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  • 特許-電子アセンブリおよび自動車用発光装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】電子アセンブリおよび自動車用発光装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/05 20060101AFI20231113BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20231113BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20231113BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231113BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20231113BHJP
   F21V 29/89 20150101ALI20231113BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20231113BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20231113BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20231113BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20231113BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231113BHJP
【FI】
H05K1/05 B
H05K1/02 B
H05K1/02 F
F21S45/47
F21V29/503
F21V29/74
F21V29/89
H01L33/00 L
H01L33/62
H01L33/58
F21W102:00
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020552254
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019058056
(87)【国際公開番号】W WO2019185892
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】18382225.3
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ホセ-ダビド、ロルダン
(72)【発明者】
【氏名】ミゲル、アンヘル、カントゥード
(72)【発明者】
【氏名】アルバロ、アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ティボー、メン
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0300609(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0153245(US,A1)
【文献】特開2009-081193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0299143(US,A1)
【文献】特開平08-018181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/05
H05K 1/02
F21S 45/47
F21V 29/503
F21V 29/74
F21V 29/89
H01L 33/00
H01L 33/62
H01L 33/58
F21W 102/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面(21)と前記第1面(21)の反対側の第2面(22)とを有するプリント回路板(2)と、
前記プリント回路板(2)の前記第1面(21)に取り付けられた電子部品(3)と、
を備えた電子アセンブリ(1)において、
前記プリント回路板(2)は、絶縁金属基板プリント回路板であり、かつ、当該プリント回路板を第1主部分(23)と第2主部分(24)とに分割する第1屈曲部(20)を備え、前記電子部品(3)は前記第1主部分(23)に配置されており、
前記第1主部分(23)と前記第2主部分(24)とは、1つの共通平面内に含まれないように配置されており、
前記プリント回路板は導電性トラックを備え、前記導電性トラックは前記プリント回路板(2)の前記第1主部分(23)のみに設けられ、前記プリント回路板は前記第1屈曲部(20)および前記第2主部分(24)には導電性トラックを有していない、電子アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記電子部品(3)は、発光ダイオード(LED)等の半導体光源である、請求項1に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第1屈曲部(20)は、前記第1主部分(23)の前記第1面を前記第2主部分(24)の前記第1面の方に向けて屈曲させるようなものである、請求項1または2に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第1および第2主部分(23、24)は80乃至100度の角度を形成する、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記第2主部分(24)は少なくとも第2屈曲部(20’)をさらに備え、当該第2屈曲部(20’)は前記第2主部分を少なくとも2つの副部分(241、242、243)に分割する、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第2屈曲部(20’)は、副部分のうちの主部(242)の前記第2面を他の副部分(241)の前記第2面の方に向けて屈曲させるようなものである、請求項5に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記副部分(241、242、243)のうちの2つは80乃至100度の角度を形成する、請求項5または6に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記第1主部分(23)は複数の第1屈曲部(20)を備え、これにより、第1主部分(23)および第2主部分(24)とは別のさらなる主部分の第3主部分(25)が形成される、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記第1屈曲部(20)は、当該第1屈曲部(20)における前記プリント回路板の厚さより大きい曲率半径を有する、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記第2屈曲部(20’)の一つは、対応する第2屈曲部(20’)における前記プリント回路板の厚さより大きい曲率半径を有する、請求項5から7のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項11】
溝が少なくとも1つの屈曲部(20、20’)に、より具体的には各屈曲部(20、20’)に設けられ、前記溝は関連する前記屈曲部の延伸方向に実質的に平行である、請求項1から10のうちのいずれかに記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項12】
前記プリント回路板は、金属から形成されたコアを備えている、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ()。
【請求項13】
前記プリント回路板はその部品のうちの1つが黒いか、前記プリント回路板が黒く塗装されているか、あるいは、前記プリント回路板が黒く陽極酸化処理されおり、これにより前記プリント回路板が黒い外観を呈する、請求項1から12のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)。
【請求項14】
自動車用発光装置(10)であって
求項1から13のうちのいずれか一項に記載の電子アセンブリ(1)であって、前記電子部品(3)は発光ダイオード(LED)等の半導体光源である電子アセンブリ(1)と、
前記半導体光源(3)からの光を受光して前記光を当該自動車用発光装置(10)の外部に投影される光パターンに成形するように配置された第1光学素子(4、5)と、
を備えた自動車用発光装置(10)。
【請求項15】
前記第1光学素子(4、5)は、レンズ、光ガイド、リフレクタ、またはコリメータのうちの少なくとも1つである、請求項14に記載の自動車用発光装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用発光装置における熱放散の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
光源は大量の熱を発生し、この熱は光源の動作が危険にさらされることが無いように放散させる必要がある。この問題は、光源が発光ダイオード(LED)である場合には、当該光源の動作特性に温度が大きな影響を与えるため、さらに重要となる。
【0003】
ヒートシンクがこの問題を解決することが知られている。ヒートシンクは、光源と熱的に接触するように配置される。このヒートシンクには、フィンまたは他の適切な要素が設けられており、これらは対流または放射によりヒートシンクからの熱を放散させ、これによりヒータの周囲の空気が加熱されそして廃棄される。
【0004】
ヒートシンクは、通常、熱伝導性の接着剤を使用して、LEDが取り付けられたPCBに接着される。このような構成により、熱がPCBからヒートシンクに伝達され、そしてフィンによって放散される。
【0005】
別の選択肢では、ヒータが発光装置の外部に配置されるが、熱伝達は困難になる。文書US2008/247177A1号のように、通常ヒートパイプが使用される。ヒートパイプに接続された照明要素は汎用性に劣る。なぜならば、通常、ヒートパイプは、関連する要素の自由な動きを許容しないからである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、請求項1に記載の自動車用発光装置を提供することにより、代替解決策を提供する。本発明の好適な実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0007】
本発明の第1態様において、本発明は、
第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有するプリント回路板と、
前記プリント回路板の前記第1面に取り付けられた電子部品と、
を備えた電子アセンブリにおいて、
前記プリント回路板は、絶縁金属基板プリント回路板であり、かつ、当該プリント回路板を第1主部分と第2主部分とに分割する第1屈曲部を備え、前記電子部品は前記第1主部分に配置されており、
前記第1主部分と前記第2主部分とは、1つの共通平面内に含まれない、
電子アセンブリを提供する。
【0008】
有利には、第1屈曲部により、プリント回路板はヒートシンクとして機能する。なぜならば、2つの部分がプリント回路板を非平面的な要素とするため、プリント回路板自体と周囲の流体との間での熱伝導が容易になるからである。更に、屈曲したプリント回路板の形状は、現在使用されているヒートシンクの形状に類似しているため、自動車両用発光装置に組み込むことも容易になる。
【0009】
更に、2つの主部分をもたらす第1屈曲部が存在するという事実は、追加の主部分をもたらす追加の屈曲部の存在を排除するものではない。
【0010】
特定の実施形態において、前記電子部品は、発光ダイオード(LED)等の半導体光源である。
【0011】
この特徴により、当該電子部品を自動車用発光装置において使用することができる。
【0012】
特定の実施形態において、前記第1屈曲部は、前記第1主部分の前記第1面を前記第2主部分の前記第1面の方に向けて屈曲させるようなものである。
【0013】
本実施形態によれば、第1面が実質的に凹状とされ、第2面が実質的に凸状とされる。この構成は、電子アセンブリの製造に有利である。まずプリント回路板を屈曲させて、次いで電子部品を第1面に取り付ければよいからである。
【0014】
特定の実施形態において、前記2つの主部分は、80乃至100度の角度を形成する。
【0015】
このような電子アセンブリは、優れた熱挙動を有する。なぜならば、熱経路が実質的に90度の角度を利用し、この角度に応じて通常鉛直方向に配置される第2主部分に第1主部分から熱が放散されるため、対流現象において重力が利用されるからである。
【0016】
特定の実施形態において、前記第2主部分は少なくとも第2屈曲部を更に備え、当該第2屈曲部は当該第2主部分を少なくとも2つの副部分に分割する。第2主部分に配置された更なる屈曲部は、熱放散を改善する。より具体的には、前記第2屈曲部は、副部分の主部の前記第2面を他の副部分の前記第2面の方に向けて屈曲させるようなものである。本実施形態は、更に良好な熱挙動を提供する。
【0017】
特定の実施形態において、前記プリント回路板は導電性トラックを備え、当該導電性トラックは、前記プリント回路板の前記第1主部分のみに設けられ、前記第1屈曲部または前記第2主部分には設けられていない。
【0018】
本実施形態により、プリント回路板を屈曲する際に導電性トラックが損傷するリスクが回避される。
【0019】
いくつかの特定の実施形態においては、プリント回路板は、第1主部分、屈曲部、および第2主部分の全てに導電性トラックを備えているが、屈曲部または第2主部分にある導電性トラックは電子部品に電気的に接続されていないか、あるいは機能しない。
【0020】
この場合、屈曲部または第2部分にある導電性トラックが損傷したとしても、製品に悪影響がない。
【0021】
特定の実施形態において、前記副部分のうちの2つは、80乃至100度の角度を形成する。
【0022】
このような電子アセンブリは、優れた熱挙動を有する。なぜならば、熱経路が実質的に90度の角度を利用し、熱が第2主部分から異なる平面において放散されるためである。
【0023】
特定の実施形態において、前記第1主部分は複数の第1屈曲部を備え、これにより、第1主部分および第2主部分とは別に、さらなる主部分の第3主部分が形成され得る。
【0024】
これらの実施形態により、熱放散の選択肢が増加するため、各電子要素の熱放散の必要性に適応すべく屈曲部を組み合わせることができる。
【0025】
特定の実施形態において、前記第1屈曲部、および/または前記第2屈曲部の1つは、対応する屈曲部における前記プリント回路板の厚さより大きい曲率半径を有する。
【0026】
この特徴により、プリント回路板の良好な機械的動作が保証され、いずれかの屈曲部における有害な応力が回避される。
【0027】
特定の実施形態において、前記プリント回路板は、銅またはアルミニウム等の金属から形成されるコアを備える。
【0028】
これらの材料は、熱の伝達に適しているとともに、屈曲させても破損しない十分な延性を有している。
【0029】
いくつかの特定の実施形態において、プリント回路板は、電気絶縁材料により形成されたフレキシブル(可撓性を有する)誘電体カバーを備え、当該誘電体カバーは、コアと導電性トラックとの電気的な絶縁を提供する。
【0030】
このフレキシブルカバーにより、プリント回路板の回路トラックとコアとの間の電気的な絶縁が保証される。本文書において、ある要素が「フレキシブル」であるという事実は、当該要素の特性によって、塑性変形無しに、屈曲により当該要素の両端を接触させうる特性として理解されるべきである。この概念は、「フレキシブル」回路板と標準的なプリント回路板を区別するために使用されるため、当業者に知られている。
【0031】
いくつかの特定の実施形態において、プリント回路板は、導電性トラックを覆うように配置された保護用のソルダーマスクも備えている。
【0032】
いくつかの特定の実施形態において、溝が少なくとも1つの屈曲部に、より具体的には各屈曲部に設けられる。有利には、前記溝は、関連する前記屈曲部の延伸方向に実質的に平行である。換言すれば、溝は、関連する屈曲部の屈曲方向に実質的に垂直である。溝により、屈曲部の曲げ加工が容易になる。
【0033】
いくつかの特定の実施形態において、溝は円筒形状を有している。
【0034】
いくつかの特定の実施形態において、溝の横断方向輪郭は、円弧形状、矩形の3つの縁部の形状、またはV字形状を有している。横断方向輪郭が、単数または複数の角部を呈する場合、角部に隣接する縁部は、丸みをつけて接合してもよい。
【0035】
有利には、溝の深さは、プリント回路板の厚さの30%以下である。この厚さは、プリント回路板の第1面と第2面との間において定義される。深さを制限することにより、屈曲部における良好な熱伝導を確保することができる。深さがこれより大きいと、屈曲部を介して主部分同士の間で伝達される熱が制限される、または遮断される可能性がある。
【0036】
いくつかの特定の実施形態において、溝は、可撓性の誘電体カバー、ひいては導電性トラックを遮断する。この特性の利点は、曲げ加工に際してカバーおよび/またはトラックが引っ張られることが回避されることである。引っ張られることで、制御できない断裂が生じる場合がある。
【0037】
いくつかの特定の実施形態において、溝は、プリント回路板をフライス加工(ミリング)することにより得られる。
【0038】
いくつかの特定の実施形態において、溝は、プリント回路板を打抜く、またはスコアリングすることにより得られる。
【0039】
いくつかの特定の実施形態において、溝は、押出工程においてプリント回路板上で直接得られる。
【0040】
いくつかの特定の実施形態において、前記プリント回路板は、その部品のうちの1つが黒いことを理由として、またはそれが黒色になるように塗装または陽極酸化処理されていることを理由として、黒い。プリント回路板またはその要素の一部は、例えば、導電性トラックを覆うように配置された保護用のソルダーマスクは、放熱による熱の放散に有利な黒色となるように塗装または陽極酸化処理してもよい。
【0041】
本発明の更なる態様において、本発明は、
本発明による上記の態様による電子アセンブリであって、前記電子部品は発光ダイオード(LED)等の半導体光源である電子アセンブリと、
前記半導体光源からの光を受光して前記光を前記発光装置の外部に投影される光パターンに成形するように配置された第1光学素子と、
を備えた自動車用発光装置に関する。
【0042】
この自動車用発光装置は、現行のものよりも製造が簡単であり、組み付けるべき要素の個数が少ない。
【0043】
光学素子とは、光ビームを受光してこれを特定の方向および/または形状において出射する光学特性を有する素子であり、このことは自動車用照明の当業者が更なる負担なく解釈し得る。
【0044】
特定の実施形態において、前記光学素子は、レンズ、光ガイド、リフレクタ、またはコリメータのうちの少なくとも1つである。
【0045】
これらの光学素子は、複数の光源により生成される光束を管理して、均一な出力を提供するのに有用である。
【0046】
特定の実施形態において、光学素子がプリント回路板を支持する。別の特定の実施形態において、プリント回路板が光学素子を支持する。
【0047】
本明細書を完璧なものとするように、且つ本発明をより良く理解できるように、図面が提供される。これらの図面は、本明細書に不可欠であり、本発明の実施形態を例示する。実施形態は、本発明の範囲を制限するものでと解釈されるべきではなく、本発明が如何にして実施可能であるかを示す一例として解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明による電子アセンブリの第1実施形態を示す図。
図2】本発明による電子アセンブリの別の実施形態を示す図。
図3】本発明による電子アセンブリの別の実施形態を示す図。
図4】自動車両に取り付けられた、本発明による発光装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
例示的な実施形態は、当業者が本明細書に記載のシステムおよびプロセスを具体化および実施し得るように十分に詳細に説明される。実施形態は、多くの代替形態において提供され得るとともに、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきでないことを理解することが重要である。
【0050】
したがって、実施形態は種々の態様で変更され得るとともに種々の代替形態を取り得るが、その具体的な実施形態が、例として図面に示され詳細に説明される。開示された特定の形態に限定することを意図するものではない。反対に、添付の特許請求の範囲に該当する全ての変更、同等物、および代替物が含まれるべきである。例示的な実施形態の要素は、図面において同一の参照符号により、および必要であれば詳細な説明により一貫して示される。
【0051】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される(技術用語および科学用語を含む)全ての用語は、当該技術分野で慣例とされているように解釈されるべきである。さらに、一般的な使用における用語は、本明細書で明示的に定義されない限り、関連技術において慣例とされているように解釈されるべきであって、理想的または過度に形式的な意味で理解されるべきでないことを理解されたい。
【0052】
本文において、「備える」という用語、およびその派生語(「備えて」等)は、排他的な意味において理解されるべきではない。すなわち、このような用語は、説明および定義された内容に、追加の要素、ステップ等が含まれる可能性を排除するものとして解釈されるべきではない。
【0053】
図1は、第1面21と第1面の反対側の第2面とを有するプリント回路板と、プリント回路板2の第1面21に取り付けられたLED3と、を備える電子アセンブリ1を示す。
【0054】
プリント回路板2は、絶縁金属基板プリント回路板であるとともに、プリント回路板を第1主部分23と第2主部分24とに分割する第1屈曲部20を備え、LED3は、第1主部分23に配置されている。2つの主部分23、24は、実質的に90度の角度を形成している。屈曲は、第1主部分23の第1面が第2主部分24の第1面の方に向けて屈曲するようになされている。
【0055】
このような屈曲があることで、プリント回路板はヒートシンクとして機能する。LEDにおいて生成された熱は、プリント回路板が絶縁金属基板プリント回路板であることにより、屈曲したプリント回路板を介して伝達される。この結果、追加のヒートシンクを設ける必要はない。
【0056】
より良好な設計を目的として、且つ動作障害を最小にするように、プリント回路板の導電性トラックは、プリント回路板の第1主部分23のみに配置され、第1屈曲部20や第2主部分24には配置されない。
【0057】
図示の実施形態において、第2主部分は、第2主部分を3つの副部分241、242、243に分割する2つの第2屈曲部20’を更に備えている。これらの副部分のうちの1つである副部分241は不変のままであるが、他の2つの副部分242、243は第2主部分20’から屈曲することにより、新たなフィンを形成している。これらの第2屈曲部20’は、フィンを形成する第2主部分の第2面が、不変のままである副部分の第2面の方に向けて屈曲するようになされていることにより、コンパクトな構造でありながら良好な熱放散能力を達成している。
【0058】
絶縁金属基板プリント回路板は、銅やアルミニウム等の導電性の延性金属からなるコアを備えているため、これらの曲げ部は作製が容易であり、プリント回路板を破損させるリスクがない。
【0059】
また、プリント回路基板は、シリコーン等の電気絶縁材料から構成されたフレキシブルカバーを備えている。
【0060】
図2は、本発明による電子アセンブリ1の代替実施形態を示す。本実施形態において、屈曲は、第1主部分23の第2面が第2主部分24の第2面の方に向けて屈曲するようになされている。この結果、熱放散に関して図1に示す実施形態と略同等であるが、本実施形態は、製造手順に応じていくつかの長所および短所がある。
【0061】
電子アセンブリが、最初にLEDを取り付けて、次いでプリント回路板を屈曲させることにより作製される場合、図1の実施形態に示すように電子アセンブリを屈曲させる方が容易である。これは、ダイが凹面をプレス加工することが意図されているからである。本実施形態において、凹面は要素を有さないため、ダイはリスクなくプレス加工を行うことができる。
【0062】
これに対し、電子アセンブリが、最初に曲げ加工され、次いでLEDを受ける場合、図2の実施形態の方が好適である。なぜならば、LEDが取り付けられる際にプリント回路板がより有利に配置されるため、LEDを凸面側より凹面側に配置する方が簡単であるためである。
【0063】
図3は、別の実施形態を示す。図1および2に示す実施形態に対する最も明瞭な違いは、第1主部分23が2つの第1屈曲部20を備えているという点である。この結果、LED3は第1主部分23にあり、熱放散の代替手段となる2つの側方部分24、25が存在している。当業者が理解し得るように、第1主部分が複数の第1屈曲部を備えその結果として生じる第2または第3主部分が副次的な屈曲部を備えることができるといった実施形態が存在し、これはより複雑な構造をもたらし得る。
【0064】
図4は、自動車両100に取り付けられた、本発明による自動車用発光装置10の実施形態を示す。
【0065】
この自動車両用発光装置10は、図1の実施形態による電子アセンブリ1と、リフレクタ4とを備えている。リフレクタ4は、LED3からの光を受光して光を発光装置の外部に投影される光パターンに成形するように配置されている。また、投影レンズ5が、リフレクタ4が受光した光を投影するように配置されている。
【0066】
本図から理解され得るように、プリント回路板がリフレクタを支持している。しかしながら、光ガイド、コリメータ、またはレンズ等の異なる光学素子の場合、光学素子自体がプリント回路板を支持してもよい。
図1
図2
図3
図4