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  • 特許-回転可能なファラデー洗浄装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】回転可能なファラデー洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20231113BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
H01L21/302 101H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022504724
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2020077309
(87)【国際公開番号】W WO2021134890
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-03-20
(31)【優先権主張番号】201911413106.3
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519453825
【氏名又は名称】江蘇魯▲もん▼儀器股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LEUVEN INSTRUMENTS CO. LTD
【住所又は居所原語表記】Liaohe West Road 8, Pizhou Economic Development Zone Xuzhou, Jiangsu 221300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】劉 海洋
(72)【発明者】
【氏名】胡 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】劉 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 娜
(72)【発明者】
【氏名】程 実然
(72)【発明者】
【氏名】郭 頌
(72)【発明者】
【氏名】呉 志浩
(72)【発明者】
【氏名】許 開東
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110491760(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110223904(CN,A)
【文献】特開2008-288437(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0016480(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
H01L 21/461
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバー本体、バイアス電極および洗浄機構を含み、
前記バイアス電極は、前記反応チャンバー本体の内側の下側に取り付けられ、前記洗浄機構は、前記反応チャンバー本体内部の上側に配置され、
記洗浄機構は、チャンバー蓋、モーター、偏心ホイール、長い花弁状アセンブリ、結合窓、ガス吸入ノズル、コネクティングロッド、短い花弁状アセンブリ、第1扇状導体、および第2扇状導体を含み、前記チャンバー蓋は前記反応チャンバー本体の上側に取り付けられ、前記結合窓は前記チャンバー蓋の内側に取り付けられ、前記ガス吸入ノズルは前記結合窓の中央部に設けられ、前記第1扇状導体は前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記第2扇状導体は前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記長い花弁状アセンブリの一側は前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記短い花弁状アセンブリは前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記コネクティングロッドの一側は前記長い花弁状アセンブリの他の一側に取り付けられ、前記偏心ホイールは前記コネクティングロッドの他の一側に取り付けられ、前記モーターは前記偏心ホイールの上側に取り付けられ
前記第1扇状導体、前記第2扇状導体および前記モーターに電源が投入されると、前記第1扇状導体および前記第2扇状導体を介して生じる洗浄用外部イオンが前記結合窓の下側に入ることにより前記ガス吸入ノズルに沿って前記反応チャンバー本体内のほこりが排出されるとともに、前記モーターにより前記偏心ホイールを介して前記コネクティングロッドが駆動され、前記長い花弁状アセンブリおよび前記短い花弁状アセンブリが前記ガス吸入ノズルの周りを一定角度往復回転する、ファラデー洗浄装置。
【請求項2】
前記ガス吸入ノズルの環状側面には回転軸が取り付けられ、前記長い花弁状アセンブリおよび前記短い花弁状アセンブリの内側は、前記回転軸に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置。
【請求項3】
前記コネクティングロッドの両側にはそれぞれヒンジが取り付けられ、前記コネクティングロッドの一側はヒンジによって前記偏心ホイールに接続され、前記コネクティングロッドの他の一側はヒンジによって前記長い花弁状アセンブリに接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置。
【請求項4】
前記バイアス電極、前記第1扇状導体、前記第2扇状導体および前記モーターは、いずれもワイヤを介して外部電源に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置。
【請求項5】
前記長い花弁状アセンブリは同じもので4つ配置され、前記短い花弁状アセンブリは同じもので4つ配置され、前記4つの長い花弁状アセンブリおよび前記4つの短い花弁状アセンブリは、前記ガス吸入ノズルの外側に均等に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置。
【請求項6】
前記チャンバー蓋の上側にはシールカバーが取り付けられており、前記シールカバーの下側にはゴムガスケットが取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のファラデー洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICPチャンバー洗浄技術の技術分野に関し、特に回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造プロセスにおいて、エッチングは最も重要な処理フローの1つであり、プラズマエッチングは、一般的に使用されるエッチング方法の1つである。通常、エッチングは真空反応チャンバー内で行い、真空反応チャンバーは一般的に、ウェーハおよび高周波負荷の載置および吸着、ウェーハの冷却などの役割を果たす静電チャックを含む。
【0003】
従来、半導体集積回路をエッチングする際、誘導結合プラズマ(ICP)反応チャンバーをよく使用している。しかしながら、製造時において、死角が多く、従来の反応チャンバーが固定されているため、結合窓(coupling window)の内部を洗浄できないことが多く、内部の総合的な洗浄には不便である。既存のICP反応チャンバーにおける洗浄が不便である問題を解決するため、すぐにでも回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムを提供することにより、背景技術において提起された問題を解決し、適切な構造を有し、ICP反応チャンバーを効果的・全面的に容易に洗浄することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するための本発明に係る回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムは、反応チャンバー本体、バイアス電極および回転可能な洗浄機構を含み、
前記バイアス電極は、前記反応チャンバー本体の内側の下側に取り付けられ、前記回転可能な洗浄機構は、前記反応チャンバー本体内部の上側に配置され、
前記回転可能な洗浄機構は、チャンバー蓋、モーター、偏心ホイール、長い花弁状アセンブリ、結合窓、ガス吸入ノズル、コネクティングロッド、短い花弁状アセンブリ、第1扇状導体、および第2扇状導体を含み、前記チャンバー蓋は前記反応チャンバー本体の上側に取り付けられ、前記結合窓は前記チャンバー蓋の内側に取り付けられ、前記ガス吸入ノズルは前記結合窓の中央部に設けられ、前記第1扇状導体は前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記第2扇状導体は前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記長い花弁状アセンブリは前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記短い花弁状アセンブリは前記ガス吸入ノズルの外側に取り付けられ、前記コネクティングロッドは前記長い花弁状アセンブリの左側に取り付けられ、前記偏心ホイールは前記コネクティングロッドの一側に取り付けられ、前記モーターは前記偏心ホイールの上側に取り付けられている
【0006】
さらに、前記ガス吸入ノズルの環状側面には回転軸が取り付けられ、前記長い花弁状アセンブリおよび前記短い花弁状アセンブリの内側は、前記回転軸に接続されている。
【0007】
さらに、前記コネクティングロッドの両側にはヒンジが取り付けられ、前記コネクティングロッドの一側はヒンジによって前記偏心ホイールに接続され、前記コネクティングロッドの他の一側はヒンジによって前記長い花弁状アセンブリに接続されている。
【0008】
さらに、前記バイアス電極、前記第1扇状導体、前記第2扇状導体および前記モーターは、いずれもワイヤを介して外部電源に接続されている。
【0009】
さらに、前記長い花弁状アセンブリは同じ仕様で4つ配置され、前記短い花弁状アセンブリは同じ仕様で4つ配置され、前記4つの長い花弁状アセンブリおよび前記4つの短い花弁状アセンブリは、前記ガス吸入ノズルの外側に均等に配置されている。
【0010】
さらに、前記チャンバー蓋の上側にはシールカバーが取り付けられており、前記シールカバーの下側にはゴムガスケットが取り付けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムによれば、チャンバー蓋、モーター、偏心ホイール、長い花弁状アセンブリ、結合窓、ガス吸入ノズル、コネクティングロッド、短い花弁状アセンブリ、第1扇状導体および第2扇状導体をさらに有することにより、ICP反応チャンバーの効果的に回転洗浄でき、既存のICP反応チャンバーが洗浄不便であるとの問題を解決し、本発明の洗浄利便性を向上できる。
【0012】
さらに、ガス吸入ノズルの環状側面に回転軸を取り付けられ、長い花弁状アセンブリおよび短い花弁状アセンブリの内側が回転軸に接続されているため、長い花弁状アセンブリおよび短い花弁状アセンブリを効果的に回転させ、結合窓の表面をより均一に洗浄できる。また、コネクティングロッドの両側にヒンジが取り付けられ、コネクティングロッドの一側がヒンジによって偏心ホイールに接続され、コネクティングロッドの他の一側がヒンジによって長い花弁状アセンブリに接続されているため、結合窓内部の死角により完全に洗浄されないことを回避できる。なお、バイアス電極、第1扇状導体、第2扇状導体およびモーターがいずれもワイヤを介して外部電源に接続されているため、反応チャンバー本体が効果的に機能することを可能にする。また、チャンバー蓋の上側にシールカバーが取り付けられ、シールカバーの下側にゴムガスケットが取り付けられていることにより、シーリングおよび防塵の効果を奏する。本発明は、適切な構造を有し、ICP反応チャンバーを効果的・全面的に容易に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、図面および非限定的な実施形態に関する詳細な説明を参照することにより、本発明の他の技術的特徴、目的および有益な効果がさらに明確になる。
図1】本発明に係る回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムの構造を示す図である。
図2】本発明に係る回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける回転可能な洗浄機構の構造を示す図である。
図3】本発明に係る回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムにおける結合窓の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る技術的解決手段、発明の特徴、本発明により達成された目的および効果をさらに理解しやすくするため、以下、具体的な実施形態を参照しながらさらに説明する。
【0015】
図1から図3に示すように、本発明に係る回転可能なファラデー洗浄装置およびプラズマ処理システムは、反応チャンバー本体1、バイアス電極2および回転可能な洗浄機構3を含み、バイアス電極2は、反応チャンバー本体の内側の下側に取り付けられ、回転可能な洗浄機構3は、反応チャンバー本体1内部の上側に配置されている。
【0016】
回転可能な洗浄機構3は、チャンバー蓋31、モーター32、偏心ホイール33、長い花弁状アセンブリ34、結合窓35、ガス吸入ノズル36、コネクティングロッド331、短い花弁状アセンブリ341、第1扇状導体361および第2扇状導体362を含む。チャンバー蓋31は、反応チャンバー本体1の上側に取り付けられている。結合窓35は、チャンバー蓋31の内側に取り付けられている。ガス吸入ノズル36は、結合窓35の中央部に設けられている。第1扇状導体361は、ガス吸入ノズル36の外側に取り付けられている。第2扇状導体362は、ガス吸入ノズル36の外側に取り付けられている。長い花弁状アセンブリ34は、ガス吸入ノズル36の外側に取り付けられている。短い花弁状アセンブリ341は、ガス吸入ノズル36の外側に取り付けられている。コネクティングロッド331は、長い花弁状アセンブリ34の左側に取り付けられている。偏心ホイール33は、コネクティングロッド331の前側に取り付けられている。モーター32は、偏心ホイール33の上側に取り付けられている。このような設計により、既存のICP反応チャンバーの洗浄が不便であるとの問題が解決される。
【0017】
ガス吸入ノズル36の環状側面には回転軸が取り付けられ、長い花弁状アセンブリ34および短い花弁状アセンブリ341の内側は、回転軸に接続されている。このような設計は、結合窓35の表面がより均一に洗浄されるように、長い花弁状アセンブリ34および短い花弁状アセンブリ341を効果的に回転できる。コネクティングロッド331の前後両側にはヒンジが取り付けられ、コネクティングロッド331の一側は、ヒンジによって偏心ホイール33に接続され、コネクティングロッド331の他の一側は、ヒンジによって長い花弁状アセンブリ34に接続されている。このような設計は、結合窓35内部の死角により完全に洗浄されないことを回避できる。
【0018】
バイアス電極2、第1扇状導体361、第2扇状導体362およびモーター32は、いずれもワイヤを介して外部電源に接続されている。このような設計は、反応チャンバー本体1が効果的に機能することを可能にする。長い花弁状アセンブリ34と短い花弁状アセンブリ341とは同間隔でガス吸入ノズル36の外側に均等に配置され、同じ仕様の長い花弁状アセンブリ34が4つ配置され、同じ仕様の短い花弁状アセンブリ341が4つ配置されている。このような設計は、長い花弁状アセンブリ34および短い花弁状アセンブリ341が、モーター32の動作中において、一定角度だけモーター32の中心軸の周りを前後に回転することを可能にし、全面的な洗浄を容易にする。チャンバー蓋31の上側にはシールカバーが取り付けられており、シールカバーの下側にはゴムガスケットが取り付けられている。このような設計は、シーリングおよび防塵の効果を奏する。
【0019】
本発明の一つの実施形態において、作業者は、まず、ワイヤを介して反応チャンバー本体1内のバイアス電極2およびモーター32を外部電源に接続する。モーター32は、コネクティングロッド331を駆動させることにより、長い花弁状アセンブリ34および短い花弁状アセンブリ341を一定角度だけ回転させ、結合窓35内の下側の洗浄を容易にする。バイアス電極2は、反応チャンバー本体1の内部連通が可能となるように動作する。第1扇状導体361および第2扇状導体362に電源が投入された後、外部イオンが結合窓35の下側に入ることにより、ガス吸入ノズル36に沿って反応チャンバー本体1内のほこりが便利に排出され、結合窓35、チャンバー蓋31および反応チャンバー本体1の内部を迅速かつ効率的に洗浄できる。
【0020】
以上のとおり、本発明の基本原理および主な特徴ならびに本発明の有益な効果について説明したが、いわゆる当業者にとって、本発明は上述した例示的な実施形態の詳細に限定されないことは明らかである。さらに、本発明は、本発明の技術的思想または基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態によっても実施できる。したがって、実施形態は、任意の観点から例示的なものであり、非限定的なものであるとみなされるべきである。本発明の保護範囲は、上述の説明ではなく、特許請求の範囲によって定められる。したがって、本発明の特許請求の範囲は、それに対する均等の範囲内のすべての変形を含む。特許請求の範囲内の参照記号は、関連する特許請求の範囲に対する制限とみなされてはいけない。
【0021】
さらに、本明細書は実施形態にしたがって説明されているが、すべての実施形態が1つの独立した技術解決手段しか含まれないことではないことを理解すべきである。本明細書は、単にわかりやすくするために説明されているのみである。いわゆる当業者は、本明細書を全体的に考慮する必要があり、各実施形態に係る技術的解決手段は、さらに適切に組み合わせられ、いわゆる当業者により理解され得る他の実施形態を形成できる。
【符号の説明】
【0022】
1 反応チャンバー本体、
2 バイアス電極、
3 回転可能な洗浄機構、
31 チャンバー蓋、
32 モーター、
33 偏心ホイール、
34 長い花弁状アセンブリ、
35 結合窓、
36 ガス吸入ノズル、
331 コネクティングロッド、
341 短い花弁状アセンブリ、
361 第1扇状導体、
362 第2扇状導体。
図1
図2
図3