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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】吊り具組立品
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20231113BHJP
   F16L 3/24 20060101ALI20231113BHJP
   F16B 1/00 20060101ALI20231113BHJP
   F16B 1/02 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
H02G3/04 056
F16L3/24 Z
F16B1/00 A
F16B1/02 R
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021503718
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 GB2019000103
(87)【国際公開番号】W WO2020021218
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】1812081.6
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1910261.5
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ、トーマス・ウィリアム
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許発明第02540946(FR,A)
【文献】国際公開第2018/100329(WO,A1)
【文献】特開2001-186621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
F16L 3/24
F16B 1/00
F16B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッチ開口を規定する細長い吊り具部材と
アパーチャを通じて前記吊り具部材を収容するための前記アパーチャを規定する支持部材と、
前記支持部材を前記吊り具部材に固定するように前記吊り具部材中の前記ラッチ開口を通して収容可能なラッチ部材を含む固定装置と、
を備え、
前記固定装置は、前記支持部材に前記固定装置を据え付けるための据え付け部品をさらに含み、
前記据え付け部品は、前記ラッチ部材を保持するための保持コンポーネントを備え、
前記ラッチ部材は、前記保持コンポーネントの内部に保持される、
吊り具組立品。
【請求項2】
前記支持部材は、細長い上部を有し、
記アパーチャは、前記上部中に規定され、
記アパーチャは、前記上部の重心を通して伸長し、
前記支持部材は、前記上部から伸長する細長い側部を有し、
前記側部は、前記上部に沿って縦に伸長する、請求項1に記載の吊り具組立品。
【請求項3】
前記吊り具部材は、前記吊り具部材に沿って互いに間隔を空けた複数の前記ラッチ開口を規定し、
前記ラッチ部材は、前記ラッチ開口のうちの選択された1つを通して収容される、請求項1または2に記載の吊り具組立品。
【請求項4】
前記ラッチ部材は、固定および非固定位置の間で移動可能であり、それにより、前記ラッチ部材の固定位置において、前記吊り具部材は前記支持部材に固定され、
前記ラッチ部材は前記吊り具部材を係合する、請求項1、2または3に記載の吊り具組立品。
【請求項5】
前記ラッチ部材は、担持部と前記担持部上の挿入部とを備えていてもよく、
前記挿入部は、前記吊り部材を前記支持部材に固定するように前記吊り具部材中の前記ラッチ開口を通して挿入可能である、請求項に記載の吊り具組立品。
【請求項6】
記ラッチ部材が前記固定位置にあるとき、前記挿入部は、前記吊り具部材中の前記ラッチ開口によって収容され、
前記ラッチ部材が前記非固定位置にあるとき、前記吊り具部材は前記支持部材に対して移動可能であり、前記非固定位置において、前記ラッチ部材は、前記吊り具部材から係合解除される、請求項5に記載の吊り具組立品。
【請求項7】
前記担持部は前記挿入部が伸長する中央開口を規定し、それにより、前記ラッチ部材が前記非固定位置にあるとき、前記中央開口は、前記支持部材によって規定される前記アパーチャと整列する、請求項5または6に記載の吊り具組立品。
【請求項8】
前記ラッチ部材は、対応するガイド部材を収容し、それにより、前記ラッチ部材の移動をガイドするためのガイド構造を有する、請求項5、6または7に記載の吊り具組立品。
【請求項9】
前記ガイド構造は、前記挿入部に伸長し、
前記ラッチ部材は、前記担持部上に突出部を含み、
前記突出部は、前記挿入部に対向する前記担持部から突出し、
前記ガイド構造は前記担持部から前記突出部に伸長する、請求項8に記載の吊り具組立品。
【請求項10】
前記ガイド部材は、前記ガイド構造で収容されるガイド突出を備える、請求項8または9に記載の吊り具組立品。
【請求項11】
前記固定装置は、前記ラッチ部材を係合する弾性付勢部材を備え、
前記弾性付勢部材は、前記ラッチ部材を前記固定位置に付勢するように設けられる、請求項から10のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【請求項12】
前記ラッチ部材は、前記ラッチ部材を前記非固定位置に移動するように、ユーザによって押されるように構成された解放部をさらに含む、請求項から11のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【請求項13】
前記ラッチ部材を前記固定位置にロックするためのロック装置を備え、前記ロック装置は、ロックされている位置とロックされていない位置との間で移動可能であるロック部材を含む、請求項4から12のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【請求項14】
前記ラッチ部材が前記固定位置にあり、前記ロック部材が前記ロックされている位置にあるとき、前記ラッチ部材は、前記ロック部材を係合するための協働部を備える、請求項13に記載の吊り具組立品。
【請求項15】
前記ロック部材は、複数の側部材と前記側部材間に伸長する横部とを備え、前記側部材のうちの2つは、凹状中間部を有するように互いに対向して構成され、前記ロック部材は、対向する前記凹状中間部間に伸長する一対の対向する位置付け部材を有し、それぞれの戻り止め部材は、凹部のそれぞれから伸長する、請求項13または14に記載の吊り具組立品。
【請求項16】
前記保持コンポーネントは、穴を規定し、それにより、前記ロック部材が前記支持部材上に据え付けられるとき、前記位置付け部材は前記穴に収容され、前記位置付け部材は前記ロック部材を前記アパーチャの上方に位置付け、前記戻り止め部材は、穴の対向する縁部上に引っ掛けられる、請求項15に記載の吊り具組立品。
【請求項17】
前記固定装置は、前記支持部材上で前記固定装置を据え付けるための据え付け部品を含み、
記保持コンポーネントは、前記吊り具部材を把持するための把持構造を備え、
前記把持構造は、前記支持部材中の前記アパーチャと整列する貫通路を規定する、請求項1から16のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【請求項18】
前記把持構造は、前記吊り具部材を係合するためのリブを含み、それにより、前記吊り具部材が前記アパーチャを通して収容されるとき、前記リブは、前記吊り具部材によって押しつぶされる、請求項17に記載の吊り具組立品。
【請求項19】
前記据え付け部品は、前記固定装置を前記支持部材に締結するための締結具をさらに含み、前記締結具は、前記保持コンポーネントを前記支持部材に締結するように、前記保持コンポーネントと前記支持部材を通して伸長する、請求項17または18に記載の吊り具組立品。
【請求項20】
前記保持コンポーネントは、前記締結具が伸長する締結構造をさらに含み、それにより、前記保持コンポーネントを支持体に締結する、請求項19に記載の吊り具組立品。
【請求項21】
前記固定装置は、前記保持コンポーネントをカバーするためのカバー部材をさらに含み、前記カバー部材は、前記締結具を収容し、前記保持コンポーネント上に前記カバー部材を位置付けるための位置付け構造を含む、請求項19または20に記載の吊り具組立品。
【請求項22】
前記吊り具部材、前記支持部材、および前記カバー部材は、金属素材で形成される、請求項21に記載の吊り具組立品。
【請求項23】
前記細長い支持部材は、長手方向主軸を有し、前記アパーチャは細長く、前記アパーチャは長手方向中心軸に平行に伸長する、請求項1から22のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【請求項24】
前記吊り具部材は、前記吊り具部材の下部領域が前記吊り具部材の上部領域に対して横方向に伸長する変形状態に変形可能である、請求項1から23のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【請求項25】
前記吊り具組立品は、前記吊り具部材の長さに沿って上下に構成された複数の前記支持部材と、複数の前記固定装置とを備える、請求項1から24のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り具組立品に関する。排他的ではないが、より具体的には、本発明は、パイプおよびケーブルトレイのような物品を頭上から吊り下げるための吊り具組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ切りされた棒に取り付けられたブラケットによって、屋根または天井から、ケーブル導管およびトレイとともにパイプを吊り下げることが知られている。棒は、ある長さに切断され、屋根または天井のアタッチメントにねじ留めされなければならない。ねじ切りされた棒は、ブラケットの開口を通して挿入され、棒にねじ留めされたナットを使用して、ブラケットに取り付けられる。これらのステップの全て、特に棒の切断は、非常に時間がかかることがある。同様に、パイプおよびトレイの設置が、システムを通してこれらを供給することを必要とするという欠点を提供する他の吊り下げシステムが存在する。この場合も、これは時間がかかることがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、支持部材と、細長い吊り具部材と、固定装置とを備える吊り具組立品が設けられ、支持部材は、それを通じて吊り具部材を収容するためのアパーチャを規定し、吊り具部材は、ラッチ開口を規定し、固定装置は、支持部材を吊り具部材に固定するように吊り具部材中のラッチ開口を通して収容可能なラッチ部材を含む。
【0004】
支持体に規定されたアパーチャは、支持部材の中央に規定された中央アパーチャであってもよい。代替的に、支持部材に規定されたアパーチャは、支持部材の一端のより近くに規定されてもよい。
【0005】
吊り具部材は、支持部材の重心を通って伸長してもよい。支持部材によって規定されるアパーチャは、支持部材の上部に規定されてもよい。上部は細長くてもよい。
【0006】
支持部材は細長くてもよい。支持部材によって規定されるアパーチャは、上部の重心を通って伸長してもよい。
【0007】
吊り具組立品は、せいぜい1つの吊り具部材を備えてもよい。支持部材によって規定されるアパーチャは、スロットであってもよい。吊り具組立品は、吊り具部材の長さに沿って上下に構成された複数の支持部材を備えてもよい。吊り具組立品は、複数の固定装置を含んでもよく、各固定装置は、支持部材のそれぞれ1つに設けられる。各固定装置は、それぞれのラッチ部材を含んでもよい。
【0008】
そのまたは各支持部材は、それを通して吊り具部材を収容するためのせいぜい1つのアパーチャを規定してもよい。
【0009】
そのまたは各支持部材は、上部から伸長する側部を有してもよい。側部は、上部から下に伸長してもよい。側部は細長くてもよく、上部に沿って伸張してもよい。
【0010】
そのまたは各支持部材は、上部から伸長する対向する側部を備えてもよい。側部は、上部から下に伸長してもよい。側部のそれぞれは細長くてもよく、上部に沿って伸張してもよい。支持部材は、実質的にU字形の端部プロフィールを有してよい。
【0011】
使用時に、そのまたは各支持部材は、細長い物品であってもよい物品を支持してもよい。細長い物品は、例えば、パイプまたはケーブルトレイであってもよい。物品は、吊り具組立品から隣接する吊り具組立品まで伸長してもよい。
【0012】
使用時に、そのまたは各支持部材は、前記物品のうちの2つを支持してもよく、各物品は、支持部材のそれぞれの対向する端部領域上に構成される。吊り具部材は、物品間で支持部材から伸長してもよい。
【0013】
吊り具部材に規定されたアパーチャはスロットであってもよい。吊り具部材は、吊り具部材に沿って互いに間隔をあけた複数のアパーチャを規定してもよい。
【0014】
そのまたは各ラッチ部材は、吊り具部材のアパーチャのうちの選択された1つまたはそれぞれの1つを通して収容されてもよい。吊り具部材に規定されたアパーチャのそれぞれは、スロットであってもよい。
【0015】
吊り具部材は、細長い実質的に平坦なストリップを備えていてもよい。実質的に平坦なストリップは、ストラップを備えていてもよい。
【0016】
そのまたは各固定装置は、そのまたはそれぞれの支持部材上に設けられてもよい。そのまたは各固定装置は、そのまたはそれぞれの支持部材の中央に取り付けられてもよい。固定装置は、ラッチ装置を備えていてよい。ラッチ部材は、固定位置と非固定位置との間で移動可能であってもよい。
【0017】
ラッチ部材の固定位置において、吊り具部材は支持部材に固定されてもよい。前記固定位置において、ラッチ部材は吊り具部材と係合することができる。非固定位置では、支持部材は吊り具部材から解放されてもよい。
【0018】
ラッチ部材は、担持部を備えていてよい。ラッチ部材は、担持部上に挿入部を備えていてよい。挿入部は、吊り具部材を支持部材に固定するために、吊り具部材のアパーチャを通して挿入可能であってもよい。前記固定位置において、挿入部は、吊り具部材のアパーチャによって収容されてもよい。
【0019】
非固定位置において、吊り具部材は、支持部材に対して移動可能であってもよい。非固定位置において、ラッチ部材は、吊り具部材から係合解除されてもよい。ラッチ部材は、固定位置と非固定位置との間で摺動可能に移動可能であってもよい。
【0020】
固定装置は、ラッチ部材を固定位置に付勢する付勢手段を備えることができる。付勢手段は弾性であってよい。
【0021】
付勢手段は、ラッチ部材を固定位置に付勢する付勢部材を備えることができる。付勢部材は、ラッチ部材を係合してもよい。付勢部材はばねを備えてもよい。ばねは圧縮ばねであってもよい。
【0022】
付勢手段は、上述した付勢部材うちの2つを備えることができる。ラッチ部材は、ユーザがラッチ部材を非固定位置に移動させることを可能にする解放部をさらに含むことができる。
【0023】
そのまたは各支持部材は、ユーザが解放部材にアクセスできるようにするためのアクセス構造を含むことができる。アクセス構造は、側部の一方に規定された凹部であってもよい。
【0024】
解放部は、ラッチ部材を非固定位置に移動させるためにユーザによって押されるように構成されてもよい。解放部は、解放部材がユーザによって押されてラッチ部材を非固定位置に移動させることを可能にするように、アクセス構造にわたって伸長してもよい。
【0025】
解放部は、担持部に取り付けられてもよい。解放部は、担持部に対して横方向に伸長してもよい。
【0026】
担持部は、挿入部が伸長してもよい開口を規定してもよい。ラッチ部材が非固定位置にあるとき、開口は、支持部材によって規定された中央アパーチャと整列してもよい。
【0027】
ラッチ部材は、ラッチ部材の移動をガイドするガイド構造を有することができる。ガイド構造は、担持部によって規定される細長いガイドスロットであってもよい。ガイド構造は、挿入部に伸張してよい。ガイド構造は、対応するガイド部材を収容することができる。ガイド部材は、保持コンポーネントに設けられてもよい。
【0028】
ガイド部材は、ガイド構造に収容されてもよいガイド突出を備えてもよい。ガイド突出はスナップフックを備えてもよい。
【0029】
スナップフックは、ガイドスロット内に収容されてもよい。ガイド突出は、保持コンポーネントに設けられてもよい。
【0030】
ラッチ部材は、担持部上に突出部を含むことができる。突出部は、挿入部の反対側で担持部から突出してもよい。ガイド構造は、担持部から突出部に伸長することができる。
【0031】
そのまたは各固定装置は、支持部材上に固定装置を据え付けるための据え付け部品を含むことができる。そのまたは各据え付け部品は、ラッチ部材を保持するための保持コンポーネントを備えることができる。
【0032】
保持コンポーネントは、吊り具部材を把持するための把持構造を備えることができる。把持構造は、支持部材の中央アパーチャと整列した貫通路を規定することができる。
【0033】
把持構造は、吊り具部材を係合するリブを含むことができる。リブは、吊り具部材が前記中央アパーチャに収容されるときに、吊り具部材によって押しつぶされてもよい。
【0034】
そのまたは各据え付け部品は、固定装置を支持部材に締結するための締結具をさらに含むことができる。締結具は細長くてもよく、保持コンポーネントを支持部材に締結するために、保持コンポーネントおよび支持部材を通って伸張してもよい。締結具は、ボルトまたはリベットのような金属固定具であってもよい。
【0035】
保持コンポーネントは、締結具が伸長でき、それによって保持コンポーネントを支持体上に位置付ける締結構造をさらに含むことができる。締結構造は、締結具が保持コンポーネントを支持体に締結することを可能にしてもよい。
【0036】
そのまたは各据え付け部品は、締結具のうちの2つおよび締結構造のうちの2つを含むことができる。
【0037】
そのまたは各固定装置は、保持コンポーネントを覆うためのカバー部材をさらに含むことができる。カバー部材は、カバー部材を保持コンポーネントの上方に位置付けるための位置付け構造を含むことができる。
【0038】
カバー部材は、位置付け構造のうちの2つを含むことができる。そのまたは各締結具は、そのまたは各位置付け構造を通って伸張して、カバー部材を保持コンポーネントの上方に締結することができる。
【0039】
そのまたは各位置付け構造は、それを通してそのまたはそれぞれの締結具を収容するための位置付けアパーチャを規定してもよい。そのまたは各位置付け構造は、それを通してそのまたはそれぞれの締結具を収容するための位置付けアパーチャのうちの2つを規定してもよい。
【0040】
カバー部材は、カバー部を備えていてよい。カバー部は、カバー部材の下部であってもよい。位置付け構造は、後方位置付け構造を備えることができる。位置付け構造は、前方位置付け構造を含むことができる。位置付け構造は、一対の前方位置付け構造を備えることができる。
【0041】
位置付け構造は、カバー部から上に伸長してよい。後方位置付け構造は、下部の後方にわたって伸長することができる。前方位置付け構造は、カバー部の前方角部において上に伸長してもよい。
【0042】
カバー部材は、それを通して吊り具部材を収容するためのさらなるアパーチャを規定してもよい。カバー部材は、前方および後方位置付け構造に規定された前方および後方位置付けアパーチャを有することができる。
【0043】
吊り具部材は、金属材料で形成されてもよい。支持部材は、金属材料で形成されてもよい。カバー部材は、金属材料で形成されてもよい。ラッチ部材は金属材料で形成されてもよい。金属材料は、鋼、例えば軟鋼、またはアルミニウムであってもよい。
【0044】
支持部材によって規定されるアパーチャは、吊り具部材の周りにぴったりはまってもよい。カバー部材のさらなるアパーチャは、吊り具部材の周りにぴったりはまってもよい。
【0045】
したがって、ここで説明する実施形態では、吊り具部材と支持部材との間で金属接触する金属がある。吊り具部材とカバー部材との間で金属接触する金属もあってもよい。吊り具部材とラッチ部材との間で金属接触する金属もあってもよい。
【0046】
吊り具部材と、支持部材および少なくともカバー部材との間で金属接触する金属は、保持コンポーネントが故障した場合、例えば火災の場合に、支持部材上の片持ち荷重への支持を提供する効果を有する。
【0047】
吊り具組立品は、ラッチ部材を固定位置にロックするためのロック装置を備えることができる。ロック装置は、ロック部材を含むことができる。ロック部材は、ロックされている位置とロックされていない位置との間で移動可能であってもよい。
【0048】
ラッチ部材は、解放部に隣接してもよい協働部を備えてもよい。協働部は、ラッチ部材が固定位置にあり、ロック部材がロックされている位置にあるときに、ロック部材を係合することができる。協働部は、ラグを備えることができる。
【0049】
ロック部材は、ラッチ部材が非固定位置にあるとき、ロック部材がロックされている位置に向かって移動する場合、ロック部材が協働部を係合するように構成されてもよい。これは、ロック部材がロックされている位置に完全に移動することを防止する効果を有し、ラッチ部材が非固定位置でロックされることを防止するという、ここで説明する実施形態における利点を提供する。
【0050】
ロック部材は、複数の側部部材を有することができる。ロック部材は、側部部材のうちの4つを有することができる。ロック部材は、側部間に伸長する横部を有してもよい。横部は、実質的に平坦であってもよい。
【0051】
2つの対向する側部部材はそれぞれ、凹状中間部を有することができる。ロック部材は、一対の対向する位置付け部材を有することができ、これは、対向する凹状中間部の間に伸長することができる。
【0052】
それぞれの戻り止め部材は、凹部のそれぞれから伸長してもよい。ロック部材が支持部材に据え付けられるとき、位置付け部材は、保持コンポーネントに規定された穴に収容されてもよい。
【0053】
位置付け部材は、ロック部材をアパーチャの上方に位置付けることができる。
戻り止め部材は、穴の対向する縁部に引っ掛けることができる。
【0054】
支持部材は細長くてもよい。支持部材によって規定されるアパーチャは細長くてもよい。支持部材は、長手方向主軸を有してもよく、支持部材によって規定されるアパーチャは、前記長手方向主軸に平行に伸長してもよい。
【0055】
吊り具部材は、吊り具部材の下部領域が吊り具部材の上部領域に対して横方向に伸長する変形状態に変形可能であってもよい。
【0056】
吊り具部材は、変形状態に変形することができるように、可鍛性材料で形成されてもよい。吊り具部材は、変形状態に変形することができるように金属材料で形成されてもよい。
【0057】
保持コンポーネントは、ラッチ部材の移動を拘束するための拘束構造を備えてもよい。拘束構造は、保持コンポーネントによって規定される拘束スロットであってもよい。担持部は、保持コンポーネントを通って伸長してもよい。
【0058】
保持コンポーネントは、担持部を係合する拘束リブをさらに含むことができる。拘束リブおよび拘束スロットは、挿入部が保持コンポーネントを正確に通ることを確実にしてもよい。
【0059】
本発明の少なくとも1つの実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1は、吊り具組立品の上からの正面斜視図である。
図2図2は、吊り具組立品の下からの正面斜視図である。
図3図3は、吊り具組立品の一部である、支持部材および固定装置の分解図である。
図4図4は、組み立てられた支持部材および固定装置の上からの正面斜視図である。
図5図5は、組み立てられた支持部材および固定装置の下からの図である。
図6図6は、固定位置にあるラッチ部材を示す、固定装置の拡大切り取り正面図である。
図7図7は、ラッチ部材が固定位置にある固定装置の背面図である。
図8図8は、非固定位置に配置されたラッチ部材を示す、固定装置の拡大切り取り正面図である。
図9図9は、ラッチ部材が非固定位置に配置された固定装置の背面図である。
図10図10は、固定位置に配置されたラッチ部材を示す、支持部材および固定装置の拡大切り取り正面図である。
図11図11は、非固定位置に配置されたラッチ部材を示す、支持部材および固定装置の拡大断面切り取り正面図である。
図12図12は、ロック部材の斜視図である。
図13図13は、ロック部材の側面図である。
図14図14は、固定装置上のロック装置を示す。
図15図15は、ロックされている位置にあるロック装置を示す吊り具組立品の拡大切り取り斜視図である。
図16図16は、ロックされている位置にあるロック装置を示す吊り具組立品のさらなる拡大切り取り斜視図である。
図17図17は、図16に示す吊り具組立品の矢印XVIIの方向の断面図である。
図18図18は、ロックされていない位置にあるロック装置を示す吊り具組立品の拡大切り取り斜視図である。
図19図19は、ロックされていない位置にあるロック装置を示す、吊り具組立品のさらに拡大した切り取り斜視図である。
図20図20は、図19に示す吊り具組立品の矢印XX方向の断面図である。
図21図21は、固定装置の吊り具部材を示す側断面図である。
図22図22は、複数の支持部材と吊り具部材とを備える吊り具組立品を示す。
図23図23は、別の吊り具組立品の上からの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図面は、細長い支持部材12と、細長い吊り具部材14と、固定装置15とを備える吊り具組立品10を示す。
【0062】
吊り具組立品10は、パイプまたはケーブルトレイのような物品を、建物の屋根または天井から、または物品が伸長する建物のエリアの上の建物の基礎構造の他の何らかの適切な領域から吊り下げるための吊り下げシステムの一部として使用される。
【0063】
支持部材12は、細長い実質的に平坦な上部16と、上部16から下に伸長する対向する側部18とを備える。支持部材12は、図1および図2に示すように、実質的にU字形の端部プロフィールを有する。
【0064】
支持部材12は、上部16に細長い第1のスロット20の形態のアパーチャを規定する。第1のスロット20は、支持部材12の上部16の中央アパーチャである。第1のスロット20は、上部16の重心を通って伸長する。支持部材12の2つの端部領域17は、第1のスロット20から反対方向に伸長する。
【0065】
第1のスロット20は、それを通して吊り具部材14を収容することができる。支持部材12は、長手方向の主軸Xを有する。第1のスロット20は、前記長手方向主軸Xに平行に伸長する。
【0066】
吊り具部材14は、細長い主要部22と、主要部22に対して横方向に伸長する取付部24とを有する。図示した実施形態では、取付部24は主要部22に対して直角に伸張している。
【0067】
取付部24は、締結アパーチャ26を規定し、それを通して、ねじのような締結具が伸長して、吊り具部材14を屋根、天井、または建物の基礎構造の他の適切な領域に取り付けることができる。
【0068】
吊り具部材14の主要部22は、主要部22の下部領域22Aが主要部22の上部領域22Bに対して横方向に伸長する(図2に破線で示す)変形状態に変形可能である。吊り具部材14は、変形状態に変形することができるように、可鍛性金属材料で形成される。代替的に、所望される場合、下部領域22Aを主要部22の残りの部分から切り離し、それによって除去することができる。
【0069】
下部領域22Aを曲げるまたは除去する代わりに、図22に示すように、吊り具部材14を使用して、吊り具部材14の長さに沿って上下に構成された複数の支持部材12を吊り下げることができる。
【0070】
図22では、さらなる支持部材12Aが支持部材12の上に配置されている。支持部材12Aは、それぞれの固定装置15Aを有する。支持部材12Aおよび固定装置15Aは、図22に概略的に示されているが、これらは、支持部材12および固定装置15と同一である。支持部材12Aを複数設けることにより、それぞれの支持部材12、12Aに異なる物品を支持させることができる。
【0071】
吊り具部材14は、実質的に平坦なストリップの形態であり、ストラップであってもよい。吊り具部材14は、第2のスロット28の形態の複数のラッチ開口を規定する。第2のスロット28のそれぞれは、吊り具部材14に渡って横方向に伸長する。
【0072】
(以下に説明するように)吊り具部材14の主要部22が第1のスロット20を通して収容されるとき、第2のスロット28もまた、支持部材12の主軸Xに平行に伸長する。第2のスロット28は、吊り具部材14に沿って長手方向に互いに間隔をあけている。
【0073】
固定装置15は、第1のスロット20が固定装置15と整列するように支持部材12の中央に据え付けられている。固定装置15は、吊り具部材14と係合し、吊り具部材14を支持部材12に固定するラッチ部材30を含む。ラッチ部材30の動作については後述する。
【0074】
固定装置15は、固定装置15を支持部材12に据え付けるための据え付け部品32をさらに含む。据え付け部品32は、ラッチ部材30を保持するための保持コンポーネント34を備える。
【0075】
保持コンポーネント34は、アクリロニトリルブタジエンスチレンのようなプラスチック材料、または他の適切な材料で形成される。
【0076】
据え付け部品32は、固定装置15を支持部材12に締結するための2つの細長い締結具36をさらに含む。締結具36は、ボルトまたはリベットのような金属固定具の形態である。締結具36は、カバー部材40を支持部材12に締結する。締結具36はまた、保持コンポーネント34を支持部材12に締結する。
【0077】
保持コンポーネント34は、2つの締結構造38を含み、それを通して締結具36が伸長し、保持コンポーネント34を支持部材12に締結する。
【0078】
固定装置15は、保持コンポーネント34をカバーするためのカバー部材40をさらに含む。カバー部材40は、第3のスロット44を規定する下部42を備え、第3のスロット44を通して吊り具部材14の主要部22が伸長することができる。
【0079】
カバー部材40は、カバー部材40を保持コンポーネント34上に位置付けるための位置付け構造46を含む。位置付け構造46は、下部42の後部にわたって上に伸長する後部位置付け構造48を含む。
【0080】
位置付け構造46はまた、下部42の前方角部において上に伸長する一対の前方位置付け構造50を含む。締結具36は、カバー部材40の前方および後方位置付け構造48、50に規定された位置付けアパーチャ52を通って伸長し、カバー部材40を保持コンポーネント34上に締結する。
【0081】
ラッチ部材30は、図6図7および図10に示す固定位置と、図8および図9に示す非固定位置との間で摺動可能に移動可能である。
【0082】
固定位置では、ラッチ部材30は、吊り具部材14の主要部22の第2のスロット28のうちの選択された1つを通して収容されることによって、吊り具部材14を係合する。このように収容されるとき、支持部材12は、吊り具部材14に対する支持部材12の所望の位置でラッチ部材30によって吊り具部材14に固定される。
【0083】
支持部材12は、支持部材12のそれぞれの対向する端部領域上で前述の物品のうちの2つを支持するように構成される。結果として、物品は、吊り具部材14のいずれかの側で、支持部材12上で支持される。
【0084】
ラッチ部材30は、担持部54と、担持部54上の挿入部56とを備える。担持部54は、挿入部56が伸長する中央開口58を規定する。
【0085】
ラッチ部材30が非固定位置にあるとき、中央開口58は、支持部材12によって規定された第1のスロット20と整列し、それによって、吊り具部材14が第1のスロット20およびラッチ部材30を通して挿入されることを可能にする。
【0086】
挿入部56は、吊り具部材14を支持部材12に固定するために、吊り具部材14の選択された第2のスロット28を通して挿入可能である。したがって、固定位置では、挿入部56は、吊り具部材14内の選択された第2のスロット28内に収容される。
【0087】
固定装置15は、ラッチ部材30を固定位置に付勢するための2つの弾性付勢部材60をさらに含む。ここで示す実施形態では、付勢部材60は圧縮ばねの形態であるが、付勢部材60は、板ばねのような他のタイプのばねであるかもしれないことが理解されるだろう。
【0088】
ラッチ部材30は、ユーザがラッチ部材30を非固定位置に移動させることを可能にする解放部62をさらに含む。支持部材12は、ユーザが解放部62にアクセスできるようにするアクセス構造63を含む。アクセス構造63は、側部18のうちの1つに規定されたアパーチャである。
【0089】
解放部62は、ユーザが固定装置15を吊り具部材14から解放することを可能にする押しボタンを構成し、それによって、支持部材12が吊り具部材14から取り外されるか、または吊り具部材14に沿って再位置付けされることを可能にする。
【0090】
解放部62は、アクセス構造63にわたって伸長し、解放部62がユーザによって押されてラッチ部材30を非固定位置62に移動させることを可能にする。解放部62は、担持部54に取り付けられ、担持部54に横方向に伸長する。
【0091】
ラッチ部材30は、担持部54上に突出部64をさらに含んでいる。突出部64は、挿入部56の反対側に担持部54から後方に伸長する。担持部54は、ガイドスロット66の形態のガイド構造を規定する。ガイドスロット66は、突出部64にわたって挿入部56から伸長する。
【0092】
ガイドスロット66は、ガイド突出68の形態の対応するガイド部材を収容する。ガイド突出68は、ガイドスロット66に収容されるスナップフックの形態である。従って、ラッチ部材30は、ガイド突出68上で閉じ、ガイド突出によって所定位置に保持される。
【0093】
ガイド突出68は、保持コンポーネント34に設けられている。ガイド突出68はガイドスロット66内に保持され、それによって、ガイドスロット66はガイド突出68に対して移動する。したがって、固定位置と非固定位置との間のラッチ部材30の移動は、ガイド突出68とガイドスロット66との間の協働によってガイドされる。
【0094】
支持部材12は、ラッチ部材30が非固定位置にあるときに突出部64が突出する後部アパーチャ69を規定する。
【0095】
保持コンポーネント34は、吊り具部材14を把持するための把持構造70をさらに含む。把持構造70は、支持部材12に規定された第1のスロット20と整列する貫通路72を規定する。
【0096】
把持構造70は、吊り具部材14と係合するクラッシュリブ74を含む。クラッシュリブ74は、プラスチック材料で形成されており、吊り具部材14が担持部54の開口58を介して貫通路72に収容されるとき、吊り具部材14によって押しつぶされる。したがって、クラッシュリブ74は吊り具部材14を把持する。
【0097】
吊り具部材14は、例えば軟鋼のような鋼、またはアルミニウムのような、金属材料から形成される。支持部材12は、例えば軟鋼のような鋼、またはアルミニウムのような、金属材料から形成される。カバー部材40も、例えば軟鋼のような鋼、またはアルミニウムのような、金属材料で形成される。
【0098】
支持部材12の上部16の第1のスロット20は、吊り具部材14の主要部22の周りにぴったりはまる。同様に、カバー部材40の下部42の第3のスロット44もまた、吊り具部材14の主要部22の周りにぴったりはまる。
【0099】
結果として、吊り具部材14と、支持部材12およびカバー部材40の両方との間で金属接触する金属がある。これは、保持コンポーネント34が故障した場合、例えば火災の場合に、支持部材12上の片持ち荷重、すなわち端部領域17の一方のみにかかる荷重、または端部領域17の両方にかかる不均等な荷重を支持する効果を有する。
【0100】
火災の場合、プラスチックコンポーネントは損なわれるかもしれない。しかしながら、吊り具部材14、支持部材12、カバー部材40、および締結具36(固定装置15の分解図については図3を参照)は損なわれず、金属製である。したがって、カバー部材40は、締結具36によって支持部材12上に保持される。
【0101】
端部17の一方が荷重によって下に押され、それによって、支持部材114の第1のスロット20の一方の端部およびカバー部材40の第3のスロット44の対向する端部が吊り具部材14と係合する。第1および第3のスロット20、44の端部のこの係合は、支持部材12が落下するのを防止する。
【0102】
ラッチ部材30は、金属材料で形成され、火災の場合に、支持部材12上の荷重に提供される支持にも寄与することができる。
【0103】
吊り具組立品10は、ラッチ部材30を固定位置にロックするためのロック装置76をさらに含む。ロック装置76は、ロック部材78を備えている。
【0104】
図12および図13は、ロック部材78を示す。ロック部材78は、外部90と位置付け部92とを備えている。
【0105】
外部90は、側壁94の形態の複数の側部材を有する。具体的には、図で示したロック部材は、4つの側壁94を有している。側壁は、2つの対向する長い側壁94Aと、2つの対向する短い側壁94Bとを備える。短い側壁94Bは、対向する長い側壁94Aの間に伸長する。
【0106】
外部90はまた、リブ98を有する横部96を有する。横部96は、壁94の間に伸長する。横部96は実質的に平坦であり、梱包/配送荷重のような、または落下によって引き起こされる横部96に対する外部荷重の下でロック部材78が変形するのを防止するのに役立つ。
【0107】
対向する長い側壁94Aのそれぞれは、凹状中間部100を有する。位置付け部92は、凹状中間部100間に伸長する一対の対向する位置付け部材102を有する。
【0108】
それぞれの戻り止め部材104は、位置付け部材102間の凹部100のそれぞれから伸長する。ロック部材78が支持部材12に据え付けられるとき、位置付け部材102は、保持部材34の端部部材108に規定されたアパーチャ106に収容される。
【0109】
位置付け部材102は、ロック部材78をアパーチャ106上方に位置付け、戻り止め部材104は、アパーチャ106の対向する縁部上に引っ掛けられる。したがって、戻り止め部材104は、ロック部材78を支持体12に固定する。
【0110】
ロック部材78は、図14、15、16および17に示すロックされている位置と、図18、19および20に示すロックされていない位置との間で移動可能である。
【0111】
ラッチ部材30は、解放部62に隣接する協働部80を含む。協働部80は、端部80Aを有し、ラグの形態である。
【0112】
図17に示すように、協働部80は、ラッチ部材30が固定位置にあり、ロック部材78がロックされている位置にあるとき、ロック部材78の位置付け部92と一致して構成される。この位置において、ラッチ部材30は固定位置にロックされる。
【0113】
協働部80は、ラッチ部材30を固定位置から非固定位置に移動させようとしたときに、位置付け部92と係合し、それにより、ラッチ部材30の非固定位置への移動を防止する。
【0114】
ロック部材78が図18、19および20に示すロックされていない位置に移動されるとき、位置付け部92は協働部80との整列から外れて移動され、それによって、ラッチ部材30が非固定位置に移動することを可能にする。
【0115】
ラッチ部材30が非固定位置に配置されるとき、協働部80の端部80Aは、図20に示すように、ロック部材78の上に配置される。協働部80の端部80Aは、ロック部材78がそのロックされている位置に移動するのを防止する。これは、ロック部材78がラッチ部材30を非固定位置にロックすることを防止する、上述の実施形態における利点を提供する。したがって、ロック部材78をロックされている位置に向かって移動させようとした場合、ロック部材78は端部80Aと係合し、そのロックされている位置への移動が防止される。
【0116】
保持コンポーネント34は、ラッチ部材30の動きを拘束するための拘束構造をさらに規定する。拘束構造は、拘束スロット82の形態であり、それを通して担持部54が伸長する。
【0117】
挿入部56が保持コンポーネント34を正確に貫通して、吊り具部材14の主要部22に対して直角に、選択された第2のスロット28に収容されることを確実にするために、保持コンポーネント34は、担持部54を係合する拘束リブ84をさらに含む。
【0118】
したがって、単一の固定装置15に取り付けられた単一の吊り具部材14を含む吊り具組立品10が説明される。これは、ここで説明する実施形態において、より速い設置時間、固定コンポーネントの数の減少、現場でのより少ないコンポーネント、およびより小さい製品サイズという利点を提供する。
【0119】
吊り具部材14の主要部22によって係合されるクラッシュリブ74の提供は、吊り具部材14上の支持部材12の安定性を確実にする。
【0120】
さらに、2つの付勢部材60を設けることは、保持コンポーネント34を通るラッチ部材30の動きを安定させるのに役立つ。
【0121】
本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行うことができる。支持部材12のみが単一のサイズで示されているが、支持部材12は、任意の所望の適切な長さを有してもよい。
【0122】
第1のスロット20の形態の中央アパーチャおよび単一の吊り具部材14は、電気抑制ブラケットシステムへの電気ケーブルの側面荷重設置を可能にするという利点を提供する。これは、支持部材の各端部に吊り具部材を有する従来技術の吊り下げシステムよりも有利である。したがって、従来技術のシステムは、吊り具部材間でシステムを通してケーブルを引っ張ることを必要とする。
例えば、上記の実施形態を使用する設置時間は、従来技術のシステムよりも短い。
【0123】
したがって、支持部材12が物品に片持ち支持を提供するように、パイプおよび他の物品が支持部材12上に側面から積まれることを可能にする吊り具組立品10が説明される。
【0124】
さらに、吊り具組立品10は、火災の場合に保護を提供する。このような状況では、プラスチックコンポーネントは燃焼するまたは溶けてなくなるが、金属コンポーネントは残り、物品への継続的な支持を提供する。
【0125】
図23は、概して110で示される別の吊り具組立品を示す。吊り具組立品110は、支持部材112を備える。支持部材112は、図1-22に示す支持部材12と同様であり、支持部材12と同じ特徴の多くを含む。支持部材12の特徴と同じ支持部材112の特徴は、同じ参照番号で示されている。
【0126】
支持部材112は、第1のスロット20が上部16の一端に規定されるという点で支持部材12と異なる。図12から分かるように、第1のスロット20は、支持部材112の他端よりも一端に近い。片持ち支持部114が第1スロット20から伸張している。
【0127】
細長い吊り具部材14は、第1のスロット20を通って伸長する。片持ち支持部114は、支持部材12の端部領域17のうちの1つと同じである。
【0128】
吊り具組立品110はまた、支持部材112に固定装置15を含む。固定装置15は、図1から図22で示す固定装置15と同一である。図23に示す固定装置15の特徴は、図1-22に示す固定装置15の特徴と同じであり、同じ参照番号で示されている。
【0129】
片持ち支持部114に荷重がかけられるとき、片持ち支持部114が下に押され、それによって、吊り具部材14の対向する縁部を第1のスロット20の端部および第3のスロット44の端部と係合させる。
【0130】
したがって、火災の場合には、プラスチックコンポーネントが損なわれるかもしれない。しかしながら、吊り具部材14、支持部材112、カバー部材40、および締結具36(固定装置15の分解図については図3を参照)は、金属で作られる。したがって、これらのコンポーネントは損なわれず、カバー部材40は、締結具36によって支持部材112上に保持される。
【0131】
片持ち支持部114上の荷重の重量は、片持ち支持部114を下に押し、それによって、支持部材114の第1のスロット20の一端と、カバー部材40の第3のスロット44の対向端とを吊り具部材14に係合させる。
第1および第3のスロット20、44の端部のこの係合は、支持部材112が落下することを防止する。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 支持部材と、細長い吊り具部材と、固定装置とを備える吊り具組立品であって、
前記支持部材は、それを通じて前記吊り具部材を収容するための中央アパーチャを規定し、
前記吊り具部材は、ラッチ開口を規定し、
前記固定装置は、前記支持部材を前記吊り具部材に固定するように前記吊り具部材中の前記ラッチ開口を通して収容可能なラッチ部材を含む、吊り具組立品。
[2] 前記支持部材は、細長い上部を有し、
前記中央アパーチャは、前記上部中に規定され、
前記中央アパーチャは、前記上部の重心を通して伸長し、
前記支持部材は、前記上部から伸長する細長い側部を有し、
前記側部は、前記上部に沿って縦に伸長する、[1]に記載の吊り具組立品。
[3] 前記支持部材は、前記吊り具部材に沿って互いに間隔を空けた複数の開口を規定し、
前記ラッチ部材は、前記開口のうちの選択された1つを通して収容される、[1]または[2]に記載の吊り具組立品。
[4] 前記ラッチ部材は、固定および非固定位置の間で移動可能であり、それにより、前記ラッチ部材の固定位置において、前記吊り具部材は前記支持部材に固定され、
前記ラッチ部材は前記吊り具部材を係合する、[1]、[2]または[3]に記載の吊り具組立品。
[5] 前記ラッチ部材は、担持部と前記担持部上の挿入部とを備えていてもよく、
前記挿入部は、前記吊り上げ部材を前記支持部材に固定するように前記支持部材中の前記開口を通して挿入可能である、[1]から[4]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[6] [4]に従属するときに、
前記ラッチ部材が前記固定位置にあるとき、前記挿入部は、前記吊り具部材中の前記開口によって収容され、
前記ラッチ部材が前記非固定位置にあるとき、前記吊り具部材は前記支持部材に対して移動可能であり、前記非固定位置において、前記ラッチ部材は、前記吊り具部材から係合解除される、[5]に記載の吊り具組立品。
[7] 前記担持部は前記挿入部が伸長する開口を規定し、それにより、前記ラッチ部材が前記非固定位置にあるとき、前記開口は、前記支持部材によって規定される前記中央アパーチャと整列する、[5]または[6]に記載の吊り具組立品。
[8] 前記ラッチ部材は、対応するガイド部材を収容し、それにより、前記ラッチ部材の移動をガイドするためのガイド構造を有する、[5]、[6]または[7]に記載の吊り具組立品。
[9] 前記ガイド構造は、前記挿入部に伸長し、
前記ラッチ部材は、前記担持部上に突出部を含み、
前記突出部は、前記挿入部に対向する前記担持部から突出し、
前記ガイド構造は前記担持部から前記突出部に伸長する、[8]に記載の吊り具組立品。
[10] 前記ガイド部材は、前記ガイド構造で収容されるガイド突出を備える、[8]または[9]に記載の吊り具組立品。
[11] 前記固定装置は、前記ラッチ部材を係合する弾性付勢部材を備え、
前記弾性付勢部材は、前記ラッチ部材を前記固定位置に付勢するように設けられる、[1]から[10]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[12] 前記ラッチ部材は、前記ラッチ部材を前記非固定位置に移動するように、ユーザによって押されるように構成された解放部をさらに含む、[1]から[11]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[13] 前記固定装置は、前記支持部材上で前記固定装置を据え付けるための据え付け部品を含み、
前記据え付け部品は、前記ラッチ部材を保持するための保持コンポーネントを備え、
前記保持コンポーネントは、前記吊り具部材を把持するための把持構造を備え、
前記把持構造は、前記支持部材中の前記中央アパーチャと整列する貫通路を規定する、[1]から[12]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[14] 前記把持構造は、前記吊り具部材を係合するためのリブを含み、それにより、前記吊り具部材が前記中央アパーチャを通して収容されるとき、前記リブは、前記吊り具部材によってクラッシュされる、[13]に記載の吊り具組立品。
[15] 前記据え付け部品は、前記固定装置を前記支持部材に締結するための締結具をさらに含み、前記締結具は、前記保持コンポーネントを前記支持部材に締結するように、前記保持コンポーネントと前記支持部材を通して伸長する、[13]または[14]に記載の吊り具組立品。
[16] 前記保持コンポーネントは、前記締結具が伸長する締結構造をさらに含み、それにより、前記保持コンポーネントを支持体に締結する、[15]に記載の吊り具組立品。
[17] 前記固定装置は、前記保持コンポーネントをカバするためのカバー部材をさらに含み、前記カバー部材は、前記締結具を収容し、前記保持コンポーネントの上方に前記カバー部材を位置付けるための位置付け構造を含む、[15]または[16]に記載の吊り具組立品。
[18] 前記吊り具部材、前記支持部材、および前記カバー部材は、金属素材で形成される、[17]に記載の吊り具組立品。
[19] 前記ラッチ部材を前記固定位置にロックするためのロック装置を備え、前記ロック装置は、ロックされている位置とロックされていない位置との間で移動可能であるロック部材を含む、[1]から[18]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[20] 前記ラッチ部材が前記固定位置にあり、前記ロック部材が前記ロックされている位置にあるとき、前記ラッチ部材は、前記ロック部材を係合するための協働部を備える、[19]に記載の吊り具組立品。
[21] 前記ロック部材は、複数の側部材と前記側部材間に伸長する横部とを備え、前記側部材のうちの2つは、凹状中間部を有するように互いに対向して構成され、前記ロック部材は、対向する前記凹状中間部間に伸長する一対の対向する位置付け部材を有し、それぞれの戻り止め部材は、凹部のそれぞれから伸長する、[19]または[20]に記載の吊り具組立品。
[22] 前記保持コンポーネントは、穴を規定し、それにより、前記ロック部材が前記支持部材上に据え付けられるとき、前記位置付け部材は前記穴に収容され、前記位置付け部材は前記ロック部材を前記アパーチャの上方に位置付け、前記戻り止め部材は、穴の対向する縁部上に引っ掛けられる、[21]に記載の吊り具組立品。
[23] 前記細長い支持部材は、長手方向主軸を有し、前記中央アパーチャは細長く、前記中央アパーチャは長手方向中心軸に平行に伸長する、[1]から[22]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[24] 前記吊り具部材は、前記吊り具部材の下部領域が前記吊り具部材の上部領域に対して横方向に伸長する変形状態に変形可能である、[1]から[23]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
[25] 前記吊り具組立品は、前記吊り具部材の長さに沿って上下に構成された複数の前記支持部材と、複数の前記固定装置とを備える、[1]から[24]のうちのいずれか一項に記載の吊り具組立品。
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