(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】高圧溶断器用ヒューズ
(51)【国際特許分類】
H01H 85/43 20060101AFI20231113BHJP
H01H 85/175 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
H01H85/43
H01H85/175
(21)【出願番号】P 2021031931
(22)【出願日】2021-03-01
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2020190326
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102636
【氏名又は名称】エナジーサポート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博光
(72)【発明者】
【氏名】藤森 樹
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-027530(JP,A)
【文献】特開2014-167874(JP,A)
【文献】特開2020-061334(JP,A)
【文献】特公昭46-014021(JP,B1)
【文献】実開昭64-036950(JP,U)
【文献】実公昭11-011418(JP,Y1)
【文献】米国特許第04307369(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/76
H01H 69/02
H01H 85/00 - 87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電線に接続される上部電極と高圧機器側の配線に接続される下部電極とを有する高圧溶断器において、上部電極と下部電極の間に配置される高圧溶断器用ヒューズであって、
高圧溶断器用ヒューズは、
上部電極に接続されるとともに、ヘッド部と柱状部を有する頭部金具と、
下部電極に接続される下部接続線と、
頭部金具と下部接続線の間に接続される可溶接続線と、
可溶接続線を囲う筒状の消弧チューブと、を備え、
ヘッド部は、消弧チューブの外部に位置しており、
柱状部は、ヘッド部から消弧チューブ内に伸びており、
消弧チューブは、柱状部を挿通するとともに柱状部のヘッド部側端部に位置する小径部と、内径が小径部より大きい大径部と、を有し、
リング状の内圧調整部材が、内圧調整部材の内周部分がヘッド部から離れる向きに屈曲した状態で、前記大径部内で柱状部に固定されており、
内圧調整部材によって頭部金具に対して消弧チューブが固定される、高圧溶断器用ヒューズ。
【請求項2】
消弧チューブの小径部と大径部の境界部分において、小径部の内周面に切欠き部が設けられる請求項
1に記載の高圧溶断器用ヒューズ。
【請求項3】
内圧調整部材の内周部分が、ヘッド部から離れる向きに屈曲した状態で固定される請求項
1または2に記載の高圧溶断器用ヒューズ。
【請求項4】
内圧調整部材が金属製である請求項
1から3のいずれか一項に記載の高圧溶断器用ヒューズ。
【請求項5】
小径部が、大径部の内周面に大径部とは別体の筒体を固定することによって形成される請求項
1に記載の高圧溶断器用ヒューズ。
【請求項6】
筒体の外周面と大径部の内周面が対向する部分において、大径部の内周面に傾斜部が設けられる請求項
5に記載の高圧溶断器用ヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、高圧溶断器用ヒューズに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
変圧器等の高圧機器に過電流が流れることを防止するため、配電線と高圧機器の間には高圧溶断器が配置される。特許文献1に、配電線に接続される上部電極と、高圧機器側の配線に接続される下部電極と、上部電極と下部電極の間に配置される高圧溶断器用ヒューズを備えた高圧溶断器(円筒形カットアウト)が開示されている。特許文献1の高圧溶断器用ヒューズは、上部電極に接続される頭部金具と、下部電極に接続される下部接続線と、頭部金具と下部接続線の間で両者に接続されている可溶接続線と、可溶接続線を囲っている筒状の消弧チューブを備えている。可溶接続線は、頭部金具側の支持栓(封止部材)と下部接続線(下部接続線を可溶接続線に接続する接続部材)側の支持栓(封止部材)と消弧チューブで囲われた密閉空間内に位置する。消弧チューブは、可溶接続線が溶断してアークが発生した際、密閉空間内に消弧ガスを発生させてアークを消弧する。特許文献1では、消弧チューブは、頭部金具に接着により固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、可溶接続線の溶断により発生したアークは、密閉空間内に生じた消弧ガスによって消弧される。このときに、密閉空間内の消弧ガスの圧力が不十分であると、アークを消弧することが難しくなる。一方、密閉空間内の消弧ガスの圧力が高すぎると、アークを消弧することはできるが、消弧ガスの圧力により消弧チューブが破損することがあり、場合によっては消弧チューブを収容しているヒューズ筒までも破損させるおそれがある。密閉空間内の消弧ガスの圧力が所定値に達したときに密閉空間内の体積が増大し、消弧チューブが頭部金具から外れる構成であれば、消弧チューブの破損を防止することができる。しかしながら、特許文献1の高圧溶断器用ヒューズは、消弧チューブを頭部金具に接着により固定しているので、消弧チューブが頭部金具から外れる圧力を設定し制御することが難しい。本明細書は、消弧チューブが頭部金具から外れる圧力を設定し制御し得る新規な高圧溶断器用ヒューズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する高圧溶断器用ヒューズは、配電線に接続される上部電極と高圧機器側の配線に接続される下部電極とを有する高圧溶断器において、上部電極と下部電極の間に配置される。この高圧溶断器用ヒューズは、上部電極に接続される頭部金具と、下部電極に接続される下部接続線と、頭部金具と下部接続線の間に接続される可溶接続線と、可溶接続線を囲う筒状の消弧チューブを備える。頭部金具は、ヘッド部と柱状部を有する。ヘッド部は、消弧チューブの外部に位置している。柱状部は、ヘッド部から消弧チューブ内に伸びている。この高圧溶断器用ヒューズでは、消弧チューブ内の柱状部に、内圧調整部材が固定されている。また、この高圧溶断器用ヒューズでは、内圧調整部材によって頭部金具に対して消弧チューブが固定される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図5】頭部金具と消弧チューブの固定部分の拡大断面図を示す。
【
図6】頭部金具と消弧チューブの固定に用いる内圧調整部材の平面図を示す。
【
図7】消弧チューブが頭部金具から外れた状態の両者の断面図を示す。
【
図8】消弧チューブが頭部金具から外れた状態の両者の固定部分の拡大断面図を示す。
【
図9】第2実施例のヒューズについて、頭部金具と消弧チューブの断面図を示す。
【
図10】第3実施例のヒューズについて、頭部金具と消弧チューブの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(高圧溶断器)
高圧溶断器は、外部電線を介し、配電線と変圧器等の高圧機器との間に接続される。高圧溶断器は、磁器製の円筒状の本体碍子と、配電線に接続される上部電極と、高圧機器側の配線に接続される下部電極と、上部電極と下部電極の間に配置される高圧溶断器用ヒューズを備えている。上部電極、下部電極及び高圧溶断器用ヒューズは、本体碍子内に配置されている。高圧溶断器(高圧溶断器用ヒューズ)に過大な電流(規定値以上の電流)が流れると、高圧溶断器用ヒューズのエレメント(可溶接続線)が溶断し、配電線と高圧機器の間の配電線路が遮断される。なお、高圧溶断器用ヒューズのエレメントが溶断した場合、高圧溶断器用ヒューズを交換することによって、配電線と機器を再度接続することができる。
【0008】
(高圧溶断器用ヒューズ)
高圧溶断器用ヒューズは、頭部金具、下部接続線、可溶接続線及び消弧チューブを備えている。ヒューズ筒の上部には金属製の上部接触子が固定され、ヒューズ筒の下部には金属製の下部接触子が取り付けられている。ヒューズ筒は、円筒状の絶縁材料により形成されている。そのため、上部接触子と下部接触子は、ヒューズ筒によって絶縁されている。頭部金具、下部接続線、可溶接続線及び消弧チューブは、ヒューズ筒内に配置されている。頭部金具は、上部接触子を介して上部電極に接続される。下部接続線は、下部接触子を介して下部電極に接続される。可溶接続線は、消弧チューブに囲われており、頭部金具と下部接続線の間で両者に接続されている。頭部金具と下部接続線(上部接触子と下部接触子)は直接導通しておらず、可溶接続線によって導通している。可溶接続線は、低融点金属で形成されている。可溶接続線の材料として、錫単体、錫を主体とする合金(ニッケル錫合金、錫銀合金、銅錫合金、錫-銀-銅合金等)を用いることができる。なお、可溶接続線は、鉛を含まない金属で形成されていることが好ましい。
【0009】
頭部金具は、外形サイズが消弧チューブの内径より大きいヘッド部と、ヘッド部から消弧チューブ内に伸びているとともに外径が消弧チューブの内径以下の柱状部を有している。柱状部は、消弧チューブ内に挿入され、消弧チューブに遊嵌している。すなわち、消弧チューブは、柱状部を挿通している。柱状部を消弧チューブ内に挿入すると、ヘッド部が消弧チューブの外部に位置するとともに柱状部が消弧チューブ内を伸びる格好となる。頭部金具は、ヘッド部と柱状部が一体物(分離不能な一部品)であってもよいし、互いに別部品のヘッド部と柱状部を固定したものであってもよい。なお、ヘッド部は、消弧チューブ内に挿入し得ないサイズであればよく、その形状は特に限定されず、例えば、円形、多角形等であってよい。
【0010】
消弧チューブは、クラフト紙等を巻回して形成することができる。クラフト紙の巻回数を調整することにより、消弧チューブの内径及び外径を調整することができる。消弧チューブは、内径が他の部分より小さい小径部と、内径が小径部より大きい大径部を有している。小径部は、ヘッド部側端部に設けられている。頭部金具の柱状部は、小径部を通過し、大径部まで伸びている。なお、消弧チューブの小径部と大径部の境界部分において、小径部の内周面に切欠き部が設けられていてもよい。すなわち、小径部の大径部側端部に、実質的に小径部の内径を増大させる切欠きが設けられていてよい。切欠き部は、大径部に向かうに従って切欠き量連続的に増大する(実質的に内径が増大する)テーパー状であってもよいし、切欠き量が不連続に増大する階段状(段差)であってもよい。なお、消弧チューブ(小径部及び大径部)は、一部品で形成されていてよい。あるいは、小径部は、内径が均一の消弧チューブ(すなわち、一端から他端まで大径部の消弧チューブ)の内周面に、消弧チューブ(大径部)とは別体の筒体を固定することによって形成されていてもよい。異なる径の筒体を用いて消弧チューブを形成することにより、容易に消弧チューブ内の内径を変化させる(小径部と大径部を形成する)ことができる。
【0011】
消弧チューブは、小径部を利用して頭部金具に位置決めされている(取り付けられている)。具体的には、消弧チューブ内において、頭部金具の柱状部には、リング状の内圧調整部材が固定されている。内圧調整部材は、リング状であり、外形サイズが小径部の内径より大きいとともに大径部の内径より小さくてよい。内圧調整部材は、頭部金具の柱状部を消弧チューブに挿入した状態(柱状部が小径部を通過した状態)で、柱状部に圧入固定されている。内圧調整部材を柱状部に固定すると、頭部金具のヘッド部と内圧調整部材の間に小径部が配置される。内圧調整部材を柱状部に固定することにより、ヘッド部と内圧調整部材によって消弧チューブの軸方向の移動が制限され、頭部金具に対して消弧チューブが位置決めされている。すなわち、消弧チューブは、頭部金具に接着により固定されることなく、頭部金具に取り付けられている。なお、内圧調整部材の内周部分は、柱状部の全周に接触していてもよいし、柱状部の周方向の一部(例えば、周方向に間欠的)に接触していてもよい。
【0012】
内圧調整部材を柱状部に圧入固定すると、内圧調整部材の内周部分が変形し、内周部分がヘッド部から離れる向きに屈曲した状態で内圧調整部材が柱状部に固定される。内圧調整部材の内周部分がヘッド部から離れる向きに屈曲した状態で柱状部に固定されていると、通常の状態(高圧溶断器用ヒューズに過電流が流れていない状態)であれば、内圧調整部材に消弧チューブの小径部が接触しても(消弧チューブが頭部金具のヘッド部から離れる向きに移動しようとしても)、柱状部に対する内圧調整部材の位置は変化しない。すなわち、消弧チューブが頭部金具から外れることはない。内圧調整部材は、金属製であってよい。金属製の内圧調整部材は、柱状部に圧入固定した際に内周部分が変形(塑性変形)しやすく、内周部分を容易にヘッド部から離れる向きに屈曲させることができる。金属製の内圧調整部材の一例として、金属製の座金が挙げられる。
【0013】
詳細は後述するが、本明細書で開示する高圧溶断器用ヒューズでは、高圧溶断器用ヒューズに過電流が加わったときに、消弧チューブが、頭部金具に対して相対的に下方に移動することがある。消弧チューブが下方に移動する(実際には消弧チューブがヘッド部から離れるように移動する)と、内圧調整部材の内周部分は、ヘッド部から離れる向きに屈曲している状態から、ヘッド部に向かう向きに屈曲している状態に変化する。特に、内圧調整部材内が金属製の座金であれば、内周部分の屈曲の向きを、ヘッド部から離れる向きからヘッド部に向かう向きに変化(塑性変形)させやすい。圧調整部材の内周部分と柱状部の接触面積、及び/又は、内圧調整部材の厚みを調整することにより、内周部分の屈曲の向きが変化し始める力を調整することができる。内圧調整部材の内周部分には、径方向中心に向かって突出する突出部が設けられていてもよい。この場合、複数の突出部が、周方向に等間隔に設けられていてよい。突出部の数、突出部-突出部間の隙間を調整することにより、内周部分の屈曲の向きが変化し始める力を調整することができる。
【0014】
上述したように、可溶接続線は、頭部金具と下部接続線の間で両者に接続されている。すなわち、可溶接続線は、頭部金具と下部接続線の双方に固定されている。具体的には、可溶接続線の一端は頭部金具に直接固定され、可溶接続線の他端は締結金具を介して下部接続線に固定されている。なお、高圧溶断器用ヒューズでは、頭部金具と締結金具に、可溶接続線に加え、抗張線が固定されている。抗張線は、抵抗体として機能する。抗張線の材料として、ステンレス鋼、銀単体、銅単体、銅を主体とした銅合金(銅ニッケル合金、銅-ニッケル-クロム合金)等を用いることができる。高圧溶断器用ヒューズでは、頭部金具の柱状部に、柱状部と消弧チューブの隙間を塞ぐ上部封止部材と、締結金具と消弧チューブの隙間を塞ぐ下部封止部材が設けられる。その結果、可溶接続線は、上部封止部材と下部封止部材と消弧チューブ(大径部)で囲まれた密閉空間内に配置される。
【0015】
高圧溶断器用ヒューズは、可溶接続線に過電流(規定値以上の電流)が流れると、可溶接続線が溶断するとともに、抗張線が切断される。可溶接続線が溶断すると、溶断の際に発生した熱により、消弧チューブの内面から消弧ガスが生じる。消弧チューブから生じた消弧ガスは、密閉空間内に充填され、密閉空間内の圧力を上昇させ、溶断の際に生じたアークを消弧する。可溶接続線が溶断すると、下部封止部材は、密閉空間内の圧力上昇によって下方に移動し、下部接続線とともにヒューズ筒の下端より突出する。
【0016】
密閉空間内の圧力が過剰に上昇すると、密閉空間内の体積の急峻な増大により、下部封止部材が下方に移動するとともに消弧チューブに対しても下方に移動する力が加わる。本明細書で開示する高圧溶断器用ヒューズでは、密閉空間内の圧力が規定値以上に上昇すると、消弧チューブが頭部金具に対して下方に僅かに移動し、消弧チューブの小径部が内圧調整部材を下方に移動させる。その結果、消弧チューブが内圧調整部材を下方に移動させる力が内圧調整部材の外周部分に加わり、内圧調整部材の内周部分が、頭部金具のヘッド部に向かう向きに屈曲する。内圧調整部材の内周部分がヘッド部に向かう向きに屈曲すると、消弧チューブは、比較的弱い力(密閉空間内の圧力が規定値よりも小さい圧力)であっても頭部金具に対して下方に移動することができる。消弧チューブが頭部金具に対して下方に容易に移動することにより、早期に密閉空間内の体積が増大し、密閉空間内の圧力が低減する。すなわち、内圧調整部材によって、密閉空間の内圧が調整される。なお、密閉空間内の圧力によってさらに消弧チューブが頭部金具に対して下方に移動する場合は、消弧チューブが頭部金具から外れ、密閉空間内の圧力は密閉空間外と等しくなる。すなわち、密閉空間が密閉状態ではなくなり、密閉空間内の圧力はヒューズ筒内の圧力と同等まで低下する。その結果、ヒューズ筒が破損するおそれがなくなる。なお、内圧調整部材の内周面が下方(ヘッド部から離れる向き)に屈曲している状態から上方(ヘッド部に向かう向き)に屈曲している状態に変形する力(圧力)は、実験により予め把握することができる。
【0017】
上記したように、消弧チューブの小径部の大径部側端部には、実質的に小径部の内径を増大させる切欠き部が設けられていてよい。小径部に切欠き部が設けられていれば、内圧調整部材の内周部分が上方に屈曲したときに、屈曲部分を切欠き部内に位置させることができる。すなわち、内圧調整部材の屈曲部分が、消弧チューブ(小径部)に接触することを防止することができる。屈曲部分と消弧チューブの接触を防止することにより、屈曲部分の向きの変化が消弧チューブによって阻害されることが抑制される。密閉空間内の圧力が所定値以上になったときに屈曲部分の向きが確実に変化し、密閉空間内の体積が増大し、密閉空間内の圧力を確実に低減させることができ、ひいては、消弧チューブを頭部金具から確実に外すことができる。
【実施例】
【0018】
(高圧溶断器)
図1を参照し、高圧溶断器100について説明する。高圧溶断器100は、配電線路上に設けられ、変圧器等の高圧機器を保護するために用いられる。高圧溶断器100は、磁器製の本体碍子8と、配電線側に接続される上部電極56と、上部電極56の内側に配置される消弧棒54と、機器側に接続される下部電極46と、上部電極56と下部電極46を接続しているヒューズ12を備えている。本体碍子8は、円筒状であり、外周面に複数の絶縁襞14が設けられている。本体碍子8内には、円柱状の第1室4と、第1室4より大径の円柱状の第2室20が形成されている。第1室4内に円筒状の消弧筒6が配置されている。ヒューズ12は、消弧筒6の内側に配置されている。高圧溶断器100は、重力方向において、第1室4が上側、第2室20が下側になるように設置される。上部電極56は第1室4に配置され、下部電極46は第2室20に配置されている。
【0019】
本体碍子8の上部には、円錐状の上部モールドコーン2が接着剤によって固定されている。上部モールドコーン2の引出線は、配電線に接続される。本体碍子8の下部側壁24に、円錐状の下部モールドコーン28が接着剤によって固定されている。下部モールドコーン28の引出線は、変圧器等の機器に接続される。
【0020】
ヒューズ12は、第1室4から第2室20に亘って伸びており、上部電極56と下部電極46を接続している。ヒューズ12は、絶縁性のヒューズ筒50と、ヒューズ筒50の上部に設けられている上部接触子52と、ヒューズ筒50の下部に設けられている下部接触子48と、下部接触子48よりも下方に設けられている表示筒58を備えている。上部接触子52が上部電極56に接続され、下部接触子48が下部電極46に接続されている。下部接触子48と第2室の上面の間には、緩衝部材18が配置されている。表示筒58は、ヒューズ筒50に固定されている。一方、下部接触子48は、ヒューズ筒50及び表示筒58に対して上下方向に変位可能である。表示筒58は、ヒューズ12の下方端を構成している。
【0021】
詳細は後述するが、ヒューズ筒50内には、頭部金具70と、可溶接続線80と、下部接続線90が収容されている。下部接続線90は、表示筒58の下端からヒューズ筒50外に取り出され、表示筒58の下端部分で上方に折り返され、下部接触子48に取り付けられている締付螺子60に締付固定されている。なお、下部接触子48と表示筒58の間には、ばね44が圧縮した状態で配置されている。そのため、下部接続線90には、引張力が加わっている。換言すると、下部接続線90を締付螺子60に締付固定することによって、ばね44が圧縮されている。
【0022】
本体碍子8の下端(第2室20の下端)には開口部38が設けられている。開口部38は、蓋部材34によって塞がれている。蓋部材34は、第2室20の内壁30に接着剤36によって固着されている。蓋部材34は、有底円筒状であり、軸部34aと、軸部34aの外周面に設けられている鍔部34bと、軸部34aの内周面に設けられている開閉部(底部)32を備えている。鍔部34bは、軸部34aの上下方向中間部分に設けられており、径方向外側に向けて突出し、軸部34aの外周を一巡している。開閉部32は、鍔部34bよりも下方で、軸部34aの下端よりも上方に設けられている。そのため、軸部34aの下端は、開閉部32に対して下方に突出する突部34cを構成している。突部34cによって、開閉部32が保護されている。なお、蓋部材34(開閉部32を含む)は、難燃性のゴム、軟質合成樹脂等の弾性材料によって形成されている。
【0023】
開閉部32には、放射状の切り込み32aが設けられている。そのため、開閉部32を、ヒューズ12等が容易に通過することができる。すなわち、ヒューズ12等が開閉部32を通過する際に開閉部32が変形して開閉部32が開き、ヒューズ12等が通過した後に元の形状に戻って開閉部32が閉じる。上記したように、開閉部32(蓋部材34)は、弾性材料によって形成されているので、切り込み32aが設けることによって容易に変形(弾性変形)し、蓋部材34を開閉することができる。
【0024】
高圧溶断器100では、ヒューズ12に規定値以上の電流が流れると、ヒューズ12内の可溶接続線80が溶断する。その結果、ばね44が伸張し、下部接触子48が下部電極46に接続されたまま、ヒューズ筒50を含むヒューズ12(下部接触子48以外の部品)が下方に移動する。ヒューズ筒50(ヒューズ12)がばね44の弾性力と重力によって下方に移動した後、ヒューズ筒50に形成された段部50aが下部接触子48の上部接触子52側に配置されたばね45に接触する(
図2を参照)。ヒューズ筒50の下方への移動が緩衝され、ヒューズ筒50の移動が停止する。ヒューズ12が下方に移動すると、表示筒58が、蓋部材34(開閉部32)から高圧溶断器100の下部に露出する。すなわち、高圧溶断器100の下部に表示筒58が露出しているか否かを確認することにより、可溶接続線80の溶断の有無(ヒューズ12を交換する必要の有無)を判断することができる。なお、可溶接続線80が溶断しても、下部接触子48は下部電極46に接続(固定)され続ける。そのため、ヒューズ12(表示筒58)は、高圧溶断器100から落下することが防止されている。
【0025】
(ヒューズ:第1実施例)
図2から
図6を参照し、ヒューズ12について説明する。
図2に示すように、ヒューズ筒50の上部に上部接触子52が固定されている。上部接触子52は、ヒューズ筒50に螺合されている。上部接触子52の表面の一部に、凹凸面52aが形成されている。凹凸面52aが設けられていることにより、上部接触子52をヒューズ筒50に螺合する際、上部接触子52の滑りを抑制することができ、上部接触子52をヒューズ筒50に確実に固定することができる。ヒューズ筒50の下部は、下部接触子48内まで伸びている。ヒューズ筒50内に、消弧チューブ85が配置されている。消弧チューブ85の上端において、消弧チューブ85の外部に、頭部金具70のヘッド部70aが設けられている。ヘッド部70aは、上部接触子52に接触している。すなわち、頭部金具70は、上部接触子52を介して上部電極56に接続される(
図1も参照)。
【0026】
下部接続線90が、消弧チューブ85の下端から消弧チューブ85の外部に現れ、表示筒58の下端からヒューズ12の外部に現れている。下部接続線90の端部には接続端子90aが固定されており、接続端子90aは、締付螺子60(下部接触子48)に固定されている。すなわち、下部接続線90は、下部接触子48を介して下部電極46に接続される(
図1も参照)。
【0027】
図3は、消弧チューブ85の内部構造を示している。
図3に示すように、頭部金具70は、ヘッド部70aと柱状部70bを備えている。ヘッド部70aは、柱状部70bの一端(上端)に設けられている。換言すると、柱状部70bは、ヘッド部70aから一方向に伸びている。ヘッド部70aは、円盤状であり、外径が消弧チューブ85の外径より大きい。ヘッド部70aの外径が消弧チューブ85の内径より大きいので、ヘッド部70aは、消弧チューブ85の上部側において、消弧チューブ85の外部に位置している。柱状部70bは、ヘッド部70aから消弧チューブ85内の下方に向けて伸びている。柱状部70bの下端に、上部封止部材74が接着固定されている。なお、上部封止部材74を柱状部70bの下端を覆うように柱状部70bに嵌め、上部封止部材74と柱状部70bを固定してもよい。上部封止部材74は円盤状であり、外周面が消弧チューブ85の内周面に接触している。上部封止部材74は、柱状部70bと消弧チューブ85の隙間を塞いでいる。
【0028】
柱状部70bの下方部分に、可溶接続線80と抗張線82が固定されている。そのため、可溶接続線80と抗張線82の側方は、消弧チューブ85によって囲われている。また、可溶接続線80と抗張線82は、締結金具92にも固定されている。換言すると、可溶接続線80と抗張線82は、一端が柱状部70b(頭部金具70)に固定され、他端が締結金具92に固定されている。締結金具92にはさらに、接続端子90aを有する下部接続線90が固定されている。可溶接続線80と抗張線82は、締結金具92を介して、柱状部70b(頭部金具70)と下部接続線90の両者に接続している。
【0029】
締結金具92の上端に、下部封止部材94が接着固定されている。下部封止部材94は円盤状であり、外周面が消弧チューブ85の内周面に接触している。下部封止部材94は、締結金具92と消弧チューブ85の隙間を塞いでいる。上下方向において、下部封止部材94は、上部封止部材74と離れた位置に設けられている。そのため、上部封止部材74と下部封止部材94と消弧チューブ85で囲われた密閉空間84に、可溶接続線80と抗張線82が存在している。
【0030】
なお、消弧チューブ85の上端(上端部分の外周)に、ばね座金72が取り付けられている。ばね座金72は、金属製の座金(内圧調整部材)の一例である。ばね座金72は、消弧チューブ85の上端部分の外周面に設けた窪み(図示省略)に嵌められており、消弧チューブ85に対して位置決めされている。ばね座金72は、頭部金具70のヘッド部70a下面に接している。そのため、
図2に示すように、消弧チューブ85をヒューズ筒50に取りつけると、ばね座金72がヘッド部70aを上部接触子52に押し付け、ヘッド部70aと上部接触子52が確実に導通し、上部電極56と下部電極46が確実に導通する(
図1も参照)。
【0031】
図4は、消弧チューブ85の上端部分の拡大図を示している。
図4に示すように、消弧チューブ85は、小径部85aと大径部85bを備えている。小径部85aは、ヘッド部70a側の端部(上端部分)に設けられている。消弧チューブ85の一端から他端において、小径部85aは、内径が他の部分よりも小さい(
図3も参照)。消弧チューブ85では、小径部85a以外の部分は全て内径が等しく(内径が小径部85aより大きく)形成されている。すなわち、消弧チューブ85では、小径部85a以外の部分は全て大径部85bである。また、頭部金具70の柱状部70bが消弧チューブ85の小径部85aの上端より挿通され、小径部85aと大径部85bの境界部分の段差部において、柱状部70bに座金76が圧入固定されている。なお、柱状部70bを小径部85aに挿通し、柱状部70bに座金76を固定しているので、頭部金具70に対して消弧チューブ85は回動可能である。なお、柱状部70bの外周面と小径部85aの内周面を接着等で固定してもよい。座金76は、リング状であり、外周は円形である。座金76は、外径が小径部85aの内径より大きく、大径部85bの内径より小さい。そのため、座金76の表面(上部側の表面)は、小径部85aの表面(下部側の表面)に対向する。
【0032】
上記したように、消弧チューブ85の上部側において、ヘッド部70aが、消弧チューブ85の外部(小径部85aの外部)に位置している。また、座金76の上部側の表面が、小径部85aの下部側の表面に対向している。より具体的には、座金76の上部側の表面が、小径部85aの下部側の表面に接触している。そのため、小径部85aは、上下方向において、ヘッド部70aと座金76の間に配置されている。小径部85aがヘッド部70aと座金76の間に配置されることによって、消弧チューブ85が頭部金具70に位置決め(固定)されている。
【0033】
図5は、小径部85aと大径部85bの境界部分の拡大図を示している。
図5に示すように、小径部85aと大径部85bの境界部分において、小径部85aの角部(内周面と下面の角)に、切欠き部85cが形成されている。切欠き部85cは、小径部85aの周方向に一巡しており、大径部85b側(下部側)に向かうに従って連続的に切欠き量が増大している。換言すると、小径部85aの下方端に、テーパー状の切欠き部85cが、周方向に一巡して設けられている。なお、切欠き部85cは、後述する座金76の内周部分76aが上方に屈曲する状態に変化しても、内周部分76aが、切欠き部85cに接触しない大きさに形成されている。
【0034】
座金76は、内周部分76aが下方(ヘッド部70aから離れる向き)に屈曲している。上記したように、座金76は、柱状部70bに圧入固定されている。具体的には、座金76は、柱状部70bの下方端から上方(ヘッド部70a側)に向けて圧入される。そのため、座金76の内周部分76aは、柱状部70bとの摩擦により、下方に屈曲する。内周部分76aが下方に屈曲していることにより、小径部85aを確実に支持することができ、頭部金具70に対する消弧チューブ85の位置が変化することを抑制できる。すなわち、消弧チューブ85が、頭部金具70に強固に固定される。
【0035】
図6に示すように、座金76の内周部分76aには、中心76cに向かって突出している複数の突出部78が設けられている。各突出部78は、座金76の周方向に等間隔に設けられている。座金76を柱状部70bに圧入固定すると、全ての突出部78が下方に屈曲する。
【0036】
図7及び
図8を参照し、ヒューズ12の利点について説明する。上記したように、ヒューズ12に規定値以上の電流が流れると、可溶接続線80が溶断する。可溶接続線80が溶断すると、消弧チューブ85の内面から消弧ガスが生じ、密閉空間84内に消弧ガスが充填され、溶断の際に生じたアークを消弧する。密閉空間84に消弧ガスが充填されると、密閉空間84内の圧力が上昇する。上述したように、座金76の内周部分76aは下方に屈曲しているので、頭部金具70と消弧チューブ85は強固に固定されている。そのため、密閉空間84内の圧力が上昇しても、所定の圧力までは、頭部金具70に対する消弧チューブ85の位置は変化しない。密閉空間84内の体積が変化しないので、密閉空間84内の圧力が上昇し易く、溶断の際に生じたアークを確実に消弧することができる。
【0037】
密閉空間84内の圧力が過剰に(所定圧力以上に)上昇すると、密閉空間84内の体積が増大し、消弧チューブ85が、頭部金具70に対して下方に移動する(
図7)。消弧チューブ85が下方に移動すると、小径部85aの下面が座金76に接触しているため、座金76を下方に移動させる。このときに、消弧チューブ85が下方に移動する力が座金76の外周部分に加わり、座金76の外周部分が押し下げられる。これにより、座金76の内周部分76aは、下方に屈曲する状態(
図5)から上方に屈曲する状態(
図8)に変化する。座金76の内周部分76aが上方に屈曲した状態では、比較的弱い圧力(所定圧力未満の圧力)であっても、座金76を下方に移動させることができる。すなわち、密閉空間84内の圧力が所定圧力以上に上昇し、座金76の内周部分76aが上方に屈曲した状態になると、消弧チューブ85が下方に移動し易くなる。この比較的弱い圧力での消弧チューブ85の下方への移動により、早期に密閉空間84内の体積が増大し、密閉空間84内の圧力を低減させることができる。なお、密閉空間84内の圧力によってさらに消弧チューブ85が頭部金具70に対して下方に移動する場合は、消弧チューブ85が頭部金具70から外れ、密閉空間84内の圧力が密閉空間84外(消弧チューブ85の外部)と等しくなる。すなわち、密閉空間84が密閉状態ではなくなり、密閉空間84内の圧力はヒューズ筒50内の圧力と同等まで低下する(
図2も参照)。密閉空間84内の圧力が所定圧力を超えてさらに上昇することが抑制され、ヒューズ筒50が破損するおそれがなくなる。
【0038】
ヒューズ12は、座金76の内周部分76aの屈曲の向きが変化する現象を利用し、ヒューズ12に過電流が流れたときに消弧チューブ85が下方に移動し易いので、密閉空間84内の体積を早期に増大させることができ、密閉空間84内の圧力を低減させることができる。なお、小径部85aに切欠き部85cが形成されているので、座金76の内周部分76aは小径部85aと非接触である。小径部85aに切欠き部85cを設けることにより、内周部分76aが上方に屈曲する変化が妨げられることを抑制することができる。
【0039】
(第2実施例)
図9を参照し、ヒューズ112について説明する。ヒューズ112は、ヒューズ12の変形例であり、消弧チューブ185の構造が、ヒューズ12で用いられている消弧チューブ85の構造と異なる。ヒューズ112について、ヒューズ12と同じ部品については、ヒューズ12に付した参照番号と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。
【0040】
消弧チューブ185は、小径部185aと大径部185bを備えている。小径部185aは、ヘッド部70a側の端部に設けられている。小径部185aは、大径部185bの端部(上端部)に金属製の筒体186を挿入し、固定することにより形成されている。すなわち、消弧チューブ185は、一端から他端まで内径が一定の第1筒体(大径部185b)と、第1筒体よりも軸方向長さが短く、第1筒体より小径の第2筒体(筒体186)によって形成されている。具体的には、頭部金具70の柱状部70bが筒体186の上端より挿通され、柱状部70bに座金76が圧入固定されている。また、頭部金具70の柱状部70bおよび筒体186が消弧チューブ185の大径部185bの上端より挿通され、筒体186の外周面と大径部185bの上端側の内周面が接着固定されている。ヒューズ112においても、柱状部70bを筒体186に挿通し、柱状部70bに座金76を固定しているので、頭部金具70に対して消弧チューブ185は回動可能である。なお、柱状部70bの外周面と筒体186の内周面を接着等で固定してもよい。
【0041】
(第3実施例)
図10参照し、ヒューズ212について説明する。ヒューズ212は、ヒューズ12,112の変形例であり、消弧チューブ285の形状が、ヒューズ12,112で用いられている消弧チューブ85,185の形状と異なる。ヒューズ212について、ヒューズ12,112と同じ部品については、ヒューズ12,112に付した参照番号と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略する。
【0042】
消弧チューブ285は、小径部285aと大径部285bを備えている。小径部285aは、ヘッド部70a側の端部に設けられている。小径部285aは、大径部285bの端部(上端部)に金属製の筒体186を挿入し、固定することにより形成されている。すなわち、消弧チューブ285は、第1筒体(大径部285b)と、第1筒体よりも軸方向長さが短く、第1筒体より小径の第2筒体(筒体186)によって形成されている。また、大径部285bの上部側(ヘッド部70a側)の内側面には、テーパー状の傾斜部285cが周方向に一巡して設けられている。傾斜部285cは、筒体186の長さに対し1/2~2/3の長さになるように調整される。また、傾斜部285cの内径(最大径)は、傾斜部285cが設けられていない部分の大径部285bの内径に対し1.1~1.2倍となるように、頭部金具70のヘッド部70aに向けて増大するように形成されている。これにより、筒体186の外周面と大径部285bの内側面が対向する部分の一部(ヘッド部70a側)において、大径部285bの内周面にテーパー状の傾斜部285cが設けられている。
【0043】
消弧チューブ285では、頭部金具70の柱状部70bが筒体186の上端より挿通され、柱状部70bに座金76が圧入固定されている。また、頭部金具70の柱状部70bおよび筒体186が消弧チューブ285の大径部285bの上端より挿通され、筒体186の外周面と大径部285b内周面(傾斜部285cの内周面を含む)が接着固定されている。なお、傾斜部285cは、筒体186の下端を大径部285bの上端より挿通する際、接着剤が掻き取られることを防止し、筒体186と大径部285bの接着力強化に寄与している。
【0044】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0045】
12:ヒューズ(高圧溶断器用ヒューズ)
46:下部電極
56:上部電極
70:頭部金具
70a:ヘッド部
70b:柱状部
76:内圧調整部材
80:可溶接続線
85:消弧チューブ
85a:小径部
85b:大径部
92:下部接続線
100:高圧溶断器