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特許7383604タバコを燃焼させることなく加熱する装置のための再構成植物シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】タバコを燃焼させることなく加熱する装置のための再構成植物シート
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/12 20060101AFI20231113BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
A24B15/12
A24B3/14
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020519281
(86)(22)【出願日】2018-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018077321
(87)【国際公開番号】W WO2019068930
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】1759393
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518100443
【氏名又は名称】エスダブリュエム・ルクセンブルク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ビヨン
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ジャルダン
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ルイヤール
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/097840(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104856212(CN,A)
【文献】国際公開第2017/051034(WO,A1)
【文献】特表2015-517817(JP,A)
【文献】特表2008-507978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/12
A24B 3/14
A24B 15/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコを燃焼させることなく加熱する装置に用いるための再構成植物シートであって、
・植物繊維を含む2つの繊維状支持体、
・植物抽出物、
・固形添加物、及び
・エアロゾル発生剤
を含み、
再構成植物シートに含まれる植物抽出物及びエアロゾル発生剤の乾燥物質の合計の質量含有率は、再構成植物シートの乾燥物質に対して10質量%~46質量%であり、
再構成植物シートは、100g/m~150g/mの坪量を有する、再構成植物シート。
【請求項2】
エアロゾル発生剤が、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸、二酢酸グリセリル、三酢酸グリセリル、クエン酸トリエチル若しくはミリスチン酸イソプロピル、又はそれらの混合物である、請求項1に記載の再構成植物シート。
【請求項3】
再構成植物シートに含まれる植物繊維の乾燥物質の質量含有率が、再構成植物シートの乾燥物質に対して20質量%~92質量%である、請求項1又は2に記載の再構成植物シート。
【請求項4】
再構成植物シートに含まれる植物抽出物の乾燥物質の質量含有率が、再構成植物シートの乾燥物質に対して質量%~45質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の再構成植物シート。
【請求項5】
固形添加物が、植物微粉、希釈剤、テクスチャリング剤、粉末化又はカプセル化された香味料、又はそれらの混合物から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の再構成植物シート。
【請求項6】
固形添加物が植物微粉であり、前記植物微粉の含有率が、再構成植物シートの総質量に対して乾燥質量で1%~70%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の再構成植物シート。
【請求項7】
植物繊維及び植物抽出物の植物が、独立に、胞子植物、種子植物又はそれらの混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の再構成植物シート。
【請求項8】
植物繊維及び植物抽出物の植物が、独立に、タバコ植物、食用植物、芳香植物、香料植物、薬用植物、カンナバエ科の植物、又はそれらの混合物から選択される、請求項7に記載の再構成植物シート。
【請求項9】
植物繊維及び植物抽出物の植物が、独立に、ニンニク、コーヒー、ショウガ、カンゾウ、ルイボス、ステビアレバウディアナ、茶、カカオ、カモミール、マテ、バジル、ターメリック、クローブ、ローレル、オレガノ、ミント、ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダー、バラ、ユーカリ、イチョウ、チョウセンニンジン、サワーチェリー、ペパーミント、ヤナギ、赤ブドウ、又はそれらの混合物から選択される、請求項8に記載の再構成植物シート。
【請求項10】
植物繊維及び植物抽出物の植物が、ルイボスである、請求項9に記載の再構成植物シート。
【請求項11】
植物微粉の植物が、胞子植物、種子植物又はそれらの混合物から選択される植物から選択される、請求項5又は6に記載の再構成植物シート。
【請求項12】
植物微粉の植物が、タバコ植物、食用植物、芳香植物、香料植物、薬用植物、カンナバエ科の植物、又はそれらの混合物から選択される、請求項11に記載の再構成植物シート。
【請求項13】
植物微粉の植物が、ニンニク、コーヒー、ショウガ、カンゾウ、ルイボス、ステビアレバウディアナ、茶、カカオ、カモミール、マテ、バジル、ターメリック、クローブ、ローレル、オレガノ、ミント、ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダー、バラ、ユーカリ、イチョウ、チョウセンニンジン、サワーチェリー、ペパーミント、ヤナギ、赤ブドウ、又はそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の再構成植物シート。
【請求項14】
植物微粉の植物が、ルイボスである、請求項13に記載の再構成植物シート。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の再構成植物シートを製造するための方法であって、以下の工程:
)2つの繊維状支持体を準備する工程、
)植物抽出物を2つの繊維状支持体の少なくとも1つと接触させる工程、
)固形添加物を2つの繊維状支持体の少なくとも1つと接触させる工程、及び
)2つの繊維状支持体を、固形添加物が2つの繊維状支持体の間に存在するように積み重ねる工程
を含み、
以下の工程:
)2つの繊維状支持体を積み重ねる工程d)の後の、乾燥工程
も含む、方法。
【請求項16】
工程b)は、工程c)と同時に実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
2つの繊維状支持体が、植物繊維を抄紙機に通すことによって得られる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
植物繊維及び植物抽出物が以下の工程:
e)1つ以上の植物部分を水と混合して、植物繊維の植物抽出物が抽出されるようにする工程、及び
f)植物繊維から植物抽出物を分離する工程
に従って得られる、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
タバコを燃焼させることなく加熱する装置における、請求項1~14のいずれか一項に記載の再構成植物シートの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコを燃焼させることなく加熱する装置の分野にあり、本発明の対象は、製紙方法によって得られ、固形添加物を含む、再構成植物シート(reconstituted plant sheet)である。
【背景技術】
【0002】
タバコを燃焼させることなく加熱するための多数の装置が、タバコの燃焼中に有害な成分が形成されることを回避するために開発されてきた。例えば、そのような装置を記述する、国際公開第2016/026810号及び国際公開第2016/207407号により公開された出願を挙げることができる。これらの装置では、タバコが燃焼されることなくその燃焼温度よりも低い温度で加熱され、エアロゾルの形成がもたらされる。タバコの加熱中に発生したこのエアロゾルは、タバコの煙に取って代わり、感覚器官受容特性があり、使用者により吸入される。したがって、これにより、使用者の有害な成分への曝露が大幅に低減される一方で、使用者がタバコの芳香を吸入することが可能になる。
【0003】
従来のタバコは、有利な感覚器官受容特性を有するエアロゾルを大量に発生させることを可能にしないため、これらの装置には適さない。再構成されたタバコは、有利な感覚器官受容特性を有するエアロゾルを大量に発生することを可能にするため、これらの加熱装置により適している。
【0004】
それにもかかわらず、加熱装置の使用者に不満を生じさせないように、形成されたエアロゾル中のタバコ芳香の量を良好に制御することが依然として重要である。前記加熱装置の使用者にタバコの芳香以外の芳香を提供することも有利であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2016/026810号
【文献】国際公開第2016/207407号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エアロゾル中の芳香を多様化し、その量を制御するために、再構成タバコに固形添加物を加えることが可能である。しかし、これにより、再構成タバコに添加された固形添加物の損失(loss)の問題が引き起こされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、
・植物繊維を含む1つ又は2つの繊維状支持体、
・植物抽出物、及び
・固形添加物
を含む再構成植物シートを開発した。
【0008】
本発明の再構成植物シートが1つの繊維状支持体を含む場合、添加物は植物抽出物を介して支持体に付着される。これにより、本発明の再構成植物シートによる添加物の損失は、有利に最小化される。
【0009】
本発明の再構成植物シートが2つの繊維状支持体を含む場合、添加物は2つの繊維状支持体の間に捕捉(trap)され、植物抽出物は2つの繊維状支持体を互いに付着させることを可能にする。本発明の再構成植物シートによる添加物の損失は、それによってより最小限に抑えられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「繊維状支持体」という用語は、本明細書では、精練(refine)された植物繊維を含むベースウェブを指すために使用され、ベースウェブは製紙方法によって得られる。繊維状支持体は、前面及び背面の2つの面を有する。
【0011】
典型的には、各繊維支持体は、1つの同一の植物の繊維を含むことができ、あるいは、1つの繊維支持体は、1つの植物の繊維を含むことができ、他の支持体は、別の植物の繊維を含むことができる。典型的には、各繊維状支持体は、1つ以上の植物の繊維を含み得る。
【0012】
典型的には、繊維状支持体又は2つの繊維状支持体は、植物抽出物を含む。
典型的には、固形添加物は繊維状支持体と接触している。例えば、固形添加物は、繊維状支持体上、繊維状支持体中、繊維状支持体の上及び中、又は、2つの繊維状支持体の間に存在し得る。
【0013】
典型的には、固形添加物は、植物微粉(plant dust)、希釈剤、テクスチャリング剤、粉末化又はカプセル化された香味料、染料、ゲル又はそれらの混合物、特に植物微粉であり得る。
【0014】
固形添加物の含有率は、固形添加物次第である。典型的には、再構成植物シート中の固形添加物の乾燥物質の質量含有率は、0.1%~70%、特に5%~50%、より特に12%~35%であり得る。
【0015】
本出願の目的のために、用語「植物微粉(plant dust)」は、サイズが0.01μm~50μm、特に0.025μm~30μm、より特に0.05μm~20μmである植物粒子を意味する。典型的には、植物微粉は、エアロゾルに植物芳香を与える芳香化合物を含む。典型的には、植物微粉は、様々な植物部分由来であり得、その植物部分は、それ自体が植物部分であるか、又は様々な植物部分から変換された結果物である。典型的には、植物微粉は、植物部分の細断、脱穀、又は混合及び細断などの、1つ以上の植物部分の処理によって得ることができる。
【0016】
植物微粉の質量含有率は、再構成植物シートの製造中に組み入れる植物微粉の量を制御することによって決定される。
【0017】
典型的には、再構成植物シート中の植物微粉の乾燥物質の質量含有率は、1%~70%、特に5%~65%、より特に10%~30%であってよい。
【0018】
典型的には、希釈剤はCaCOである。
【0019】
典型的には、テクスチャリング剤は、グアーガム、ジャガイモデンプン、寒天、又はそれらの混合物であり得る。
【0020】
典型的には、粉末香味料は、ココアパウダー、クエン酸三カリウム、又は粉末芳香調製物であり得る。
典型的には、染料は、ベータカロテン、サンセットイエロー、粉末化されたアプリコット果汁、又はターメリックであり得る。
【0021】
典型的には、ゲルは、シリカゲル、多糖ゲル、アルミナゲル、又はそれらの混合物であり得る。
【0022】
典型的には、シリカゲルは、アモルファスシリカゲル、変性シリカゲル、例えば、アミノプロピルシリル(APS)変性シリカゲル、アミノエチルアミノプロピルシリル(AEPS)変性シリカゲル、アミノエチルアミノエチルアミノプロピルシリル(AEAEAPS)変性シリカゲル、又はこれらの混合物などであり得る。
【0023】
植物抽出物は、植物のすべての水溶性生成物に相当する。有利には、植物抽出物は、エアロゾル感覚器官受容特性及び/又は治療特性を付与する化合物を含む。
【0024】
再構成植物シートを加熱することにより形成されるエアロゾルの感覚器官受容特性及び/又は治療特性は、本発明の前記再構成植物シートに含まれる植物抽出物の乾燥物質の質量含有率に依存し得る。
【0025】
植物抽出物の乾燥物質の質量含有率は、使用する植物に依存し、より具体的には、使用する植物の芳香化合物の含有率、又は使用する植物の治療特性を有する化合物の含有率に依存する。
【0026】
本発明の再構成植物シートに含まれる植物抽出物の乾燥物質の質量含有率をSとする。典型的には、Sは、5%~47%、特に25%~45%であり得る。
【0027】
を決定するために、次の方法を用いることができる。
分析すべき再構成植物シートを、粉砕して、1mm以下の粒子サイズを達成するようにする。次に、その再構成植物シートを、沸騰水と共に30分間混合して、植物抽出物の全てを抽出するようにする。Sを、分析すべき再構成植物シートの試料の乾燥質量と、抽出後の繊維状残留物の乾燥質量との差から算出する。
【0028】
典型的には、本発明の再構成植物シートの繊維状支持体は、エアロゾル発生剤も含み得る。
【0029】
エアロゾル発生剤は、加熱、例えば熱風との接触により加熱されると、エアロゾルを形成する化合物である。
【0030】
典型的には、エアロゾル発生剤は、再構成植物シートの乾燥物質の8質量%~50質量%、特に10質量%~40質量%、より特に15質量%~35質量%を占める。
【0031】
一実施態様によれば、本発明のシート中の植物抽出物及びエアロゾル発生剤の乾燥物質の質量含有率は、8%~55%、特に10%~46%、より特に20%~45%である。
【0032】
典型的には、エアロゾル発生剤は、ポリオール、非ポリオール、又はそれらの混合物であり得る。典型的には、ポリオール発生剤は、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、又はそれらの混合物であり得る。典型的には、非ポリオール発生剤は、乳酸、二酢酸グリセリル、三酢酸グリセリル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、又はそれらの混合物であり得る。
【0033】
一実施態様によれば、エアロゾル発生剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールの混合物であり、グリセロールが好ましい。
【0034】
エアロゾルは、エアロゾル発生剤を含む本発明の再構成植物シートの加熱中に発生し得る。有利には、繊維状支持体は、芳香化合物を含み、その結果、再構成植物シートの加熱によって発生したエアロゾルが、使用者にとって有利な感覚器官受容特性を有する。同様に、植物抽出物、及び適切な場合には固形添加物が、このエアロゾルに植物の芳香を与える。再構成植物シートを単に交換することにより、使用者は、前述の再構成植物シートの加熱によって発生するエアロゾルの芳香を容易に変化させることができる。
【0035】
植物抽出物及び固形添加物は、本発明の再構成植物シート中に制御された方法で分配される。この制御のおかげで、エアロゾル中の芳香の濃度は有利には一定であり、これは使用者Dに不満を引き起こさない。
【0036】
植物繊維、植物抽出物及び植物微粉は、胞子植物、種子植物又はそれらの混合物から選択される植物から独立に得ることができる。特に、植物は、タバコ植物、食用植物、芳香植物、香水植物、薬用植物、カンナバエ科の植物、又はそれらの混合物から選択される植物であり得、より特に、植物はタバコ植物であり得る。
【0037】
植物が薬用植物である場合、再構成植物シートの加熱によって発生するエアロゾルは、治療特性を有し得、再構成植物シートを治療的処置に使用することもできる。
【0038】
有利には、植物の混合物から得られる植物抽出物は、感覚器官受容特性及び/又は治療特性の幅広いパネルを提供することを可能にする。有利には、植物の混合物から得られる植物粉は、感覚器官受容特性及び/又は治療特性の幅広いパネルを提供することを可能にする。植物の混合物は、その混合物のある植物、例えば薬用植物の不快な官能期間受容特性を、その混合物の別の植物、例えばタバコ植物、芳香植物、又は香料植物の心地よい官能特性で打ち消すことも可能にする。
【0039】
典型的には、植物繊維は第1の植物から得ることができ、植物抽出物は第1の植物又は第2の植物から得ることができ、植物微粉は第1の植物、第2の植物又は第3の植物から得ることができる。実際、ある植物の繊維は、繊維状支持体の形成を可能にする機械的特性を有さない場合がある。それにもかかわらず、その植物の抽出物及び微粉は、エアロゾルに望ましい感覚器官受容特性及び/又は治療特性を与え得る。逆に、ある植物の繊維は、植物繊維を含むシートの形成を可能にする機械的特性を有し得るが、その植物の抽出物及び微粉は、エアロゾルに望ましい感覚器官受容特性及び/又は治療特性を与えない場合がある。さらに、ある植物の抽出物を他の植物の微粉と混合することにより、複数の感覚器官受容特性及び/又は治療特性を有するエアロゾルを発生する再構成植物シートを得ることが可能である。
【0040】
有利には、植物を混合して植物繊維を得ることにより、再構成植物シートの機械的特性及び/又はエアロゾルの感覚器官受容特性及び/又又は化学的特性を調節することが可能になる。
【0041】
植物がタバコ植物である場合、タバコ繊維、タバコ抽出物、及びタバコダストは、任意のタバコ植物又は任意の種類のタバコ、例えばバージニアタバコ、バーレータバコ、空気乾燥タバコ、暗色空気乾燥タバコ、オリエントたばこ、日光乾燥たばこ、火力乾燥たばこ、又はそれらの混合物から得ることができる。
【0042】
典型的には、食用植物は、ニンニク、コーヒー、ショウガ、カンゾウ、ルイボス、ステビアレバウディアナ、茶、カカオ、カモミール、マテである。
【0043】
典型的には、芳香植物は、バジル、ターメリック、クローブ、ローレル、オレガノ、ミント、ローズマリー、セージ、タイムである。
【0044】
典型的には、香料植物はラベンダー、バラ、ユーカリである。
【0045】
典型的には、薬用植物は、伝統的に使用されている薬用植物のリストA〔フランス薬局方、2016年1月、Agence Nationale deSecuriteduMedicament(ANSM)[フランス国立医薬品及び健康製品安全庁]発行〕に記載されている植物、又は治療特性を有する化合物を含むことが知られている植物である。典型的には、リストされている薬用植物は、イチョウ、チョウセンニンジン、サワーチェリー、ペパーミント、ヤナギ、及び赤ブドウである。
【0046】
典型的には、ユーカリは、治療特性を有する化合物を含むことが知られている薬用植物のうちの1つである。
【0047】
典型的には、本発明の再構成植物シートの植物繊維及び植物抽出物は、様々な植物部分から生じ得、この植物部分は、その植物部分自体であるか、又は様々な植物部分から変換された結果物である。典型的には、植物部分は、植物全体の部分、又は、植物部分の脱穀又は混合及び細断に由来する破片(debris)であり得る。
【0048】
典型的には、植物部分は、エアロゾルに官能器官受容特性を付与する芳香化合物が最も豊富な植物部分から選択することができる。典型的には、これらの部分は、植物全体;植物の空中部分、例えば、花のつぼみ、枝の樹皮、茎の樹皮、葉、花、果実とその花柄、種子、花弁又は花の頭など;又は地下部品、例えば球根、根、根の樹皮、根茎、又はそれらの混合物であり得る。植物部分は、1つ又は複数の植物部分の機械的、化学的、又は機械的-化学的変換の結果物、例えば、豆の皮むき工程から生じる、カカオ豆を保護する殻であってもよい。
【0049】
典型的には、タバコ植物の部分は、エアロゾルにその感覚器官受容特性を与える芳香化合物が最も豊富な部分であってよい。典型的には、タバコ植物の部分は、任意選択でそれにタバコ植物の茎が加えられていてよい柔組織(ラミナ)であってよい。典型的には、タバコ植物の部分は、タバコ植物の葉、又は、タバコ植物の葉又は葉脈の、脱穀物又は混合及び細断物に由来する断片、であってよい。
【0050】
食用植物の中では、例えば、ニンニクの球根、コーヒーチェリー、ショウガの根茎、甘草の根、及びルイボスの葉、ステビア・レバウディアナ、又は茶を、部分として選択することができる。
【0051】
芳香植物の中では、例えば、クローブの花のつぼみ(クローブ)、バジル、月桂樹、及びセージの葉、ミント、オレガノ、ローズマリー及びタイムの葉及び花頭、又はウコンの根茎を、部分として選択することができる。
【0052】
典型的には、香料植物のうち、ラベンダーの花及び花頭、又はバラの花のつぼみ及び花びらを選択することができる。
【0053】
フランスの薬局方にリストされている薬用植物の中で、例えば、銀杏の葉、朝鮮人参の地下部分、サワーチェリーフルーツの茎、サクランボの茎、ペパーミントの葉及び花頭、柳の茎の樹皮及び葉、又は赤ブドウの葉を選択することができる。
【0054】
典型的には、再構成植物シートに含まれる植物繊維の乾燥物質の質量含有率は、20%~92%、特に25%~75%、より特に30%~45%である。
【0055】
典型的には、再構成植物シートの繊維状支持体は、セルロース系植物繊をも含んでいてよい。
【0056】
セルロース系植物繊維は、化学的又は機械的又は熱機械的蒸解プロセスによって得られる繊維(例えば、木材パルプ)、麻、又は一年生植物、例えば亜麻などである。これらのセルロース系植物繊維の混合物を使用することもできる。
【0057】
有利には、これらのセルロース系植物繊維は、再構成植物シートの機械的強度特性を改善することができる。
【0058】
典型的には、セルロース系植物繊維は、再構成植物シートの乾燥物質の0.5質量%~15質量%、特に5質量%~10質量%、より特に8質量%を占めることができる。
【0059】
典型的には、1つの繊維状支持体を含む再構成植物シートは、20g/m~150g/m、特に50g/m~100g/m、特に62g/m~68g/mの坪量(basis weight)を有していてよい。
【0060】
典型的には、2つの繊維状支持体を含む再構成植物シートは、50g/m~250g/m、特に100g/m~150g/m、特に110g/m~115g/mの坪量を有していてよい。
【0061】
有利には、本発明のシートの坪量は、シートを加熱装置で使用することを可能にする破壊強度を得ることを可能にする。
【0062】
典型的には、本発明の再構成植物シートの含水率は、20%未満、特に3%~15%、より特定的には5%~12%である。
【0063】
特定の一実施態様によれば、再構成植物シートは
・植物抽出物及びエアロゾル発生剤を含む1つの繊維状支持体、及び
・繊維状支持体と接触している植物微粉
を含み、
- 前記再構成植物シート中の植物繊維の乾燥物質の質量含有率は、5%~92%、特に10%~70%、より特に30%~35%であり、
- エアロゾル発生剤は、前記再構成植物シートの乾燥物質の0質量%~50質量%、特に8質量%~40質量%、より特に15質量%~35質量%を占め、
- 前記再構成植物シート中の植物微粉の乾燥物質の質量含有率は、前記再構成植物シートの総質量に対して乾燥質量で10%~70%、特に15%~65%、より特に25%~35%であってよく、
- 前記再構成植物シート中の植物抽出物の乾燥物質の質量含有率は、5%~47%、特に35%~45%である。
【0064】
特定の一実施態様によれば、再構成植物シートは、
・植物抽出物及びエアロゾル発生剤を含む、2つの繊維状支持体の少なくとも1つ、及び
・繊維状支持体と接触している植物微粉
を含み、
- 前記再構成植物シート中の植物繊維の乾燥物質の質量含有率は、5%~92%、特に10%~70%、より特に30%~35%であり、
- エアロゾル発生剤は、前記再構成植物シートの乾燥物質の0質量%~50質量%、特に8質量%~40質量%、より特に15質量%~35質量%を占め、
- 前記再構成植物シート中の植物微粉の乾燥物質の質量含有率は、前記再構成植物シートの総質量に対して乾燥質量で5%~70%、特に10%~65%、より特に11%~13%であってよく、
- 前記再構成植物シート中の植物抽出物の乾燥物質の質量含有率は、5%~47%、特に20%~45%である。
【0065】
典型的には、1つの繊維状支持体を含む本発明の再構成植物シートは、以下の工程:
)繊維状支持体を準備する工程、
)植物抽出物を繊維状支持体と接触させる工程、及び
)固形添加物を繊維状支持体と接触させる工程
を含み、
工程b)は、工程c)と同時に実施してもよく、
以下の工程:
)固形添加物を繊維状支持体と接触させる工程c)の後の、乾燥工程
も含む、方法に従って製造することができる。
【0066】
典型的には、2つの繊維状支持体を含む本発明の再構成植物シートは、以下の工程:
)2つの繊維状サポートを準備する工程、
)植物抽出物を2つの繊維状支持体の少なくとも1つと接触させる工程、
)固形添加物を2つの繊維状支持体の少なくとも1つと接触させる工程、及び
)2つの繊維状支持体を、固形添加物が2つの繊維状支持体の間に存在するように積み重ねる工程
を含み、
工程b)は、工程c)と同時に実施してもよく、
以下の工程:
)2つの繊維状支持体を積み重ねる工程d)の後の、乾燥工程
も含む、方法に従って製造することができる。
【0067】
本発明によれば、繊維状支持体は、製紙方法を用いて製造される。典型的には、工程a)又はa)において準備する繊維状支持体は、精練された植物繊維を抄紙機に通すことによって得ることができる。本発明の好ましい一態様によれば、製紙方法が使用される。この実施態様によれば、本発明による再構成植物シートは、製紙方法によって得ることができる再構成植物シートである。
【0068】
典型的には、工程a)又はa)において準備する繊維状支持体は、湿っていてもよく、したがって、少なくとも1つの湿った面を有する。この繊維状支持体は、典型的には、20%~80%、特に25%~70%、より特定的には30%~60%の含水率を有していてよい。
【0069】
典型的には、工程a)又はa)において準備する繊維状支持体は、10g/m~60g/m、特に20g/m~55g/m、より特に32g/m~62g/mの坪量を有していてよい。
【0070】
一実施態様によれば、繊維状支持体の植物繊維及び植物抽出物は、以下の工程:
e)1つ以上の植物部分を溶媒と混合して、植物繊維の植物抽出物が抽出されるようにする工程、及び
f)植物繊維から植物抽出物を分離する工程
に従って得られる。
【0071】
したがって、植物抽出物及び植物繊維は、典型的には、離解(dissociation)工程によって得られる。工程e)において、1つ以上の植物部分を、溶媒と、例えば、蒸解装置(digester)内で混合して、植物繊維の植物抽出物を抽出する。工程f)において、例えばスクリュープレスを通過させることによって植物抽出物を植物繊維から分離して、一方では植物繊維を、他方では植物抽出物を単離及び入手する。
【0072】
典型的には、溶媒は、非極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、プロトン性極性溶媒、又はそれらの混合物であり得、特に、溶媒は、メタノール、ジクロロメタン、エタノール、アセトン、ブタノール、水、又はそれらの混合物であり得、より具体的には、溶媒は、エタノール、アセトン、水、又はそれらの混合物であり得る。
【0073】
特定の一実施態様によれば、溶媒は水性溶媒であり、より具体的には溶媒は水である。
【0074】
当業者であれば、工程e)における溶媒の温度を、植物、植物の部分、及び処理される植物の部分にどのように適合させるかを知っているであろう。典型的には、根又は樹皮の処理における溶媒の温度は、葉又は花弁の処理における溶媒の温度よりも高い。
【0075】
典型的には、工程e)における溶媒の温度は、10℃~100℃、特に30℃~90℃、より特に50℃~80℃であってよい。
【0076】
溶媒が水であり、植物がタバコである実施態様によれば、水の温度は、典型的には30℃~80℃であってよい。典型的には、タバコ植物の茎の処理のためには、水の温度は、50℃~80℃であり得る。典型的には、タバコ植物の柔組織の処理のためには、水の温度は、30℃~70℃であり得る。
【0077】
典型的には、植物繊維を精錬装置内で精練し、次いで、抄紙機に通して繊維状支持体を形成させることができる。
【0078】
典型的には、植物繊維は様々な植物由来のものであってよい。
【0079】
各植物の繊維は、上述した離解工程に従って別々に得ることができる。次いで、それらを混合して、様々な植物の繊維のこの混合物を抄紙機に通して、繊維状支持体を形成させることができる。様々な植物の1つ又は複数の部分を混合することによって様々な植物からの繊維を一緒に得、次いで、それらを上述した離解工程にかけることも可能である。次いで、水の温度を、処理される植物に、特に、その植物の抽出物を抽出するために最も高い水の温度を必要とする植物に、適合させる。この代替的な実施態様は、いくつかの離解工程を並行して実施することなく、様々な植物の繊維を得ることを可能にするため、非常に有利である。
【0080】
典型的には、植物抽出物は、様々な植物の抽出物であってよい。
【0081】
様々な植物の抽出物を、上述した離解工程に従って別々に得られた様々な植物抽出物を混合することによって得ることができる。様々な植物の1つ又は複数の部分を混合し、次いで、それらを上述した離解工程にかけることにより、様々な植物の抽出物を得ることも可能である。次いで、水の温度を、処理される植物に、特に、その水溶性植物抽出物を抽出するために最も高い水の温度を必要とする植物に、適合させる。この代替的な実施態様は、いくつかの離解工程を並行して実施することなく、様々な植物の抽出物を得ることを可能にするため、非常に有利である。これらの2つの場合において、これらの様々な植物の抽出物を、工程b)及びb)において、繊維状支持体と接触させる。
【0082】
典型的には、上述した離解工程に従って得られる様々な植物抽出物を、工程b)及びb)の間、繊維状支持体と別々に接触させることができる。
【0083】
典型的には、工程b)の間、植物抽出物を、1つの繊維状支持体と接触させるか、あるいは2つの繊維状支持体と接触させることができる。
【0084】
典型的には、工程b)又はb)の間、植物抽出物を、繊維状支持体の片面と接触させるか、あるいは繊維状支持体の2つの面と接触させることができる。
【0085】
典型的には、植物抽出物を接触させる工程b)及びb)を、含浸により、又は噴霧により、特に含浸により実施することができる。典型的には、含浸を、サイズプレスを使用して実施することができる。
【0086】
典型的には、植物抽出物を、工程b)及びb)の間に繊維状支持体と接触させる前に、濃縮することができる。真空蒸発装置などの装置を使用して、植物抽出物を濃縮することができる。
【0087】
工程c)及びc)により、固形添加物を、繊維状支持体の2つの面のうちの少なくとも1つ、特に、支持体の湿潤面、より特には、植物抽出物と接触させた繊維状支持体の面と接触させることが可能にする。典型的には、この工程は、繊維状支持体の上及び/又は中に、固形添加物を分散させることを可能にする。
【0088】
典型的には、固形添加物を接触させる工程c)及びc)は、分散により、又は散布により、特に散布により行うことができる。
【0089】
工程b)及びb)を、工程c)及びc)と同時に実施する場合、植物抽出物を、典型的には、固形添加物と混合し、その混合物を、繊維状支持体と接触させる。典型的には、この混合物の接触工程は、含浸によって、又は噴霧によって、特に含浸によって、実施することができる。典型的には、含浸は、サイズプレスを使用して実施することができる。
【0090】
本発明の再構成植物シートがエアロゾル発生剤を含む場合、前記エアロゾル発生剤を、固形添加物として、植物抽出物の前、後、又は同時に、繊維状支持体と接触させるか、あるいは、植物抽出物及び固形添加物の混合物として、特に植物抽出物と同時に接触させる。
【0091】
典型的には、工程d)は、固形添加物と接触している繊維状支持体の面を、他の繊維状支持体で覆うという目的を有し得る。2つの繊維状支持体が、固形添加物と接触している1つの面を有する場合には、工程d)は、典型的には、固形添加物が2つの繊維状支持体の間にあるようにそれらの2つの面を接触させる目的を有する。
【0092】
典型的には、繊維状支持体を積み重ねる工程d)は、固形添加物と接触している繊維状支持体の面と、他の繊維状支持体の面とを付着させることによって行うことができる。2つの面の接着を容易にするために、他の繊維状支持体の面は湿っていてもよい。
【0093】
典型的には、乾燥工程s)は、固形添加物を繊維状支持体に付着させて、再構成植物シートを形成することを可能にする。
【0094】
典型的には、乾燥工程s)は、繊維状支持体を互いに付着させること、及び、繊維状支持体の間に固形添加物を捕捉して、再構成植物シートを形成させることを可能にする。
【0095】
当業者であれば、乾燥工程s)及びs)のパラメーターをどのように調節して、固形添加物の繊維状支持体への付着を可能にするかを知っているであろう。
【0096】
典型的には、乾燥工程s)及びs)において、再構成植物シートがエアロゾル発生剤を含む場合、乾燥温度は90℃~130℃、特に70℃~110℃であり得る。
【0097】
典型的には、工程s)及びs)を、赤外線ランプ;アメリカのバッテリー乾燥ドラム;トンネル乾燥機、垂直乾燥機、流動床乾燥機、空気乾燥機、特にトンネル乾燥機における熱風乾燥によって、実施することができる。
【0098】
次いで、本発明の再構成植物シートを、シートに切断し、タバコの細片に類似した葉にするか、又はロールに巻くことができる。いくつかのシートを組み立てて、シートの混合物を形成させてもよい。
【0099】
エアロゾル発生剤を含む本発明の再構成植物シートは、タバコを燃焼させることなく加熱する装置において使用することができる。
【0100】
本発明の目的のために、用語「燃焼させることなくタバコを加熱する装置」は、使用者によって吸入されることが意図されたエアロゾルの形成を可能にする任意の装置を指す。エアロゾルは、煙に取って代わり、使用者の有害な成分への暴露を非常に大幅に低減すると同時に、使用者が植物のアロマを吸入することを可能にする。
【0101】
典型的には、加熱装置は、空気流の方向に沿って、吸気口、加熱要素、エアロゾル発生剤を含む本発明の再構成植物シートを配置し、保持することが意図されたチャンバー、及び、使用者の口内に置かれることが意図された排気口を含む。吸気口、加熱要素、チャンバー、及び排気口は、典型的には、少なくとも流体的に一緒に接続されている。
【0102】
典型的には、加熱装置が使用されるとき、空気は、使用者によって吸気口を介して加熱装置に吸引される。次いで、吸引された空気は、加熱された部分を通過して、加熱された空気になる。この空気が、チャンバー内に保持された、エアロゾル発生剤を含む本発明の再構成植物シートと接触し、その加熱された空気によってエアロゾルが形成され、次いで、使用者によって吸入される。植物が薬用植物である場合には、形成されるエアロゾルは治療特性を有する。
【0103】
さらに、加熱装置のおかげで、シートの燃焼は全くない。したがって、使用者は、植物及び場合によってはタバコの官能器官受容特性を利用できると同時に、有害な成分への曝露を非常に大幅に低減することができる。
【実施例
【0104】
[実施例1]:n=1の再構成タバコシート
1)再構成タバコシートの調製
タバコ繊維を含み、62g/mの坪量を有する繊維状支持体に、7.5gのタバコ抽出物を含浸させた。含浸後、繊維状支持体の質量は、9gであり、108g/mの坪量を有している。含浸を実施した直後、1.4gのタバコダストをこの繊維状支持体の片面に散布する。次いで、含浸及び散布されたシートを、95℃で540秒間乾燥させる。
【0105】
2)再構成タバコシートの特性決定
再構成植物シート中の植物繊維、植物抽出物、及び植物微粉の乾燥物質の質量含有率を、以下の表に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
再構成植物シートを、ブローマ切断試験にかける。
植物微粉の損失は、2.6%であり、非常に少ない。
得られた再構成タバコシートを、その後、細断して、燃焼させることのない喫煙に供する。こうして発生したエアロゾルの官能器官受容特性は、使用者にとって満足のいくものである。
【0108】
[実施例2]:n=2の再構成タバコシート
1)再構成タバコシートの調製
植物繊維を抄紙機に通すことによって、32g/mの坪量を有する繊維状支持体を得る。次いで、2.7gのミントダストを、2つの繊維状支持体の一方の湿潤面に散布する。次いで、このようにして得られた散布された繊維状支持体を、乾燥させる。
【0109】
次いで、第2の繊維状支持体と、散布及び乾燥された繊維状支持体との積み重ねを、第2の繊維状支持体の湿った面を、植物微粉と接触している散布及び乾燥された繊維状支持体の面に接着して、繊維状支持体のサンドイッチであって、その中にダストが2つの繊維状支持体の間に捕捉されているものを形成させることによって実施する。
【0110】
次いで、繊維支持体のサンドイッチを、ラピッドケテン型の装置を使用して乾燥させる。
次いで、繊維状支持体の乾燥したサンドイッチに、3.64gのタバコ抽出物及びグリセロールを含浸させて、含浸された繊維状支持体のサンドイッチを得る。
次いで、含浸された繊維状支持体のサンドイッチを、90℃で540秒間乾燥させる。
【0111】
2)再構成タバコシートの特性決定
再構成植物シート中の植物繊維、植物抽出物、及び植物微粉の乾燥物質の質量含有率を、以下の表に示す。
【0112】
【表2】
【0113】
再構成植物シートを、実施例1の再構成植物シートと同じブローマ切断試験にかける。
微粉の損失は、4.9%であり、非常に少ない。
次いで、得られた再構成植物シートを細断して、燃焼させることのない喫煙に供する。こうして発生したエアロゾルの官能特性は、使用者にとって満足のいくものである。