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特許7383578タイプ2HARQコードブック提供方法及び基地局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】タイプ2HARQコードブック提供方法及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/232 20230101AFI20231113BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20231113BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W28/04 110
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020122282
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2021019356
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】62/875,722
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/879,861
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/892,792
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/914,220
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/887,484
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハミッド セーバー
(72)【発明者】
【氏名】▲ペ▼ 正鉉
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/095314(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/030871(WO,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Enhancements on Multi-TRP/panel transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906029,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906029.zip>,2019年05月17日
【文献】Samsung,Cross-carrier Scheduling with Different Numerologies[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906913,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906913.zip>,2019年05月17日
【文献】Huawei, HiSilicon,Clarification on HARQ-ACK codebook and PUCCH resource determination[online],3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1903206,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1903206.zip>,2019年03月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のダウンリンク制御情報(DCI)に関してタイプ2ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コードブックを提供する方法であって:
スケジューリングされたセル毎にモニタリング・オケージョン(MO)毎に有効なDCIスロットの数を用いてユーザー装置(UE)設定するステップ;及び
前記UEが、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の数のHARQ-確認(HARQ-ACK)ビットを、1つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で送信するように、前記スケジューリングされたセル毎にMO毎に複数の有効なDCIをスケジューリングするステップであって、前記PDSCHの数は前記複数の有効なDCIの数に対応している、ステップ
を含み、前記複数の有効なDCIにおけるカウンタ・ダウンリンク割り当てインジケータ(C-DAI)値は、サイクリック・シフト値から決定される尤度に基づいて順序付けられる、方法。
【請求項2】
前記C-DAI値の順序に従って前記複数の有効なDCIに対応する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を順序付けるステップを更に含む請求項に記載の方法。
【請求項3】
複数のダウンリンク制御情報(DCI)に関してタイプ2ハイブリッド自動再送要求(HARQ)コードブックを提供する基地局であって:
送信機;及び
コントローラ;
を備え、前記コントローラは:
ユーザー装置(UE)が、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の数のHARQ-確認(HARQ-ACK)ビットを、1つの物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で送信するように、スケジューリングされたセル毎にモニタリング・オケージョン(MO)毎に複数の有効なDCIをスケジューリングし;
スケジューリングされたセル毎にMO毎に有効なDCIスロットの数を用いてUE設定し;及び
前記複数の有効なDCIを前記送信機により送信する;
ように構成され、前記PDSCHの数は前記複数の有効なDCIの数に対応し、前記複数の有効なDCIにおけるカウンタ・ダウンリンク割り当てインジケータ(C-DAI)値は、サイクリック・シフト値から決定される尤度に基づいて順序付けられている、基地局。
【請求項4】
前記コントローラは、前記C-DAI値の順序に従って前記複数の有効なDCIに対応する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を順序付けるように更に構成されている、請求項に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権
本願は2019年10月11日付で出願された米国仮特許出願番号第62/914,220号、2019年8月28日付で出願された62/892,792号、2019年7月29日付で出願された62/879,861号、及び2019年7月18日付で出願された62/875,722号に基づく35U.S.C§119(e)の下での優先権を主張しており、これらの内容全体は本願に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は一般に無線通信システムに関する。特に、本開示は物理アップリンク制御チャネル・リソースを決定するためのシステム及び方法に関する。
【0003】
背景技術
リリース15(Rel-15)ハイブリッド自動再送要求(HARQ)-確認(ACK)(HARQ-ACK)コードブックでは、ユーザー装置(UE)は、UEがスロットnで送信する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)において、コードブックにより構成されるACK/NACKビットを送信する。PUCCH送信に関し、UEがスロットnの時間及び周波数の何処でPUCCHを送信すべきかを決定するために、UEはPUCCHリソースを使用する。PUCCHリソースは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)をスケジューリングする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)に存在するダウンリンク制御情報(DCI)フィールド内のPUCCHリソース・インジケータ(PRI)によって決定される。モニタリング・オケージョン(MO)毎に複数のDCIがある場合、UEの動作は明確でなく、PDCCH及び対応するPRIをどのように選択するかに関して仕様は提供されていない。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態によれば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)のリソースを決定する方法は、MOのサービング・セルの順序に従ってDCIフィールドを順序付けるステップと、サービング・セル毎にMO毎に複数の有効なDCIを識別するステップと、最大セル・インデックスを有するサービング・セルに関する最後のMOにおける最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定するステップを含む。
【0005】
一実施形態によれば、PUCCHのリソースを決定するシステムはメモリとプロセッサとを含み、プロセッサは、MOのサービング・セルの順序に従ってDCIフィールドを順序付け、サービング・セル毎にMO毎に複数の有効なDCIを識別し;及び最大セル・インデックスを有するサービング・セルに関する最後のMOにおける最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定するように構成されている。
【0006】
一実施形態によれば、複数のDCIに対するタイプ2HARQコードブックを提供する方法は、スケジューリングされたセル毎にMO毎に有効なDCIスロットの数をUEに設定するステップと、UEが、対応する複数のPDSCHのHARQ-ACKビットを、1つのPUCCHで送信するように、スケジューリングされたセル毎にMO毎に1つの有効なDCIをスケジューリングするステップとを含む。
【0007】
一実施形態によれば、複数のDCIに対するタイプ2HARQコードブックを提供する基地局は送信機とコントローラとを備え、コントローラは、UEが、対応する複数のPDSCHのHARQ-ACKビットを、1つのPUCCHで送信するように、スケジューリングされたセル毎にMO毎に少なくとも1つの有効なDCIをスケジューリングし、スケジューリングされたセル毎にMO毎に有効なDCIスロットの数をUEに設定し、及び少なくとも1つの有効なDCIを送信機により送信するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の所定の実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付図面に関連して行われる以下の詳細な説明から更に明らかになるであろう。
【0009】
図1】実施形態によるタイプ2HARQ-ACKコードブック構成及びPUCCHリソース決定のためのDCI順序付けの図を示す。
【0010】
図2】実施形態によるタイプ2HARQ-ACKコードブック構成及びPUCCHリソース決定のためのDCI順序付けの図を示す。
【0011】
図3】実施形態によるサービング・セルの図を示す。
【0012】
図4】実施形態によるサービング・セル毎のMO毎の複数のDCIの図を示す。
【0013】
図5】実施形態によるサービング・セル毎のMO毎の複数のDCIの図を示す。
【0014】
図6】実施形態によるPUCCHリソースを決定する方法におけるステップのフローチャートを示す。
【0015】
図7】実施形態による複数のDCIに対するタイプ2HARQコードブックを提供する方法におけるステップのフローチャートを示す。
【0016】
図8】一実施形態によるネットワーク環境における電子デバイスのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。同一の要素はそれらが異なる図面に示されていても同一の参照番号で示されることに留意すべきである。以下の説明では、詳細な構成及び構成要素などの具体的な詳細は、単に、本開示の実施形態の全体的な理解を助けるために提供されているに過ぎない。従って、本願で説明される実施形態の様々な変更及び修正が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者に明らかであるはずである。また、明確性及び簡潔性のため、周知の機能及び構成の説明は省略される。以下に説明する用語は、本開示における機能を考慮して定義された用語であり、ユーザー、ユーザーの意図、又は慣例によって相違する可能性がある。従って、用語の定義は、本明細書全体の内容に基づいて決定されるべきである。
【0018】
本開示は種々の修正及び種々の実施形態を含む可能性があり、そのうちの実施形態が添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。しかしながら、本開示は、実施形態に限定されず、本開示の範囲内に全ての修正、均等物、及び代替物を含むことが理解されるべきである。
【0019】
第1、第2等の序数を含む用語が種々の要素を記述するために使用されるかもしれないが、構造要素はその用語によって限定されない。その用語は、ある要素を他の要素から区別するだけのために使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1構造要素は第2構造要素と言及されてもよい。同様に、第2構造要素も第1構造要素と言及されてもよい。本願で使用される場合、用語「及び/又は」は、1つ以上の関連する項目のうちの任意のもの及び全ての組み合わせを含む。
【0020】
本願で使用される用語は、本開示の様々な実施形態を説明するために使用されているに過ぎず、本開示を限定するようには意図されていない。単独の語形は、文脈が明示的に別意を示さない限り、複数の形式を含むように意図されている。本開示において、「含む」又は「有する」という用語は、特徴、数、ステップ、動作、構造要素、部分、又はそれらの組み合わせの存在を示し、1つ以上の他の特徴、数、ステップ、動作、構造要素、部分、又はそれらの組み合わせの存在又は追加の可能性を除外しないことが理解されるべきである。
【0021】
別様に定義されない限り、本願で使用される用語は全て、本開示が属する技術分野の当業者によって理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連する技術分野における文脈的意味と同じ意味を有すると解釈されるべきであり、本開示において明確に定義されていない限り、理想的な又は過剰に形式的な意味を有するように解釈されるべきではない。
【0022】
一実施形態による電子デバイスは、種々のタイプの電子デバイスのうちの1つであってもよい。電子デバイスは、例えばポータブル通信デバイス(例えば、スマート・フォン)、コンピュータ、ポータブル・マルチメディア・デバイス、ポータブル医療デバイス、カメラ、ウェアラブル・デバイス、又は家電製品を含む可能性がある。本開示の一実施形態によれば、電子デバイスは上述のものに限定されない。
【0023】
本開示において使用される用語は、本開示を限定するようには意図されておらず、対応する実施形態に対する種々の変更、均等物、又は置換を含むように意図されている。添付の図面の説明に関し、類似の又は関連する要素を参照するために、類似の参照番号が使用されるかもしれない。項目に対応する名詞の単数形は、関連する文脈が別意を明確に示していない限り、1つ以上のものを含む可能性がある。本願で使用される場合、「A又はB」、「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、「A、B又はC」、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、及び「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」のような各々の語句は、語句のうちの対応するものにおいて一緒に列挙される項目の全ての可能な組み合わせを含む可能性がある。本願で使用される場合、「1番目」、「2番目」、「第1」及び「第2」のような用語は、対応する構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるかもしれないが、他の側面(例えば、重要性又は順序)において構成要素を制限するようには意図されていない。ある要素(例えば、第1要素)が、「動作可能に」又は「通信的に」を伴って又は伴わずに、他の要素に「結合された」、「結合される」、「接続された」、又は「接続される」ように言及される場合、その要素は他の要素に直接的に(例えば、有線で)、無線により、又は第3要素を介して結合される可能性があることを示す。
【0024】
本願で使用される場合、用語「モジュール」は、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアで実装されるユニットを含む可能性があり、他の用語、例えば「論理」、「論理ブロック」、「部分」、及び「回路」と交換可能に使用される可能性がある。モジュールは、1つ以上の機能を実行するように適合された単一の一体化された構成要素、又は最小ユニット、又はその一部であってもよい。例えば、一実施形態によれば、モジュールは特定用途向け集積回路(ASIC)の形態で実装されてもよい。
【0025】
HARQ-ACKコードブックは、典型的には、複数のPDSCHのHARQ-ACKビットを設定しており、それらを1つのPUCCHに多重化して、欠落したnで(in lost n)送信する。複数のPDCCHが存在する可能性があるので、どのPDCCH(DCI)からPRIを取得するべきかをUEに明確に指示することは有用である可能性がある。本件出願時点でのRel-15の現行仕様書は、技術仕様書(TS)38.213から抜粋される以下に示されているように、複数のDCIのうち(そのACK/NACKが同じスロットnで送信されている)、「最後の」DCIに基づいてPRIが決定されることを述べている:
【0026】
“HARQ-ACK情報を伴うPUCCH送信の場合、条項9.2.1に記述されているように、OUCI個のHARQ-ACK情報ビットに対するPUCCHリソースのセットを決定した後に、UEはPUCCHリソースを決定する。PUCCHリソース決定は、DCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1又はDCIフォーマット1_2のうち、UEが検出する、PUCCH送信に関して同じスロットを示すPDSCH-to-HARQ_フィードバック・タイミング・インジケータ・フィールドを有する最後のDCIフォーマット1_0又はDCIフォーマット1_1又はDCIフォーマット1_2におけるPUCCHリソース・インジケータ・フィールド[5,TS38.212]に基づく。UEはそのPUCCHで対応するHARQ-ACK情報を送信する。PUCCHリソース決定のために、検出されたDCIフォーマットは、先ず、同じPDCCHモニタリング・オケージョンについてサービング・セル・インデックスを横断する昇順でインデックス付けされ、その後に、PDCCHモニタリング・オケージョン・インデックスを横断する昇順でインデックス付けされる。”
【0027】
MO毎の複数のDCIに伴う別の問題は、ダイナミックHARQ-ACKコードブック(別名、タイプ2HARQ-ACKコードブック)は変更される可能性があることである。現在、本件出願時点で、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)TS38.213のセクション9.1.3.1にある擬似コードは、スケジューリングされたセル毎にモニタリング・オケージョン「m」毎に最大1つの有効なDCIを想定している。
【0028】
以下の擬似コードが3GPP TS38.213条項9.1.3により表1において提供されている。
【表1】
【0029】
理解され得るように、所与のMOインデックスm及び所与のサービング・セル(スケジューリングされたセル)cに関し、DCIが検出された場合(これは、TSにおいて「...サービング・セルcのPDSCHが存在する場合」を意味する)、DCIにおける対応するフィールド(カウンタ・ダウンリンク割り当てインジケータ(C-DAI))が、HARQコードブック・サイズを決定するために使用される。理解され得るように、2つの有効なDCIが存在する場合(2つのPDSCHが存在する場合)、表1におけるコードは、それらのうちの1つしか取り扱っておらず、その他は処理されない。これは不適切なコードブック・サイズとなってしまう。
【0030】
本システム及び方法は、サービング・セル毎にモニタリング・オケージョン毎に複数のDCIに対するHARQ-ACKのためのPUCCHリソースを決定する。本システム及び方法は、最後のMOで検出されたPDCCH(DCI)を並べ替え、次いで「最後の」DCIのPRIフィールドからPUCCHリソースを取得する様々なソーティング技術を実装することが可能である。タイプ2HARQ-ACKコードブックに関し、本システム及び方法は、例えば、スケジューリングされたPDSCHの開始シンボル、CORESETインデックス、検索空間インデックス、又はC-DAI及びトータルDAI (T-DAI)の値に基づく順序付け方法の何れかに従って、スケジューリングされたセル毎に1つのMO内でPDCCHをソートする様々な解決策を提供する可能性がある。
【0031】
本システム及び方法は、サービング・セル毎にMO毎に複数のDCI(Multi-DCI)に対するHARQ-ACKコードブックのためのPUCCHリソースを決定することが可能である。
【0032】
図1は、実施形態によるタイプ2HARQ-ACKコードブック構成及びPUCCHリソース決定のためのDCI順序付けの図を示す。図1に示す例では、4つのコンポーネント・キャリア(CC)CC0~CC3、及び4つのMOインデックス102~108が存在する。Rel-15のHARQ-ACKビットに対するPUCCHリソースを決定するために、DCIは、先ず所与のMOインデックスに対するサービング・セルの昇順、次にMOインデックスの昇順に従って順序付けられる。CCに関する各々の四角形はPDCCH MOを表す。例えば、CC3において、四角形110はインデックス0のMOを表し、四角形112はインデックス1のMOを表し、四角形114はインデックス2のMOを表し、四角形116はインデックス3のMOを表す。CCの各MOの中に、スケジューリングされた各セルに対して高々1つのDCIが存在する可能性があり(表1におけるインデックスcを参照されたい)、そのDCIは同じHARQ-ACKコードブックに加わる。全CCにわたる4つのMOインデックス内に13個のDCIがある。Rel-15によれば、DCIは、先ずMOによって、次いで(各MO内で)CCによって(図示された例では、湾曲した矢印120に従って)順序付けられる。従って、最後のDCIはMOインデックス3及びCC3(四角形116)におけるものである。このDCIのPRIフィールドは、全てのDCIのACK/NACKビットのためのPUCCHリソースを決定するために使用される。ACK/NACKビットはHARQコードブックによって与えられる。
【0033】
図2は、実施形態によるタイプ2HARQ-ACKコードブック構成及びPUCCHリソース決定及びのためのDCI順序付けの図を示す。図示された例では、サービング・セル毎にMO毎に複数のDCIのインスタンスがあり、サービング・セル毎にMO毎に1つより多い有効なDCIが存在する可能性がある。Rel-15で与えられるようなDCIの順序付けでは、PRIを決定するためにどのDCIが使用されるべきかを簡単に決定することはできない。例えば、四角形202はCC3でMOインデックス3を表し、これは2つのPDCCHを含む。
【0034】
HARQ-ACKコードブックに関し、PUCCHリソースは、最大セル・インデックスを有するサービング・セルにおいて、最大インデックスを有するMO内の最後のPDCCHから決定され、システムは以下に説明されるように最後のPDCCHを定める。
【0035】
一例では、最後のPDCCHは、最大/最小のCORESETインデックスを有するCORESETを有する検索空間内のものとして識別され、これは指示CORESETと言及される。指示CORESET内に複数のPDCCHがある場合、UEはそれらのPDCCH内の異なるPUCCHリソース・インジケータによる指示を期待しない。
【0036】
一例では、最後のPDCCHは、CORESETインデックスに依存しない最大/最小の探索空間IDを有する探索空間内のものとして識別され、その探索空間は指示探索空間と言及される。指示探索空間に複数のPDCCHがある場合、UEは、それらのPDCCHにおける異なるPUCCHリソース・インジケータによる指示を期待しない。
【0037】
別の例では、最後のPDCCHは、最大/最小リソース・ブロック(RB)インデックス(RB開始周波数)を有するものとして識別される。図2を参照すると、四角形202は、第1PDCCH204と第2PDCCH206とを含む。第2PDCCH206は、より大きなRBインデックスを有し、従ってPUCCHリソース決定のために利用される可能性がある。
【0038】
別の例では、最後のPDCCHは、最大/最小のCORESETインデックスを有するCORESETの最大/最小制御チャネル要素(CCE)インデックスを有するものとして識別される可能性がある。
【0039】
図3は実施形態によるサービング・セルの図を示す。サービング・セル302は、第1PDSCH314に対応する第1PDCCH304と、第2PDSCH316に対応する第2PDCCH306と、第3PDSCH318に対応する第3PDCCH308とを含む。一例において、最後のPDCCHは、開始/終了時間の最先/最後の値を有するPDSCHをスケジューリングするものとして識別される可能性がある。全てのPDCCHが、開始/終了時間の最先/最後の値をスケジューリングしている場合、UEは、PDCCHがPRIの異なる値を示すことを期待しない。図3に示すように、PDCCH306に対応するPDSCH316が時間的に最初にあるので、第2PDCCH306が選択される可能性があり、それで指定されるPRIは、HARQ-ACKのためのPUCCHリソースを決定するために使用される可能性がある。
【0040】
別の例では、最大インデックスを有するサービング・セル内の最大MOインデックス内に1つより多い有効なDCIがある場合、UEは先ず順序規則に従って全ての値のDCIを順序付けし、順序付けされたリスト内で最後(又は最初)に来るDCIを使用して、ACK/NACK送信のためのPUCCHリソースを決定する。PDCCH順序規則は、C-DAIの値に基づいてもよい。システムは、有効なDCIのC-DAIの値に従った機械学習(ML)に基づく順序規則を使用してもよい。UEは、先行するMOにおける最大のC-DAIと、最後のMOにおける全ての有効なDCIとに基づいて、最後のMOにおけるDCIを指示する。
【0041】
別の例では、最後のPDCCHは、最大のサービング・セル・インデックスを有するサービング・セルで最大インデックスを有するMO内の何れかのPDCCHであるとして識別される。最大のサービング・セル・インデックスを有するサービング・セルにおいて最大インデックスを有するMO内の全てのPDCCHは、同じPDCCHリソースを示す。
【0042】
Rel-15タイプ2HARQ-ACKコードブックは、1つのHARQ-ACKペイロードに対して、サービング(スケジューリングされた)セル毎にMOインデックス毎に1つの有効なDCIについてのみ働く。本システム及び方法は、サービング・セル毎にMO毎に複数のDCIと共に動作するタイプ2HARQ-ACKコードブックを提供し、全てのDCIがHARQ-ACK送信に対する1スロットを示す。
【0043】
maxがサービング・セルあたりの有効DCIの最大数である場合、タイプ2HARQコードブックの擬似コードは、表2に示すように変更されることが可能である。
【表2】
【0044】
UEは、スケジューリングされたセル毎にMO毎にLmax=2個である有効なDCIの最大数で設定される。UEが対応するL個のPDSCHのHARQ-ACKビットを1つのPUCCHで送信するように、UEはスケジューリングされたセル毎にMO毎にL(L≦Lmax)個の有効なDCIでスケジューリングされることが可能である。DCIのC-DAIフィールドのビット幅は、logmax=lに設定される。
【0045】
第1の例では、システムは、サービング・セル毎にMO内で開始RBインデックスに基づくC-DAI順序付けを利用する。このシステムは、PDCCH候補の開始RBインデックスを利用する(より低い開始RBインデックスを有する候補は、より低いC-DAI値を有する)。この方法は、C-DAI順序付けに関してネットワークに幾らかの制限を課し、UEのブラインド・デコーディング(BD)順序がC-DAI順序に従わない場合、UEでのC-DAI処理にも幾らか負担を課す可能性がある。同等に又は類似して、PDCCHは、開始RBインデックスの昇順で1からLまで付番される。例えば、図2に示すように、PDCCH204及び206は、より低いRBインデックスで始まるPDCCHが、より高いRBインデックスで始まるものの前に来るように、付番される。
【0046】
第2の例では、PDCCHは、それらの対応するPDSCHの開始/終了時間に従って順序付けられる。2つのPDSCHが同じ開始/終了時間を有する場合、PDCCHはそれらのCORESET IDに従って順序付けられる。CORESET IDが同じである場合、それらは検索空間IDに従って順序付けられる。例えば図3に関連し、PDSCHの開始時間がPDCCHを順序付けるために選択される場合、PDCCH順序は、PDCCH306、PDCCH308、及びPDCCH304である。
【0047】
MO毎に最大1つのDCIが存在する上記2つの例はRel-15コードブックと同様に確実である。上記第1の例及び第2の例はgNBに対するスケジューリング制限を必要とする可能性があり、検出されるDCIにおけるC-DAIの値は、現在のPDCCH候補までに存在するDCIの累積数を示す。PDCCH順序又はC-DAI順序のスケジューリングは、gNBとUEの両方に分かっている。
【0048】
第3の例では、サービング・セル毎にMO内に明示的なC-DAI順序は存在しない。明示的なC-DAI順序付けがない場合でさえ、システムは、以下に説明されるLmax=4に対する擬似コードにおける尤度に基づくC-DAI順序を考慮することが可能である。この場合、発見されたL個のPDCCH、従ってL個の発見されたC-DAI値は、尤度に基づいて順序付けられる。
【0049】
4つのDCIがデコードされた場合、(1,2,3,4)の4つのサイクリック・シフト(巡回置換)(1234,4123,3412,及び2341)が有効なシーケンスであり、C-DAI順序は、以前のMOでデコードされた(トータルDAIにより調整された)最新のC-DAIを調べることによって、決定されることが可能である。このMOを処理する前のC-DAIの値が4であった場合、1234が選択され、2ならば3412が選択され、3ならば4123が選択され、4ならば1234が選択される。
【0050】
3つのDCIがデコードされた場合、123、231、312、124、241、412、134、341、413、234、342、及び423が有効なシーケンスである。それぞれの場合について、MLの決定は、以前のMOの中でデコードされた最新のC-DAIに基づいて行うことが可能である。例えば、有効なシーケンスとして134,341,413を有する{1,3,4}の場合、以前のC-DAIが1であるならば、341が最も確からしい。341は1341をもたらすと仮定すると、1と3の間に1つの欠落を示す(C-DAIシーケンスは12341である)。134は1234をもたらすと仮定すると、これは4つのDCIの欠落を示す。413は1234123をもたらすと仮定すると、これは3つのDCIの欠落を示す。以前のMOでデコードされたDCIの数も使用されることが可能である。
【0051】
2つのDCIがデコードされた場合、12、21、13、31、14、41、23、32、24、42、34、43が可能な順序である。各々の場合について、MLの決定は、以前のMOでデコードされた最新のC-DAIに基づいて行うことが可能である。例えば、発見されたDCIとして{1,4}という状況では、これは14又は41を有効なシーケンスとして有し、以前のC-DAIが3であれば、41が最も確からしい。41は341をもたらすと仮定すると、これはゼロ個の欠落を示す一方、14は341234をもたらすと仮定すると、これは3つの欠落を示す。従って、41が最も確からしく、従って{4,1}は41として順序付けられる。対応する2つのPDCCHはこの順序に基づいて発見される。
【0052】
1つのDCIがデコードされた場合、順序付けは不要である。
【0053】
上記のPDCCHの暗黙の順序付けは、実際には、サイクリック・シフト・オペレータを用いてUEによって実現されることが可能である。サイクリック・シフト・オペレータにより、種々の順序付け方法を適用することが可能である。
【0054】
一例では、UEは(c,c,...,cL-1)というC-DAI値を有するL個のDCI(PDCCH)を検出する。UEは、検出されたC-DAI値(c,c,...,cL-1)を昇順にソートして(c ,c ,...,cL-1 ),c <c <...<cL-1 )を取得し、NCSの量だけ循環シフトを適用してセット(c ,c ,...,cL-1 )を取得することによって、C-DAI値を順序付け、ここで、c”=c’(i+NCS)modLである。以下のように、UEは、C-DAIの現在の値、ccurrに基づいてサイクリック・シフトの値を決定した後に、追加された「while l<L」ループ及び(c ,c ,...,cL-1 )に入る:C-DAIの値c ,0≦i<Lの何れもがccurrより大きくなければ、サイクリック・シフト値NCS=0である。ccurrより大きな複数のC-DAI値が存在する場合、UEは、c -ccurrが最小化されるように、複数の値の中からC-DAI値c を選択する。次いで、NCSの値はkであるように選択される。
【0055】
次いで、順序付けられたPDCCHは、最初のPDCCHがc のC-DAI値を有するPDCCHであることにより発見される。2番目のPDCCHは、c のC-DAI値を有するPDCCHである、等々。表3の擬似コードは、C-DAI=ccurrの値を有する現在のPDCCH及び検出されたPDCCHから、順序付けられたPDCCHを得るためのアルゴリズム方法を与えている。
【表3】
【0056】
図4は、実施形態によるサービング・セル毎のMO毎の複数のDCIの図を示す。4つのDCIがCC1で検出され、1つのDCIがCC0で検出されている。Lmax=4であること、及びUEがサービング・セルCC1でMOインデックスm=1において対応する4つのC-DAIを有するL=4個のDCIをUEが検出したことを仮定しており、UEはC-DAI=(c,c,c,c)=(1,4,3,2)の順序でDCIを検出する。whileループに入る場合にC-DAIの値がCC0からの3である場合、(c,c,c,c)は順序付けられて(c ,c ,c ,c )=(1,2,3,4)が得られる。サイクリック・シフトの値を選択するために、現在のC-DAI、ccurr=3よりも大きな最小値c は、c =4であるように選択され、従ってNCS=k=3である。サイクリック・シフトを適用すると、(c ,c ,c ,c )=(4,1,2,3)をもたらす。C-DAIのこの追加されたセットは、追加された「while」ループに入るために使用される。言い換えれば、UEは(c,c,c,c)=(1,4,3,2)の順序でC-DAIを検出しているが、(c ,c ,c ,c )=(4,1,2,3)の順序で擬似コードを動作させる。このようにして、UEはgNBにより意図されているPDCCHの順序を判断する。
【0057】
図5は、実施形態によるサービング・セル毎のMO毎の複数のDCIの図を示す。2つのDCIがCC1において検出され、1つのDCIがCC0で検出されている。Lmax=4であるとすると、サービング・セルCC1でMO m=1においてL=2個のDCIのみが検出されている。UEはC-DAI=(c,c)=(2,1)の順序でDCIを検出したと仮定し、whileループに入る場合にC-DAIの値はCC1からの3である。(c,c)は順序付けられて(c ,c )=(1,2)が得られる。c 及びc は双方ともに現在のC-DAI、ccurr=3より小さいので、サイクリック・シフトの値NCS=0である。サイクリック・シフトを適用することは(c ,c )=(1,2)をもたらす。この順序付けられたC-DAIのセットは、新たな「while」ループに入るために使用される。言い換えれば、UEは(c,c)=(2,1)の順序でC-DAIを検出しているが、(c ,c )=(1,2)の順序で擬似コードを動作させる。このようにして、UEはgNBにより意図されているPDCCHの順序を判断する。この場合、C-DAIシーケンス3→1→2は、3と1との間でC-DAI=4を有する1つの欠落しているDCIを示す。UEはgNBにより送信されたC-DAIシーケンスを、3→4→1→2であると判断する。
【0058】
図6は、実施形態によるPUCCHリソースを決定する方法におけるステップのフローチャート600を示す。602において、システムは、MOに対してサービング・セルの順序に従ってDCIフィールドを順序付ける。604において、システムは、サービング・セル毎にMO毎に複数の有効なDCIを識別する。606において、システムは、最大セル・インデックスを有するサービング・セルで最後のMOにおける最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する。
【0059】
システムは、最大又は最小の検索空間IDを有する検索空間内のPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。システムは、最大又は最小のRBインデックスを有するPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。システムは、最小/最大のCORESETインデックスを有する探索空間に対応する最大又は最小の制御チャネル要素(CCE)インデックスを有するPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。システムは、最先又は最後の開始時間でPDSCHをスケジュールするPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。システムは、最先又は最後の終了時間でPDSCHをスケジュールするPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。システムは、C-DAIの値に基づく順序付け規則に従ってPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。システムは、サービング・セルで最大インデックスを有するPDCCHを識別することによって、MO内の最後のPDCCHからPUCCHリソースを決定する可能性がある。
【0060】
図7は、実施形態による複数のDCIに対するタイプ2HARQコードブックを提供する方法におけるステップのフローチャート700を示す。702において、システムは、スケジューリングされたセル毎にMO毎に有効なDCIスロットの数をUEに設定する。システムは、スケジューリングされたセル毎にMO毎に有効なDCIスロットの最大数をUEに設定する可能性がある。スケジューリングされたセル毎にMO毎に有効なDCIの最大数は、それをケーパビリティとしてUEがネットワークに報告すること、及び/又はその数をネットワークが無線リソース制御(RRC)によりUEに対して設定することに基づいて決定されることが可能である。704において、UEが、対応する数のPDSCHのHARQ-ACKビットを1つのPUCCHで送信するように、システムは、スケジューリングされたセル毎にMO毎に少なくとも1つの有効なDCIをスケジューリングする。
【0061】
システムは、スケジューリングされたセル毎にMO内のC-DAI順序付けに基づいて開始RBインデックスを利用する可能性がある。システムは、対応するPDSCHの開始時間又は終了時間に従ってPDCCHを指示する可能性がある。システムは、サイクリック・シフト値から決定され測定される尤度に基づいて、発見されたC-DAI値を順序付ける可能性がある。
【0062】
図8は、一実施形態によるネットワーク環境800における電子デバイス801のブロック図を示す。図8を参照すると、ネットワーク環境800内の電子デバイス801(例えば、トランシーバを有する基地局)は、第1ネットワーク898(例えば、短距離無線通信ネットワーク)を介して電子デバイス802と、又は第2ネットワーク899(例えば、長距離無線通信ネットワーク)を介して電子デバイス804又はサーバー808と通信する可能性がある。電子デバイス801は、サーバー808を介して電子デバイス804と通信する可能性がある。電子デバイス801は、プロセッサ820、メモリ830、入力デバイス850、音声出力デバイス855、表示デバイス860、オーディオ・モジュール870、センサー・モジュール876、インターフェース877、触覚モジュール879、カメラ・モジュール880、電力管理モジュール888、バッテリー889、通信モジュール890、加入者識別モジュール(SIM)896、又はアンテナ・モジュール897を含む可能性がある。一実施形態では、構成要素のうちの少なくとも1つ(例えば、表示デバイス860又はカメラ・モジュール880)は、電子デバイス801から省かれてもよく、又は1つ以上の他の構成要素が電子デバイス801に追加されてもよい。一実施形態では、構成要素のうちの幾つかは単一の集積回路(IC)として実装されてもよい。例えば、センサー・モジュール876(例えば、指紋センサー、虹彩センサー、又は照度センサー)は、表示デバイス860(例えば、ディスプレイ)に埋め込まれてもよい。
【0063】
プロセッサ820は、プロセッサ820と結合された電子デバイス801の少なくとも1つの他の構成要素(例えば、ハードウェア又はソフトウェア構成要素)を制御するために、例えばソフトウェア(例えば、プログラム840)を実行する可能性があり、種々のデータ処理又は計算を実行する可能性がある。データ処理又は計算の少なくとも一部として、プロセッサ820は、別の構成要素(例えば、センサー・モジュール876又は通信モジュール890)から受信したコマンド又はデータを揮発性メモリ832にロードし、揮発性メモリ832に格納されたコマンド又はデータを処理し、その結果得られたデータを不揮発性メモリ834に格納することが可能である。プロセッサ820は、メイン・プロセッサ821(例えば、中央処理装置(CPU)又はアプリケーション・プロセッサ(AP))と、メイン・プロセッサ821から独立して又は関連して動作可能な補助プロセッサ823(例えば、グラフィックス処理ユニット(GPU)、画像信号プロセッサ(ISP)、センサー・ハブ・プロセッサ、又は通信プロセッサ(CP))とを含む可能性がある。追加的又は代替的に、補助プロセッサ823は、メイン・プロセッサ821よりも少ない電力を消費するように、又は特定の機能を実行するように構成されている可能性がある。補助プロセッサ823は、メイン・プロセッサ821から分離して、又はその一部として実装されてもよい。
【0064】
補助プロセッサ823は、メイン・プロセッサ821がインアクティブ(例えば、スリープ)状態である場合にメイン・プロセッサ821の代わりに、又はメイン・プロセッサ821がアクティブ状態(例えば、アプリケーションを実行している状態)である場合にメイン・プロセッサ821と共に、電子デバイス801の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素(例えば、表示デバイス860、センサー・モジュール876、又は通信モジュール890)に関連する機能又は状態のうちの少なくとも一部を制御することが可能である。一実施形態によれば、補助プロセッサ823(例えば、画像信号プロセッサ又は通信プロセッサ)は、補助プロセッサ823に機能的に関連する別の構成要素(例えば、カメラ・モジュール880又は通信モジュール890)の一部として実装されてもよい。
【0065】
メモリ830は、電子デバイス801の少なくとも1つの構成要素(例えば、プロセッサ820又はセンサー・モジュール876)によって使用される種々のデータを記憶することが可能である。種々のデータは、例えばソフトウェア(例えば、プログラム840)及びそれに関連するコマンドのための入力データ又は出力データを含む可能性がある。メモリ830は、揮発性メモリ832又は不揮発性メモリ834を含んでもよい。
【0066】
プログラム840は、ソフトウェアとしてメモリ830に格納される可能性があり、例えばオペレーティング・システム(OS)842、ミドルウェア844、又はアプリケーション846を含む可能性がある。
【0067】
入力デバイス850は、電子デバイス801の外部(例えば、ユーザー)から、電子デバイス801の他の構成要素(例えば、プロセッサ820)によって使用されるコマンド又はデータを受信することが可能である。入力デバイス850は、例えばマイクロホン、マウス、又はキーボードを含んでもよい。
【0068】
音声出力デバイス855は、電子デバイス801の外部に音声信号を出力することが可能である。音声出力デバイス855は、例えばスピーカ又は受信機を含む可能性がある。スピーカは、マルチメディアの再生や録音などの一般的な目的に使用されることが可能であり、受信機は着信呼を受信するために使用されることが可能である。一実施形態によれば、受信機はスピーカから分離して、又はその一部として実装されてもよい。
【0069】
表示デバイス860は、電子デバイス801の外部(例えば、ユーザー)に情報を視覚的に提供することが可能である。表示デバイス860は、例えばディスプレイ、ホログラム・デバイス、又はプロジェクタ及び制御回路を含み、ディスプレイ、ホログラム・デバイス、及びプロジェクタのうちの対応するものを制御してもよい。一実施形態によれば、表示デバイス860は、タッチを検出するように構成されたタッチ回路、又はタッチによって生じた力の強度を測定するように構成されたセンサー回路(例えば、圧力センサー)を含んでもよい。
【0070】
オーディオ・モジュール870は、音声を電気信号に変換することが可能であり、その逆も可能である。一実施形態によれば、オーディオ・モジュール870は、入力デバイス850を介して音声を取得するか、音声出力デバイス855、又は電子デバイス801に直接に(例えば、有線で)又は無線で結合されてもよい外部電子デバイス802のヘッドフォンを介して音声を出力することが可能である。
【0071】
センサー・モジュール876は、電子デバイス801の動作状態(例えば、電力又は温度)又は電子デバイス801外部の環境状態(例えば、ユーザーの状態)を検出し、検出された状態に対応する電気信号又はデータ値を生成することが可能である。センサー・モジュール876は、例えば、ジェスチャ・センサー、ジャイロ・センサー、大気圧センサー、磁気センサー、加速度センサー、グリップ・センサー、近接センサー、カラー・センサー、赤外線(IR)センサー、生体認証センサー、温度センサー、湿度センサー、又は照度センサーを含んでもよい。
【0072】
インターフェース877は、電子デバイス801を外部電子デバイス802に直接的に(例えば、有線で)又は無線で結合するために使用される1つ以上の特定のプロトコルをサポートすることが可能である。一実施形態によれば、インターフェース877は、例えば高解像度マルチメディア・インターフェース(HDMI)、汎用シリアル・バス(USB)インターフェース、セキュア・ディジタル(SD)カード・インターフェース、又はオーディオ・インターフェースを含んでもよい。
【0073】
接続端子878はコネクタを含み、そのコネクタを介して電子デバイス801は外部電子デバイス802に物理的に接続されることが可能である。一実施形態によれば、接続端子878は、例えばHDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカード・コネクタ、又はオーディオ・コネクタ(例えば、ヘッドフォン・コネクタ)を含んでもよい。
【0074】
触覚モジュール879は、電気信号を機械的刺激(例えば、振動又は運動)又は電気刺激に変換することが可能であり、その刺激は触覚知覚又は運動知覚を介してユーザーによって認識される可能性がある。一実施形態によれば、触覚モジュール879は、例えばモーター、圧電素子、又は電気刺激装置を含む可能性がある。
【0075】
カメラ・モジュール880は、静止画像又は動画像を捕捉することが可能である。一実施形態によれば、カメラ・モジュール880は、1つ以上のレンズ、画像センサー、画像信号プロセッサ、又はフラッシュを含んでもよい。
【0076】
電力管理モジュール888は、電子デバイス801に供給される電力を管理することが可能である。電力管理モジュール888は、例えば電力管理集積回路(PMIC)の少なくとも一部として実装されてもよい。
【0077】
バッテリー889は、電子デバイス801の少なくとも1つの構成要素に電力を供給することが可能である。一実施形態によれば、バッテリー889は、例えば再充電可能でない一次電池、再充電可能な二次電池、又は燃料電池を含んでもよい。
【0078】
通信モジュール890は、電子デバイス801と外部電子デバイス(例えば、電子デバイス802、電子デバイス804、又はサーバー808)との間に直接的な(例えば、有線の)通信チャネル又は無線通信チャネルを確立し、確立された通信チャネルを介して通信を実行することをサポートすることが可能である。通信モジュール890は、プロセッサ820(例えば、AP)から独立して動作可能であり、直接的な(例えば、有線の)通信又は無線通信をサポートする1つ以上の通信プロセッサを含んでもよい。一実施形態によれば、通信モジュール890は、無線通信モジュール892(例えば、セルラー通信モジュール、近距離無線通信モジュール、又はグローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)通信モジュール)又は有線通信モジュール894(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)通信モジュール又は電力線通信(PLC)モジュール)を含んでもよい。これらの通信モジュールのうちの対応するものは、第1ネットワーク898(例えば、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレス・フィデリティ(Wi-Fi)ダイレクト、又は赤外線データ協会(IrDA)の規格のような短距離通信ネットワーク)、又は第2ネットワーク899(例えば、セルラー・ネットワーク、インターネット、又はコンピュータ・ネットワーク(例えば、LAN又はワイド・エリア・ネットワーク(WAN))のような長距離通信ネットワーク)を介して外部電子デバイスと通信することが可能である。これらの種々のタイプの通信モジュールは、単一の構成要素(例えば、単一のIC)として実装されてもよいし、又は互いに分離した複数の構成要素(例えば、複数のIC)として実装されてもよい。無線通信モジュール892は、加入者識別モジュール896に記憶された加入者情報(例えば、国際移動加入者識別子(IMSI))を使用して、第1ネットワーク898又は第2ネットワーク899のような通信ネットワークで電子デバイス801を識別及び認証することが可能である。
【0079】
アンテナ・モジュール897は、電子デバイス801の外部(例えば、外部電子デバイス)へ又はそこから信号又は電力を送信又は受信することが可能である。一実施形態によれば、アンテナ・モジュール897は、1つ以上のアンテナを含む可能性があり、それらのうち第1ネットワーク898又は第2ネットワーク899のような通信ネットワークで使用される通信方式に適した少なくとも1つのアンテナが、例えば通信モジュール890(例えば、無線通信モジュール892)によって選択されてもよい。その後、信号又は電力は、選択された少なくとも1つのアンテナを介して、通信モジュール890と外部電子デバイスとの間で送信又は受信されることが可能である。
【0080】
上述の構成要素のうちの少なくとも幾つかは相互に結合され、それらの間でインター・ペリフェラル通信方式により(例えば、バス、汎用入出力(GPIO)、シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)、又はモバイル・インダストリ・プロセッサ・インターフェース(MIPI)により)信号(例えば、コマンド又はデータ)を伝えることが可能である。
【0081】
一実施形態によれば、コマンド又はデータは、第2ネットワーク899と結合されたサーバー808を介して、電子デバイス801と外部電子デバイス804との間で送受信されてもよい。電子デバイス802及び804の各々は、電子デバイス801と同じ種類の、又は異なる種類のデバイスであってもよい。電子デバイス801で実行される動作の全て又は一部は、外部電子デバイス802、804、又は808のうちの1つ以上で実行されてもよい。例えば、電子デバイス801が、機能又はサービスを自動的に、又はユーザー又は他のデバイスからの要求に応答して実行すべき場合、電子デバイス801は、機能又はサービスを実行する代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の外部電子デバイスに、機能又はサービスの少なくとも一部を実行するよう要求する可能性がある。要求を受信する1つ以上の外部電子デバイスは、要求された機能若しくはサービスの少なくとも一部、又は要求に関連する追加の機能若しくは追加のサービスを実行し、実行の結果を電子デバイス801へ転送してもよい。電子デバイス801は、結果の更なる処理の有無にかかわらず、要求に対する応答の少なくとも一部として結果を提供してもよい。この目的のために、例えば、クラウド・コンピューティング、分散コンピューティング、又はクライアント・サーバー・コンピューティング技術が使用されてもよい。
【0082】
一実施形態は、機械(例えば、電子デバイス801)によって読み取り可能な記憶媒体(例えば、内部メモリ836又は外部メモリ838)に記憶される1つ以上の命令を含むソフトウェア(例えば、プログラム840)として実装されてもよい。例えば、電子デバイス801のプロセッサは、記憶媒体に記憶された1つ以上の命令のうちの少なくとも1つを呼び出し、プロセッサの制御の下で1つ以上の他の構成要素を用いて又は用いずに、それを実行することが可能である。従って、機械は、呼び出された少なくとも1つの命令に従って少なくとも1つの機能を実行するように動作させられる可能性がある。1つ以上の命令は、コンパイラによって生成されたコード又はインタプリタによって実行可能なコードを含んでもよい。機械読み取り可能な記憶媒体は、非一時的な記憶媒体の形態で提供されてもよい。「非一時的」という用語は、記憶媒体が有形デバイスであり、信号(例えば、電磁波)を含まないことを示すが、この用語は、データが記憶媒体に半永久的に記憶される場所と、データが記憶媒体に一時的に記憶される場所とを区別しない。
【0083】
一実施形態によれば、本開示の方法は、コンピュータ・プログラム・プロダクトに含まれ、提供される可能性がある。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、売り手と買い手との間で製品として取引されることが可能である。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、機械読み取り可能な記憶媒体(例えば、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM))の形態で頒布されてもよいし、又はアプリケーション・ストア(例えば、Play Store(登録商標))を介してオンラインで、又は2つのユーザー・デバイス(例えば、スマート・フォン)間で直接的に配布されてもよい。オンラインで配布される場合、コンピュータ・プログラム・プロダクトの少なくとも一部は、一時的に生成されるか、又は少なくとも一時的に、機械読み取り可能な記憶媒体(例えば、製造業者のサーバー、アプリケーション・ストアのサーバー、又はリレー・サーバーのメモリ)に記憶されることが可能である。
【0084】
一実施形態によれば、上述の構成要素の各構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、単一のエンティティ又は複数のエンティティを含む可能性がある。上述の構成要素のうちの1つ以上が省かれてもよいし、1つ以上の他の構成要素が追加されてもよい。代替的又は追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、単一の構成要素に統合されてもよい。この場合、統合された構成要素は、統合前の複数の構成要素のうちの対応するものによって実行されるのと同一又は類似の方法で、複数の構成要素各々のうちの1つ以上の機能を依然として実行することが可能である。モジュール、プログラム、又は別の構成要素によって実行される処理は、逐次的に、並列的に、反復的に、又は発見的に実行されてもよく、又は、処理のうちの1つ以上が、異なる順序で実行されてもよいし、又は、省略されてもよいし、又は、1つ以上の他の処理が追加されてもよい。
【0085】
本開示の特定の実施形態が本開示の詳細な説明に記載されているが、本開示は、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の形態で修正される可能性がある。従って、本開示の範囲は、記載された実施形態に単に基づいては決定されず、むしろ添付の請求項及びその均等物に基づいて決定されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8