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特許7383683インプラントを用いた肋骨骨折の治療および骨切り術のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】インプラントを用いた肋骨骨折の治療および骨切り術のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20231113BHJP
【FI】
A61B17/80
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021197739
(22)【出願日】2021-12-06
(65)【公開番号】P2022089814
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】17/112,134
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ラコッラ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-501005(JP,A)
【文献】特表2007-505684(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0046251(US,A1)
【文献】米国特許第07156847(US,B2)
【文献】特開2007-083039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肋骨の骨折を治療するための、第1の水平面および第2の水平面を規定するリブプレートであって、
治療される肋骨の表面に接触するように構成された下面を有するプレート部分であって、前記下面が前記第1の水平面の下方にあるプレート部分と、
前記プレート部分を、前記治療される肋骨の表面に固定するための第1のねじを受け入れるように構成された、前記第1の水平面に位置付けられた第1のねじ穴と、
前記第2の水平面に位置付けられた穴を有し、縦部材を受け入れるように構成されたインプラント部分と、
前記穴に受け入れられて前記縦部材を前記インプラント部分に固定するための留め具と、を含み、
前記第1の水平面は、前記第2の水平面の垂直方向上方に位置付けられる、リブプレート。
【請求項2】
前記プレート部分を、前記治療される肋骨の表面に固定するための第2のねじを受け入れるための第2のねじ穴をさらに備える、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項3】
前記インプラント部分が、前記リブプレートの上面にトップローディング方式で縦部材を受け入れるように構成される、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項4】
前記縦部材が、固定ねじである前記留め具を介して前記インプラント部分に固定される、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項5】
前記インプラント部分が、サイドローディング構成で縦部材を受け入れるように構成される、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項6】
第2のねじを受け入れるための第2のねじ穴をさらに備え、前記プレート部分は、ねじガイドに取り付けるための嵌合機構を含む、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項7】
前記嵌合機構は、前記第1のねじ穴と前記第2のねじ穴との間に配置される、請求項6に記載のリブプレート。
【請求項8】
前記プレート部分が、頭尾面および近位-遠位面において湾曲している、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項9】
前記プレート部分が、前記治療される肋骨の周りの軟組織への固定を補助するための1つ以上の縫合穴を含む、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項10】
前記インプラント部分が、前記縦部材を受け入れるように構成されたクランプである、請求項1に記載のリブプレート。
【請求項11】
肋骨の骨折を治療するための、リブプレートシステムであって、
前記肋骨の表面に接触するように構成された、第1の水平面および第2の水平面を規定するリブプレートであって、前記リブプレートは、
治療される肋骨の表面に接触するように構成された下面を有するプレート部分であって、前記下面が前記第1の水平面の下方にあるプレート部分
前記第1の水平面に位置付けられた第1のねじ穴、および
前記第2の水平面に位置付けられた穴を有するインプラント部分を含む、リブプレートと、
前記リブプレートを前記肋骨に固定するための前記第1のねじ穴に受け入れられるように構成された第1のねじと、
前記インプラント部分に取り付けるように構成された縦部材と、
前記穴に受け入れられて前記縦部材を前記インプラント部分に固定するための留め具と、を含み、
前記第1の水平面は、前記第2の水平面の垂直方向上方に位置付けられる、リブプレートシステム。
【請求項12】
第2のねじをさらに含み、前記リブプレートは、前記第2のねじを受け入れて前記リブプレートを前記肋骨に固定するための第2のねじ穴を含む、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項13】
前記インプラント部分が、前記リブプレートの上面にトップローディング方式で縦部材を受け入れるように構成される、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項14】
前記縦部材が、固定ねじを介して前記インプラント部分に固定される、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項15】
前記インプラント部分が、前記縦部材をサイドローディング構成で受け入れるように構成される、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項16】
第2のねじを受け入れるための第2のねじ穴をさらに備え、前記プレート部分が、ねじガイドに取り付けるための嵌合機構を含む、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項17】
前記嵌合機構が、前記第1のねじ穴と前記第2のねじ穴との間に配置される、請求項16に記載のリブプレートシステム。
【請求項18】
前記プレート部分が、頭尾面および近位-遠位面において湾曲している、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項19】
前記プレート部分が、前記治療される肋骨の周りの軟組織への固定を補助するための1つ以上の縫合穴を含む、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【請求項20】
前記インプラント部分が、前記縦部材を受け入れるように構成されたクランプである、請求項11に記載のリブプレートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、肋骨の骨折治療および骨切り術のためのシステムおよびデバイスに関する。より具体的には、本開示は、肋骨を固定して治癒プロセスを補助するためのインプラントアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、肋骨の骨折と骨切り術は、治療せずに放置して治癒させるか、または時にギブス固定により補助される。一部の外科医は、患部の骨セグメントが移動することを減らすために縫合糸を使用する可能性がある。より最近では、肋骨固定システムが利用可能になり、初期のデータと説明により、動きを減少させ安定性を増加させることが治癒に関連する痛みを軽減することができることが示唆される。
【0003】
現在の肋骨固定装置は、多くの場合、骨折部位全体に固定するためにねじまたは他のアンカーを使用するプレート式である。これらの方法は、肋骨の中央で発生し、固定のために骨折の両側に十分な骨があり、通常は両側に2本または3本のねじがある骨折および骨切り術には十分である。肋骨頭に隣接する後肋骨骨折の場合、固定が不足するため、既存の方法では不十分である。
【0004】
必要なのは、肋骨頭に隣接する骨折ならびに骨切り術、および横突起のために肋骨頭で固定させる、肋骨固定解決策である。また、既存の方法よりも用途が広く、幅広い病状を治療できるようになるような、肋骨中央部の骨折に適用できる固定解決策も必要である。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態は、肋骨の骨折を治療するためのリブプレートである。リブプレートは、治療される肋骨の表面に接触するプレート部分、プレート部分を治療される肋骨の表面に固定するための第1のねじを受け入れる第1のねじ穴、および縦部材を受け入れるインプラント部分、および縦部材をインプラント部分に固定するための留め具を含む。
【0006】
他の一実施形態は、肋骨の骨折を治療するためのリブプレートシステムである。リブプレートシステムは、肋骨の表面に接触するリブプレートを含む。リブプレートは、治療される肋骨の表面に接触するプレート部分、第1のねじ穴、およびインプラント部分を含む。リブプレートシステムはまた、リブプレートを肋骨に固定するために第1のねじ穴に受け入れられる第1のねじ、およびインプラント部分に取り付けるように構成された縦部材を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の現在好ましい実施形態を示し、上記の一般的な説明および以下の詳細な説明と共に、本開示の特徴を説明するのに役立つ。図面は以下を含む。
図1A】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図1B】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図1C】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図2】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図3A】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図3B】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図4A】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図4B】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図4C】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図4D】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図4E】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図4F】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図5A】本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーの例示的な実施形態を示している。
図5B】本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーの例示的な実施形態を示している。
図6A】本開示の原理と一致するスプリントプレートの例示的な実施形態を示している。
図6B】本開示の原理と一致するスプリントプレートの例示的な実施形態を示している。
図7A】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図7B】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図7C】本開示の原理と一致するブレードアダプタの例示的な実施形態を例示している。
図7D】本開示の原理と一致する縦部材が取り付けられたリブヘッドアンカーの例示的な実施形態を示している。
図8A】本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーシステムの例示的な実施形態を示している。
図8B】本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーシステムの例示的な実施形態を示している。
図9A】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図9B】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図10A】本開示の原理と一致する、骨にプレートを固定するためのリブプレートおよびねじガイドの例示的な実施形態を示している。
図10B】本開示の原理と一致する、骨にプレートを固定するためのリブプレートおよびねじガイドの例示的な実施形態を示している。
図10C】本開示の原理と一致する、骨にプレートを固定するためのリブプレートおよびねじガイドの例示的な実施形態を示している。
図11A】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図11B】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図12A】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図12B】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図13A】本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーの例示的な実施形態を示している。
図13B】本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーの例示的な実施形態を示している。
図14A】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14B】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14C】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14D】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14E】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14F】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14G】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図14H】本開示の原理と一致するリブプレートの捕捉特徴の例示的な実施形態を示している。
図15A】本開示の原理と一致するリブプレート用の固定ねじの例示的な実施形態を示している。
図15B】本開示の原理と一致するリブプレート用の固定ねじの例示的な実施形態を示している。
図15C】本開示の原理と一致するリブプレート用の固定ねじの例示的な実施形態を示している。
図16A】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図16B】本開示の原理と一致するリブプレートの例示的な実施形態を示している。
図17A】本開示の原理と一致するスプリントプレートの例示的な実施形態を示している。
図17B】本開示の原理と一致するスプリントプレートの例示的な実施形態を示している。
図17C】本開示の原理と一致するスプリントプレートの例示的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面では、同様の数字は全体を通して同様の要素を示し、アルファベットまたは基本識別子は、より一般的に識別される要素の特定の1つを示している。本明細書では、特定の専門用語は便宜上使用されるにすぎず、本発明に対する限定であると見なされるべきではない。以下は、本開示の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、本開示に基づいて、本発明が、本明細書に記載された好ましい実施形態によって限定されないことを理解されたい。
【0009】
ここで図1Aを参照すると、示されているのは、本開示の原理と一致するリブプレート102の例示的な実施形態である。図1Bおよび1Cは、それぞれ、他の例示的なリブプレート104および106を示している。リブプレート102は、1つ以上のねじまたは縫合糸などの他のアンカーを使用してリブプレート102をリブの表面に固定するためのねじ穴108を含み得る。リブプレート102は、部分114で別のインプラントからの縦部材を受け入れることができ、これは、様々な方法を使用して固定することができる。縦部材は、リブプレートの上面にトップローディング方式で挿入することができる。リブプレート102は、固定ねじを使用して、縦部材を所定の位置に固定することができる。リブプレート110は、ねじまたは他のアンカーを受け入れるためのねじ穴110を有し得る。リブプレート106は、この目的のためにねじ穴112を有し得る。リブプレートの様々な形状は、異形/突出を低減するために、ならびに肋骨の中断のない成長を可能にするために、垂直方向および/または横方向にオフセットされ得る。
【0010】
図2は、本開示の原理と一致するリブプレート200を示している。図1A~1Cのリブプレートと同様に、リブプレート200は、リブプレート200を肋骨の表面に固定するためのねじ穴202を有し得、同様に、骨折または骨切り術の安定化のために縦部材に接続され得る。リブプレート200は、縦部材を受け入れ、固定ねじを使用して固定することができるクランプ204を有する。
【0011】
図3Aおよび3Bは、本開示の原理と一致するリブプレート302および304を示している。リブプレート302および304は、本明細書に開示される他のリブプレートと同様であり、ねじ穴306および308に入るねじおよびアンカーを使用してリブの表面に固定され、肋骨から、好ましくは肋骨自体の頭側または尾側のいずれかのクランプまたはロック機構310、312オフセットを介して縦部材に接続される。クランプ310および312は、突出を減らすためにプレート部分に対して垂直にオフセットすることができ、締め付けまたは他の操作のための器具とのアクセスを容易にするためにプレートに向かって、またはプレートから離れるように角度を付けることができる。
【0012】
リブプレート302、304は、縦部材に接続され、骨折または骨切り術の安定化を作り出す。接続は、穴314および316に入れられた固定ねじを使用して達成することができる。リブプレートは、骨に接続するための1つ以上のねじまたは固定点を有し得る。リブプレート302は1つの固定点で示され、リブプレート304は複数の固定点で示されている。リブプレート302の単一のセットねじの実施形態の使用例は、肋骨の残りの部分から切除または分離された骨の断片または部分を固定し、それを特定の位置に保持して、骨の再生に必要な期間を短縮する。他の関連するリブプレートは、リブプレート902および904を示す、図9Aおよび9Bに示されている。
【0013】
図4A~4Fは、多軸リブヘッドアンカー400の図を示す。肋骨頭アンカー400は、好ましくは、肋骨の長手方向/髄内軸を通してねじ402を駆動することによって、肋骨内に埋め込まれ得る。肋骨ヘッドアンカー400は、肋骨のどこにでも使用することができるが、骨切り術を執刀して肋骨の一部を除去した後、横突起に隣接する肋骨の最近位部位に移植するときに最も有用である可能性が高い。
【0014】
リブヘッドアンカー400は、縦部材406およびロック機構408を含む本体404と組み立てられたねじ402を使用する。ねじ402は、本体404と事前に組み立てられてもよく、または手順の時に組み立てられてもよい。ロック機構408は、固定ねじとして示されているが、他のロック機構を使用することができる。
【0015】
リブヘッドアンカー400は多軸性であり、患者の解剖学的構造および外科的必要性に対応するために、リブヘッドアンカー400の角度および回転の可変性を可能にする。リブヘッドアンカー400は、直接摩擦、インターロック面、またはクランプまたは他の固定機構の作動を含むがこれらに限定されない様々な手段によって固定することができる。
【0016】
図5Aおよび5Bは、ねじ502、縦部材506を含む本体504を有する固定リブヘッドアンカー500を示している。リブヘッドアンカー500は、リブヘッドアンカー400に類似しているが、調整可能な多軸機構が組み込まれていない。リブヘッドアンカー500は、ねじ502を使用してリブに固定されている。ねじ502および本体504には、ねじ502を本体504に着座させることによって作動するインターロック機構が組み込込まれている。可能なインターロックメカニズムの2つの例は、単軸および多軸のロック穴である。
【0017】
図6は、本開示の原理と一致するスプリントプレート600を示している。スプリントプレート600は、プレート部分602および縦部材604を含む。プレート部分602は、本明細書に開示されるインプラントなどのインプラント間の相互接続を作成するために、縦部材604と統合され得る。スプリントプレート600は、骨ねじまたは他の何らかの手段を使用して、肋骨の表面に接続するための1つ以上の固定点を含み得る。
【0018】
図7A~7Cは、本開示の原理と一致する例示的な多軸リブヘッドアンカー700を示している。リブヘッドアンカー700は、骨ねじ702、クランプ本体704、可撓性コレット706、およびロッキングナット708を含み得る。リブヘッドアンカーは、図7Dに示されるように、縦部材710に接続することができる。肋骨の一部を除去するための骨切り術の後、肋骨のヘッドアンカーは、横突起に隣接する、肋骨の最近位部位を含む肋骨のどこにでも使用することができる。
【0019】
骨ねじ702は、肋骨内、好ましくは肋骨の長手方向/髄内軸内に埋め込まれ得る。骨ねじ702は、遠位先端に骨ねじ、中央部に雄ロッキングスプライン、および近位端にロッキングねじを、挿入のために駆動装置と篏合させられる駆動機能と共に含み得る。骨のねじ山は骨と篏合し、ロッキングスプラインは露出したままである。
【0020】
クランプ本体704は、可撓性コレット706が組み立てられる分割設計からなる。可撓性コレット706は球形であり得、同様のサイズのクランプ本体704の内部ポケットに嵌合することができる。コレット706は、クランプ本体704の中立状態で自由に回転することができる。コレット706とは反対側のクランプ本体704の端部には、2つの貫通穴があり、これらは、骨ねじ702の近位固定ねじ形状を受け入れることを目的としている。クランプ本体704の貫通穴のうちの1つは、骨ねじ702の形状に対応する雌のロッキングスプライン形状を含み得る。クランプ本体上の雌のロッキングスプラインおよび骨ねじ上の対応する雄のロッキングスプラインが開示されているが、この係合は、溝、テーパー、または他の接合面などの他のタイプの嵌合形状を使用し得ることに留意されたい。クランプ本体704が骨ねじ702の上に配置され、骨ねじ702のポスト712が係合され、ロッキングスプラインが係合されると、クランプ本体704と骨ねじ702は回転的に連結されるようになる。
【0021】
可撓性コレット706は、図7Dに示されるように、丸棒などの縦部材712を受け入れることができる中央貫通穴を含み得る。コレット706は、縦部材712に締付力を加えることを可能にする屈曲部を含み得る。コレット706の外面は、表面テクスチャ付与加工されているか、またはロッキング形状を有し得、これは、クランプ本体704上の対応するテクスチャ付与加工またはロッキング形状と嵌合し得る。
【0022】
縦部材712がコレット706に配置され、クランプ本体704およびコレット706が、骨に埋め込まれた骨ねじ702上に配置されると、縦部材712およびコレット706は、クランプ本体704内の特定の範囲の動きで回転し得、骨切り術または骨折にまたがる構造物の組み立てを可能にする。ロッキングナット708は、骨ねじ702のロッキングスレッドと係合し、クランプ本体704の分割部分に力を加えることによって、この動きを抑制するために導入され得る。この力により、クランプ本体704が屈曲して閉じ、結果として生じる作用は、コレット706に締付力を提供し、これは、次に、縦部材712に締付力を提供する。
【0023】
図8Aおよび8Bは、本開示の原理と一致するリブヘッドアンカーシステム800を示している。リブヘッドアンカーシステム800は、リブヘッドアンカー700に類似しているが、骨の髄内空間に係合する骨ねじの代わりに、プレート802は、骨の解剖学的構造の外面への取り付けを可能にする。外面は、リブの外面または横突起の外面のいずれかであり得る。
【0024】
図10A~10Cは、本開示の原理と一致するねじガイド1002を示している。ねじガイド1002は、図9Bに示されるプレート904などの二重ねじ構成を有するプレートに使用することができる。プレートは、プレート904の骨への取り付けを容易にするために、ねじガイド1002に取り付けるための嵌合機構906を有し得る。嵌合機構904は、ねじガイド1002(図10Cに示される)上の拡張する分割された雄フィーチャー1004と係合するプレート上の雌スロットであり得る。
【0025】
ねじガイド1002は、ユーザがプレートを所定の位置に配置して固定することを可能にする一方で、図10A~10Cに示される収束軌道でロッキングボーンねじを挿入するための適切な器具を位置合わせするのを補助することができる。カニューレ1006は、プレートのねじ穴との同軸位置合わせを可能にするねじガイド1002の遠位端に設けられる。ユーザは、ドリルおよび/または千枚通しを使用して、カニューレ1006を介して固定骨ねじのための経路を準備し、次いで、ドライバに取り付けられた骨ねじを通過させることができる。1本のねじを配置した後、カニューレ1006を中心軸の周りで回転させて、挿入のために反対側のロッキング骨ねじの軌跡に合わせることができる。
【0026】
図11Aおよび11Bを参照すると、本明細書に記載のプレートは、プレートへの軟組織の取り付けを容易にするため、またはインプラントを骨の解剖学的構造に固定するための追加の支持を提供するための縫合穴1102を含み得る。
【0027】
図12Aおよび12Bを参照すると、閉じた構成のプレート1202が示されている。本明細書に記載のプレートはいずれも、縦部材がプレートのクランプ部分1204を通過する閉鎖構成で構成することができる。これは、骨切り術または骨折の操作および矯正中に縦部材がクランプから逃げる可能性を低減することにより、追加の安定性を提供し得る。
【0028】
図13Aおよび13Bに示されるように、プレート1302は、肋骨の複雑な形状により良く対応するために、複数の平面で湾曲している可能性がある。プレート1302は、プレートの一部が肋骨の頭尾面および近位遠位面の両方で湾曲するよう構成される。
【0029】
図14A~Hは、暫定的なキャプチャ機能1402および1404を示している。図13Bは、図13Aの側面図を示し、図13Dは、図13Cの側面図を示す。これは、本明細書に記載のプレート用のクランプのいずれにも当てはまめることができる。プレートは、暫定的なキャプチャ機構1404、1406で増強され得、これは、長手方向の部材がクランプ内に暫定的に捕捉されたことを示すために、触覚および/または可聴フィードバックをユーザに提供する。暫定的なキャプチャ特徴1404、1406の性能は、デバイスの一部を屈曲させ、縦部材の通過を可能にすることによって達成される。
【0030】
図14A~14Dは、暫定的なキャプチャ機構1404、1406を示している。暫定的な捕捉特徴1408、1410は、クランプ口内に配置された干渉形状によって達成される。干渉の大きさは、縦方向の部材が手でまたは器具を用いて力を加えることによってクランプに着座することができるように、適切に小さいであろう。干渉機構は、クランプ口内の表面の両側、または通常のクランプ形状の反対側のみの片側に配置することができる。
【0031】
図15A~15Cは、本開示の原理と一致するリブプレート用の一軸固定骨ねじを示している。ねじ1502は、セルフタッピングねじであり得、ねじ1504は、セルフドリルねじであり得る。これらの骨ねじは、プレートを肋骨表面の骨の解剖学的構造に固定するために、本明細書に記載のすべてのプレートと共に使用することができる。
【0032】
骨ねじ1502は、遠位端に3つの掃引切断フルートを有するセルフタッピング構成を含む。骨ねじ1504は、鋭い先端を有するセルフドリル構成を含む。どちらの構成でも、遠位端に骨ねじがあり、近位端に先細の単軸ロッキングヘッド、および雌の駆動機能(たとえば、ヘキサローブ)を有する。
【0033】
一軸ロッキング形状は、ねじ頭に雄/外径ねじ形状、プレート装置の対応する穴に雌/内径ねじ形状を備えた、デュアルリードテーパーねじ形状であり得る。ロッキングは、プレートの対応する穴にねじをねじ込むことで実現され、テーパーねじの噛み合い、最終的にはねじ形状を干渉させる。
【0034】
図16Aおよび16Bに示されているのは、本開示の原理と一致するリブプレート1602および1604である。プレート1602および1604は、肋骨の骨の表面に配置され得、骨折または骨切り術にまたがることができる。プレートは、リブに固定するための、プレートの長さに沿ったいくつかのロッキング穴機構1606、1608からなる。穴1604、1606は、上記と同じ一軸テーパーロッキング形状を有し得る。プレート1602、1604は、複数の平面での曲げを容易にするためにスカラップ状の設計を有し得る。プレートはまた、K-ワイヤ穴および/または縫合穴1610、1612を含み得る。プレートの底面は、肋骨の解剖学的構造に一致するように頭尾面で湾曲しているか、または平らであってもよい。プレートは、真っ直ぐで曲がっていない構成(図16A)または事前に湾曲させた構成(図16B)で構成することができる。
【0035】
ここで、図17A~17Cを参照するすると、示されているのは、本開示の原理と一致するスプリントプレート1702である。ここでのスプリントプレート1702は、図6Aおよび6Bのスプリントプレート600と同様である。スプリントプレート1702は、手術中に使用者が必要とする曲げの量を減らすために事前に湾曲させた縦部材を含み得る。
【0036】
上記の概念の利点には、骨切り術の治療よりも、肋骨骨折および骨切り術のより良い固定が含まれる。リブヘッドアンカーは、従来の外傷用プレート法を使用して固定するのは困難である、横突起の近くで切除された肋骨への固定を可能にする。同様に、スプリントプレートが薄いため、リブヘッドの近くに固定することができる。
【0037】
本明細書の概念および記述は、肋骨のこぶなどの近位肋骨の変形を治療する上で大きな利点を提供するが、一般的な胸壁や肋骨の変形の矯正にも役立ち得る。対称の縦方向の部材は、任意のまたは複数の平面で湾曲させることを可能にし、所望の結果を達成する。このように湾曲させることは、従来の外傷用プレートタイプのデバイスを使用する場合は困難である。縦方向の部材はまた、肋骨の長さに沿った圧縮および伸延を可能にし、骨折の整復または直接的な胸壁の拡張を容易にする。同様に、本明細書で説明するデバイスのモジュール式の性質により、複数の技術のいずれかを使用して、医師の特定の外科的ニーズと患者の解剖学的構造に対応することができる。
【0038】
本開示のこれらおよび他の利点は、上述の本明細書から当業者には明らかであろう。したがって、本広範な発明の概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更または修正を加えることができることを当業者は認識するであろう。したがって、本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載の開示の範囲および主旨内にあるすべての変更および修正を含むことを意図することを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C