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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20231113BHJP
【FI】
G06Q20/24
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022104667
(22)【出願日】2022-06-29
【審査請求日】2022-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】谷口 和也
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-071660(JP,A)
【文献】特開2006-163466(JP,A)
【文献】特開2004-348621(JP,A)
【文献】特開2017-156859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、第1の決済手段を識別するための決済手段識別情報と、前記第1の決済手段を用いて前記ユーザが第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額とを記憶するとともに、前記ユーザ識別情報に関連付けて、第2の決済手段を識別するための決済手段識別情報と、前記第2の決済手段を用いて前記ユーザが前記第1の期間と一部の期間が重複する第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する記憶部と、
前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記第1の期間において前記第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を前記第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を決済限度額の変更額として受け付ける受付部と、
前記ユーザ識別情報と前記第1の決済手段の決済手段識別情報とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第1決済限度額から前記受付部が受け付けた前記変更額を減額するとともに、前記ユーザ識別情報と前記第2の決済手段の決済手段識別情報とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第2決済限度額に前記受付部が受け付けた前記変更額を増額する限度額更新部と、
前記ユーザのユーザ識別情報と、前記ユーザが決済を行う店舗を識別するための店舗識別情報と、前記決済に用いる決済手段に対応する決済手段識別情報と、決済金額とを含む決済要求を受信する決済要求受信部と、
前記決済要求受信部が受信した前記決済要求に含まれている前記ユーザ識別情報及び前記決済手段識別情報に対応する、決済金額の集計期間における当該ユーザ識別情報が示すユーザの決済実績額と、当該決済要求に含まれている前記決済金額との合計額が、当該決済手段識別情報に関連付けられている、前記限度額更新部により更新された決済限度額を超えないことを条件として、当該決済要求に含まれている店舗識別情報が示す店舗に前記決済金額を入金する処理を、受信した前記決済要求に含まれている決済手段識別情報に対応する決済事業者に実行させる決済処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記限度額更新部により前記第1決済限度額及び前記第2決済限度額の更新が行われたことに応じて、決済限度額の更新に係る手数料である第1手数料を前記ユーザに請求する請求部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記請求部は、前記受付部が受け付けた前記変更額に基づいて前記第1手数料を特定し、特定した前記第1手数料を前記ユーザに請求する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザにより支払われた前記第1手数料の少なくとも一部を、前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者、及び前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者の少なくともいずれかに支払う支払部をさらに有する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記限度額更新部により前記第1決済限度額及び前記第2決済限度額の更新が行われたことに応じて、前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる、決済限度額の更新に係る手数料である第2手数料を、前記第2の決済事業者に通知する通知部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記受付部が受け付けた前記変更額に基づいて前記第2手数料を特定し、特定した前記第2手数料を前記第2の決済事業者に通知する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報に関連付けて、第1の決済事業者が提供する第1の決済手段に対応する前記第1決済限度額と、前記第1の決済事業者と異なる第2の決済事業者が提供する第2の決済手段に対応する前記第2決済限度額とを記憶する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記限度額更新部により前記第1決済限度額及び前記第2決済限度額の更新が行われ、前記第2決済限度額の増額分に対応する決済に係る決済手数料が発生すると、当該決済手数料の少なくとも一部が、前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる第3手数料であることを前記第2の決済事業者に通知する通知部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザが前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、前記限度額更新部による更新前の前記第2決済限度額を超過する場合、前記第2決済実績額と前記更新前の前記第2決済限度額との差額を、前記ユーザが前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者に支払う金額として前記ユーザに請求する請求部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記請求部は、前記ユーザによる前記差額の支払いが支払期日までに完了しなかった場合、前記差額を前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払う金額として前記ユーザに請求し直す、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ユーザが前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、前記限度額更新部による更新前の前記第2決済限度額を超過する場合、前記第2決済実績額と前記更新前の前記第2決済限度額との差額に基づく特典を、前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者が前記ユーザに付与する特典とする特典管理部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ユーザが前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、前記限度額更新部による更新前の前記第2決済限度額を超過した場合、当該超過の後であって、前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額に対応する決済手数料が、当該決済が行われた店舗が前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者に支払う決済手数料であることを前記店舗に通知する通知部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
ユーザが使用するユーザ端末から、第1の期間において第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を、前記第1の決済手段を用いて前記ユーザが前記第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を、決済限度額の変更額として受け付けるステップと、
前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、前記第1の決済手段を識別するための決済手段識別情報と、前記第1決済限度額とを記憶するとともに、前記ユーザ識別情報に関連付けて、第2の決済手段を識別するための決済手段識別情報と、前記第2の決済手段を用いて前記ユーザが前記第1の期間と一部の期間が重複する第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する記憶部を参照し、前記ユーザ識別情報と前記第1の決済手段の決済手段識別情報とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第1決済限度額から、受け付けた前記変更額を減額するとともに、前記ユーザ識別情報と前記第2の決済手段の決済手段識別情報とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第2決済限度額に、受け付けた前記変更額を増額するステップと、
前記ユーザのユーザ識別情報と、前記ユーザが決済を行う店舗を識別するための店舗識別情報と、前記決済に用いる決済手段に対応する決済手段識別情報と、決済金額とを含む決済要求を受信するステップと、
受信した前記決済要求に含まれている前記ユーザ識別情報及び前記決済手段識別情報に対応する決済実績額と、決済金額の集計期間における当該ユーザ識別情報が示すユーザの決済実績額と、当該決済要求に含まれている前記決済金額との合計額が、当該決済手段識別情報に関連付けられている、前記増額するステップにおいて更新された決済限度額を超えない場合に、当該決済要求に含まれている店舗識別情報が示す店舗に前記決済金額を入金する処理を、受信した前記決済要求に含まれている決済手段識別情報に対応する決済事業者に実行させるステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の決済手段の決済限度額を設定する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード等の後払い方式の決済手段では、ユーザが当該決済手段を用いて所定期間内に決済可能な金額を示す決済限度額が設定される。例えば、特許文献1には、第1の決済手段の決済限度額と、第2の決済手段の決済限度額とを、それぞれの決済限度額を合計したものとすることが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6355505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが、第1の決済手段と第2の決済手段とのうち、いずれか一方の決済手段を頻繁に利用する場合、頻繁に利用する決済手段の決済限度額を限定して増額させたいという要求がある。しかしながら、従来の技術では、頻繁に利用する決済手段の決済限度額を限定して増額させることができず、ユーザの利便性が低いという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、第1の決済手段を用いて前記ユーザが第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額と、第2の決済手段を用いて前記ユーザが前記第1の期間と一部の期間が重複する第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する記憶部と、前記ユーザが使用するユーザ端末から、前記第1の期間において前記第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を前記第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を決済限度額の変更額として受け付ける受付部と、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第1決済限度額から前記受付部が受け付けた前記変更額を減額するとともに、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第2決済限度額に前記受付部が受け付けた前記変更額を増額する限度額更新部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置は、前記限度額更新部により前記第1決済限度額及び前記第2決済限度額の更新が行われたことに応じて、決済限度額の更新に係る手数料である第1手数料を前記ユーザに請求する請求部をさらに有してもよい。
前記請求部は、前記受付部が受け付けた前記変更額に基づいて前記第1手数料を特定し、特定した前記第1手数料を前記ユーザに請求してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記ユーザにより支払われた前記第1手数料の少なくとも一部を、前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者、及び前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者の少なくともいずれかに支払う支払部をさらに有してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記限度額更新部により前記第1決済限度額及び前記第2決済限度額の更新が行われたことに応じて、前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる、決済限度額の更新に係る手数料である第2手数料を、前記第2の決済事業者に通知する通知部をさらに有してもよい。
前記通知部は、前記受付部が受け付けた前記変更額に基づいて前記第2手数料を特定し、特定した前記第2手数料を前記第2の決済事業者に通知してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報に関連付けて、第1の決済事業者が提供する第1の決済手段に対応する前記第1決済限度額と、前記第1の決済事業者と異なる第2の決済事業者が提供する第2の決済手段に対応する前記第2決済限度額とを記憶してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記限度額更新部により前記第1決済限度額及び前記第2決済限度額の更新が行われ、前記第2決済限度額の増額分に対応する決済に係る決済手数料が発生すると、当該決済手数料の少なくとも一部が、前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる第3手数料であることを前記第2の決済事業者に通知する通知部をさらに有してもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記ユーザが前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、前記限度額更新部による更新前の前記第2決済限度額を超過する場合、前記第2決済実績額と前記更新前の前記第2決済限度額との差額を、前記ユーザが前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者に支払う金額として前記ユーザに請求する請求部をさらに有してもよい。
【0013】
前記請求部は、前記ユーザによる前記差額の支払いが支払期日までに完了しなかった場合、前記差額を前記第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払う金額として前記ユーザに請求し直してもよい。
【0014】
前記情報処理装置は、前記ユーザが前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、前記限度額更新部による更新前の前記第2決済限度額を超過する場合、前記第2決済実績額と前記更新前の前記第2決済限度額との差額に基づく特典を、前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者が前記ユーザに付与する特典とする特典管理部をさらに有してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記ユーザが前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、前記限度額更新部による更新前の前記第2決済限度額を超過した場合、当該超過の後であって、前記第2の期間において前記第2の決済手段を用いて決済された金額に対応する決済手数料が、当該決済が行われた店舗が前記第2の決済手段を提供する第2の決済事業者に支払う決済手数料であることを前記店舗に通知する通知部をさらに有してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザが使用するユーザ端末から、第1の期間において第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を、前記第1の決済手段を用いて前記ユーザが前記第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を、決済限度額の変更額として受け付けるステップと、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、前記第1決済限度額と、第2の決済手段を用いて前記ユーザが前記第1の期間と一部の期間が重複する第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する記憶部を参照し、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第1決済限度額から、受け付けた前記変更額を減額するとともに、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記第2決済限度額に、受け付けた前記変更額を増額するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】情報処理装置の概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】限度額情報の一例を示す図である。
図4】決済実績情報の一例を示す図である。
図5】決済限度額の更新を説明する図である。
図6】情報処理装置における決済限度額の更新に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、複数の決済手段それぞれに対応するユーザが決済可能な金額の上限を示す決済限度額を調整するコンピュータである。情報処理装置1は、インターネットや無線LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット等のユーザ端末2に通信可能に接続されている。
【0020】
情報処理装置1は、図1に示すように、ユーザ端末2のユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザID(Identification)に関連付けて、第1の決済手段を用いてユーザが第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額と、第2の決済手段を用いてユーザが第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する。
【0021】
第1の決済手段及び第2の決済手段は、後払い方式の決済手段であり、例えば所定のクレジットカードを用いた決済手段である。また、第1の決済手段は、決済限度額が減額される決済手段であり、第2の決済手段は、決済限度額が増額される決済手段であるものとする。また、第1の期間及び第2の期間は、後払いの決済手段において請求対象となる決済金額が集計される期間であり、例えば、ある月の締日から1か月が経過するまでの期間である。第2の期間は、第1の期間と一部の期間が重複するものとする。また、第1の決済手段を提供する第1の決済事業者と、第2の決済手段を提供する第2の決済事業者とは異なる事業者であるものとする。
【0022】
情報処理装置1は、ユーザ端末2から、第1の決済手段の第1決済限度額を減額し、第2の決済手段の第2決済限度額を増額する決済限度額の更新要求を受け付ける。情報処理装置1は、更新要求を受け付けると、更新要求を行ったユーザのユーザIDに関連付けて記憶されている第1決済限度額から、当該ユーザが指定した変更額を減額するとともに、当該ユーザIDに関連付けて記憶されている第2決済限度額に当該変更額を増額することにより、決済限度額を更新する。このようにすることで、情報処理装置1は、第2決済限度額を増額することができるので、例えば、第2の決済手段を頻繁に利用するユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2とデータを送受信するための通信インターフェースである。
【0024】
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、受付部131、限度額更新部132、請求部133、支払部134、通知部135、決済要求受信部136、決済処理部137、及び特典付与部138として機能させるプログラムを記憶する。
【0025】
また、記憶部12は、ユーザを識別するためのユーザIDに関連付けて、複数の決済手段それぞれに対応する、決済手段を用いてユーザが所定期間において決済可能な金額の上限を示す決済限度額を記憶する。例えば、記憶部12は、ユーザIDに関連付けて、第1の決済事業者が提供する第1の決済手段を用いてユーザが第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額と、第1の決済事業者と異なる第2の決済事業者が提供する第2の決済手段を用いてユーザが第1の期間と一部の期間が重複する第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する。
【0026】
具体的には、記憶部12は、ユーザIDと、決済手段を識別するための決済手段IDと、決済限度額とを少なくとも関連付けた限度額情報を記憶する。図3は、限度額情報の一例を示す図である。図3に示すように、限度額情報では、ユーザIDと、決済手段IDと、決済限度額と、決済限度額の変更額と、付替元の決済手段IDと、付替先の決済手段IDと、決済金額が集計される集計期間とが関連付けられていることが確認できる。決済限度額の変更額は、ユーザにより更新された決済限度額の金額を示している。付替元の決済手段IDは、決済限度額の増額に用いられた他の決済手段の決済手段IDを示している。付替先の決済手段IDは、決済限度額を増額させた他の決済手段の決済手段IDを示している。なお、決済手段IDは、ユーザIDの中に組み込まれており、ユーザIDから決済手段IDを抽出可能であってもよい。
【0027】
例えば、ユーザID「U0001」には、決済手段IDが「A」である決済手段の決済限度額「50000円」と、決済手段IDが「B」である決済手段の決済限度額「150000円」とが関連付けられていることが確認できる。決済手段ID「B」には、決済限度額の変更額「50000円」と、付替元の決済手段ID「A」とが関連付けられている。このことから、決済手段ID「B」の決済手段の決済限度額が、決済手段ID「A」の決済手段の決済限度額に基づいて50000円増額されたことが確認できる。
【0028】
また、記憶部12は、ユーザのユーザIDと、決済手段IDと、ユーザの決済金額とを関連付けた決済実績情報を記憶する。図4は、決済実績情報の一例を示す図である。図4に示すように、決済実績情報は、ユーザIDと、決済手段IDと、決済が行われた日である決済日と、決済金額とを少なくとも関連付けた情報である。決済実績情報は、ユーザにより集計期間において決済された金額の合計額である決済実績額を算出するために用いられる。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された限度額設定プログラムを実行することにより、受付部131、限度額更新部132、請求部133、支払部134、通知部135、決済要求受信部136、決済処理部137、及び特典付与部138として機能する。続いて、制御部13の詳細について説明する。
【0030】
[決済限度額の更新]
まず、決済限度額の更新に係る処理について説明する。
受付部131は、ユーザが使用するユーザ端末2から、第1の期間において第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を決済限度額の変更額として受け付ける。
【0031】
例えば、受付部131は、ユーザ端末2から、ユーザのユーザIDを含み、第1決済限度額を減額し、第2決済限度額を増額する限度額更新要求を受け付ける。受付部131は、限度額更新要求を受け付けると、決済限度額を減額する対象である第1の決済手段の選択をユーザ端末2から受け付けるとともに、決済限度額を増額する対象である第2の決済手段の選択をユーザ端末2から受け付ける。例えば、受付部131は、図3に示す例において、ユーザID「U0001」のユーザのユーザ端末2から、決済手段ID「A」の決済手段を第1の決済手段として受け付けるとともに、決済手段ID「B」の決済手段を第2の決済手段として受け付ける。
【0032】
受付部131は、第1の決済手段及び第2の決済手段の選択を受け付けると、記憶部12に記憶されている限度額情報を参照し、第1の決済手段の決済限度額を特定する。また、受付部131は、第1の決済手段及び第2の決済手段の選択を受け付けると、記憶部12に記憶されている決済実績情報を参照し、第1の期間において第1の決済手段を用いて決済された金額の合計額である第1決済実績額を特定する。受付部131は、特定した第1決済限度額から第1決済実績額を差し引いた金額を第1決済限度額の変更額の上限とし、ユーザ端末2から、第1決済限度額の変更額を受け付ける。
【0033】
限度額更新部132は、受付部131が第1決済限度額の変更額を受け付けると、限度額更新要求に含まれているユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている第1決済限度額から、受付部131が受け付けた変更額を減額するとともに、当該ユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている第2決済限度額に、当該変更額を増額する。
【0034】
また、限度額更新部132は、第1の決済手段の決済手段IDに関連付けて、変更額(減少額)を記憶させるとともに、付替先の決済手段IDとして第2の決済手段の決済手段IDを記憶させる。また、限度額更新部132は、第2の決済手段の決済手段IDに関連付けて、変更額(増加額)を記憶させるとともに、付替元の決済手段IDとして第1の決済手段の決済手段IDを記憶させる。
【0035】
図5は、決済限度額の更新を説明する図である。図5は、ユーザIDが「U0001」であるユーザが利用する2つの決済手段の決済限度額が更新される例を示している。図5(a)は、決済限度額が更新される前の決済限度額情報の一部を示している。図5(b)は、決済限度額が更新された後の決済限度額情報の一部を示している。
【0036】
例えば、受付部131が、第1の決済手段の決済手段IDが「A」、第2の決済手段の決済手段IDが「B」、ユーザから受け付けた変更額が50000円であるとする。この場合、限度額更新部132は、決済手段ID「A」の決済限度額(第1決済限度額)を100000円から50000円に減額するとともに、決済手段ID「B」の決済限度額(第2決済限度額)を100000円から150000円に増額する。そして、限度額更新部132は、図5(b)に示すように、決済手段ID「A」の変更額として「-50000」を関連付けるとともに、付替先の決済手段IDとして決済手段ID「B」を関連付ける。また、限度額更新部132は、図5(b)に示すように、決済手段ID「B」の変更額として「50000」を関連付けるとともに、付替元の決済手段IDとして決済手段ID「A」を関連付ける。これにより、決済限度額の更新が完了する。なお、限度額更新部132は、決済限度額の更新が完了すると、当該更新が完了したことを限度額更新要求の送信元のユーザ端末2に通知してもよい。
【0037】
請求部133は、限度額更新部132により第1決済限度額及び第2決済限度額の更新が行われたことに応じて、決済限度額の更新に係る手数料である第1手数料をユーザに請求する。請求部133は、受付部131が受け付けた変更額に基づいて第1手数料を特定し、特定した第1手数料をユーザに請求する。
【0038】
例えば、請求部133は、受付部131が受け付けた変更額の第1の割合を第1手数料として算出する。記憶部12には、ユーザのユーザIDと、請求金額を引き落とす金融機関を示す金融機関情報と、金融機関におけるユーザの口座番号とが関連付けて記憶されている。請求部133は、ユーザIDに関連付けられている金融機関情報及び口座番号に基づいて、請求金額の口座振替を依頼する振替依頼要求を当該金融機関情報が示す金融機関に送信することにより、第1手数料をユーザに請求する。
【0039】
支払部134は、ユーザにより支払われた第1手数料の少なくとも一部の金額を、第1の決済手段を提供する第1の決済事業者、及び第2の決済手段を提供する第2の決済事業者の少なくともいずれかに支払う。第1の決済手段を提供する第1の決済事業者は、第1決済限度額が減少し、ユーザが第1の決済手段を利用して決済を行うことにより、決済が行われた店舗から得られる手数料が減少し、不利益を被ることとなる。このため、支払部134は、第2の決済事業者に支払う金額よりも多い金額を第1の決済事業者に支払うようにしてもよい。
【0040】
通知部135は、限度額更新部132により第1決済限度額及び第2決済限度額の更新が行われたことに応じて、第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる、決済限度額の更新に係る手数料である第2手数料を、第2の決済事業者に通知する。通知部135は、受付部131が受け付けた変更額に基づいて第2手数料を特定し、特定した第2手数料を第2の決済事業者に通知する。
【0041】
例えば、通知部135は、受付部131が受け付けた変更額の第2の割合を第2手数料として算出する。通知部135は、算出した第2手数料が、決済限度額の更新に伴い、第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる手数料であることを示す手数料情報を、予め定められている第2の決済事業者の連絡先に通知する。第1の決済手段を提供する第1の決済事業者は、第1決済限度額が減少により不利益を被るところ、第2の決済事業者が、第1の決済事業者に第2手数料を支払うことにより、不利益の少なくとも一部を解消することができる。
【0042】
[決済手段を用いた決済]
続いて、第1の決済手段及び第2の決済手段を含む複数の決済手段を用いた決済に係る処理を説明する。
【0043】
決済要求受信部136は、第1の決済手段及び第2の決済手段を含む複数の決済手段を利用するユーザによる、当該決済手段を用いた決済の決済要求を受信する。例えば決済手段がクレジットカードである場合、決済要求受信部136は、店舗に設けられている店舗端末(不図示)から、ユーザIDと、ユーザが決済を行う店舗を識別するための店舗IDと、決済金額と、決済手段IDとを含む決済要求を受信する。
【0044】
なお、決済要求受信部136は、コードを用いた決済方式により、第1の決済手段及び第2の決済手段を含む複数の決済手段を用いた決済の決済要求を受信してもよい。コードを用いた決済方式には、CPM(Consumer Presented Mode)方式の決済方式と、MPM(Merchant Presented Mode)方式の決済方式とが含まれる。CPM方式は、二次元バーコード等の決済用コードをユーザ端末に表示させ、店舗側で決済用コードが読み込まれたことに応じて、店舗側から情報処理装置1に対して決済要求が送信されることにより決済が行われる方式である。MPM方式は、決済用コードが店舗で提示され、ユーザ端末で決済用コードが読み込まれたことに応じて、ユーザ端末から情報処理装置1に対して決済要求が送信されることにより決済が行われる方式である。
【0045】
決済処理部137は、決済要求受信部136が決済要求を受信すると、決済処理を行う。決済処理部137は、決済要求に含まれている店舗IDで特定される店舗の口座に決済要求に含まれている決済金額を入金する処理を実行する。例えば、決済処理部137は、決済要求に含まれている店舗IDで特定される店舗に決済金額を入金する処理を、決済要求に含まれている決済手段IDに対応する決済事業者に実行させる。この場合、決済処理部137は、当該決済金額から、店舗が決済手段を提供する決済事業者に支払う手数料や、情報処理装置1が提供する決済サービスに係る手数料を差し引いた金額を、店舗の口座に入金する処理を実行してもよい。決済処理部137は、決済要求に含まれているユーザIDと、決済手段IDと、決済金額と、決済要求を受信した日時とを関連付けて決済実績情報として記憶部12に記憶させる。
【0046】
また、ユーザが第2の期間において第2の決済手段を用いることにより決済された金額である第2決済実績額が、限度額更新部132による更新前の第2決済限度額を超過することがある。超過した後に発生する決済に対応する店舗が決済事業者に支払う手数料が、第1の決済事業者に対して支払う決済手数料であるか、第2の決済事業者に対して支払う決済手数料であるか明確であることが好ましい。このため、通知部135は、当該超過の後であって、第2の期間において第2の決済手段を用いて決済された金額に対応する決済手数料が、当該決済が行われた店舗が第2の決済事業者に支払う決済手数料であることを店舗に通知してもよい。このようにすることで、当該超過の後に、店舗が支払う決済手数料が、第2の決済事業者であることを店舗に認識させることができる。
【0047】
特典付与部138は、決済処理部137により、決済要求受信部136が受信した決済要求に対応する決済が完了すると、ユーザに対して特典としてのポイントを付与する。例えば、特典付与部138は、決済要求受信部136が受信した決済要求に含まれる決済金額に対して、予め定められているポイントの付与率を乗算することにより、ユーザに付与するポイントを算出し、算出したポイントをユーザに付与する。
【0048】
なお、ポイントの原資は、例えば、決済に用いられた決済手段を提供する決済事業者が負担するものとする。ここで、ユーザが第2の期間において第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、限度額更新部132による更新前の第2決済限度額を超過した場合、超過した後に発生する決済に対応して付与されるポイントの原資を、第1の決済事業者が負担するか、第2の決済事業者が負担するかが明確であることが好ましい。
【0049】
このため、特典付与部138は、ユーザが第2の期間において第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、限度額更新部132による更新前の第2決済限度額を超過する場合、第2決済実績額と更新前の第2決済限度額との差額に基づく特典の原資を第2の決済事業者と特定し、当該特典を、第2の決済事業者が当該ユーザに付与する特典としてもよい。そして、請求部133は、当該特典の原資を第2の決済事業者に請求してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、超過した後に発生する決済に対応して付与するポイントの原資を第2の決済事業者に負担させることができる。
【0050】
[決済手段を用いた決済の請求]
続いて、第1の決済手段及び第2の決済手段を含む複数の決済手段を用いた決済の請求に関する処理を説明する。
【0051】
請求部133は、記憶部12に記憶されている決済実績情報に基づいて、決済手段IDが示す決済手段を利用したユーザに対し、決済手段を利用した決済の決済金額を合計した請求金額を算出し、算出した請求金額を請求する。請求部133は、決済手段に対応する集計期間の終了日を経過すると、記憶部12に記憶されている決済実績情報を参照し、当該決済手段の集計期間におけるユーザの決済金額を合計することにより、当該決済手段に対応する請求金額を算出する。
【0052】
例えば、決済手段ID「B」が、ユーザID「U0001」のユーザにとって決済限度額が増額された第2の決済手段であるものとする。決済手段ID「B」の集計期間は、図3に示すように当月21日から翌月20日であることから、請求部133は、毎月21日になると、記憶部12に記憶されている決済実績情報を参照し、当該集計期間におけるユーザの決済手段ID「B」に対応する決済金額を合計することにより、第2の決済手段に対応する請求金額を算出する。
【0053】
ここで、請求部133は、ユーザが第2の期間において第2の決済手段を用いて決済された金額である第2決済実績額が、限度額更新部132による更新前の第2決済限度額を超過する場合、第2決済実績額と更新前の第2決済限度額との差額を、ユーザが第2の決済手段を提供する第2の決済事業者に支払う金額としてユーザに請求する。例えば、請求部133は、ユーザID「U0001」の決済手段ID「B」の決済手段に対応する第2決済実績金額が、更新前の第2決済限度額である100000円を超過する場合、第2決済実績額と更新前の第2決済限度額との差額を、第2の決済事業者に支払う金額としてユーザに請求する。このようにすることで、情報処理装置1は、第2決済限度額の増額分に対応する決済金額を、第2の決済事業者に支払うようにすることができる。
【0054】
また、請求部133は、ユーザによる、第2決済実績額と更新前の第2決済限度額との差額の支払いが支払期日までに完了しなかった場合、当該差額を第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払う金額としてユーザに請求し直すようにしてもよい。この場合、限度額更新部132は、第1決済限度額と、第2決済限度額とを更新前の状態に戻してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、第2決済限度額の増額分の支払いを行うことができないユーザに対し、増額をしないようにすることができる。
【0055】
通知部135は、限度額更新部132により第1決済限度額及び第2決済限度額の更新が行われ、第2決済限度額の増額分に対応する決済に係る決済手数料が発生すると、当該決済手数料の少なくとも一部が、第2の決済事業者から第1の決済事業者に支払われる第3手数料であることを第2の決済事業者に通知してもよい。
【0056】
例えば、通知部135は、決済処理部137が受信した決済要求に基づいて決済を行うと、決済要求に含まれる店舗IDに対応する店舗が決済手段を提供する決済事業者に支払う決済手数料が発生したことを特定する。当該決済要求に含まれるユーザIDのユーザが第2の期間において第2の決済手段を用いることにより決済された金額である第2決済実績額が、限度額更新部132による更新前の第2決済限度額を超過している場合、通知部135は、当該決済手数料の少なくとも一部が、第2の決済事業者から第1の決済事業者に支払われる第3手数料であることを第2の決済事業者に通知する。
【0057】
なお、通知部135が、決済手数料の少なくとも一部が、第2の決済事業者から第1の決済事業者に支払われる第3手数料であることを第2の決済事業者に通知することとしたが、これに限らない。支払部134は、決済処理部137により徴収された、決済手数料の一部を、第1の決済事業者に支払い、当該決済手数料の残りを、第2の決済事業者に支払うようにしてもよい。この場合、支払部134は、第2の決済手段の集計期間(第2の期間)において第1の決済事業者及び第2の決済事業者に支払う決済手数料を集計し、集計した決済手数料をまとめて支払うようにしてもよい。
【0058】
[動作フロー]
続いて、情報処理装置1の処理の流れについて説明する。図6は、情報処理装置1における決済限度額の更新に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
まず、受付部131は、限度額更新要求を受け付ける(S1)。限度額更新要求にはユーザIDが含まれている。
続いて、受付部131は、ユーザ端末2から、第1の決済手段及び第2の決済手段の選択を受け付ける(S2)。
【0060】
続いて、受付部131は、限度額更新要求に含まれているユーザIDに対応する第1の決済手段の決済限度額である第1決済限度額と、第1の期間において当該ユーザにより第1の決済手段を用いて決済された金額の合計額である第1決済実績額とを特定する(S3)。
【0061】
続いて、受付部131は、特定した第1決済限度額から第1決済実績額を差し引いた金額を第1決済限度額の変更額の上限とし、ユーザ端末2から、第1決済限度額の変更額を受け付ける(S4)。
【0062】
続いて、限度額更新部132は、限度額更新要求に含まれているユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている第1決済限度額から、受付部131が受け付けた変更額を減額するとともに、当該ユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている第2決済限度額に、当該変更額を増額する(S5)。
【0063】
続いて、限度額更新部132は、決済限度額の更新に係る手数料である第1手数料をユーザに請求する(S6)。
続いて、支払部134は、ユーザにより支払われた第1手数料の少なくとも一部の金額を、第1の決済手段を提供する第1の決済事業者、及び第2の決済手段を提供する第2の決済事業者の少なくともいずれかに支払う(S7)。
【0064】
続いて、通知部135は、第2の決済手段を提供する第2の決済事業者から第1の決済手段を提供する第1の決済事業者に支払われる、決済限度額の更新に係る手数料である第2手数料を、第2の決済事業者に通知する(S8)。
【0065】
[変形例]
なお、上述の実施の形態では、第1の決済事業者と第2の決済事業者とは異なる事業者であることとしたが、これに限らず、第1の決済事業者と第2の決済事業者とが同一であってもよい。この場合、情報処理装置1は、第2の決済事業者に対し、第1の決済事業者に対して支払う手数料の通知をしないようにしてもよい。
【0066】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末2から、第1の期間において第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を決済限度額の変更額として受け付けると、ユーザIDに関連付けて記憶されている第1決済限度額から、受け付けた変更額を減額するとともに、ユーザIDに関連付けて記憶されている第2決済限度額に、受け付けた変更額を増額する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0067】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 特定部
132 限度額更新部
133 請求部
134 支払部
135 通知部
136 決済要求受信部
137 決済処理部
138 特典付与部
【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】情報処理装置1は、ユーザを識別するためのユーザIDに関連付けて、第1の決済手段を用いてユーザが第1の期間において決済可能な金額の上限を示す第1決済限度額と、第2の決済手段を用いてユーザが第1の期間と一部の期間が重複する第2の期間において決済可能な金額の上限を示す第2決済限度額とを記憶する記憶部12と、ユーザ端末2から、第1の期間において第1の決済手段を用いて決済された金額である第1決済実績額を第1決済限度額から差し引いた金額以下の金額を決済限度額の変更額として受け付ける受付部131と、ユーザIDに関連付けて記憶されている第1決済限度額から、受け付けた変更額を減額するとともに、ユーザIDに関連付けて記憶されている第2決済限度額に、受け付けた変更額を増額する限度額更新部132と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6