(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】車両用照明器具の発光モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 41/24 20180101AFI20231113BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20231113BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20231113BHJP
F21S 41/26 20180101ALI20231113BHJP
F21S 41/275 20180101ALI20231113BHJP
F21S 41/663 20180101ALI20231113BHJP
F21W 102/14 20180101ALN20231113BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231113BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S41/151
F21S41/143
F21S41/26
F21S41/275
F21S41/663
F21W102:14
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021522524
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 EP2019077969
(87)【国際公開番号】W WO2020083711
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】オラン、マルシャル
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102032519(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0275173(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/24
F21S 41/151
F21S 41/143
F21S 41/26
F21S 41/275
F21S 41/663
F21W 102/14
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸(I)に沿って光ビームを生成することを意図した車両用の発光モジュール(1)であって、
入口ジオプトリックインターフェース(20,220,230)および出口(29)を
各々が含む
複数の一次光ガイド(2,21,22,23,24)と、
入口ジオプトリックインターフェース(20,220,230)に面して配置された光源(9,92,93)と、
自由端(30)および出口(39)を各々が含む少なくとも1つの二次光ガイド(3,31,32)であって、前記各二次光ガイド(3,31,32)の自由端には光源が面して配置されていない、前記二次光ガイド(3,31,32)と、
焦点領域(F)および出口部材(61)を含む投射アセンブリ(4,5,6)であって、前記焦点領域(F)を通過して前記出口部材に到達した光線が、前記投射アセンブリの下流側の投射フィールド内で結像するように配置された、前記投射アセンブリと、
を備え、
前記一次光ガイドおよび前記二次光ガイドの出口(29,39)は、前記焦点領域(F)のレベルに配置されており、
前記
各二次光ガイドは、
迷走光線を屈折および偏向させて前記出口部材(61)に到達させないように、および/または、前記光線を前記投射フィールド内に拡散させるように、配置されており、
ここで前記迷走光線とは、各一次光ガイド(2,21,22,23,24)の入口ジオプトリックインターフェース(20,220,230)に面して配置された光源(9,92,93)によって発生するが、当該一次光ガイドに入射しない光線、または、当該一次光ガイドに入射した後に当該一次光ガイドの出口(29)に到達する前に当該一次光ガイドの側面の1つを経由して出てくる光線である、発光モジュール(1)。
【請求項2】
前記光源(9,92,93)に関連付けられた前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)の出口の像が投射フィールドに光のストリップを形成するように配置され、前記光のストリップが照明ビームのセグメントを形成することを特徴とする、請求項1に記載の発光モジュール(1)。
【請求項3】
前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)および前記
少なくとも1つの二次光ガイド(3,31,32)が同じ水平方向の列(11)の中に配置されており、
前記少なくとも1つの二次光ガイドまたはそのうちの少なくとも1つが、2つの一次光ガイド(23,24)の間に配置されて
おり、かつ、第1の二次光ガイド(31)と呼ばれることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の発光モジュール(1)。
【請求項4】
前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)および前記
少なくとも1つの二次光ガイド(3,31,32)が同じ水平方向の列(11)の中に配置されており、
前記少なくとも1つの二次光ガイドまたはそのうちの少なくとも1つが、前記水平方向の列(11)の一端(111)に配置されて
おり、かつ第2の二次光ガイド(32)と呼ばれることを特徴とする、請求項1から請求項
3のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの二次光ガイド(31)が、当該発光モジュールの前記光軸(I)に実質的に平行な第1軸(I1)に沿って長手方向に延びており、前記少なくとも1つの二次光ガイド(31)が、前記第1軸(I1)の方向に内側にわずかに湾曲した側面(315)を備えていることを特徴とする、請求項1から請求項
3のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項6】
少なくとも1つの二次光ガイド(31)は、
当該二次光ガイドの外側から見たときに凹んでいる2つの対向する側面(315)を備えていることを特徴とする、請求項1から請求項
5のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの二次光ガイド(32)は、平坦な側面(325)を備えていることを特徴とする、請求項1から請求項
6のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの二次光ガイド(31)は、前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)の少なくともある特定の入口ジオプトリックインターフェース(20)と実質的に同一面上に配置された自由端(310)を含む第1の入口を備えていることを特徴とする、請求項1から請求項
7のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの二次光ガイド(32)は、前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)の入口ジオプトリックインターフェース(20)のうちの少なくとも特定のものに対して長手方向にオフセットされた自由端(320)を備えていることを特徴とする、請求項1から請求項
8のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項10】
前記投射アセンブリ(4)は、一次レンズ(5)と、前記一次レンズ(5)から離れて下流側に配置された二次レンズ(6)とを備え、前記一次レンズ(5)は、前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)の前記出口から出る光線と、1つの二次光ガイドまたは複数の二次光ガイド(3,31,32)の出口から出る光線を受け取り、前記二次レンズ(6)に送ることを特徴とする、請求項1から請求項
8のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項11】
前記一次レンズ(5)、前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)および前記
少なくとも1つの二次光ガイド(3,31,32)は、同じ材料で作られており、ワンピースの光学部品(7)を形成するように一体的に形成されていることを特徴とする、請求項
10に記載の発光モジュール(1)。
【請求項12】
前記投射アセンブリは、前記一次光ガイドの出口の像を作るように前記焦点領域のレベルで収束する単一のレンズから構成され、前記投射アセンブリ、前記一次光ガイドおよび前記二次光ガイドは、同じ材料で単一部品となるように一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項
8のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項13】
複数の光源(9,92,93)を備え、前記光源(9,92,93)は、前記一次光ガイド(2,21,22,23,24)の全てまたは一部の入口ジオプトリックインターフェース(20)に面して配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項
12のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項14】
請求項1から請求項
13のうちのいずれか一項に記載の発光モジュール(1)を備えていることを特徴とする車両用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用照明の分野に関するものである。より詳細には、本発明は、迷走光線を減少させるように、および/または前記迷走光線の像の形成を防止するように配置された発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、ピクセル化されたビームを生成できる発光モジュール(当該ピクセル化されたビームの投射により複数のピクセル(すなわち照明の単位)から構成された像を形成する)発光モジュールが既に存在する。前記ピクセルは、少なくとも1つの水平および/または垂直の行に編成されており、各ピクセルは選択的に作動させることができる。
【0003】
このような光モジュールは、例えば、1つ以上のAFS機能を統合した照明および/または信号ビームを形成するために、メインの照明および/または信号ビームを生成することができる第2の光モジュールに加えて使用される。あるいは、ピクセル化されたビームを生成することができる光モジュールは、それ自体で照明および/または信号のビームを生成するように設計されている。
【0004】
AFSとは "Advanced Front System "の略である。例えば、ロービームの場合、ロービームのボトムセグメントとともにピクセル化されたビームを点灯させ、追加の照明機能、すなわちDBL(Dynamic Bending Lightの略)と呼ばれるカーブ追従機能を実行する。この機能により、車両が通過する、または通過しようとしているカーブの内側を照らすことができる。
【0005】
別のアプリケーションでは、ピクセル化されたビームは、ADB(Adaptive Driving Beamの略)と呼ばれるハイビームAFS機能を実行するために、ハイビームセグメントとともに点灯される。この機能の目的は、対向車のドライバーに眩しさを感じさせないようにしながら、車両のドライバーにより良い視界を提供することである。
【0006】
ピクセル化されたビームを生成することができる光モジュールは、選択的に起動可能な複数の基礎光源であってかつ当該複数の基礎光源のマトリクスアレイを成すように配置された複数の基礎光源と、前記マトリクスアレイの前に配置された複数の光ガイドと、前記光ガイドの出口の像を形成する投射光学系とを備えている。
【0007】
しかし、発光モジュールの構成によっては、迷走光線が生じてしまうことが確認されている。
【0008】
(複数の)光ガイドは全体的に平行な方向に配置されている。あるいは、(複数の)光ガイドは、扇形または半円状に配置され、(複数の)光ガイドの各光軸がモジュールの光軸に向けられていてもよい。
【0009】
光ガイドの配置がどのようなものであっても、光ガイドはそれぞれ、入口ジオプトリックインターフェースおよび出口を備えている。基礎光源は、発光ダイオード(LED)とすることができる。
【0010】
光源は、すべてのあるいは一部の光ガイドの入口ジオプトリックインターフェースに面して配置されている。言い換えると、望まれる光ビームの形状によっては、光源の数が光ガイドの数よりも少なくてもよい。
【0011】
(複数の)光源が(複数の)LEDの場合、LEDのうちの少なくとも1つが発する光線の立体角(solid angle)が、対向して配置された入口ジオプトリックインターフェースの面積よりも大きい領域を横切ることがある。その結果、これらの光線のうちの少ない部分は、前記入口ジオプトリックインターフェースに集められずに横方向に伝播し、屈折によって意図されていない他の光ガイドに入ることになる。そして、これらの光線は、これらのガイドの内部を、投射光学アセンブリの方向に伝搬する。
【0012】
迷走光線は、光学モジュールによって投射された像(ここでは、所望の光学的機能を果たすメインビームを含む光ビーム)において観察される。具体的には、迷走光線は、メインビーム内の光強度の高い領域や、メインビーム外の光スポットの形で観察される。光強度の高い領域や光スポットの存在は、ビームの品質を低下させる。
【発明の概要】
【0013】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、より優れた照明品質のピクセル化されたビームを提供することである。
【0014】
この目的のために、本発明の第1の主題は、光軸に沿って光ビームを生成することを意図した車両用発光モジュールであって、
- 入口ジオプトリックインターフェースと出口とを含む一次光ガイドと、
- 入口ジオプトリックインターフェースに面して配置された光源と、
- 焦点領域および出口部材を含む投射アセンブリであって、前記焦点領域を通過して前記出口部材に到達した光線が、前記投射アセンブリの下流の投射フィールドで結像されるように配置された前記投射アセンブリと、を備え、
- 前記ガイドの出口は、前記焦点領域のレベルに配置されている、車両用発光モジュールである。
【0015】
本発明によれば、発光モジュールは、一次光ガイドとは異なる二次光ガイドを備え、当該二次光ガイドは光源から発生した光線を逸らせて(偏向させて)出口部材に到達しないように、および/または、前記光線を前記投射フィールド内で拡散させる(広げる)ように配置されている。
【0016】
本発明の文脈において、「~のレベルに」が意味するのは、「正確に~に(~の上に)」または「わずかに~の脇に」を含むが、これらのガイドの出口の像を形成するのに十分に近い位置であるということである。ここでは、ガイドの出口が焦点領域のレベルに配置されている場合、当該出口は、発光モジュールの投射アセンブリによって結像されるように、焦点領域のわずかに脇に、または正確に焦点領域上に配置される。
【0017】
ここで、焦点領域が意味するのは、最適なオブジェクト(物体)の焦点(object foci)の表面である。これは、1セットのオブジェクトの焦点(複数の焦点)に最も近い場所に位置する面ということである。
【0018】
さらに、「投射フィールド」とは、投射システムが像を投射するすべての空間を意味する。
【0019】
出口部材は、投射システムの最下流の光学部品の出口ジオプトリックインターフェースであってもよく、あるいは末端の光学部品であってもよい。例えば、この末端の光学部品がレンズ、特に二次レンズである場合、出口部材はこのレンズの出口ジオプトリックインターフェースである。また、この末端光学部品が反射鏡である場合、出口部材はこの反射鏡の反射面である。
【0020】
そのため、1つまたは複数の二次光ガイドによって逸らされた光線は、出口部材に到達しない。特に、光線は、走行中に、1つまたは複数の二次光ガイドによって吸収面に向けて逸らされ、当該吸収面によって止められてもよく、あるいは、実際に1つまたは複数の二次光ガイドによって逸らされて、出口部材を避ける直接的または間接的な経路を辿ってもよい。
【0021】
このように、1つまたは複数の二次光ガイドによって逸らされた光線は投射フィールドには結像しない。したがって、逸らされた光線は投射されず、投射フィールドには現れない。逸らされた光線は、意図されていないガイドを伝搬する迷走光線である。
【0022】
代替的または追加的に、1つまたは複数の二次光ガイドは、(複数の)迷走光線を反射して、焦点領域に到達したときに、迷走光線同士が互いに広く間隔を空けるようにする。具体的には、1つまたは複数の二次光ガイドを出る際に、この(複数の)迷走光線のビームは、迷走光線が焦点領域に到達したときに拡散して互いに広く間隔を空けるように広げられる。その結果、これらの迷走光線の像が投射フィールドに広がり、これにより迷走光線の像の光強度がかなり低下する。
【0023】
このように、二次光ガイドのおかげで、メインビームに追加の光強度が加えられたり、メインビームの外側に光スポットが発生したりするリスクが減少する。したがって、本発明による発光モジュールは、良質のシャープで正確な光ビームを生成する。
【0024】
さらに、本発明による発光モジュールでは、対向車のドライバーに眩しさを感じさせるリスクを低減することができる。
【0025】
本発明による発光モジュールは、任意採択的に以下の特徴のうちの1つ以上を有していてもよい。
- 発光モジュールは、複数の二次光ガイドを備えている。
- 各二次光ガイドは自由端を備え、当該自由端に面して配置された光源は無い。
- 発光モジュールは、光源に関連付けられた(複数の)一次ガイドの出口の像が投射フィールドに光のストリップを形成するように配置され、前記光のストリップが照明ビームのセグメントを形成する。例えば、光のストリップは、複数のピクセル(照明の単位)を含む照明ビームのセグメントを形成しており、それらは互いに選択的かつ独立してオフまたはオンにすることができる。一例では、前記セグメントは第1の照明ビームセグメントと呼ばれる。さらに、本発明による発光モジュールは、完全な照明ビームを生成するために、第1のセグメントと相補的な第2の照明ビームセグメントを生成するように設計することができ、そのうちの1つの部分は、他の部分とは独立してオフまたはオンにすることができる。
- 代わりに、本発明による発光モジュールは、照明ビームを生成するために、他の発光モジュールと組み合わせてオンにすることができる。本発明による発光モジュールの品質により、完成した(全体の)照明ビームの品質も向上し、これにより、ドライバーの視認性が向上する。
- 一次光ガイドおよび1つ以上の二次光ガイドは、同じ水平方向の列の中に配置されている。前記二次光ガイド(の全部)または二次光ガイドのうちの少なくとも1つ(これは第1の二次光ガイドと呼ばれる)は2つの一次光ガイドの間に配置されている。このようにして配置された第1の二次光ガイドは、その両側から、特にその左側に配置された一次光ガイドおよび/またはその右側に配置された一次光ガイドから来る迷走光線を受けることができる。
- 前記一次光ガイドおよび前記1つ以上の二次光ガイドは、同じ水平方向の列の中に配置されている。
- 前記水平方向の列の一端には、前記二次光ガイド(の全部)または前記二次光ガイドのうちの少なくとも1つ(これは第2の二次光ガイドと呼ばれる)が配置されている。よって、前記第2の二次光ガイドは、当該発光モジュールの側面に向かって横方向に逃げる迷走光線を捕らえる(インターセプトする)ことができるようになっている。
- 少なくとも1つの二次光ガイドが、モジュールの光軸に実質的に平行な第1の軸に沿って長手方向に延びている。
- 少なくとも1つの二次光ガイドは、前記第1の軸の方向に内側にわずかに湾曲した側面を有しており、このため、湾曲した側面は、1つ以上の二次光ガイドに入射する迷走光線を屈折させ、迷走光線の経路を逸らし、および/またはこれらの光線の像を投射フィールド上に拡散させる。
- 少なくとも1つの二次光ガイドは、前記第1のガイドの外側から見たときに凹んでいる2つの対向する側面を備えている。それは、シンプルで効果的な二次光ガイドの実施形態の問題である。
- 少なくとも1つの二次光ガイドは、平坦な(複数の)側面を備えている。このため二次光ガイドの平坦な側面は、投射アセンブリの焦点領域に到達させるよう、迷走光線がそのまま伝播することを許容するのではなく、迷走光線を来た側に戻すよう反射する。
- 上記に代えて、同じ二次ガイドに異なる形状の(複数の)側面を組み合わせて使用することも可能である。例えば、1つの二次ガイドは、平坦な側面と凹な側面、平坦な側面と凸な側面、凹な側面と凸な側面を備えている。
- 少なくとも1つの二次光ガイドは、一次光ガイドの少なくとも特定の入口ジオプトリックインターフェースと実質的に同一平面上に配置された自由端からなる第1の入口を備えている。このように設計された二次光ガイドは、一次光ガイドと同時に成形することができ、前記二次光ガイド専用のスライダーを必要としない。これにより、光モジュールの製造工程を簡略化することができる。
- 少なくとも1つの二次光ガイドは、一次光ガイドの少なくとも一部の入口ジオプトリックインターフェースに対して長手方向にオフセットされた自由端を有している。
- 光モジュールのある特定の構成では、1つまたは複数の二次ガイドは、(複数の)一次光ガイドの入口ジオプトリックインターフェースのわずかに前または当該入口ジオプトリックインターフェースのレベルに位置するセグメント内において逸らされるか拡散される迷走光線を受けない。そのため、それらを前記入口ジオプトリックインターフェースの同じレベルまで延長することは無意味である。前記1つ以上の二次ガイドは、それゆえに短くなり、それらを製造するために消費される材料が少なくなる。これらの1つ以上の短い二次ガイドを含む発光モジュールは、軽量であり、したがってコストが低い。
- 前パラグラフに従い、あるいはこれに代えて、前記1つ以上の二次ガイドが一次ガイドよりも長い。この場合、1つ以上の二次ガイドの自由端は、前記ガイドのセットをホルダに対して位置決めするための、および/または前記ガイドのセットを前記ホルダに固定するための、位置決めおよび/または固定部材として使用することができる。
- 前記投射アセンブリは、一次レンズと、前記一次レンズから離れて下流に配置された二次レンズとを備え、前記一次レンズは,前記一次光ガイドの出口から出た光線、および前記(1つの)二次光ガイドの出口から出た光線もしくは前記(複数の)二次光ガイドの出口から出た光線を受けて、前記二次レンズに送る。言い換えれば、一次レンズおよび二次レンズは、焦点領域のレベルで収束させる投射アセンブリを形成している。あるいは、投射アセンブリは2つ以上のレンズを備えていてもよい。
- 一次レンズ、一次光ガイド、および1つ以上の二次光ガイドは、同じ材料で作られており、かつ、一体的に形成されており、このため一体型の光学部品を形成することができる。これにより、発光モジュールの別個の構成要素の数を減らすことができ、また、前記モジュールの取り付けを容易にし、位置決め公差に対する堅牢性を実現することができる。
- 前記投射アセンブリは、前記一次光ガイドの出口の像を作るように、前記焦点領域のレベルで収束させる単一レンズで構成されている。前記投射アセンブリ、前記一次光ガイド、および前記1つ以上の二次光ガイドは、同じ材料で一体的に形成されている。このため、発光モジュールは、コンパクトで取り付けが容易な多機能の一体型光学部品を備える。
- 前記発光モジュールは、複数の光源を有し、前記光源は、前記一次光ガイドの全部または一部の入口ジオプトリックインターフェースに面して配置されている。このように、発光モジュールは、仕様の必要性に応じて適合させることができる。
【0026】
本発明の別の主題は、本発明による発光モジュールを備えた照明装置である。
【0027】
本明細書では、特に断りのない限り、「上流」「下流」という言葉は、オブジェクト(対象物)内における光の伝搬方向に関してのものであり、また、オブジェクトからの光の放出方向にも関してのものである。
【0028】
また、「前」と記載されたものは全て下流側にあり、「後」と記載されたものは全て上流側にある。
【0029】
用語「水平」、「垂直(鉛直)」または「横断」、「下」、「上」、「高」、「低」、および「側方」は、本発明による発光モジュール、または本発明による発光モジュールの一部を形成する構成要素が車両に搭載されるべき向きと関連して定義される。特に、本件特許出願では、「垂直(鉛直)」という用語は、地平線に対して垂直な向きを指定し、一方、「水平」という用語は、地平線に対して平行な向きを指定する。
【0030】
本発明の他の特徴および利点は、以下の非限定的な実施例の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。この説明を理解するためには、添付の図面を参照するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の1つの例示的な実施形態による発光モジュールを上流から下流の方向で見た斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の発光モジュールの一部を構成する光ガイドと一次レンズとを備えた光学部品を上方から見た図である。
【
図3】
図3は、
図2の光学部品の水平断面を示す概略図である。
【
図4】
図4は、
図2の光学部品の上流側から下流側への方向で見た斜視図である。
【
図5】
図5は、先行技術の光学部品の後部を示しており、この部品は、
図2の光学部品と類似しているが、一次光ガイドのみを備えている。
図5は、2つの基礎光源から放出される光線の痕跡も模式的に示している。
【
図5A】
図5Aは、
図5の光学部品を備えた発光モジュールによって生成された光のストリップを備えた像と、迷走光線の第1像領域を示しており、当該像は、特に
図5の光学部品を構成する発光モジュールの前方25メートルの距離にある垂直なスクリーンに投射されたアイソラックス曲線の形をしている。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aと同じ光のストリップを有する像を示しており、迷走光線の第2像領域を示している。
【
図6】
図6は、
図2の光学部の後方部分と、2つの基本的な光源から放出された光ビームを示す図である。
【
図6A】
図6Aは、
図1の発光モジュール、すなわち
図2の光学部品を備えた発光モジュールによって生成された光のストリップと、迷走光線の第1像領域とを含む像を示しており、当該像は、特に
図1の発光モジュールの前方25メートルの距離にある垂直なスクリーンに投射されたアイソラックス曲線の形をしている。
【
図6B】
図6Bは、
図6Bと同じ光のストリップを有する像を示しており、迷走光線の第2像領域を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1および
図2を参照すると、本発明の1つの例示的な実施形態による発光モジュール1は、光軸Iの方向に光ビームを生成することを意図している。発光モジュール1は、複数の光ガイド10、一次レンズ5および二次レンズ6を備えている。
【0033】
光ガイド10は、一次光ガイド2と二次光ガイド3という2つのカテゴリーに分けられる。一次光ガイド2は、少なくとも1つの光源から発せられた光ビームを、これら一次光ガイド2から出力されるペンシルビームに成形するためのものである。各一次光ガイド2は、入口ジオプトリックインターフェース20と出口29とを備えている。
【0034】
図示された例では、光源9、特に発光ダイオード9が、各入口ジオプトリックインターフェース20に対向して配置されている。したがって、ここでは、ダイオードの数は、一次光ガイドの数と等しい。別の例では、ダイオードの数は、一次光ガイドの数よりも少なくてもよい。
【0035】
二次光ガイド3は、迷走光線を屈折および偏向させる(逸らす)ためだけに設計されている。迷走光線とは、一次光ガイド2の上流に配置された光源によって発生するが、当該一次光ガイド2に入射しない光線、または、その出口に到達する前にこの一次光ガイド2の側面の1つを経由して出てくる光線を意味する。二次光ガイド3の各々は、出口39と自由端30とを備えている。二次光ガイド3のそれぞれの自由端30に面して光源が配置されることはない。これらの二次光ガイド3については、後の説明で詳しく説明する。
【0036】
明細書のこれ以降の部分では、読みやすさのために、「一次ガイド」、「二次ガイド」、「迷走光線(stray rays)」、「ビーム(beam)」という用語を、それぞれ「一次光ガイド」、「二次光ガイド」、「迷走光線(stray light rays)」、「光ビーム(light beam)」の代わりにも使用する。
【0037】
図示例では、一次レンズ5は、ここでは前側に一次下流面51を、そして、ここでは後側に一次上流面52を備える両凸レンズである。二次および一次光ガイドのセットは、この一次上流面52から上流側に向かって突出している。
【0038】
二次レンズ6は、一次レンズ5の一次下流面51から出る光線を受けるように、一次レンズ5から離れて下流側に配置されている。ここでは、二次レンズ6は、前側に二次下流面61を、そして後側に二次上流面62を備えている。
図1では、示されているに二次上流面62は平坦であるが、レンズ6の外側から見たときにわずかに凸になっていてもよい。
【0039】
一次レンズ5および二次レンズ6は、一次レンズ5の一次上流面52のレベルの、あるいは一次レンズ5の一次上流面52に適合(一致)する焦点領域Fを有する投射アセンブリ4を形成するように配置されている。このようにして、一次および/または二次ガイドから出力された光線は、光学的なフィールド収差を最小限としつつ投射アセンブリ4によって結像される。
【0040】
図2を参照すると、6つの光ガイド、すなわち4つの一次ガイド2と2つの二次ガイド3が図示されている。すべてのガイドは、水平な列11を成すように配置されている。
【0041】
3つの一次ガイド2が隣り合って並んで配置されており、
図2の左から右に向かって順に、それぞれ第1、第2、第3の一次ガイド21、22、23と呼ばれる。第4の一次ガイド24は、水平列11の右端110に配置されている。各一次ガイド2は、入口ジオプトリックインターフェース20および出口29を備えている。各入口ジオプトリックインターフェース20の前には、1つの基礎光源9(ここでは発光ダイオードすなわちLED)が配置されている。
【0042】
第1の二次ガイド31は、第3および第4の一次ガイド23、24の間に配置されている。第2の二次ガイド32は、水平列11の左端111に配置されている。二次ガイド3の各々は、ここでは前側に出口39を、そして、ここでは後側に自由端30を有している。
【0043】
上述したように、一次および二次ガイド20、30の出口は、一次レンズ5の一次上流面52上に配置されている。投射アセンブリ4は、焦点領域Fが一次レンズ5のこの一次上流面52を含むように構成されており、一次および二次ガイド2、3からそれらの出口29、39を介して出るあらゆる光線を無限遠に投射するようになっている。
【0044】
従って、一次レンズ5は、一次ガイド2の出口から出る光線と、二次ガイド3の出口から出る光線を受け取る。そして、一次レンズ5は、それらを二次レンズ6に送る。
【0045】
ここで、焦点領域Fは、一次ガイド2の出口29と二次ガイド3の出口39を通過する曲面を有している。焦点領域Fは、
図3に示されている。
【0046】
本例では、6つの光ガイド21~24,31,32と、一次レンズ5とが、単一のワンピース(一体の)の光学部品7の形態に形成されている。
【0047】
このワンピースの光学部品7は、(複数の)横フィン71を備え、各横フィン71が1つの取り付け足72を有している。後者(取り付け足72)は、ホルダ(図示せず)に固定されるようになっている。取り付け足72は、発光モジュール1内の所定の位置に単一ピースの光学部品7を維持するために、特にねじ止めによってホルダに固定される。
【0048】
図3では、ワンピースの光学部品7の水平断面が図示されている。そのため、一次ガイド21~24および二次ガイド31,32の水平断面がそこに見られるであろう。
【0049】
特に、第1の二次ガイド31は、発光モジュールの光軸と平行に長手方向に延びている。第1の二次ガイド31の長手方向軸は、第1軸I1と呼ばれる。第1の二次ガイド31は、第1軸I1の方向に内側にわずかに湾曲した2つの側面315を有している。言い換えれば、第1の二次ガイド31の側面315は、当該第1のガイド31の外側から見た場合、凹面である。言い換えれば、第1の二次ガイド31の側面315は、当該二次ガイド31の内側から見た場合、すなわち、当該第一の二次ガイド31の内側を伝搬する光線の経路を考慮した場合、凸面である。
【0050】
この例では、第1の二次ガイド31の自由端310は、一次ガイド2の入口ジオプトリックインターフェース20と実質的に同一面上にある(共面をなす)。
【0051】
第2の二次ガイド32に関しては、後者は平坦な(複数の)側面325を有する。さらに、第2の二次ガイド32の自由端320は、一次ガイド2の入口ジオプトリックインターフェース20に対して、長手方向に下流側にオフセットされている。
【0052】
ここでは、2つの二次ガイド3の長さと、それらのすべての面、特にその側面の形状は、迷走光線を生成する光線を捕らえて(インターセプトして)、逸らすように定義されている。つまり、図に示されている以外の形状を採用することも可能である。特に、第1の二次ガイドに適用される形状は、第2の二次ガイドにも適用することができる。逆に、第2の二次ガイドに適用される形状が、第1の二次ガイドに適用されてもよい。
【0053】
図4は、一次および二次ガイド2,3の後部を示している。ここでは、一次ガイド2の各々は、下方にわずかに湾曲した上面27を有している。これらのガイド2のそれぞれの入口ジオプトリックインターフェース20は、ここでは、鉛直方向に対してわずかに傾斜した湾曲面を有している。
【0054】
第1の二次ガイド31に関して、この例では、当該第1のガイド31の自由端310は、複数のファセット(切小面)、ここでは2つのファセット、すなわち上側ファセット311および下側ファセット312を備えている。自由端310の下側ファセット312は、一次ガイド2の入口ジオプトリックインターフェース20と実質的に同一平面上に位置している。したがって、下側のファセット312も、鉛直方向に対してわずかに傾斜している。
【0055】
第1の二次ガイド31とは異なり、第2の二次ガイド32の自由端320は、鉛直方向に平行な単一のファセット321を備えている。したがって、第2の二次ガイド32は、出口が大きな底(底面)を成し、自由端が小さな底(底面)を成す角錐台の形状を有している。
【0056】
後述する
図5、
図5A、
図5B、
図6、
図6A、
図6Bでは、本発明の一つの例示的な実施形態に係る発光モジュール1における二次ガイド31,32の動作と技術的利点を、二次ガイドのない発光モジュールと関連付けてさらに説明している。
【0057】
図5を参照すると、
図2および
図6に示した光学部品7と同様の光学部品8が図示されている。しかし、比較光学部品8と呼ばれる
図5の光学部品8は、二次ガイドを備えていない。それは、一次ガイドのみを備えており、しかしながら、それらの数および配置は
図2に示されたのと同じである。したがって、比較光学部品8の一次ガイドは、
図2および
図6に示す光学部品7の一次ガイドと同じ参照符号で示されている。
【0058】
2つの基礎光源、ここでは2つのLEDが、第2の一次ガイドと第3の一次ガイドの前側にそれぞれ配置されている。第2の一次ガイド22の入口ジオプトリックインターフェース220に対向して配置されたLED92を以下第2のLED92と呼び、一方、第3の一次ガイド23の入口ジオプトリックインターフェース230に対向して配置されたLED93を第3のLED93と呼ぶ。
【0059】
図5では、この2つのLED92,93が発するビームも図示されている。
【0060】
より正確には、第2のLED92は、ビームを放出し、このビームの光線の大部分を含む主要部分は、第2の一次ガイド22の内部を伝搬する。このビームの主要部分は、以下では、一次第2ビーム221と呼ばれる。この一次第2ビーム221は、第2の一次ガイド22内を、当該ガイド22の出口229に到達するまで、そして焦点領域Fに到達するまで伝搬する。 こうして一次第2ビーム221は、投射アセンブリ4によって結像される。
【0061】
一次第2ビーム221の像は、わずかに長方形の形状を有するピクセル(画素)224を形成する。このピクセル224は、第2のピクセル224と呼ばれ、
図5Aと
図5Bに図示されている。
【0062】
なお、光ガイド2,3の出口の像は、その構造上の配置に対して反転している。具体的には、第2の一次ガイド22が出力するビームの像は、
図5Aおよび
図5Bにおいて右に位置し、第3の一次ガイド23が出力するビームの像は、
図5Aおよび
図5Bにおいて左に位置する。しかし、構造的には、第2の一次ガイド22は、光の出射方向に関して、第3の一次ガイド23の左側に位置している。
【0063】
従って、ここで第2のピクセル224を形成する一次第2ビーム221の像は、
図5Aおよび
図5Bでは右に位置するピクセルとなる。
【0064】
第2のLED92が放出するビームは、二次第2ビーム222と呼ばれるさらに別のビーム部分を構成している。二次第2ビーム222は、一次第2ビーム221とは異なり、第2の一次ガイド22に入射せず、光の出射方向に対して右方向、すなわち、ここでも
図5の右方向に出射される。二次第2ビーム222は、第3の一次ガイド23を横方向に屈折して通過する。したがって、それは、右横エッジ235を介して第3の一次ガイド23を出て、2つの部分に分割される。
【0065】
二次第2ビーム222の第1の部分227は、焦点領域Fに到達する。2次第2ビーム222の第2の部分225は、焦点領域Fに到達する前に、第4の一次ガイド24に屈折して入る。
【0066】
したがって、二次第2ビーム222の第1の部分227および第2の部分225も、投射アセンブリ4によって結像される。
【0067】
二次第2ビーム222の第1の部分227の像は、
図5Bに示されている。それは、不規則な形状の光スポット28を形成する。言い換えれば、このスポット28は、発光モジュールによって生成されたビームの像の中で迷走像を形成する。図の読みやすさのために、二次第2ビーム222、より正確にはその第1の部分227と、
図5Bにおけるそのスクリーン上の像との間の対応関係を示すために、破線の矢印Mが示されている。スポット28は、ここでは、
図5Bの第2および第3のピクセル224,234の左側に位置している。
【0068】
同様に、二次第2ビーム222の第2の部分225の像は、発光モジュールによって生成されたビームの像の中で迷走像を形成することになる。
【0069】
すなわち、二次第2ビーム222は、迷走光線のビームである。
【0070】
第3の一次光ガイド23および第3のLED93においても同様の効果がもたらされる。
【0071】
図5に示すように、第3のLED93はビームを発し、そのビームの主要部分(それはそのビームの光線の大部分を含む)は、第3の一次ガイド23の全長を伝搬して出口239に到達し、そして、投射アセンブリ4によって下流側に投射される。
【0072】
このビームの主要部分を以下において一次第3ビーム231と呼ぶ。
【0073】
第3の一次ビーム231の像は、
図5Aおよび
図5Bにおいて左に位置する画素234である。この画素を第3の画素234と呼ぶ。後者は、第2のピクセル224と同様の形状、即ち、実質的に長方形の形状を有している。
【0074】
このように、隣り合って並んで配置されている第2のピクセル224および第3の画素234は、発光モジュール1が生成可能な光のストリップの一部分を形成している。光のストリップは、照明および/または合図(シグナリング)ビームを形成するために、他の基本的な光のセグメントに加えてオン(点灯状態)にすることができる。
【0075】
第3のLED93が発するビームは、二次第3ビーム232と呼ばれる別のビーム部分をも備えている。これは、第3の一次ガイド231の横を通り、左に向かっている。二次第3ビーム232は、第2の一次ガイド22に入り、後者(第2の一次ガイド22)を横方向に通過する。そして、それは第2の一次ガイド22からその左側端226を経由して出て、さらに第1の一次ガイド21を屈折して通過し、その後、焦点領域Fに向けられる。
【0076】
したがって、二次第3ビーム232は、投射アセンブリ4によって結像される。その像は
図5Aに示されている。それは、不規則な形状のスポット29であり、
図5Aにおいて第2および第3のピクセル224および234の右側に位置する。
【0077】
識別を容易にするために、矢印Nは、
図5Aの二次第3ビーム232とそのスクリーン上の像との対応関係を示している。
【0078】
二次第3ビーム232も、迷走光線のビームと考えられる。
【0079】
二次第2ビーム222と二次第3ビーム232による光スポット28および29の存在は、この光学部品8を備えた発光モジュールが生成するビームの質を低下させる。
【0080】
具体的には、これらのスポット28および29は、隣接するガイドのピクセル、すなわち、第2の一次ガイド22および/または第3の一次ガイド23の両側に位置するガイドによって生成されるピクセルに、追加の光強度を加える可能性がある。したがって、これらのスポット28および29とピクセルとが重なるところで測定される光強度の値は、視覚的な不快感を発生させる。
【0081】
さらに、これらの光スポット28,29は、隣接する(複数の)光ガイドによって形成される(複数の)ピクセルが完全にオフになることを防ぐ。具体的には、隣接する(複数の)ガイドに面して配置された(複数の)光源がオフになると、対応する(複数の)ピクセルもオフになる。しかし、第2および第3のLED92,93がオンのままであれば、迷走光線222,232のビームはオンのままとなる。したがって、光スポット28,29は、隣接するガイドのピクセルの位置で(それらがオフになっていても)オンのままとなる。
【0082】
さらに、これらの光スポット28、29は、光があることが望まれない領域、特に、他の追従車両または対向車両が存在する場所に位置することがある。すなわち、余分な光があり、これが対向車の運転者や追従車の運転者に眩しさをもたらす可能性がある。
【0083】
迷走光線のこれらの不利な影響を考慮して、本件出願人は、
図1から
図4および
図6に図示されて先に説明した発光モジュール1を提案している。もちろん、それは、本発明の範囲内にとどまりながら可能な多くの他の実施形態の中の1つの実施形態の問題である。
【0084】
以下に説明する
図6、
図6A、
図6Bにより、上述した本発明による発光モジュールの動作および有利性をよりよく理解することができるようになるであろう。
【0085】
図5の光学部品8に対して、
図6の光学部品7は、さらに、第1の二次ガイド31と第2の二次ガイド32とを備えている。
【0086】
図6の光学部品7もやはり、
図5のものと同じ第2および第3のLED92および93と一次ガイド21~24とを備えている。したがって、第2および第3の一次ガイド22および23は、それぞれ第2および第3のピクセル224および234を形成する。
【0087】
前述の場合と同様に、第2のピクセル224は
図6A、6Bでは右側にあるのに対し、第3のピクセル234は同図では左側にある。
【0088】
第1の二次ガイド31に関しては、後者は、第2のLED92から通過する光線を、光の放出方向に関して右側で、つまりここでも
図6の右側で受け取る。より正確には、第1の二次ガイド31は、ここでは、第2のLED92によって放出された二次第2ビーム222を受け取る。
【0089】
第1の二次ガイド31の側面315は、光線の偏向(逸らし)の効果を高めるために湾曲している。第1の二次ガイド31の内部では、二次第2ビーム222の光線が複数回反射されるので、当該第1ガイド31から出る際に、光線は多方向であり、したがって、コリメートされたビームを形成することはない。その結果、第1の二次ガイド31から出た光線の像は、スクリーン上で得られるビームの像の中で広がってしまう。
図5Bでスポット28が現れたところに、今度は小さな低輝度のスポット41だけが現れる。
【0090】
このように、第1の二次ガイド31は迷走光線の強度比を低下させる。
【0091】
第2の二次ガイド32に関して、後者(第2の二次ガイド32)は、光の放出方向に対して左側に、すなわちここでも
図6の左側に伝播する迷走光線を受け取る。ここでは、第2の二次ガイド32は、第3のLED93によって放出された光線、より正確には、二次第3ビーム232の光線を受け取る。
【0092】
二次第3ビーム232の光線は、以下に列挙する様々なビーム部分を形成するように、第2二次ガイド32の内部で反射される。
【0093】
これらの光線の第1の部分326は、その光線が来た側、すなわち第3の一次ガイド23に向けて反射される。
【0094】
これらの光線の第2の他の部分327は、
図6の線Kで示されるように、以前ならば焦点領域Fに当たった場所から半径方向外側に逸らされ、したがって二次レンズ6の内部から離れていく。したがって、これらの光線は、一次レンズ5によって伝播されるが、二次レンズ6の二次上流面62には到達しない。
【0095】
具体的には、二次下流面61が出口部材を形成している。光線が到達することができる領域は、二次下流面61のすぐ前方の空間である。また、二次下流面61に到達できる別の領域は、二次上流面62を通過する領域である。ここでは、迷走光線の第2の部分327は、第2上流面62の横を通過するように偏っている。
【0096】
したがって、前記部分327の光線は、二次レンズ6に入射せず、したがって、投射アセンブリ4の投射フィールド内には結像されない。
【0097】
光線の第3の部分328は、第2の二次ガイド32で複数回反射され、その像がスクリーン上で広がる(拡散する)ようになっている。
【0098】
最終的に、第2の二次ガイド32から出る光線のうち、スクリーン上で検出可能な十分な強度の像を生成するような態様で投射アセンブリ4によって結像できるものはほとんどない。結像された光線のうちの少ない部分が、スクリーン上に非常に小さな低強度のスポット42を形成する。これらのスポットは、
図6Aに示されている。
【0099】
したがって、第2の二次ガイド32は、発光モジュール1によって生成されたビームの像内に目立った迷走像が形成されることを制限または防止する。
【0100】
このように、第1および第2の二次ガイド31および32によって、本発明による、また上述の例による発光モジュール1は、非常に小さな迷走像を含む光ビーム、あるいは迷走像の無い光ビームを生成する。したがって、このような発光モジュールによって生成される光ビームは、品質が向上し、これにより、運転者の視認性が向上する。
【0101】
もちろん、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変更を加えることが可能である。
【0102】
モジュールは、1つのエッジ(端縁)に1つだけの若しくは1つより多い数の二次ガイドを含むことも、あるいは、2つの一次ガイドの間に1つだけの若しくは1つより多い数の二次ガイドを含むことも、あるいは1つもしくは1つより多い数の各タイプの二次ガイドを含むことさえも可能である。
【0103】
所望の偏向に応じて、二次ガイドの側面は、それらが(複数の)一次ガイドの端のところにあるか、あるいは(複数の)一次ガイドの間にあるかに関わらず、平面、凹面、凸面のいずれとしてもよい。
【0104】
二次ガイドの自由端は、一次ガイドの入口面と少なくとも部分的に同一面上にあってもよい(共面となっていてもよい)し、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0105】
(複数の)一次ガイドの端のところにあるか(複数の)一次ガイドの間にあるかに関わらず、二次ガイドは一次ガイドより長くても短くてもよい。