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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】レーザー光源製造用のインク
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/328 20140101AFI20231113BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20231113BHJP
   C09D 11/40 20140101ALI20231113BHJP
   H01S 3/213 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
C09D11/328
B41M5/00 120
C09D11/40
H01S3/213
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019564049
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 CN2018085672
(87)【国際公開番号】W WO2018210144
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】201710359567.1
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710359582.6
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710359566.7
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710358471.3
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710361265.8
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710359070.X
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710358465.8
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710359076.7
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】506281853
【氏名又は名称】中国科学院化学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】趙永生
(72)【発明者】
【氏名】姚建年
(72)【発明者】
【氏名】趙金陽
(72)【発明者】
【氏名】閻永麗
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104253372(CN,A)
【文献】国際公開第2016/039259(WO,A1)
【文献】特開2008-147394(JP,A)
【文献】TA, Van Dung et al.,Multicolor lasing prints,Applied physics Letters,2015年,vol.107,pp.221103-1~221103-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/328
B41M 5/00
C09D 11/40
H01S 3/213
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷によるレーザー光源の製造に用いり、
上記レーザー光源は、複数組の独立したレーザー光源モジュールから構成される、
各組の独立したレーザー光源モジュールには、RGB三原色光源を含む少なくとも2つの光源が含まれている、
各組の独立したレーザー光源モジュールには、少なくとも2つの光源が同じ励起条件下で異なる色の光を発射することができる、
発光染料、ホスト材料、および溶媒を含み、
上記発光染料は、
(1)クマリン系グリーンライト染料、および
(2)ローダミン系染料、を含み、
上記ホスト材料は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートまたはその混合物を含む、レーザー光源の製造に用いるインク。
【請求項2】
上記クマリン系グリーンライト染料は、クマリンー153、またはクマリン6から選ばれ、上記ローダミン系染料は、ローダミン6G染料から選ばれる請求項1に記載のインク。
【請求項3】
インクジェット印刷によるレーザー光源の製造に用いり、
上記レーザー光源は、複数組の独立したレーザー光源モジュールから構成される、
各組の独立したレーザー光源モジュールには、RGB三原色光源を含む少なくとも2つの光源が含まれている、
各組の独立したレーザー光源モジュールには、少なくとも2つの光源が同じ励起条件下で異なる色の光を発射することができる、
発光染料、ホスト材料、および溶媒を含み、
上記発光染料は、対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩およびローダミンBの三者の混合物であり、
上記ホスト材料は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートまたはその混合物を含む、レーザー光源の製造に用いるインク。
【請求項4】
水、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物を溶媒として採用する請求項1又はに記載のインク。
【請求項5】
具体的な処方は以下から選ばれるいずれか一種を採用する請求項に記載のインク。
対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩、ローダミンB、300-1000mg/mLのBSA水溶液およびグリセロール、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比はそれぞれ1-3%であり、グリセロールと水との体積比は1:1-4であり、ここで、BSAがウシ血清蛋白である。
【請求項6】
グリセロールと水との体積比は1:2である請求項に記載のインク。
【請求項7】
具体的な処方は以下から選ばれるいずれか一種を採用する請求項に記載のインク。
(1)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩、ローダミンB、400mg/mLのBSA水溶液およびグリセロール、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比はすべて1%であり、グリセロールと水との体積比は1:2である;
(2)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩、ローダミンB、800mg/mLのBSA水溶液およびグリセロール、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比はすべて1%であり、グリセロールと水との体積比は1:2である;
(3)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩、ローダミンB、500mg/mLのBSA水溶液およびグリセロール、そのうち、対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩およびローダミンBとBSAとの質量比はそれぞれ2%、2%、1%であり、グリセロールと水との体積比は1:2である。
【請求項8】
上記レーザー光源のサイズはミリメートルレベル、マイクロメートルレベルまたはより小さいレベルである請求項1又はに記載のインク。
【請求項9】
さらに補助材料を含み、
上記補助材料は液状のポリマープレポリマーを含む、請求項1又はに記載のインク。
【請求項10】
さらに補助材料を含み、
上記補助材料は熱硬化エポキシ樹脂を含む、請求項1又はに記載のインク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー分野に関するものであり、特にレーザー光源製造用のインクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザー分野において、既存のレーザーディスプレイ技術は、レーザーの強いコヒーレンス干渉効果によるレーザースペックルが発生され、表示品質が大いに低下されるため、スクリーン振動などの手段でスペックルを解除せざるをえない。一方、既存の技術には、レーザー光源を速く量産する技術と、レーザー光源ごとにそれぞれ異なる色のレーザー光を発射させるような技術が欠けている。先行技術には迅速かつ量産できるレーザー光源の製造技術案が欠けている。
【発明の概要】
【0003】
上記課題を解決するため、本発明では、レーザ光源製造用のインクを提供することで、インクジェット印刷でレーザ光源を製造し得ることを現実化し、これはレーザ光源及びその他の関連製品の安価かつ工業化製造に新しい技術案を提供する。
【0004】
レーザ光源製造に用いるインクであり、そのうち:
上記インクであり、インクジェット印刷によるレーザー光源の製造に用いる;
上記インクは、発光染料と、ホスト材料と、溶媒と、を含む。
【0005】
好ましくは、上記発光染料は、光誘起レーザーの染料と、電気誘起レーザーの染料またはその混合物と、を含む。
【0006】
好ましくは、上記レーザー光源は、RGB三種の光源を含む。
【0007】
好ましくは、上記発光染料は、オリゴポリスチレン系ブルーライト染料、クマリン系グリーンライト染料、ローダミン系染料、ヘミシアニン系レッドライト染料またはその混合物、例えば、クマリンー153、またはクマリン6またはローダミン6G染料を含む。
【0008】
より好ましくは、発光染料は、対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩およびローダミンB三種のレーザー染料及びその混合物であり、より好ましくは、三者の混合物である。
【0009】
好ましくは、上記ホスト材料は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、NOA系光硬化材料またはその混合物を含む。
【0010】
好ましくは、上記インクは、水、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物を溶媒として採用する。
【0011】
より好ましくは、具体的な処方は以下から選ばれるいずれの一種を採用する:
対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ300-1000mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は各自1-3%であり、その後グリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:1-4であり、好ましくは 1:2である;
より好ましくは、上記インクは以下から選ばれるいずれの処方を採用する:
(1)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ400mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は全て1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である;
(2)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ800mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は全て1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である。
【0012】
(3)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ500mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンBとBSAとの質量比は各自2%、2%、1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である。
【0013】
好ましくは、上記レーザー光源のサイズはミリメートルレベル、またはマイクロメートルレベルまたはより小さいレベルのいずれかを含む。
【0014】
好ましくは、上記製造のレーザー光源で複数組の独立したレーザー光源モジュールを構成することができる;独立した各レーザー光源モジュール組中には、少なくとも2つの光源が同じ励起条件下で異なる色の光を発射することができる。
【0015】
好ましくは、上記インクはさらに補助材料を含むが、上記補助材料には液状のポリマープレポリマーが含まれる。
【0016】
好ましくは、上記インクはさらに補助材料を含むが、上記補助材料は熱硬化エポキシ樹脂と、NOA系光硬化ゲルと、のうちいずれかの一つを含む。
【0017】
本発明で提供される諸技術案は、インクジェット印刷でレーザ光源を製造することを現実化し、これはレーザ光源及びその他の関連製品の安価かつ工業化製造に新しい技術案を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施例におけるインクから製造されるレーザー光源の概略図である。
図2図2は、本発明の一実施例におけるインクジェット印刷過程の概略図である。
図3図3は、本発明の一実施例におけるインクジェット印刷過程のもう一概略図である。
【実施例
【0019】
当業者が本発明で開示する技術案を理解し易いように、以下実施例及び関連図面をもって、各々の実施例の技術案に対して説明するが、説明された実施例は本発明の一部の実施例であるだけに、全部の実施例ではない。本発明で使われる用語「第1」、「第2」などは、各対象を区別するために使われるもので、特定の順序を説明するものではない。そして、「含む」および「有する」およびそれらのいずれの変形は、包括すること、かつ排他的ではないことを示す。例えば、一連のステップまたはユニットを含む過程、または方法、またはシステム、または製品、またはデバイスは、例示されたステップまたはユニットに限定するものではなく、任意的に例示されてないステップまたはユニットもさらに含み、または任意的さらにこれらの過程、方法、システム、製品、またはデバイスについて固有の他のステップまたはユニットも含む。
【0020】
本明細書で言及される「実施例」とは、実施例で説明された特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施例内に含まれることを意味する。本明細書中の各々のぶん句にでてくる当単語組みは、必ずしも同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と互に排斥的で独立または選択待ちの実施例でもない。当業者が理解することは、本明細書に記載の実施例は他の実施例と組み合わせることができる。
【0021】
図1を参照すると、複数個のレーザー光源が示されている。上記光源はすべて本発明のインクで製造しうるが、そのうち:
上記インクは、インクジェット印刷によるレーザー光源の製造に用いられる;
上記インクは、発光染料、ホスト材料および溶媒を含む。
【0022】
上記実施例にとって言えば、それに公開されるインクは、インクジェット印刷によりレーザー光源を製造し得ることを実現し、これはレーザー光源及びその他の関連製品の安価かつ工業化製造に新しい技術案を提供する。
【0023】
もう一つの実施例で、
上記発光染料は、光誘起レーザーの染料、電気誘起レーザーの染料から選ばれるいずれかの一つを含む。
【0024】
材料分野には光誘起レーザーの染料もあり、電気誘起レーザーの染料もある。このよう多様な発光染料があるので、当業者に選択肢を持たしている。一方、もし光誘起レーザーの染料を採用すれば、前文で記載したインクジェット印刷によって造られるレーザー光源は、他の光、例えばフェムト秒レーザーによって励起されて良い;相応のフェムト秒レーザーのパラメータの選択は、インク硬化後の光源自体の特性で決まり、特に、吸収スペクトルと関係することは容易に理解できる;もし電気誘起レーザーの染料を採用すれば、上記レーザー光源は、印加される電圧によって励起されて良いし、例えば直流電圧またはパルス電圧を印加する。例示的に、前文記載の実施例を借りて、当業者は染料を選択することで容易に3Vの直流電圧の印加による励起されるレーザー光源を得ることができる。材料の違いによって、直流電圧を必要に応じてパルス電圧に変更する可能性もある。パルス周波数と振幅値は表示に必要なリフレッシュレートと合致すればよい。
【0025】
もう一つの実施例で、
上記インクはさらに補助材料を含む。もし補助材料を含むのであれば、溶剤揮発性の低減に有利である一方、インクが印刷中に硬化されないよう確保する。
【0026】
指摘必要なことは、補助材料は必須ではないことでもある。インクの全部の処方を例示できないので、当業者が予見できることは、一部の処方では補助材料を必要としない場合もあり、溶媒と発光染料との選択さえ適切であれば、インクジェット印刷中の溶媒揮発性も抑えられ、インクも硬化し難いように確保することができる。すなわち、補助材料を含まない場合でも、インクジェット印刷の過程がほぼ硬化で影響されないことは可能である。
【0027】
もう一つの実施例で、
上記発光染料には、オリゴポリスチレン系ブルーライト染料、クマリン系グリーンライト染料、ローダミン系染料、ヘミシアニン系レッドライト染料またはその混合物が含まれる。例えば、クマリンー153、またはクマリン6またはローダミン6G染料がある。
【0028】
より好ましくは、発光染料は、対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩およびローダミンB三種のレーザー染料及びその混合物であり、より好ましくは、三者の混合物である。
【0029】
当業者にとって言えば、発光の色条件に従って、発光波長に相応した染料を選択すれば良い。例えば、発光染料はオリゴポリスチレン系ブルーライト染料、またはクマリンー153、またはクマリン6などクマリン系グリーンライト染料、またはローダミン6G染料などローダミン系染料、またはヘミシアニン系レッドライト染料を選択することもできる。上記実施例で、赤、緑、青の3種類の光を実現したため、上記印刷ヘッドモジュールと上記インクとを使うことによりRGBレーザー光源を製造し得ることは容易にできる。
【0030】
もう一つの実施例で、
上記ホスト材料には、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、NOA系光硬化材料またはその混合物が含まれる。
【0031】
上記実施例にとって言えば、ホスト材料はレーザーキャビティの支持材として、レーザー染料と材料的相容性さえあれば良い。理解しやすいのは、材料の相容性が良いほど、ホスト材料として使い易いものある。ホスト材料が良い加工性を持つほうが良いことも分かりやすいことである。
【0032】
もう一実施例で、
上記インクでは、水、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物を溶媒として採用する。上記実施例では例示的に溶媒の選択範囲を提示していることがわかる。
【0033】
もう一つの実施例で、
上記インクは以下のいずれかの処方を採用する:
対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ300-1000mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は各自1-3%であり、その後グリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:1-4であり、好ましくは 1:2である;
より好ましくは、上記インクは以下から選ばれるいずれの処方を採用する:
(1)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ400mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は全て1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である;
より好ましくは、上記インクは以下から選ばれるいずれの処方を採用する:
(1)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ400mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は全て1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である;
(2)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ800mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、3つの染料とBSAとの質量比は全て1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である;
(3)対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンB三種のレーザー染料をそれぞれ500mg/mLのBSA水溶液に添加し、そのうち、対称ジフェニルエチレン、フルオレセインナトリウム塩及びローダミンBとBSAとの質量比は各自2%、2%、1%である。最後にグリセロールを入れるが、グリセロールと水との体積比は1:2である。
【0034】
(4)上記具体的な処方の用量以外にも多くの選択肢があるが、そのうち、BSA水溶液の溶解度雰囲気は300-1000mg/mL である。ローダミンB、フルオレセインナトリウム塩及び対称ジフェニルエチレンとBSAとの質量比は各自1%-2%、1%-3%、及び1%-3%である。グリセロールと水との体積比は30%-100%である。
【0035】
もう一実施例で、上記処方(1)から(3)を採用した場合、上記レーザー光源は、335-375nmフェムト秒レーザーの励起下で励起発光する。前記のように、フェムト秒レーザーの波長は、インク硬化後に形成される光源の吸収スペクトルで決まる。
【0036】
上記関連実施例において、ホスト材料としてはウシ血清蛋白(BSA)を採用する。
【0037】
もう一実施例で、
上記のあるサイズとはミリメートルレベル、マイクロメートルレベルまたはより小さいレベルのいずれかを含む。
【0038】
上記実施例とって言えば、個々の光源ことのサイズが小さいほど、より高解像度の画像表示効果の実現に有利である。もし、いずれかの1個の光源を1個の微半球構造とみなす場合、解像度条件に合わせて解像度に似合うようなサイズの微半球構造を製造することができる。上記いずれの1個の光源の微半球構造のサイズは、15、35、45、85、100マイクロメートルなどで良いし、甚しくはより小さくて良い。もし、いずれの1個の光源の微半球構造のサイズがミリメートル級である場合は、屋外の大型スクリーン表示技術に適用できる。
【0039】
微半球構造中の光学モードはエコーウォールモードであることが分かる。異なるサイズの微半球構造において、そのモード間隔は異なる。エコーウォールモード理論に基づき、半球直径が小さいほどそのモード間隔は大きくなり、利得領域内に存在するモード数がより少なくなり、モード数が1個までに減少した場合は、シングルモードレーザーとなる。
【0040】
さらに、ある光源に対応する微半球構造の半球直径が一定サイズまで小さくなり、かつ上記一定サイズと上記光源が励起した発射光がシングルモードレーザーと対応関係を持つ場合、それから発射されたシングルモードレーザーはさらにレーザーの色域範囲を広げることができる。例示的で非制限的なものとして、上記一定サイズは約15マイクロメートルである。
【0041】
もう一実施例で、
インクからRGB 3つの光源を含むレーザー光源モジュール組を製造し得ることができる。これは、RGB三原色原理による混色に有利であることが理解し易い。前記内容を参考し、もし1束のフェムト秒レーザーで励起と共に混色するのであれば、当該フェムト秒レーザーはRGB光源3つを同時励起することを必須とし、三原色原理に基づく混色をすることで各種色を造る。似たように、もし直流電圧励起が使用される場合、より精細な制御が実現されるため、RGB三つの光源に対してその電圧をそれぞれに制御でき、三原色原理に基づく混色をすることで各種色を造る。
【0042】
もう一実施例で、
上記補助材料は液状のポリマープレポリマーを含む。 ポリマープレポリマーは、光照射または熱処理を経て初めて硬化される。
【0043】
もう一実施例で、
上記補助材料は、熱硬化エポキシ樹脂、NOA系光硬化接着剤のいずれかの一つを含む。これは前文で補助材料に対する説明に対応する。
【0044】
インクジェットで印刷した光源は全てインクから印刷されるが、もし複数個の光源を印刷するのであれば、上記複数個の光源は一般的に微球形であり、確実に言えば半球形である。
【0045】
上記光源の製造の過程中において、インクジェット印刷に使われるインクは液状であるが、造られた光源は最終的に固体であるため、一般的にインクジェットでの印刷中には個々の光源どうしを接触させず、互い融合されることを防ぐものとする。
【0046】
つまり、個々の光源同士は一般的に接触せず、間隔を持たす;もし個々の光源を半球と理解すれば、複数個の光源にとって、第1半球と第2半球(甚しくは第3半球などでさえ)は互いに接しない。
【0047】
もう一実施例で、
上記製造のレーザー光源で複数組の独立したレーザー光源モジュールを構成することができる;
各組の独立した各レーザー光源モジュール中には、少なくとも2つの光源が同じ励起条件下で異なる色の光を発射することができる。
【0048】
理解できることは、少なくとも2つの光源を混色するにあたり、選択的に、フェムト秒レーザーで上記少なくとも2つの光源を励起するが、1束のフェムト秒レーザーだけを使うのであれば、そのフェムト秒レーザーは上記少なくとも2つの光源を同時励起することを必須とする。このように、複数個の光源からなる光源組のうち、少なくとも2つの光源が同じ励起条件下で異なる色の光を発射することができる。仮に、上記複数個の光源が同じ組のレーザー光源モジュール内にあるとすれば、例えば図1で示すよう3個一組としたら、本発明の技術にて、各光源モジュール組内の混色を実現することができる。混色は非常に意義のあることであり、例えば、RGB三原色だげで様々な色を造れる。
【0049】
指摘すべきなのは、本発明では、上記複数個の光源の少なくとも2つの光源が同じ励起条件下で同じ色の光を発射することを許容する。例えば、ある特定の単色の強光を実現するためには、各組のレーザー光源モジュール内の複数個の光源は同じ光源でも良いので、上記複数個の光源の個々の光源全てが同じ励起条件下で同じ色の光を発射すれば良い。このようなレーザーアレイはサーチライト分野に用いられる。
【0050】
上文では、もう一つの実施例のなかで、
上記各組のレーザー光源モジュールはフェムト秒レーザーにより上記複数個の光源を励起することを指摘した。以下、フェムト秒レーザーに関する内容をさらに詳しく説明する。
【0051】
具体的なフェムト秒レーザーのパラメーター、例えば波長は、上記インクが硬化されたあと形成した光源自体で決まる。レーザーに励起されることは、必ずインクが硬化されて形成した光源自体が吸収するスペクトルと関係する。即ち、ここでいう波長は、インクが硬化され形成した光源の吸収スペクトルによって決まる。
【0052】
仮に、各組のレーザー光源モジュールに3つの光源が含まれ、個々の光源はインクジェットにより一種の具体的レーザー染料を印刷すると、3種の染料で製造した上記3つの光源が全て同じ波長のレーザーに励起される場合、当業者は、励起条件としてこの波長のレーザーを選択することができる;当然、これは励起条件として2種または3種の波長のレーザーを使うことを排斥するものではない。つまり、励起に用いられるレーザーの波長は自由に選択できる。一束または二束または三束のレーザーを自由に選択でき、上記各組のレーザ光源モジュールの励起に用いる。レーザー束ごとの波長は、上記光源の吸収スペクトルで決まる。特に、従来技術で複数束の異なる色の光を走査発光と画像表示に用いることとは異なり、本発明ではレーザー1束だけで上記光源を励起する。
【0053】
もう一実施例で、
上記光源は直流電圧によって励起される。
【0054】
上記実施例おいて、それはもう一種の励起方式を開示したことになる。当然、フェムト秒レーザーに励起されても、または直流電圧に励起されても、ずべてインクが硬化された後に形成する光源自体で決まる。言葉を変えると、上記レーザー染料は一定の直流電圧に励起される特徴を有するべきなことは明らかてある。例えば直流電圧は約3Vである。
【0055】
もう一つの実施例では、
上記光源を1個の画像表示に用いる場合、上記各組のレーザー光源モジュール(つまり、複数個のレーザー光源を含む)が励起されて発射する光は、全て上記画像の一つの画素に対応する。
【0056】
上記実施例について言えば、上記各組のレーザー光源モジュールは画素レベルであることを意味する。これはより精細な画像表示に有利であり、レーザー技術のHDおよび超HD表示分野での応用を推進する。
【0057】
もう一つの実施例で、
直流電圧での励起方式を採用した場合、各組のレーザー光源モジュールは薄膜トランジスタにより駆動されるか、または他の薄膜トランジスタにより駆動されても良い。例えば、酸化物半導体薄膜トランジスタ、多結晶シリコン薄膜トランジスタ、アモルファスシリコン薄膜トランジスタがある。1束または多数束のフェムト秒レーザー励起のような方法と比較して、直流電圧の励起方法では単独、甚しくは同時に画素ことの制御をすることができる。これは、画素レベルのレーザーパネルにとって非常に有益である。ついてに、このような励起方法は、レーザーディスプレイ分野の設備体積も大幅に縮小させる。
【0058】
もう一実施例で、
上記レーザー光源の間隔はその直径の約2.5-4倍である。
【0059】
ここで、間隔は、光源の必要に応じて変わることも理解し易い。
【0060】
もう一実施例で、
硬化中での温度および時間は、インクの固有の特性で決まる。例えば、BSA水溶液体系とポリスチレン/ジクロロメタン系は、60℃で1時間加熱し、NOA系材料は、数分間紫外線で照射して良い。
【0061】
もう一実施例で、
各組のRGB三原色光源にとって言えば、上記三原色光源の直径は基本同じである共に、各自正三角形の3つの頂点に位置しており、上記正三角形の一辺の長さは直径より10%-30%大きい。明らかに、ここでの辺の長さと直径とのサイズ関係は、同様に光源の必要によって変えることができる。
【0062】
もう一実施例で、
インクジェット印刷は、1個または複数個の印刷ヘッドを使用する;上記印刷ヘッドは、複数個のレーザー光源を逐次印刷または一斉印刷することに用いられる。
【0063】
上記実施例において、図2を参照し、1個の印刷ヘッドを使う場合、印刷ヘッドは各組のレーザー光源モジュール内の個々の光源を逐次に印刷する。例えば、R、G、B順に赤・グリン・ブルー三つの光源を逐次に印刷する;複数個の印刷ヘッドを使う場合、多数の印刷ヘッドは一回で各組のレーザー光源モジュール内の個々の光源を印刷することができる。作動中の印刷ヘッドの数は、各組のレーザー光源モジュール内の光源の数より大きくまたは同じであることは容易に理解できる。例えば、RGB三つの光源の数より大きくまたは同じである。図3では、複数個の印刷ヘッド中のある特定光源向けの印刷ヘッドのみを示している。例えば、赤色光源用の複数の印刷ヘッドであるが、複数個の光源中の他の光源については示さしていない。
【0064】
もう一つの実施例のなかで、
上記印刷ヘッドのサイズは、上記個々光源のサイズで決まる。
【0065】
読み取れることは、印刷ヘッドのサイズは、前文記載の微半球構造の半球直径と関係しており、半球直径で決まる。上記印刷ヘッドサイズの選択範囲は、5、10、20、30、40、50、60マイクロメートルなどである。もし、マイクロメートルより小さい微半球構造を造る必要があれば、印刷ヘッドのサイズはそれ以上小さくできない場合は、インク液滴サイズを調整可能なインクジェットプリンタを、適合性改良することで、インクジェット印刷による本発明記載の光源を製造することができる。前記記載のよう、もし、ミリメートル級の微半球構造を得たい場合は、プリントヘッドのサイズを適切に大きくする。
【0066】
インク液滴サイズを調整可能なインクジェットプリンタは、以下の従来技術中の特許文献記載を参照する。即ち、CN1876375 A、US8042899 B2、US8714692 B1、US8955937 B2、US8985723 B2、US9573382 B1である。これらの特許文献はともに本発明明細書に編み込むが、これらは従来技術中のインクジェットプリンタに関わる技術の一部にすぎないことを声明する必要がある。従来技術を全て書き上げることはできないため、参照または改良できる他の先行技術はこれ以上列挙しない。
【0067】
上記実施例において、各実施例の説明は各自のポイントがあり、ある実施例で詳しく書かれてない部分は、他の実施例の関連説明を参照する。
【0068】
上記記載、上記実施例は本発明の技術案を説明だけであり、それに対する限定ではない;前述実施例をもって本発明を詳しく説明したが、当業者は、前述の各実施例で記載した技術案に対して修正することや、またはそのうちの一部の技術特徴に対して同等の置き換えをすることは依然と可能であることは理解する。なお、これらの修正や置き換えは、それに関連する技術案が本質的に本発明の各実施例で示す技術案の範囲から離脱することには繋がらない。
図1
図2
図3