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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】制御装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/04 20060101AFI20231113BHJP
   B60W 30/095 20120101ALI20231113BHJP
   B60W 30/16 20200101ALI20231113BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
B60W40/04
B60W30/095
B60W30/16
G08G1/16 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020043258
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142901
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100166648
【弁理士】
【氏名又は名称】鎗田 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】峰 崇志
(72)【発明者】
【氏名】喜住 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】岡 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 正彦
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-128178(JP,A)
【文献】国際公開第2019/142312(WO,A1)
【文献】特開2018-181036(JP,A)
【文献】特開2018-147040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00~60/00
G08G 1/00~ 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行を制御する制御装置であって、
自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する他車両を認識する認識部と、
前記認識部で認識された前記他車両の挙動と、前記挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、前記他車両が前記自車両の走行車線に車線変更を行うか否かを判定する判定部と、
前記判定部による前記他車両が車線変更を行うか否かの判定結果に応じて、前記自車両の走行を制御する制御部と、
を有し、
前記判定部は、
前記自車両の進行方向における前記自車両と前記他車両との間の距離に応じて、前記判定基準を変更し、
前記距離が所定の距離以上である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記走行車線を画定する車線のうち前記隣接車線の側の車線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記隣接車線内に設定される仮想線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定するように、前記判定基準を変更することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記自車両の走行速度を取得する取得部を更に有し、
前記判定部は、
前記取得部で取得された前記自車両の走行速度に応じて、前記判定基準を変更し、
前記自車両の走行速度が速い場合には、前記自車両の走行速度が遅い場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しやすくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定部によって前記他車両が車線変更を行うと判定された場合に、前記自車両を減速させる減速制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記認識部は、前記自車両の走行車線の前方に存在する先行車両を認識し、
前記制御部は、前記認識部によって前記先行車両が認識されたか否かに応じて、前記減速制御において前記自車両を減速させる度合いを変更することを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記認識部によって前記先行車両が認識されていない場合には、前記減速制御において前記自車両を減速させる度合いをゼロにすることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記他車両の挙動に基づいて、前記他車両が車幅方向にふらついているか否かを判定し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定した場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていないと判定した場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しづらくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間に応じて、前記判定基準を変更し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が長い場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が短い場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しづらくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする請求項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記判定部は、
前記他車両の挙動に基づいて、前記他車両が車幅方向にふらついているか否かを判定し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が短い場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていないと判定した場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しやすくなるように、前記判定基準を変更し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が長い場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていないと判定した場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しづらくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記判定部は、
前記他車両の挙動に基づいて、前記他車両が車幅方向にふらついているか否かを判定し、
前記他車両が車幅方向にふらついている度合いが閾値よりも大きい場合には、前記他車両が車線変更を行うと判定しやすくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする請求項乃至のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
車両であって、
自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する他車両を認識する認識部と、
前記認識部で認識された前記他車両の挙動と、前記挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、前記他車両が前記自車両の走行車線に車線変更を行うか否かを判定する判定部と、
前記判定部による前記他車両が車線変更を行うか否かの判定結果に応じて、前記自車両の走行を制御する制御部と、
を有し、
前記判定部は、前記自車両の進行方向における前記自車両と前記他車両との間の距離に応じて、前記判定基準を変更し、
前記距離が所定の距離以上である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記走行車線を画定する車線のうち前記隣接車線の側の車線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記隣接車線内に設定される仮想線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定するように、前記判定基準を変更することを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行を制御する制御装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪車に代表される車両では、運転者の運転負荷を軽減する運転支援技術として、自車両と先行車両との間に適切な車間距離を維持しながら先行車両に追従走行するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)と呼ばれる機能が知られている。ACCでは、自車両が先行車両に近接すると、自車両と先行車両との距離や速度差を計測し、自車両の加減速を自動的に制御する。また、ACCでは、自車両と先行車両との間に他車両が割り込んできた(車線変更してきた)場合には、かかる他車両に自車両が追従するように、追従対象の車両が自動的に切り替わる。
【0003】
近年では、このようなACCに関する技術の開発及び研究が鋭意進められている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、自車両の走行車線に隣接する隣接車線を走行する他車両の挙動に応じて他車両が車線変更(割り込み)を行うか否かを判定し、その判定に従って自車両の走行を制御することで、自車両の不必要な加減速を防止する技術が開示されている。かかる技術では、他車両が車線変更を行うか否かを、他車両の走行姿勢、走行姿勢の時間的変化、方向指示器の点滅の有無、自車両に対する他車両の相対位置、かかる相対位置の変化量などから判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-55675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、自車両の走行車線に隣接する隣接車線を走行する他車両のふらつきが考慮されていない。従って、隣接車線を走行する他車両の挙動から他車両が車線変更を行うか否かを判定する際に、他車両の単なるふらつきに対して、他車両が車線変更を行うと判定(誤判定)してしまう可能性がある。このような誤判定は、自車両の過剰な減速制御の要因となる。
【0006】
本発明の目的は、自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する他車両が車線変更を行うか否かを判定するのに有利な新たな技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての制御装置は、車両の走行を制御する制御装置であって、自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する他車両を認識する認識部と、前記認識部で認識された前記他車両の挙動と、前記挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、前記他車両が前記自車両の走行車線に車線変更を行うか否かを判定する判定部と、前記判定部による前記他車両が車線変更を行うか否かの判定結果に応じて、前記自車両の走行を制御する制御部と、を有し、前記判定部は、前記自車両の進行方向における前記自車両と前記他車両との間の距離に応じて、前記判定基準を変更し、前記距離が所定の距離以上である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記走行車線を画定する車線のうち前記隣接車線の側の車線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記隣接車線内に設定される仮想線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定するように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0008】
本発明の別の側面としての車両は、自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する他車両を認識する認識部と、前記認識部で認識された前記他車両の挙動と、前記挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、前記他車両が前記自車両の走行車線に車線変更を行うか否かを判定する判定部と、前記判定部による前記他車両が車線変更を行うか否かの判定結果に応じて、前記自車両の走行を制御する制御部と、を有し、前記判定部は、前記自車両の進行方向における前記自車両と前記他車両との間の距離に応じて、前記判定基準を変更し、前記距離が所定の距離以上である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記走行車線を画定する車線のうち前記隣接車線の側の車線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記隣接車線内に設定される仮想線を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定するように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0009】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する他車両が車線変更を行うか否かを判定するのに有利な新たな技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一側面としての制御装置の構成を示すブロック図である。
図2】ACCに関する技術における課題の一例を説明するための図である。
図3】本実施形態における他車両の車線変更の判定処理を説明するための図である。
図4】本実施形態における他車両の車線変更の判定処理を説明するための図である。
図5】本実施形態における他車両の車線変更の判定処理を説明するための図である。
図6】本実施形態における他車両の車線変更の判定処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の一側面としての制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示す制御装置は、車両1の走行を制御する、本実施形態では、車両1の自動運転を制御する装置である。図1において、車両1は、その概略が平面図と側面図とで示されている。車両1は、例えば、セダンタイプの四輪の乗用車(四輪車)である。
【0014】
図1に示す制御装置は、制御ユニット2(制御部)を含む。制御ユニット2は、車内ネットワークにより通信可能に接続された複数のECU20乃至29を含む。ECU20乃至29のそれぞれは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリなどの記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースなどを含む。記憶デバイスには、プロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータなどが格納される。ECU20乃至29のそれぞれは、プロセッサ、記憶デバイス及びインタフェースなどを複数含んでいてもよい。
【0015】
以下、ECU20乃至29のそれぞれが担当する機能などについて説明する。なお、ECUの数や担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、或いは、統合したりすることが可能である。
【0016】
ECU20は、車両1の自動運転に関わる制御を実行する。自動運転においては、車両1の操舵及び加減速の少なくともいずれか一方を自動制御する。後述するように、本実施形態では、ECU20は、操舵と加減速との双方を自動制御する。
【0017】
ECU21は、電動パワーステアリング装置3を制御する。電動パワーステアリング装置3は、ステアリングホイール31に対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。また、電動パワーステアリング装置3は、操舵操作をアシストしたり、或いは、前輪を自動操舵したりするための駆動力を発揮するモータや操舵角を検知するセンサなどを含む。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU21は、ECU20からの指示に対応して電動パワーステアリング装置3を自動制御し、車両1の進行方向を制御する。
【0018】
ECU22及び23は、車両1の周辺状況を検知する検知ユニット41乃至43の制御及び検知結果の情報処理を行う。検知ユニット41は、車両1の前方を撮影するカメラである(以下、カメラ41と表記することがある)。本実施形態では、カメラ41は、車両1のルーフ前部に2つ設けられている。カメラ41が撮影した画像の解析により、物標の輪郭抽出や道路上の車線の区画線(例えば、白線)などを抽出可能である。これにより、ECU22及び23は、歩行者や他車両の検知を行うことができ、より具体的には、前方の歩行者、他車両(前方車両)の種別(大型車、普通車など)、道路情報(歩道、路肩、走行路など)、道路上の障害を認識することができる。
【0019】
検知ユニット42は、ライダ(LIDER:Light Detection and Ranging(例えば、レーザレーダ)、以下、ライダ42と表記することがある)である。ライダ42は、車両1の周囲の物標を検知したり、かかる物標との距離を計測したりする。本実施形態では、ライダ42は5つ設けられており、車両1の前部の各隅部に1つずつ、後部の中央に1つ、後部の各側方に1つずつ設けられている。検知ユニット43は、ミリ波レーダである(以下、レーダ43と表記することがある)。レーダ43は、車両1の周囲の物標を検知したり、かかる物標との距離を計測したりする。本実施形態では、レーダ43は、5つ設けられており、車両1の前部の中央に1つ、前部の各隅部に1つずつ、後部の各隅部に1つずつ設けられている。
【0020】
ECU22は、一方のカメラ41と各ライダ42の制御及び検知結果の情報処理を行う。ECU23は、他方のカメラ41と各レーダ43の制御及び検知結果の情報処理を行う。このように、車両1の周囲状況を検知する装置を2組備えることで、検知結果の信頼性を向上させ、また、カメラ、ライダ、レーダなどの種類の異なる検知ユニットを備えることで、車両の周辺環境の解析を多面的に行うことができる。また、ECU22及び23は、それぞれ、ライダ42及びレーダ43により計測された車両1の周囲の物標との距離に基づいて、車両1と物標との相対速度を検知したり、車両1の絶対速度情報に更に基づいて、車両1の周囲の物標の絶対速度を検知したりすることもできる。
【0021】
ECU24は、ジャイロセンサ5、GPSセンサ24b、通信装置24cの制御及び検知結果、或いは、通信結果の情報処理を行う。ジャイロセンサ5は、車両1の回転運動を検知する。ジャイロセンサ5の検知結果や車輪速などにより車両1の進路を判定することができる。GPSセンサ24bは、車両1の現在位置を検知する。通信装置24cは、地図情報や交通情報を提供するサーバと無線通信を行い、これらの情報を取得する。ECU24は、記憶デバイスに構築された地図情報のデータベース24aにアクセス可能であり、現在地から目的地へのルート探索などを行う。また、ECU24は、車車間通信用の通信装置24dを含む。通信装置24dは、周辺の他車両と無線通信を行い、車両間での情報交換を行う。
【0022】
ECU25は、パワープラント6を制御する。パワープラント6は、車両1の駆動輪を回転させる駆動力を出力する機構であり、例えば、エンジンと変速機とを含む。ECU25は、例えば、アクセルペダル7Aに設けられた操作検知センサ7aにより検知した運転者の運転操作(アクセル操作又は加速操作)に対応してエンジンの出力を制御したり、車速センサ7cが検知した車速などの情報に基づいて変速機の変速段を切り換えたりする。車両1の運転状態が自動運転である場合、ECU25は、ECU20からの指示に対応してパワープラント6を自動制御し、車両1の加減速を制御する。
【0023】
ECU26は、方向指示器8a(ウィンカ)を含む灯火器(ヘッドライト、テールライトなど)を制御する。本実施形態では、方向指示器8aは、車両1の前部、ドアミラー及び後部に設けられている。
【0024】
ECU27は、車内の状況を検知する検知ユニット9の制御及び検知結果の情報処理を行う。検知ユニット9として、本実施形態では、車内を撮影するカメラ9aと、車内の乗員からの情報の入力を受け付ける入力装置9bとが設けられている。カメラ9aは、本実施形態では、車両1のルーフ前部に設けられており、車内の乗員(例えば、運転者)を撮影する。入力装置9bは、車内の乗員が操作可能な位置に配置され、車両1に対する指示を行うスイッチ群である。
【0025】
ECU28は、出力装置10を制御する。出力装置10は、運転者に対する情報の出力、及び、運転者からの情報の入力の受け付けを行う。音声出力装置10aは、運転者に対して音声により情報を報知する。表示装置10bは、運転者に対して画像の表示により情報を報知する。表示装置10bは、例えば、運転席の正面に配置され、インストルメントパネルなどを構成する。なお、本実施形態では、音声と表示とを例示したが、振動や光により情報を報知してもよい。また、音声、表示、振動又は光のうちの複数を組み合わせて情報を報知してもよい。
【0026】
ECU29は、ブレーキ装置11やパーキングブレーキ(不図示)を制御する。ブレーキ装置11は、例えば、ディスクブレーキ装置であり、車両1の各車輪に設けられ、車輪の回転に抵抗を加えることで車両1を減速又は停止させる。ECU29は、例えば、ブレーキペダル7Bに設けられた操作検知センサ7bにより検知した運転者の運転操作(ブレーキ操作)に対応してブレーキ装置11の作動を制御する。車両1の運転状態が自動運転である場合、ECU29は、ECU20からの指示に対応してブレーキ装置11を自動制御し、車両1の減速及び停止を制御する。ブレーキ装置11やパーキングブレーキは、車両1の停止状態を維持するために作動することもできる。また、パワープラント6の変速機がパーキングロック機能を備える場合、かかるパーキングロック機能を車両1の停止状態を維持するために作動することも可能である。
【0027】
このように構成された車両1では、運転者の運転負荷を軽減する運転負荷を軽減する運転支援技術として、自動運転が提供される。本実施形態では、自動運転として、自車両(車両1)と先行車両との間に適切な車間距離を維持しながら先行車両に追従走行するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)が提供される。ACCでは、自車両が先行車両に近接すると、ECU20は、自車両が先行車両に追従するように、自車両の加減速を自動的に制御する。ここで、先行車両とは、自車両の走行車線の前方に存在する車両、即ち、同一車線において自車両の前方を走行する車両である。
【0028】
しかしながら、ACCに関する技術においては、改善すべき課題が存在する。例えば、実際には、自車両や先行車両だけではなく、自車両の走行車線に隣接する隣接車線に存在する車両、即ち、隣接車線を走行する車両(以下、他車両と表記する)も存在する。従って、他車両の走行も考慮して自車両の加減速を制御する必要があるため、従来技術では、他車両の挙動から他車両が車線変更をするか(自車両と先行車両との間に割り込んでくるか)否かを判定することが行われている。但し、図2に示すように、自車両1が先行車両V1に追従するように第1車線L(走行車線)を走行している場合において、第1車線Lに隣接する第2車線L(隣接車線)を走行する他車両V2が車幅方向にふらついていることがある。このような場合、他車両V2が第1車線Lに近づく挙動をとるため、従来技術では、他車両V2の挙動(ふらつき)から他車両V2が車線変更を行うと判定(誤判定)してしまい、自車両1の過剰な減速制御の要因となることがある。
【0029】
そこで、本実施形態では、図2に示すような状況において、ECU20は、他車両V2の挙動と、他車両V2の挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、他車両V2が自車両1の走行車線(第1車線L)に車線変更を行うか否かを判定し、その判定結果に応じて、自車両1の走行(加減速)を制御する。この際、図3に示すように、自車両1の進行方向における自車両1と他車両V2との間の距離DTに応じて、判定基準を変更する。このように、自車両1と他車両V2との間の距離DTに応じて判定基準を変更する、例えば、距離DTが長いほど他車両V2の車線変更の判定基準を緩くすることで、他車両V2のふらつきに対する誤判定(車線変更を行うと判定してしまうこと)を抑制し、距離DTに応じて他車両V2の車線変更を適切に判定することができる。なお、図3では、自車両1と他車両V2との間の距離DTは、自車両1の前端部と他車両V2の後端部との間の距離として定義されているが、これに限定されるものではない。例えば、自車両1と他車両V2との間の距離DTは、自車両1の重心と他車両V2の重心との間の距離として定義してもよい。また、他車両V2の車線変更の判定基準は、自車両1と他車両V2との間の距離DTが長い場合、即ち、遠距離に存在する他車両V2に対しても車線変更を行うか否かを判定することができるように設定されている。
【0030】
以下、本実施形態において、ECU20で実行される判定処理、即ち、他車両V2が車線変更を行うか否かを判定する処理について説明する。かかる処理は、ECU20が車両1及び制御装置(図1)の各部を統括的に制御することで行われる。ここでは、自車両1が先行車両V1に追従走行するようにACCが行われているものとし、自車両1が走行している走行車線を第1車線Lとし、第1車線Lに隣接する隣接車線を第2車線Lとする。
【0031】
図4(a)に示すように、自車両1と他車両V2との間の距離DTが所定の距離PDT以上である場合には、ECU20は、他車両V2の少なくとも一部が、第1車線Lを画定する車線TL1及びTL2のうち第2車線Lの側の車線TL2を跨いだ時点において、他車両V2が車線変更を行うと判定する。一方、図4(b)に示すように、自車両1と他車両V2との間の距離DTが所定の距離PDT未満である場合には、第2車線内(第2車線Lの内側)に設定される仮想線VLを跨いだ時点において、他車両V2が車線変更を行うと判定する。このように、自車両1と他車両V2との間の距離DTが長い場合には、他車両V2が車線変更してきたとしても、自車両1を迅速に減速させる必要性が低いため、他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2とする(判定基準を緩くする)ことで、他車両V2のふらつきを車線変更と誤判定することを抑制することを優先する。一方、自車両1と他車両V2との間の距離DTが短い場合には、他車両V2が車線変更してきた際には、自車両1を迅速に減速させる必要性が高いため、他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VLとする(判定基準を厳しくする)ことで、他車両V2の車線変更を早めに判定することを優先する。これにより、自車両1と他車両V2との間の距離DTに応じて他車両V2の車線変更を適切に判定することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、図4(a)及び図4(b)に示すように、自車両1と他車両V2との間の距離DTに応じて他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2又は仮想線VLに設定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。自車両1と他車両V2との間の距離DTが長くなるにつれて、他車両V2の車線変更の判定基準が緩くなるように、或いは、自車両1と他車両V2との間の距離DTが短くなるにつれて、他車両V2の車線変更の判定基準が厳しくなるようにすればよい。例えば、第2車線Lの中央に対するオフセット量として、判定基準を設定してもよい。また、第2車線内に設定される仮想線VLは、自車両1と他車両V2との間の距離DTに対して可変であってもよい。例えば、自車両1と他車両V2との間の距離DT(<PDT)が短くなるにつれて、車線TL2から離れるように仮想線VLを設定してもよい。
【0033】
また、車両1には、自車両の走行速度を取得する取得部として、車速センサ7cが設けられている。そこで、ECU20は、車速センサ7cで取得された自車両1の走行速度に応じて、他車両V2の車線変更の判定基準を変更するとよい。一般的に、自車両1の走行速度が速い場合には、他車両V2が車線変更してきた際に、自車両1を迅速に減速させる必要性が高く、自車両1の走行速度が遅い場合には、他車両V2が車線変更してきたとしても、自車両1を迅速に減速させる必要性が低いと考えられる。従って、自車両1の走行速度が速い場合には、自車両1の走行速度が遅い場合に比べて、他車両V2が車線変更を行うと判定しやすくなるように、他車両V2の車線変更の判定基準を変更する。具体的には、自車両1の走行速度が速い場合には、図4(b)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VLとし(判定基準を厳しくし)、自車両1の走行速度が遅い場合には、図4(a)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2とする(判定基準を緩くする)。これにより、自車両1の走行速度が遅い場合には、他車両V2のふらつきを車線変更と誤判定することを抑制することが優先され、自車両1の走行速度が速い場合には、他車両V2の車線変更を早めに判定することが優先されるため、自車両1の走行速度に応じて他車両V2の車線変更を適切に判定することができる。
【0034】
また、本実施形態では、先行車両V1の走行に自車両1の走行を追従させる追従走行制御が行われている状態、即ち、ACCが行われていることを前提として説明しているが、ACCが行われていなくても、他車両V2が車線変更を行うと判定された場合には、他車両との衝突を回避するために、自車両1を減速させる減速制御を行う必要がある。この際、上述したように、他車両V2を認識(検知)する認識部として機能する検知ユニット41乃至43により先行車両V1が認識されたか否かに応じて、減速制御において自車両1を減速させる度合いを変更するとよい。例えば、図5(a)に示すように、先行車両V1が認識されている場合には、先行車両V1の走行に応じて、先行車両V1と自車両1との間に車線変更してきた(割り込んだ)他車両V2が減速する可能性があるため、減速制御において自車両1を減速させる度合いを強める。一方、図5(b)に示すように、先行車両V1が認識されていない場合には、自車両1の前方に車線変更してきた他車両V2が減速する可能性が低いため、減速制御において自車両1を減速させる度合いを弱める。これにより、先行車両V1の有無に応じて自車両1を減速させる減速制御を適切に行うことができる。
【0035】
なお、検知ユニット41乃至43によって先行車両V1が認識されていない場合には、減速制御において自車両1を減速させる度合いをゼロにして、自車両1を減速させなくてもよい。先行車両V1が存在しない場合には、他車両V1は加速して自車両1よりも速い走行速度で車線変更してくると考えられる。従って、自車両1を減速させる必要はなく、自車両1を減速させる度合いをゼロにすることで、自車両1の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0036】
また、ECU20は、他車両V2の挙動に基づいて、他車両V2がふらついているか否かを判定することができる。例えば、仮想線VL(又は車線L2)よりも車線TL2から離れた位置に閾値(ふらつきの判定基準)を設定し、かかる閾値を跨いで他車両V2が車幅方向に移動している場合には、他車両V2がふらついていると判定することができる。また、所定の時間内において、他車両V2が上述した閾値を所定の回数以上跨いでいる場合には、他車両V2がふらついていると判定することも可能である。そこで、他車両V2がふらついていると判定した場合には、他車両VL2がふらついていないと判定した場合に比べて、他車両V2が車線変更を行うと判定しづらくなるように、他車両V2の車線変更の判定基準を変更するとよい。具体的には、他車両V2がふらついていると判定した場合には、図4(a)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2とし(判定基準を緩くし)、他車両V2がふらついていないと判定した場合には、図4(b)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VLとする(判定基準を厳しくする)。これにより、他車両V2のふらつきを車線変更と誤判定することを抑制し、ふらついている他車両V2に対する過剰な減速制御を抑制することができる。
【0037】
また、ECU20は、他車両V2がふらついていると判定している時間に応じて、他車両V2の車線変更の判定基準を変更するとよい。例えば、他車両V2がふらついていると判定している時間が長い場合には、他車両V2がふらついていると判定している時間が短い場合に比べて、他車両V2が車線変更を行うと判定しづらくなるように、他車両V2の車線変更の判定基準を変更する。具体的には、他車両V2がふらついていると判定している時間が長い場合には、図4(a)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2とし(判定基準を緩くし)、他車両V2がふらついていると判定している時間が短い場合には、図4(b)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VLとする(判定基準を厳しくする)。このように、他車両V2のふらつきが短い場合(初期)には、他車両V2が車線変更を行うと判定されにくく、他車両V2のふらつきが長い場合には、他車両V2が車線変更を行わないと判定されやすくすることで、他車両V2の明らかなふらつきに対する自車両1の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0038】
また、ECU20は、他車両V2がふらついていると判定している時間が短い場合には、他車両V2がふらついていないと判定した場合に比べて、他車両V2が車線変更を行うと判定しやすくなるように、他車両V2の車線変更の判定基準を変更し、他車両V2がふらついていると判定している時間が長い場合には、他車両V2がふらついていないと判定した場合に比べて、他車両V2が車線変更を行うと判定しづらくなるように、他車両V2の車線変更の判定基準を変更するとよい。具体的には、図6に示すように、他車両V2がふらついていないと判定した場合における他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VLとすると、他車両V2がふらついていると判定している時間が短い場合には、他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VL(又は車線L2)よりも車線TL2から離れた仮想線VL1とし(判定基準を厳しくし)、他車両V2がふらついていると判定している時間が長い場合には、他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2とする(判定基準を緩くする)。これにより、他車両V2の明らかなふらつきに対する自車両1の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0039】
また、ECU20は、他車両V2がふらついている度合い(頻度)に応じて、他車両V2の車線変更の判定基準を変更してもよい。ここで、他車両V2がふらついている度合いとは、他車両V2の車幅方向の移動量の絶対値、他車両V2の車幅方向への移動の回数、仮想線VLよりも車線TL2から離れた位置に設定された閾値を跨ぐ際の他車両V2の車幅方向の移動速度などを含む。例えば、他車両V2がふらついている度合いが閾値よりも大きい場合には、他車両V2が車線変更を行うと判定しやすくなるように、他車両V2の車線変更の判定基準を変更する。具体的には、他車両V2がふらついている度合いが閾値よりも大きい場合には、図4(a)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を車線TL2とし(判定基準を緩くし)、他車両V2がふらついている度合いが閾値以下である場合には、図4(b)に示したように、他車両V2の車線変更の判定基準を仮想線VLとする(判定基準を厳しくする)。一般的には、他車両V2がふらついている度合いが大きいほど、自車両1が走行している車線に他車両V2が侵入してくる可能性が高くなると考えられるため、自車両1を減速させる減速制御を行う必要がある。従って、他車両V2がふらついている度合いが大きいほど、他車両V2が車線変更をすると判定しやすくすることで、自車両1を減速させる減速制御を行うことができる。なお、他車両V2の車幅方向への移動の回数をふらつきの度合いとする場合には、上述したふらつきの判定の基準、即ち、所定の時間内において、他車両V2が仮想線VLよりも車線TL2から離れた位置を跨ぐ所定の回数よりも多い回数を、ふらつきの度合いの判定の基準(閾値)として設定するとよい。
【0040】
1. 上述の実施形態の制御装置は、
車両(例えば、1)の走行を制御する制御装置(例えば、2)であって、
自車両(例えば、1)の走行車線(例えば、L)に隣接する隣接車線(例えば、L)に存在する他車両(例えば、V2)を認識する認識部(例えば、41、42、43)と、
前記認識部で認識された前記他車両の挙動と、前記挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、前記他車両が前記自車両の走行車線に車線変更を行うか否かを判定する判定部(例えば、20)と、
前記判定部による前記他車両が車線変更を行うか否かの判定結果に応じて、前記自車両の走行を制御する制御部(例えば、20)と、
を有し、
前記判定部は、
前記自車両の進行方向における前記自車両と前記他車両との間の距離(例えば、DT)に応じて、前記判定基準を変更し、
前記距離(例えば、DT)が所定の距離(例えば、PDT)以上である場合には、前記他車両(例えば、V2)の少なくとも一部が、前記走行車線(例えば、L )を画定する車線(例えば、TL1、TL2)のうち前記隣接車線の側の車線(例えば、TL2)を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記隣接車線内に設定される仮想線(例えば、VL)を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定するように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0041】
この実施形態によれば、他車両のふらつきに対する誤判定(車線変更を行うと判定してしまうこと)を抑制し、自車両と他車両との間の距離に応じて他車両の車線変更を適切に判定することができる。
【0044】
3. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記自車両(例えば、1)の走行速度を取得する取得部(例えば、7c)を更に有し、
前記判定部(例えば、20)は、
前記取得部で取得された前記自車両の走行速度に応じて、前記判定基準を変更し、
前記自車両の走行速度が速い場合には、前記自車両の走行速度が遅い場合に比べて、前記他車両(例えば、V2)が車線変更を行うと判定しやすくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0045】
この実施形態によれば、自車両の走行速度に応じて他車両の車線変更を適切に判定することができる。
【0046】
4. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記制御部(例えば、20)は、前記判定部(例えば、20)によって前記他車両(例えば、V2)が車線変更を行うと判定された場合に、前記自車両(例えば、1)を減速させる減速制御を行うことを特徴とする。
【0047】
この実施形態によれば、他車両との衝突を回避することができる。
【0048】
5. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記認識部(例えば、41、42、43)は、前記自車両(例えば、1)の走行車線(例えば、L)の前方に存在する先行車両(例えば、V1)を認識し、
前記制御部(例えば、20)は、前記認識部によって前記先行車両が認識されたか否かに応じて、前記減速制御において前記自車両を減速させる度合いを変更することを特徴とする。
【0049】
この実施形態によれば、先行車両の有無に応じて自車両を減速させる減速制御を適切に行うことができる。
【0050】
6. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記制御部(例えば、20)は、前記認識部(例えば、41、42、43)によって前記先行車両(例えば、V1)が認識されていない場合には、前記減速制御において前記自車両(例えば、1)を減速させる度合いをゼロにすることを特徴とする。
【0051】
この実施形態によれば、自車両の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0052】
7. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記判定部(例えば、20)は、
前記他車両(例えば、V2)の挙動に基づいて、前記他車両が車幅方向にふらついているか否かを判定し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定した場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていないと判定した場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しづらくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0053】
この実施形態によれば、ふらついている他車両に対する自車両の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0054】
8. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記判定部(例えば、20)は、
前記他車両(例えば、V2)が車幅方向にふらついていると判定している時間に応じて、前記判定基準を変更し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が長い場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が短い場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しづらくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0055】
この実施形態によれば、他車両の明らかなふらつきに対する自車両の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0056】
9. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記判定部(例えば、20)は、
前記他車両(例えば、V2)の挙動に基づいて、前記他車両が車幅方向にふらついているか否かを判定し、
前記他車両(例えば、V2)が車幅方向にふらついていると判定している時間が短い場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていないと判定した場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しやすくなるように、前記判定基準を変更し、
前記他車両が車幅方向にふらついていると判定している時間が長い場合には、前記他車両が車幅方向にふらついていないと判定した場合に比べて、前記他車両が車線変更を行うと判定しづらくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0057】
この実施形態によれば、他車両の明らかなふらつきに対する自車両の過剰な減速制御を抑制することができる。
【0058】
10. 上述の実施形態の制御装置(例えば、2)では、
前記判定部(例えば、20)は、
前記他車両(例えば、V2)の挙動に基づいて、前記他車両が車幅方向にふらついているか否かを判定し、
前記他車両(例えば、V2)が車幅方向にふらついている度合いが閾値よりも大きい場合には、前記他車両が車線変更を行うと判定しやすくなるように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0059】
この実施形態によれば、ふらついている度合いが大きい他車両に対して、自車両を減速させる減速制御を行うことができる。
【0060】
11. 上述の実施形態の車両(例えば、1)は、
自車両(例えば、1)の走行車線(例えば、L)に隣接する隣接車線(例えば、L)に存在する他車両(例えば、V2)を認識する認識部(例えば、41、42、43)と、
前記認識部で認識された前記他車両の挙動と、前記挙動に対して設定されている判定基準とに基づいて、前記他車両が前記自車両の走行車線に車線変更を行うか否かを判定する判定部(例えば、20)と、
前記判定部による前記他車両が車線変更を行うか否かの判定結果に応じて、前記自車両の走行を制御する制御部(例えば、20)と、
を有し、
前記判定部は、前記自車両の進行方向における前記自車両と前記他車両との間の距離(例えば、DT)に応じて、前記判定基準を変更し、
前記距離(例えば、DT)が所定の距離(例えば、PDT)以上である場合には、前記他車両(例えば、V2)の少なくとも一部が、前記走行車線(例えば、L )を画定する車線(例えば、TL1、TL2)のうち前記隣接車線の側の車線(例えば、TL2)を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合には、前記他車両の少なくとも一部が、前記隣接車線内に設定される仮想線(例えば、VL)を跨いだ時点において、前記他車両が車線変更を行うと判定するように、前記判定基準を変更することを特徴とする。
【0061】
この実施形態によれば、他車両のふらつきに対する誤判定(車線変更を行うと判定してしまうこと)を抑制し、自車両と他車両との間の距離に応じて他車両の車線変更を適切に判定することができる。
【0062】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:車両(自車両) 2:制御ユニット 20:ECU 41:検知ユニット(カメラ) 42:検知ユニット(ライダ) 43:検知ユニット(レーダ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6