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特許7383678ベビーキャリア用のキャノピー調整機構およびベビーキャリア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】ベビーキャリア用のキャノピー調整機構およびベビーキャリア
(51)【国際特許分類】
   B62B 9/12 20060101AFI20231113BHJP
   A47D 13/02 20060101ALI20231113BHJP
   B62B 9/14 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
B62B9/12 Z
A47D13/02
B62B9/14
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021175637
(22)【出願日】2021-10-27
(65)【公開番号】P2022074069
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】202011195714.4
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン、 ミンシン
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210149408(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0046152(US,A1)
【文献】特開2019-043231(JP,A)
【文献】特開2015-051696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0008367(US,A1)
【文献】実公昭35-016834(JP,Y2)
【文献】特開2020-133349(JP,A)
【文献】特開2016-117463(JP,A)
【文献】米国特許第09090277(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 9/12
A47D 13/02
B62B 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャノピー、ロック機構、およびキャノピーに設けられたロック受け機構とを含むベビーキャリア用のキャノピー調整機構であって、
前記キャノピー調整機構は固定基部をさらに含み、前記キャノピーは第1の支持体、第2の支持体、および挿入基部を含み、前記挿入基部は前記固定基部に接続され、前記第1の支持体および第2の支持体はそれぞれ前記挿入基部に枢動可能に接続され、
前記ロック機構は、前記ロック受け機構の異なる位置でロックして、キャノピーの高さ調整を達成し、
前記第1の支持体は、固定部分および該固定部分にスライド可能に接続されたキャノピーバーを含み、該第1の支持体は前記ロック受け機構を備えている、および/または、
前記第2の支持体は、固定部分および該固定部分にスライド可能に接続されたキャノピーバーを含み、該第2の支持体は前記ロック受け機構を備えている、
ことを特徴とするベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項2】
前記固定部分は、前記ロック受け機構を備えている、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項3】
前記固定部分および前記キャノピーバーの一方には前記ロック機構が設けられ、前記固定部分および前記キャノピーバーのもう一方には前記ロック受け機構が設けられている、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項4】
前記キャノピーバーは挿入穴を有し、前記固定部分は前記挿入穴と一致する細長い溝を有し、前記ロック受け機構は前記細長い溝内に配置されたロック部を含み、前記ロック機構は、前記ロック部と前記挿入穴を通過するように構成されたロッキング部材を含み、該ロッキング部材は、前記ロック部と係合して、前記固定部分と前記キャノピーバーが相互に固定されるようにする、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項5】
前記キャノピー調整機構は、駆動部をさらに含み、前記ロッキング部材と前記ロック部との間の係合は、前記駆動部の作用によって達成される、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項6】
前記駆動部は、前記細長い溝の2つの側面から突出し、前記ロッキング部材と前記ロック部との間の係合は、前記駆動部を介して達成される、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項7】
前記固定部分は、前記細長い溝の2つの側面の近くに配置された弧状の溝を有し、該弧状の溝のそれぞれは、前記細長い溝の方向に向かって突出し、前記駆動部は、前記弧状の溝と前記細長い溝の間に配置されている、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項8】
前記固定部分は、前記キャノピーバーがその中でスライド可能に移動することを可能にするスライド溝を有し、前記キャノピーバーは、軸方向に沿って少なくとも1つのロック部を有し、ロッキング部材は、前記固定部分上に配置され、そして前記ロッキング部材は、前記ロック部にロックまたはロック解除されるように操作することができる、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項9】
駆動部をさらに備え、該駆動部は、前記ロッキング部材と前記固定部分との間に配置される、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項10】
前記固定部分は受容穴を有し、前記ロッキング部材の第1の端部は、前記ロック部と係合するために前記受容穴に挿入される、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項11】
前記ロッキング部材の第2の端部は、前記駆動部の一端に接続され、該駆動部の一端は前記固定部分に接続される、請求項10に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項12】
前記ロッキング部材の第1の端部はロッキングピンを備えており、該ロッキングピンは、前記ロック部と係合するために前記受容穴に挿入される、請求項10に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項13】
前記第1の端部と前記第2の端部との間にバンプ部が設けられ、前記固定部分は取り付け溝を有し、前記ロッキング部材は前記取り付け溝に配置され、前記バンプ部で前記固定部分に枢動可能に接続され、片側が前記固定部分に接している、請求項11に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項14】
前記キャノピーバーは拘束溝を有し、前記固定部分は、前記キャノピーバーの移動距離を制限するために前記拘束溝と協働する拘束ピンを有する、請求項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構。
【請求項15】
前脚、後脚、およびハンドルを含むフレームを含むベビーキャリアであって、該ベビーキャリアは、前記フレーム上に配置された請求項1~14のいずれか一項に記載のベビーキャリア用のキャノピー調整機構を備えている、ベビーキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベビー用品、より具体的には、キャノピー調整機構およびベビーキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカー、ベビークレードル、ベビースイング、ベビープレイヤードなどのベビーキャリアは、キャノピー(天蓋)と組み合わせて使用されることが多いため、ベビーキャリアの運搬部分の保育スペース内の子供はある程度シールドされ、外部環境に完全に露出することはない。このようにして、子供たちはある程度の心理的安全を得ることができる。その結果、市場に出回っているほとんどのベビーキャリアにはキャノピーが付いている。しかし、既存のキャノピー構造の設計では、キャノピーがベビーキャリアに固定されているため、ユーザーは設置位置を柔軟に変更することができない。キャノピーは全閉状態と全開状態のどちらかしか選べず、ユーザーの習慣やニーズに合わせて柔軟に設置位置を変更したり、身長の異なる子供に合わせたりすることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、異なる身長の子供に適合するようにキャノピーの高さ調整を達成することができるキャノピー調整機構を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、上述のキャノピー調整機構を備えるベビーキャリアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、キャノピー、ロック機構、およびキャノピーに設けられたロック受け機構を含むキャノピー調整機構を提供する。このロック機構は、キャノピーの高さ調整を実現するために、ロック受け機構のさまざまな位置でロックする。
【0006】
従来技術と比較して、本開示によるキャノピー調整機構は、キャノピー、ロック機構、およびロック受け機構を含み、ロック機構は、ロック受け機構の異なる位置でロックしてキャノピーの高さ調整を達成することができ、その結果、このキャノピー調整機構は身長の異なる子供に適合できる。さらに、高さ調整に関して、本開示によるキャノピー調整機構は、操作が容易であり、構造が単純である。
【0007】
好ましくは、キャノピー調整機構は、固定基部(securing base)をさらに含み、キャノピーは、第1の支持体、第2の支持体、および挿入基部(inserting base)を含む。挿入基部は固定基部に接続され、第1の支持体および第2の支持体はそれぞれ挿入基部に枢動可能(pivotally)に接続される。
【0008】
好ましくは、挿入基部は、固定基部内でスライド可能に移動可能であり、ロック受け機構は、挿入基部上に設けられる。
【0009】
好ましくは、第1の支持体および/または第2の支持体は、ロック受け機構を備えている。
【0010】
好ましくは、ロック受け機構は、ロック部を含み、挿入基部は、軸方向に沿って少なくとも2つのロック部を備え、ロック機構は、1つのロック部と係合するように動作することができるロッキング部材を含み、ロッキング部材は、ロック部の1つから外れるように操作され、キャノピーは、ロッキング部材をロック部の他の1つと係合させるように移動するように操作することができる。
【0011】
好ましくは、キャノピー調整機構は、駆動部をさらに含み、ロッキング部材とロック部との間の係合は、駆動部の作用によって達成される。
【0012】
好ましくは、固定基部は第1の貫通溝を有し、ロッキング部材は第2の貫通溝を有し、挿入基部は第2の貫通溝および第1の貫通溝を通って順次スライドする。
【0013】
好ましくは、駆動部の一端はロッキング部材に接続され、駆動部の他端は固定基部に接続され、駆動部は常にロッキング部材をロック部に向かって動かしてそれと係合させる。
【0014】
好ましくは、固定基部は、固定基部本体および固定基部本体に接続されたカバーを含み、固定基部本体は、その上部に受容空間を有し、ロッキング部材およびカバーは、受容空間に順次取り付けられる。
【0015】
好ましくは、固定基部本体は、その上部に2つのラグを有し、2つのラグおよび固定基部本体は、受容空間を取り囲む。
【0016】
好ましくは、ラグは、ロッキング部材の移動距離を制限するために、第1の拘束部分および第2の拘束部分を備えている。
【0017】
好ましくは、ロッキング部材は、第1の拘束部分と第2の拘束部分との間に配置され、ロッキング部材の一端は、駆動部に接続される第1の拘束部分から延在し、ロッキング部材の他端は、第2の拘束部分から延在して操作部を形成し、これは、ロッキング部材を駆動して駆動部の弾性力に打ち勝ち、ロッキング部材がロック部から解放されるように動作する。
【0018】
好ましくは、挿入基部は、接続基部(connecting base)およびこの接続基部に沿って延びるスライド部分を含み、スライド部分は、第2の貫通溝および第1の貫通溝を通って順次スライドし、スライド部分は、軸方向に沿ってロック部を有する。
【0019】
好ましくは、第1の支持体および第2の支持体はそれぞれ、固定部分(securing portion)および/または固定部分にスライド可能に接続されたキャノピーバー(canopy bar)を含む。
【0020】
好ましくは、固定部分は、ロック受け機構を備えている。
【0021】
好ましくは、固定部分およびキャノピーバーの一方にはロック機構が設けられ、固定部分およびキャノピーバーのもう一方にはロック受け機構が設けられる。
【0022】
好ましくは、キャノピーバーは挿入穴を有し、固定部分は挿入穴と一致する細長い溝を有し、ロック受け機構は細長い溝内に配置されたロック部を含み、ロック機構は、ロック部と挿入穴を通過するように構成されたロッキング部材を含み、このロッキング部材は、ロック部と係合して、固定部分とキャノピーバーが相互に固定されるようにする。
【0023】
好ましくは、キャノピー調整機構は、駆動部をさらに含み、ロッキング部材とロック部との間の係合は、駆動部の作用によって達成される。
【0024】
好ましくは、駆動部は、細長い溝の2つの側面から突出し、ロッキング部材とロック部との間の係合は、駆動部を介して達成される。
【0025】
好ましくは、固定部分は、細長い溝の2つの側面の近くに配置された弧状の溝を有し、各弧状の溝は、細長い溝の方向に向かって突出し、駆動部は、弧状の溝と細長い溝の間に配置される。
【0026】
好ましくは、固定部分は、キャノピーバーがその中でスライド可能に移動することを可能にするスライド溝を有し、キャノピーバーは、軸方向に沿ってロック部を有し、ロッキング部材は、固定部分上に配置され、そしてロッキング部材は、ロック部にロックまたはロック解除されるように操作することができる。
【0027】
好ましくは、駆動部は、ロッキング部材と固定部分との間に配置される。
【0028】
好ましくは、固定部分は受容穴を有し、ロッキング部材の第1の端部は、ロック部と係合するために受容穴に挿入される。
【0029】
好ましくは、ロッキング部材の第2の端部は、駆動部の一端に接続され、この駆動部の一端は、固定部分に接続される。
【0030】
好ましくは、ロッキング部材の第1の端部は、ロッキングピンを備えており、これは、ロック部と係合するために受容穴に挿入される。
【0031】
好ましくは、第1の端部と第2の端部との間にバンプ部が設けられ、固定部分は取り付け溝を有し、ロッキング部材は取り付け溝に配置され、バンプ部で固定部分に枢動可能に接続され、片側が固定部分に接している。
【0032】
好ましくは、キャノピーバーは拘束溝を有し、固定部分は、キャノピーバーの移動距離を制限するために拘束溝と協働する拘束ピンを有する。
【0033】
同様に、本開示は、フレームと、フレーム上に配置された前述のキャノピー調整機構とを備えるベビーキャリアを提供し、フレームは、前脚、後脚、およびハンドルを含む。
【0034】
本発明のさらなる態様は、以下の説明および添付の図面から明らかになり、本発明の実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明および詳説される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、キャノピーが第1の高さにあるときの、本発明の第1の実施形態によるベビーキャリア上のキャノピー調整機構の構造を示す概略図である。
図2図2は、キャノピーが第2の高さにあるときの、図1に示されるベビーキャリアの構造を示す概略図である。
図3図3は、図1に示すベビーキャリアの構造を、別の観点から示す概略図である。
図4図4は、図1に示されるベビーキャリアの部分断面図である。
図5図5は、図4に示す円Aの拡大図である。
図6図6は、挿入基部なしの、図3に示されるベビーキャリアの構造を示す概略図である。
図7図7は、図6に示す円Bの拡大図である。
図8図8は、挿入基部、第1の支持体および第2の支持体の間の接続構造を示す概略図である。
図9図9は、図3に示されるベビーキャリアの部分分解図である。
図10図10は、図9に示される円Cの拡大図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態による、ベビーキャリア用のキャノピー調整機構の構造を示す概略図である。
図12図12は、図11に示されるキャノピー調整機構の部分分解図である。
図13図13は、図12に示す円Dの拡大図である。
図14図14は、図12に示す固定部分の構造を示す概略図である。
図15図15は、図11に示されるキャノピー調整機構の別の観点からの部分分解図である。
図16図16は、本発明の第3の実施形態による、ベビーキャリア用のキャノピー調整機構の構造を示す概略図である。
図17図17は、図16に示すキャノピー調整機構の一部断面図である。
図18図18は、図17に示す円Eの拡大図である。
図19図19は、図16に示すキャノピー調整機構の部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明され、ここで、同様の参照番号は、同様の要素を指す。
【0037】
図1および2を参照されたい。本発明によるベビーキャリア200は、フレーム130と、フレーム130上に配置されたキャノピー調整機構100とを備える。フレーム130は、前脚131、後脚132、およびハンドル133を備える。ベビーキャリア200は、ベビーカー、ベビークレードル、ベビーブランコ、ベビープレイヤードなどであることができる。キャノピー10の高さ調整は、キャノピー調整機構100を介して達成することができる。例えば、図1ではキャノピー10は第1の高さにあり、図2ではキャノピー10は第2の高さにある。キャノピー10の高さは、身長の異なる子供に合わせて変更することができ、このようにして、キャノピーの設置位置を、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に変更することができる。キャノピー調整機構100の詳細な説明は以下の通りである。
【0038】
図3~5を参照されたい。本発明は、キャノピー10、ロック機構およびロック受け機構を含むキャノピー調整機構100を提供する。キャノピー10にはロック受け機構が設けられており、ロック受け機構の異なる位置でロックされてキャノピー10の高さ調節が可能となる。すなわち、ロック機構は、ロック受け機構の第1の位置でロックすると、キャノピー10は第1の高さになる。そして、ロック機構は、ロック受け機構の第2の位置でロックすると、キャノピー10は第2の高さになる。さらに、キャノピー調整機構100は、ベビーキャリア200上に提供することができる固定基部12をさらに備える。キャノピー10は、挿入基部13、第1の支持体14、および第2の支持体15を備える。挿入基部13は固定基部12に接続され、第1の支持体14および第2の支持体15はそれぞれ挿入基部13に枢動可能に接続される。より具体的には、この実施形態では、第1の支持体14および第2の支持体15は、それぞれ、ピボット部16を介して挿入基部13に回転可能かつ枢動可能に接続されている。
【0039】
図3~10は、本発明の第1の実施形態によるキャノピー調整機構100を示している。挿入基部13は、固定基部12内でスライド可能に移動可能であり、ロック受け機構は、挿入基部13上に設けられている。ロック機構は、ロック受け機構の異なる位置でロックするので、フレーム130に対するキャノピー10の高さ調整を達成することができる。より具体的には、ロック受け機構は、ロック部11を含み、挿入基部13は、軸方向に沿って少なくとも2つのロック部11を備えている。ロック機構は、ロック部11と係合するように操作することができるロッキング部材30を含む。ロッキング部材30が操作されてロック部11の1つから外れるとき(すなわち、ロッキング部材30がロック部11の1つから解放されるとき)、キャノピー10は、ロッキング部材30が他のロック部11と係合するように操作して移動させることができる。また、キャノピー調整機構100は、駆動部50をさらに備えており、ロッキング部材30とロック部11との係合は、駆動部50の作用により行われる。駆動部50は、ばねなどの弾性構造であり得るが、これに限定されないことに留意されたい。ロッキング部材30を使用して、挿入基部13の軸方向の異なる位置に配置されたロック部11と係合することにより、キャノピー10の高さをそれに応じて変更することができる。本発明によるキャノピー調整機構は、構造が単純であり、操作が容易である。
【0040】
図3を参照されたい。固定基部12は、(図7に示されるように)第1の貫通溝124を有し、ロッキング部材30は、(図10に示されるように)第2の貫通溝31を有する。挿入基部13は、第2の貫通溝31および第1の貫通溝124を順番にスライドするが、これに限定されない。図5を参照されたい。駆動部50の一端はロッキング部材30に接続され、駆動部50の他端は固定基部12に接続されている。挿入基部13は、軸方向(図5に示すK1で示される方向)に沿ってロック部11を有し、駆動部50は、ロッキング部材30をロック部11に向かって常に動かして、ロック部11の1つと係合する。ロッキング部材30が操作されてロック部11の1つから外れると、挿入基部13は、第1の貫通溝124内を移動するように操作され得、その結果、ロッキング部材30は、別のロック部11と係合する。上記の駆動部50はばねであり得るが、それに限定されない。この実施形態では、2つのロック部11が提供されているが、その数はそれに限定されない。もちろん、必要に応じて、より多くのロック部11を提供することができる。一方、ロッキング部材30とロック部11との間の係合は、凸状および凹状の形状を有する2つの構成要素の嵌合接続を採用することによって達成することができる。例えば、バンプと溝の嵌合接続を使用することができる。挿入基部13は、第2の貫通溝31および第1の貫通溝124において上下に移動することができ、ロッキング部材30は、ロック部11の1つと係合するために使用され、その結果、挿入基部13は、特定の位置に固定される。駆動部50の弾性力に打ち勝つようにロッキング部材30を操作することにより、ロッキング部材30は、ロック部11との係合から解放され得る。そして、挿入基部13を上下に引っ張ってロッキング部材30がロック部11の別の1つと係合することにより、挿入基部13を別の位置に固定することができ、それにより、異なる位置でのキャノピー10の高さ調整を達成する。より具体的には、挿入基部13は、接続基部134と、接続基部134に沿って延びるスライド部分135とを備える。スライド部分135は、第2の貫通溝31および第1の貫通溝124を順次スライドし、軸方向に沿ってロック部11を有する。
【0041】
図10を参照されたい。固定基部12は、固定基部本体121と、固定基部本体121に接続されたカバー123とを備える。固定基部本体121は、その上部に受容空間125を有し、ロッキング部材30およびカバー123は、受容空間125に順次取り付けられる。より具体的には、固定基部本体121は、その上部に2つのラグ122を有し、2つのラグ122および固定基部本体121は、受容空間125を取り囲む。さらに、固定基部本体121およびカバー123はそれぞれ、対応する第1の貫通溝124を有する。この実施形態では、固定基部12は、フレーム130に接続されている。ロッキング部材30は、固定基部本体121とカバー123との間に配置されている。挿入基部13は、カバー123の第1の貫通溝124、ロッキング部材30の第2の貫通溝31、および、固定基部本体121の第1の貫通溝124を順次通過することができる。さらに、ラグ122は、ロッキング部材30が駆動部50に損傷を与えないように、または、受容空間125を容易に離れたりしないことを確実にするために、ロッキング部材30の移動距離を制限する第1の拘束部分1221および第2の拘束部分1223を備えている。さらに、ロッキング部材30の中央部分38の幅は、その両端37の幅よりも大きい。ロッキング部材30は、第1の拘束部分1221と第2の拘束部分1223との間に配置される。ロッキング部材30の一端は、第1の拘束部分1221から延在し、駆動部50に接続され、ロッキング部材30の他端は、第2の拘束部分から延在して、操作部32を形成する。操作部32が作動すると、ロッキング部材30を駆動して駆動部50の弾性力に打ち勝ち、ロッキング部材30をロック部11から解放することができる。操作部32は、受容空間125の外に延びるように設計されているので、操作部32は操作が容易であり、したがって、ロッキング部材30のロック部11からの解放を容易に達成することができる。
【0042】
図11~15は、本開示の第2の実施形態を示している。図11を参照されたい。第1の支持体14および/または第2の支持体15は、ロック受け機構を備えている。ロック受け機構の異なる位置でロックするロック機構により、第1の支持体14および/または第2の支持体15の長さをそれに応じて変更することができ、その結果、フレーム130に対するキャノピー10の高さ調整を達成することができる。より具体的には、第1の支持体14および第2の支持体15はそれぞれ、固定部分141および固定部分141にスライド可能に接続されたキャノピーバー143を含む。すなわち、キャノピー10の高さ調整の目的は、第1の支持体14の異なる位置でロック受け機構を調整することにより、異なる位置で第1の支持体14の高さ調整を達成することによって達成することができ、また、第2の支持体15の異なる位置でロック受け機構を調整することにより、異なる位置で第2の支持体15の高さ調整を達成することによっても達成することができる。第1の支持体14と第2の支持体15の両方を同時に使用することによって高さ調整を達成できることは確実である。この実施形態では、第1の支持体14の高さ調整は、例示の目的で例として取り上げられている。第2の支持体15の高さ調整は、第1の支持体14と同様の構造を採用することによって達成することができるが、ここでは詳細には説明しない。
【0043】
具体的な詳細について、図13を参照されたい。固定部分141は、ロック受け機構を備えている。ロック機構は、別個の要素であり得るか、またはキャノピーバー143上に提供され得る。固定部141およびキャノピーバー143の一方にはロック機構が設けられており、他方にはロック受け機構が設けられていることは確実である。この実施形態では、固定部141にロック受け機構が設けられ、ロック機構が別個の要素である状況を具体的に説明する。この実施形態を参照すると、他の状況が確実に明らかになるであろう。具体的には、第1の支持体14は、挿入基部13に接続された固定部分141と、固定部分141にスライド可能に接続されたキャノピーバー143とを備える。固定部141とキャノピーバー143は互いに対してスライドし、異なる位置での第1の支持体14の高さ調整は、固定部分141およびキャノピーバー143を異なる位置に固定させるように、ロック部分11をロッキング部材30と係合させることによって達成されることが理解できる。図13~15を参照されたい。キャノピーバー143は、挿入穴1431を有し、各固定部分141は、挿入穴1431と一致する細長い溝1411を有する。ロック受け機構は、ロック部11を含み、駆動部50は、細長い溝1411の2つの側面から突出するように構成され、ロック部11は、細長い溝1411内に配置される。ロック機構は、ロッキング部材(図示せず)を含む。ロック部11は、細長い溝1411の長さ方向(図13に示すようにK2で示される方向)に沿って配置されている。ロッキング部材は、ロック部分11および挿入穴1431を通過するように構成される。ロッキング部材は別個の要素であり、ピン、リベットなどであり得るが、これらに限定されない。他の実施形態では、ロッキング部材は、キャノピーバー143から突出し、キャノピーバー143と一体的に形成されているが、上記の効果は依然として達成され得る。キャノピー調整機構100は、駆動部50をさらに備え、ロッキング部材30と1つのロック部11との間の係合は、駆動部50の作用によって達成される。駆動部50は、弾性構造であり得るが、これに限定されないことに留意されたい。駆動部50の助けを借りて、ロック部11とロッキング部材との間の係合が達成され、それにより、固定部分141およびキャノピーバー143を互いに対して固定する。キャノピーバー143は移動するように動作し、ロッキング部材を駆動してロック部11の1つから外し、したがって、ロッキング部材は、細長い溝1411内の別の位置に移動して、別のロック部11と係合することができる。駆動部50は、細長い溝1411から突出するように構成されているので、細長い溝1411の幅は、ある点で減少して、細長い溝1411内にロック部11を形成する。さらに、固定部分141は、細長い溝1411の2つの側面の近くに配置された弧状の溝1412を有し、各弧状の溝1412は、細長い溝1411の方向に向かって突出している。駆動部50は、弧状の溝1412と細長い溝1411との間に配置されている。弧状の溝1412は、細長い溝1411の方向に突出しているので、駆動部50の弾性をさらに向上させることができる。弧状の溝1412は、第1の湾曲した縁部1413および第2の湾曲した縁部1414を有する。第1の湾曲した縁部1413および第2の湾曲した縁部1414の両方は、細長い溝1411に向かって突出し、それによって、駆動部50の緩衝性能を改善して、滑らかな緩衝を達成する。また、駆動部50の耐用年数を延ばすことができる。使用中、外力がキャノピーバー143を外側に引っ張ると、ロッキング部材30はキャノピーバー143と共に移動して、細長い溝1411と弧状の溝1412との間の駆動部50の緩衝弾性に打ち勝つ。その結果、ロッキング部材30は、ロック部11の一方から外れ、ロック部11の他方に移動して係合し、キャノピーバー143の高さ調整が行われる。
【0044】
図16~19は、本開示の第3の実施形態を示している。この実施形態では、第1の支持体14は、その高さ調整を説明するための例として取り上げられる。第2の支持体15は、第1の支持体14と同様の構造を採用することができ、その高さ調整を達成できるが、これについてはここでは詳細に説明しない。図18~19を参照されたい。固定部分141は、キャノピーバー143がその中でスライド可能に移動することを可能にするスライド溝1415を有し、キャノピーバー143は、軸方向(図18に示されるK3によって示される方向)に沿ってロック部11を有する。駆動部50は、ロッキング部材30と固定部分141との間に配置され、ロッキング部材30は、ロック部11にロックまたはロック解除されるように操作することができる。より具体的には、固定部分141は、受容穴1416を有し、ロッキング部材30の第1の端部33は、受容穴1416に挿入されて、ロック部11と係合する。ロッキング部材30の第2の端部34は、駆動部50に接続され、駆動部50は、一端が固定部分141に接続されている。ロッキング部材30が操作されてロック部11の1つから外れると、キャノピーバー143は、ロッキング部材30がロック部11の他の1つと係合するように移動するように操作され得る。この実施形態では、2つのロック部11が提供されるが、その数はそれに限定されない。また、ロッキング部材30の第1の端部33には、ロッキングピン36が設けられており、第1の端部33と第2の端部34との間にバンプ部35が設けられている。ロッキングピン36は、受容穴1416に挿入されて、ロック部11と係合する。固定部分141は、取り付け溝1417を有する。ロッキング部材30は、取り付け溝1417内に配置され、バンプ部35で固定部分141に枢動可能に接続され、バンプ部35は、一端が固定部分141に隣接してピボット点を形成する。固定部分141に隣接するロッキング部材30上のバンプ部35が、第1の端部33および第2の端部34の配置とともに与えられると、ロッキング部材30は、シーソー方式で移動することができる。その結果、ロッキング部材30の第2の端部34を操作することが容易であり、それにより、ロッキングピン36をロック部11から外すことができる。キャノピーバー143は拘束溝1433を有し、固定部分141は拘束溝1433と協働してキャノピーバー143の移動距離を制限する拘束ピン1418を有し、それにより、キャノピーバー143は、スライド溝1415を離れることを防ぐことができる。使用中、外力がロッキング部材30の第2の端部34を押して駆動部50の弾性力に打ち勝つと、ロッキング部材30は、ロック部11の1つから外れることができる。解放後、キャノピーバー143は、ロッキング部材30がロック部11の他の1つと係合するまで移動するように操作され、それにより、キャノピーバー143の高さ調整を達成する。
【0045】
従来技術と比較して、本開示によるキャノピー調整機構100は、キャノピー10、ロック機構、およびロック受け機構を含み、ロック機構は、キャノピーの高さ調整を実現するために、ロック受け機構のさまざまな位置でロックすることができる。したがって、キャノピー調整機構100は、異なる身長の子供に適合でき、高さ調整の点で操作が容易であり、構造が単純である。
【0046】
本発明は、好ましい実施形態と併せて説明されてきたが、本発明は、上記に開示された実施形態に限定されず、本発明の本質に基づいて行われる様々な修正および同等の組み合わせをカバーする必要があることを理解されたい。
図1
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図19