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特許7383293ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20231113BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231113BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20231113BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/69
A63F13/792
A63F9/00 513
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020127556
(22)【出願日】2020-07-28
(62)【分割の表示】P 2019122083の分割
【原出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021007747
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】大滝 忠信
(72)【発明者】
【氏名】堀田 治郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特許第6468382(JP,B1)
【文献】特開2014-128461(JP,A)
【文献】特開2003-117226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
A63F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつ前記ゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データを介して前記共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステムであって、
前記ゲーム価値と前記共通価値との間の変換レートが記述されたレートデータの前記変換レートに従って前記共通価値を前記ゲーム価値に換算する価値換算手段と、
前記価値換算手段の換算結果に従って前記ゲーム価値及び前記共通価値が増減するように前記共通価値を前記ゲーム価値に変換する価値変換手段と、
前記共通価値の消費と引き換えに前記ゲームとは別のゲームとして共通価値用のゲームを提供するゲーム提供手段と、
前記変換レートに従って前記ゲーム価値を前記共通価値に換算する戻し換算手段と、
前記戻し換算手段の換算結果に従って前記共通価値及び前記ゲーム価値が増減するように前記ゲーム価値を前記共通価値に戻す価値戻し手段と、
を備え
前記戻し換算手段は、前記ゲーム価値を前記共通価値に戻す場合において変換後の前記共通価値が前記変換レートに従って前記ゲーム価値に変換する前の前記共通価値よりも少なくなるように前記変換レートに基づいて前記ゲーム価値に設定される戻しレートを前記変換レートとして利用し、当該戻しレートに従って前記ゲーム価値を前記共通価値に換算する、ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲームは、当該ゲームを提供するゲーム機がネットワークを介して接続される場合に、当該ゲーム機を介して提供される、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム提供手段は、前記共通価値用のゲームを提供するゲーム機がネットワークを介して接続される場合に、当該ゲーム機を介して前記共通価値用のゲームを提供する、請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲームは、プレイ状況に応じて前記ゲーム価値の残量を増加させるように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記価値データを記憶する価値データ記憶手段、及び前記レートデータを記憶するレートデータ記憶手段に接続されるコンピュータを、請求項1~のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項6】
進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつ前記ゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データを介して前記共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記ゲーム価値と前記共通価値との間の変換レートが記述されたレートデータの前記変換レートに従って前記共通価値を前記ゲーム価値に換算する価値換算手順と、
前記価値換算手順の換算結果に従って前記ゲーム価値及び前記共通価値が増減するように前記共通価値を前記ゲーム価値に変換する価値変換手順と、
前記共通価値の消費と引き換えに前記ゲームとは別のゲームとして共通価値用のゲームを提供するゲーム提供手順と、
前記変換レートに従って前記ゲーム価値を前記共通価値に換算する戻し換算手順と、
前記戻し換算手段の換算結果に従って前記共通価値及び前記ゲーム価値が増減するように前記ゲーム価値を前記共通価値に戻す価値戻し手順と、
を実行させ
前記戻し換算手順は、前記ゲーム価値を前記共通価値に戻す場合において変換後の前記共通価値が前記変換レートに従って前記ゲーム価値に変換する前の前記共通価値よりも少なくなるように前記変換レートに基づいて前記ゲーム価値に設定される戻しレートを前記変換レートとして利用し、当該戻しレートに従って前記ゲーム価値を前記共通価値に換算する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データを介して共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データを介して共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステムが存在する。例えば、このような共通価値、及びゲーム価値として、現金から不可逆的に交換可能な第1の仮想通貨、及び第1の仮想通貨から不可逆的に交換される第2の仮想通貨をそれぞれ利用するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。あるいは、共通価値、及びゲーム価値として、ウェブポイント、及びゲームポイントをそれぞれ利用するシステムも知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6390031号公報
【文献】特許第4185155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムにおいて、第1の仮想通貨から第2の仮想通貨への交換時にレート(交換率、あるいは割合)の概念は生じていない。同様に、特許文献2のシステムにおいてもウェブポイントからゲームポイントへの交換時にやはりレートの概念は生じていない。つまり、特許文献1及び2のいずれのシステムも交換時に交換レートを使用する構成ではない。このため、第1の仮想通貨等の交換元の価値を第2の仮想通貨等の交換先の価値に適切に反映できない可能性がある。特に、第2の仮想通貨等のゲームにおいて使用されるものは、ゲーム毎にその価値が相違する場合も多い。このため、交換先が複数のゲームにそれぞれ対応するように複数存在する場合、いずれの交換先とも一律に交換されてしまうと、交換元の価値が適切に交換先の価値に反映されない可能性が更に高まってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、共通価値をより適切にゲーム価値に変換することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつ前記ゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データを介して前記共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステムであって、前記ゲーム価値と前記共通価値との間の変換レートが記述されたレートデータの前記変換レートに従って前記共通価値を前記ゲーム価値に換算する価値換算手段と、前記価値換算手段の換算結果に従って前記ゲーム価値及び前記共通価値が増減するように前記共通価値を前記ゲーム価値に変換する価値変換手段と、を備えるものである。
【0007】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記価値データを記憶する価値データ記憶手段、及び前記レートデータを記憶するレートデータ記憶手段に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつ前記ゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データを介して前記共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記ゲーム価値と前記共通価値との間の変換レートが記述されたレートデータの前記変換レートに従って前記共通価値を前記ゲーム価値に換算する価値換算手順と、前記価値換算手順の換算結果に従って前記ゲーム価値及び前記共通価値が増減するように前記共通価値を前記ゲーム価値に変換する価値変換手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
図3】プラットフォームサービスの概要を説明するための説明図。
図4】変換サービスの提供のために実行される処理の概略的な手順の一例を示す図。
図5】ゲーム提供サービスの提供のために実行される処理の概略的な手順の一例を示す図。
図6】プレイデータの構成の一例を示す図。
図7】レートデータの構成の一例を示す図。
図8】価値変換処理の手順の一例を示すフローチャート。
図9】ゲーム提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してゲーム機3をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
【0012】
図1の例では、ゲーム機3としてゲーム機3A、3B、3Cが示されている。ゲーム機3はいずれもゲームを提供するゲーム装置の一例である。ゲーム機3Aはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の支払いと引き換えにそのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。この種のゲーム機3A(以下、アーケードゲーム機3Aと呼ぶ場合がある)は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される場合が多い。一方、ゲーム機3B、3Cは、ユーザの個人的な使用に供される家庭用の据置型ゲーム機、或いは携帯型のゲーム機である。このようなゲーム機3B、3C(以下、据え置き型ゲーム機3B、或いは携帯型ゲーム機3Cとそれぞれ呼ぶ場合があり、これらを区別しない場合にはユーザ端末装置型のゲーム機3と呼ぶ場合がある)として、スマートフォン等の携帯電話機又は携帯情報端末(タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む)が機能してよい。なお、図1の例では、複数種類のゲーム機3がセンターサーバ2に接続されているが、センターサーバ2に接続されるゲーム機3は一種類であってもよい。
【0013】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、プラットフォームサービスを含んでいる。プラットフォームサービスは、ゲーム機3を複数のゲームのプラットフォームとして機能させるためのサービスである。つまり、ゲーム機3は、プラットフォームサービスを介して複数のゲームを提供する。プラットフォームサービスは、ストリーミング配信(パケット通信)を介して各ゲームをゲーム機3に提供するように構成されてもよいし、各ゲームをプレイするためのプログラム等をゲーム機3に配信する(ダウンロードさせる)ように構成されてもよい。プラットフォームサービスの詳細は後述する。
【0014】
なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にもネットワークNTを介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、及びネットワークNTを介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいてよい。同様に、ゲーム機用サービスは、ゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービス、ユーザから料金を徴収する課金サービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。あるいは、これらの各種のサービスは、プラットフォームサービスの一部として提供されてもよい。
【0015】
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0016】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データが記憶される。そのようなサーバ用データはプラットフォームサービス用の各種のデータを含んでいるが、図2の例ではそのような各種のデータの一種として、プレイデータPD、及びレートデータRDが示されている。プレイデータPD、及びレートデータRDの詳細は後述する。
【0017】
なお、サーバ用データは、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、ユーザID等の各種IDを管理するためのIDデータ、或いは各ゲームを提供するための各種のゲームデータが含まれる。しかし、それらの図示は省略した。
【0018】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。そのような各種処理には、プラットフォームサービスに関する処理が含まれる。例えば、ゲーム機サービス管理部24は、そのようなプラットフォームサービスに関する処理として、価値変換処理、及びゲーム提供処理を実行する。価値変換処理、及びゲーム提供処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0019】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0020】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部32には、ゲームの提供に必要なゲームデータが記録される。そのようなゲームデータには、ゲーム用の各種のデータが含まれるが、図2の例ではその一種としてプレイデータPDが示されている。パラメータデータPDは、プラットフォームサービスの一部として(あるいは配信サービスを通じて)センターサーバ2から提供される。なお、パラメータデータPDの他にも、ID管理データ等の各種のデータがゲームデータの一部としてセンターサーバ2から提供されてよい。また、ゲームデータには、例えば、その他にもゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、及び各種のBGMを再生するためのBGMデータ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0021】
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてゲームの提供に必要な各種の処理(センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な処理を含む)が実行されるが、図2の例では、ゲームに関連する論理的装置として、ゲーム提供部33、及びデータ管理部34が示されている。ゲーム提供部33は、ゲームを提供するための各種の処理を実行する。このような処理にはプラットフォームサービスを通じてゲームを提供するための処理が含まれる。一方、データ管理部34は、記憶部32に記憶されるデータを管理するための各種の処理を実行する。このような処理には、プレイデータPDを更新する処理、或いはそのような更新後のプレイデータPDをセンターサーバ2に提供する処理が含まれる。
【0022】
また、ゲーム機3にはアーケードゲーム機3A、或いはユーザ端末装置型のゲーム機3等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、図2の例ではモニタ37、及びスピーカSPがゲーム機3に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれゲーム画面等を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、図2の例では、ゲーム機3に設けられる入力装置として、ユーザのプレイ行為(操作、或いは動作)を入力するための入力装置36が示されている。入力装置36は、ゲーム機3の種類に応じて適宜に構成されてよい。例えば、アーケードゲーム機3Aの場合、入力装置36として複数の押ボタンが設けられたコントロールパネルが用意されてもよい。このような場合、手で押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。また、タッチパッドやタッチパネルディスプレイが入力装置36として利用されてもよい。この場合、これらを手、あるいはタッチ用のペン(いわゆるスタイラスペン)等でタッチする行為がプレイ行為として利用される。
【0023】
一方、例えば、据え置き型ゲーム機3Bの場合、入力装置36として複数の押しボタンを含むキーボード、或いは専用のコントローラが使用されてよい。この場合、それらの押しボタンを押す操作がプレイ行為として利用される。同様に、例えば、携帯型ゲーム機3Cの場合、入力装置36として、例えば、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力するタッチパネルが利用されてよい。この場合、タッチ操作及びその位置がプレイ行為として利用される。また、携帯型ゲーム機3Cに、有線または無線で専用のコントローラ(ゲームの種類等に応じた適宜のコントローラ)が接続され、使用されてもよい。
【0024】
なお、その他にも、例えばアーケードゲーム機3Aには、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨(ポイントを含む)、クレジットカード機能等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が入力装置として設けられてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。また、例えばユーザ端末装置型のゲーム機3の場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3はゲームを有償(追加的範囲のプレイ等のためにゲームの一部が有償の場合を含む)で提供しても、無償(事前にソフトウエアを購入している場合を含む)で提供してもよい。ゲームが有償で提供される場合、ユーザ端末装置型のゲーム機3においてその対価は各種の周知の決済処理を通じて徴収されてよい。
【0025】
次に、図3図5を参照して、プラットフォームサービスの詳細について説明する。プラットフォームサービスは、ゲーム機3を介して複数のゲームをユーザに提供するためのサービスである。このようなゲーム機3として、上述のとおり各種のゲーム装置が利用されてよいが、以下ではゲーム機3の一例として携帯型ゲーム機3Cが使用される場合について説明する。
【0026】
図3は、プラットフォームサービスの概要を説明するための説明図である。図3に示すように、プラットフォームサービスは、携帯型ゲーム機3Cを介して、所定の対価の消費と引き換えにその対価に応じた範囲において各ゲームを提供する。このため、プラットフォームサービスは、このようなゲームを提供するためのゲーム提供サービスを含んでいる。このようなゲームは、上述のとおりストリーミング配信、或いはアプリケーション(プログラム)のダウンロード等の適宜の方法で提供されてよいが、以下では、ストリーミング配信を通じて提供される場合について説明する。この場合、センターサーバ2は、所定の対価の消費に伴いプラットフォームサービスの一部としてその選択結果に対応するゲームを携帯型ゲーム機3Cにストリーミング配信する。そして、このようなストリーミング配信を通じてゲーム提供サービスが実現される。
【0027】
なお、“Aゲーム”等の四つのゲームの少なくとも一部がダウンロード型のアプリケーションを通じて提供される場合、センターサーバ2は、プラットフォームサービスの一部として、そのようなアプリケーションを通じたゲームのプレイを携帯型ゲーム機3Cに許可してもよい。あるいは、そのような対価の消費に伴い、そのようなアプリケーションのダウンロードを携帯型ゲーム機3Cに許可してもよい。
【0028】
また、プラットフォームサービスには、適宜の数のゲームがプレイ候補として用意されてよいが、図3の例では“Aゲーム”、“Bゲーム”、“Cゲーム”、及び“共有価値用ゲーム”の四つのゲームが用意されている。そして、プレイ対象のゲームは、ユーザの選択等を通じて、これらから適宜に決定される。これらのゲームのうち、“Aゲーム”~“Cゲーム”は、上述のような周知の決済処理を通じて徴収される現金等の対価(以下、一次的対価と呼ぶ場合がある)の消費と引き換えに提供されるゲームである。
【0029】
“Aゲーム”~“Cゲーム”は、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、シミュレーションゲーム、或いは音楽ゲーム等適宜のゲーム(それぞれ別種のゲームの場合を含む)として構成されてよいが、以下ではいずれもメダルゲームとして構成される場合について説明する。メダルゲームは、メダルという媒体(物理的媒体、及び電子的媒体のいずれでもよい)を介してプレイされるゲームである。メダルゲームには、例えば、複数のメダルが配置されたフィールドにおいて動作領域のメダルを所定方向に押す押し出し動作を繰り返し実行する器具(いわゆるプッシャー。電子的に構成されてもよい。)の動作領域にユーザがメダルを投入し、そのメダルが器具の押し出し動作を通じて他のメダルを落下位置(或いは獲得位置)まで押した場合にその他のメダルがユーザに付与されるプッシャーゲームが含まれる。同様に、メダルゲームには、ルーレットの結果に応じた量のメダルがユーザに付与されるルーレットゲーム、或いは複数の絵柄を変化させるようにそれぞれ回転する複数のリールの回転がユーザの操作によって停止され、その停止時の複数のリールの絵柄の組み合わせに応じてメダルがユーザに付与されるスロットゲームが含まれる。メダルゲームにおいて、このようなメダルはゲームを進行させるために使用されるゲーム価値として機能する。
【0030】
なお、これらのメダルゲーム等は、ゲーム画面を通じて電子的に提供されてもよいし、物理的な器具等を遠隔的に操作する遠隔操作型のゲームとして提供されてもよい。具体的には、例えば、メダルゲーム等は、上述の器具等に対応するように電子的に表示される仮想器具等を含むゲーム画面を通じて仮想的に提供されてもよい。つまり、これらのメダルゲーム等は、仮想器具、仮想ルーレット、或いは仮想リール等を含むゲーム画面を通じて電子的なゲームとして実現されてよい(ダウンロード型のアプリケーションの場合、例えば、このようなゲーム画面を利用するゲームを提供するように構成されてよい)。あるいは、これらのメダルゲーム等は、物理的な器具等の実際の動作を撮影する撮影画面を介してそれらの器具等の遠隔操作を行う遠隔操作型のゲームとして提供されてもよい。つまり、これらのメダルゲーム等は、例えば、このような撮影画面を表示するユーザ端末装置型のゲーム機3を介して、遠隔地に実際に用意された物理的な器具等を遠隔的に操作する遠隔操作型のゲームとして実現されてもよい。このため、ゲーム提供サービスが提供するストリーミング配信には、これらのゲーム画面の配信、及び撮影画面の配信の両方が含まれてよい。
【0031】
図3の例では、このようなゲーム価値として、“Aゲーム”に含まれる“A価値”、“Bゲーム”に含まれる“B価値”、及び“Cゲーム”に含まれる“C価値”が示されている。“Aゲーム”において“A価値”が付与される条件と、“Bゲーム”において“B価値”が付与される条件とは相違する。具体的には、例えば“Aゲーム”がプッシャーゲームであり、“Bゲーム”がルーレットゲームである場合、プッシャーゲームで得られるメダルの量(あるいは、それらを得るために消費されるメダルの量)とルーレットゲームにおいて得られるメダルの量とは相違する。このため、“A価値”は“Aゲーム”に固有のゲーム価値であり、“B価値”は“Bゲーム”に固有の価値である。つまり、“A価値”を“Bゲーム”で使用することはできないし、その反対に“B価値”を“Aゲーム”において使用することもできない。“Cゲーム”についても同様である。
【0032】
一方、“共有価値用ゲーム”は、共通価値の消費に伴い提供されるゲームである。つまり、“共有価値用ゲーム”は、“Aゲーム”等とはプレイのための対価が相違する別ゲームとして構成される。具体的には、共通価値は、一次的対価を通じて購入される価値であり、“共有価値用ゲーム”の提供のために消費されることにより二次的対価として機能する。また、共通価値は、二次的対価としての機能(用途)の他にもう一つの機能を有している。その機能は、他のゲームにおいてそのゲームに固有のゲーム価値(数値化可能な各種の要素)として、活用(共有)される機能である。具体的には、共通価値は、所定の変換レート(交換率、或いは割合)に従って他のゲーム価値に変換される。また、同様の変換レートに従って他のゲーム価値は共通価値にも変換される。つまり、ゲーム価値と共通価値との間ではゲーム価値毎の変換レートに従って相互に変換可能である。これらのゲーム価値、及び共通価値は、プレイデータPDを介して管理される。また、変換レートはレートデータRDを介して管理される。つまり、プラットフォームサービスは、これらのプレイデータPD及びレートデータRDを介して、このような変換を実行するための変換サービスを含んでいる。
【0033】
図4は、変換サービスの提供のために実行される処理の概略的な手順の一例を示す図である。図4の例は、共通価値が購入される場合の手順の一例を示している。この場合、図4に示すように、変換サービスは、F1~F3までの三つの手順を含んでいる。なお、図4及び図5のそれぞれにおいて図中の手順に直接関係しない構成はグレーにて示してある。
【0034】
具体的には、まず携帯型ゲーム機3Cを介して共通価値の購入が指示される(F1)。共通価値は、適宜の一次的対価の消費に伴い購入されてよいが、以下では電子通貨の消費に伴い(電子通貨によって)購入される場合について説明する。この場合、共通価値の購入として共通価値を購入するために電子通貨の消費が指示される。続いて、共通価値と他のゲーム価値との間の変換が指示される(F2)。このような指示は、共通価値から他のゲーム価値への変換指示と、他のゲーム価値から共通価値への変換指示との両方を含む。例えば、共通価値から他のゲーム価値への変換が指示される場合、その指示には変換対象のゲーム価値の量、及びその変換先のゲーム価値の情報が含まれる。あるいは、その反対に他のゲーム価値から共通価値への変換が指示される場合、その指示には変換元のゲーム価値、及びその変換量の情報が含まれる。
【0035】
携帯型ゲーム機3Cからそのような変換指示が実行されると、センターサーバ2は共通価値と他のゲーム価値との間の変換を実行する(F3)。この変換は、例えば次のように実行される。例えば、共通価値から他のゲーム価値への変換の場合、このような指示が実行されると、まずセンターサーバ2はその指示から変換対象の“共通価値”の量、及び変換先のゲーム価値を判別する。次に、センターサーバ2は、レートデータRDの“変換レート”の情報を参照し、変換先のゲーム価値と共通価値との間の変換レートを判別する。このような変換レートは、ゲーム毎に相違するように設定される。具体的には、例えば、このような変換レートとして、“A価値”には“Aレート”が、“B価値”には“Bレート”が、“C価値”には“Cレート”が、それぞれ設定される。このため、センターサーバ2は、“変換レート”の情報を参照し、これらの変換レートを判別する。そして、このような変換レートに従って変換対象の共通価値の量を変換先のゲーム価値に換算し、その換算結果に従って実際に変換を実行する。より具体的には、センターサーバ2は、このような変換が実現されるようにプレイデータPDの“共通価値”及び“A価値”等の情報を更新する。つまり、センターサーバ2は、プレイデータPDの“共通価値”及び“A価値”等の情報を増減することにより、このような変換を実際に実現する。他のゲーム価値から共通価値への変換の場合も同様である。つまり、センターサーバ2は、まず変換元のゲーム価値、及びその変換量を判別し、変換レートに従ってその変換量を共通価値に換算する。そして、その換算結果をプレイデータPDに反映することにより実際に換算を実現する。一例として、このような手順で変換サービスは実現される。
【0036】
なお、共通価値の購入指示、或いは共通価値と他のゲーム価値との間の変換指示は、例えば適宜の画面を介して実行されてよい。つまり、携帯型ゲーム機3Cは、このような指示を実現するための適宜の画面を提供してよい。また、ユーザが共通価値を既に所有している場合等、共通価値の購入が不要な場合にはF1の手順は適宜に省略されてよい。
【0037】
図5は、ゲーム提供サービスの提供のために実行される処理の概略的な手順の一例を示す図である。図5の例は、プレイ対象のゲームとして“共有価値用ゲーム”が提供される場合を示している。この場合、図5に示すように、ゲーム提供サービスは、F11~F12の二つの手順を含んでいる。具体的には、まず携帯型ゲーム機3Cを介して共通価値の消費が指示される(F11)。この指示は、共通価値の購入指示等と同様に適宜の画面を通じて実現されてよい。また、この指示が実行されると、センターサーバ2は、共通価値を消費する。具体的には、センターサーバ2は、“共有価値用ゲーム”のプレイに必要な共通価値の量をプレイデータPDの“共通価値”から消費する。そして、センターサーバ2は、そのような消費の後に“共有価値用ゲーム”のストリーミング配信を実行する。つまり、そのようなストリーミング配信を通じて“共有価値用ゲーム”を提供する。
【0038】
“共有価値用ゲーム”として、“Aゲーム”等と同様に適宜のゲームが提供されてよいが、例えば、センターサーバ2は、景品獲得ゲームを提供する。景品獲得ゲームは、景品(電子的景品、及び物理的景品等適宜でよい)の獲得を目的とするゲームである。このような景品獲得ゲームには、例えばクレーンゲーム、及び抽選ゲームが含まれる。クレーンゲームは、景品獲得の手段としてクレーンを利用するタイプの景品獲得ゲームである。クレーンは、物理的な捕獲対象を捕獲(取得)するための装置の一種であり、捕獲対象を挟むための複数の爪(多くの場合2つ)を有し、この爪で挟むことによって捕獲対象を掴む(捕獲する)ように構成される。クレーンゲームは、このようなクレーン(遠隔操作の場合を含む)を通じて、収容部の捕獲対象(景品自体の場合が多いが、景品に関連づけられる代替物でもよい)を捕獲し、所定位置(捕獲対象を落下させるための開口の場合が多い)まで運搬することにより景品の獲得を目指すゲームである。一方、抽選ゲームは、景品付与の可否(あるいは付与対象の景品の種類)を判別するための抽選を実行し、抽選結果に従って景品を付与するゲームである。このような抽選ゲームは、ガチャと呼ばれる場合もある。一例として、“共有価値用ゲーム”が提供される場合のゲーム提供サービスは、このような手順で実現される。この場合、“共有価値用ゲーム”が本発明の共通価値用のゲームとして機能する。
【0039】
なお、景品獲得ゲームは適宜に構成されてよいが、例えば上述のようなクレーンを利用したクレーンゲーム、或いは景品を搬送するための搬送機構を含む抽選ゲーム(物理的な搬送機構を利用したガチャ)といった物理的な機構を利用したゲームとして構成される場合、上述のメダルゲーム等と同様に、これらの物理的な機構に対応する電子的な表示を含むゲーム画面を通じて電子的に提供されてもよいし、物理的な機構を実際に遠隔的に操作する遠隔操作型のゲームとして提供されてもよい。このため、“共有価値用ゲーム”は上述のとおり“Aゲーム”等と同様にストリーミング配信及びアプリケーションのダウンロード等の適宜の方法で提供されてよいが、例えばストリーミング配信を通じて提供される場合、このようなストリーミング配信にはゲーム画面の配信及び撮影画面の配信の両方が含まれてよい。また、景品獲得ゲームで提供される景品は適宜でよいが、例えばゲーム画面を通じて提供される場合等、電子的な景品が提供される場合、そのような景品は他のゲームにおいて活用可能に構成されてよい。つまり、景品獲得ゲームは、他のゲーム(“Aゲーム”等のゲーム提供サービスが提供するゲームでもよいし、あるいはゲーム機3とは別のゲーム機が提供する全く別のゲームでもよい)用の景品を提供してもよい。
【0040】
次に、プレイデータPD、及びレートデータRDの詳細について説明する。図6は、プレイデータPDの構成の一例を示す図である。プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。図6の例は、このようなプレイデータPDの変換サービスに関連する部分を示している。この場合、図6に示すように、プレイデータPDは、共通価値、及びゲーム価値の情報をユーザ毎に関連付けて管理するプレイレコードPDRを含んでいる。また、このようなプレイレコードPDRは、“ユーザID”、“共通価値”、“ゲームID”、及び“ゲーム価値”の情報を含んでいる。
【0041】
“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDの情報である。“共通価値”は、上述の共通価値を示す情報である。例えば、“共通価値”として共通価値の残量(所有量)を示す情報が記述される。“ゲームID”は、各ゲームを識別するためにゲーム毎にユニークなゲームIDを示す情報である。例えば、“ゲームID”の情報は、“Aゲーム”等を識別するために使用される。つまり、“ゲームID”には、ゲームIDとして“Aゲーム”等を識別するための情報が記述される。“ゲーム価値”は、各ゲームのゲーム価値を示す情報である。例えば、“ゲーム価値”として、“A価値”等のゲーム価値の残量(所有量)を示す情報が記述される。また、各ゲームに複数のゲーム価値が用意されている場合には、これらの複数のゲーム価値を識別するための情報を“ゲーム価値”の情報は含んでいてよい。プレイレコードPDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この場合、 “ユーザID”の情報が本発明のユーザ識別情報として機能する。また、“共通価値”及び“ユーザID”の情報を含むことにより、プレイデータPDが本発明の価値データとして機能する。なお、プレイデータPDは、これらの情報に限定されず、適宜の情報を管理してよい。
【0042】
図7は、レートデータRDの構成の一例を示す図である。レートデータRDは、共通価値と他のゲーム価値との間の変換を実現するための変換レートを管理するためのデータである。このため、図7に示すように、レートデータRDは、ゲーム毎の変換レートを管理するためのレートレコードRDRを含んでいる。また、このようなレートレコードRDRは、“ゲームID”、及び“変換レート”の情報を含んでいる。“ゲームID”は、プレイデータPDと同様にゲームIDを示す情報である。“変換レート”は、ゲーム毎の変換レートを示す情報である。例えば、共通価値が2倍の“A価値”(“1”の共通価値が“2”の“A価値”)に変換される場合、“変換レート”の情報として“2”が記述されてよい。あるいは、例えば共通価値が0.5倍の“B価値”(“1”の共通価値が“0.5”の“B価値”)に変換される場合、“変換レート”の情報として“0.5”が記述されてよい。この場合、“A価値”の変換レートを示す“2”、及び“B価値”の変換レートを示す“0.5”等のゲーム価値毎に異なる変換レートが本発明の異なる変換レートとして機能する。
【0043】
また、“変換レート”は、これらの共通価値からゲーム価値への変換レート(以下、通常変換レートと呼ぶ場合がある)の情報とは別に“A価値”等のゲーム価値から共通価値への変換レート(以下、戻し変換レートと呼ぶ場合がある)の情報を別途含んでいてもよいし、そのような戻し変換レートは通常変換レートから適宜に算出されてもよい。具体的には、例えば“A価値”の戻し変換レートとして、“変換レート”は共通価値の半分(1/2)を示す“0.5”の情報を含んでいてもよいし、“変換レート”に基づいて1対2の変換レートに対応するように価値の単数(1)を変換レート(“2”)で除算した“0.5”の値が適宜に算出されてもよい。レートレコードRDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、通常変換レート及び戻し変換レートは適宜に設定されてよい。例えば、これらは互いに相違していてもよい。具体的には、例えば、同等の量(同じ価値)が変換される場合、共通価値からゲーム価値への変換よりもゲーム価値から共通価値への変換の方が変換後の量(価値)が少なくなるように戻し変換レートの方が通常変換レートよりも低く設定されていてもよい。あるいは、その反対に戻し変換レートの方が通常変換レートよりも高く設定されていてもよい。また、レートデータRDは、これらの情報に限定されず、適宜の情報を管理してよい。
【0044】
次に、図8図9を参照して、価値変換処理、及びゲーム提供処理について説明する。価値変換処理は、共通価値と他のゲーム価値との間の変換を実現するための処理である。より具体的には、図4の例のF3の手順を実現するための処理である。ゲーム機サービス管理部24は、携帯型ゲーム機3Cを介して変換指示が実行されると、図8の価値変換処理を開始し、まず変換元の価値、及び変換先の価値を判別する(ステップS101)。この判別は、変換指示に含まれる変換元の価値、及び変換先の価値の情報に基づいて実行される。具体的には、例えば共通価値から“A価値”等の他のゲーム価値への変換が実行される場合、変換元として共通価値が、変換先として他のゲーム価値(“A価値”等)が、それぞれ判別される。同様に、その逆の変換が実行される場合には、その逆に変換元として他のゲーム価値(“A価値”等)が、変換先として共通価値が、それぞれ判別される。
【0045】
続いてゲーム機サービス管理部24は、レートデータRDを参照し、変換レートを判別する(ステップS102)。具体的には、ゲーム機サービス管理部24は、レートデータRDを参照し、ステップS101で判別した変換先の価値と変換元の価値との間の“変換レート”の情報を変換レートとして判別する。次に、ゲーム機サービス管理部24は、ステップS102で判別した変換レートに従って、変換元の価値を変換先の価値に換算する(ステップS103)。例えば、ゲーム機サービス管理部24は、ステップS102で判別した変換レートの値を変換元の価値に積算することにより、この換算を実現する。具体的には、例えば、変換元の価値、及び変換先の価値がそれぞれ共通価値、及び“A価値”の場合、変換対象の共通価値の量(変換指示に含まれる情報、例えば“1”)に通常変換レート(例えば“2”)を積算し、その積算値(例えば“2”)を換算結果の変換先の価値として取得する。あるいは、その反対に“2”の“A価値”が共通価値に変換される場合、変換対象の“2”に戻し変換レート(例えば“0.5”)を積算し、その積算値(例えば“1”)を換算結果の変換先の価値として取得する。
【0046】
続いてゲーム機サービス管理部24は、変化指示に対応する価値の変換を実行する(ステップS104)。具体的には、ゲーム機サービス管理部24は、ステップS103の換算結果を反映するようにプレイデータPDの“共通価値”等の情報を更新する。例えば、“1”の共通価値が“2”の“A価値”に変換される場合、“共通価値”の残量が“1”減少し、“A価値”の残量が“2”増加するようにプレイデータPDを更新することにより、このような変換を実現する。あるいは、その反対に“2”の“A価値”が“1”の共通価値に変換される場合、“A価値”の残量が“2”減少し、“共通価値”の残量が“1”増加するようにプレイデータPDを更新することにより、このような変換を実現する。そして、ゲーム機サービス管理部24は、このような変換の後に今回の価値変換処理を終了する。これにより、共通価値と他のゲーム価値との間の変換、つまり共通価値から他のゲーム価値への変換、或いは他のゲーム価値から共通価値への変換が所定の変換レートに従って実現される。より具体的には、図4のF3の手順が実現される。
【0047】
一方、ゲーム提供処理は、共通価値の消費に伴い“共通価値用ゲーム”を提供するための処理である。共通価値の消費指示は、共通価値が“共通価値用ゲーム”のプレイに必要な残量を有する場合に許可されてもよいし(例えば残量が不十分の場合、共通価値の指示が実行できない等、事前に取得済みのプレイデータPDに基づいて携帯型ゲーム機3C側で可不可が判別されてよい)、そのような指示の後に必要な残量の有無が判別され、その指示に対応する消費の可不可が判別されてもよい(例えば、センターサーバ2側で残量の適否が判別され、残量が不十分の場合には消費の不許可が通知されてもよい)。図9の例は、共通価値が“共通価値用ゲーム”のプレイに必要な残量を有する場合に共通価値の消費指示が許可される場合(消費の指示の時点において共通価値の残量が適切な場合)のゲーム提供処理を示している。この場合、ゲーム機サービス管理部24は、携帯型ゲーム機3Cを介して変換指示が実行されると、図9のゲーム提供処理を開始し、まずその消費指示に従って共通価値を消費する(ステップS201)。つまり、ゲーム機サービス管理部24は、その消費指示に含まれる必要量(“共通価値用ゲーム”のプレイに必要な量)の情報(この必要量が固定的な場合、消費指示はこのような量の情報ではなく、消費の可否を示す情報だけを含み、その固定的な量が必要量として機能してもよい)に基づいて共通価値を消費する。より具体的には、ゲーム機サービス管理部24は、プレイデータPDの“共通価値”の残量をその必要量だけ減少させることにより、この消費を実現する。つまり、このような商品を反映するようにプレイデータPDを更新することにより、この消費を実現する。
【0048】
続いてゲーム機サービス管理部24は、携帯型ゲーム機3Cを介して“共通価値用ゲーム”を提供する(ステップS202)。より具体的には、“共通価値用ゲーム”のプレイを実現するためのストリーミング配信を開始する。そして、このゲームの提供(ストリーミング配信の開始)の後に、ゲーム機サービス管理部24は今回のゲーム提供処理を終了する。これにより、共通価値の消費に伴い“共通価値用ゲーム”が提供される。換言すれば、共通価値が“共通価値用ゲーム”の提供に必要な二次的対価として機能する。より具体的には、図5のF11(センターサーバ2側の手順に相当する部分)、及びF12の手順が実現される。
【0049】
以上に説明したように、この形態によれば、プラットフォームサービスに含まれる変換サービスを通じて共通価値と各ゲームに固有のゲーム価値との間の変換が実現される。より具体的には、共通価値は通常変換レートに基づいて“A価値”等の他のゲームに固有のゲーム価値に換算される。このため、そのような変換レートを利用し、共通価値をより適切にゲーム価値として換算することができる。そして、そのような換算結果に基づいて共通価値が実際にゲーム価値に変換される。これにより、このような変換レートがなく一律に等価の変換が実行される場合に比べて、共通価値をより適切にゲーム価値に変換することができる。特に、プラットフォームサービスは“Aゲーム”だけでなく、“Bゲーム”等の複数のゲームを提供し、かつ互いに価値の高さが異なる“A価値”及び“B価値”等を含むため、共通価値がいずれのゲーム価値とも一律に交換されると、共通価値をより適切に各ゲーム価値に反映できない可能性が高くなってしまう。このため、このような変換レートを利用し、共通価値をより適切に各ゲーム価値に反映することができる。
【0050】
また、その反対にゲーム価値は戻し変換レートに基づいて共通価値に変換される。つまり、戻し変換レートを利用し、ゲーム価値から共通価値への戻しが実現される。これにより、共通価値の利便性を向上させることができる。具体的には、例えば“Aゲーム”等のゲームが“A価値”等のゲーム価値を次回のプレイに持ち越すことができないゲームである場合、共通価値を利用して、このような持ち越しを実現することができる。さらに、共通価値の交換先としてその他にも“B価値”等の複数のゲーム価値が用意されているため、共通価値を介してそれらのゲーム価値間の相互利用(“A価値”の“B価値”への交換)を実現することができる。特に、プッシャーゲーム等、“Aゲーム”等がゲームのプレイ状況に応じて増加する場合、これらの持ち越し、或いは他のゲーム価値への交換に対するユーザのニーズは大きい傾向にある。このため、このような共通価値の利便性向上により、このようなニーズに応えることができる。
【0051】
さらに、プラットフォームサービスは、プレイ候補のゲームとして“共通価値用ゲーム”を含み、共通価値が消費された場合にゲーム提供サービスを通じてその“共通価値用ゲーム”が提供される。これにより、共通価値に所定の対価の一種としての機能を付与することができる。つまり、ゲーム価値に変換可能な機能だけでなく、ゲーム用の対価としての機能を共通価値に与えることができる。これらにより、共通価値の利便性を更に向上させることができる。結果として、プラットフォームサービスの利便性向上を図ることができる。
【0052】
以上の形態において、センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が、図8の処理を実行することにより本発明の価値換算手段、価値変換手段、戻し換算手段、及び価値戻し手段として機能する。より具体的には、図8の処理を通じて共通価値からゲーム価値への変換が実行される場合において、ゲーム機サービス管理部24が図8のステップS103の処理を実行することにより価値換算手段として、図8のステップS104の処理を実行することにより価値変換手段として、それぞれ機能する。一方、図8の処理を通じてゲーム価値から共通価値への変換(戻し)が実行される場合において、ゲーム機サービス管理部24が図8のステップS103の処理を実行することにより戻し換算手段として、図8のステップS104の処理を実行することにより価値戻し変換手段として、それぞれ機能する。さらに、センターサーバ2のゲーム機サービス管理部24が、図9のステップS202の処理を実行することにより本発明のゲーム提供手段として機能する。一方、センターサーバ2の記憶部22が、プレイデータRDを記憶することにより本発明の価値データ記憶手段として機能する。同様に、センターサーバ2の記憶部22が、レートデータRDを記憶することにより本発明のレートデータ記憶手段として機能する。
【0053】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、共通価値とゲーム価値との間では双方向の交換が実現されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、これらの間のいずれか一方向の交換だけが実行されてもよい。例えば、ゲーム価値から共通価値への交換だけが実行される場合でも、“共通価値用のゲーム”の対価としての機能等、共通価値がゲーム価値への交換以外の他の機能(用途)を有していれば共通価値の利便性を向上させることができる。また、共通価値の他の機能は、“共通価値用のゲーム”の対価に限定されない。このような他の機能として、例えば“共通価値用のゲーム”においてゲーム中に消費される価値等の適宜の機能が採用されてよい。一方、このような他の機能は、省略されてもよい。つまり、共通価値は、他のゲーム価値への交換専用の価値として機能してもよい。
【0054】
上述の形態では、ゲーム価値としてメダルが例示されている。しかし、ゲーム価値は、このような形態に限定されない。ゲーム価値として、ゲームに含まれる各種の要素(ゲームの進行等のために消費される要素)が機能してよい。
【0055】
また、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3が実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2及びゲーム機3が適宜に協働してプラットフォームサービス等の各種のサービスを実現するように構成されてもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0056】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0057】
本発明のゲームシステムは、進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつ前記ゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データ(PD)を介して前記共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステム(1)であって、前記ゲーム価値と前記共通価値との間の変換レートが記述されたレートデータ(RD)の前記変換レートに従って前記共通価値を前記ゲーム価値に換算する価値換算手段(24)と、前記価値換算手段の換算結果に従って前記ゲーム価値及び前記共通価値が増減するように前記共通価値を前記ゲーム価値に変換する価値変換手段(24)と、を備えるものである。
【0058】
本発明によれば、共通価値は変換レートに基づいてゲーム価値に換算される。このため、変換レートを利用し、共通価値をより適切にゲーム価値として換算することができる。そして、そのような換算結果に基づいて共通価値が実際にゲーム価値に変換される。これにより、共通価値をより適切にゲーム価値に変換することができる。結果として、共通価値をより適切にゲーム価値に反映することができる。
【0059】
ゲームシステムは各種の構成でゲームを提供してよい。例えば、ゲームシステムは一台のゲーム機として構成され、直接的にゲームを提供してよい。あるいは、ゲームシステムは、ネットワークを介して接続されたゲーム機を通じてゲームを提供してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームは、当該ゲームを提供するゲーム機(3)がネットワーク(NT)を介して接続される場合に、当該ゲーム機を介して提供されてもよい。
【0060】
ゲーム価値を含むゲームとして、一つのゲームが利用されてもよいし、複数のゲームが利用されてもよい。つまり、共通価値の交換先は、一つのゲーム価値(一つのゲーム用の場合、及び複数のゲーム用の場合の両方を含む)であってもよいし、複数のゲーム価値(一つのゲーム用であってもよいし、複数のゲームにそれぞれ対応していてもよい)であってもよい。また、共通価値の交換先が複数存在する場合、変換レートはそれらの交換先の間で一律であってもよいし、それらの交換先の一部の間で相違していてもよい。あるいは、変換レートは、それらの交換先の全部の間で互いに異なっていてもよい。このため、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記レートデータには、前記ゲームが複数のゲーム価値をそれぞれ利用する複数のゲームを含む場合に、前記変換レートとしてゲーム価値毎に異なる変換レートが各ゲーム価値に関連づけられるように記述され、前記価値換算手段は、前記変換レートとして前記異なる変換レートに従って前記ゲーム価値毎に前記異なる変換レートで前記共通価値を各ゲーム価値に換算してもよい。また、ゲームシステムが各種の構成でゲームを提供してよいのは上述のとおりであるが、例えば、この態様において、前記複数のゲームは、当該複数のゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム機(3)がネットワーク(NT)を介して接続される場合に、当該複数のゲーム機を介してそれぞれ提供されてもよい。
【0061】
共通価値には、ゲーム価値への交換以外の他の用途(機能)が設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。他の用途が設けられる場合、適宜の用途が設けられてよい。例えば、このような用途として、共通価値用のゲームが利用されてもよい。つまり、共通価値は、ゲームにおいて直接的(プレイ開始のために消費される場合、及びプレイ中にゲーム内において消費される場合の両方を含む)に使用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記共通価値の消費と引き換えに前記ゲームとは別のゲームとして共通価値用のゲームを提供するゲーム提供手段(24)を更に備える態様が採用されてもよい。また、ゲームシステムが各種の構成でゲームを提供してよいのは上述のとおりであるが、例えば、この態様において、前記ゲーム提供手段は、前記共通価値用のゲームを提供するゲーム機(3)がネットワーク(NT)を介して接続される場合に、当該ゲーム機を介して前記共通価値用のゲームを提供してもよい。
【0062】
共通価値とゲーム価値との間の変換は一方向に限定されてもよいし、双方向に実行されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記変換レートに従って前記ゲーム価値を前記共通価値に換算する戻し換算手段(24)と、前記戻し換算手段の換算結果に従って前記共通価値及び前記ゲーム価値が増減するように前記ゲーム価値を前記共通価値に戻す価値戻し手段(24)と、を備える態様が採用されてもよい。この場合、共通価値の利便性を向上させることができる。具体的には、例えば、ゲーム価値を次回のプレイに持ち越すことができないゲームにおいて、共通価値を介してこのような持ち越しを実現することができる。あるいは、共通価値の交換先として複数のゲーム価値が用意される場合、共通価値を介して複数のゲーム価値間の相互利用(一のゲーム価値の他のゲーム価値への交換)を実現することができる。特に、ゲーム価値がゲームのプレイ状況に応じて増加する場合、これらの持ち越し、或いは他のゲーム価値への交換に対するユーザのニーズは大きい傾向にある。共通価値の利便性向上により、このようなニーズに応えることができる。
【0063】
ゲームは各種の用途にゲーム価値を利用するように構成されてよい。例えば、ゲーム価値は、共通価値との交換によってのみ増加してもよいし、他の手法(例えば現金等による購入)によって増加してもよい。このような他の手法には、ゲームのプレイ状況が含まれてもよい。具体的には、例えば、ゲーム価値が共通価値に戻される態様において、前記ゲームは、プレイ状況に応じて前記ゲーム価値の残量を増加させるように構成されていてもよい。
【0064】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG1)は、前記価値データを記憶する価値データ記憶手段(22)、及び前記レートデータを記憶するレートデータ記憶手段(22)に接続されるコンピュータ(21)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0065】
また、本発明の制御方法は、進行のために使用されるゲーム価値を含むゲームを提供し、かつ前記ゲーム価値に変換可能な共通価値と各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とが関連づけられるように記述された価値データ(PD)を介して前記共通価値を前記ゲーム価値とは別の価値として管理するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記ゲーム価値と前記共通価値との間の変換レートが記述されたレートデータの前記変換レートに従って前記共通価値を前記ゲーム価値に換算する価値換算手順と、前記価値換算手順の換算結果に従って前記ゲーム価値及び前記共通価値が増減するように前記共通価値を前記ゲーム価値に変換する価値変換手順と、を実行させるものである。
【符号の説明】
【0066】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
21 制御ユニット(コンピュータ)
22 記憶部(価値データ記憶手段、レートデータ記憶手段)
24 ゲーム機サービス管理部(価値換算手段、価値変換手段、ゲーム提供手段、戻し換算手段、価値戻し手段)
NT ネットワーク
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9