(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】2つのヘッダを有する植込み可能な神経刺激デバイス
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20231113BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/36
(21)【出願番号】P 2020573153
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(86)【国際出願番号】 AU2019050665
(87)【国際公開番号】W WO2020000039
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-13
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】513144730
【氏名又は名称】サルーダ・メディカル・ピーティーワイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・スコット・ヴァラック・シングル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ルイス・パーカー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-501021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0116763(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0019985(US,A1)
【文献】特表2006-521861(JP,A)
【文献】特開平06-000167(JP,A)
【文献】米国特許第05313953(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0100597(US,A1)
【文献】特表2016-530964(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303411(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0274820(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00 - 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、
刺激電子装置、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体と、
前記神経刺激デバイスの前記本体に結合される第1のヘッダであって、前記電池を充電するための充電コイル、および前記刺激電子装置による制御下で前記電池からの前記刺激エネルギーを送達するために刺激リードを前記刺激電子装置に接続するコネクタを含む第1のヘッダと、
前記本体に結合される第2のヘッダであって、前記刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を行うための通信アンテナを含む第2のヘッダと
を備える植込み可能な神経刺激デバイス
において、
前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダそれぞれは、前記本体の別々の側に位置する、神経刺激デバイス。
【請求項2】
前記本体は、開放端を有するパイプを含み、前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダは、前記本体に取り付けられて各開放端を閉じる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記刺激電子装置と前記第1のヘッダの間でリンクを提供するための第1の組の電子装置リードと、前記刺激電子装置と前記第2のヘッダの間でリンクを提供するための第2の組の電子装置リードとをさらに備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2の組の電子装置リードは、前記刺激電子装置と
少なくとも1つの通信電子装置の間に位置する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の組の電子装置リードおよび/または前記第2の組の電子装置リードの少なくとも一方は、可撓性のあるリードであり、前記可撓性のあるリードは、前記第1のヘッダおよび/または前記第2のヘッダが、それぞれ前記本体に近づいたとき、折り畳まれるように構成される、請求項3または4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の組の電子装置リードおよび/または前記第2の組の電子装置リードは、S字形に折り畳まれるように構成される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の組の電子装置リードおよび/または前記第2の組の電子装置リードの少なくとも一方は、剛性のあるリードである、請求項
3または4に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1の組の電子装置リードおよび/または前記第2の組の電子装置リードに
接続されたリンクは、1つまたは複数の電気的なコネクタをさらに備える、請求項3から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の組の電子装置リードおよび/または前記第2の組の電子装置リードは、前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダにそれぞれ関連付けられた第1のフィードスルーおよび/または第2のフィードスルーを介して、前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダにそれぞれ結合され、前記通信電子装置は、前記第2の組の電子装置リードと前記第2のフィードスルーの間に位置する、請求項
4に記載のデバイス。
【請求項10】
前記刺激電子装置が、前記本体に収容されたプリント回路板に取り付けられており、
前記植込み可能な神経刺激デバイスが、前記刺激電子装置と前記通信アンテナとの間に接続された通信電子装置を備えており、前記通信電子装置が、前記通信アンテナを介した無線周波数通信を可能とするための無線周波数通信モジュールとされ、
前記通信電子装置が、前記第2のヘッダに関連付けられた第2のプリント回路板に取り付けられており、前記第2のヘッダに関連付けられた前記第2のプリント回路板が、前記本体に収容された前記プリント回路板とは異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記通信電子装置は、
前記第1のヘッダよりも前記第2のヘッダに近接して位置する、請求項
4に記載のデバイス。
【請求項12】
前記通信アンテナは、無線周波数通信アンテナである、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記通信アンテナは、2回巻きのアンテナである、請求項1から12のいずれか一項に記載
のデバイス。
【請求項14】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、
本体であって、
刺激電子装置、
前記刺激電子装置と通信している通信電子装置、
1つまたは複数のサポート要素、および
刺激エネルギーを提供するための電池
を含む本体と、
前記神経刺激デバイスの前記本体に結合され、かつ前記電池を充電するための充電コイルを含む第1のヘッダと、
前記刺激電子装置による制御下で、前記電池からの前記刺激エネルギーを送達するために、刺激リードを前記刺激電子装置に接続する少なくとも1つのコネクタと、
前記本体に結合され、かつ前記刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を提供するための通信アンテナを含む第2のヘッダと、
前記第2のヘッダにおいて、前記通信電子装置と前記通信アンテナの間にリンクを提供するための第2の組の電子装置リードと、
を備え、
前記1つまたは複数のサポート要素は、前記第2の組の電子装置リードを、前記本体の表面から隔離するように構成される、植込み可能な神経刺激デバイス
において、
前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダそれぞれは、前記本体の別々の側に位置する、神経刺激デバイス。
【請求項15】
前記1つまたは複数のサポート要素は、前記第2のヘッダが前記本体に結合されるとき、前記第2の組の電子装置リードが、一定した指定の構成で折り畳まれるべくガイドするように構成される、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記刺激電子装置と前記第1のヘッダの間にリンクを提供するための第1の組の電子装置リードをさらに備える、請求項
14または15に記載のデバイス。
【請求項17】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、
刺激電子装置、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体
であって、前記刺激電子装置が、前記電池から刺激リードに刺激エネルギーを提供するように構成されている、前記本体と、
前記神経刺激デバイスの前記本体に結合され、かつ前記電池を充電するための充電コイルを含む第1のヘッダと、
前記本体に結合され、かつ前記刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を提供するための通信アンテナを含む第2のヘッダと、
を備える植込み可能な神経刺激デバイス
において、
前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダそれぞれは、前記本体の別々の側に位置する、神経刺激デバイス。
【請求項18】
前記本体は、
プリント回路板と、
前記プリント回路板に接続された温度センサと、
前記プリント回路板に接続された整流器と
をさらに備える、請求項
17に記載のデバイス。
【請求項19】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、
刺激電子装置、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体であって、第1の部分および第2の部分を備える、本体と、
前記本体の前記第1の部分に結合され、かつ前記電池を充電するための充電コイルを含む第1のヘッダと、
前記本体の前記第1の部分に結合され、かつ前記刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を行うための通信アンテナを含む第2のヘッダと、
前記刺激電子装置による制御下で、前記電池からの刺激エネルギーを送達するために、刺激リードを前記刺激電子装置に接続するコネクタと、
を備える植込み可能な神経刺激デバイス
において、
前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダそれぞれは、前記本体の別々の側に位置する、神経刺激デバイス。
【請求項20】
前記本体の前記第1の部分、および前記本体の前記第2の部分は、共に溶接されて前記本体を形成する、請求項
19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記刺激電子装置が、前記本体に収容されたプリント回路板に取り付けられており、
前記植込み可能な神経刺激デバイスが、前記刺激電子装置と前記通信アンテナとの間に接続された通信電子装置を備えており、前記通信電子装置が、前記通信アンテナを介した無線周波数通信を可能とするための無線周波数通信モジュールとされ、
前記通信電子装置が、前記第2のヘッダに関連付けられた第2のプリント回路板に取り付けられており、前記第2のヘッダに関連付けられた前記第2のプリント回路板が、前記本体に収容された前記プリント回路板とは異なる、請求項19または20に記載のデバイス。
【請求項22】
植込み可能な神経刺激デバイスを製作する方法であって、前記神経刺激デバイスは、刺激電子装置および電池を含めるための少なくとも第1の部分および第2の部分を有する本体と、充電コイルを含む第1のヘッダと、通信アンテナを含む第2のヘッダと、刺激電子装置の制御下で、前記電池からの刺激エネルギーを送達するように刺激リードを刺激電子装置に接続するための、前記第1のヘッダおよび/または前記第2のヘッダにおける少なくとも1つのコネクタとを備え、
前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダそれぞれは、前記本体の別々の側に位置し、前記方法は、
少なくとも1つの蓋部を有する
前記第1の部分を形成するステップであって、前記蓋部は、各第1のヘッダおよび第2のヘッダの構成要素と結合するためのフィードスルーを有する、ステップと、
前記フィードスルーを少なくとも前記刺激電子装置および前記電池と結合するステップと、
前記刺激電子装置および前記電池を前記本体の内側に封止するために、前記本体の前記第1の部分を前記本体の前記第2の部分に取り付けるステップと、
各第1のヘッダおよび第2のヘッダを前記本体に結合するステップであって、前記第1のヘッダおよび前記第2のヘッダの構成要素は、前記フィードスルーを介して前記本体における構成要素と通信している、ステップと、
を含む方法。
【請求項23】
前記本体の前記第1の部分および前記本体の前記第2の部分を取り付ける前記ステップは、前記本体の前記第1の部分を前記本体の前記第2の部分に溶接するステップを含む、請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
- 1つまたは複数の可撓性のあるリードをガイドするために、前記第1の部分に、またはそれに対してジグを配置するステップと、
- 前記フィードスルーと、少なくとも前記刺激電子装置および電池との間で1つまたは複数の可撓性のあるリードをガイドするステップであって、前記1つまたは複数の可撓性のあるリードは、
前記ジグによりガイドされて、一定した指定の構成に折り畳まれる、ステップとをさらに含み、
前記本体の前記第1の部分を前記本体の前記第2の部分に取り付ける前記ステップの前に、前記方法は、
- 前記ジグを前記第1の部分から取り外すステップ
をさらに含む、請求項
22または
23に記載の方法。
【請求項25】
前記刺激電子装置が、前記本体に収容されたプリント回路板に取り付けられており、
前記方法が、前記刺激電子装置と前記通信アンテナとの間に通信電子装置を接続するステップであって、前記通信電子装置が、前記通信アンテナを介した無線周波数通信を可能とするための無線周波数通信モジュールとされ、前記通信電子装置が、前記第2のヘッダに関連付けられた第2のプリント回路板に取り付けられており、前記第2のヘッダに関連付けられた前記第2のプリント回路板が、前記本体に収容された前記プリント回路板とは異なる、前記ステップを備えている、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記刺激電子装置は、前記本体に含まれるプリント回路板に設けられ、前記プリント回路板は、少なくとも1つの切欠きを有し、前記プリント回路板を第1のヘッダまたは第2のヘッダにリンクさせる
第1の組の電子装置リードおよび第2の組の電子装置リードのうち少なくとも1組の電子装置リードが前記切欠き内で折り畳まれるようにする、請求項
3から9および14から16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記第2のヘッダは、前記電池を充電するためのさらなる充電コイルを含む、請求項
1から21および26のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月29日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2018902346号、および2019年4月18日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2019901356号に関し、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、植込み可能な神経刺激デバイスに関する。このデバイスは、いくつかの例では、医学的状態を治療するために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
1つまたは複数の能動的な植込み可能な構成要素を有する医療デバイスが、最近数十年にわたり、広範囲な治療上の利益を患者に提供してきた。植込み可能な神経刺激デバイスは、このような医療デバイスの例であり、電気パルスを生成して組織へと送達し、様々な医学的状態および疾患を治療するために使用される。植込み可能な神経刺激デバイスは、脊髄刺激システムにおいて使用することができる。植込み可能な神経刺激デバイスはまた、深脳刺激、仙骨神経刺激器、人工内耳、またはペースメーカにおいても使用することができる。
【0004】
刺激システムは、概して、電気パルスを生成するための電子装置/回路を封入したハウジングまたは本体を通常含む植込み可能な神経刺激デバイスを含む。植込み可能な神経刺激デバイスは、医療の専門家によって皮膚下に配置することができる。刺激リードは、所望の組織を目標とするように、電気パルスを、植込み可能な神経刺激デバイスから特定の部位へと導くために使用される。所望の組織へと電気パルスを送達するために、刺激リードの端部に電極が使用されることが多い。
【0005】
植込み可能な神経刺激デバイスはまた、ハウジングまたは本体に取り付けられたヘッダを備える。ヘッダは、刺激リードを受け入れるように働くこと、ならびにデバイスの電子装置/回路に対する電子装置リードの接続など、通信または接続点を提供することができる。
【0006】
従来技術の植込み可能な神経刺激デバイスは、これまで1つのヘッダを備えている。この方法では、充電コイル、コネクタ、および通信アンテナの構成要素は、単一のヘッダ内に含まれる。それらがすべて1つのヘッダ内にあるので、これは、充電コイルなど、内部にある様々な構成要素の寸法に制限が存在することを意味する。
【0007】
本明細書の全体を通して、「備える/含む(comprise)」という用語、または「comprises」もしくは「comprising」などの変形形態は、述べられた要素、整数、もしくはステップ、または一群の要素、整数、もしくはステップを含むことを示しているが、任意の他の要素、整数、もしくはステップ、または一群の要素、整数、もしくはステップの除外を示すものではないことが理解されよう。
【0008】
本明細書に含まれている文献、行為、材料、デバイス、製品、もしくは同様のものに関するいかなる論議も、これらの事項の任意の、もしくはすべてのものが、従来技術のベースの一部を形成する、または本出願の各特許請求の範囲の優先日前に存在したものとして、本開示に関連する分野において共通の一般的な知識であったと認めるものと解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、刺激電子装置、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体と、デバイスの本体に結合される第1のヘッダであって、電池を充電するための充電コイル、および刺激リードを刺激電子装置に接続して、刺激電子装置による制御下で電池からの刺激エネルギーを送達するためのコネクタを含む第1のヘッダと、本体に結合される第2のヘッダであって、刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を行うための通信アンテナを含む第2のヘッダとを備える植込み可能な神経刺激デバイス。
【0010】
本体は、開放端を有するパイプを含むことができ、また第1のヘッダおよび第2のヘッダは、本体に取り付けられて各開放端を閉じることができる。いくつかの例では、こうすることは、刺激電子装置および電池のための密閉容器を生成する。
【0011】
デバイスは、刺激電子装置と第1のヘッダの間でリンクを提供するための第1の組の電子装置リードを備えることができる。
【0012】
デバイスは、刺激電子装置と第2のヘッダの間でリンクを提供するための第2の組の電子装置リードをさらに備えることができる。いくつかの例では、第2の組の電子装置リードは、刺激電子装置と通信電子装置の間に位置する。
【0013】
第1の組の電子装置リードおよび/または第2の組の電子装置リードは、可撓性のあるリードとすることができる。可撓性のあるリードは、可撓性のある平坦なケーブル、および/または可撓性のある印刷された回路とすることができる。第1の組の電子装置リードおよび/または第2の組の電子装置リードは、第1のヘッダおよび第2のヘッダが、それぞれ本体に近づいたとき、折り畳まれるように構成することができる。
【0014】
第1の組の電子装置リードおよび第2の組の電子装置リードは、S字形またはZ字形に折り畳まれるように構成され得る。
【0015】
いくつかの例では、第1の組の電子装置リードおよび/または第2の組の電子装置リードの少なくとも一方は、剛性のあるリードである。
【0016】
他の例では、第1の組の電子装置リードおよび/または第2の組の電子装置リードに関連付けられたリンクは、1つまたは複数の電気的なコネクタをさらに備える。
【0017】
第1の組の電子装置リードおよび第2の組の電子装置リードは、第1のヘッダおよび第2のヘッダにそれぞれ関連付けられた第1のフィードスルーおよび第2のフィードスルーを介して第1のヘッダおよび第2のヘッダにそれぞれ結合することができ、ここで、通信電子装置は、第2の組の電子装置リードと第2のフィードスルーの間に位置する。
【0018】
第1のヘッダおよび第2のヘッダは、本体の両側に位置することができる。
【0019】
通信電子装置は、第2のヘッダに近接して位置することができる。
【0020】
通信アンテナは、無線周波数通信アンテナとすることができる。通信アンテナは、2回巻きアンテナとすることができる。
【0021】
植込み可能な神経刺激デバイスを製作する方法であって、デバイスは、刺激電子装置を含む本体を備え、本体は、開放端を有するパイプを含み、デバイスは、第1のヘッダおよび第2のヘッダをさらに備え、第1のヘッダは、第1の蓋部を備え、第2のヘッダは第2の蓋部を備え、方法は、刺激電子装置と第1のヘッダの間にリンクを提供するために、第1の組の電子装置リードを結合するステップと、刺激電子装置と第2のヘッダの間にリンクを提供するために、第2の組の電子装置リードを結合するステップであって、第2の組の電子装置リードは、刺激電子装置と通信電子装置の間に位置し、少なくとも第2の組の電子装置リードは可撓性のあるリードであり、第1のヘッダおよび第2のヘッダがそれぞれ、本体に近づいたとき、折り畳まれるように構成される、ステップと、各開放端を閉じるために第1のヘッダおよび第2のヘッダを、第1の蓋部および第2の蓋部が各開放端を閉じるように、第1のヘッダおよび第2のヘッダを本体の方向に移動させることにより、かつ第1の蓋部、第2の蓋部、および閉じられた各端部の間で封止を形成することにより、本体に結合するステップとを含む方法。
【0022】
方法において、通信電子装置は、第2のヘッダに近接して位置することができる。
【0023】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、刺激電子装置、刺激電子装置と通信している通信電子装置、1つまたは複数のサポート要素、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体と、デバイスの本体に結合され、かつ電池を充電するための充電コイルを含む第1のヘッダと、刺激電子装置による制御下で、電池からの刺激エネルギーを送達するために、刺激リードを刺激電子装置に接続する少なくとも1つのコネクタと、本体に結合され、かつ刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を提供するための通信アンテナを含む第2のヘッダと、第2のヘッダにおいて、通信電子装置と通信アンテナとの間にリンクを提供するための第2の組の電子装置リードとを備え、1つまたは複数のサポート要素は、第2の組の電子装置リードを、本体の表面から隔離するように構成される、植込み可能な神経刺激デバイス。
【0024】
1つまたは複数のサポート要素は、第2のヘッダが本体に結合されるとき、第2の組の電子装置リードが、一定した指定の構成に折り畳まれるべくガイドするように構成することができる。
【0025】
少なくとも1つのコネクタは、第1のヘッダに設けることができる。少なくとも1つのコネクタは、第2のヘッダに設けることができる。
【0026】
デバイスは、刺激電子装置と第1のヘッダの間にリンクを提供するための第1の組の電子装置リードをさらに備えることができる。
【0027】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、刺激電子装置、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体と、デバイスの本体に結合され、かつ電池を充電するための充電コイルを含む第1のヘッダと、本体に結合され、かつ刺激電子装置と外部の通信電子デバイスの間で通信を提供するための通信アンテナを含む第2のヘッダとを備える、植込み可能な神経刺激デバイス。
【0028】
本体は、プリント回路板と、プリント回路板に接続された温度センサと、プリント回路板に接続された整流器とをさらに備えることができる。
【0029】
植込み可能な神経刺激デバイスであって、刺激電子装置、および刺激エネルギーを提供するための電池を含む本体であって、第1の部分および第2の部分を備える、本体と、本体の第1の部分に結合され、かつ電池を充電するための充電コイルを含む第1のヘッダと、本体の第1の部分に結合され、かつ刺激電子装置と外部の通信デバイスの間で通信を行うための通信アンテナを含む第2のヘッダと、刺激電子装置による制御下で、電池からの刺激エネルギーを送達するために、刺激リードを刺激電子装置に接続するコネクタとを備える植込み可能な神経刺激デバイス。
【0030】
デバイスのいくつかの例では、刺激電子装置は、本体に含まれるプリント回路板に設けられ、ここで、プリント回路板は、少なくとも1つの切欠きを有し、プリント回路板を第1または第2のヘッダにリンクさせる少なくとも1組の電子装置リードが切欠き内で折り畳まれるようにする。
【0031】
デバイスのいくつかの例では、第2のヘッダは、電池を充電するためのさらなる充電コイルを含む。
【0032】
本体の第1の部分および本体の第2の部分は、共に溶接されて本体を形成することができる。
【0033】
植込み可能な神経刺激デバイスを製作する方法であって、デバイスは、刺激電子装置および電池を含めるための少なくとも第1の部分および第2の部分を有する本体と、充電コイルを含む第1のヘッダと、通信アンテナを含む第2のヘッダと、刺激電子装置の制御下で、電池からの刺激エネルギーを送達するように刺激リードを刺激電子装置に接続するための、第1のヘッダおよび/または第2のヘッダにおける少なくとも1つのコネクタとを備える。方法は、少なくとも1つの蓋部を有する第1の部分を形成するステップであって、蓋部は、各第1のヘッダおよび第2のヘッダの構成要素と結合するフィードスルーを有する、ステップと、フィードスルーを少なくとも刺激電子装置および電池と結合するステップと、刺激電子装置および電池を本体の内側に封止するために、本体の第1の部分を本体の第2の部分に取り付けるステップと、各第1のヘッダおよび第2のヘッダを本体に結合するステップであって、ヘッダの構成要素は、フィードスルーを介して本体内の構成要素と通信している、ステップとを含む。
【0034】
方法において、各開放面を閉じるために、本体の第1の部分および本体の第2の部分を結合するステップは、本体の第1の部分および本体の第2の部分を溶接するステップを含むことができる。
【0035】
いくつかの例では、方法は、1つまたは複数の可撓性のあるリードをガイドするために、第1の部分に、またはそれに対してジグを配置するステップと、フィードスルーと、少なくとも刺激電子装置および電池の間で1つまたは複数の可撓性のあるリードをガイドするステップであって、1つまたは複数の可撓性のあるリードは、ジグによりガイドされて、一定した指定の構成に折り畳まれる、ステップとをさらに含む。本体の第1の部分を本体の第2の部分に取り付けるステップの前に、方法は、ジグを第1の部分から取り外すステップをさらに含む。
【0036】
植込み可能な神経刺激デバイスを製作する方法であって、デバイスは、刺激電子装置を含む本体を備え、本体は、開放端を有するパイプを含み、デバイスは、第1のヘッダおよび第2のヘッダをさらに備え、第1のヘッダは第1の蓋部を備え、第2のヘッダは第2の蓋部を備え、方法は、第1の蓋部において、刺激電子装置とフィードスルーの間にリンクを形成するために、第1の組の電子装置リードを結合するステップと、第2の蓋部において、刺激電子装置とフィードスルーの間にリンクを形成するために、第2の組の電子装置リードを結合するステップであって、第2の組の電子装置リードは、可撓性のあるリードである、ステップと、1つまたは複数の湾曲を有する事前形成された第2の組の電子装置リードを提供するために、1つまたは複数のマンドレルを用いて第2の組の電子装置リードを事前形成するステップであって、事前形成された第2の組の電子装置リードは、一定した指定の構成に折り畳まれるように構成される、ステップと、各開放端を閉じるために、第1のヘッダおよび第2のヘッダを、第1の蓋部および第2の蓋部が各開放端を閉じるように、第1のヘッダおよび第2のヘッダを本体の方向に移動させ、事前形成された第2の組の電子装置リードを、一定した指定の構成に折り畳むことにより、ならびに第1の蓋部、第2の蓋部、および各端部の間で封止を形成することにより、本体に結合するステップとを含む方法。
【0037】
いくつかの例では、1つまたは複数のマンドレルは、少なくとも2つのマンドレルを含み、少なくとも2つのマンドレルは、第2の組の電子装置リードの少なくとも一部をS字形に事前形成する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】植込み可能な神経刺激デバイスを示す図である。
【
図2】植込み可能な神経刺激デバイスの本体を示す図である。
【
図4】植込み可能な神経刺激デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図5a】第1の組の電子装置リードの構成の例を示す図である。
【
図5b】第2の組の電子装置リードの構成の例を示す図である。
【
図6】電子装置リードのためのサポート要素を有する植込み可能な神経刺激デバイスに対する本体のさらなる例を示す図である。
【
図7】第2のヘッダにおいてコネクタを有する植込み可能な神経刺激デバイスのさらなる例を示す図である。
【
図8】両方のヘッダにおいてコネクタを有する植込み可能な神経刺激デバイスのさらなる例を示す図である。
【
図9】植込み可能な神経刺激デバイスに対する本体のさらなる例を示す図である。
【
図10】植込み可能な神経刺激デバイスを製作するさらなる方法を示す図である。
【
図11】剛性のあるフィードスルーピンを刺激電子装置のPCBに結合させた結合を備える本体の概略的な例の図である。
【
図12】刺激電子装置のPCBにフィードスルーピンを接続する可撓性のあるリンクを有する結合を備える本体の概略的な例の図である。
【
図13】刺激電子装置のPCBにフィードスルーピンを接続するための電気的なコネクタを有する結合を備える本体の概略的な例の図である。
【
図14】植込み可能な神経刺激デバイスの別の例の内部構成要素の概略図である。
【
図15a】植込み可能な神経刺激デバイスの組立中に、電子装置リードを整列させるためにジグを用いるシーケンスを示す図である。
【
図15b】植込み可能な神経刺激デバイスの組立中に、電子装置リードを整列させるためにジグを用いるシーケンスを示す図である。
【
図15c】植込み可能な神経刺激デバイスの組立中に、電子装置リードを整列させるためにジグを用いるシーケンスを示す図である。
【
図15d】植込み可能な神経刺激デバイスの組立中に、電子装置リードを整列させるためにジグを用いるシーケンスを示す図である。
【
図16a】電子装置リードの一定した折り畳みを提供するために、マンドレルを用いて電子装置リードの事前形成を行うシーケンスを示す図である。
【
図16b】電子装置リードの一定した折り畳みを提供するために、マンドレルを用いて電子装置リードの事前形成を行うシーケンスを示す図である。
【
図16c】電子装置リードの一定した折り畳みを提供するために、マンドレルを用いて電子装置リードの事前形成を行うシーケンスを示す図である。
【
図16d】電子装置リードの一定した折り畳みを提供するために、マンドレルを用いて電子装置リードの事前形成を行うシーケンスを示す図である。
【
図17】PCBを支持するためのサポート構造、および電子装置リードをガイドするためのサポート要素を備える別の例の上面概略図である。
【
図18】組立前の電子装置リードを備えた、
図17のサポート構造およびPCBの別の図である。
【
図19】サポート要素により組み立てられ、かつガイドされた電子装置リードを備えた
図17のサポート構造およびPCBの別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
概要
植込み可能な神経刺激デバイス101の例が、
図1で示されている。デバイスは、脊髄刺激システムにおいて使用することができる。デバイス101は、刺激電子装置105、および刺激エネルギーを提供するための電池107を含む本体103を備える。いくつかの例では、刺激電子装置は、プリント回路板上に搭載することができる。
【0040】
デバイス101は、デバイス101の本体103に結合され、かつ電池107を充電するための充電コイル111を含む第1のヘッダ109をさらに備える。第1のヘッダ109は、刺激リード115を刺激電子装置105に接続するためのコネクタ113をさらに含み、刺激電子装置105による制御下で、電池107から刺激エネルギーを送達する。刺激リード115は、所望の組織を目標とする特定の部位に、刺激エネルギーを送達することができる。
【0041】
デバイス101は、本体103に結合され、刺激電子装置105と外部の通信デバイス121の間で通信を行うための通信アンテナ119を含む第2のヘッダ117をさらに備える。いくつかの例では、通信アンテナ119は、無線周波数(RF)コイルである。外部の通信デバイス121は、医療の専門家に関連付けることができる。
【0042】
例示的な植込み可能な神経刺激デバイス101の細部を、次に詳細に述べるものとする。
【0043】
刺激電子装置105および電池107を含む本体103
上記で述べたように、植込み可能な神経刺激デバイス101は、刺激電子装置105を含む本体103を備える。本体103の一例は、
図2で示される。この例では、本体103は、開放端203、205を有するパイプ201を含む。第1のヘッダ109および第2のヘッダ117は、各開放端203、205を閉じるように結合することができる。
【0044】
パイプ201は、チタンから構成することができる。別の例では、パイプは、生体適合性のあるセラミックから構成することができる。バイオグレード(biograde)のステンレス鋼、バイオグレードのガラス、シリコン、アルミナ、ジルコニア、石英、または金属合金を含む他の生体適合性材料を使用できることを理解されたい。
【0045】
第1の組の電子装置リード123は、刺激電子装置105と第1のヘッダ109の間のリンクを提供する。第2の組の電子装置リード125は、刺激電子装置105と第2のヘッダ117の間のリンクを提供する。本体103および開放端203、205は、組立中に、第1の組の電子装置リード123および第2の組の電子装置リード125が、各開放端203、205を通過できるように構成される。
【0046】
刺激電子装置105は、プログラミングシステムとの通信、および患者の遠隔制御を管理し、再充電可能な電池の充電、および他のこのようなハウスキーピング機能を管理するためのマイクロコントローラ(μC)を備えることができる。刺激電子装置105は、アナログだけのチップ(AOC:analogue only chip)を制御して、電流源および誘発応答増幅器を提供する患者治療を管理するための第2のマイクロコントローラをさらに備えることができる。刺激電子装置105は、抵抗器、コンデンサ、電源、および同様のものなど、サポート構成要素をさらに備えることができる。第1のマイクロコントローラ、第2のマイクロコントローラ、およびAOCは、ボールグリッドアレイ(BGAパッケージ)にパッケージ化されて、刺激電子装置105の構成要素をプリント回路板151上に取り付けることができる。植込み可能なパルス発生器の寸法が最小化されるように、刺激電子装置の寸法を低減することが望ましい。
【0047】
いくつかの例では、刺激電子装置105は、無線通信モジュールなど、通信電子装置153と通信することができる。いくつかの例では、これは、無線周波数(RF)チップなどの無線チップを備えることができる。通信電子装置153は、刺激電子装置105に関連付けられたプリント回路板153に接続され得る。このように、第2の組の電子装置リード125は、アナログ通信信号を通信アンテナ119に送信する。他の例では、第2の組の電子装置リード125は、デジタル通信信号を送信することができる。
【0048】
いくつかの例では、本体103は、
図6で示すように、サポート要素155、157を備えることができる。サポート要素155、157は、第2の組の電子装置リード125を本体103の表面から隔離するように構成することができる。例えば、サポート要素155、157は、第2の組の電子装置リード125をパイプ201の内壁など、本体103の内面から隔離することができる。さらなる例では、サポート要素は、第2の組の電子装置リード125を第2の蓋部209から隔離することができる。
図6で示されるように、サポート要素155、157は、第2の組の電子装置リード125を、蓋部209と接触しないようにし、また第2の組の電子装置リード125は、第2のフィードスルー131を介して第2のヘッダ117と接触することができる。サポート要素はまた、第2の組の電子装置リードを、一定した指定の構成に確実に重ねる(またはその他の形で折り畳む)ように機能する。こうすることは、通信電子装置からのアナログ信号とのアンテナ整合に重要となり得る。
【0049】
通信電子装置153は、刺激電子装置105に関連付けられたプリント回路板153に接続され得るので有利である。これは、通信アンテナ119と通信電子装置153の間の干渉を低減する。
【0050】
刺激電子装置105に関連付けられたプリント回路板153に接続される通信電子装置153を有する第2の利点は、2つのモジュール間の信号経路指定の容易さにより提供される。これらの間の信号は、約1MHzで動作する低速データ信号およびクロック信号であり、また直流電力信号である。これらの信号の経路指定は、RFアナログ信号とは異なって所定のものである。
【0051】
上記で述べたように、デバイス101はまた、刺激エネルギーを提供するための電池107を備える。一例では、電池107は、リチウムイオン電池、またはリチウムイオンポリマー電池などの再充電可能な電池である。
【0052】
充電コイル111は、電池107を充電するように構成することができる。この方法では、外部の充電器、または電力を受け取り、電磁場を生成する外部の充電コイルが存在し得る。外部の充電コイルにより生成される電磁場は、充電コイル111内に電流を誘起し、電池107を充電し、したがって、刺激エネルギーを刺激電子装置105に提供することができる。電池107は、デバイスの使用中に再充電することができる。
【0053】
外部の充電器または外部の充電コイルとの最良のエネルギー結合を提供するために、充電コイル111は、可能な限り大きくすることができる。この方法では、充電コイル111は、第1のヘッダ109内でかなりのスペースを占有する可能性がある。充電コイル111が、第1のヘッダ109内でかなりのスペースを占有することが可能になるので、通信アンテナ119が、充電コイル111とは離れて、第2のヘッダ117内に位置することは、本開示の利点である。
【0054】
一例では、充電コイル111は、リッツ線を備えることができる。
【0055】
第1のヘッダ109および第2のヘッダ117は、本体の両側に位置することができる。こうすることの利点は、充電コイル111と通信アンテナ119の間の干渉が低減され得ることである。
【0056】
第1のヘッダ109
上記で述べたように、デバイス101は、本体103に結合される第1のヘッダ109をさらに備える。
図1で示されるように、第1のヘッダは、丸い形状を有することができる。
【0057】
第1のヘッダ109は、電池107を充電するための充電コイル111を備えることができる。充電コイル111は、所定の巻数および直径を含む所定の構成を有することができる。例えば、充電コイル111は、150から300の巻数を有することができる。他の例では、充電コイル111は、50から100の巻数を有することができる。充電コイル111は、磁気ワイヤから構成することができる。一例では、充電コイル111は、386平方ミリメートルの面積を有し、巻数58を有することができ、それぞれが、120μmのワイヤ直径の金メッキされた銅線2本のより線を含む。
【0058】
第1のヘッダ109はまた、刺激リード115を刺激電子装置105に接続するための少なくとも1つのコネクタ113を備えることができる。各コネクタ113は、少なくとも1つの関連付けられた刺激リード115を有することができる。一例では、コネクタ113は、バルシール(Bal Seal)コネクタである。電池107からの刺激エネルギーは、次いで、コネクタ113および刺激リード115を介して送達され得る。一例では、刺激リード115は、治療のために所望の組織との接触を行う1つまたは複数の電極を有することができる。
【0059】
デバイス101は、刺激電子装置105と第1のヘッダ109の間にリンクを提供するための第1の組の電子装置リード123をさらに備えることができる。第1の組の電子装置リード123は、バルシールおよび充電フレックスリンクを備えることができる。一例では、バルシールおよび充電フレックスリンクは、26本のワイヤを有する可撓性のあるPCB材料から構成することができ、24本は、2×12チャネルの電極リードを供給するために使用され、また残りの2本のワイヤは、充電コイル111に接続するために使用される。
【0060】
第1の組の電子装置リード123は、可撓性のあるリードとすることができる。この方法では、第1の組の電子装置リード123は、第1のヘッダ109が、デバイス101の本体103の近づいたとき、折り畳まれるように構成される。第1の組の電子装置リード123は、S字形またはZ字形に折り畳まれるように構成することができる。この方法では、第1の組の電子装置リード123は、折り畳まれた構成に折り重ねられるように構成され得る。これは
図5(a)で示される。同様に、第1の組の電子装置リード123は、第1のヘッダ109が、本体103から離れたとき、延びるように構成される。これは、
図5(b)で示される。
【0061】
第1の組の電子装置リード123は、第1のヘッダ109に関連付けられた第1のフィードスルー129を介して第1のヘッダ109に結合され得る。第1の組の電子装置リード123は、複数のフィードスルーを介して第1のヘッダ109に結合され得る。第1の組の電子装置リード123は、デバイス101の第1のプリント回路板133にさらに接続することができる。これは、
図1に示されている。第1のフィードスルー129はまた、第1のプリント回路板133に接続され得る。この方法では、第1の組の電子装置リード123は、第1のプリント回路板133および少なくとも1つの第1のフィードスルー129を介してデバイス101に結合することができる。
【0062】
第1のヘッダ109は、第1の蓋部207を備えることができる。この方法では、第1のヘッダ109が、デバイス101の本体103に近づいたとき、第1の蓋部207が閉じて、第1の開放端203を封止する。
【0063】
第2のヘッダ117
上記で述べたように、デバイス101は、本体103に結合される第2のヘッダ117をさらに備える。
図1で示されるように、第2のヘッダ117は、丸い形状を有することができる。
【0064】
デバイス101は、刺激電子装置105と第2のヘッダ117の間にリンクを提供するための第2の組の電子装置リード125をさらに備えることができる。
図1で示されるように、第2の組の電子装置リード125は、本体103の刺激電子装置105と通信電子装置127の間に位置することができる。
【0065】
一例では、第2の組の電子装置リード125は、通信フレックスリンクを備える。通信フレックスリンクは、6本のワイヤを有する可撓性のあるPCB材料から構成することができ、電力および接地(2本のワイヤ)、ならびに4本のワイヤを必要とするシリアルデータバス(IICなど)を備える。
【0066】
図1で示されるように、通信電子装置127は、第2のヘッダ117に近接して位置することができる。この方法では、通信電子装置127は、第2のヘッダ117に関連付けられた第2のプリント回路板135に接続され得る。
【0067】
一例では、通信モジュール127は、第2のヘッダ117に関連付けられたプリント回路板に搭載されるZL70103などのMICS帯域無線チップを備えることができる。無線チップは、上記で述べた刺激電子装置105のプリント回路板151に関連付けられた通信電子装置153に代えて、またはそれに加えることができる。プリント回路板は、アンテナ整合構成要素、および電源バイパスコンデンサを保持することができる。これはわずかな構成要素を有するだけなので、この小スペース内に適合することができる。
【0068】
通信電子装置127は、無線周波数電子装置など、無線遠隔計測に適した電子装置を備えることができる。通信電子装置127は、デバイス101と、チップまたはマイクロコントローラなどの、外部デバイス121との間で通信リンクを提供する1つまたは複数のデバイスを備えることができる。通信電子装置127は、デバイス101の様々な態様を制御するために、外部デバイス121、または外部のサービスプロバイダ(医療の専門家など)により使用され得る。通信電子装置127はまた、外部デバイス121または外部のサービスプロバイダからデータを受信し、またはそれにデータを送るためにも使用することができる。
【0069】
通信電子装置127が、第2のヘッダ117に近接して位置すると有利である。この方法では、通信電子装置127は、通信アンテナ119に対して固定された距離に位置する。通信アンテナ119に対して通信電子装置127が近接していることは、信号/ライン損失を低減し、それにより、デバイス101と、外部デバイス121もしくは外部のサービスプロバイダとの間の通信を向上させる利点を有する。
【0070】
いくつかの変形形態では、第2のヘッダ117は、通信電子装置127を備えないこともあり得る。この方法では、通信電子装置153などのデバイス101の本体103に関連付けられた通信電子装置は、デバイス101と外部デバイス121の間で通信リンクを提供することができる。すなわち、通信電子装置153は、デバイス101の様々な態様を制御するために、外部デバイス121または外部のサービスプロバイダ(医療の専門家など)によって使用することができる。通信電子装置153はまた、外部デバイス121または外部のサービスプロバイダからデータを受信し、またはそれにデータを送るために使用することができる。
【0071】
いくつかの例では、通信電子装置127へのインターフェースは、第2の組の電子装置リード125からの1つまたは複数のリードとすることができる。
【0072】
第2の組の電子装置リード125は、可撓性のあるリードとすることができる。この方法では、第2の組の電子装置リード125は、第2のヘッダ117が、デバイス101の本体103に近づいたとき、折り畳まれるように構成される。第2の組の電子装置リード125は、S字形またはZ字形に折り畳まれるように構成され得る。この方法では、第2の組の電子装置リード125は、折り畳まれた構成に折り重ねられるように構成され得る。これは
図5(a)で示される。同様に、第2の組の電子装置リード125は、第2のヘッダ117が本体103から離れたとき、延びるように構成される。これは、
図5(b)で示される。
【0073】
第2の組の電子装置リード125は、第2のヘッダ117に関連付けられた第2のフィードスルー131を介して第2のヘッダ117に結合することができ、したがって、通信電子装置127は、第2の組の電子装置リード125と第2のフィードスルー131の間に位置する。第2の組の電子装置リード125は、複数のフィードスルーを介して第2のヘッダ117に結合することができる。
【0074】
第2の組の電子装置リード125は、デバイス101の第2のプリント回路板135に接続され得る。これは、
図1で示される。第2のフィードスルー131はまた、第2のプリント回路板135に接続され得る。この方法では、第2の組の電子装置リード125は、第2のプリント回路板135、および少なくとも1つの第2のフィードスルー131を介して、デバイス101に結合することができる。
【0075】
第2の組の電子装置リード125は、デバイス101のシリアルデータおよび電力伝達用の経路を提供することができる。
【0076】
上記で示されたように、第2のヘッダ117は、通信アンテナ119を備える。通信アンテナ119は、無線周波数(RF)通信アンテナとすることができる。通信アンテナ119は、2回巻きアンテナとすることができる。通信アンテナ119は、多数巻きアンテナとすることもできる。こうすることの利点は、第2のヘッダ117が、第1のヘッダ109と比較して、高さが低減され得ることである。
【0077】
第2のヘッダ117、301の例が、
図3で示されている。
【0078】
第2のヘッダ117は、第2の蓋部209を備えることができる。この方法では、第2のヘッダ117が、デバイス101の本体103の近づいたとき、第2の蓋部209が閉じて、第2の開放端205を封止する。
【0079】
植込み可能な神経刺激デバイスを製作する方法400
植込み可能な神経刺激デバイス101を製作する方法400がまた提供され、デバイス101は、刺激電子装置105を含み、開放端203、205を有するパイプ201を含む本体103を備える。デバイス101は、第1のヘッダ109および第2のヘッダ117をさらに備えることができ、第1のヘッダ109は、第1の蓋部207を備え、第2のヘッダ117は、第2の蓋部209を備える。
【0080】
方法400は、刺激電子装置105と第1のヘッダ109の間にリンクを提供するために、第1の組の電子装置リード123をデバイス101に結合するステップ402をさらに含むことができる。結合するステップ402は、第1の組の電子装置リード123と刺激電子装置105の間で電気的な接続を確立するステップを含むことができる。
【0081】
方法400は、刺激電子装置105と第2のヘッダ117の間にリンクを提供するために、第2の組の電子装置リード125をデバイス101に結合するステップ404をさらに含むことができる。結合するステップ404は、第2の組の電子装置リード125と刺激電子装置105の間で電気的な接続を確立するステップを含むことができる。第2の組の電子装置リード125は、刺激電子装置105と通信電子装置127の間に位置することができる。この方法では、電気的な接続は、刺激電子装置105、第2の組の電子装置リード125、および通信電子装置127の間で確立され得る。通信接続(無線周波数など)が、第2の組の電子装置リード125と通信電子装置127の間でさらに確立され得る。
【0082】
第1の組の電子装置リード123および第2の組の電子装置リード125は、可撓性のあるリードとすることができ、また第1のヘッダ109および第2のヘッダ117がそれぞれ本体103に近づいたとき、折り畳まれるように構成することができる。したがって、組立中に、第1および/または第2の電子装置リード123、125は、フィードスルー129、131の、各第1および第2のプリント回路板133、135への接続しやすさを支援するために、開放端203、205を介して延びることができる。ヘッダ109、117が開放端203、205に近づいたとき、電子装置リード123、125は、本体103の内側で折り重なる。
【0083】
方法400は、各開放端203、205を閉じて封止するために、第1のヘッダ109および第2のヘッダ117を本体103に結合するステップ406をさらに含む。
【0084】
結合するステップ406は、第1の蓋部207および第2の蓋部209が、各開放端203、205を閉じるように、第1のヘッダ109および第2のヘッダ117を本体103の方向に移動させるステップ408を含む。方法400は、第1の蓋部207、第2の蓋部209、および閉じられた各端部203、205の間で封止を形成するステップ410をさらに含む。
【0085】
デバイス101を製作する方法400では、通信電子装置127は、第2のヘッダ117の近くに位置することができる。この方法では、通信電子装置127は、第2のプリント回路板135に接続され得る。
【0086】
変形形態
上記で述べたように、第1のヘッダ109の第1のコネクタ129は、少なくとも1つのバルシールコネクタを備えることができる。いくつかの例では、第2のヘッダ117は、コネクタ113を備えることができる。さらなる例では、第2のヘッダ117は、少なくとも1つのバルシールコネクタを備えることができる。
【0087】
植込み可能な神経刺激デバイス101のさらなる例では、第1のヘッダ109は、充電コイル111だけを備えることができる。これは、
図7で示されている。この例では、第2のヘッダ117は、刺激電子装置105による制御下で、電池107からの刺激エネルギーを送達するために、刺激リード115を刺激電子装置105に接続する少なくとも1つのコネクタ113を備えることができる。
【0088】
この例の利点は、充電コイル111は、コネクタ113などの、金属要素による低い干渉性に起因して、より高い充電効率を有することができることである。第1のヘッダ109はまた、丸い形状をとることができ、充電コイル111の形状は、電池107の充電効率に対して最小の、または影響のない状態に修正することができる。
【0089】
さらなる利点は、充電コイル111における巻数を増加できることである。こうすることは、電池107の良好な電荷結合が得られ、したがって、刺激電子装置105に対してさらに良い刺激エネルギーを提供することができる。
【0090】
図8で示されるように、第1のヘッダ109は、第1のプリント回路板133を備えることができる。第1のプリント回路板133は、第1の蓋部207上に配置することができる。この例では、第1のプリント回路板133は、温度センサ171に接続することができる。温度センサ171は、デバイス101の異常な動作を検出することができる。
【0091】
さらなる例では、第1のプリント回路板133はまた、整流器173に接続され得る。整流器173は、ブリッジ整流器を備え、DC電圧を刺激電子装置105に出力することができる。この例の利点は、高周波成分(425kHzを超える)が、整流器で除去されるので、整流器173が、充電中にデバイスの動作ノイズを低減できることである。
【0092】
さらなる利点は、充電コイル111におけるより線の数を増加できることである。一例では、充電コイル111におけるリッツワイヤのより線数は、2から3本以上に増加させることができる。この方法では、充電コイル111における増加したリッツワイヤのより線は、充電中の表皮効果損失を低減させる。充電コイル111における増加したリッツワイヤのより線はまた、充電コイル111の抵抗を下げることができる。
【0093】
デバイス101のさらなる変形形態
図9(a)および
図9(b)は、植込み可能な神経刺激デバイス101のさらなる例を示す。この例示的なデバイス101は、刺激電子装置105、および刺激エネルギーを提供するための電池107を含む本体900を備える。いくつかの例では、刺激電子装置は、プリント回路板151上に搭載することができる。本体103は、通信電子装置153をさらに備えることができる。以下で論ずるように、これらのものは、蓋部902の背部にあることを示すために、
図9(a)および
図9(b)において破線で示されている。
【0094】
図9で示されるように、デバイス101の本体900は、第1の部分901および第2の部分903を備える。第1の部分901および第2の部分903(および蓋部902)は、共に取り付けられて、刺激電子装置および電池107を含むように、封止された本体900を形成する。これは、第1の部分901および第2の部分903を互いに溶接することを含むことができる。
【0095】
第1の部分901は、1つまたは複数の蓋部902と共に形成される。いくつかの例では、蓋部902は、第1の部分901と一体に形成することができる。他の例では、蓋部902は、第1の部分901に溶接される(またはその他の形で取り付けられる)、最初は分離した構成要素である。蓋部902は、各第1および第2のヘッダの構成要素(
図9には示されていないが、上記の前の例で述べられている)を、本体900の内側の構成要素と結合するためのフィードスルー129を有する。
【0096】
第1のヘッダ109は、電池107を充電するための充電コイル111を備える。第2のヘッダ117は、刺激電子装置105と外部の通信デバイス121の間で通信を提供するための通信アンテナ119を備える。いくつかの例では、第2のヘッダ117は、通信電子装置127をさらに備えることができる。
【0097】
第1のヘッダ109および/または第2のヘッダ117は、刺激電子装置105の制御下で、電池107からの刺激エネルギーを送達するために、刺激リード115を刺激電子装置105に接続するためのコネクタをさらに備える。ヘッダにおけるコネクタは、次いで、フィードスルー129を介して本体900の内側の構成要素と通信している。
【0098】
第1の組の電子装置リード123は、フィードスルー129を介して第1のヘッダ109に結合される。この方法では、第1の組の電子装置リード123は、刺激電子装置105と第1のヘッダ109の間にリンクを提供する。第2の組の電子装置リード125は、フィードスルー129(反対側の)を介して第2のヘッダ117に結合される。この方法では、第2の組の電子装置リード125は、刺激電子装置105と第2のヘッダ117の間にリンクを提供する。
【0099】
図10は、植込み可能な神経刺激デバイス101を製作する方法1000を示しており、デバイス101は本体900を備え、本体900は、第1の部分901および第2の部分903を含む。デバイス101は、充電コイルを含む第1のヘッダ109と、通信アンテナを含む第2のヘッダ117とをさらに備える。少なくとも1つのコネクタが、第1および/または第2のヘッダに設けられ、刺激電子装置の制御下で、電池からの刺激エネルギーを送達するために、刺激リードを刺激電子装置に接続する。
【0100】
方法1000は、少なくとも1つの蓋部902を用いて第1の部分901を形成するステップ1002を含む(
図9(a)で示される)。これは、蓋部902を第1の部分901に溶接する(またはその他の形で取り付ける)、または代替的に、第1の部分を蓋部と一体に形成することを含むことができる。蓋部は、各第1および第2のヘッダの構成要素と結合するためのフィードスルー129を有する。
【0101】
方法は、フィードスルー129を少なくとも刺激電子装置105および電池107と結合するステップ1004をさらに含む。結合するステップ1004は、フィードスルー129と刺激電子装置105の間で電気的な接続を確立するステップを含むことができる。結合の例は、以下でさらに詳細に述べられるが、剛性のあるフィードスルー、可撓性のあるリード/リンク(ケーブル?)、および/または電気的なコネクタの変形、組合せ、および置換を含むことができる。
【0102】
方法1000は、刺激電子装置および電池を本体900の内側に封止するために、本体900の第1の部分901を本体900の第2の部分903に取り付けるステップ1006をさらに備える(
図9(b)で示される)。
【0103】
方法1000は、ヘッダの構成要素が、フィードスルー129を介して本体における各構成要素と通信するように、第1および第2のヘッダを本体に結合するステップ1010をさらに含む。いくつかの例では、ヘッダは、封止された本体900の蓋部902に結合される。これは、ヘッダと本体900の間の封止を提供するために、エポキシ樹脂または溶接を用いてヘッダを結合することを含むことができる。
【0104】
いくつかの代替的な例では、第1の部分901を第2の部分903に取り付けるステップ1006の前に、ヘッダを、蓋部および/または第1の部分901に取り付け得ることも理解されたい。
【0105】
結合の例
フィードスルーと刺激電子装置105の間に電気的な接続を確立するための結合の例が、次に、
図11から
図13を参照して述べられる。
【0106】
図11は、フィードスルーピン131が、刺激電子装置105のPCB151と電気的に接続する剛性のある延長部921を有する概略図を示す。いくつかの例では、連続した剛性のある導電性のフィードスルーピン131は、PCB151に直接はんだ付けされる(またはその他の形で結合される)。
【0107】
一例では、組立体は、最初に剛性のあるフィードスルーピン131、および剛性のある延長部921を備えて取り付けられた蓋部902を有することを含む。蓋部902は、次いで、第1の部分901に向けて位置決めされるが、それは、延長部921をPCB151に位置決めすることを含む。剛性のある延長部921は、次いで、PCB151に取り付けられ(はんだ付けを用いるなど)、蓋部902は第1の部分901に溶接される。これは、蓋部902に対して、第1の部分901のどちらの端部においても行うことができる。第2の部分903(破線で示される)を、次いで、第1の部分901および蓋部902に溶接することができる。最後に、ヘッダ109、117が、蓋部902に形成され得る。
【0108】
上記のステップは、変更できることを理解されたい。例えば、蓋部902を第1の部分901に溶接することができ、次いでその後に、剛性のある延長部921がPCB151に取り付けられる。さらに別の例では、第1の部分901および蓋部902は、最初はPCB151、フィードスルーピン131、および延長部921を有しない。第1の部分901および蓋部902が共に溶接され、その後に、PCB151、フィードスルーピン131、および剛性のある延長部921が配置され、かつ定位置に固定される(第2の部分903が組立体に嵌合される前に)。
【0109】
他の実施形態では、フィードスルーピン131および剛性のある延長部921は、最初は分離された構成要素であること、また組立中に、フィードスルーピン131および剛性のある延長部921がはんだ付けされる、またはその他の形で、互いにしっかりと接続されることを理解されたい。
【0110】
図12は、フィードスルーピン131が、少なくとも部分的に、可撓性のあるリード923を介して、PCB151に結合される別の例の概略図を示す。一例では、蓋部902は、フィードスルーピン131を取り付けており、それにより、蓋部902は、第1の部分901に近接している。可撓性のあるリード923は、次いで、はんだ付けされ(またはその他の形で取り付けられ)て、PCB151とフィードスルーピン131の間で電気的な接続を形成する。蓋部902は次いで位置決めされ、第1の部分901に溶接される。第2の部分903およびヘッダ109、117などの他の構成要素を、前の例で述べたように取り付けることができる。
【0111】
いくつかの例では、蓋部は、フィードスルーピン131と可撓性のあるリード923の間に、中間構成要素925を有する。中間構成要素925は、1つまたは複数の導電性トラック927を備えたさらなるプリント回路板を含むことができる。フィードスルーピン131および可撓性のあるリード923は、これらのトラック927にはんだ付けされ、またはその他の形で取り付けられて、電気的な接続を完了することができる。中間構成要素925は、蓋部902と当接するように構成することができ、それは、構成要素に対する強度および剛性を高めることができる。簡単化のために
図12では示されていないが、可撓性のあるリード923は、サポート要素、切欠き、および/またはジグを使用することを含む、本明細書で述べられる構成の1つまたは複数のものを用いて折り畳まれるように構成できることを理解されたい(以下でさらに詳細に述べる)。
【0112】
図13は、フィードスルーピン131のいくつかのものが、電気的なコネクタ929を介して、PCB151に結合されるさらに別の例の概略図を示す。いくつかの例では、電気的なコネクタ929は、PCB151に搭載され、かつ電気的に結合される。電気的なコネクタ929は、各電気的な接続が行われるフィードスルーピン131を受け入れるように構成される。いくつかの例では、フィードスルーピン131は、電気的なコネクタ929におけるレセプタクル(ソケットなど)の中に押込み嵌めされる。
【0113】
一例では、本体103は、各蓋部902aおよび902bにより閉じることのできる開放端を有する実質的に管状のものである。第1の端部において、フィードスルー131aが蓋部902aに設けられ、また延長部921(または代替的に可撓性のあるリード923)を介して、
図11および
図12で述べられた例と同様な方法で、PCB151に電気的に結合される。第1の蓋部902aが、次いで、接続されたPCB151を本体103の中へと滑り込ませるように、本体103に向けて位置決めされる。第2の蓋部902bはフィードスルー131bを有し、また第2の蓋部902bが本体103の反対側端部に向けて移動されると、フィードスルー131bは、電気的なコネクタ929により受け入れられて、電気的な結合を完了させる。蓋部902aおよび902bを、次いで、本体103に取り付けることができる(溶接によるなど)。
【0114】
これらのステップは、再度順序付けできることを理解されたい。例えば、第2の蓋部902bは、第1の蓋部902aおよびPCB151を本体103の中へと滑り込ませる前に、本体103に取り付けることができる。別の例では、第1の蓋部902aは、第2の蓋部902bが本体103に向けて移動される前に本体103に取り付けることができる。
【0115】
さらに他の例では、
図13の本体103は、2つ以上の部分で構成することができる(
図9(a)および
図9(b)の例のように)。これは、第1および第2の部分901、903(または他の部分)が共に組み立てられる前に、1つまたは複数の蓋部902a、902b、およびPCB151を位置決めすることを含むことができる。
【0116】
いくつかの例では、剛性のある延長部921および/または電気的なコネクタ929を用いることは、通信アンテナ119への予測可能な、かつ/または反復可能な電気的な経路を提供する点で有利であり得る。こうすることは、通信電子装置127と通信アンテナ119の間の可撓性のあるリードと比較してアンテナ整合を容易にすることができる。したがって、いくつかの例では、通信電子装置は、PCB151上に位置することができ、それにより、通信アンテナ119への電気的な経路は、剛性のある延長部921、および/または電気的なコネクタ929を介するようになる(可撓性のあるリードを用いずに)。
【0117】
上記の結合の様々な組合せおよび置換が、他の変形形態においても使用することができることを理解されたい。
【0118】
プリント回路板に切欠きを有するデバイスのさらなる変形形態
図14は、植込み可能な神経刺激デバイスのさらに別の例の内部構成要素を示す。この例では、本体103に位置するプリント回路板151は、組み立てられたときに可撓性のあるリード125が重なるためのスペースおよび間隙を提供する切欠き160を有する。いくつかのさらなる例では、切欠き160はまた、サポート要素155、157に対するスペースも提供する。切欠き160を有することは、他の電子的な構成要素に対するPCB上のスペースを最大化することができる。
【0119】
いくつかの例では、可撓性のあるリード125に対するさらなるスペースおよび間隙を提供するために、別の切欠き162が、ヘッダ117(および/または109)に設けられる。これは、切欠き160と併用することができるが、いくつかの例では、代替形態とすることもできる。
【0120】
主として、切欠き160が本体103におけるPCB151にある例では、こうすることは、他の構成要素に対するヘッダ109、117におけるスペースを最大化することができる。例えば、充電コイル111またはアンテナ119に対するさらなるより線のためのヘッダ内のスペースを最大化する。
【0121】
デバイスを組み立てる例が次に述べられる。第1のヘッダ109の電気的かつ電子的構成要素が、PCB151および/または電池107の各構成要素にはんだ付けされる。これは、PCB151が本体103から分離されている間に行うことができる。本体がなければ、個人または機械が複数の可撓性のあるリードをはんだ付けするのが容易になる。金属スリーブなどの本体103を、次いで、PCB151の上を第1のヘッダ109に向けて滑らせることができる。本体103は、次いで、溶接、またはエポキシ樹脂で接着するなどにより、第1のヘッダ109に対して封止され得る。次に、可撓性のあるリード125は、次いで、第2のヘッダ117における構成要素(アンテナ119または通信電子装置など)とPCB151をリンクさせるためにはんだ付けされる。可撓性のあるリード125は、個人または機械がはんだ付けするための余地を設けるために、(本体103は、PCB/第2のヘッダへのはんだ付けのしやすさを低減することになるため)何らかのさらなる長さを備えることができる。第2のヘッダ117は、次いで、一定の方法で可撓性のあるリード125を重ねる/折り畳む(例えば、リードを折り重ねる)ことができるように制御された方法で、本体103に向けて移動される。これは、可撓性のあるリード125を重ねる/折り畳むための余地を提供する切欠き160により支援される。第2のヘッダ117は、次いで、溶接、またはエポキシ樹脂で接着することにより、本体103に対して封止され得る。
【0122】
いくつかの例では、第1のヘッダ109は、第2のヘッダ117が封止されるのとほぼ同じ時間になど、後の段階で、本体103に対して封止できることを理解されたい。
【0123】
別の変形形態では、さらなる充電コイルが第2のヘッダ117内に位置する。
【0124】
ジグを用いて刺激デバイスを製作する方法のさらなる変形形態
図15(a)から
図15(d)は、植込み可能な神経刺激デバイス101を製作するためのシーケンスを示す。この例では、デバイス101の本体は、少なくとも第1の部分901、および第2の部分903(
図15には示されていないが、
図9(b)に示されている)を備える。方法は、1つまたは複数の蓋部902を備える第1の部分901を形成するステップを含む、蓋部902はフィードスルー129、131を有する。
【0125】
図15(a)では、右側のフィードスルー131は、可撓性のあるリード931に接続され、それにより、可撓性のあるリード931は、次いで、刺激電子装置105/PCB151(および/または電池)に接続されることになる。1つの特定の例では、可撓性のあるリード931は、PCB151上の通信電子装置(または本体に搭載された他の構成要素)に接続される。
【0126】
図15(b)では、ジグ933が、可撓性のあるリード931をガイドするために、第1の部分901に位置する。いくつかの例では、これは、ジグ933を、第1の部分901の少なくとも一部に当接した状態で配置することを含む。他の例では、これは、中間的な部分を介して、ジグ933を第1の部分901に対して配置することを含むことができる。例えば、PCB151を、第1の部分901に搭載することができ、次いで、ジグ933がPCB151に当接した状態で配置される。
【0127】
図15(c)では、可撓性のあるリード931は、一定した指定の構成に折り畳まれるように、ジグ933を用いて刺激電子装置105/PCB151(および/または電池)へとガイドされる。可撓性のあるリード931は、次いで、はんだ付け、または他の取付けシステムにより、刺激電子装置/PCB/電池に接続される。この一定した指定の構成は、可撓性のあるリード931を意図せずに曲げて、弱めるおそれのある別の構成に折り畳まれないように保証することができる。それは、可撓性のあるリード931が通信アンテナに使用される場合に、アンテナに対する予測可能な電磁特性を提供することができる。
【0128】
図15(d)では、ジグ933は、第1の部分901から取り外されている。この図はまた、ジグ933により生じた指定の構成を維持する可撓性のあるリード931を示している。その後に、本体の第2の部分903を第1の部分に取り付けて、本体の内側に(前の例で述べた技法を用いて)刺激電子装置および電池を封止することができる。
【0129】
上記の例では、左側のフィードスルー129は、剛性のある延長部921を介して刺激電子装置105/PCB151に連結される。他の例では、可撓性のあるリードを両方の蓋部にガイドするジグ933を用いることを含む、他の結合技法を用いる組合せおよび変形形態を使用できることを理解されたい。
【0130】
電子装置リードを事前形成するためのさらなる変形形態
図16(a)から
図16(d)は、マンドレル951、953を用いて1組の電子装置リード955を事前形成するためのシーケンスを示す。1組の電子装置リード955を、事前形成された1組の電子装置リード965へと操作することにより、これは、電子装置リード965を一定した指定の予測可能な構成に折り畳むことを支援することができる。これは、アンテナに関連するものなど、形状および構成が性能に影響を与え得る場合、電子装置リードにとって重要になり得る。
【0131】
この手法は、デバイスの本体がパイプを備える例を含む、本明細書で述べられる神経刺激デバイスの1つまたは複数のものに適用することができる。簡略化するために、
図16において、この変形形態の適切な諸態様だけを示してきており、本明細書で述べられる他の機能を、この変形形態と共に使用できることは明らかである。
【0132】
図16(a)は、1組の電子装置リード955を介して、フィードスルー131(および/またはヘッダに関連付けられた第2のPCB135)に結合される刺激電子装置をサポートできるPCB151を示す。この例では、電子装置リードは、破断することなく曲がる(少なくともある閾値まで)ことができるような可撓性のあるリードである。
【0133】
図16(b)を参照すると、円筒などのマンドレル951が提供され、1組の電子装置リード955が、マンドレル951の少なくとも一部の周りに巻かれて、電子装置リード955上に第1の湾曲を形成する。
【0134】
図16(c)では、さらなるマンドレル951が提供されて、第2の湾曲を事前形成し、S字形を有する事前形成された1組の電子装置リード965が得られる。S字形に加えて、所望の設計形状による他の形状も使用できることを理解されたい。例えば、「W字形」または「U字形」を使用することができる。
【0135】
図16(d)では、マンドレル951、953が外されている。いくつかの例では、電子装置リード965は、降伏点を過ぎてマンドレル951、953に対して形成することができ、したがって、電子装置リード965は塑性変形され、その形状(S字形など)を維持する(または実質的に維持する)。他の例では、電子装置リード965は、事前形成の後、弾性的に変形し、事前形成の形状をサポートし、かつ維持するためには他の要素を必要とする。
【0136】
事前形成された1組の電子装置リード965を作成した後、デバイスの他の構成要素を組み立てることができる。特に、フィードスルー131/第2のPCB135を備える蓋部をパイプ本体に向けて移動させることである。蓋部が、パイプの端部の方向に近づくと、1組の事前形成された電子装置リードは、事前形成の形状によって要求される一定した指定の構成に折り畳まれる。蓋部は、次いで、パイプの端部に対して封止され得る。
【0137】
様々な変形および組合せを使用できることを理解されたい。例えば、第1のヘッダおよび蓋部は、PCB151にしっかりとはんだ付けされる第1の組の剛性のある電子装置リードを有することができる(
図15(a)において剛性のある延長部921として述べられている)。PCB151は、次いで、パイプを通して挿入され、第1のヘッダの蓋部がパイプの一端を閉じる。第2の組の可撓性のある電子装置リード965は、次いで、PCB151と第2のヘッダのフィードスルー131の間に接続される。次にマンドレルが位置決めされ、第2の組の電子装置リード965は、所望の形状へと事前形成される。次にマンドレルは外されて、第2のヘッダの蓋部は、パイプの残りの開放端に向けて移動される。この動きの間、事前形成された第2の組の電子装置リード965は、パイプの内側に、一定した指定の方法で折り畳まれる。最後に、第2のヘッダの蓋部は、パイプで封止される。
【0138】
さらに別の例では、第1の組の電子装置リードと第2の組の電子装置リードは共に、マンドレルによって事前形成される。
【0139】
いくつかの例では、マンドレルは、実質的に円筒形状をしている。マンドレルはローラを含むことができる。他の例では、マンドレルは、円錐台とすることができる。さらに他の例では、マンドレルは、長方形の角柱、5角形の角柱、6角形の角柱、7角形の角柱など、角柱とすることができる。
【0140】
PCBをサポートするサポート構造を備えた変形形態
図17から
図19は、PCB151を本体103の内側にサポートするためのサポート構造973を備えた別の例971を示す。サポート構造973は、一例では、PCB151を受け入れる成形された構造を含み、それは次いで、本体103にぴったりと受け入れられる(
図17から
図19では示されていないが、前の実施形態で示されている)。これは、組み立てられるとき、本体103に対する動きおよび振動からのPCBに対する損傷の可能性を低減することができる。いくつかの例では、サポート構造973は、PCB151と本体103の間の熱的かつ/または電気的な絶縁を提供する。サポート構造973は、ポリマーから作ることができる。サポート構造973は、PCB151と組み立てることができ、その後に、サポート構造973およびPCB151は、本体103の中に滑り込ませることができる。
【0141】
サポート構造973は、対応する(可撓性のある)電子装置リード975をガイドするために、1つまたは複数のサポート要素977、979をさらに備える。
図18を参照すると、第1のサポート要素977は、PCB151を囲む周囲壁における切欠きから形成される。第2のサポート要素979は、この例では、円筒形の指の形態の突起部を含む。
【0142】
可撓性のあるリード975の形態の電子装置リード975は、フィードスルー131に電気的に接続される。いくつかの例では、これは、ヘッダの蓋部に関連付けられた中間の第2のプリント回路板135を通ることができる。
【0143】
PCB151への電子装置リード975の組立が、
図19で示されており、電子装置リード975が、サポート要素977、979により、S字形にガイドされる。これは、電子装置リード975を一定した方法で重ねる/折り畳むことを可能にする。こうすることは、デバイスの組立を支援し、上記で述べたように、(各ヘッダの)対向する蓋部を、パイプ本体103において一緒にすることを含むことができる。
【0144】
いくつかの例では、1つだけのサポート要素が使用されるが、他のものでは、3つ以上のサポート要素が使用されることを理解されたい。さらに、サポート要素は、一定した予測可能な他の所望の形状で折り畳まれるように、電子装置リード975を支援するように構成できることを理解されたい。
【0145】
さらに他の例では、1つまたは複数のサポート要素は、曲がる、枢動する、移動する、および/またはその他の形の指定された方法で変位するように構成される。例えば、突起部の形態のサポート要素979は、サポート構造973の残りの部分にヒンジ留めされ得る。このようなヒンジは、サポート要素979が、サポートされる電子装置リードを用いて重ねるまたは折り畳むための予測可能な経路を提供することができる。可動のサポート要素の他の形態は、サポート構造内のトラックに沿って移動するサポート要素を含むことができる。さらなる例では、サポート要素979は、バックラッシュ(すなわち、望まない動き)を低減できるばね機構により付勢される。
【0146】
この示された例では、簡略化するために、1組の可撓性のある電子装置リード975だけが示されている。別の1組の電子装置リード975が、他方のヘッダに対して反対側に提供され、また可撓性のあるリード、剛性のあるリード、ならびに本明細書で述べられる他の電子装置リード、または当業者により選択され得る他の電子装置リードを含み得ることを理解されたい。
【0147】
当業者であれば、本開示の広い一般的な範囲から逸脱することなく、上記で述べられた諸実施形態に対して、数多くの変形および/または修正を加え得ることが理解されよう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において、例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるべきである。
【符号の説明】
【0148】
101 植込み可能な神経刺激デバイス
103 本体
105 刺激電子装置
107 電池
109 第1のヘッダ
111 充電コイル
113 コネクタ
115 刺激リード
117 第2のヘッダ
119 通信アンテナ
121 外部の通信デバイス
123 第1の組の電子装置リード
125 第2の組の電子装置リード
127 通信電子装置、通信モジュール
129 第1のフィードスルー、第1のコネクタ
131 第2のフィードスルー、フィードスルーピン
131a フィードスルー
131b フィードスルー
133 第1のプリント回路板
135 第2のプリント回路板
151 プリント回路板
153 通信電子装置、プリント回路板
155 サポート要素
157 サポート要素
160 切欠き
162 切欠き
171 温度センサ
173 整流器
201 パイプ
203 開放端、第1の開放端
205 開放端、第2の開放端
207 第1の蓋部
209 第2の蓋部
301 第2のヘッダ
900 本体
901 第1の部分
902 蓋部、フィードスルーピン
902a 蓋部、第1の蓋部
902b 蓋部、第2の蓋部
903 第2の部分
921 剛性のある延長部
922 ジグ
923 可撓性のあるリード
925 中間構成要素
927 導電性トラック
929 電気的なコネクタ
931 可撓性のあるリード
933 ジグ
951 マンドレル
953 マンドレル
955 第1の組の電子装置リード
965 第2の組の電子装置リード
971 別の例
973 サポート構造
975 電子装置リード
977 サポート要素
979 サポート要素