(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】内視鏡に取り付けられた(遠位)関節鏡光源を遠隔冷却するための方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231113BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20231113BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20231113BHJP
F21V 29/67 20150101ALI20231113BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231113BHJP
F21W 131/205 20060101ALN20231113BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231113BHJP
【FI】
F21S2/00 377
F21S2/00 375
F21V29/503
F21V29/77
F21V29/67 200
F21V23/00 160
F21V23/00 120
F21S2/00 610
F21W131:205
F21Y115:10
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2021525544
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(86)【国際出願番号】 US2019060830
(87)【国際公開番号】W WO2020102134
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン エリック ディー.
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-506311(JP,A)
【文献】特表2008-528188(JP,A)
【文献】特表2013-526349(JP,A)
【文献】実開昭61-177615(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/00
F21V 23/00
F21W 131/205
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術光源システムの遠位端に位置付けられるハウジングであって、管が前記ハウジングの近位端
側に接続されている、ハウジングと、
遠隔ファンと遠隔電源とを含む共有ハウジングと、
前記
外科手術光源システムの遠位端にあり、前記遠隔電源に接続された光源と、
前記ハウジング内の前記光源の周りに延びる複数のフィンと、を備え、
前記遠隔ファンが前記管に接続され、前記フィンを横切って空気を引き出すように適合され、前記ハウジング内にヒートシンクを形成する、外科手術光源システム。
【請求項2】
前記光源を前記遠隔電源に接続する電力線をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電力線が前記管を通って延びる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハウジングの前記遠位端の上に延びるキャップをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記キャップが、前記光源と実質的に整列した中央開口を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記キャップが、前記キャップの前記中央開口と外周の間に一つ以上のスロットを有し、前記一つ以上のスロットが前記キャップを通って延びる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のフィンが前記光源から放射状に延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のフィンの各々が、前記ハウジングを通って延びる中央長手方向軸に平行または実質的に整列した平面に沿って延びる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
気流が、前記遠隔ファンによって、前記キャップの前記一つ以上のスロットを通り、前記フィンを横切り、前記管を通って近位に引かれる、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記遠隔電源が調整可能な出力電流を放出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記出力電流を増加させると、前記光源の照度が増加し、前記出力電流を減少させると、前記光源の前記照度が減少する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記光源がLEDライトである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記光源がCOB LEDライトである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記管がポリエチレン管から構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ハウジングがプラスチックから構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハウジングが円筒形である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月13日に出願された「Method for Remotely Cooling a Scope-Mounted (Proximal) Arthroscopic Light Source」と題する米国仮特許出願第62/760,404号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は外科手術システムに関し、より具体的には、高出力の関節鏡視発光体を冷却するための外科手術光源システムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
典型的には、外科手術部位のライトは、放射される熱のために制限される。発光体は、特許および外科医の近くで高レベルの熱を生成しうる。こうした高レベルの熱は、患者および外科医の両方を不快感、過熱、および熱傷のリスクにさらす。現在、光ファイバーライトガイドは、関節鏡の近位端に取り付けられている。しかし、光ファイバーライトガイドは、複数のクリーニングおよび滅菌サイクルにわたって、摩耗、進行性のファイバー破損、およびファイバー端面の劣化をこうむる。光ファイバーライトガイドおよびそれらの構成部品の絶えず続く交換は、高価になり、負担になる場合がある。
【0004】
従って、関節鏡下外科手術処置で使用される高出力の発光装置を冷却する使い捨ての外科手術光源システムに対するニーズがある。
【0005】
関連技術セクションの免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの関連技術セクションの説明または本開示の他の場所で説明されている限り、これらの説明は説明された特許/刊行物/製品が特許法上の先行技術であることを認めるものとみなされるべきではない。例えば、説明された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十分早期でない可能性があり、時間的に十分早期に開発された主題を反映していない可能性があり、および/または特許法の目的に対して先行技術に相当するほど、十分に有効ではない可能性がある。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術セクションの説明および/または出願全体を通して上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、高出力の関節鏡発光体を冷却するための外科手術光源システムを対象とする。一態様によれば、本発明は外科手術光源システムである。外科手術光源システムは、近位端および遠位端を有するハウジングを含み、菅が近位端に接続されている。システムはまた、遠隔電源に接続されたハウジングの遠位端に光源を含む。システムは、ハウジング内の光源の周りに延びる複数のフィンと、管に接続された遠隔ファンとを有する。遠隔ファンは、フィンを横切って空気を引き出すように適合され、ハウジング内にヒートシンクを形成する。
【0007】
当然のことながら、以下でより詳細に考察した前述の概念および追加的概念のすべての組み合わせは(そのような概念は互いに矛盾していないとすると)、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。特に、本開示の最後に現れる請求項に記載された主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。また、参照により組み込まれる任意の開示においても現れ得る、本明細書において明示的に用いられる用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味と一致するものを理解されるべきである。
【0008】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり、解明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の一般的な実施形態のみを図示しており、開示された主題についてはその範囲を限定するものではなく、その他の同様に有効な実施形態を認めてもよい。ここで添付図面を簡単に参照する。
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態による外科手術光源システムの側面断面概略図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、外科手術光源システムの覆われていない遠位端の正面概略図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、外科手術光源システムの覆われている遠位端の正面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部品を参照するが、
図1に、一実施形態による外科手術光源システム10の側面断面概略図が示されている。外科手術光源システム10の遠位端16は、(本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべきであるように、任意の従来の手段によって)
図4に示すような従来の関節鏡1に取り付けるように構成されている。システム10は、近位端14および遠位端16を含み、ハウジング12は遠位端16にある。好ましい実施形態では、ハウジング12は軽量プラスチックシェルから形成されている。例えば、ハウジング12は、
図1に示されるような円形または円筒形シェルである。ハウジング12は、任意の関節鏡の遠位端の近くに取り付けるように構成されている。
【0012】
ここで
図2を参照すると、一実施形態による、外科手術光源システム10の覆われていない遠位端16の正面概略図が示されている。システム10の遠位端16は、光源18(すなわち、レンズ)を含む。図示した実施形態では、光源18は円形LEDライトである。具体的には、光源18は、システム10の遠位端16上に取り付けられたCOB(チップオンボード)LEDライトである。16の遠位端は、ハウジング12に嵌合され接合されたユニバーサル光学コネクタである(本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべきである)。
図2に示すように、システム10の遠位端16は、放射状にフィンのある陽極酸化アルミニウムヒートシンク20を追加的に備える。放射状にフィンのあるヒートシンク20は、ハウジング12内の複数の冷却フィン22によって作り出される。図示した実施形態では、冷却フィン22は、光源22の周りに半径方向に延びる。
図1に示すように、冷却フィン22の各々は、システム10の長さを通して延びる中央長手方向軸y-yと平行または実質的に整列した平面中に延びる。放射状にフィンのあるヒートシンク20の冷却機能は、以下で詳細に説明される。
【0013】
ここで
図3を参照すると、一実施形態による、外科手術光源システム10の覆われた遠位端16の正面概略図が示されている。使用時に、システム10の遠位端16は、キャップ24または他の類似のカバーを含む。キャップ24は
図3に示されており、
図2の光源18および放射状の冷却フィン22の上に延びる。図示した実施形態では、キャップ24は、円形の中央開口26を備える。開口26は、光源18の周りに延びるようにサイズ設定され、構成されている。一実施形態では、中央開口26は、キャップ24が光源18によって放射される光を覆い隠さないように、実質的に光源18と整列している。
【0014】
さらに
図3を参照すると、キャップ24はまた、複数の冷却通気孔28を備える。図示した実施形態では、冷却通気孔28は、キャップ24を通って延びるスロットである。また示されるように、冷却通気孔24は、円形の中央開口26の周りに半径方向に延びる。
図3の冷却通気孔28は、中央開口26とキャップ24の外周30の間に複数の冷却通気孔28があるように同心パターンで配置されている。冷却通気孔28は、以下で詳細に説明するように、空気が放射状にフィンのあるヒートシンク20へ流れることを可能にする。
【0015】
図1を再び参照すると、ハウジング12は管32に接続されている。図示した実施形態では、管32は一本のポリエチレン管である。管32は、ハウジング12に接続された遠位端34と、ファン38に接続された近位端36とを有する。好ましい実施形態では、ファン38は、外科手術処置の間、ファン38が外科手術部位から少し離れて(すなわち、患者および外科医から少し離れて)位置するように、管32の近位端36に遠く離れて取り付けられる。
【0016】
使用中、ファン38は、
図1に示されるように、空気をハウジング12から離れて近位に引きかつ引き出すように働く。そうすることで、環境からの冷たい空気が、キャップ24の冷却通気孔28を通して引き出される。ファン38は、ハウジング12を通して、放射状の冷却フィン22(放射状のフィン付きヒートシンク20)を横切って、冷たい空気を引き出し続ける。次に、図示するように、空気は管32を通してファン38に引き出され、そこでシステム10から排出される。
【0017】
さらに
図1を参照すると、光源18(および一部の実施形態では、ファン38)は、遠隔電源40によって電力供給される。図示した実施形態では、電源40は電力線42に接続されている。具体的には、電力線42は、システム10の電源40でポゴピンコネクタ(図示せず)に取り付けられる。電力線42は、管32を通って光源18に延びる。
図1に言及および示されるように、電源40は、ハウジング12から取り外されるように、遠隔電源である。遠隔電源40は、遠隔電源キューブ、コンソール、または鏡ディスプレイとすることができる。
【0018】
電源40は、光源18に電力を供給するだけでなく、光源18の照度を調整する手段を提供する。特に、光源18の照度は、電源40からの出力電流を変化させることによって調整可能である。ファン38および電源40は、
図1に示されるように、外科手術部位から離れた共有ハウジング44内に収容されうる。共有ハウジング44は、ファン38によって管32から引き出される空気を排出するための通気孔46または他の類似の要素を有してもよい。
【0019】
従って、システム10は、遠位高出力光源18に通電し、冷却のための管理された気流経路を可能にする、遠く離れて位置する電源40を有する。これにより、光源18でシステム10を積極的に冷却することに関連する機械的課題が軽減される。さらに、遠隔ファン38および電源40を有することは、システム10の遠位端16での重量を減少させ、輝度を著しく増加させる。本システム10では、光源18は、関節鏡の数ミリメートル以内であってもよく、従来、関節鏡で使用される光ファイバーライトガイドの照度損失および色収差をなくす。本発明のシステム10は、光ファイバーライトガイドの必要性に取って代わるものであり、これはまた、複数のクリーニングおよび滅菌サイクルにわたって、摩耗、進行性のファイバー破損、およびファイバー端面の劣化の懸念を軽減する。本システム10は、ほぼ完全に使い捨てとなるように製造されうる。ハウジング12(および構成要素)および管32は、ポリエーテルエーテルケトンまたは類似の耐熱性プラスチックから構成されることができ、簡単に交換できる。
【0020】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部におけるさまざまな変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。