(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】バンド締結具
(51)【国際特許分類】
F16B 2/08 20060101AFI20231113BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20231113BHJP
B65D 63/16 20060101ALI20231113BHJP
B65D 63/18 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
F16B2/08 N
A44B99/00 611Z
B65D63/16 D
B65D63/18 B
(21)【出願番号】P 2023091439
(22)【出願日】2023-06-02
【審査請求日】2023-06-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年5月11日東北電力ネットワーク(株)配電部において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月20日因幡電機産業(株)商品部において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月20日因幡電機産業(株)近畿電設において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月13日九州電力送配電(株) 配電本部配電技術センター内 用品管理技術グループにおいて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年3月24日ミツワ電機(株)購買部において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年3月14日(株)九電工北九州支店において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年10月18日内田鍛工(株)本社2階において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年7月26日九州内田鍛工(株)において公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000225474
【氏名又は名称】内田鍛工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】永作 圭
(72)【発明者】
【氏名】田中 隼人
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-298084(JP,A)
【文献】特開平10-196613(JP,A)
【文献】実開昭54-131660(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00- 2/26
G09F 7/18
A62B 1/00- 5/00
A62B 35/00-99/00
B65D 63/16
B65D 63/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結具本体と、該
締結具本体に起倒可能に取付けられたバンド締付用の操作レバーとを備えたバンド
締結具であって、
前記操作レバーの基部近傍にバンド挿通孔が形成され、
前記
締結具本体に一端を連結固定されたバンドの他端が、前記
締結具本体に対して前記操作レバーを外方に倒した状態で前記バンド挿通孔に通され、前記操作レバーを回転させて
該締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させることにより、該操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向して前記バンドの他端部側が挟持されて該バンドが締付けられるようになっており、
前記操作レバーの一方側部及び前記
締結具本体の一方側部には、各々、複数の略柱状の突起部が設けられ、
複数の前記突起部は、いずれも、断面が略四角形に形成されており、
前記各々に設けられた前記突起部は、
前記操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向して配置された際に干渉しないように互い違いに形成されているとともに、
前記操作レバーを該
締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にすると、
前記バンドの短手方向に略一列に並ぶように配置されていることを特徴とするバンド締結具。
【請求項2】
前記操作レバーを前記
締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にした際に、
前記バンドの短手方向に略一列に並ぶように配置された前記突起部は、隣接する該突起部同士のクリアランスが前記バンドの厚み程度の寸法になっていることを特徴とする請求項1に記載のバンド締結具。
【請求項3】
締結具本体と、該
締結具本体に起倒可能に取付けられたバンド締付用の操作レバーとを備えたバンド
締結具であって、
前記操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にすると、該操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向してバンドを挟持できるようになっており、
前記操作レバーの一方側部及び前記
締結具本体の一方側部には、各々、複数の略柱状の突起部が設けられ、
複数の前記突起部は、いずれも、断面が略n角形(nは4以上の整数)或いは円形に形成されており、
前記各々に設けられた前記突起部は、
前記操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向して配置された際に干渉しないように互い違いに形成されているとともに、
前記操作レバーを該
締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にすると、
前記バンドの短手方向に略一列に並ぶように配置されていることを特徴とするバンド締結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンド締結具に関し、例えば、電柱用バンドや荷造り用バンド等に用いられるバンド締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電柱に対して防護板や広告標識、電線管やケーブル等の固定のため、樹脂製もしくはステンレス製のバンド締付具が使用されている。例えば、特許文献1には、電柱用バンドや荷造り用バンド等に用いられるバンド締付具が開示されている。
特許文献1に記載されたバンド締付具は、締付具本体にバンド締付用の操作レバーを起倒可能に取付け、その操作レバーの基部近傍にバンド挿通孔を形成し、上記締付具本体に一端を連結固定したバンドの他端を、締付具本体に対して操作レバーを外方に起こした状態でバンド挿通孔に通して上記操作レバーを締付具本体側に倒すことによってバンドを締付けるようにしたバンド締付具において、上記操作レバーの基部近傍の締付具本体に、上記バンド挿通孔にバンドを挿通する際のガイド孔を設け、上記操作レバーを締付具本体の外方に起こしたとき上記ガイド孔にバンド挿通孔が連続的に連通するように構成されている。
【0003】
特に、近年では樹脂製のバンド締付具が多く利用されており、樹脂部材の中にアラミド繊維やガラス繊維、鋼線等の芯線を複数本内蔵した樹脂製バンドが使用されることが、例えば、特許文献2に開示されている。
【0004】
また、バンドを押さえる構造として爪状や線状の凹凸形状を備えることで、バンドを係止めできることが、例えば、特許文献3や特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-009222号公報
【文献】特開2017-141887号公報
【文献】特開2016-217480号公報
【文献】国際公開第2013/145118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の樹脂製バンドは、樹脂部材内に様々な物を内蔵していることからコストが掛かっていた。そこで、コストダウンのために、アラミド繊維やガラス繊維、芯線を内蔵しないポリエステル樹脂のみで構成された樹脂製バンドに置き換えることが挙げられる。この樹脂製バンドは、厚みを抑えながらも引張強度が強く、表面は硬質で、結束後の伸びが少なく、安価であることから、鉄製の帯に替わる包装資材として広く用いられている。
【0007】
また、上記樹脂製バンドは、表面が硬質であることで作業性が向上する。具体的には、樹脂製バンドが固定する対象物の周囲を1周する際、硬質であることでコシやハリが生まれ、作業途中にバンドが垂れたり、バンド先端が意図しない方向へ進んだりすることを抑制できるためである。
【0008】
しかしながら、従来のバンド締付具に使用されているバンドを、上記樹脂製バンドに置き換えることは非常に困難であった。具体的には、本願発明者が、上記樹脂製バンドに用いることができるバンド締結具の研究を進めるなかで、従来のバンド締結具の締付具本体を、上記樹脂製バンドの厚みに合わせて調整し、バンドを締結する試験をしてみたところ、バンドを係止するための爪状や線状の凹凸形状を備えるだけでは、バンドの滑りを抑制できず、バンドの締付能力が大きく低下し、従来の20~30%程度の締付能力しかないことが分かった。
すなわち、従来技術のバンド締付具は、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを内蔵しない樹脂製バンドを装着しても、充分な締付強度で樹脂製バンドを締結することができないという課題を有している。
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明は、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを内蔵しない樹脂製バンドを用いても、バンド滑りが抑制されて、当該樹脂製バンドを良好に締め付けることができるバンド締結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明は、締結具本体と、該締結具本体に起倒可能に取付けられたバンド締付用の操作レバーとを備えたバンド締結具であって、前記操作レバーの基部近傍にバンド挿通孔が形成され、前記締結具本体に一端を連結固定されたバンドの他端が、前記締結具本体に対して前記操作レバーを外方に倒した状態で前記バンド挿通孔に通され、前記操作レバーを回転させて該締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させることにより、該操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向して前記バンドの他端部側が挟持されて該バンドが締付けられるようになっており、前記操作レバーの一方側部及び前記締結具本体の一方側部には、各々、複数の略柱状の突起部が設けられ、複数の前記突起部は、いずれも、断面が略四角形に形成されており、前記各々に設けられた前記突起部は、前記操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向して配置された際に干渉しないように互い違いに形成されているとともに、前記操作レバーを該締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にすると、前記バンドの短手方向に略一列に並ぶように配置されていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成を採用したのは以下の理由による。
芯線を含まない樹脂製バンドは厚みが薄く、表面が硬質であることから、従来技術の締結具の「爪状や線状の突起」で押さえこんだとしてもバンドの変形が少なく、変形による突起への引っ掛かりといった効果が薄く、バンドを引き抜こうとする力に対して単純な摩擦のみで堪える必要があるため、堪えきれずに滑りが発生してしまう。これを解決する手段として、バンドが変形する裕度を持たせるためにバンドの厚みを増加させる方法も考えられるが、この手段は、材料費のコストアップに繋がるため望ましくない。
そのため、本発明では、バンドの他端部側を挟持する部分となる「操作レバーの一方側部、及び、締結具本体の一方側部」に、それぞれ、複数の略柱状で且つ断面が略四角形の突起部を設けた。また、各々に設けられた突起部は、操作レバーの一方側部と、締結具本体の一方側部とが相対向して配置された際に干渉しないように互い違いに形成されている。また、各々に設けられた突起部は、操作レバーを締結具本体側に倒して操作レバーを締結具本体に係合させた状態にするとバンドの短手方向に略一列に並ぶよう配置されている。
【0012】
この構成によれば、操作レバーを締結具本体側に倒した状態(閉状態)にして、操作レバーの一方側部の突起部と、締結具本体の一方側部に設けられた突起部とによりバンドの他端部側を挟持した状態にすると、各々に設けられた「断面が略四角形の略柱状の突起部」が、金属加工におけるプレス曲げ加工のように確実にバンドを塑性変形させる。具体的には、上記構成によれば、突起部周辺のバンドの水平断面形状および垂直断面形状が略W字形状に塑性変形する。
具体的には、本発明では、突起部を四角柱状にしてバンドを面で押すことにより、バンドの塑性変形を起こしやすくし、2平面においてバンドを塑性変形させることができるようになっている。
そのため、本発明によれば、バンドの厚みが薄く、表面が硬質であったとしても、2平面(水平面及び垂直面の2平面)において略W字形状にバンドを塑性変形させることでバンドが非常に複雑な断面形状となり、突起部に引っ掛かりやすくなり、摩擦のみで堪える構成ではなくなるため、締結能力の大きな低下を防ぐことができる。すなわち、本発明のバンド締結具によれば、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンドを用いても、バンド滑りが抑制できて、当該樹脂製バンドを良好に締め付けることができる。
なお、従来技術のバンド締結具に設けられた突起にみられる略三角形の断面形状や先端を尖らせた凸形状の構成では、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンドを用いた場合、当該バンドが硬質であることから単純梁のように撓んでしまうことで非常に塑性変形させにくくなっている。すなわち、従来技術のバンド締結具の構成では、バンドが複雑な断面にならずに能力低下を招くばかりか、バンドが元に戻ろうとする復元力によって操作レバーが開いてしまう恐れがあり、能力低下の要因になる。
【0013】
また、前記操作レバーを前記締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にした際に、前記バンドの短手方向に略一列に並ぶように配置された前記突起部は、隣接する該突起部同士のクリアランスが前記バンドの厚み程度の寸法になっていることが望ましい。
【0014】
この構成によれば、操作レバーの一方側部に設けられた突起部と、締結具本体の一方側部に設けられた突起部とによりバンドの他端部側を挟持した際に、隣接する突起部同士のクリアランスにバンドが入り込み塑性変形し易くなる。
具体的には、本発明では、隣接する突起部同士のクリアランスをバンドの厚み程度の寸法にすることで、バンドが突起部周辺で遊びにくく(フリーに動きにくく)なり、バンドが単純梁のように撓みにくくなる。その結果、上記の構成によれば、隣接する突起部同士のクリアランスにバンドが入り込み塑性変形し易くなる。
【0015】
また、本発明は、締結具本体と、該締結具本体に起倒可能に取付けられたバンド締付用の操作レバーとを備えたバンド締結具であって、前記操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にすると、該操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向してバンドを挟持できるようになっており、前記操作レバーの一方側部及び前記締結具本体の一方側部には、各々、複数の略柱状の突起部が設けられ、複数の前記突起部は、いずれも、断面が略n角形(nは4以上の整数)或いは円形に形成されており、前記各々に設けられた前記突起部は、前記操作レバーの一方側部と、前記締結具本体の一方側部とが相対向して配置された際に干渉しないように互い違いに形成されているとともに、前記操作レバーを該締結具本体側に倒して該操作レバーを前記締結具本体に係合させた状態にすると、前記バンドの短手方向に略一列に並ぶように配置されていることが望ましい。
【0016】
上記の構成によれば、操作レバーの一方側部の突起部と、締結具本体の一方側部に設けられた突起部とによりバンドの他端部側を挟持した状態にすると、各々に設けられた「断面がn角形(nは4以上の整数)或いは円形の略柱状の突起部」が、金属加工におけるプレス曲げ加工のように確実にバンドを塑性変形させる。具体的には、突起部周辺のバンドの水平断面形状および垂直断面形状が略W字形状に塑性変形させることができる。そして、この変形箇所にも摩擦が生まれるため、よりバンドが滑りにくくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを内蔵しない樹脂製バンドを用いても、バンド滑りが抑制できて、当該樹脂製バンドを良好に締め付けることができるバンド締結具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態のバンド締結具の操作レバーを閉じた状態を示した模式図であり、(a)が操作レバーを閉じた状態のバンド締結具の平面を示した模式図であり、(b)が操作レバーを閉じた状態のバンド締結具の側面を示した模式図であり、(c)が操作レバーを閉じた状態のバンド締結具を斜め上方から視た模式図である。
【
図4】本発明の実施形態のバンド締結具の操作レバーを開いた状態を示した模式図であり、(a)が操作レバーを開いた状態のバンド締結具の平面を示した模式図であり、(b)が操作レバーを開いた状態のバンド締結具の側面を示した模式図であり、(c)が操作レバーを開いた状態のバンド締結具を斜め上方から視た模式図である。
【
図7】本発明の実施形態のバント締結具の締結具本体にバンドの一端を固定し且つ締結具本体に対して操作レバーを起こして外方側に倒し、本体のガイド孔と操作レバーの挿通孔を連続的に連通させ、連通させた孔にバンドの他端端を挿通した状態を示した模式図であり、(a)がバンドの一端側がバンド同士の圧着により輪形に形成して締結具本体に固定された状態を示した模式図であり、(b)がバンドの一端側が締結具本体に巻き付ける形で締結具本体に固定された状態を示した模式図である。
【
図8】
図7(a)に示す状態から締結具本体側に向けて操作レバーを回転させている過程を示した模式図であり、(a)が
図7(a)に示す状態から締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させている最中の状態を示した模式図であり、(b)が
図8(a)に示す状態からさらに締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させている最中の状態を示した模式図である。
【
図9】
図8(b)に示す状態からさらに締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させて締結具本体のバンド係止突起及び操作レバーのバンド係止突起がそれぞれバンドに当接している状態を示した模式図であり、(a)が締結具の長手方向の断面を示した模式図であり、(b)が
図9(a)におけるE-E線断面図であり、(c)が
図9(b)における操作レバーのバンド係止突起が従来技術のような先端をとがらした断面形状になっていた場合を示した
図9(b)に対する比較断面図である。
【
図10】
図9(a)に示す状態からさらに締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させて操作レバーを締結具本体側に倒して操作レバーを閉じた状態を示した模式図であり、(a)が締結具の長手方向の断面を示した模式図であり、(b)が
図10(a)におけるF-F線断面図である。
【
図11】
図10(b)に示す締結具本体のバンド係止突起及び操作レバーのバンド係止突起と、それらに挟持されて変形したバンドの部分を拡大して示した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態のバンド締結具について図面に基づいて説明する。
【0020】
《バンド締結具の概略構成》
先ず、本実施形態のバンド締結具の概略構成について、
図1~
図6を参照しながら説明する。
【0021】
ここで、
図1は、本実施形態のバンド締結具の操作レバーを閉じた状態を示した模式図であり、(a)が操作レバーを閉じた状態のバンド締結具の平面を示した模式図であり、(b)が操作レバーを閉じた状態のバンド締結具の側面を示した模式図であり、(c)が操作レバーを閉じた状態のバンド締結具を斜め上方から視た模式図である。
図2は、
図1(a)におけるA-A線断面図である。
図3は、
図1(b)におけるB-B線断面図である。
また、
図4は、本実施形態のバンド締結具の操作レバーを開いた状態を示した模式図であり、(a)が操作レバーを開いた状態のバンド締結具の平面を示した模式図であり、(b)が操作レバーを開いた状態のバンド締結具の側面を示した模式図であり、(c)が操作レバーを開いた状態のバンド締結具を斜め上方から視た模式図である。
図5は、
図4(a)におけるC-C線断面図である。
図6は、
図4(b)におけるD-D線断面図である。
【0022】
図1、4に示すように、本実施形態のバンド締結具は、例えば、合成樹脂により形成されており、締
結具本体(以下、単に「本体」)1と、本体1に対して回転可能で且つ起倒可能に取付けられたバンド締付用の操作レバー2とを備えている。
ユーザは、例えば、
図1に示す閉状態の操作レバー2の自由端側を把持し、本体1の外側に向けて操作レバー2を回転させることで、すなわち、操作レバー2の自由端側のレバー係止突起24を本体1のレバー係止孔14から離間する方向に操作レバー2を回転させることで、操作レバー2を起立させ、その後、本体1の外側に倒した状態(
図4に示す開状態)に操作することができる。
また、ユーザは、例えば、
図4に示す開状態の操作レバー2の自由端側を把持して、本体1に向けて操作レバー2を回転させることで、すなわち、操作レバー2の自由端側のレバー係止突起24を本体1のレバー係止孔14に近付ける方向に操作レバー2を回転させることで、操作レバー2を起立させ、その後、本体1側に倒した状態(
図1に示す閉状態)に操作することができる。
【0023】
また、本体1は、前端部1c(
図2においては向かって左側の端部)と底部(底面部)1aに、バンド3(
図7参照)の一端を係止するためのバンド係止穴11a、11b(
図2参照)が設けられている。
また、操作レバー2には、その基部21近傍にバンド挿通孔23が形成されている。
なお、本実施形態で用いられるバンド3は、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンド(例えば、PET(ポリエステル)バンド)である。
【0024】
そして、本実施形態のバンド締結具は、本体1のバンド係止孔11a、11bにバンド3(
図7参照)の一端部を連結固定した上で、本体1に対して操作レバー2を外方に倒した状態(開状態)でバンド挿通孔23にバンド3の他端部を挿通させ、その後、操作レバー2を本体1側に回転させて操作レバー2を本体1に係合させた閉状態にすることにより(
図8~
図10参照)、操作レバー2の一方側部と、本体1の一方側部(底部1aの上面側)とが相対向してバンド3の他端部側が挟持されてバンド3が締付けられるようになっている。
【0025】
また、本体1の一方側部(底部1aの上面側)には、複数の略柱状のバンド係止突起(突起部)15(
図4(b)、(c)、
図5参照)が設けられている。また、操作レバー2の一方側部には、複数の略柱状のバンド係止突起(突起部)25(
図4(b)、(c)、
図5参照)が設けられている。
また、複数の略柱状の突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)は、いずれも、断面が略4角形に形成されている。
また、本体1及び操作レバー2の各々に設けられた突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)は、操作レバー2の一方側部と、本体1の一方側部とが相対向して配置された際に干渉しないように互い違いに形成されている。
そして、操作レバー2を本体1側に倒して操作レバー2を本体1に係合させた閉状態にすると、各々に設けられた突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)が、略一列に並ぶよう配置されるようになっている(
図3参照)。
【0026】
この構成により、操作レバー2を本体1側に倒して操作レバー2を本体1に係合させた閉状態にすると、バンド3の他端部側が、操作レバー2の一方側部に設けられたバンド係止突起25と、本体1の一方側部に設けられたバンド係止突起15とにより挟持され且つバンド3の他端部側が隣接する突起部同士のクリアランスに入り込み水平断面形状および垂直断面形状が略W字形に塑性変形する。
【0027】
すなわち、本実施形態によれば、バンド3の他端部側が、操作レバー2の一方側部に設けられたバンド係止突起25と、本体1の一方側部に設けられたバンド係止突起15とにより挟持され且つ隣接する突起部同士のクリアランス(バンド係止突起25とバンド係止突起15との間の隙間部)に入り込み、バンド3が水平断面形状および垂直断面形状が略W字形に塑性変形するようになっている。その結果、本実施形態によれば、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンドを用いても、バンド滑りが抑制できて、当該樹脂製バンドを良好に締め付けることができる。
以下、バンド締結具の各構成について順番に説明する。
【0028】
《本体1》
先ず、本体1の構成について説明する。
本体1は、
図1、4に示すように、底部(底面部)1aと、底部1aの左右両側から上方に延設された1対の側部(側面部)1b・1bと、底部1aの前端から上方に延設された前端部1cと、底面の後端から上方に延設された後端部1dとを備え、上方が開放された略箱状に形成されている。なお、
図6に示すように、本体1は、断面が略コ字形に形成されている。
【0029】
また、本体1は、上述したように、前端部1c(
図2においては向かって左側の端部)にバンド係止穴11aが設けられ、底部1aの前端部1c側に、バンド係止穴11bが設けられている。そして、バンド3(
図7参照)の一端側が、バンド係止孔11a、11bに挿通され、本体1にバンド3の一端側が係止され固定できるようになっている。
【0030】
また、本体1は、その後端部1d(
図2においては向かって右側の端部)に、ガイド孔13が設けられている。このガイド孔13は、操作レバー2のバンド挿通孔23に、簡単に、バンド3を挿通できるようにするためのものである。
なお、ガイド孔13とバンド挿通孔23は、
図5に示すように操作レバー2を本体1の外方側へ倒したときには互いに合致して連通するように構成されている。
【0031】
また、本体1は、その後端側で且つ上方側の側部1b、1bに、後述する操作レバー2の軸部22が嵌合される軸受孔12(
図1、
図4参照)が設けられている。
また、本体1は、その前端側で且つ上方側の側部1b、1bに、後述する操作レバー2に設けられたレバー係止突起24が係合されるレバー係止孔14が設けられている(
図1、
図4、
図5参照)。
また、本体1は、底部1aの一方側部(上方側部)に、複数のバンド係止突起(突起部)15が設けられている。
【0032】
《操作レバー2》
次に、操作レバー2について説明する。
操作レバー2は、
図4及び
図5に示すように、略舌片状に形成されている。また、操作レバー2の基部21の両側部には、側方に突出する軸部22が一体的に設けられている。この軸部22は、本体1の後端側の上方側の側部1b、1bに形成された軸受孔12に回転自在に篏合することによって操作レバー2が本体1に対して回転可能で且つ起倒可能に連結されている。
【0033】
また、操作レバー2の基部21には、バンド挿通孔23が形成されている。
なお、操作レバー2の基部21の近傍の本体1の後端部には、上述したように、バンド挿通孔23にバンド3を挿通する際のガイドとなるガイド孔13が設けられている。
【0034】
さらに、操作レバー2の自由端側の両側部には、レバー係止突起24(
図4参照)が一体的に設けられ、そのレバー係止突起24を本体1側に設けたレバー係止孔14に係合することによって操作レバー2が回り止め係止される構成になっている。
【0035】
また、上述したように、操作レバー2の一方面には、複数のバンド係止突起(突起部)25が設けられている。
このバンド係止突起25は、
図4、5に示すように操作レバー2を本体1の外方へ倒して開状態にしているときには、本体1の上方側向きに配置されている。
また、バンド係止突起25は、
図2に示すようにレバー係止突起24を本体1側に設けたレバー係止孔14に係合させたときには、本体1の下方側向きに配置されているとともに、
図3に示すように、本体1のバンド係止突起15と、操作レバー2のバンド係止突起25が互い違いに一列(あるいは略一列)に並ぶように配置されている。本実施形態では、隣接する突起部同士のクリアランス(バンド係止突起25とバンド係止突起15との間の隙間部)が、バンド3の厚み程度となっている。
【0036】
《バンドを締め付ける過程》
次に、本実施形態のバンド締結具により、バンド3を締結する手順について、
図7~
図11を参照しながら説明する。
【0037】
ここで、
図7は、本実施形態のバント締結具の締結具本体にバンドの一端を固定し且つ締結具本体に対して操作レバーを起こして外方側に倒し、本体のガイド孔と操作レバーの挿通孔を連続的に連通させ、連通させた孔にバンドの他端端を挿通した状態を示した模式図であり、(a)がバンドの一端側がバンド同士の圧着により輪形に形成して締結具本体に固定された状態を示した模式図であり、(b)がバンドの一端側が締結具本体に巻き付ける形で締結具本体に固定された状態を示した模式図である。
図8は、
図7(a)に示す状態から締結具本体側に向けて操作レバーを回転させている過程を示した模式図であり、(a)が
図7(a)に示す状態から締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させている最中の状態を示した模式図であり、(b)が
図8(a)に示す状態からさらに締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させている最中の状態を示した模式図である。
図9は、
図8(b)に示す状態からさらに締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させて締結具本体のバンド係止突起及び操作レバーのバンド係止突起がそれぞれバンドに当接している状態を示した模式図であり、(a)が締結具の長手方向の断面を示した模式図であり、(b)が
図9(a)におけるE-E線断面図であり、(c)が
図9(b)における操作レバーのバンド係止突起部が従来技術のような先端をとがらした断面形状になっていた場合を示した
図9(b)に対する比較断面図である。
図10は、
図9(a)に示す状態からさらに締結具本体に向けて操作レバーを所定角度回転させて操作レバーを締結具本体側に倒して操作レバーを閉じた状態を示した模式図であり、(a)が締結具の長手方向の断面を示した模式図であり、(b)が
図10(a)におけるF-F線断面図である。
図11は、
図10(b)に示す締結具本体のバンド係止突起及び操作レバーのバンド係止突起と、それらに挟持されて変形したバンドの部分を拡大して示した模式図である。
【0038】
先ず、バンド締結具にバンド3の一端部を取り付けて固定する。
具体的には、
図7に示すように、バンド締結具の本体1のバンド係止穴11a、11bに、バンドの一端側を挿通させ、本体1にバンド3の一端側を固定する。
バンド3の固定は、
図7(a)に示すように、バンド3同士の圧着によりバンド3を輪形にし固定しても良いし、
図7(b)に示すように、バンド係止孔11a、11bを用いて本体1にバンド3を巻き付ける形で固定しても良い。以下では、
図7(a)に示す状態で、バンド3の一端側が本体1に固定されているものとする。
【0039】
次に、バンド3の他端部を、本体1のガイド孔13及び操作レバー2のバンド挿通孔23に挿通する。
具体的には、
図7に示すように、操作レバー2を本体1に対して外方に回転させ倒して、本体1のガイド孔13と操作レバー2のバンド挿通孔23が連続的に連通した状態にする。この状態にして、連通する孔(13、23)にバンド3の他端側を挿通する。
【0040】
次に、
図8~
図10に示すように、操作レバー2を本体1に向けて回転させて、操作レバー2を本体1側に倒す。
【0041】
図8(a)及び
図8(b)は、操作レバー2に設けられたレバー係止突起24を本体1に設けられたレバー係止孔14に係合するべく、
図7(a)に示す状態から、本体1側に向けて操作レバー2を回転させている状態を示している。このとき、操作レバー2が基部21近傍に設けられた軸部22を中心に回転することで、操作レバー2にバンド3が巻き取られて、徐々にバンド3にテンションが掛かる。
【0042】
図9(a)は、
図8より更に操作レバー2を本体1側に倒した状態であり、本体1ならびに操作レバー2に設けた「バンド係止突起15及びバンド係止突起25」と、バンド3がそれぞれ当接した状態になっている。
図9(b)に示す断面図(
図9(a)のE-E線断面図)では、本体1に設けられたバンド係止突起15同士の隙間に対して、操作レバー2に設けられたバンド係止突起25が入り込む過程を示しており、この過程で、バンド3が略W字形状に塑性変形する。
【0043】
図10(a)は、
図9(a)に示す状態から更に操作レバー2を倒した状態で、操作レバー2のレバー係止突起24が、本体1のレバー係止孔14が係合した状態を示している。
図10(b)に示す断面図(
図10(a)のF-F線断面図)では、突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)によって、バンド3が略W字形状に塑性変形しきった状態を示している。
このように、バンド3が略W字状に塑性変形するとともに、更にバンド係止突起15、25とバンド3が当接している状態になっており、この塑性変形および当接することで発生する摩擦による滑り止めが両立している。特に、バンド係止突起15、25周辺のバンド3の断面形状は、
図9(a)及び
図11に示す通り、2平面(垂直断面、水平断面)において略W字形状の、複雑な形状となっている。
【0044】
このように、本実施形態では、本体1及び操作レバー2の両方に、断面が略四角形の柱状の突起部(バンド係止突起15とバンド係止突起25の間)が設けられ、その突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)によりバンド3を挟み込むようになっている。
そのため、本実施形態では、バンド3が「アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンド(例えば、PET(ポリエステル)バンド)」であっても、本体1の一方面側(バンド係止突起15が形成されている部分)と、操作レバー2の一方面側(バンド係止突起25が形成されている部分)とにより、バンド3を挟持すると、金属加工におけるプレス曲げ加工のように、突起部(バンド係止突起15、25)周辺のバンド3の水平断面形状および垂直断面形状が略W字状に塑性変形する(
図9(a)、
図11参照)。
なお、
図11に示すように、突起部(バンド係止突起15、25)周辺のバンド3は、水平断面では、略W字形を含む略矩形波形状に塑性変形している。
【0045】
すなわち、本実施形態のバンド締結具は、上記の構成により、2方向の断面(
図9(a)、10(b))から見て略W字状にバンド3を塑性変形させることができ、バンド締付具からバンド3が抜けづらくなる。
また、本実施形態のバンド締結具は、上記の構成により、
図11(
図10(b))に示すように、バンド3が突起部間(バンド係止突起15とバンド係止突起25の間)に挟まることで、その挟まっている箇所にも摩擦が生まれて、滑りにくさを補助する。
すなわち、本実施形態によれば、バンド3が非常に複雑な断面形状となり、バンド係止突起15、25に引っ掛かりやすくなり締結能力の大きな低下を防ぐことができる。
【0046】
なお、本実施形態のバンド締結具のように、突起部(バンド係止突起15及びバンド係止突起25)が断面・四角形の略柱状ではなく、例えば、略三角形の断面形状や先端を尖らせた凸形状の構成にした場合には、「アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンド(例えば、PET(ポリエステル)バンド)」を挟持しても、突起部周辺のバンド3が複雑な断面形状を維持できない。
【0047】
例えば、本実施形態のバンド締結具の操作レバー2のバンド係止突起25を、略三角形の断面形状のバンド係止突起250にして、バンド3を挟持する過程を示した比較例を
図9(c)に示す。
図9(c)では、
図9(a)と同様に、本体1の一方面側(バンド係止突起15が形成されている部分)と、操作レバー2の一方面(バンド係止突起250が形成されている部分)とにより、バンド3を挟持する過程を示している。この場合、図示するように、バンド3を略W字形状に撓ませることはできるが、その状態を維持することは困難である。
この構成では、本実施形態のように、突起部周辺のバンド3が複雑な断面形状を維持できないため、「アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンド」を挟持した場合に、バンド3の滑りを抑制できず、本実施形態のものと比べて、バンドの締付能力が大きく低下する。すなわち、この構成では、バンド3は撓みによって複雑な断面形状を維持できず、仮に、略W字形状に撓んだとしても、操作レバー2が開いてしまう虞がある。また、バンド係止突起15、250とバンド3が当接した状態になることはなく、摩擦による滑り止めが小さくなる。
すなわち、この構成では、バンド3が略W字形状に(略矩形波形状)になるものの、バンド3が撓んでいる、すなわち弾性域内の変形である。バンド係止突起15の側面と、バンド係止突起250の側面と間にバンド3が撓んで入り込むとしても、バンド3が元に戻ろうとする復元力によって操作レバー2が開いてしまう虞がある。また、バンド3が撓んで、バンド係止突起15の側面と、バンド係止突起250の側面の両者と当接した状態になることはない。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、アラミド繊維やガラス繊維、芯線などを樹脂部材内に内蔵しない樹脂製バンドを備えながらも、大きく能力を低下させないバンド締結具を提供することができる。そして、従来技術に比べて材料費削減となり、大きなコストダウンが見込むことができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、バンド3を挟持する突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)が、断面・四角形の略柱状に形成されているが特にこれに限定されるものではない。突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)が、断面が六角形や八角形の柱状や円柱状に形成されていても良い。すなわち、突起部(バンド係止突起15、バンド係止突起25)は、断面が略n角形(nは4以上の整数)或いは円形に形成されていれば良い。
【符号の説明】
【0050】
1…本体(締結具本体)
1a…底部
1b…側部
1c…前端部
1d…後端部
11a、11b…バンド係止孔
12…軸受孔
13…ガイド孔
14…レバー係止孔
15…バンド係止突起(突起部)
2…操作レバー
21…基部
22…軸部
23…バンド挿通孔
24…レバー係止突起
25…バンド係止突起(突起部)
250…バンド係止突起
3…バンド
【要約】
【課題】芯線などを内蔵しない樹脂製バンドを用いても、バンド滑りが抑制されて、当該樹脂製バンドを良好に締め付けることができる締結具を提供する。
【解決手段】本体1と、本体1に起倒可能に取付けられた操作レバー2とを備えたバンド締付具であって、操作レバー3の基部22近傍にバンド挿通孔23が形成され、本体1に一端を連結固定されたバンド3の他端が、本体1に対して操作レバーを外方に起こした状態でバンド挿通孔23に通され、その後、操作レバー2を本体1側に倒して本体1に係合させることにより、操作レバー2の一方側部と、本体1の一方側部とによりバンド3の他端部側が挟持されてバンド3が締付けられるようになっており、操作レバー2の一方側部及び本体1の一方側部には、各々、複数の略柱状の突起部が設けられ、複数の突起部は、いずれも、断面がn角形(nは4以上の整数)に形成されている。
【選択図】
図10