式断面図である。
図6】本発明の第1実施形態の基板断裁装置を用いて個片製品及び端材部を取り出すために、基板を断裁する箇所を例示する、模式平面図である。
図7】従来の基板断裁装置のステージ部分を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。
図8】従来の基板断裁装置のステージ上に基板を吸着した形態を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。
図9】従来の基板断裁装置で基板を断裁する様態を例示する、模式平面図である。
図10】従来の基板断裁装置で断裁工程が終了した様態を例示する、模式平面図である。
図11】従来の基板断裁装置で個片製品を取り出す工程を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。
図12】従来の基板断裁装置で端材部を取り出す工程を例示する、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る基板断裁装置について図面を用いて説明する。同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一または類似の符号を付ける。各図面において、見易さのため構成要素の厚さや比率は誇張されていることがあり、構成要素の数も減らして図示していることがある。また、本発明は以下の実施形態そのままに限定されるものではなく、主旨を逸脱しない限りにおいて、適宜の組み合わせ、変形によって具体化できる。
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態の基板断裁装置の構成を示す、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。第1実施形態の基板断裁装置100は、ステージ10と端材収容ユニット16からなる。ステージ10には従来の基板断裁装置と同様に、製造用基板の個片製品となる部分を吸着するための吸着孔13p、端材部となる部分を吸着するための吸着孔13t、及び断裁のためのブレード溝12を備えている。断面図の符号14vは個片製品部と端材部を同時に吸着または真空破壊するための、吸着孔13p及び吸着孔13tと連結する吸着路を示している。
【0022】
前記に加えて、第1実施形態の基板断裁装置100は、ステージ10の外周部に傾斜面部10sを有しており、傾斜面部10sは図4で後述するように、平面視でその一部が、製造用基板(図1では不図示)の端材部と重なるように形成されている。
【0023】
第1実施形態の基板断裁装置100は、傾斜面部10sを有することにより、図4で詳述するように、製造用基板の端材部の固定の解除後に、端材部を、傾斜面部10sに沿って自然落下させる機能を有している。
【0024】
第1実施形態の基板断裁装置100は、前記の自然落下する端材部を収容するための端材収容ユニット16を備えている。端材収容ユニット16の外形は、端材収容ユニット外壁16aと端材収容ユニット内壁16bとからなるが、端材部は固定の解除後に製造用基板の四辺から一斉に落下するため、端材収容ユニット16は、平面視で端材収容ユニット外壁16aと端材収容ユニット内壁16bとの間に製造用基板外周部の四辺を含むように、枠状に形成されている。尚、図示しないが、ステージ10や端材収容ユニット16は定盤や支持棒等によって支持されている。
【0025】
図2は、本発明の第1実施形態の基板断裁装置の変形例の構成を示す、模式断面図である。図1の第1実施形態の基板断裁装置100では、吸着路は個片製品部と端材部を同時に吸着または真空破壊するための吸着路14vとなっていたが、第1実施形態の基板断裁装置の変形例100’では隔壁15によって個片製品部の吸着路14v1と、端材部の吸着路14v2とに分離され、従って吸着孔13pと吸着孔13tとは連結していない。
【0026】
図2の第1実施形態の基板断裁装置の変形例100’の構成により、固定及び固定の解除は、製造用基板の個片製品となる領域と、製造用基板の端材部となる領域とで、個別に行うことができるようになり、それらの領域の固定及び固定の解除を、加工条件に適するように、どちらの領域を先に行うことも可能になる。
【0027】
例えば、基板分割終了後、個片製品部の吸着解除→個片製品のピックアップ→端材部の吸着解除の順番で行うとすると、個片製品のピックアップの際に隣接した個片製品に仮に接触しても、端材部がまだ吸着されているため、隣接した個片製品が移動しにくくなる、という利点がある。
【0028】
図3は、本発明の第2実施形態の基板断裁装置の構成を示す、(a)模式平面図、(b)模式断面図である。第2実施形態の基板断裁装置200が図1の第1実施形態の基板断裁装置100と異なる点は、製造用基板の端材部となる部分を吸着するための吸着孔13tを有しておらず、その代わりにクランプバー27を備えていることのみである。クランプバー27が上下動して端材部に着脱することにより、端材部の固定及び固定の解除を行う。
【0029】
吸着孔13tの代わりにクランプバー27を備えることにより、吸着孔を作れないほど端材部の幅が小さい製造用基板であっても、クランプバー27を着脱することで、端材部をステージ上に固定、またはステージの外側に排出することができるようになる。尚、図示しないが、クランプバー27は可動式のアームや支持棒等によって支持し、動きを制御することができる。
【0030】
図4は、本発明の第1実施形態の基板断裁装置100を用いて、基板を断裁し、端材部及び個片製品を取り出すプロセスを工程順に示す、模式断面図である。尚、図4(c)以外では、端材収容ユニット16の図示を省略している。
【0031】
製造用基板11は、第1実施形態の基板断裁装置100ステージ10に載置され、吸着路が減圧され14v’となることで、吸着路14v’と連結した吸着孔13p、13tを通して製造用基板11はステージ10に固定される(図4(a))。
【0032】
次に、ブレード溝12に沿ってブレードユニット(ここでは不図示)によって製造用基板11は断裁され、図4(b)に示す、個片製品11p、端材部11tの形態となる。
【0033】
次に、吸着路が真空破壊され大気圧に戻り14vとなることで、個片製品11p、端材
部11tの固定は解除される。これにより、端材部はステージ10の外側へ重力により自然落下し、端材収容ユニット16に収容される(図4(c))。
【0034】
前記の際、端材部がステージ10の外側へ確実に落下するように、図4(a)に示すように、製造用基板11の端材部11tとなる部分は、その重心がステージ10の傾斜面部の始点よりも外側へ来るように、傾斜面部の始点から端材部11tの端からまでの長さls1が、端材部11tのもう一方の端までの長さlvよりも長くなるように、製造用基板11をステージ10に載置、固定しておく。
【0035】
最後に図4(d)に示すように、固定解除されている個片製品11p’を従来と同じ方法でピックアップし取り出すことができる。
【0036】
図5は、本発明の第2実施形態の基板断裁装置200を用いて、基板を断裁し、個片製品及び端材部を取り出すプロセスを工程順に示す、模式断面図である。尚、図5(d)以外では、端材収容ユニット26の図示を省略している。
【0037】
第2実施形態の基板断裁装置200では、個片製品21pの固定と解除は第1実施形態の基板断裁装置100と同様に真空系で行うが、端材部21tの固定と解除は、クランプバー27により行う。符号27’はクランプバーが製造用基板21を押さえ固定している状態を示している。
【0038】
第2実施形態の基板断裁装置200においても、図2の第1実施形態の基板断裁装置の変形例100’と同様に、固定及び固定の解除は、個片製品となる領域と、端材部となる領域とで、個別に行うことができるので、それらの領域の固定及び固定の解除を、どちらの領域を先に行ってもよい。図5の例では個片製品となる領域の固定の解除を先に行い、個片製品21p’を従来と同じ方法でピックアップし取り出している(図5(c))。
【0039】
図5の例では端材部となる領域の固定の解除を最後に行い、端材部21tをステージ20の外側へ重力により自然落下させ、端材収容ユニット26に収容している(図5(d))。
【0040】
前記の際、端材部がステージ20の外側へ確実に落下するように、図5(a)に示すように、製造用基板21の端材部21tとなる部分は、その重心がステージ20の傾斜面部の始点よりも外側へ来るように、傾斜面部の始点から端材部21tの端からまでの長さls2が、端材部21tのもう一方の端までの長さlcよりも長くなるように、製造用基板21をステージ20に載置、固定しておく。
【0041】
尚、本発明の基板断裁装置を用いて製造用基板を断裁するが、端材部については、個片製品と同じような個片化は必ずしも必要ではない。図6は、第1実施形態の基板断裁装置を用いて基板を断裁する箇所を例示する模式平面図であり、符号12がステージ10のブレード溝を示すが、製造用基板11を断裁する箇所は白抜きの符号12bで示す箇所であれば十分である。このように断裁すれば、端材部は4片で済み、より簡潔な製造工程となる。第2実施形態の基板断裁装置を用いる場合も同じである。
【0042】
以上説明したように、本発明の断裁装置では、ステージの、平面視で製造用基板の端材部と重なる領域の一部が傾斜面部を有し、固定の解除後に、端材部を傾斜面部に沿って自然落下させる機能を有するので、端材部を短時間でステージ上からステージの外側に排除することができ、作業効率が向上するとともに、ステージの内側に端材部に付着した切りカスが落ちることはない。また、固定のための真空吸着部を作れないほど端材部の幅が小さい場合であっても、クランプバーを着脱することで、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
11、21、51・・・製造用基板
51a・・・・・・・断裁中の基板
51b・・・・・・・断裁後の基板
51c・・・・・・・個片製品取り出し後の基板
11p、21p、51p・・・個片製品
11p’、21p’、51p’・・・ピックアップ中の個片製品
11t、21t、51t・・・端材部
11t’、21t’・・・落下中の端材部
51t’・・・・・・・・・・・・ピックアップ中の端材部
100・・・・・・・・本発明の第1実施形態の基板断裁装置
100’・・・・・・・本発明の第1実施形態の基板断裁装置の変形例
200・・・・・・・・本発明の第2実施形態の基板断裁装置
10、10’、20・・本発明の基板断裁装置のステージ
50・・・・・・・・・従来の基板断裁装置のステージ
10s、20s・・・・傾斜面部(スロープ部)
12、22、52・・・ブレード溝
12b・・・・・・・・断裁箇所
13p、23p、53p・・・吸着孔(個片製品部)
13p’、23p’・・・個片製品
13t、23t、53t・・・吸着孔(端材部)
14v、24v、54v・・・吸着路(個片製品部・端材部共通、非吸着時)
14v’、24v’、54v’・・・吸着路(吸着時)
14v1・・・・・・吸着路(個片製品部)
14v2・・・・・・吸着路(端材部)
15・・・・・・・・吸着路隔壁
16、26・・・・・端材収容ユニット
16a、26a・・・端材収容ユニット外壁
16b、26b・・・端材収容ユニット内壁
27・・・・・・・・クランプバー(非クランプ時)
27’・・・・・・・・クランプバー(クランプ時)
58p・・・・・・・ピックアップロボット(個片製品用)
58t・・・・・・・ピックアップロボット(端材部用)
59p・・・・・・・収容トレイ(個片製品用)
59t・・・・・・・収容トレイ(端材部用)
61・・・・・・・・ブレードユニット
62b・・・・・・・断裁箇所
P・・・・・・・・・個片製品領域
T・・・・・・・・・端材部領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12