(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】フルサイズマスク組立体とその製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20231113BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20231113BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
C23C14/04 A
H05B33/14 A
H05B33/10
(21)【出願番号】P 2018233748
(22)【出願日】2018-12-13
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】10-2018-0064033
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518443719
【氏名又は名称】ケーピーエス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ホ
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-301789(JP,A)
【文献】特開2015-145532(JP,A)
【文献】特開2007-035440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/04
H10K 50/10
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム開口部が形成され、前記フレーム開口部を囲む支持部を有するフレーム;
変形を防止すべく前記支持部によって支持され、複数個の構造用補助マスク開口部が形成されるように格子形態をなす複数の支柱を有する構造用補助マスク;および
前記構造用補助マスクによって支持され、蒸着物質を通過させる蒸着パターン部を具備した複数個のセル単位マスクを含み、
前記複数の支柱は、第1方向でセル単位マスクを支持する第1セル単位支持部と、前記第1方向と直交する第2方向でセル単位マスクを支持する第2セル単位支持部と,前記第1セル単位支持部と第2セル単位支持部の間の領域であって互いに離隔させるセル単位離隔部と、縁から突出して延びた突出部を含み、
前記突出部は、引張された状態で、前記フレームに溶接によって接合されるフレーム結合部を含む、フルサイズマスク組立体。
【請求項2】
フルサイズマスク組立体であって、
フレーム開口部が形成され、前記フレーム開口部を囲む支持部を有するフレーム;
変形を防止すべく前記支持部によって支持され、複数個の構造用補助マスク開口部が形成されるように格子形態をなす複数個の支柱を有する構造用補助マスク;および
前記構造用補助マスクによって支持され、蒸着物質を通過させる蒸着パターン部を具備した複数個のセル単位マスクを含み、
前記セル単位マスクは、前記構造用補助マスクの上面に個別的に固定されるために、下面に二つ以上のセル単位結合部を更に含み、
前記セル単位結合部は並んで配置された複数個の溶接点であり、
前記溶接点は、前記構造用補助マスクに前記セル単位マスクを固定する時に、前記フルサイズマスク組立体の下部に位置した溶接用レーザー光による溶接時に発生したバリ(bur)を有し、蒸着時に前記セル単位マスク上にTFT
ガラスが置かれる時、前記発生したバリは、前記セル単位マスクの上面と前記TFT
ガラスの下面との間の浮き上がりを招かない、フルサイズマスク組立体。
【請求項3】
前記セル単位マスクは、垂直方向でTFTガラスのTFT位置互いに一致するようにして整列される、請求項1または2に記載のフルサイズマスク組立体。
【請求項4】
フレームに形成されたフレーム開口部に構造用補助マスクを対向させて整列させる構造用補助マスク整列段階;
構造用補助マスク開口部が形成されるように格子形態をなした前記構造用補助マスクの複数個の支柱のうち、縁から突出して延長された突出部の両端を引張する構造用補助マスク引張段階;
前記突出部が引張された状態で前記突出部のうち、フレーム結合部が前記フレームに溶接接合される構造用補助マスク固定段階;
セルマスクグリッパー(gripper)がセル単位マスクを第1方向及び第2方向に引張支持するセル単位マスク引張段階;
前記構造用補助マスクに形成された構造用補助マスク開口部にそれぞれの前記セル単位マスクを対向させて整列させるセル単位マスク整列段階;および
前記構造用補助マスクと前記セル単位マスクの間にセル単位結合部を形成して前記構造用補助マスクに前記セル単位マスクを固定するセル単位マスク固定段階を含
む、
フルサイズマスク組立体の製造方法。
【請求項5】
前記セル単位マスク整列段階は、
蒸着物質を通過させる蒸着パターン部のうちある一側の角に位置した第1位置整列ホールを垂直方向で前記構造用補助マスク開口部内に整列させるセル単位マスク第1位置整列段階;
前記蒸着パターン部のうち多数個の第2位置整列ホールを垂直方向でTFTガラスのTFT位置に整列させるセル単位マスク第2位置整列段階;および
前記構造用補助マスク開口部に前記セル単位マスクを装着させるセル単位マスク装着段階をさらに含む、請求項4に記載のフルサイズマスク組立体の製造方法。
【請求項6】
前記セル単位マスク第2位置整列段階は、
前記第2位置整列ホールの中心と前記TFT位置とを一致させる、請求項5に記載のフルサイズマスク組立体の製造方法。
【請求項7】
前記セル単位マスク固定段階は、
フルサイズマスク組立体の下部に位置したレーザー光によって前記構造用補助マスクと前記セル単位マスクを溶接する、請求項4から6のいずれか一項に記載のフルサイズマスク組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルサイズマスク組立体とその製造方法に関するものであって、より詳細には、基板上に蒸着物質を蒸着するためのフルサイズマスク組立体とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置の中でも有機発光表示装置(Organic Light Emitting Device、OLED)は視野角が広く、コントラスト(contrast)が優秀であるだけでなく、応答速度が速いという長所を有している。そのため、有機発光表示装置(OLED)の使用領域が次第に拡大していく趨勢である。
【0003】
このような有機発光表示装置(OLED)の電極と発光層を含む中間層は多様な方法によって形成が可能であるが、このうち一つの方法が蒸着法(deposition)である。
【0004】
中小型の有機発光表示装置(OLED)製品での高解像度有機発光表示装置(OLED)の製造に最も大きな障害は、有機発光表示装置(OLED)製造工程でRGBピクセルの形成に核心である蒸着工程(deposition)にある。基板上に形成される薄膜などのパターンと同じパターンを有するファインメタルマスク(Fine Metal Mask、以下「マスク」という)を整列し、薄膜の元の素材を蒸着して望むパターンの薄膜を形成する。このような蒸着工程はチャンバー(chamber)下端に位置した蒸着ソースで有機物を加熱し、加熱した有機物を昇華させて上部に位置したマスクを通過させてTFTガラスに蒸着する方法を取る。
【0005】
蒸着工程ではマスクをTFTガラスと離隔された部分がないように付着させて蒸着する。離隔が発生する場合、影効果によって蒸着不良が発生するためである。正しい蒸着のために、10μm-30μm厚さのマスクはTFTガラスと扁平度が維持されるように、マスクをぴんと張るように引っ張って弾力が維持された状態にならなければならない。マスクをぴんと張るように維持するために、マスクの縁に引張のための追加の翼を形成し、引張力を加えることができるクランプで翼部分を掴んで引張する。基板上に形成される薄膜などのパターンと一致するようにマスクのホールを整列した後、フレームにマスクの縁に重なる部分を溶接してマスクフレームを製作する。
【0006】
AMOLED(Active Matrix OLED)パネルの場合、量産用として6世代ハーフサイズまで来ているが、7世代、8世代などの大面積化が避けられない。このような大面積化がなされないと多面取り製作による大型AMOLEDパネルの同時製造ができないためである。
【0007】
また、高解像度に行くほど微細なパターニング作業を必要とする。微細なパターニング作業をするために、マスク内のホールの大きさとホールの間隔が小さくならなければならない。TFTガラスとマスク間の配置精度も正確にならなければならない。さらに、マスクの厚さも薄くならなければならない。マスクの製作がますます難しくなり、歩留まりも急激に低下することになる。またTFTガラスが大面積化されるとパターン形成のためのエッチング誤差が大きくなり、自重によってマスク中央部の垂れ下がり現象も激しくなる。
【0008】
図1aは、従来技術による引張されたスティックマスク1を示す概略図である。
【0009】
現在までは1枚単位でマスクを製造することができないため、複数のマスク1aをスティック(stick)の形態に製作し、フレームに付着させてスティックマスクタイプのマスク組立体が使われてきた。スティックマスク1は複数のマスク1 aと引張に必要な翼から構成される。
【0010】
高解像度大面積になるにつれて、スティックマスク1の幅と長さも増加するようになり、これに伴い、スティックマスク1を構成するマスク1aの個数とそれぞれのマスクのサイズも大きくなっている。スティックマスク1も高解像度大面積に製作しなければならないが、エッチング均一性の確保が難しいため、製作に困難がある。また、設計図面通りに製作されたスティックマスク1を、ぴんと張っている状態に固定するために引張力を加える場合、スティックマスク1の変形やマスクの表面にシワが発生するなどの問題点があった。
【0011】
また、設計図面通りに製作されたスティックマスク1をぴんと張っている状態に固定するために、引張されたスティックマスク1の翼をクランプが把持しているが、この場合引張時の問題が発生する。
【0012】
図1bは従来技術による引張されたスティックマスク1の変形状態を示す概略図である。
【0013】
スティックマスク1が長さ方向(以下、「Y方向」という)に引張されてぴんと張るように引っ張られた状態で、スティックマスク組立体に結合させるようになる。
図1bに図示された通り、スティックマスク1を Y方向に引っ張るとスティックマスク1の長さの垂直方向(以下、「X方向」という)に収縮が発生し、スティックマスク1の長さが長くなるほど各マスク1aの収縮の程度も大きくなる。
【0014】
現在、スティックマスク1は Y方向 にのみ引張することができ、X方向へは引張することができない。したがって、X方向への補正が必要となるが、これはスティックマスク1の設計時にX方向に対する収縮を勘案して設計するのが実情である。
【0015】
しかし、実際にスティックマスク組立体を製作するためにスティックマスク1に加える引張力は、設計時に勘案した引張力と異なる。したがって、スティックマスク組立体の生産時にX方向に対するR、G、B位置にエラーを発生させることになる。スティックマスク1の解像度が高くなると高くなるほど、長さが長くなると長くなるほど、このようなエラーが頻繁になる問題点があった。
【0016】
図2は、従来技術によるスティックマスク1をフレームに溶接する場合に発生する問題点を説明するための概略図である。
【0017】
図2に図示された通り、スティックマスク組立体を生産するために、スティックマスク1を引張してR、G、B位置に合わせた後、スティックマスクの溶接領域1bをスティックマスク1の上部でフレームに溶接することになる。この場合、溶接領域1bがスティックマスク1の両端の縁のみを支持するようになってフレームに溶接される。
【0018】
スティックマスク組立体を一定の使用回数で使用した後には必ずマスクの洗浄が必要となる。この時、洗浄と保管の段階でスティックマスク1は両端のみがフレームに固定されているため、機械的な強度が弱くてフレームから容易に分離される問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
(特許文献0001)登録特許公報第10-1742816号(2017.06.02.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明が解決しようとする技術的課題は、既存のスティックマスクの製造限界およびマスク大面積化の技術的限界を克服し、マスクの精度および機械的な強度を向上させたフルサイズマスク組立体を提供することにある。
【0021】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、X方向とY方向にセル単位マスクに引張力を加えることができるため、画素位置正確度(PPA、Pixel Position Accuracy)を向上させたフルサイズマスク組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記技術的課題を解決するために、本発明はセル単位マスクを利用したフルサイズマスク組立体を提供する。
【0023】
本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体は、フレーム開口部が形成され、前記フレーム開口部を囲む支持部を有するフレーム;前記支持部によって支持され、複数個の構造用補助マスク開口部が形成されるように格子形態をなす複数の支柱を有する構造用補助マスク;および前記構造用補助マスクによって支持され、蒸着物質を通過させる蒸着パターン部を具備した複数個のセル単位マスクを含むことができる。
【0024】
一実施例によると、それぞれの前記セル単位マスクは個別的に前記構造用補助マスクに結合され得る。
【0025】
一実施例によると、第1位置整列ホールは前記蒸着パターン部のある一側の角に位置したものであって、前記第1位置整列ホールは垂直方向に前記構造用補助マスク開口部内に整列するように設けられ得る。
【0026】
一実施例によると、第2位置整列ホールは前記蒸着パターン部のうち多数個で提供された基準ホールであって、前記第2位置整列ホールの中心は垂直方向でTFTガラスのTFT位置と互いに一致するように整列され得る。
【0027】
一実施例によると、前記支柱は、第1方向で前記セル単位マスクを支持する第1セル単位支持部;前記第1方向と直交する第2方向で前記セル単位マスクを支持する第2セル単位支持部;および前記第1セル単位支持部と前記第2セル単位支持部間に所定の間隔を有して格子形状を形成し、前記セル単位マスクを接触しないセル単位離隔部を含むことができる。
【0028】
一実施例によると、前記セル単位マスクは第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に複数個が互いに断続的に設けられ得る。
【0029】
一実施例によると、前記セル単位マスクは第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に前記構造用補助マスク開口部より大きい領域を有することができる。
【0030】
一実施例によると、前記蒸着パターン部は第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に前記構造用補助マスク開口部より小さい領域を有することができる。
【0031】
一実施例によると、前記セル単位マスクは前記一面に二つ以上のセル単位結合部をさらに含むことができる。
【0032】
一実施例によると、前記セル単位結合部は並んで配置された複数個の溶接点であり得る。
【0033】
一実施例によると、前記セル単位結合部は、端部に沿って形成された前記第1方向の第1セル単位結合部または前記第2方向の第2セル単位結合部のうちいずれか一つであり得る。
【0034】
一実施例によると、前記セル単位結合部は、端部に沿って形成された前記第1方向の第1セル単位結合部と前記第2方向の第2セル単位結合部を含むことができる。
【0035】
本発明のさらに他の実施例に係るセル単位マスクを利用したフルサイズフルサイズマスク組立体は、複数個の構造用補助マスク開口部が形成されるように格子形態をなす複数の支柱からなる構造用補助マスクを有するフルサイズマスク組立体において、前記構造用補助マスク開口部に対向する位置に蒸着パターン部を具備し、前記構造用補助マスクによって支持される、複数個のセル単位マスクを含むものの、それぞれの前記セル単位マスクは個別的に前記構造用補助マスクに結合され得る。
【0036】
一実施例によると、前記支柱は、第1方向で前記セル単位マスクを支持する第1セル単位支持部;前記第1方向と直交する第2方向で前記セル単位マスクを支持する第2セル単位支持部;および前記第1セル単位支持部と前記第2セル単位支持部間に所定の間隔を有して離れた状態で格子形状を有し、前記セル単位マスクを支持しないセル単位離隔部を含むことができる。
【0037】
一実施例によると、前記セル単位マスクは第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に複数個が互いに断続的に設けられ得る。
【0038】
前記技術的課題を解決するために、本発明はセル単位マスクを利用したフルサイズマスク組立体の製造方法を提供する。
【0039】
本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体の製造方法は、構造用補助マスクに形成された構造用補助マスク開口部にそれぞれのセル単位マスクを対向させて設けるフルサイズマスク組立体の製造方法において、フレームに形成されたフレーム開口部に前記構造用補助マスクを対向させて整列させる構造用補助マスク整列段階;前記構造用補助マスクを第1方向と第2方向に引張する構造用補助マスク引張段階;前記フレームと前記構造用補助マスクの間に溶接部を形成して前記フレームに前記構造用補助マスクを固定する構造用補助マスク固定段階;前記構造用補助マスクの構造用補助マスク開口部に前記セル単位マスクを対向させて整列させるセル単位マスク整列段階;および前記構造用補助マスクと前記セル単位マスクの間にセル単位結合部を形成して前記構造用補助マスクに前記セル単位マスクを固定するセル単位マスク固定段階を含むことができる。
【0040】
一実施例によると、前記セル単位マスク整列段階は、セルマスクグリッパー(gripper)が前記セル単位マスクを第1方向および第2方向に引張力を加えるセル単位マスク引張段階;蒸着物質を通過させる蒸着パターン部のうちある一側の角に位置した第1位置整列ホールを垂直方向で前記構造用補助マスク開口部内に整列させるセル単位マスク第1位置整列段階;前記蒸着パターン部のうち多数個の第2位置整列ホールを垂直方向でTFTガラスのTFT位置に整列させるセル単位マスク第2位置整列段階;および前記構造用補助マスク開口部に前記セル単位マスクを装着させるセル単位マスク装着段階をさらに含むことができる。
【0041】
一実施例によると、前記セル単位マスク第2位置整列段階は、前記第2位置整列ホールの中心と前記TFT位置と一致させることができる。
【0042】
一実施例によると、前記セル単位マスク固定段階は、フルサイズマスク組立体の下面に位置したレーザー光によって前記構造用補助マスクと前記セル単位マスクを溶接することができる。
【0043】
本発明の他の実施例に係るフルサイズマスク組立体の製造方法は、フレームに固定された構造用補助マスクに形成された構造用補助マスク開口部にそれぞれのセル単位マスクを対向させて前記セル単位マスクごとに個別的に整列させるセル単位マスク整列段階を含むことができる。
【0044】
一実施例によると、前記セル単位マスク整列段階は、セルマスクグリッパー(gripper)が前記セル単位マスクを第1方向および第2方向に引張力を加えるセル単位マスク引張段階;蒸着物質を通過させる蒸着パターン部のうちある一側の角に位置した第1位置整列ホールを垂直方向で前記構造用補助マスク開口部内に整列させるセル単位マスク第1位置整列段階;前記蒸着パターン部のうち多数個の第2位置整列ホールを垂直方向でTFTガラスのTFT位置に整列させるセル単位マスク第2位置整列段階;および前記構造用補助マスク開口部に前記セル単位マスクを装着させるセル単位マスク装着段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の実施例によると、それぞれのセル単位マスク単位で設けることによって、マスクの製作面積が最小化されることによって製作が容易となるため、生産効率の上昇、高精密のマスク製作が可能および生産単価が節減される利点がある。
【0046】
また、本発明の実施例によると、それぞれのセル単位マスク単位で具現することによって、スティックマスクを利用したフルサイズマスクが原版ガラスのサイズ拡大に対応し難い問題を解決することができるため、6世代フルサイズだけでなくそれ以上のフルサイズの製作が可能であるという利点がある。
【0047】
また、本発明の一実施例によると、それぞれのセル単位マスク単位で具現することによって、X方向はもちろん、Y方向にセル単位マスクに引張力を加えることができるため、マスクのトータルピッチをさらに精密に制御できる利点がある。
【0048】
また、本発明の一実施例によると、それぞれのセル単位マスク別に二つ以上のセル単位結合部を有することによって、フルサイズマスク組立体の使用による変形を最小化させて耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、本発明の一実施例によると、セル単位マスクの周面に沿って複数個の溶接点からなるセル単位結合部が設けられることによって、フルサイズマスク組立体内のセル単位マスクの結合力を高めるため、洗浄回数の増加およびマスク取り換え所用時間の減少、蒸着器の連続稼動時間の延長に伴う生産性を高めることができる利点がある。
【0050】
また、本発明の一実施例によると、TFTガラスの接触面に対する裏面であるセル単位マスクの下面、すなわち蒸着面に溶接することによって、溶接時に発生したバリ(bur)が発生しても蒸着時に基板がフルサイズマスク組立体とに浮きがなく付着され得るため、影(shadow)現象による蒸着不良をなくすことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】従来技術によるスティックマスクと引張されたスティックマスクの変形状態を示す概略図。
【
図1b】従来技術によるスティックマスクと引張されたスティックマスクの変形状態を示す概略図。
【
図2】従来技術によるスティックマスクをフレームに溶接する場合に発生する問題点を説明するための概略図。
【
図3】本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体の平面図。
【
図5】本発明の一実施例に係る構造用補助マスクの構造を示す概略図。
【
図6】本発明の一実施例に係るフレームに固定された構造用補助マスクの構造を示す斜視図。
【
図7a】本発明の一実施例に係るセル単位マスクの構造を示す概略図。
【
図7b】本発明の一実施例に係るセル単位マスクの構造を示す概略図。
【
図7c】本発明の一実施例に係るセル単位マスクの構造を示す概略図。
【
図8】本発明の一実施例に係るフレームに固定された構造用補助マスクにセル単位マスクが第1位置整列する方式を説明するための概略図。
【
図9】本発明の一実施例に係るフレームに固定された構造用補助マスクにセル単位マスクが第1位置整列する方式を説明するための概略図。
【
図10】本発明の一実施例に係るセル単位マスクが第1位置整列された状態を示す概略図。
【
図11】本発明の一実施例に係るセル単位マスクが第2位置整列された状態を示す概略図。
【
図12】本発明の一実施例に係る溶接によってセル単位マスクを構造用補助マスクに結合時、溶接方向を示す概略図。
【
図13】本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体で構造用補助マスクを示す概略図。
【
図14】本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体でセル単位マスクを示す概略図。
【
図15】本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体の製造方法を示すブロック図。
【
図16】
図15でセル単位マスクの整列する方法を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明の技術的思想はここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されてもよい。かえって、ここで紹介される実施例は開示された内容が徹底かつ完全となるように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。
【0053】
本明細書で、ある構成要素が他の構成要素上にあると言及される場合に、それは他の構成要素上に直接形成され得るかまたはそれらの間に第3の構成要素が介在されてもよいことを意味する。また、図面において、形状および大きさは技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。
【0054】
また、本明細書の多様な実施例で第1、第2、第3等の用語が多様な構成要素を記述するために使用されたが、これらの構成要素はこのような用語によって限定されてはならない。これらの用語は単にある構成要素を他の構成要素と区別させるために使用されただけである。したがって、いずれか一つの実施例に第1構成要素と言及されたものが他の実施例では第2構成要素と言及されてもよい。ここに説明されて例示される各実施例はそれの相補的な実施例も含む。また、本明細書で「および/または」は前後に羅列した構成要素のうち少なくとも一つを含む意味で使用された。
【0055】
明細書で単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。また、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を排除するものと理解されてはならない。また、本明細書で「連結」は複数の構成要素を間接的に連結するもの、および直接的に連結するものをすべて含む意味で使用される。
【0056】
また、下記の本発明の説明において、関連した公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせる恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0057】
以下では、説明の便宜のために第1方向は横幅方向に直交座標系のX軸を指し示し、第2方向は縦幅方向に直交座標系のY軸を指し示す。この時、第1方向は第2方向と直交する。
【0058】
図3は本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体10の平面図、
図8は本発明の一実施例に係るフレーム100に固定された構造用補助マスク200にセル単位マスク300が第1位置整列される方式を説明するための概略図である。
【0059】
図3と
図8を参照すると、本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体10は、基板(図示されず)上に蒸着物質を蒸着する蒸着工程に利用され得る。このようなフルサイズマスク組立体10は、フレーム100と構造用補助マスク200、複数のセル単位マスク300を含むことができる。この場合、フルサイズマスク組立体10は、フレーム100と構造用補助マスク200、セル単位マスク300が垂直方向に順次積層された構造であり得る。
【0060】
フレーム100
【0061】
図4は、本発明の一実施例に係るフレーム100の斜視図である。
【0062】
図3と
図4を参照すると、本発明の一実施例に係るフレーム100は、内側のフレーム開口部120と支持部110を含むことができる。フレーム100には、後述する構造用補助マスク200と複数のセル単位マスク300が結合され得る。フレーム100は、構造用補助マスク200とセル単位マスク300の引張方向に作用する圧縮力による変形が起きないように、剛性の大きい金属材質で製作され得る。また、フレーム100は、一定厚さと四角形状を有することができる。
【0063】
図4に図示された通りフレーム100には、一つ以上のフレーム開口部120が形成され得る。それによりフレーム開口部120は、略四角形状を有することができる。フレーム開口部120は、後述する複数のセル単位マスク300を垂直方向に露出させるために、一定の間隔で配列された複数のセル単位マスク300に対応する大きさと状を有することができる。
【0064】
支持部110は、中央のフレーム開口部120を囲む形状であって、後述する構造用補助マスク200の下部に設けられて、構造用補助マスク200の一面を支持することができる。すなわち支持部110は、垂直方向で面接触された構造用補助マスク200の下面を支持することができる。また、支持部110は、構造用補助マスク200との結合が可能であるように対応する大きさと形状を有することができる。
【0065】
フルサイズマスク組立体10のさらに他の構成である構造用補助マスク200について説明する。
【0066】
構造用補助マスク200
【0067】
図5は本発明の一実施例に係る構造用補助マスク200の構造を示す概略図、
図6は本発明の一実施例に係るフレーム100に固定された構造用補助マスク200の構造を示す斜視図、
図13は本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体10で構造用補助マスク200を示す概略図である。
【0068】
図3および
図5、
図6、
図13を参照すると、本発明の一実施例に係る構造用補助マスク200は、セル単位マスク300の製作公差であるトータルピッチ(total pitch)を一定に維持し、後述するセル単位マスク300を支持することができる。構造用補助マスク200は、中央に複数個の構造用補助マスク開口部210が形成され、それぞれの格子をなす複数の支柱220を含むことができる。このような構造用補助マスク200は、フレーム100と複数のセル単位マスク300の間に介在され得る。
【0069】
構造用補助マスク200は、中央に複数の構造用補助マスク開口部210が格子形態をなし、それぞれの格子をなす支柱220が第1方向と第2方向に対称となるように配列され得る。このような構造用補助マスク開口部210は、製造および加工の便宜性のために格子形態を有するか、大きさが互いに異なるか不規則な場合のように、必ずしも格子形態で配列される必要はない。
【0070】
構造用補助マスク200は、フレーム100とセル単位マスク300に均一な引張力を加えることができるように、それぞれの支柱220の大きさと形態、幅等が互いに対称となり得る。構造用補助マスク200は、工程中に発生する熱による温度の変化によじれが発生しないように熱膨張係数は高く、垂れ下がりなどの変形が発生しない材質であり得る。また、構造用補助マスク200は、板状を有し、100μm~200μmの厚さを有し得る。
【0071】
構造用補助マスク開口部210
【0072】
再び
図5と
図6、
図8、
図13を参照すると、構造用補助マスク開口部210は略四角形状を有することができる。構造用補助マスク開口部210は、後述するセル単位マスク300の蒸着パターン部310を垂直方向に露出させるために、支柱220間の離隔距離だけの格子領域を有することができる。また、構造用補助マスク開口部210は、蒸着パターン部310に対応する大きさと形状に形成され得る。一つの構造用補助マスク開口部210は、一つのセル単位マスク300に対応され得る。したがって、一つのフルサイズマスク組立体10を利用した単一工程で複数の有機発光表示装置(OLED)に該当するパターンを同時に蒸着することができる。
【0073】
支柱220
【0074】
図8と
図9は本発明の一実施例に係るフレーム100に固定された構造用補助マスク200にセル単位マスク300が第1位置整列される方式を説明するための概略図、
図10は本発明の一実施例に係るセル単位マスク300が第1位置整列された状態を示す概略図、
図13は本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体10で構造用補助マスク200を示す概略図である。
【0075】
図5と
図8~
図10を参照すると支柱220は、後述するセル単位マスク300のセル単位支持部に面接触してそれぞれのセル単位マスク300を支持することができる。このような支柱220は、全体として第1方向と第2方向でそれぞれ平行するように設けられ、それぞれの方向で複数個が同じ幅と長さを有することができる。支柱220は、格子形態に配置されて構造用補助マスク開口部210の間の領域を提供することができる。
【0076】
図13を参照すると支柱220は、第1セル単位支持部221と第2セル単位支持部222、セル単位離隔部223を含み、端部の突出部224をさらに含むことができる。
【0077】
第1セル単位支持部221は、第1方向でセル単位マスク300を支持することができる。第1セル単位支持部221は、第2方向に一定の幅を有し、セル単位マスク300と面接触することができる。
【0078】
第2セル単位支持部222は、第2方向でセル単位マスク300を支持することができる。第2セル単位支持部222は、第1方向に一定の幅を有し、セル単位マスク300と面接触することができる。この場合、第2セル単位支持部222は、第1セル単位支持部221と互いに異なる幅でセル単位マスク300を支持することができる。
【0079】
セル単位離隔部223は、第1セル単位支持部221と第2セル単位支持部222の間の領域であって、所定の間隔を有して格子形状をなすように複数個が互いに離隔して設けられ得る。セル単位離隔部223は、支柱220で第1セル単位支持部221と第2セル単位支持部222を除いた領域を有することができる。すなわち、セル単位離隔部223だけそれぞれのセル単位マスク300が一定の間隔で離隔することができる。セル単位離隔部223は、スティックマスクとは異なり第2方向に対してもそれぞれのセル単位マスク300と接触しない領域を有することができる。すなわち、セル単位離隔部223は、第1方向と第2方向に対してそれぞれのセル単位マスク300間が互いに接触せずに離隔した領域を指す。
【0080】
突出部224は、支柱220の縁から突出して延びた領域であり得る。突出部224は、構造用補助マスク200に引張力を加えるためにクランプ装置(図示されず)に把持される領域であって、フレーム100と面接触してフレーム100に支持され得る。第1方向と第2方向のそれぞれの突出部224の一対が両方向に引張されることによって、フレーム100に構造用補助マスク200を引張することができる。
【0081】
この場合、構造用補助マスク200を引張させるために突出部224のそれぞれにクランプ装置(図示されず)が設置され得る。クランプ装置(図示されず)が突出部224の両端に引張力を加えることによって、構造用補助マスク200がぴんと張るように引っ張られた状態でフレーム100に固定され得る。この時、突出部224は、フレーム100に接合される領域(以下、「フレーム結合部」という)と接合されない領域で構成され得る。その結果、フレーム100の内側と構造用補助マスク200の支柱220の間が空間的に離れて配置され得る。
【0082】
フレーム結合部は、突出部224の端部であって、一定の長さを有する領域である。フレーム結合部は、支持部110に面接触し、フレーム100と溶接などの方法で結合されて固定される領域である。フレーム結合部は、溶接方法によって、第1方向と第2方向で引張された構造用補助マスク200をフレーム100に溶接することによって、フレーム100と構造用補助マスク200を一体化することができる。ただし、構造用補助マスク200は、溶接方法以外の方法でもフレーム100に固定され得る。
【0083】
このようなフレーム結合部は、フレーム100と接触領域を最小化することによって、その結果フレーム100の熱応力が構造用補助マスク200に伝達される現象を最小化することができ、ひいては、構造用補助マスク200により支持されるセル単位マスク300に伝達される熱応力も最小化することができる。
【0084】
このように構成されたフルサイズマスク組立体10でフレーム100と構造用補助マスク200の結合構造を説明すると次の通りである。
【0085】
図8と9に図示された通り、フルサイズマスク組立体10は、構造用補助マスク200を構成するそれぞれの支柱220両端に向かい合う突出部224を互いに反対方向に引張する。この時、フレーム100と構造用補助マスク200は多様な方式で結合され得るが、
図8に図示されたフルサイズマスク組立体10は、引張された状態で、構造用補助マスク200のフレーム結合部をフレーム100の支持部110に面接触させて溶接された状態を示している。
【0086】
フルサイズマスク組立体10のさらに他の構成であるセル単位マスク300について説明する。
【0087】
セル単位マスク300
【0088】
図7a~
図7cは本発明の一実施例に係るセル単位マスク300の構造を示す概略図、
図13は本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体10でセル単位マスク300を示す概略図である。
【0089】
図3および
図7a~
図13を参照すると、セル単位マスク300は、蒸着工程段階で蒸着物質が蒸着パターン部310を通過して基板(図示されず)上に蒸着されて、望む形の薄膜(金属層または有機発光層など)を形成させることになる。このようなセル単位マスク300は、蒸着パターン部310を含み、さらにセル単位結合部320を含むことができる。セル単位マスク300は、板状であって、10μm~30μmの厚さを有することによって、一面が構造用補助マスク200に直接面接触して支持され得る。
【0090】
セル単位マスク300は、第1方向および第2方向に構造用補助マスク開口部210より大きい領域を有することができる。併せて後述する蒸着パターン部310は、第1方向および第2方向に構造用補助マスク開口部210より小さい領域を有することができる。すなわち構造用補助マスク開口部210は、蒸着パターン部310より大きいが、セル単位マスク300よりは小さい領域に形成され得る。
【0091】
蒸着パターン部310
【0092】
図10は本発明の一実施例に係るセル単位マスク300が第1位置整列された状態を示す概略図、
図11は本発明の一実施例に係るセル単位マスク300が第2位置整列された状態を示す概略図である。
【0093】
図10~
図11を参照すると、蒸着パターン部310は、フレーム100に固定された構造用補助マスク200にセル単位マスク300を位置整列させるのに利用されるか、蒸着工程で蒸着物質を通過させるための有機発光表示装置(OLED)のR、G、Bピクセル中のいずれか一つとして利用され得る。このような蒸着パターン部310は、第1位置整列ホール311と第2位置整列ホール312を含むことができる。また、蒸着パターン部310は、構造用補助マスク開口部210に対向する位置に設けられ得るが、複数個のホールの配列で提示されたがその他にも複数個のスリットに形成され得る。
【0094】
第1位置整列ホール311は、それぞれのセル単位マスク300を構造用補助マスク200に第1位置整列させるのに利用することができる。この時、第1位置整列ホール311は、蒸着パターン部310のある一側の角に位置することができる。第1位置整列のために、構造用補助マスク開口部210と第1位置整列ホール311の位置を利用することができる。すなわち構造用補助マスク開口部210の内側の長さが蒸着パターン部310の長さより長いため、第2位置整列に先立ち、セル単位マスク300の第1位置整列ホール311が構造用補助マスク開口部210の内側に対応する位置にくるようにして、セル単位マスク300を概略的に位置整列させることができる。
【0095】
第2位置整列ホール312は、それぞれのセル単位マスク300をTFTガラスのTFT位置に第2位置整列させるのに利用することができる。この時、第2位置整列ホール312は、複数個のホールで構成された蒸着パターン部310の中から多数個で選別して提供された基準ホールであり得る。第2位置整列ホール312の中心を利用して第2位置整列させることができる。蒸着工程段階でセル単位マスク300の蒸着パターン部310は、TFTガラスのTFT位置に対応するため、該当TFT位置の絶対座標値に基づいてそれぞれのセル単位マスク300の位置を整列させることができる。
【0096】
セル単位支持部は、セル単位マスク300で蒸着パターン部310の該当領域を除いた領域であり得る。セル単位支持部は、支柱220と面接触する領域であって、一部に対してはセル単位結合部320と重なる領域であり得る。セル単位支持部は、第1方向で第1セル単位支持部221と面接触し、第2方向で第2セル単位支持部222と面接触したまま、構造用補助マスク200に支持され得る。
【0097】
セル単位結合部320
【0098】
図12は本発明の一実施例に係る溶接によってセル単位マスク300を構造用補助マスク200に結合時、溶接方向を示す概略図である。
【0099】
再び
図7a~
図7c、
図13を参照すると、セル単位結合部320は、セル単位マスク300の一面、すなわち蒸着方向面であるセル単位マスク300の下面に設けられ得る。セル単位結合部320は、セル単位支持部の中でも構造用補助マスク200と溶接などの方法で結合されて固定される領域である。セル単位結合部320は、溶接などによって構造用補助マスク200に固定される場合、セル単位マスク300の周面に沿って複数個の溶接点321が一定の間隔で配置されて設けられ得る。セル単位マスク300の下面の溶接点321と構造用補助マスク200の上面が対向しながら浮きなく結合され得る。ただし、セル単位マスク300は、溶接方法以外の方法でも構造用補助マスク200に固定され得る。
【0100】
セル単位結合部320は、セル単位マスク300の周面に沿って第1方向に形成された第1セル単位結合部322および/または周面に沿って第2方向に形成された第2セル単位結合部323を含むことができる。
【0101】
一実施例によると、セル単位結合部320は、第1セル単位結合部322と第2セル単位結合部323の両方であり得る。他の実施例によると、セル単位結合部320は、第1セル単位結合部322または第2セル単位結合部323のうちいずれか一つであり得る。
【0102】
これは蒸着パターン部310の大きさに比例する。すなわち蒸着パターン部310の大きさが相対的に大きい場合、構造用補助マスク200との結合力を高めるために、第1セル単位結合部322と第2セル単位結合部323の両方に対して溶接することができる。これとは反対に、蒸着パターン部310の大きさが相対的に小さい場合、少ない結合領域でもセル単位マスク300を容易に支持することができるため、第1セル単位結合部322または第2セル単位結合部323のうちいずれか一つを選択的に溶接することができる。すなわち、セル単位マスク300のセル単位支持部が構造用補助マスク200の第1セル単位支持部221と第2セル単位支持部222に支持されたまま、フルサイズマスク組立体10の下部に位置したレーザー光(図示されず)により、セル単位マスク300の下面で、セル単位マスク300の第1セル単位結合部322および/または第2セル単位結合部323が溶接され得る。
【0103】
図12に図示された通り、 第1セル単位結合部322または第2セル単位結合部323はフルサイズマスク組立体10のTFTガラスの接触面に対する裏面であるセル単位マスク300の下面、すなわちフルサイズマスク組立体10の下部に位置したレーザー光(図示されず)によって蒸着面に溶接することによって、溶接時発生したバリ(bur)が発生しても蒸着時に基板がフルサイズマスク組立体とに浮きがなく付着され得る。
【0104】
また、フルサイズマスク組立体10をなすそれぞれのセル単位マスク300は、構造用補助マスク200により支持された状態で、第1方向と第2方向に複数個が互いに断続的に設けられ得る。すなわち、それぞれのセル単位マスク300間には、第1方向と第2方向に対してセル単位離隔部223の長さだけ離隔したまま構造用補助マスク200に固定結合され得る。
【0105】
このように構成されたフルサイズマスク組立体10で構造用補助マスク200とセル単位マスク300の結合構造を説明すると次の通りである。
【0106】
図10と
図11に図示された通り、フルサイズマスク組立体10は、セル単位マスク300を一連の過程である第1位置整列と第2位置整列をして、構造用補助マスク200にセル単位マスク300を結合させることができる。
【0107】
セルマスクグリッパー(gripper、図示されず)がセル単位マスク300を支持したまま、第1方向および第2方向に引張力を加えて構造用補助マスク200の構造用補助マスク開口部210内にセル単位マスク300のうち第1位置整列ホール311が入ってくるように、セル単位マスク300を第1位置整列させることができる。その後、セル単位マスク300のうち第2位置整列ホール312の中心をTFTガラスのTFT位置と垂直方向で互いに一致するようにして第2位置整列させることができる。
【0108】
セルマスクグリッパー(図示されず)は、真空方式または静電気誘導方式などによってセル単位マスク300を位置制御することができる。このようなセルマスクグリッパー(図示されず)は、第1方向、第2方向だけでなく、垂直方向でセル単位マスク300の位置値はもちろん、水平方向の平坦度を制御することができる。
【0109】
このとき、構造用補助マスク200とそれぞれのセル単位マスク300は多様な方式で結合され得るが、
図13と
図14に図示されたフルサイズマスク組立体10は、セル単位マスク300の縁に設けられたセル単位結合部320のそれぞれの溶接点321に沿って溶接され得る。
【0110】
以下、
図12、
図15および
図16を参照して本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体の製造方法について説明する。
【0111】
図15は本発明の一実施例に係るフルサイズマスク組立体の製造方法を示すブロック図、
図16は
図15でセル単位マスク300の整列する方法を示すブロック図である。
【0112】
図15に図示された通り、フルサイズマスク組立体の製造方法は、構造用補助マスク整列段階s10と、構造用補助マスク引張段階s20、構造用補助マスク固定段階s30、セル単位マスク整列段階s40、セル単位マスク固定段階s50を含むことができる。
【0113】
構造用補助マスク整列段階s10では、フレーム100のフレーム開口部120に構造用補助マスク200を対向させて整列させることができる。
【0114】
構造用補助マスク引張段階s20では、クランプ装置(図示されず)を利用して構造用補助マスク200を第1方向と第2方向に引張させることができる。構造用補助マスク200でそれぞれの支柱220の両端に向かい合うそれぞれの突出部224をクランプ装置(図示されず)に把持させたまま、互いに反対方向に引張することで、構造用補助マスク200に引張力を加えることができる。
【0115】
構造用補助マスク固定段階s30では、フレーム100と構造用補助マスク200を溶接で接合してフレーム100に構造用補助マスク200を固定させることができる。構造用補助マスク200のフレーム結合部がフレーム100の支持部110に面接触した状態で溶接され得る。
【0116】
セル単位マスク整列段階s40では、構造用補助マスク200の構造用補助マスク開口部210にセル単位マスク300を対向させて整列させることができる。セル単位マスク整列段階s40は下記のように各段階に細分化することができる。
【0117】
図16に図示された通り、セル単位マスク整列段階s40は、セル単位マスク引張段階s41、セル単位マスク第1位置整列段階s42、セル単位マスク第2位置整列段階s43およびセル単位マスク装着段階s44をさらに含むことができる。
【0118】
セル単位マスク引張段階s41では、セルマスクグリッパー(図示されず)がそれぞれのセル単位マスク300単位で第1方向および第2方向に引張力を加えることができる。すなわちセル単位マスク300に引張力を加えることができるセルマスクグリッパー(図示されず)が、垂直方向でセル単位マスク300の一面を支持したまま第1方向および第2方向でセル単位マスク300を引張させることができる。
【0119】
セル単位マスク第1位置整列段階s42では、セルマスクグリッパー(図示されず)が、それぞれの構造用補助マスク開口部210に個別のセル単位マスク300を移動させることができる。すなわちセルマスクグリッパー(図示されず)が引張力を加えてセル単位マスク300を支持したまま、構造用補助マスク開口部210内にセル単位マスク300の第1位置整列ホール311が入ってくるようにセル単位マスク300を第1位置整列させることができる。
【0120】
セル単位マスク第2位置整列段階s43では、カメラ(図示されず)を利用してそれぞれのセル単位マスク300の位置を整列させることができる。フルサイズマスク組立体10の下部に位置したカメラ(図示されず)を通じて、第1方向および第2方向で第2位置整列ホール312の中心がTFTガラスのTFT位置の中心と1um以内に致するかどうかを確認し、セルマスクグリッパー(図示されず)の位置を第1方向または第2方向で微細調整してセル単位マスク300を第2位置整列させることができる。
【0121】
セル単位マスク装着段階s44では、構造用補助マスク開口部210にセル単位マスク300を装着させることができる。セルマスクグリッパー(図示されず)を垂直方向に移動させて、構造用補助マスク開口部210にセル単位マスク300を装着させることができる。
【0122】
すなわち、セル単位マスク第1位置整列段階s42とセル単位マスク第2位置整列段階s43で第1方向および第2方向にセル単位マスク300の位置を整列し、セル単位マスク装着段階s44では垂直方向でセル単位マスク300を位置整列させて、フルサイズマスク組立体10内でそれぞれのセル単位マスク300を位置整列させることができる。
【0123】
セル単位マスク固定段階s50では、構造用補助マスク200とセル単位マスク300の間にセル単位結合部320を形成して構造用補助マスク200にセル単位マスク300を固定することができる。この場合、溶接などの方法を利用してセル単位マスク300を固定することができる。
【0124】
多様な実施例の中でも溶接を利用したセル単位マスク固定段階s50を詳察すると、セルマスクグリッパー(図示されず)でセル単位マスク300を装着後に構造用補助マスク200に支持させた状態で、セル単位マスク300の縁に沿って設けられた第1セル単位結合部322および/または第2セル単位結合部323を構造用補助マスク200に接合させることができる。
【0125】
より具体的には、フルサイズマスク組立体10の下側方向に設けたレーザー光(図示されず)を利用して、第1セル単位結合部322および/または第2セル単位結合部323に形成されたそれぞれの溶接点321を通じてセル単位マスク300を溶接することができる。
【0126】
一方、他の実施例に係るフルサイズマスク組立体の製造方法は、フレーム100に固定された構造用補助マスク200の構造用補助マスク開口部にセル単位マスク300を対向させて整列させるセル単位マスク整列段階を含むことができる。
【0127】
セル単位マスク整列段階は、セルマスクグリッパー(図示されず)がセル単位マスク300を第1方向および第2方向に引張力を加えるセル単位マスク引張段階;蒸着物質を通過させる蒸着パターン部310のうちある一側の角に位置した第1位置整列ホール311を垂直方向で構造用補助マスク開口部210内に整列させるセル単位マスク第1位置整列段階;蒸着パターン部310のうち多数個の第2位置整列ホール312を垂直方向でTFTガラスのTFT位置に整列させるセル単位マスク第2位置整列段階;および構造用補助マスク開口部210にセル単位マスク300を装着させるセル単位マスク装着段階をさらに含むことができる。
【0128】
以上、本発明を好ましい実施例を使用して詳細に説明したが、本発明の範囲は特定の実施例に限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって解釈されるべきである。また、この技術分野で通常の知識を習得した者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく多くの修正と変形が可能であることが理解できるはずである。
【符号の説明】
【0129】
10:フルサイズマスク組立体
100:フレーム
110:支持部
120:フレーム開口部
200:構造用補助マスク
210:構造用補助マスク開口部
220:支柱
221:第1セル単位支持部
222:第2セル単位支持部
223:セル単位離隔部
224:突出部
300:セル単位マスク
310:蒸着パターン部
311:第1位置整列ホール
312:第2位置整列ホール
320:セル単位結合部
321:溶接点
322:第1セル単位結合部
323:第2セル単位結合部