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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】障害物検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/245 20060101AFI20231113BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20231113BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231113BHJP
   G03B 7/093 20210101ALI20231113BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231113BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231113BHJP
   H04N 23/45 20230101ALI20231113BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231113BHJP
【FI】
G01B11/245 H
G03B35/08
G03B15/00 V
G03B15/00 S
G03B7/093
G08G1/16 C
G06T7/00 650A
H04N23/45
H04N23/60 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020100815
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021196196
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】中川 知基
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-106026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-30
G01C 3/00-3/32
G01C 15/00-15/14
G03B 35/00-37/06
G03B 15/00
G03B 7/00-7/30
G08G 1/16
G06T 7/00
H04N 23/45
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の明るさに応じて露光時間を調節して適正な露光量を設定する自動露光機能を有するステレオカメラと、
前記ステレオカメラによる撮像によって得られた各画像に基づいて、撮像範囲に対応する各画素毎に、前記撮像範囲に含まれる各物体までの距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段によって算出された各物体までの距離に基づいて、前記撮像範囲に含まれる障害物であって、所定のしきい値よりも高さが高い障害物の有無を判定する障害物判定手段と、
前記ステレオカメラの露光時間を取得する露光時間取得手段と、
前記障害物の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記露光時間取得手段によって取得した露光時間と、前記輝度検出手段によって検出した輝度とに基づいて、前記障害物判定手段の判定で用いる前記しきい値の値を可変設定するしきい値設定手段と、
を備えることを特徴とする障害物検知装置。
【請求項2】
前記しきい値設定手段は、前記露光時間が第1の基準値より長く前記輝度が第2の基準値より高いときに前記しきい値を高い側に変更して設定することを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
【請求項3】
前記障害物判定手段によって障害物ありの判定がなされたときに所定の通知を行う通知手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の障害物検知装置。
【請求項4】
前記通知手段は、通知対象の障害物までの距離が第3の基準値よりも近いときに通知を行うことを特徴とする請求項3に記載の障害物検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シニアカー等の電動車両に搭載されて前方の路面上の障害物を検知する障害物検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、前方の走路をステレオカメラで撮像することにより走路領域までの3次元座標を計測し、走路領域内で傾斜や傾斜変化が予め設定された閾値を越える場合に、走路上に障害物が有ると判別するようにした車両用障害物検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置を用いることにより、前方に存在するある程度の高さを有する障害物を事前に検出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-20543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された車両用障害物検出装置のようにステレオカメラを利用して測位を行う場合に、例えば、日向と日陰が半々程度になっているような明暗差の大きい環境下において、明るい部分が本来の路面よりも浮いたように測位されたり、暗い部分が路面より下側の方へ測位されたりして障害物として誤判定するおそれがあるという問題があった。
【0005】
これは、ステレオカメラの自動露光時間調整により、日陰に入った場合には暗い環境に適した設定に、日向に入った場合には明るい環境に適した設定に自動的に切り替わることで、ダイナミックレンジを外れた部分の測位が正確にできないことに原因がある。
【0006】
特に、このような誤判定の結果、部分的に日向になっている何もない場所がその周囲よりも高さが高い障害物として検知されることは望ましくない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、明暗差の大きい環境下において、明るい部分を障害物として誤判定することを防止することができる障害物検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の障害物検知装置は、周囲の明るさに応じて露光時間を調節して適正な露光量を設定する自動露光機能を有するステレオカメラと、ステレオカメラによる撮像によって得られた各画像に基づいて、撮像範囲に対応する各画素毎に、撮像範囲に含まれる各物体までの距離を算出する距離算出手段と、距離算出手段によって算出された各物体までの距離に基づいて、撮像範囲に含まれる障害物であって、所定のしきい値よりも高さが高い障害物の有無を判定する障害物判定手段と、ステレオカメラの露光時間を取得する露光時間取得手段と、障害物の輝度を検出する輝度検出手段と、露光時間取得時間によって取得した露光時間と、輝度検出手段によって検出した輝度とに基づいて、障害物判定手段の判定で用いるしきい値の値を可変設定するしきい値設定手段とを備えている。
【0009】
自動露光機能によって自動的に設定された露光時間と障害物の輝度との関係に応じて障害物の有無判定のしきい値を変更することにより、障害物の輝度に対して適切な露光時間の設定がなされていない場合に障害物判定で用いるしきい値を変更することができるため、明暗差の大きい環境下において明るい部分を障害物として誤判定することを防止することが可能となる。
【0010】
また、上述したしきい値設定手段は、露光時間が第1の基準値より長く輝度が第2の基準値より高いときにしきい値を高い側に変更して設定することが望ましい。これにより、周囲が暗く、検知対象の障害物周辺のみが明るくなって障害物の判定精度が低下する場合の誤判定を防止することができる。
【0011】
また、上述した障害物判定手段によって障害物ありの判定がなされたときに所定の通知を行う通知手段とをさらに備えることが望ましい。これにより、障害物である旨の判定を行ったときに通知を行うとともに、低い段差のような実際には障害物とはいえない部分を誤って障害物として通知することを防止することができる。
【0012】
また、上述した通知手段は、通知対象の障害物までの距離が第3の基準値よりも近いときに通知を行うことが望ましい。これにより、障害物の接近時に通知を行うとともに、低い段差等の接近に伴う誤った通知を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の障害物検知装置の構成を示す図である。
図2】明暗に関する周囲の環境の具体例を示す図である。
図3】検出範囲内の障害物を検知する動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態の障害物検知装置について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、一実施形態の障害物検知装置の構成を示す図である。図1に示す障害物検知装置100は、シニアカー等の電動車両に搭載され、進行方向前方に存在する障害物を検知し、必要に応じて通知(警報)を出力するためのものであり、ステレオカメラ110、距離算出部120、深度画像作成部130、障害物判定部140、露光時間取得部150、輝度検出部152、しきい値設定部154、警報出力部160を備えている。
【0016】
ステレオカメラ110は、左右に一定の間隔で配置された右カメラ110Rと左カメラ110Lを含んでおり、電動車両前方の検出範囲に含まれる物体をこれら2つのカメラで並行して撮像する。例えば、夜間時などの検知機能を高めるために、赤外線カメラが用いられている。また、このステレオカメラ110は、周囲の明るさに応じて露光時間を調節して適正な露光量を設定する自動露光機能を有している。具体的には、ステレオカメラ110の周囲が暗い場合には露光時間が長く、周囲が明るい場合には露光時間が短く設定される。
【0017】
距離算出部120は、右カメラ110Rと左カメラ110Lのそれぞれによって撮像された画像に含まれる同じ物体における視差や、右カメラ110Rと左カメラ110Lの間隔、焦点距離に基づいて、撮像範囲(検出範囲)に含まれる各画素毎に、各画素に対応する物体までの距離を算出する。ステレオカメラ110を用いた距離算出手法は、従来から行われている手法をそのまま用いることができるため、詳細な算出方法の説明は省略する。
【0018】
深度画像作成部130は、各画素の画素値を、距離算出部120によって算出した距離に対応させた深度画像を作成する。
【0019】
障害物判定部140は、深度画像を構成する各画素の画素値(距離算出部120によって算出された各画素毎の距離)と、後述するしきい値設定部154によって設定したしきい値に基づいて、検出範囲内であって電動車両前方における障害物の有無を判定する。例えば、走行中の電動車両前方の路面上に、路面からの高さが所定のしきい値(後述する図2に示す「標準」状態に対応する標準値)よりも高い物体がある場合にこの物体を障害物候補として選択し、しきい値設定部154によって設定したしきい値よりもその障害物候補の高さが高い場合に障害物と判定するものとする。
【0020】
露光時間取得部150は、自動露光機能によって自動設定されたステレオカメラ110の露光時間を取得する。
【0021】
輝度検出部152は、障害物判定部140による判定の対象である障害物候補の輝度を検出する。この輝度は、ステレオカメラ110による撮像によって得られた画像(赤外画像)の中から、障害物候補に対応する画素の画素値(輝度)を抽出することによって行われる。
【0022】
しきい値設定部154は、露光時間取得部150によって取得した露光時間と、輝度検出部152によって検出した輝度に基づいて、障害物判定部140による判定の対象とされている障害物候補毎に、判定で用いるしきい値を設定する。
【0023】
ところで、本実施形態では、自動設定された露光時間に基づいて、明暗に関する周囲の環境を3種類に分類している。
【0024】
図2は、明暗に関する周囲の環境の具体例を示す図である。図2に示す例では、露光時間に基づいて周囲の環境を分類する際に、1500μsecと2500μsecの2種類の境界値が用いられている。露光時間が2500μsec以上の場合が周囲の環境が「暗い」状態に、露光時間が1500μsec以下の場合が周囲の環境が「明るい」状態に、露光時間が1500~2500μsecの間にある場合が周囲の環境が「標準」状態にそれぞれ対応する。
【0025】
周囲の環境が「暗い」状態では、露光時間が長く設定される。電動車両が日陰に入った場合などを想定しており、光量が足りない暗い状況下で検出範囲内の物体を明瞭に撮像することが可能になる。その一方で、検出範囲の一部が日向になっているような場合には、この日向部分が明るすぎてステレオカメラ110のダイナミックレンジから外れてしまい、この日向部分の測位精度が低下する。実際には、このような日向部分については、その高さが実際よりも高い値に算出されることが知られている。
【0026】
また、周囲の環境が「明るい」状態では、露光時間が短く設定される。電動車両が日向を走行中の場合などを想定しており、光量が多い明るい状況下で検出範囲内の物体を明瞭に撮像することが可能になる。その一方で、検出範囲の一部が日陰になっているような場合には、この日陰部分が暗すぎてステレオカメラ110のダイナミックレンジから外れてしまい、この日陰部分の測位精度が低下する。実際には、このような日陰部分については、その高さが実際よりも低い値に算出されることが知られている。
【0027】
しきい値設定部154は、上述したような原因により測位精度が低下しない通常時(図2に示す露光時間が1500~2500μsecの間にある「標準」状態)には、しきい値を標準値(例えば8cm)に設定する。この場合には、障害物判定部140は、高さ8cmよりも高い物体を障害物として判定する。
【0028】
また、しきい値設定部154は、上述したような原因により測位精度が低下した明暗時(図2に示す露光時間が2500μsec以上の「暗い」状態や露光時間が1500μsec以下の「明るい」状態)には、精度低下に伴って、実際には障害物ではない部分(日向となっている路面の一部など)を誤って障害物として誤判定することを防止するために、しきい値を標準値よりも高い値(例えば40cm)に設定する。この場合には、障害物判定部140は、高さ40cmよりも高い物体を障害物として判定し、高さがそれよりも低い物体については障害物として判定しない。
【0029】
警報出力部160は、障害物判定部140によって前方の物体が障害物として判定されたときであって、この障害物までの距離が基準値(第3の基準値)よりも近いときに、この障害物の存在を知らせる所定の警報(通知)を行う。例えば、警報画面の表示や警報音の出力などを行うことにより、電動車両の搭乗者(利用者)に対して、前方に障害物が存在することを知らせることができる。
【0030】
上述した距離算出部120が距離算出手段に、障害物判定部140が障害物判定手段に、露光時間取得部150が露光時間取得手段に、輝度検出部152が輝度検出手段に、しきい値設定部154がしきい値設定手段に、警報出力部160が通知手段にそれぞれ対応する。
【0031】
本実施形態の障害物検知装置100はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
【0032】
図3は、検出範囲内の障害物を検知する動作手順を示す流れ図である。この一連の動作手順は、一定の時間間隔で繰り返し実施される。
【0033】
まず、ステレオカメラ110を用いて前方の検出範囲が撮像されると(ステップ100)、距離算出部120は、この撮像によって得られた右画像と左画像とに基づいて、検出範囲内にある各物体に対応する距離を画素単位で算出する(ステップ102)。
【0034】
次に、障害物判定部140は、自車両から所定範囲内に障害物候補となる物体があるか否かを判定する(ステップ104)。ここで、「所定範囲」とは警報出力の有無を判定する基準値(第3の基準値)よりも遠い範囲までを含んでいる。また、「障害物候補」とは、自車両が走行中の路面よりも所定のしきい値よりも高い物体が該当する。この障害物候補を探すために用いるしきい値としては標準値(例えば、8cm)が用いられる。障害物候補が検出範囲内に存在しない場合には否定判断が行われ、障害物検知に関する一連の動作が終了する。
【0035】
また、障害物候補が検知範囲内に一つ以上存在する場合にはステップ104の判定において肯定判断が行われる。次に、露光時間取得部150は、ステレオカメラ110の露光時間を取得する(ステップ106)。また、障害物判定部140は、障害物候補の中から一つを選択する(ステップ108)。例えば、自車両から最も近い位置にある障害物候補が選択される。
【0036】
次に、輝度検出部152は、この選択された障害物候補に対応する輝度を検出する(ステップ110)。また、しきい値設定部154は、ステップ106において取得した露光時間と、ステップ110において検出した輝度とに基づいて、この障害物候補が障害物であるか否かを判定するためのしきい値を設定する(ステップ112)。
【0037】
具体的には、図2に示すように、露光時間が2500μsec(第1の基準値)よりも長く、輝度値が130(第2の基準値)よりも高い場合(ケースA)や、露光時間が1500μsecよりも短く、輝度値が80よりも低い場合(ケースB)には、しきい値設定部154は、しきい値を標準値(例えば、8cm)よりも高い40cmに設定する。上述したケースAは、周囲の環境が「暗い」状態(図2)で障害物候補の物体の輝度が相対的に明るい場合であり、障害物判定の精度が低い。ケースBは、周囲の環境が「明るい」状態(図2)で障害物候補の物体の輝度が相対的に暗い場合であり、同様に、障害物判定の精度が低い。このように判定精度が低い場合には、障害物でない路面等を誤って障害物として判定してしまわないように、しきい値が高い値に設定される。また、それ以外の場合は、しきい値が標準値に設定される。
【0038】
次に、障害物判定部140は、この設定されたしきい値を用いて、再度、選択されている障害物候補の高さがしきい値よりも高いか否かを判定する(ステップ114)。しきい値よりも高い場合には肯定判断が行われ、障害物判定部140は、この障害物候補となっている物体が障害物である旨の判定を行う(ステップ116)。
【0039】
次に、警報出力部160は、自車両の移動に伴って、この障害物が第3の基準値より近づいたか否かを判定する(ステップ118)。近づいていない場合には否定判断が行われ、障害物検知に関する一連の動作が終了する。また、近づいた場合にはステップ118の判定において肯定判断が行われる。この場合には、警報出力部160は、障害物の接近を知らせる警報動作を行う(ステップ120)。その後、障害物検知に関する一連の動作が終了する。
【0040】
また、選択されている障害物候補の高さがしきい値よりも低い場合にはステップ114の判定において否定判断が行われる。この場合には、障害物判定部140は、別の障害物候補があるか否かを判定する(ステップ122)。別の障害物候補が存在する場合には、ステップ108に戻って次に自車両から近い障害物候補が選択され、この次の障害物候補について同様の動作が繰り返される。また、別の障害物候補が存在しない場合にはステップ122の判定において否定判断が行われ、障害物検知に関する一連の動作が終了する。
【0041】
このように、本実施形態の障害物検知装置100では、自動露光機能によって自動的に設定されたステレオカメラ110の露光時間と障害物の輝度との関係に応じて障害物の有無判定のしきい値を変更することにより、障害物の輝度に対して適切な露光時間の設定がなされていない場合に障害物判定で用いるしきい値を変更することができるため、明暗差の大きい環境下において明るい部分を障害物として誤判定することを防止することが可能となる。
【0042】
具体的には、露光時間が第1の基準値(2500μsec)より長く輝度が第2の基準値(130)より高いときにしきい値を高い側に変更することにより、周囲が暗く、検知対象の障害物周辺のみが明るくなって障害物の判定精度が低下する場合の誤判定を防止することができる。
【0043】
また、障害物である旨の判定が行われたときに通知(警報出力)を行っており、低い段差のような実際には障害物とはいえない部分を誤って障害物として通知することを防止することができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、シニアカー等の電動車両に搭載する物体検知装置について説明したが、他の車両に搭載する障害物検知装置や、車両以外の場所に設定する障害物検知装置に本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述したように、本発明によれば、自動露光機能によって自動的に設定された露光時間と障害物の輝度との関係に応じて障害物の有無判定のしきい値を変更することにより、障害物の輝度に対して適切な露光時間の設定がなされていない場合に障害物判定で用いるしきい値を変更することができるため、明暗差の大きい環境下において明るい部分を障害物として誤判定することを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
100 障害物検知装置
110 ステレオカメラ
110R 右カメラ
110L 左カメラ
120 距離算出部
130 深度画像作成部
140 障害物判定部
150 露光時間取得部
152 輝度検出部
154 しきい値設定部
160 警報出力部
図1
図2
図3