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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】ガラス板の加工装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/10 20060101AFI20231113BHJP
   C03C 19/00 20060101ALI20231113BHJP
   B24B 9/00 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
B24B9/10 E
C03C19/00 Z
B24B9/00 601B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019212767
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2020089968
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2018220776
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001405(JP,A)
【文献】特開平08-281543(JP,A)
【文献】特開2008-049449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 9/10
C03C 19/00
B24B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガラス板の夫々に対応して当該複数のガラス板の夫々を支持する複数の一のガラス板支持装置と、この複数の一のガラス板支持装置を介して複数のガラス板を第一の方向に移動させる第一の移動装置と、対応する複数のガラス板の夫々の周縁を夫々研削する複数の一の研削装置と、この複数の一の研削装置を第二の方向に移動させる第二の移動装置と、複数の一のガラス板支持装置のうちの一のガラス板支持装置から複数の第一のガラス板支持装置のうちの他の一のガラス板支持装置へとガラス板の受け渡し行うガラス板受け渡し装置と、第一の移動装置及び第二の移動装置の移動動作を数値制御すべく、第一の移動装置及び第二の移動装置に連結された第一の数値制御装置とを具備しており、複数の一の研削装置のうちの下流側の一の研削装置におけるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量は、複数の一の研削装置のうちの上流側の一の研削装置におけるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量に対して大きくなっているガラス板の加工装置。
【請求項2】
複数の一の研削装置の夫々は、ガラス板を研削する一の研削ホイールと、この一の研削ホイールを回転させる一の回転装置と、一の研削ホイールによるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量を調節する一の調節装置と、一の研削ホイールを昇降させる一の昇降装置とを具備している請求項1に記載のガラス板の加工装置。
【請求項3】
複数の一の研削装置を旋回させる第一の旋回装置を更に具備しており、第一の数値制御装置は、第一の旋回装置の旋回動作をも数値制御すべく、第一の移動装置及び第二の移動装置に加えて、当該第一の旋回装置にも連結されている請求項1又は2に記載のガラス板の加工装置。
【請求項4】
少なくとも一つのガラス板を支持する少なくとも一つの他の一のガラス板支持装置と、この少なくとも一つの他の一のガラス板支持装置を介して当該少なくとも一つのガラス板を第一の方向に移動させる第三の移動装置と、少なくとも一つのガラス板の周縁を研削する少なくとも一つの他の一の研削装置と、この少なくとも一つの他の一の研削装置を第二の方向に移動させる第四の移動装置と、第一の移動装置及び第二の移動装置の移動動作と第三の移動装置及び第四の移動装置の移動動作とを異ならせる数値制御とすべく、第三の移動装置及び第四の移動装置に連結された第二の数値制御装置とを具備している請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス板の加工装置。
【請求項5】
少なくとも一つの他の一の研削装置は、ガラス板を研削する他の一の研削ホイールと、この他の一の研削ホイールを回転させる他の一の回転装置と、他の一の研削ホイールによるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量を調節する他の一の調節装置と、他の一の研削ホイールを昇降させる他の一の昇降装置を具備している請求項4に記載のガラス板の加工装置。
【請求項6】
少なくとも一つの他の一の研削装置を旋回させる第二の旋回装置を更に具備しており、第二の数値制御装置は、第一の旋回装置の旋回動作と第二の旋回装置の旋回動作とを異ならせる数値制御とすべく、第三の移動装置及び第四の移動装置に加えて、当該第二の旋回装置にも連結されている請求項4又は5に記載のガラス板の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素板ガラスに主切り線を形成する主切り線形成手段と、主切り線形成手段によって主切り線が形成されたガラス板に端切り線を形成する端切り線形成手段と、端切り線形成手段によって端切り線が形成されたガラス板を押圧してガラス板を主切り線に沿って押し割る押し割り手段と、押し割り手段によって主切り線に沿って押し割られたガラス板の周縁を研削する研削手段とを有している折割手段を具備しているガラス板等の加工装置は、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-48754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
斯かるガラス板等の加工装置では、素板ガラスの形状に対応して主切り線形成位置、補助切り線形成位置及び押圧位置等の作業を設定しなければならず、作業能率が悪く、例えば、素板ガラスの形状が異なるごとに、主切り線形成位置、補助切り線形成位置及び押圧位置をそれぞれ設定し直さなければならない。また、押し割り手段により、ガラス板の製品部と耳部(カレット部)とを分離するために、押し割り手段により押圧するための耳部が必要となり素板ガラスを大きくせざるを得ない。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主切り線、補助切り線及び押圧位置等の設定を要せず、ガラスに対する迅速な加工を自動的に行い得、不要な耳部を必要としない生産性のよいガラス板の加工装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるガラス板の加工装置は、複数のガラス板の夫々に対応して当該複数のガラス板の夫々を支持する複数の一のガラス板支持装置と、この複数の一のガラス板支持装置を介して複数のガラス板を第一の方向に移動させる第一の移動装置と、対応する複数のガラス板の夫々の周縁を夫々研削する複数の一の研削装置と、この複数の一の研削装置を第二の方向に移動させる第二の移動装置と、複数の一のガラス板支持装置のうちの一のガラス板支持装置から複数の一のガラス板支持装置のうちの他の一のガラス板支持装置へとガラス板の受け渡し行うガラス板受け渡し装置と、第一の移動装置及び第二の移動装置の移動動作を数値制御すべく、第一の移動装置及び第二の移動装置に連結された第一の数値制御装置とを具備しており、複数の一の研削装置のうちの下流側の一の研削装置におけるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量(研削量)は、複数の一の研削装置のうちの上流側の一の研削装置におけるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量に対して大きくなっている。
【0007】
斯かる本発明のガラス板の加工装置によれば、複数の一の研削装置により連続してガラスに対する迅速な加工を自動的に行い得る結果、主切り線、補助切り線及び押圧位置等の設定を要せず、ガラスに対する迅速な加工を自動的に行い得、不要な耳部を必要としない。
【0008】
本発明における好ましい例では、複数の一の研削装置の夫々は、ガラス板を研削する一の研削ホイールと、この一の研削ホイールを回転させる一の回転装置と、一の研削ホイールによるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量を調節する一の調節装置と、一の研削ホイールを昇降させる一の昇降装置とを具備していてもよい。
【0009】
本発明における好ましい例では、ガラス板の加工装置は、複数の一の研削装置を旋回させる第一の旋回装置を更に具備しており、第一の数値制御装置は、第一の旋回装置の旋回動作をも数値制御すべく、第一の移動装置及び第二の移動装置に加えて、当該第一の旋回装置にも連結されている。
【0010】
本発明における他の好ましい例では、少なくとも一つのガラス板を支持する少なくとも一つの他の一のガラス板支持装置と、この少なくとも一つの他の一のガラス板支持装置を介して当該少なくとも一つのガラス板を第一の方向に移動させる第三の移動装置と、少なくとも一つのガラス板の周縁を研削する少なくとも一つの他の一の研削装置と、この少なくとも一つの他の一の研削装置を第二の方向に移動させる第四の移動装置と、第一の移動装置及び第二の移動装置の移動動作と第三の移動装置及び第四の移動装置の移動動作とを異ならせる数値制御とすべく、第三の移動装置及び第四の移動装置に連結された第二の数値制御装置とを具備している。
【0011】
本発明における他の好ましい例では、少なくとも一つの他の一の研削装置は、ガラス板を研削する他の一の研削ホイールと、この他の一の研削ホイールを回転させる他の一の回転装置と、他の一の研削ホイールによるガラス板の周縁から研削点までの切り込み量を調節する他の一の調節装置と、他の一の研削ホイールを昇降させる他の一の昇降装置とを具備している。
【0012】
本発明における他の好ましい例では、ガラス板の加工装置は、少なくとも一つの他の一の研削装置を旋回させる第二の旋回装置を更に具備しており、第二の数値制御装置は、第一の旋回装置の旋回動作と第二の旋回装置の旋回動作とを異ならせる数値制御とすべく、第三の移動装置及び第四の移動装置に加えて、当該第二の旋回装置にも連結されている。
【0013】
本発明のガラス板の加工装置によって研削されるべきガラス板としては、一般の建造物用窓ガラス板、家具用ガラス板及び例えばフロントガラス、リアーガラス、サイドガラス若しくはメーターパネル等の自動車用ガラス板並びにコンピュータ及び携帯電話機等の表示画面用のガラス板を例示することができるが、その他のガラス板をも含み得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、主切り線、補助切り線及び押圧位置等の設定を要せず、ガラスに対する迅速な加工を自動的に行い得、不要な耳部を必要としない生産性のよいガラス板の加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態の例の平面説明図である。
図2図2は、図1に示す例の正面説明図である。
図3図3は、図1に示す例の側面説明図である。
図4図4は、図1に示す例における研削装置の説明図である。
図5図5は、図1に示す例における研削装置によるガラス板の研削の詳細説明図である。
図6図6は、本発明の実施の形態の他の例の一部説明図である。
図7図7は、図6に示す他の例のVII-VII線矢視断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
【0017】
図1から図5において、本例のガラス板の加工装置1は、複数の素板ガラスとしてのガラス板2の夫々に対応して複数のガラス板2の夫々を支持する複数のガラス板支持装置3a、3b及び3cと、複数のガラス板支持装置3a、3b及び3cを介して複数のガラス板2を一体的にX方向に移動させる移動装置4と、対応する複数のガラス板2の夫々の外周縁を夫々研削する複数の研削装置5a、5b及び5cと、複数の研削装置5a、5b及び5cを一体的にY方向に移動させる移動装置6と、ガラス板支持装置3aからガラス板支持装置3bへとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置7aと、ガラス板支持装置3bからガラス板支持装置3cへとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置7bと、複数の研削装置5a、5b及び5cの夫々を同期して後述する軸心Aを中心としてR1方向に旋回させる旋回装置8と、移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作を数値制御すべく、移動装置4、移動装置6及び旋回装置8に夫々連結された数値制御装置(CNC装置)9と、ガラス板2を支持するガラス板支持装置10と、ガラス板支持装置10を介してガラス板2をX方向に移動させる移動装置11と、ガラス板2の外周縁を研削する研削装置12と、研削装置12をY方向に移動させる移動装置13と、ガラス板支持装置3cからガラス板支持装置10へとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置14と、研削装置12を軸心Aを中心としてR1方向に旋回させる旋回装置15と、移動装置11及び移動装置13の移動動作並びに旋回装置15の旋回動作と移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作とを相互に異ならせる数値制御とすべく、移動装置11、移動装置13及び旋回装置15に連結された数値制御装置(CNC装置)16とを具備しており、研削装置5bにおける研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量(研削量)は、研削装置5aにおける研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Paまでの切り込み量に対して大きく、また、研削装置5cにおける研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Pcまでの切り込み量は、研削装置5bにおける研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量に対して大きくなっている。数値制御装置9は、研削装置5a、5b及び5c、延いては研削ホイール26の夫々をガラス板2に直交する軸心Aの回りで角度制御し、当該研削ホイール26を常に、ガラス板2の外周縁と研削ホイール26との接触点Pでの法線上に合わせて研削加工を行わせるようになっている。
【0018】
ガラス板支持装置3a、3b及び3cの夫々、研削装置5a、5b及び5cの夫々並びにガラス板受け渡し装置7a及び7bの夫々は、夫々同一に構成されているので、以下では特に必要な場合を除いて、ガラス板支持装置3a、研削装置5a及びガラス板受け渡し装置7aについてのみ説明し、対応するものには同じ数字符号にb及びcを付して図示のみする。
【0019】
ガラス板支持装置3aは、ガラス板2を真空吸着支持する吸着装置17aを、ガラス板支持装置3bは、ガラス板2を真空吸着支持する吸着装置17bを、そして、ガラス板支持装置3cは、ガラス板2を真空吸着支持する吸着装置17cを夫々具備している。
【0020】
移動装置4は、基台20に取り付けられた電動モータとしてのサーボモータ21と、サーボモータ21の出力回転軸に連結し、且つ、X方向に伸びたねじ軸22と、ねじ軸22に螺合したナット23と、ナット23が固着されていると共にガラス板支持装置3a、3b及び3cの夫々の吸着装置17a、17b及び17cが夫々取り付けられた可動台24と、可動台24に取り付けられたスライダと、X方向に伸びた一対の案内レール25とを具備しており、案内レール25は、可動台24をX方向に案内するようになっている。
【0021】
移動装置4は、サーボモータ21の作動により、ねじ軸22を回転させ、この回転により、可動台24をX方向に移動させ、而して、ガラス板支持装置3a、3b及び3cに夫々載置されたガラス板2を一体的にX方向に移動させるようになっている。
【0022】
研削装置5aは、図4に示すように、ガラス板2を研削する研削ホイール26と、研削ホイール26を回転させる回転装置としてのスピンドルモータ27と、研削ホイール26による研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Paまでの切り込み量Δaを電動モータ等、本例ではサーボモータにより調節する調節装置28と、研削ホイール26を昇降させる昇降装置29とを具備しており、研削装置5bは、研削装置5aと同様に、ガラス板2を研削する研削ホイール26と、研削ホイール26を回転させる回転装置としてのスピンドルモータ27と、研削ホイール26による研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量Δbを電動モータ等、本例ではサーボモータにより調節する調節装置28と、研削ホイール26を昇降させる昇降装置29とを具備しており、研削装置5cは、研削装置5a及び5bと同様に、ガラス板2を研削する研削ホイール26と、研削ホイール26を回転させる回転装置としてのスピンドルモータ27と、研削ホイール26による研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Pcまでの切り込み量Δcを電動モータ等、本例ではサーボモータにより調節する調節装置28と、研削ホイール26を昇降させる昇降装置29とを具備している。
【0023】
移動装置6は、Y方向に伸びた一対のねじ軸31と、ねじ軸31の夫々の一端に連結している電動モータとしてのサーボモータ32と、研削装置5a、5b及び5c並びにスライダが取り付けられた可動台33と、基台20に固定されているY方向に伸びた一対の案内レール34とを具備している。
【0024】
移動装置6は、サーボモータ32の同期的な作動によりねじ軸31を回転させ、可動台33をY方向に移動させ、而して、研削装置5a、5b及び5cの夫々の研削ホイール26を一体的にY方向に移動させるようになっている。
【0025】
旋回装置8は、可動台33に取り付けられた軸受38と、軸受38に夫々回転自在に保持されたZ方向に伸びたシャフト39と、シャフト39の上端に取り付けられたベベルギヤ40と、ベベルギヤ40に歯合したベベルギヤ41と、ベベルギヤ41が固着され、且つ、可動台33に回転自在に支持されたX方向に伸びたラインシャフト42と、可動台33に固定されていると共にラインシャフト42に歯車、プーリ、ベルト等、本例では、平歯車43を介して連結している電動モータとしてのサーボモータ44とを具備している。
【0026】
旋回装置8は、サーボモータ44の作動により、平歯車43を介してラインシャフト42を回転させ、この回転でベベルギヤ40及び41を介してシャフト39を回転させ、而して、シャフト39の夫々の下端に懸吊的に取り付けられた研削装置5a、5b及び5cの夫々を、研削ホイール26の回転中心Cとシャフト39の軸心Aとを結ぶ直線が、ガラス板2の接触点Pにおける法線方向となるように、ガラス板2に直交するシャフト39の軸心Aを中心としてR1方向に旋回させるようになっている。
【0027】
また、旋回装置8は、研削装置5a、5b及び5cの夫々の研削ホイール26の回転軸心Cと当該研削ホイール26及びガラス板2の外周縁の接触点Pとを結ぶ線の伸びる方向D1(接触点Pでの法線方向)と、調節装置28のねじ軸の伸びる方向であると共に研削ホイール26のガラス板2に対する研削量を調節する切り込み量調節方向D2とが常に平行となるように、研削装置5a、5b及び5cの夫々を同期して軸心Aを中心としてR1方向に旋回させ、角度制御するようになっている。
【0028】
ガラス板支持装置10は、ガラス板2を真空吸着支持する吸着装置50を具備している。
【0029】
移動装置11は、移動装置4と同様に、基台20に取り付けられた電動モータとしてのサーボモータ51と、サーボモータ51の出力回転軸に連結し、且つ、X方向に伸びたねじ軸52と、ねじ軸52に螺合したナットと、ナットが固着されていると共に吸着装置50が取り付けられた可動台53と、可動台53に取り付けられたスライダと、X方向に伸びた一対の案内レール54とを具備しており、案内レール54は、可動台53をX方向に案内するようになっている。
【0030】
移動装置11は、サーボモータ51の作動により、ねじ軸52を回転させ、この回転により、可動台53をX方向に移動させ、而して、ガラス板支持装置10に載置されたガラス板2をX方向に移動させるようになっている。
【0031】
研削装置12は、図4に示す研削装置5a、5b及び5cと同様に、ガラス板2を研削する研削ホイール26と、研削ホイール26を回転させる回転装置としてのスピンドルモータ27と、研削ホイール26による研削加工前のガラス板2の外周縁から研削点Pdまでの切り込み量Δdを調節する調節装置28と、研削ホイール26を昇降させる昇降装置29とを具備している。
【0032】
移動装置13は、移動装置6と同様に、Y方向に伸びた一対のねじ軸61と、ねじ軸61の夫々の一端に連結している電動モータとしてのサーボモータ62と、研削装置12及びスライダが取り付けられた可動台63と、基台20に固定されているY方向に伸びた一対の案内レール64とを具備している。
【0033】
移動装置13は、サーボモータ62の同期的な作動によりねじ軸61を回転させ、可動台63をY方向に移動させ、而して、研削装置12の研削ホイール26をY方向に移動させるようになっている。
【0034】
旋回装置15は、旋回装置8と同様に、可動台63に取り付けられた軸受70と、軸受70に夫々回転自在に保持されたZ方向に伸びたシャフト71と、シャフト71の上端に取り付けられたベベルギヤ72と、ベベルギヤ72に歯合したベベルギヤ73と、ベベルギヤ73が固着され、且つ、可動台63に回転自在に支持されたX方向に伸びたラインシャフト74と、可動台63に固定されていると共にラインシャフト74に歯車、プーリ、ベルト等、本例では、平歯車75を介して連結している電動モータとしてのサーボモータ76とを具備している。
【0035】
旋回装置15は、サーボモータ76の作動により、平歯車75を介してラインシャフト74を回転させ、この回転でベベルギヤ72及び73を介してシャフト71を回転させ、而して、シャフト71の下端に懸吊的に取り付けられた研削装置12を、研削ホイール26の回転中心Cとシャフト39の軸心Aとを結ぶ直線が、ガラス板2の接触点Pにおける法線方向となるように、ガラス板2に直交するシャフト71の軸心Aを中心としてR1方向に旋回させるようになっている。
【0036】
また、旋回装置15は、旋回装置8と同様に、研削装置12の研削ホイール26の回転軸心Cと当該研削ホイール26及びガラス板2の外周縁の接触点Pとを結ぶ線の伸びる方向D1(接触点Pでの法線方向)と、調節装置28のねじ軸の伸びるであると共に研削ホイール26のガラス板2に対する研削量を調節する切り込み量調節方向D2とが常に平行となるように、研削装置12を軸心Aを中心としてR1方向に旋回させ、角度制御するようになっている。
【0037】
本例のガラス板の加工装置1により自動車用メーターパネル等に用いるガラス板2を加工する場合、まず、ガラス板搬入手段100により素板ガラスとしてのガラス板2Aをガラス板支持装置3aの上方に載置させ、ガラス板支持装置3aの吸着装置17aによりガラス板2Aを真空吸着支持して位置決めする。
【0038】
次に、移動装置4によりガラス板2Aが載置されたガラス板支持装置3a、空の状態のガラス板支持装置3b及び空の状態のガラス板支持装置3cを可動台24を介して一体的にX方向に、且つ、移動装置6により研削装置5a、5b及び5cの夫々の研削ホイール26を可動台33を介して一体的にY方向に夫々移動させると共に、旋回装置8により研削装置5aの研削ホイール26の回転軸心Cとシャフト39の軸心Aとを結ぶ直線が、常にガラス板2Aの接触点Pにおける法線方向となるように、且つ、研削ホイール26のガラス板2Aに対する切り込み量を調節する切り込み量調節方向D2がガラス板2Aの接触点Pでの法線方向と平行を保つように、研削装置5aをR1方向にシャフト39の軸心Aを中心として回転させながら、当該研削装置5aの研削ホイール26をガラス板2Aの外周縁に接触させて研削を行う。
【0039】
研削装置5aの研削ホイール26によるガラス板2Aの外周縁の研削において、数値制御装置9は、移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作を数値制御して、研削装置5aの研削ホイール26によるXY平面座標移動によりガラス板2Aの外周縁を研削するようになっている。
【0040】
研削装置5aによるガラス板2Aの研削加工後、移動装置4によりガラス板支持装置3aをガラス板受け渡し装置7aの下側に、ガラス板支持装置3bをガラス板受け渡し装置7bの下側に、ガラス板支持装置3cをガラス板受け渡し装置14の下側に夫々位置決めし、ガラス板支持装置3a上に吸着支持されている研削装置5aによる研削後のガラス板2Aをガラス板受け渡し装置7aの昇降手段により持上げて、移動装置4により空の状態のガラス板支持装置3a、3b及び3cを可動台24を介して一体的にX方向であるガラス板搬入側へと復帰移動させて、この復帰移動後、当該ガラス板受け渡し装置7aにより持上げられた研削装置5aによる研削後のガラス板2Aをガラス板支持装置3bへと受け渡し、ガラス板支持装置3bの吸着装置17bにより研削装置5aによる研削後のガラス板2Aを真空吸着支持して位置決めする。
【0041】
次に、ガラス板搬入手段100により素板ガラスとしての次のガラス板2Bをガラス板支持装置3aの上方に載置させ、ガラス板支持装置3aの吸着装置17aによりガラス板2Bを真空吸着支持して位置決めし、移動装置4によりガラス板2Bが載置されたガラス板支持装置3a、研削装置5aによる研削後のガラス板2Aが載置されたガラス板支持装置3b及び空の状態のガラス板支持装置3cを可動台24を介して一体的にX方向に、且つ、移動装置6により研削装置5a、5b及び5cの夫々の研削ホイール26を可動台33を介して一体的にY方向に移動させると共に、研削装置5aと同様に、旋回装置8により研削装置5bの研削ホイール26の回転軸心Cとシャフト39の軸心Aとを結ぶ直線が、常にガラス板2Aの接触点Pにおける法線方向となるように、且つ、研削ホイール26のガラス板2Aに対する切り込み量を調節する切り込み量調節方向D2がガラス板2Aの接触点Pでの法線方向と平行を保つように、研削装置5a及び研削装置5bの夫々を同期してR1方向に夫々のシャフト39の軸心Aを中心として回転させながら、当該研削装置5aの研削ホイール26をガラス板2Bの外周縁に、且つ、当該研削装置5bの研削ホイール26を研削装置5aによる研削後のガラス板2Aの外周縁に夫々接触させて研削を行う。
【0042】
研削装置5bの研削ホイール26による研削装置5aによる研削後のガラス板2Aの外周縁の研削において、数値制御装置9は、移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作を数値制御して、研削装置5bの研削ホイール26によるXY平面座標移動によりガラス板2Aの外周縁を研削するようになっている。
【0043】
研削装置5a及び5bによる対応のガラス板2B及び2Aの研削加工後、移動装置4によりガラス板支持装置3aをガラス板受け渡し装置7aの下側に、ガラス板支持装置3bをガラス板受け渡し装置7bの下側に、ガラス板支持装置3cをガラス板受け渡し装置14の下側に夫々位置決めし、ガラス板支持装置3a上に吸着支持されている研削装置5aによる研削後のガラス板2Bをガラス板受け渡し装置7aの昇降手段により持上げて、且つ、ガラス板支持装置3b上に吸着支持されている研削装置5bによる研削後のガラス板2Aをガラス板受け渡し装置7bの昇降手段により持上げて、移動装置4により空の状態のガラス板支持装置3a、3b及び3cを可動台24を介して一体的にX方向であるガラス板搬入側へと復帰移動させて、この復帰移動後、当該ガラス板受け渡し装置7aにより持上げられた研削装置5aによる研削後のガラス板2Bをガラス板支持装置3bへと受け渡し、ガラス板支持装置3bの吸着装置17bにより研削装置5aによる研削後のガラス板2Bを真空吸着支持して位置決めし、当該ガラス板受け渡し装置7bにより持上げられた研削装置5bによる研削後のガラス板2Aをガラス板支持装置3cへと受け渡し、ガラス板支持装置3cの吸着装置17cにより研削装置5bによる研削後のガラス板2Aを真空吸着支持して位置決めする。
【0044】
次に、ガラス板搬入手段100により素板ガラスとしての次のガラス板2Cをガラス板支持装置3aの上方に載置させ、ガラス板支持装置3aの吸着装置17aによりガラス板2Cを真空吸着支持して位置決めし、移動装置4によりガラス板2Cが載置されたガラス板支持装置3a、研削装置5aによる研削後のガラス板2Bが載置されたガラス板支持装置3b及び研削装置5bによる研削後のガラス板2Aが載置されたガラス板支持装置3cを可動台24を介して一体的にX方向に、且つ、移動装置6により研削装置5a、5b及び5cの夫々の研削ホイール26を可動台33を介して一体的にY方向に夫々移動させると共に、研削装置5a及び5bと同様に、旋回装置8により研削装置5cの研削ホイール26の回転軸心Cとシャフト39の軸心Aとを結ぶ直線が、常にガラス板2Aの接触点Pにおける法線方向と常になるように、且つ、研削ホイール26のガラス板2Aに対する切り込み量を調節する切り込み量調節方向D2がガラス板2Aの接触点Pでの法線方向と平行を保つように、研削装置5a、5b及び5cの夫々を同期してR1方向に夫々のシャフト39の軸心Aを中心として回転させながら、当該研削装置5aの研削ホイール26をガラス板2Cの外周縁に、当該研削装置5bの研削ホイール26を研削装置5aによる研削後のガラス板2Bの外周縁に、且つ、当該研削装置5cの研削ホイール26を研削装置5bによる研削後のガラス板2Aの外周縁に夫々接触させて研削を行う。
【0045】
研削装置5cの研削ホイール26による研削装置5bによる研削後のガラス板2Aの外周縁の研削において、数値制御装置9は、移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作を数値制御して、研削装置5cの研削ホイール26によるXY平面座標移動によりガラス板2Aの外周縁を研削するようになっている。
【0046】
研削装置5a、5b及び5cによる対応のガラス板2C、2B及び2Aの研削加工後、移動装置4によりガラス板支持装置3aをガラス板受け渡し装置7aの下側に、ガラス板支持装置3bをガラス板受け渡し装置7bの下側に、ガラス板支持装置3cをガラス板受け渡し装置14の下側に夫々位置決めし、ガラス板支持装置3a上に吸着支持されている研削装置5aによる研削後のガラス板2Cをガラス板受け渡し装置7aの昇降手段により持上げて、ガラス板支持装置3b上に吸着支持されている研削装置5bによる研削後のガラス板2Bをガラス板受け渡し装置7bの昇降手段により持上げて、ガラス板支持装置3c上に吸着支持されている研削装置5cによる研削後のガラス板2Aをガラス板受け渡し装置14の昇降手段により持上げて、移動装置4により空の状態のガラス板支持装置3a、3b及び3cを可動台24を介して一体的にX方向であるガラス板搬入側へと復帰移動させ、且つ、移動装置11により空の状態のガラス板支持装置10を可動台53を介してX方向であるガラス板搬入側へと復帰移動させて、この復帰移動後、当該ガラス板受け渡し装置7aにより持上げられた研削装置5aによる研削後のガラス板2Cをガラス板支持装置3bへと受け渡し、ガラス板支持装置3bの吸着装置17bにより研削装置5aによる研削後のガラス板2Cを真空吸着支持して位置決めし、当該ガラス板受け渡し装置7bにより持上げられた研削装置5bによる研削後のガラス板2Bをガラス板支持装置3cへと受け渡し、ガラス板支持装置3cの吸着装置17cにより研削装置5bによる研削後のガラス板2Bを真空吸着支持して位置決めし、当該ガラス板受け渡し装置14により持上げられたガラス板2Aをガラス板支持装置10へと受け渡し、ガラス板支持装置10の吸着装置50によりガラス板2Aを真空吸着支持して位置決めする。
【0047】
研削装置5a、5b及び5cと同様に、移動装置11によりガラス板2Aが載置されたガラス板支持装置10を可動台53を介してX方向に、且つ、移動装置13により研削装置12の研削ホイール26を可動台63を介してY方向に移動させると共に、旋回装置15により研削装置12の研削ホイール26の回転軸心Cとシャフト39の軸心Aとを結ぶ直線が、常にガラス板2Aの接触点Pにおける法線方向となるように、且つ、研削ホイール26のガラス板2Aに対する切り込み量を調節する切り込み量調節方向D2がガラス板2Aの接触点Pでの法線方向と平行を保つように、研削装置12をR1方向に軸心Aを中心として回転させながら、当該研削装置12の研削ホイール26をガラス板2Aの外周縁に接触させて研削を行う。
【0048】
研削装置12によるガラス板2Aの研削後、ガラス板支持装置10上に吸着支持されている研削装置12による研削後のガラス板2Aをガラス板搬出手段110により搬出して、製品としてのガラス板2を搬出するようになっている。
【0049】
以下、ガラス板支持装置3a、3b、3c及び10には、当該ガラス板支持装置3a、3b、3c及び10の夫々に対応する上流側のガラス板支持装置からガラス板2が搬送され、次々にガラス板2を連続的に研削加工し、この研削加工後、ガラス板搬入手段100、ガラス板受け渡し装置7a、7b及び14並びにガラス板搬出手段110により各ガラス板2を順次搬送移動して、複数のガラス板2を連続的に研削加工するようになっている。
【0050】
数値制御装置9は、移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作を数値制御して、XY平面座標系において研削装置5a、5b及び5cの夫々の研削ホイール26とガラス板支持装置3a、3b及び3cの夫々の吸着装置17a、17b及び17cとのガラス板2に対する輪郭制御運動を行わせるようになっており、数値制御装置16は、移動装置11及び13の移動動作並びに旋回装置15の旋回動作を数値制御して、XY平面座標系において研削装置12の研削ホイール26とガラス板支持装置10の吸着装置50とのガラス板2に対する輪郭制御運動を行わせるようになっている。また、旋回装置8の夫々のシャフト39の軸心Aの延長線上には、当該夫々のシャフト39に対応するガラス板2の外周縁と研削ホイール26との接触点Pが配置されるようになっており、旋回装置15のシャフト39の軸心Aの延長線上には、当該シャフト39に対応するガラス板2の外周縁と研削ホイール26との接触点Pが配置されるようになっている。
【0051】
以上のようにして、本例のガラス板の加工装置1は、ガラス板2を連続して研削するようになっている。
【0052】
複数のガラスとしてのガラス板2の夫々に対応して複数のガラス板2の夫々を支持する複数のガラス板支持装置3a、3b及び3cと、複数のガラス板支持装置3a、3b及び3cを介して複数のガラス板2を一体的にX方向に移動させる移動装置4と、対応する複数のガラス板2の夫々の外周縁を夫々研削する複数の研削装置5a、5b及び5cと、複数の研削装置5a、5b及び5cを一体的にY方向に移動させる移動装置6と、ガラス板支持装置3aからガラス板支持装置3bへとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置7aと、ガラス板支持装置3bからガラス板支持装置3cへとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置7bと、複数の研削装置5a、5b及び5cの夫々を同期して軸心Aを中心としてR1方向に旋回させる旋回装置8と、移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作を数値制御すべく、移動装置4、移動装置6及び旋回装置8に夫々連結された数値制御装置9と、ガラス板2を支持するガラス板支持装置10と、ガラス板支持装置10を介してガラス板2をX方向に移動させる移動装置11と、ガラス板2の外周縁を研削する研削装置12と、研削装置12をY方向に移動させる移動装置13と、ガラス板支持装置3cからガラス板支持装置10へとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置14と、研削装置12を軸心Aを中心としてR1方向に旋回させる旋回装置15と、移動装置11及び移動装置13の移動動作並びに旋回装置15の旋回動作と移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作とを異なる数値制御とすべく、移動装置11、移動装置13及び旋回装置15に連結された数値制御装置16とを具備している本例のガラス板の加工装置1では、連続してガラス板2に対する研削加工ができるようになっている結果、主切り線、補助切り線及び押圧位置等の設定を要せず、ガラス板2に対する迅速な加工を自動的に行い得、不要な耳部を必要としない生産性のよいガラス板2の研削加工を行うことができる。
【0053】
本例のガラス板の加工装置1において、研削装置5bにおけるガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量は、研削装置5aにおけるガラス板2の外周縁から研削点Paまでの切り込み量に対して大きく、また、研削装置5cにおけるガラス板2の外周縁から研削点Pcまでの切り込み量は、研削装置5bにおけるガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量に対して大きくなっているが、研削装置5bにおけるガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量は、研削装置5aにおけるガラス板2の外周縁から研削点Paまでの切り込み量と等しく又は異なっていても、また、研削装置5cにおけるガラス板2の外周縁から研削点Pcまでの切り込み量は、研削装置5bにおけるガラス板2の外周縁から研削点Pbまでの切り込み量と等しく又は異なっていてもよく、研削装置5a、5b、5c及び12のガラス2に対する切り込み量(研削量)は調節装置28を予め操作することにより設定することができる。
【0054】
本例のガラス板の加工装置1において、数値制御装置16による移動装置11及び移動装置13の移動動作並び旋回装置15の旋回動作と、数値制御装置9による移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作とを相互に異ならせる数値制御としたが、場合により、数値制御装置9及び数値制御装置16による数値制御を同一の数値制御としてもよい。また、数値制御装置9と数値制御装置16とは、互いに同期して対応のガラス板2の研削加工を行うようになっていてもよい。
【0055】
本例のガラス板の加工装置1において、研削装置5aによるガラス板2の研削は、粗削りを、研削装置5b及び5cによるガラス板2の研削は、仕上げ削りを夫々担当するようになっているが、研削装置5a及び5bによるガラス板2の研削は、粗削りを、研削装置5cによるガラス板2の研削は、仕上げ削りを夫々担当するようになっていてもよく、また、研削装置12の研削は、粗削り又は、仕上げ削りを担当するようになっていてもよい。
【0056】
本例において、ガラス板の加工装置1は、下流側に、ガラス板2を支持するガラス板支持装置10と、ガラス板支持装置10を介してガラス板2をX方向に移動させる移動装置11と、ガラス板2の外周縁を研削する研削装置12と、研削装置12をY方向に移動させる移動装置13と、ガラス板支持装置3cからガラス板支持装置10へとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置14と、研削装置12を旋回させる旋回装置15と、移動装置11及び移動装置13の移動動作並び旋回装置15の旋回動作と移動装置4及び6の移動動作並びに旋回装置8の旋回動作とを相互に異ならせる数値制御とすべく、移動装置11、移動装置13及び旋回装置15に連結された数値制御装置16とを具備しているが、これら、ガラス板支持装置10と、移動装置11と、研削装置12と、移動装置13と、ガラス板支持装置3cからガラス板支持装置10へとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置14と、旋回装置15と、数値制御装置16とを具備せずに、ガラス板2を研削加工して、製品としてのガラス板2を仕上げるようになっていてもよい。
【0057】
上記のガラス板の加工装置1は、複数のガラス板支持装置3a、3b及び3c、移動装置4、複数の研削装置5a、5b及び5c、移動装置6、ガラス板受け渡し装置7a及び7b、旋回装置8並びに数値制御装置9を具備しているが、これらに代えて、図6及び7に示すように、複数の素板ガラスとしてのガラス板2の夫々に対応して複数のガラス板2の夫々を支持する複数のガラス板支持装置103a、103b及び103cと、複数のガラス板支持装置103a、103b及び103cを介して複数のガラス板2を一体的にY方向に移動させる移動装置104と、対応する複数のガラス板2の夫々の外周縁を夫々研削する複数の研削装置105a、105b及び105cと、ガラス板支持装置103aからガラス板支持装置103bへとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置107aと、ガラス板支持装置103bからガラス板支持装置103cへとガラス板2の受け渡し行うガラス板受け渡し装置107bと、複数の研削装置105a、105b及び105c並びにガラス板受け渡し装置107a及び107bを一体的にX方向に移動させる移動装置106と、複数の研削装置105a、105b及び105cの夫々を同期して軸心Aを中心としてR1方向に旋回させる旋回装置108と、移動装置104及び106の移動動作並びに旋回装置108の旋回動作を数値制御すべく、移動装置104、移動装置106及び旋回装置108に夫々連結された数値制御装置(CNC装置)109とを具備して、ガラス板2を連続して研削するようになっていてもよい。
【0058】
移動装置104は、基台120に取り付けられた電動モータとしてのサーボモータ121と、サーボモータ121の出力回転軸に連結し、且つ、Y方向に伸びたねじ軸122と、ねじ軸122に螺合したナット123と、ナット123が固着されているとともに吸着装置117が取り付けられた可動台124と、可動台124に取り付けられたスライダと、Y方向に伸びた一対の案内レール125とを具備しており、案内レール125は、可動台124をY方向に案内するようになっている。
【0059】
移動装置104は、サーボモータ121の作動により、ねじ軸122を回転させ、この回転により、可動台124をY方向に移動させ、而して、ガラス板支持装置103a、103b及び103cに夫々載置されたガラス板2を一体的にY方向に移動させるようになっている。
【0060】
移動装置106は、X方向に伸びたねじ軸131と、ねじ軸131の一端にベルト及びプーリ等を介して連結されている電動モータとしてのサーボモータ132と、研削装置105a、105b及び105c、ガラス板受け渡し装置107a及び107b並びにスライダが取り付けられた可動台133と、基台120に固定されているX方向に伸びた一対の案内レール134とを具備している。
【0061】
移動装置106は、サーボモータ132の作動によりねじ軸131を回転させ、可動台133をX方向に移動させ、而して、研削装置105a、105b及び105cの夫々の研削ホイール26並びにガラス板受け渡し装置107a及び107bを一体的にX方向に移動させるようになっている。
【0062】
研削装置105a、105b及び105cの夫々は、図4に示す好ましい例の研削装置と同様に、ガラス板2を研削する研削ホイール26と、研削ホイール26を回転させる回転装置としてのスピンドルモータ27と、研削ホイール26によるガラス板2の外周縁から研削点Pまでの切り込み量を電動モータ等、本例ではサーボモータにより調節する調節装置28と、研削ホイール26を昇降させる昇降装置29とを夫々具備していてもよい。
【0063】
図6及び7に示すガラス板の加工装置1においても、連続してガラス板2に対する研削加工ができるようになっている結果、主切り線、補助切り線及び押圧位置等の設定を要せず、ガラス板2に対する迅速な加工を自動的に行い得、不要な耳部を必要としない生産性のよいガラス板2の研削加工を行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ガラス板の加工装置
2 ガラス板
3a、3b、3c ガラス板支持装置
4 移動装置
5a、5b、5c 研削装置
6 移動装置
7a、7b ガラス板受け渡し装置
8 旋回装置
9 数値制御装置
10 ガラス板支持装置
11 移動装置
12 研削装置
13 移動装置
14 ガラス板受け渡し装置
15 旋回装置
16 数値制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7