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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/077 20060101AFI20231113BHJP
【FI】
B60K15/077 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020092254
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021187220
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】小松 征宏
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-21520(JP,A)
【文献】特開2008-6981(JP,A)
【文献】特開2009-83620(JP,A)
【文献】特開2013-23053(JP,A)
【文献】特開2017-65459(JP,A)
【文献】特開平4-292223(JP,A)
【文献】特開2016-78607(JP,A)
【文献】実開昭59-22015(JP,U)
【文献】米国特許第9308813(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/077
B62D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンルーム内に載置されたエンジンの上方側を開閉するボンネットと、
前記ボンネットを支持するボンネット支持フレームと、
燃料タンクから前記エンジンに延設される燃料供給経路上に配置された複数の燃料フィルタとを備え、
複数の前記燃料フィルタは、前記エンジンと前記ボンネット支持フレームとの間に形成されるスペース内であって、且つ、前記エンジンの左右一方側に集中配置され、
水平方向に並べて配置された各燃料フィルタの下部側に設けられたドレンコックの上下位置が異なるように構成され
前記エンジンルームの側方側の一部をカバーする着脱可能なサイドカバーを設け、
側面視で前記サイドカバーによってカバーされる範囲内に、前記燃料フィルタが配置されるように構成された
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
エンジンルーム内に載置されたエンジンの上方側を開閉するボンネットと、
前記ボンネットを支持するボンネット支持フレームと、
燃料タンクから前記エンジンに延設される燃料供給経路上に配置された複数の燃料フィルタとを備え、
複数の前記燃料フィルタは、前記エンジンと前記ボンネット支持フレームとの間に形成されるスペース内であって、且つ、前記エンジンの左右一方側に集中配置され、
水平方向に並べて配置された各燃料フィルタの下部側に設けられたドレンコックの上下位置が異なるように構成され、
前記エンジンルームの後方にオペレータが操向操作を行う操縦部を設け、
前記操縦部と前記エンジンとの間に配置されたフレーム部材の上部側に前記燃料フィルタが取付けられる取付ブラケットが設けられた
ことを特徴とする作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給経路上に複数の燃料フィルタを備えた作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンルーム内に載置されたエンジンの上方側を開閉するボンネットと、前記ボンネットを支持するボンネット支持フレームと、燃料タンクから前記エンジンに延設される燃料供給経路上に設けられた複数の燃料フィルタとを備え、前記燃料フィルタをエンジンルーム内のラジエータ前方と、エンジンルームの外側の前輪後方とに設けた特許文献1に記載の作業車両が従来公知である。
【0003】
上記文献の作業車両によれば、前記燃料フィルタの配置構成によって、前記燃料フィルタが冷却され易くなるとともに、一部の燃料フィルタの水抜き等のメンテナンス作業も容易に行うことができるものであるが、前記燃料フィルタの一部が機外の離れた位置に露出する形で設けられることによって、外観を損ねるだけでなく、複数ある燃料フィルタの組立て作業の作業性が悪化するという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-65459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、燃料タンクから前記エンジンに延設される燃料供給経路上に複数の燃料フィルタを備えた作業車両において、複数の燃料フィルタを、組付作業が容易で且つスペース効率良く配置することができる作業車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、エンジンルーム内に載置されたエンジンの上方側を開閉するボンネットと、前記ボンネットを支持するボンネット支持フレームと、燃料タンクから前記エンジンに延設される燃料供給経路上に配置された複数の燃料フィルタとを備え、複数の前記燃料フィルタは、前記エンジンと前記ボンネット支持フレームとの間に形成されるスペース内であって、且つ、前記エンジンの左右一方側に集中配置され、水平方向に並べて配置された各燃料フィルタの下部側に設けられたドレンコックの上下位置が異なるように構成されたことを特徴としている。
【0007】
第2に、前記エンジンルームの側方側の一部をカバーする着脱可能なサイドカバーを設け、側面視で前記サイドカバーによってカバーされる範囲内に、前記燃料フィルタが配置されるように構成されたことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記エンジンルームの後方にオペレータが操向操作を行う操縦部を設け、前記操縦部と前記エンジンとの間に配置されたフレーム部材の上部側に前記燃料フィルタが取付けられる取付ブラケットが設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
複数の前記燃料フィルタを前記エンジンと前記ボンネット支持フレームの間のスペース内で且つ、前記エンジンの左右一方側に集中配置したことにより、複数の燃料フィルタを組付けし易い位置にまとめてスペース効率良く設置することができる。また、隣接配置された各燃料フィルタのドレンコックの配置位置を異ならせたことにより、前記燃料フィルタの水抜き作業がし易くなるため、前記燃料フィルタのメンテナンス性が向上する。
【0010】
また、前記エンジンルームの側方側の一部をカバーする着脱可能なサイドカバーを設け、側面視で前記サイドカバーによってカバーされる範囲内に、前記燃料フィルタが配置されるように構成されたものによれば、全ての燃料フィルタが前記サイドカバーによって覆われるため、前記燃料フィルタが外観を損ねることを防止できるとともに、前記サイドカバーを取外すことにより、全ての燃料フィルタのメンテナンス作業を行うことができるようになるため、メンテナンス作業の作業性も向上する。
【0011】
なお、前記エンジンルームの後方にオペレータが操向操作を行う操縦部を設け、前記操縦部と前記エンジンとの間に配置されたフレーム部材の上部側に前記燃料フィルタが取付けられる取付ブラケットが設けられたものによれば、前記取付ブラケットを介して取付けられる前記燃料フィルタの下方側に、該燃料フィルタのメンテナンス作業を行うためのスペースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の作業車両を適用したトラクタの全体側面図である。
図2】エンジンルームの側面を示した要部斜視図である。
図3】エンジンルーム内の構成を示した要部左後面斜視図である。
図4】エンジンルーム内の構成を示した要部右後面斜視図である。
図5】エンジンルーム内の構成を示した要部側面図である。
図6】エンジンルーム内の構成を示した要部背面図である。
図7】取付ブラケットを示した要部側面図である。
図8】取付ブラケットを示した要部背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示する例に基づき、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の作業車両を適用したトラクタの全体側面図である。本トラクタは、左右一対のクローラ式走行装置1,1を有する走行機体2と、該走行機体2の後方に昇降リンク3を介して昇降自在に連結されるロータリ耕耘装置等からなる作業機(図示しない)とから構成される。
【0014】
前記クローラ式走行装置1,1は、前後方向に延びるクローラフレーム6と、該クローラフレーム6の前後に回転可能に支持された駆動スプロケット7及びアイドラホイール8と、該駆動スプロケット7及びアイドラホイール8により掛け回されるクローラ9とによって構成されている。
【0015】
前記走行機体2を構成するシャーシフレーム4の後半部には、オペレータが乗込む操縦部が設けられたキャビン11が配置され、該キャビン11の前側には、エンジン10の上方から側方側をカバーするボンネット12によって覆われるエンジンルームが形成されている。また、該走行機体2の後部側(キャビン11の後部下側)には、燃料が貯留される燃料タンク(図示しない)が設けられており、該燃料タンクと前記エンジン10との間には、前記燃料タンク内の燃料を前記エンジンに供給する燃料供給路が形成されている。該燃料供給経路の具体的な構成については後述する。
【0016】
上記ボンネット12は、その後端側を回動支点として上下回動可能に構成されており、該ボンネットを上方回動させた開姿勢に切換えることにより、前記エンジンルームの上方を開放し、エンジンルーム内のメンテナンス作業を行うことができる。
【0017】
ちなみに、該ボンネット12側面の後部下側は、前記エンジンルームの後部側面側を露出できるように切欠きが形成されており、該ボンネット12が切欠かれた部分には、着脱可能なサイドカバー13が設けられている(図1参照)。
【0018】
該構成により、前記ボンネット12を閉じた状態であっても前記サイドカバー13を取外すことによってエンジンルーム内のメンテナンス作業を行うことができるように構成されている。詳しくは後述する。
【0019】
次に、図2乃至8に基づいて、エンジンルーム内の構成について説明する。図2は、エンジンルームの側面を示した要部斜視図であり、図3乃至6は、エンジンルーム内の構成を示した要部後面斜視図と、要部側面図と、要部背面図であり、図7及び図8は、取付ブラケットを示した要部側面図及び要部背面図である。
【0020】
前記エンジンルームは、前記シャーシフレーム4上に載置された前記エンジン10が強固に取付固定されている。また、該エンジン10の前方側には、前記エンジン10の冷却装置であるラジエータ21や、該ラジエータ21の前方に配置されるインタークーラ22等が設けられている。さらに、該エンジン10の後端と前記キャビン11の前端との間には、逆U字状に屈曲形成されたボンネット支持フレーム23が設けられている(図2参照)。
【0021】
上記ボンネット支持フレーム23は、上下方向に延設されてその基端側がシャーシフレーム側に取付固定された柱部23a,23aと、左右一対の柱部の上端側同士を架設する左右方向の連結部23bとを有し、一本のフレーム部材を湾曲形成されることにより形成されている。また、前記ボンネット支持フレーム23の上部側(連結部)には、前記ボンネット12の後端側が上下回動可能に支持されている。
【0022】
また、該ボンネット支持フレーム23は、左右一対の柱部23a,23aの上下方向中途部同士を連結する左右方向の梁状部材である補強フレーム24,26が取付固定されている。具体的には、前記補強フレームとして、該柱部23a,23aの上部同士を連結する上部補強フレーム24と、該柱部23a,23aの下部同士を連結する下部補強フレーム26とが設けられている。
【0023】
さらに、該ボンネット支持フレーム23には、前記上部補強フレーム24と前記柱部23aとを連結するように斜めに設けられた方づえ状の補強部材25,25が左右一対設けられており、前記ボンネット支持フレーム23をより強固に補強するとともに、前記エンジンルームと前記キャビン11との間に遮熱効果のある壁面をより広範囲に形成することができる(図8等参照)。
【0024】
ちなみに、前記エンジン10と、前記ボンネット支持フレーム23との間に形成されるスペース内であって、且つ、前記エンジン10の左右一方(図示する例では、進行方向左、以下単に左)側に寄せた空間(フィルタ設置スペースS)には、前記燃料供給経路上に設けられる複数の燃料フィルタ31,32,33が集中配置されている(図2乃至6参照)。以下、前記燃料供給経路の構成について具体的に説明する。
【0025】
前記燃料供給経路は、走行機体2の後部の前記燃料タンクからエンジンルーム内の前記エンジン10に向けて延設された前後方向に長いホース(パイプ)状の供給部材(接続部材)によって構成されており、該供給部材の経路上には、複数の燃料フィルタ31,32,33と、電気制御される電磁ポンプ34とが設けられている。複数の燃料フィルタとして、ラインフィルタ31と、第1燃料フィルタ(プライマリフィルタ)32と、第2燃料フィルタ(セカンダリフィルタ)33とが設けられ、前記電磁ポンプ34は、前記ラインフィルタ31と第1燃料フィルタ32との間に設けられている。
【0026】
これにより、前記燃料タンク内に貯留された燃料は、前記燃料供給経路(供給部材)を介して前記エンジンに供給されるまでの間に、燃料タンク→ラインフィルタ31→電磁ポンプ34→第1燃料フィルタ32→第2燃料フィルタ33を経由するように構成されている。
【0027】
このとき、前記供給部材は、前記燃料タンクと前記ラインフィルタ31を接続するパイプ状の第1供給部材46と、前記ラインフィルタ31と前記電磁ポンプ34を接続する第2供給部材47と、前記電磁ポンプ34と前記第1燃料フィルタ32を接続する第3供給部材48と、前記第1燃料フィルタ32と前記第2燃料フィルタ33とを接続する第4供給部材とを有し、前記第2燃料フィルタ33によって濾過された燃料が前記エンジン10供給されるように構成されている。
【0028】
さらに、前記燃料タンクと前記エンジン10とは、前後方向に延設された前記シャーシフレーム4の前後に分けて設けられており、前記供給部材(第1供給部材46)が前後方向に長く形成されている。該構成によれば、前記燃料タンク内の燃料が前記エンジンルーム内の熱で昇温することを防止し、前記燃料タンクから供給される燃料をより冷却した状態で前記エンジンルーム(エンジン10)側に供給することができる。
【0029】
前記ラインフィルタ31は、前記燃料供給路における前記電磁ポンプ34の上流側に配置され、前記電磁ポンプ34に供給される燃料内から異物を除去することによって、該異物が該電磁ポンプ34内で詰まることを防止できるように構成されている。
【0030】
また、該ラインフィルタ31は、前記ボンネット支持フレーム23(柱部23a)の基端側の近傍であって、且つ、前記エンジンルームを形成するシャーシフレーム4の枠側に着脱可能にボルト固定された支持ブラケット36を介して、前記エンジンルーム内に取付固定されるように構成されている(図4及び図5参照)。
【0031】
該支持ブラケット36は、上下方向に延設されるとともに、その上端側がアングル状に屈曲形成されることにより、前記シャーシフレーム4側にボルト固定される固定部が形成された板状部材であって、該支持ブラケット36の下部側の左右内側面に、前記ラインフィルタ31が取付固定されている(図4参照)。
【0032】
該構成により、前記ラインフィルタ31は、前記フィルタ設置スペースS内の左右外(左)側端部であって、側面視で前記第1燃料フィルタ33の下方側、さらに具体的には、前記シャーシフレーム4の枠内(側面視でシャーシフレーム4に隠れる位置)に支持される(図2乃至5参照)。
【0033】
前記電磁ポンプ34は、前記ラインフィルタ31の前方、より具体的には、前記フィルタ設置スペースSの前方近傍に支持されており、該ラインフィルタ31と同様に前記シャーシフレーム4の枠内に取付固定されている。
【0034】
該電磁ポンプ34は、走行機体側の制御部により前記エンジン10側に供給される燃料の供給量を制御できるように構成されており、該電磁ポンプ34から該電磁ポンプ34の後方上側に支持された前記第1燃料フィルタ32に向けて、必要な量の燃料を送ることができるように構成されている。
【0035】
前記第1燃料フィルタ32と、前記第2燃料フィルタ33とは、その下部側に前記電磁ポンプ34により圧送された燃料内から異物や、水分を分離できるように構成されており、各燃料フィルタ32,33には、燃料から分離した水分(及び異物)を貯留する貯留部と、各貯留部の下端側から分離された水分を排出するドレンコック37,38とが設けられている。
【0036】
また、前記第1燃料フィルタ32と、前記第2燃料フィルタ33とは、前記ボンネット支持フレーム23の左右一方(左)側の柱部23aに設けられた取付ブラケット41を介して、該ボンネット支持フレーム23の上部側から吊下げられるようにして取付固定されている。
【0037】
該取付ブラケット41は、前記ボンネット支持フレーム23の左側の柱部23a上部側に取付けられた第1取付部材41Aと、該第1取付部材42の前面側から前方に向けて延設されるように取付固定された板状の第2取付部材41Bとから構成されており、前記第1燃料フィルタ32の上部側が前記第2取付部材43の左側面側に吊下げられるようして取付けられ、前記第2燃料フィルタ33の上部側が前記第2取付部材43の右側面側に吊下げられるようにして取付けられている。
【0038】
該構成によれば、前記第1燃料フィルタ32と前記第2燃料フィルタ33とは、左右外(左)側から順番に左右方向に並べた状態で、前記フィルタ設置スペースSの上部側に取付固定することができる。これにより、各燃料フィルタ32,33の下方側には、前記ドレンコック37,38から排出される水分を受けるための受皿を設置するためのスペースを確保することができる(図5等参照)。
【0039】
上述の構成によれば、複数(図示する例では3つ)の前記燃料フィルタ31,32,33は、前記エンジン10と、前記ボンネット支持フレーム23との間に形成されるスペース内で且つ、前記エンジン10の進行方向左側に寄せた空間(フィルタ設置スペースS)に集中配置することができる。このため、複数の燃料フィルタ31,32,33の組付け作業が容易になるとともに、各燃料フィルタ31,32,33をエンジンルーム内にスペース効率良く配置することができる。
【0040】
また、前記第1燃料フィルタ32と、前記第2燃料フィルタ33とは、側面視で見た場合に、その前後位置と、上下位置とを異ならせた状態で取付支持されるように構成されている。
【0041】
具体的に説明すると、前記第1燃料フィルタ32は、前記第2燃料フィルタ33と側面視でラップしつつも、該第2燃料フィルタ33よりも若干前側にズラした状態で且つ、該第1燃料フィルタ32下端側のドレンコック37の位置が、前記第2燃料フィルタ33のドレンコック38の位置よりも上方に配置されるように構成されている(図5等参照)。
【0042】
該構成によれば、作業者がエンジンルームの左右外(左)側から、前記フィルタ設置スペースS内で左右方向に並べて支持された各燃料フィルタ32,33のメンテナンス作業を行う場合に、前記第1燃料フィルタ32のドレンコック37と、前記第2燃料フィルタ33のドレンコック38とを同時に視認できるため、各ドレンコック37,38を介した水抜き作業等のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0043】
また、上述の構成により、前記エンジンルーム内における前記フィルタ設置スペースSに集中配置された複数の燃料フィルタ31,32,33と、該フィルタ設置スペースSの前方近傍に支持された前記電磁ポンプ34とは、前記ボンネット12の後部側に配置された前記サイドカバー13を取外すことにより、容易に露出させることができるように構成されている。
【0044】
すなわち、作業者は、前記サイドカバー13を取外すことによって、前記燃料供給経路上に配置された各燃料フィルタ31,32,33と前記電磁ポンプ34のメンテナンス作業を一か所(サイドカバー13の近傍)でまとめて行うことができるため、メンテナンスの作業効率がより向上する。また、該サイドカバー13をセットすることにより、複数の燃料フィルタと前記電磁ポンプ34とがエンジンルーム内に隠れるため、外観も良好に保たれる。
【符号の説明】
【0045】
10 エンジン
11 キャビン(操縦部)
12 ボンネット
13 サイドカバー
23 ボンネット支持フレーム(支持フレーム)
31 ラインフィルタ(燃料フィルタ)
32 第1燃料フィルタ(燃料フィルタ)
33 第2燃料フィルタ(燃料フィルタ)
37 ドレンコック
38 ドレンコック
41 取付ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8