(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20231113BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20231113BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20231113BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20231113BHJP
【FI】
G06F21/60 320
A61B5/1171 300
A61B5/1172
A61B5/1171 200
A61B5/1171 100
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2019154162
(22)【出願日】2019-08-26
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】518115160
【氏名又は名称】エムコマース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】吉野 則幸
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-084059(JP,A)
【文献】特開2005-190276(JP,A)
【文献】特開2009-169759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60
A61B 5/1171
A61B 5/1172
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、
取得した前記生体情報と、記憶部に記憶されている利用者の生体情報とを照合し、照合結果が一致した場合に認証する認証部と、
データを暗号化する暗号部と、
暗号化された前記データを復号化する復号部と、
を備えるデータ処理装置であって、
前記データの暗号化処理では、
前記利用者によって、端末に前記データ処理装置が接続された後に、
前記生体情報取得部は、前記利用者の生体情報を取得し、
前記認証部は、取得された前記生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記生体情報とを照合し、
照合結果として一致しないと判断した場合に、前記利用者へ再度、前記生体情報取得部への前記利用者の指の接触を求め、
照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証し、
前記端末の表示部に生体認証されたことが通知され、前記利用者による前記データ処理装置の利用が可能となった後に、前記利用者によって前記端末が操作され、前記端末から前記データが前記データ処理装置に出力され、
出力された前記データは、前記暗号部で暗号化され、前記記憶部に記憶され、
前記データの復号化処理では、
前記利用者によって、前記端末に前記データ処理装置に接続された後に、
前記生体情報取得部は、前記利用者の生体情報を取得し、
前記認証部は、取得された前記生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記生体情報とを照合し、照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証し、
前記端末の表示部に生体認証されたことが通知され、前記利用者による前記データ処理装置の利用が可能となった後に、前記利用者によって前記端末が操作され、
前記記憶部に記憶された暗号化されたデータが前記復号部で復号化され、前記記憶部に記憶される
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ処理装置において、
前記認証部は、指紋、掌形、網膜、虹彩、顔、耳形、血管の少なくとも一つに基づいて認証する
ことを特徴とするデータ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報を利用したデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の発展に伴い、企業における各種情報は、電子化されてコンピュータに記録され、利用されている。電子化された各種情報は、複製が容易であり、重要な情報については、情報漏洩が問題となる。情報漏洩に対しては、各種の手段が講じられている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシステムは、記録媒体に記録された電子情報をコンピュータに複製する場合に、その電子情報を暗号化して複製し、複製された電子情報に対してアプリケーションプログラムに基づいてアクセスが行われると、USBメモリが接続され、かつこれを利用するための認証が成功した場合にのみ、その電子情報を復号化し、利用を許可することで、情報漏洩の抑止をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、装置構成が複雑であり、簡便に情報漏洩を防ぐことができない。
【0006】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、簡便な装置構成であって、情報漏洩を防ぐことができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデータ処理装置は、利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した前記生体情報と、記憶部に記憶されている利用者の生体情報とを照合し、照合結果が一致した場合に認証する認証部と、データを暗号化する暗号部と、暗号化された前記データを復号化する復号部と、を備えるデータ処理装置であって、前記データの暗号化処理では、前記利用者によって、端末に前記データ処理装置が接続された後に、前記生体情報取得部は、前記利用者の生体情報を取得し、前記認証部は、取得された前記生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記生体情報とを照合し、照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証し、前記端末の表示部に生体認証されたことが通知され、前記利用者による前記データ処理装置の利用が可能となった後に、前記利用者によって前記端末が操作され、前記端末から前記データが前記データ処理装置に出力され、出力された前記データは、前記暗号部で暗号化され、前記記憶部に記憶され、前記データの復号化処理では、前記利用者によって、前記端末に前記データ処理装置に接続された後に、前記生体情報取得部は、前記利用者の生体情報を取得し、前記認証部は、取得された前記生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記生体情報とを照合し、照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証し、前記端末の表示部に生体認証されたことが通知され、前記利用者による前記データ処理装置の利用が可能となった後に、前記利用者によって前記端末が操作され、前記記憶部に記憶された暗号化されたデータが前記復号部で復号化され、前記記憶部に記憶されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るデータ処理装置は、利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した前記生体情報と、記憶部に記憶されている利用者の生体情報とを照合し、照合結果が一致した場合に認証する認証部と、データを暗号化する暗号部と、暗号化された前記データを復号化する復号部と、を備えるデータ処理装置であって、前記データの暗号化処理では、前記利用者によって、端末に前記データ処理装置が接続された後に、前記生体情報取得部は、前記利用者の生体情報を取得し、前記認証部は、取得された前記生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記生体情報とを照合し、照合結果として一致しないと判断した場合に、前記利用者へ再度、前記生体情報取得部への前記利用者の指の接触を求め、照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証し、前記端末の表示部に生体認証されたことが通知され、前記利用者による前記データ処理装置の利用が可能となった後に、前記利用者によって前記端末が操作され、前記端末から前記データが前記データ処理装置に出力され、出力された前記データは、前記暗号部で暗号化され、前記記憶部に記憶され、前記データの復号化処理では、前記利用者によって、前記端末に前記データ処理装置に接続された後に、前記生体情報取得部は、前記利用者の生体情報を取得し、前記認証部は、取得された前記生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記生体情報とを照合し、照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証し、前記端末の表示部に生体認証されたことが通知され、前記利用者による前記データ処理装置の利用が可能となった後に、前記利用者によって前記端末が操作され、前記記憶部に記憶された暗号化されたデータが前記復号部で復号化され、前記記憶部に記憶されることを特徴とする。
【0009】
前記データ処理装置において、前記認証部は、指紋、掌形、網膜、虹彩、顔、耳形、血管の少なくとも一つに基づいて認証することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のデータ処理装置では、簡便な装置構成であって、情報漏洩を防ぐことができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るデータ処理装置の利用状態を示す説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るデータ処理装置の説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るデータ処理装置の暗号化の処理手順の説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るデータ処理装置の復号化の処理手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<データ処理装置10の構成>
本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の構成について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の利用状態を示す説明図であり、
図2は、本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の説明図である。
【0014】
データ処理装置10は、制御部12、生体情報取得部14、記憶部16、認証部18、入出力部20、暗号部22及び復号部24を備え、これらがバス26を介して相互に接続される。また、データ処理装置10は、端末40と接続している。
【0015】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって構成される。制御部12では、データ処理装置10内の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)上にロードされ、実行される。制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0016】
生体情報取得部14は、利用者から生体情報を取得する機能を有する。生体情報取得部14は、生体情報として指紋を取得する。生体情報取得部14は、生体情報が指紋である場合には、指紋センサで構成される。
【0017】
記憶部16は、利用者を認証するための生体情報が記憶される記憶部である。記憶部16は、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成される。また、生体情報は、画像データではなく、特徴点をベクトル化した座標情報として格納される。
【0018】
認証部18は、利用者の生体情報を認証する機能を有する。具体的には、認証部18は、記憶部16に記憶された利用者の生体情報と、生体情報取得部14で取得された利用者の生体情報とを照合し、照合結果が一致した場合に生体情報として生体認証する。
【0019】
入出力部20は、端末40との間でデータの入力及び出力をする機能を有する。暗号部22は、データを暗号化する機能を有する。暗号方法としては、ブロック暗号、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)が用いられる。復号部24は、暗号部22で暗号化されたデータを復号化する機能を有する。端末40は、表示部42を備える端末である。
【0020】
<データ処理装置10の動作の説明>
次に、データ処理装置10の動作について、図面を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の暗号化の処理手順の説明図であり、
図4は、本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の復号化の処理手順の説明図である。
【0021】
利用者Aが、データ処理装置10を用いる場合として、説明する。事前に記憶部16には、利用者Aの生体情報が記憶されているものとする。
【0022】
最初に、データ処理装置10によるデータの暗号化の処理手順について
図3を用いて説明する。まず、利用者Aが、データ処理装置10を端末40に接続する(ステップS1)。利用者Aが生体情報取得部14に指を接触させ、生体情報取得部14が利用者Aの生体情報として、指紋を取得する(ステップS2)。
【0023】
認証部18は、取得した生体情報と、記憶部16に記憶されている利用者の生体情報とを照合する(ステップS3)。認証部18は、照合結果として一致したと判断した場合に、生体認証をする(ステップS3 YES)。記憶部16には、利用者Aの生体情報が記憶されているので、照合結果として一致する。なお、生体情報取得部14が取得した生体情報が、記憶部16に記憶されている利用者の生体情報と一致しない場合、すなわち、生体情報取得部14が取得した生体情報が利用者A以外の生体情報である場合には、再度の生体情報取得部14への指の接触が求められる(ステップS3 NO)。
【0024】
制御部12は、端末40の表示部42に生体認証されたことを通知し、利用者Aがデータ処理装置10の利用が可能となる(ステップS4)。
【0025】
利用者Aによって端末40が操作され、データが出力され、データ処理装置10の入出力部20から前記データがデータ処理装置10に入力される(ステップS5)。
【0026】
入力されたデータは、暗号部22で暗号化され(ステップS6)、記憶部16に記憶される(ステップS7)。
【0027】
データが暗号化されたことにより、利用者A以外の者による前記データの利用が制限される。
【0028】
次に、データ処理装置10によるデータの復号化の処理手順について、
図4を用いて説明する。データの復号化の処理手順のうち、ステップS11~ステップS14までは、データの暗号化の処理手順のステップS1~ステップS4と同様である。
【0029】
即ち、利用者Aが、データ処理装置10を端末40に接続し(ステップS11)、利用者Aが生体情報取得部14に指を接触させ、生体情報取得部14が利用者Aの生体情報として、指紋を取得する(ステップS12)。認証部18は、取得した生体情報と、記憶部16に記憶されている利用者の生体情報とを照合し(ステップS13)、照合結果として一致した場合に、制御部12は、端末40の表示部42に生体認証されたことを通知し、利用者Aがデータ処理装置10の利用が可能となる(ステップS14)。
【0030】
利用者Aによって端末40が操作され、記憶部16に記憶された暗号化されたデータが復号部24で復号化され(ステップS15)、記憶部16に(ステップS16)記憶される。
【0031】
データが復号化されたことにより、利用者Aは、前記データを利用することが可能となる。
【0032】
データ処理装置10は、利用者から生体情報を取得する生体情報取得部14と、取得した前記生体情報と、記憶部16に記憶されている利用者の生体情報とを照合し、照合結果が一致した場合に認証する認証部18と、データを暗合化する暗号部22と、を備え、前記認証部18で認証後に、端末からデータを入力し、前記暗号部22で前記データを暗号化し、暗号化されたデータが記憶される。
【0033】
データ処理装置10において、前記暗号化された前記データを復号化する復号部24を有する。また、データ処理装置10において、前記認証部18は、指紋、掌形、網膜、虹彩、顔、耳形、血管の少なくとも一つに基づいて認証する。
【0034】
データ処理装置によれば、簡便な装置構成であって、情報漏洩を防ぐことができる。
【0035】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0036】
例えば、上述した実施形態では、ステップS6で入力されたデータは、暗号部22で暗号化され、ステップS7で、記憶部16に記憶されていたが、暗号化されたデータが記憶される場所は、これに限定されるものではない。例えば、暗号化されたデータは端末40の記憶部に記憶されても良い。かかる場合には、ステップS7の代わりに、暗号化されたデータ入出力部20から端末40に出力され、端末40の記憶部の所定の記憶部に記憶されることとなる。また、復号化する際には、ステップS15の代わりに、端末40の記憶部に記憶された暗号化されたデータがデータ処理装置10に出力され、データ処理装置10の入出力部20から前記データが入力され、復号部24で復号化され、入出力部20から端末40に出力される。端末40では、復号化されたデータが所定の記憶部に記憶される。
【0037】
また、上述の実施形態では、生体情報として、指紋を用いているが、利用者を識別できれば、これに限定されるものではない。例えば、生体情報として、掌形、網膜、虹彩、顔、耳形、血管を用いても良い。さらに、これらの一の生体情報のみを用いてもよく、いずれか複数の生体情報を用いても良い。
【0038】
さらに、上述の実施形態では、端末40は、データが記憶される記憶部を有すれば、これに限定されるものではない。例えば、クラウドサーバであっても良い。
【符号の説明】
【0039】
10…データ処理装置
12…制御部
14…生体情報取得部
16…記憶部
18…認証部
20…入出力部
22…暗号部
24…復号部
26…バス
40…端末
42…表示部