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特許7383720画像成分予測方法、エンコーダ、デコーダ及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】画像成分予測方法、エンコーダ、デコーダ及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/593 20140101AFI20231113BHJP
   H04N 19/186 20140101ALI20231113BHJP
   H04N 19/105 20140101ALI20231113BHJP
   H04N 19/14 20140101ALI20231113BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20231113BHJP
【FI】
H04N19/593
H04N19/186
H04N19/105
H04N19/14
H04N19/176
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021551793
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2019113771
(87)【国際公開番号】W WO2020186763
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】62/819,851
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】フオ、チュンイェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シューアイ
(72)【発明者】
【氏名】マー、イェンチュオ
【審査官】久保 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9462273(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0077426(US,A1)
【文献】Junyan Huo, et al.,"CE3-related: Fixed Reference Samples Design for CCLM",JVET-M0211,version 3,[online], Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2019年01月10日,Pages 1-6,[令和4年8月25日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=5018> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/13_Marrakech/wg11/JVET-M0211-v3.zip>.
【文献】Adarsh K. Ramasubramonian, et al.,"CE3: On MMLM (Test 2.1)",JVET-M0097,version 1,[online], Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2019年01月03日,Pages 1-4,[令和4年8月26日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=4902> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/13_Marrakech/wg11/JVET-M0097-v1.zip>.
【文献】Sheng-Po Wang, et al.,"Non-CE3: Adaptive multiple cross-component linear model",JVET-K0536,version 1,[online], Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2018年07月14日,Pages 1-3,[令和4年8月26日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=4066> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/11_Ljubljana/wg11/JVET-K0536-v1.zip>.
【文献】Adarsh K. Ramasubramonian,"Cross-check of JVET-K0204: On cross-component linear model simplification",JVET-K0512,version 2,[online], Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2018年07月16日,Pages 1-4,[令和4年8月25日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=4042> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/11_Ljubljana/wg11/JVET-K0512-v2.zip>.
【文献】Xiang Ma, et al.,"CE3: CCLM/MDLM using simplified coefficients derivation method (Test 5.6.1, 5.6.2 and 5.6.3)",JVET-L0340,version 5,[online], Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2018年10月23日,Pages 1-6,[令和4年5月17日検索], インターネット, <URL: http://phenix.it-sudparis.eu/jvet/doc_end_user/current_document.php?id=4437> and <URL: http://phenix.it-sudparis.eu/jvet/doc_end_user/documents/12_Macao/wg11/JVET-L0340-v5.zip>.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N19/00-19/98
CSDB(日本国特許庁)
学術文献等データベース(日本国特許庁)
IEEEXplore(IEEE)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダに適用される画像成分予測方法であって、
画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することと、
前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれることと、
前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数であることと、を含み、
前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、前記現在ブロックの上行と右上行に隣接する参照画素又は前記現在ブロックの左列と左下列に隣接する参照画素を取得し、取得された参照画素に基づいて前記隣接参照画素を取得することを含み、
前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて候補画素の候補位置を決定することと、
前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成することと、を含み、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定することを含む画像成分予測方法。
【請求項2】
前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、
前記現在ブロックの上行と左列に隣接する参照画素を取得することと、
取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
デコーダに適用される画像成分予測方法であって、
画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することと、
前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれることと、
前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数であることと、を含み、
前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、前記現在ブロックの上行と右上行に隣接する参照画素又は前記現在ブロックの左列と左下列に隣接する参照画素を取得し、取得された参照画素に基づいて前記隣接参照画素を取得することを含み、
前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて候補画素の候補位置を決定することと、
前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成することと、を含み、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定することを含む画像成分予測方法。
【請求項4】
前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、
前記現在ブロックの上行と左列に隣接する参照画素を取得することと、
取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得することと、を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
エンコーダであって、第1決定ユニット、第1構築ユニット及び第1計算ユニットを備え、
前記第1決定ユニットは、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、前記現在ブロックの上行と右上行に隣接する参照画素又は前記現在ブロックの左列と左下列に隣接する参照画素を取得し、取得された参照画素に基づいて前記隣接参照画素を取得することを含み、
前記第1構築ユニットは、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築することは、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて候補画素の候補位置を決定することと、前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成することと、を含み、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定することを含み、
前記第1計算ユニットは、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である、エンコーダ。
【請求項6】
デコーダであって、第2決定ユニット、第2構築ユニット及び第2計算ユニットを備え、
前記第2決定ユニットは、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、前記現在ブロックの上行と右上行に隣接する参照画素又は前記現在ブロックの左列と左下列に隣接する参照画素を取得し、取得された参照画素に基づいて前記隣接参照画素を取得することを含み、
前記第2構築ユニットは、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、
前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築することは、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて候補画素の候補位置を決定することと、前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成することと、を含み、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定することを含み、
前記第2計算ユニットは、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である、デコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は画像処理技術分野に関し、特に画像成分予測方法、エンコーダ、デコーダ及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ表示品質への要件が高まるにつれて、高精細及び超高精細ビデオ等の新たなビデオ応用形態が現れた。H.265/高効率ビデオ符号化(HEVC、High Efficiency Video Coding)はビデオ応用の迅速な発展の要件を満足することができないため、共同ビデオ調査チーム(JVET、Joint Video Exploration Team)は次世代のビデオ符号化標準H.266/多用途ビデオ符号化(VVC、Versatile Video Coding)を提案し、その対応のテストモデルがVVCの参照ソフトウェアテストモデル(VTM、VVC Test Model)である。
【0003】
現在、VTMには予測モデルに基づく画像成分予測方法が統合されており、予測モデルによって、現在の符号化ブロックの輝度成分に基づいて色度成分を予測することができる。しかしながら、予測モデルの構築過程において、特に予測モデルが非線形モデル又はマルチモデルである(例えば、複数の線形モデルからなる)場合、現在、モデルパラメータを導出するためのサンプルポイントの数が比較的多く、計算複雑性及びメモリ帯域幅が比較的高いとともに、これらのサンプルポイントに異常のサンプルポイントが存在する可能性があるため、予測モデルの構築は正確ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は画像成分予測方法、エンコーダ、デコーダ及び記憶媒体を提供する。隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させることにより、計算複雑性を低減することができるだけではなく、予測モデルの精度を向上させることもでき、それにより処理対象画像成分の予測正確度を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例の技術案は以下のように実現されてもよい。
【0006】
第1態様では、本願の実施例は画像成分予測方法を提供し、エンコーダ又はデコーダに適用され、該方法は、
画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することと、
前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれることと、
前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数であることと、を含む。
【0007】
第2態様では、本願の実施例は画像成分予測方法を提供し、エンコーダ又はデコーダに適用され、該方法は、
画像における現在ブロックの第1画像成分の第1参照画素セットを決定し、前記第1参照画素セットには前記現在ブロックに隣接する画素が含まれることと、
第1参照画素セットを利用してN個の第1参照画素サブセットを構築し、前記第1参照画素サブセットに前記第1参照画素セットにおける一部の画素が含まれ、Nが予測モデルの数に等しいことと、
前記N個の第1参照画素サブセットを利用して、それぞれN個の予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルは前記現在ブロックの第1画像成分値を前記現在ブロックの第2画像成分の予測値にマッピングすることに用いられ、前記第2画像成分が前記第1画像成分と異なることと、を含む。
【0008】
第3態様では、本願の実施例はエンコーダを提供し、該エンコーダは第1決定ユニット、第1構築ユニット及び第1計算ユニットを備え、
第1決定ユニットは、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、
第1構築ユニットは、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、
第1計算ユニットは、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。
【0009】
第4態様では、本願の実施例はエンコーダを提供し、該エンコーダは第1メモリ及び第1プロセッサを備え、
第1メモリは、前記第1プロセッサにおいて実行され得るコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、
第1プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するとき、第1態様又は第2態様に記載の方法を実行することに用いられる。
【0010】
第5態様では、本願の実施例はデコーダを提供し、該デコーダは第2決定ユニット、第2構築ユニット及び第2計算ユニットを備え、
第2決定ユニットは、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、
第2構築ユニットは、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、
第2計算ユニットは、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。
【0011】
第6態様では、本願の実施例はデコーダを提供し、該デコーダは第2メモリ及び第2プロセッサを備え、
第2メモリは、前記第2プロセッサにおいて実行され得るコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、
第2プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するとき、第1態様又は第2態様に記載の方法を実行することに用いられる。
【0012】
第7態様では、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供し、該コンピュータ記憶媒体に画像成分予測プログラムが記憶され、画像成分予測プログラムが第1プロセッサ又は第2プロセッサにより実行されるとき、第1態様又は第2態様に記載の方法を実現する。
【発明の効果】
【0013】
本願の実施例は画像成分予測方法、エンコーダ、デコーダ及び記憶媒体を提供し、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定し、隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。このように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。また、少なくとも2つの予測サブモデルにより処理対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことにより、処理対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本願の実施例に係るビデオ符号化システムの模式的な構成ブロック図である。
図2図2は本願の実施例に係るビデオ復号化システムの模式的な構成ブロック図である。
図3図3は本願の実施例に係る画像成分予測方法の模式的なフローチャートである。
図4図4は本願の実施例に係る現在ブロックの上側辺に隣接する参照画素サブセットを選択する構造模式図である。
図5図5は本願の実施例に係る他の現在ブロックの上側辺に隣接する参照画素サブセットを選択する構造模式図である。
図6図6は本願の実施例に係る符号化ブロックの隣接参照画素点をグループ分けする模式図である。
図7図7は本願の実施例に係る他の画像成分予測方法の模式的なフローチャートである。
図8図8は本願の実施例に係るエンコーダの構成模式図である。
図9図9は本願の実施例に係るエンコーダの具体的なハードウェアの構造模式図である。
図10図10は本願の実施例に係るデコーダの構成模式図である。
図11図11は本願の実施例に係るデコーダの具体的なハードウェアの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の実施例の特徴及び技術的内容を更に詳しく理解するために、以下に図面を参照しながら本願の実施例の実現を詳しく説明する。添付の図面は参照・説明のためのものに過ぎず、本願の実施例を制限するためのものではない。
【0016】
ビデオ画像において、一般的に第1画像成分、第2画像成分及び第3画像成分で符号化ブロック(CB、Coding Block)を示す。この3つの画像成分はそれぞれ輝度成分、青色色度成分及び赤色色度成分である。具体的に、輝度成分は一般的に符号Yで示され、青色色度成分は一般的に符号Cb又はUで示され、赤色色度成分は一般的に符号Cr又はVで示される。そうすると、ビデオ画像はYCbCrフォーマットで示されてもよく、YUVフォーマットで示されてもよい。
【0017】
本願の実施例では、第1画像成分は輝度成分であってもよく、第2画像成分は青色色度成分であってもよく、第3画像成分は赤色色度成分であってもよいが、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0018】
次世代のビデオ符号化標準H.266において、符号化性能及び符号化効率を更に向上させるために、成分間予測(CCP、Cross-component Prediction)に対して拡張改善を行い、クロスコンポーネント線形モデル予測(CCLM、Cross-component Linear Model Prediction)を提案する。H.266において、CCLMは第1画像成分から第2画像成分までの予測を実現することができるだけではなく、第1画像成分から第3画像成分まで又は第3画像成分から第1画像成分までの予測を実現することもでき、ひいては第2画像成分から第3画像成分まで又は第3画像成分から第2画像成分までの予測を実現することもできる。以下、第1画像成分から第2画像成分までの予測を例として説明するが、本願の実施例の技術案は同様に他の画像成分の予測に適用できる。
【0019】
VTMにおいて、現在、2つのCCLMの予測モデル、即ちシングルモデルCCLMの予測モデル、MMLMの予測モデルとも称されるマルチモデルCCLM(MMLM、Multiple Model CCLM)の予測モデルがある。その名の示すとおり、シングルモデルCCLMの予測モデルは1つのみの予測モデルにより第1画像成分から第2画像成分までの予測を実現するが、MMLMの予測モデルは複数の予測モデルにより共同で第1画像成分から第2画像成分までの予測を実現する。例えば、MMLMの予測モデルにおいて、符号化ブロックに隣接する参照画素点により隣接参照画素セットを構成し、且つ隣接参照画素セットを2組に分け、各組はいずれも独立して予測モデルのモデルパラメータを導出する訓練セットとされてもよく、即ち各組はいずれも1組のモデルパラメータα及びβを導出することができる。
【0020】
MMLMの予測モデルのうちの各予測モデルが使用するモデルパラメータの正確度を確保するために、モデルパラメータを導出するために構築された参照画素セットをより正確にする必要がある。これに基づいて、本願の実施例は画像成分予測方法を提供し、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定し、隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、更に、隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。このように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。また、少なくとも2つの予測サブモデルにより処理対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことにより、処理対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
【0021】
以下、図面を参照しながら本願の各実施例を詳しく説明する。
【0022】
図1には本願の実施例に係るビデオ符号化システムの構成ブロック図の例を示す。図1に示すように、該ビデオ符号化システム100は、変換及び量子化ユニット101、イントラ推定ユニット102、イントラ予測ユニット103、動き補償ユニット104、動き推定ユニット105、逆変換及び逆量子化ユニット106、フィルタ制御分析ユニット107、フィルタリングユニット108、符号化ユニット109及び復号化画像キャッシュユニット110等を備える。フィルタリングユニット108はデブロッキングフィルタリング及びサンプル適応オフセット(SAO、Sample Adaptive Offset)フィルタリングを実現することができ、符号化ユニット109はヘッダ情報符号化及びコンテキストベースの適応2値算術符号化(CABAC、Context-based Adaptive Binary Arithmatic Coding)を実現することができる。入力されたオリジナルビデオ信号に対して、符号化ツリーユニット(CTU、Coding Tree Unit)の分割によって1つのビデオ符号化ブロックを取得することができ、次に、イントラ又はインター予測後に取得された残差画素情報に対して、変換及び量子化ユニット101により該ビデオ符号化ブロックを変換し、該変換は残差情報を画素フィールドから変換フィールドに変換して、取得された変換係数を量子化して、ビットレートを更に減少させることを含む。イントラ推定ユニット102及びイントラ予測ユニット103は該ビデオ符号化ブロックに対してイントラ予測を行うことに用いられる。明らかに、イントラ推定ユニット102及びイントラ予測ユニット103は、該ビデオ符号化ブロックを符号化するためのイントラ予測モデルを決定することに用いられる。時間予測情報を提供するために、動き補償ユニット104及び動き推定ユニット105は、1つ又は複数の参照フレームにおける1つ又は複数のブロックに対する受信されたビデオ符号化ブロックのインター予測符号化を実行することに用いられる。動き推定ユニット105により実行される動き推定は動きベクトルの生成過程であり、前記動きベクトルは該ビデオ符号化ブロックの動きを推定することができ、次に、動き補償ユニット104は動き推定ユニット105により決定された動きベクトルに基づいて動き補償を実行する。イントラ予測モデルを決定した後、イントラ予測ユニット103は更に、選択されたイントラ予測データを符号化ユニット109に提供することに用いられ、且つ動き推定ユニット105は計算して決定された動きベクトルデータも符号化ユニット109に送信する。また、逆変換及び逆量子化ユニット106は該ビデオ符号化ブロックの再構築に使用され、画素フィールドにおいて残差ブロックを再構築し、該再構築された残差ブロックはフィルタ制御分析ユニット107及びフィルタリングユニット108によりブロッキング効果アーティファクトを除去し、次に、該再構築された残差ブロックを復号化画像キャッシュユニット110のフレームにおける1つの予測性ブロックに追加して、再構築されたビデオ符号化ブロックを生成することに用いられる。符号化ユニット109は様々な符号化パラメータ及び量子化後の変換係数を符号化することに用いられる。CABACに基づく符号化アルゴリズムにおいて、コンテキストコンテンツは隣接符号化ブロックに基づくものであってもよく、決定されたイントラ予測モデルを示す情報を符号化して、該ビデオ信号のビットストリームを出力することに用いられてもよい。復号化画像キャッシュユニット110は再構築されたビデオ符号化ブロックを記憶して、予測参照に使用することに用いられる。ビデオ画像が符号化されるにつれて、新しい再構築されたビデオ符号化ブロックを絶えず生成することとなり、これらの再構築されたビデオ符号化ブロックはいずれも復号化画像キャッシュユニット110に記憶される。
【0023】
図2には本願の実施例に係るビデオ復号化システムの構成ブロック図の例を示す。図2に示すように、該ビデオ復号化システム200は、復号化ユニット201、逆変換及び逆量子化ユニット202、イントラ予測ユニット203、動き補償ユニット204、フィルタリングユニット205及び復号化画像キャッシュユニット206等を備える。復号化ユニット201はヘッダ情報の復号化及びCABACの復号化を実現することができ、フィルタリングユニット205はデブロッキングフィルタリング及びSAOフィルタリングを実現することができる。入力されたビデオ信号が図1における符号化処理された後、該ビデオ信号のビットストリームが出力される。該ビットストリームはビデオ復号化システム200に入力され、まず、復号化後の変換係数を取得するために復号化ユニット201を通過し、画素フィールドにおいて残差ブロックを生成するように該変換係数に対して逆変換及び逆量子化ユニット202により処理される。イントラ予測ユニット203は、決定されたイントラ予測モデル及び現在フレーム又はピクチャからの、先に復号化ブロックを通過したデータに基づいて、現在ビデオ復号化ブロックの予測データを生成することに用いられてもよい。動き補償ユニット204は、動きベクトル及び他の関連文法要素を解析することにより、ビデオ復号化ブロックのための予測情報を決定し、且つ該予測情報を使用して復号化されているビデオ復号化ブロックの予測性ブロックを生成する。逆変換及び逆量子化ユニット202からの残差ブロックとイントラ予測ユニット203又は動き補償ユニット204により生成された対応の予測性ブロックとの和を求めることにより、復号化されたビデオブロックを形成する。ブロッキング効果アーティファクトを除去するように、該復号化されたビデオ信号はフィルタリングユニット205を通過し、ビデオ品質を改善することができる。次に、復号化されたビデオブロックを復号化画像キャッシュユニット206に記憶し、復号化画像キャッシュユニット206は、後続のイントラ予測又は動き補償のための参照画像を記憶するとともに、ビデオ信号の出力にも使用され、そうすると、復元されたオリジナルビデオ信号を取得する。
【0024】
本願の実施例の画像成分予測方法は、主に図1に示されるイントラ予測ユニット103部分及び図2に示されるイントラ予測ユニット203部分に適用され、具体的にイントラ予測におけるCCLM予測部分に適用される。即ち、本願の実施例の画像成分予測方法は、ビデオ符号化システムに適用でき、ビデオ復号化システムにも適用でき、ひいてはビデオ符号化システム及びビデオ復号化システムに同時に適用できるが、本願の実施例は具体的に制限しない。該方法がビデオ符号化システムにおけるイントラ予測ユニット103部分に適用される場合、「現在ブロック」とは具体的にイントラ予測における現在符号化ブロックを指すが、該方法がビデオ復号化システムにおけるイントラ予測ユニット203部分に適用される場合、「現在ブロック」とは具体的にイントラ予測における現在復号化ブロックを指す。
【0025】
上記図1又は図2の応用シーンの例に基づいて、図3には本願の実施例に係る画像成分予測方法の模式的なフローチャートを示す。図3に示すように、該方法は以下を含んでもよい。
【0026】
S301、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定する。
【0027】
なお、ビデオ画像は複数の画像ブロックに分割されてもよく、各現在に符号化を待つ画像ブロックは符号化ブロックと称されてもよい。各符号化ブロックは第1画像成分、第2画像成分及び第3画像成分を含んでもよいが、現在ブロックはビデオ画像における現在に第1画像成分、第2画像成分又は第3画像成分を予測することを待つ符号化ブロックである。予測モデルにより第1画像成分を予測する必要がある場合、予測対象画像成分は第1画像成分であり、予測モデルにより第2画像成分を予測する必要がある場合、予測対象画像成分は第2画像成分であり、予測モデルにより第3画像成分を予測する必要がある場合、予測対象画像成分は第3画像成分である。
【0028】
更に、左側隣接領域、左下側隣接領域、上側隣接領域及び右上側隣接領域がいずれも有効領域である場合、隣接参照画素は現在ブロックの左側隣接領域及び上側隣接領域における隣接参照画素点で構成されてもよく、現在ブロックの左側隣接領域及び左下側隣接領域における隣接参照画素点で構成されてもよく、現在ブロックの上側隣接領域及び右上側隣接領域における隣接参照画素点で構成されてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0029】
いくつかの実施例では、選択肢として、S301にとって、前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素を取得し、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺は上行、右上行、左列及び左下列のうちの少なくとも1つを含むことと、
取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得することと、を含んでもよい。
【0030】
なお、現在ブロックの少なくとも1つの辺は、上行(上側辺と称されてもよい)、右上行(右上側辺と称されてもよい)、左列(左側辺と称されてもよい)又は左下列(左下側辺と称されてもよい)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0031】
選択肢として、いくつかの実施例では、現在ブロックの少なくとも1つの辺が左側辺及び/又は上側辺である場合、S301にとって、前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素点を取得し、前記少なくとも1つの辺が前記現在ブロックの左側辺及び/又は前記現在ブロックの上側辺を含むことと、
取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得することと、を含んでもよい。
【0032】
なお、現在ブロックの少なくとも1つの辺は、現在ブロックの左側辺及び/又は現在ブロックの上側辺を含んでもよい。即ち、現在ブロックの少なくとも1つの辺とは、現在ブロックの上側辺を指してもよく、現在ブロックの左側辺を指してもよく、ひいては現在ブロックの上側辺及び左側辺を指してもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0033】
このように、左側隣接領域及び上側隣接領域がいずれも有効領域である場合、隣接参照画素は現在ブロックの左側辺に隣接する参照画素点及び現在ブロックの上側辺に隣接する参照画素点で構成されてもよい。左側隣接領域が有効領域であるが、上側隣接領域が無効領域である場合、隣接参照画素は現在ブロックの左側辺に隣接する参照画素点で構成されてもよい。左側隣接領域が無効領域であるが、上側隣接領域が有効領域である場合、隣接参照画素は現在ブロックの上側辺に隣接する参照画素点で構成されてもよい。
【0034】
選択肢として、現在ブロックの少なくとも1つの辺が左側辺と左下側辺からなる隣接列、及び/又は上側辺と右上側辺からなる隣接行である場合、S301にとって、前記画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することは、
前記現在ブロックに隣接する参照行又は参照列の参照画素点を取得し、前記参照行が前記現在ブロックの上側辺及び右上側辺に隣接する行で構成され、前記参照列が前記現在ブロックの左側辺及び左下側辺に隣接する列で構成されることと、
取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得することと、を含んでもよい。
【0035】
なお、現在ブロックに隣接する参照行は、前記現在ブロックの上側辺及び右上側辺に隣接する行で構成されてもよく、現在ブロックに隣接する参照列は、前記現在ブロックの左側辺及び左下側辺に隣接する列で構成されてもよい。現在ブロックに隣接する参照行又は参照列とは、現在ブロックの上側辺に隣接する参照行を指してもよく、現在ブロックの左側辺に隣接する参照列を指してもよく、ひいては現在ブロックの他の辺に隣接する参照行又は参照列を指してもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。説明の都合上、本願の実施例では、現在ブロックに隣接する参照行は上側辺に隣接する参照行を例として説明され、現在ブロックに隣接する参照列は左側辺に隣接する参照列を例として説明される。
【0036】
現在ブロックに隣接する参照行の参照画素点は、上側辺及び右上側辺に隣接する参照画素点(上側辺及び右上側辺に対応する隣接参照画素点とも称される)を含んでもよい。上側辺は現在ブロックの上側辺を示し、右上側辺は、現在ブロックの上側辺より右向きに水平に拡張された現在ブロックの高さと同じ辺長を示す。現在ブロックに隣接する参照列の参照画素点は、左側辺及び左下側辺に隣接する参照画素点(左側辺及び左下側辺に対応する隣接参照画素点とも称される)を更に含んでもよい。左側辺は現在ブロックの左側辺を示し、左下側辺は、現在ブロックの左側辺より下向きに垂直に拡張された現在復号化ブロックの幅と同じ辺長を示す。本願の実施例は具体的に制限しない。
【0037】
このように、左側隣接領域及び左下側隣接領域が有効領域である場合、隣接参照画素は現在ブロックに隣接する参照列の参照画素点で構成されてもよい。上側隣接領域及び右上側隣接領域が有効領域である場合、隣接参照画素は現在ブロックに隣接する参照行の参照画素点で構成されてもよい。
【0038】
S302、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれる。
【0039】
なお、隣接参照画素は現在の関連技術案において予測モデルを構築するための対応の参照画素である。一般的に、ビデオ符号化システムがビデオ復号化システムにモデルパラメータを伝送することを回避するために、現在ブロックの上側辺、右上側辺、左側辺、左下側辺等の4つの辺のうちの1つ又は複数の辺に隣接する参照画素点を利用して隣接参照画素を構成して、モデルパラメータを導出することができる。ところが、こんなたくさんの参照画素点をサンプルポイントとして利用してマルチモデルを構築する複雑性は比較的高く、且つ異常値を有するいくつかの参照画素点は予測モデルの品質を低減してしまう。
【0040】
即ち、該隣接参照画素には、一部の重要ではない参照画素点(例えば、これらの参照画素点の関連性が比較的低い)又は一部の異常の参照画素点が存在する可能性がある。モデルパラメータを導出する正確度を確保するために、これらの参照画素点を除去する必要があり、それにより隣接参照画素サブセットを取得する。そうすると、隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルの正確度を確保して、処理対象画像成分の予測効率を高くすることができる。
【0041】
隣接参照画素サブセットに所定数の参照画素点が含まれる。ここで、所定数はN個であってもよく、Nが1より大きな正の整数である。実際の応用では、Nの値は4つあってもよいが、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0042】
いくつかの実施例では、S302にとって、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することと、
前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成することと、を含んでもよい。
【0043】
更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置に基づいて、前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0044】
更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0045】
更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0046】
なお、画像成分強度は画像成分値、例えば輝度値、色度値等で示されてもよい。ここで、画像成分値が大きければ大きいほど、画像成分強度が高くなると説明される。本願の実施例の選択された参照画素は候補画素の候補位置によって選択されてもよい。候補位置は画素位置によって決定されてもよく、画像成分強度値(例えば、輝度値、色度値等)によって決定されてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0047】
S303、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。
【0048】
なお、隣接参照画素サブセットに基づいて複数組のモデルパラメータを算出することができ、各組のモデルパラメータに基づいて1つの予測サブモデルを構築することができる。そうすると、N組のモデルパラメータを算出した場合、N個の予測サブモデルを取得することができる。
【0049】
更に、予測モデルは非線形モデル又は複雑モデルであってもよい。複雑モデルは二次曲線等の非線形形式の非線形モデルであってもよく、複数の線形モデルからなるマルチモデルであってもよい。そうすると、複雑モデルについては、隣接参照画素サブセットから重要ではない参照画素点又は一部の異常の参照画素点を除去したため、隣接参照画素サブセットに基づいて決定したN組のモデルパラメータをより正確にし、それにより複雑モデルの精度を向上させ、且つ処理対象画像成分の予測正確度を向上させる。
【0050】
本実施例は画像成分予測方法を提供し、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定し、隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。このように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。また、少なくとも2つの予測サブモデルにより処理対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことにより、処理対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
【0051】
更に、取得された隣接参照画素にはいくつかの重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点が存在する可能性があり、これらの参照画素点はモデルパラメータの計算に影響し、それにより予測モデルの正確度に影響する。このとき、隣接参照画素から一部の参照画素点を選択して隣接参照画素サブセットを構成し、該隣接参照画素サブセットに基づいてモデルパラメータを計算することができる。
【0052】
なお、本願の実施例の選択された一部の参照画素点は、参照画素に対応する画素位置によって選択されてもよく、参照画素に対応する画像成分強度値(例えば、輝度値、色度値等)によって選択されてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。参照画素に対応する画素位置それとも参照画素に対応する画像成分強度値によって隣接参照画素を選別するかにかかわらず、いずれも適切な参照画素点を選択し、更に隣接参照画素サブセットを構成する。そうすると、隣接参照画素サブセットに基づいて導出したモデルパラメータがより正確であり、該モデルパラメータに基づいて構築した予測モデルをより正確にする。
【0053】
いくつかの実施例では、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
所定の候補画素数を決定し、前記所定の候補画素数は前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素からサンプリングされた画素数を示すことと、
前記所定の候補画素数及び前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定し、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さは前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に含まれる画素数に等しいことと、を含んでもよい。
【0054】
なお、所定の候補画素数は予め設定されたサンプリング対象の画素点の個数、即ち隣接参照画素サブセットに含まれる画素の個数を示す。画素位置を例として、所定の候補画素数を決定した後、少なくとも1つの辺の辺長及び所定の候補画素数に基づいて候補画素の候補位置を算出することができ、次に、候補位置に基づいて、隣接参照画素から適切な参照画素点を選択して隣接参照画素サブセットを構成する。そうすると、隣接参照画素サブセットに基づいて計算したモデルパラメータがより正確であり、それにより構築された予測モデルもより正確であり、更に予測対象画像成分の予測正確度を向上させ、ビデオ画像の予測効率を向上させる。
【0055】
更に、候補位置の決定については、まず、第1サンプリング間隔を計算し、次に、第1サンプリング間隔に基づいて該少なくとも1つの辺をサンプリング処理して、該少なくとも1つの辺に対応する候補画素の候補位置を決定してもよい。従って、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記所定の候補画素数及び前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1サンプリング間隔を計算することと、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1サンプリング間隔に応じて前記候補位置を決定することと、を含んでもよい。
【0056】
なお、基準点は前記少なくとも1つの辺の中点であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中点より左の1番目の参照画素点位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中点より右の第1参照画素点位置であってもよく、ひいては前記少なくとも1つの辺の他の参照画素点位置であってもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0057】
具体的に、前記少なくとも1つの辺の長さに基づいて前記少なくとも1つの辺の中点を決定し、次に、前記少なくとも1つの辺の中点を前記基準点とすることができる。基準点は前記少なくとも1つの辺の中点であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中点より左の1番目の参照画素点位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中点より右の第1参照画素点位置であってもよく、ひいては前記少なくとも1つの辺の他の参照画素点位置であってもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0058】
なお、現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素点の重要性がその対応の位置に関連することを考慮して、隣接参照画素サブセットにおける参照画素点に隣接辺全体の特性を代表させるために、該辺の中心位置に位置する参照画素点をできる限り選択する必要があり、それにより重要性の比較的低い点(例えば、該辺の両側縁の参照画素点)を除去する。本願の実施例では、現在ブロックの上側辺を例として説明すれば、中間位置より右又は左の1番目の参照画素点位置を該辺の基準点としてもよく、現在ブロックの左側辺を例として説明すれば、中間位置より下又は上の1番目の参照画素点位置を該辺の基準点としてもよい。
【0059】
これ以外に、基準点を決定する前に更に、まず、現在ブロックの1つの辺の終了位置に対応する所定数の参照画素点を除去し、又は、該辺に対して終了位置から所定のオフセット量に基づいて初期オフセットを行って、オフセット後の参照画素点位置を開始点として、新たな辺を取得し、次に、新たな辺に対応する中間位置を基準点とすることができる。それに対応して、まず、現在ブロックの1つの辺の開始位置に対応する所定数の参照画素点を除去し、又は、該辺に対して開始位置から所定のオフセット量に基づいて初期オフセットを行って、オフセット後の参照画素点位置を開始点として、新たな辺を取得し、次に、新たな辺に対応する中間位置を基準点とすることができる。
【0060】
実際の応用では、現在ブロックの左側辺又は上側辺の辺長がいずれも2の整数倍であるため、現在ブロックの左側辺又は上側辺の中間位置はいずれも2つの点の間に位置する。図4の例では、中間位置より左の1番目の画素点を該辺の中点とするが、本願の実施例では、図5に示すように、中間位置より右の1番目の画素点を該辺の中点としてもよい。図4では、中間位置より左の1番目の画素点(例えば、図4における3)を該辺の中点とし、所定のサンプリング個数が2であるため、選択対象の参照画素点位置(例えば、図4における灰色点の例)を1及び5として決定することができ、これらの参照画素点位置に基づいて対応の参照画素点を選択することもでき、これらにより隣接参照画素サブセットを構成する。従って、本願の実施例では、現在ブロックの上側辺については、中間位置より右の1番目の画素点を該辺の中点としてもよく、中間位置より左の1番目の画素点を該辺の中点としてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。また、現在ブロックの左側辺については、中間位置より下の1番目の画素点を該辺の中点としてもよく、中間位置より上の1番目の画素点を該辺の中点としてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0061】
特に説明しない限り、以下に現在ブロックの上側辺を例として説明するが、本願の実施例の画像成分予測方法は同様に現在ブロックの左側辺、ひいては再設定ブロックの右側辺又は再設定ブロックの下側辺に適用され、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0062】
【0063】
【0064】
更に、所定の候補画素数及び現在ブロックの1つの辺の長さに基づいて、該辺に対応する第1サンプリング間隔を算出することができる。また、現在ブロックの左側辺又は上側辺の辺長がいずれも2の整数倍であるため、現在ブロックの左側辺又は上側辺の中間位置はいずれも2つの点の間に位置し、この場合、算出された中点値は非整数であり、算出された参照画素点位置も非整数である。ところが、現在ブロックの左側辺又は上側辺の辺長が2の整数倍ではない場合、現在ブロックの左側辺又は上側辺の中間位置は2つの点の間に位置せず、この場合、算出された中点値は整数であり、算出された参照画素点位置も整数であり、即ち、算出された中点値は整数であってもよく、非整数であってもよい。これに対応して、算出された参照画素点位置は整数であってもよく、非整数であってもよい。本願の実施例は具体的に制限しない。
【0065】
このように、算出された中点値が整数である場合、これに対応して、算出された参照画素点位置も整数であり、この場合、直接に算出された参照画素点位置を候補位置としてもよい。算出された中点値が非整数である場合、これに対応して、算出された参照画素点位置も非整数であり、この場合、端数を切り上げる又は端数を切り捨てることによって候補位置を決定することができる。
【0066】
更に、いくつかの実施例では、第1サンプリング間隔を計算した後、該方法は更に、
前記第1サンプリング間隔を調整して、第2サンプリング間隔を取得することと、
前記基準点に基づいて、前記第2サンプリング間隔に応じて前記候補位置を決定することと、を含んでもよい。
【0067】
なお、第1サンプリング間隔を算出した後、更に第1サンプリング間隔を微調整することができ、例えば、第1サンプリング間隔に1を加え、又は第1サンプリング間隔から1を引くことにより、第2サンプリング間隔を取得する。例えば、第1サンプリング間隔が4である場合、調整後の第2サンプリング間隔は3又は5であってもよい。本願の実施例では、第1サンプリング間隔の調整については、小幅(例えば、1を加え又は1を引く)の調整を行うことができるが、調整幅の具体的な設定については、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0068】
更に、いくつかの実施例では、第2サンプリング間隔を取得した後、該方法は更に、
前記基準点に基づいて、前記第1サンプリング間隔に応じて前記基準点の片側に対応する候補位置を決定し、前記第2サンプリング間隔に応じて前記基準点の他側に対応する候補位置を決定することを含んでもよい。
【0069】
即ち、現在ブロックの少なくとも1つの辺の基準点を決定した後、第1サンプリング間隔又は第2サンプリング間隔に応じて均一にサンプリングしてもよく、第1サンプリング間隔及び第2サンプリング間隔に応じて非均一にサンプリングしてもよい。且つサンプリング後に決定した候補位置は、基準点の両側に対称に分布してもよく、基準点の両側に非対称に分布してもよい。本願の実施例は具体的に制限しない。
【0070】
更に、隣接参照画素における現在ブロックの予測対象画像成分に比較的関連するのは少なくとも1つの辺の中間位置に位置する参照画素点であるため、該中間位置近傍の連続する所定のサンプリング個数の参照画素点位置を選択対象の参照画素点位置としてもよく、該方法は中間位置で連続的に点を取る方式と称されてもよい。具体的に、現在ブロックの上側辺又は左側辺に隣接する1行/1列の参照画素点位置に0から番号をつけると仮定すれば、本実施例における構成された隣接参照画素サブセットにおける隣接参照画素点の個数及び対応の選択対象の参照画素点位置は表1に示される。このとき、中間位置近傍の連続する所定のサンプリング個数の参照画素点位置を候補位置とし、これらにより隣接参照画素サブセットを構成することができる。
【0071】
【表1】
【0072】
更に、隣接参照画素の選別処理については、少なくとも1つの辺の参照画素点をスキップ処理することができ、即ち重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点をスキップして(削除処理として見なしてもよい)、隣接参照画素サブセットを取得する。これに基づいて、即ち少なくとも1つの辺の一部の参照画素点をスキップした後、残った参照画素点を選別処理して、隣接参照画素サブセットを取得してもよい。従って、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に対応する所定のスキップ画素数Kを決定し、Kが1以上の正の整数であることと、
前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は終了位置から、K個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定することと、
前記K個のスキップ対象画素点に対応する位置に基づいて、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は終了位置から、K個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、前記現在ブロックの少なくとも1つの新たな辺を取得することと、
前記現在ブロックの少なくとも1つの新たな辺及び前記所定の候補画素数に基づいて、前記候補位置を決定することと、を含んでもよい。
【0073】
なお、所定のスキップ画素数は、予め設定された削除対象又はスキップ対象の画素点の個数を示す。また、少なくとも1つの辺の開始位置は、現在ブロックの上側辺の最左縁位置又は現在ブロックの左側辺の最上縁位置を示し、少なくとも1つの辺の終了位置は、現在ブロックの上側辺の最右縁位置又は現在ブロックの左側辺の最下縁位置を示す。
【0074】
更に、Kの値は予め設定された参照画素点の個数、例えば1、2又は4等であってもよく、現在ブロックの辺長及びその対応の所定比率に基づいて算出したものであってもよいが、実際の応用では、依然として実際の状況に応じて設定され、本願の実施例は具体的に制限しない。現在ブロックの上側辺に対応する所定比率は第1所定比率で示されてもよく、現在ブロックの左側辺に対応する所定比率は第2所定比率で示されてもよく、第1所定比率及び第2所定比率の値は同じであってもよく、又は異なってもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0075】
このように、少なくとも1つの辺の開始位置から、少なくとも1つの辺が現在ブロックの上側辺(現在ブロックの参照行と称されてもよい)であると仮定すれば、少なくとも1つの辺の最左縁位置からK個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定することができ、少なくとも1つの辺が現在ブロックの左側辺(現在ブロックの参照列と称されてもよい)である場合、少なくとも1つの辺の最上縁位置からK個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定することができる。少なくとも1つの辺の終了位置から、少なくとも1つの辺が現在ブロックの上側辺であると仮定すれば、少なくとも1つの辺の最右縁位置から、K個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定することができ、少なくとも1つの辺が現在ブロックの左側辺である場合、少なくとも1つの辺の最下縁位置から、K個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定することができる。実際の応用では、実際の状況に応じて設定し、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0076】
K個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定した後、少なくとも1つの辺の開始位置から、少なくとも1つの辺が現在ブロックの上側辺であると仮定すれば、該上側辺の最左縁位置から右へ連続するK個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定し、次に、このK個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、新たな上側辺を取得することができる。このとき、新たな上側辺の辺長及び所定の候補画素数に基づいて該新たな上側辺に対応する候補位置を決定することができ、それにより選択された候補画素により隣接参照画素サブセットを構成する。少なくとも1つの辺が現在ブロックの左側辺である場合、該左側辺の最上縁位置から下へ連続するK個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定し、次に、このK個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、新たな左側辺を取得することができる。このとき、新たな左側辺の辺長及び所定の候補画素数に基づいて該新たな左側辺に対応する候補位置を決定することができ、それにより選択された候補画素により隣接参照画素サブセットを構成する。又は、少なくとも1つの辺の終了位置から、少なくとも1つの辺が現在ブロックの上側辺であると仮定すれば、該上側辺の最右縁位置から左へ連続するK個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定し、次に、このK個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、新たな上側辺を取得することができる。このとき、新たな上側辺の辺長及び所定の候補画素数に基づいて該新たな上側辺に対応する候補位置を決定することができ、それにより選択された候補画素により隣接参照画素サブセットを構成する。少なくとも1つの辺が現在ブロックの左側辺である場合、該左側辺の最下縁位置から上へ連続するK個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定し、次に、このK個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、新たな左側辺を取得することができる。このとき、新たな左側辺の辺長及び所定の候補画素数に基づいて該新たな左側辺に対応する候補位置を決定することができ、それにより選択された候補画素により隣接参照画素サブセットを構成する。
【0077】
このように、本願の実施例は現在ブロックに隣接する参照画素点に基づいて取得した隣接参照画素のうちの一部の画素(即ち、隣接参照画素サブセット)を使用して、複雑モデル(例えば、非線形モデル又はマルチモデル)に対応するモデルパラメータを導出する。取得されたサブセット(即ち、隣接参照画素サブセット)から重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去したため、より少ない参照画素点個数を有する。そうすると、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、複雑モデルの精度も向上させ、それにより処理対象画像成分の予測正確度及びビデオ画像の予測効率を向上させる目的を実現することができる。
【0078】
更に、隣接参照画素サブセットを決定した後、該隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算して、予測モデルを構築することができる。該予測モデルはN個の予測サブモデルを含んでもよく、Nが2以上の正の整数である。従って、いくつかの実施例では、S303にとって、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算することは、
前記隣接参照画素サブセットに基づいてN個の第1隣接参照画素サブセットを構築することと、
前記N個の第1隣接参照画素サブセットに基づいて、前記N個の予測サブモデルに対応するN組のモデルパラメータを計算し、各予測サブモデルが1組のモデルパラメータに対応することと、を含んでもよい。
【0079】
更に、前記隣接参照画素サブセットに基づいてN個の第1隣接参照画素サブセットを構築することは、
前記隣接参照画素サブセットに基づいて少なくとも1つの閾値を決定することと、
前記少なくとも1つの閾値に基づいて、前記隣接参照画素サブセットを前記N個の第1隣接参照画素サブセットに分割することと、を含んでもよい。
【0080】
なお、閾値は隣接参照画素サブセットに含まれる参照画素点を分類する根拠であるとともに、現在ブロックの第1画像成分再設定値の分類根拠でもある。また、閾値は更に複数の予測サブモデルを設定するように指示するために根拠となる設定値であり、閾値の大きさは、該現在ブロックにおけるすべての画素点に対応する第1画像成分再設定値に関連する。
【0081】
具体的に、閾値の大きさは、該現在ブロックにおけるすべての画素点に対応する第1画像成分再設定値の平均値を計算することにより取得されてもよく、該現在ブロックにおけるすべての画素点の第1画像成分再設定値の中央値を計算することにより取得されてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
更に、いくつかの実施例では、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算した後、該方法は更に、
前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値を決定することと、
前記N個の予測サブモデルから1つの予測サブモデルを選択することと、
選択された予測サブモデル及び前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値に基づいて、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第2画像成分予測値を計算し、前記予測対象画像成分が第2画像成分であることと、を含んでもよい。
【0086】
更に、前記N個の予測サブモデルから1つの予測サブモデルを選択することは、
前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値と前記少なくとも1つの閾値とを比較することと、
比較結果に基づいて、前記N個の予測サブモデルから前記現在ブロックにおける各画素に対応する予測サブモデルを選択することと、を含んでもよい。
【0087】
【0088】
更に、なお、少なくとも2つの予測サブモデルを設定した後、該現在ブロックにおける各画素点に対応する第1画像成分再設定値と少なくとも1つの閾値とを比較してもよく、比較結果に基づいて、前記少なくとも2つの予測サブモデルから各画素点に対応する予測サブモデルを選択し、次に、選択された予測サブモデルに基づいて予測対象画像成分を予測処理して、予測対象画像成分の予測値を取得する。
【0089】
【0090】
【0091】
具体的に、複雑モデル(例えば、2つ又は複数の線形モデルを含む)については、MMLMの予測モデルを利用して予測対象画像成分の予測処理を行うことができる。現在ブロックについては、異なる位置座標の画素点は、異なるモデルパラメータに対応する予測サブモデルペアを選択して、予測値を構築することができる。例えば、2つの線形モデルがあり、且つ該現在ブロックに2つの画素点m及びnがあり、この2つの画素点が2つの異なる再設定輝度値を有し、且つこの2つの再設定輝度値が異なる2つの間隔内にあると仮定する。
【0092】
【0093】
【0094】
これ以外に、本願の実施例はより複雑な予測モデル(例えば、より複雑な非線形モデル又はより複雑なマルチモデル)を構築することができ、成分間予測又は交差成分予測を実現することに用いられる。例えば、取得された再設定輝度値に基づいて色度値を予測してもよく、取得された再設定色度値に基づいて輝度値を予測してもよく、ひいては異なる色度値の間で予測してもよい。
【0095】
本実施例は画像成分予測方法を提供し、上記実施例の具体的な実現を詳しく説明したが、上記実施例の技術案から分かるように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより成分間予測においてモデルパラメータを導出するために必要なサンプル数を減少させ、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルも最適化し、予測モデルの精度を向上させる。また、本願は主に複雑モデル(非線形モデル又はマルチモデル)におけるモデルパラメータの導出過程を最適化し、少なくとも2つの予測サブモデルを利用して予測対象画像成分の予測処理を実現し、予測対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
【0096】
図7には本願の実施例に係る他の画像成分予測方法の模式的なフローチャートを示す。図7に示すように、該方法は、
画像における現在ブロックの第1画像成分の第1参照画素セットを決定し、前記第1参照画素セットには前記現在ブロックに隣接する画素が含まれるS701と、
第1参照画素セットを利用してN個の第1参照画素サブセットを構築し、前記第1参照画素サブセットに前記第1参照画素セットにおける一部の画素が含まれ、Nが予測モデルの数に等しいS702と、
前記N個の第1参照画素サブセットを利用して、それぞれN個の予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルは前記現在ブロックの第1画像成分値を前記現在ブロックの第2画像成分の予測値にマッピングすることに用いられ、前記第2画像成分が前記第1画像成分と異なるS703と、を含んでもよい。
【0097】
なお、ビデオ画像は複数の画像ブロックに分割されてもよく、各現在の符号化対象の画像ブロックは符号化ブロックと称されてもよい。各符号化ブロックは第1画像成分、第2画像成分及び第3画像成分を含んでもよいが、現在ブロックはビデオ画像における現在に第1画像成分、第2画像成分又は第3画像成分を予測することを待つ符号化ブロックである。予測モデルにより第1画像成分を予測する必要がある場合、予測対象画像成分は第1画像成分であり、予測モデルにより第2画像成分を予測する必要がある場合、予測対象画像成分は第2画像成分であり、予測モデルにより第3画像成分を予測する必要がある場合、予測対象画像成分は第3画像成分である。本願の実施例では、予測対象画像成分は第2画像成分を例として説明し、予測モデルにより現在ブロックの第1画像成分値を現在ブロックの第2画像成分の予測値にマッピングすることができる。
【0098】
更に、予測モデルは非線形モデル又は複雑モデルであってもよい。複雑モデルは二次曲線等の非線形形式の非線形モデルであってもよく、複数の線形モデルからなるマルチモデルであってもよい。そうすると、複雑モデルについては、現在ブロックの隣接参照画素には一部の重要ではない参照画素点(例えば、これらの参照画素点の関連性が比較的低い)又は一部の異常の参照画素点が存在する可能性があり、従って、モデルパラメータの導出の正確度を確保するために、これらの参照画素点を除去する必要があり、それにより参照画素サブセットを構築する。このように参照画素サブセットに基づいて決定したモデルパラメータがより正確であり、複雑モデルの精度を向上させるだけではなく、処理対象画像成分の予測正確度も向上させる。
【0099】
本実施例は画像成分予測方法を提供し、画像における現在ブロックの第1画像成分の第1参照画素セットを決定し、前記第1参照画素セットには前記現在ブロックに隣接する画素が含まれ、第1参照画素セットを利用してN個の第1参照画素サブセットを構築し、第1参照画素サブセットに前記第1参照画素セットにおける一部の画素が含まれ、Nが予測モデルの数に等しく、更に、前記N個の第1参照画素サブセットを利用して、それぞれN個の予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルは前記現在ブロックの第1画像成分値を前記現在ブロックの第2画像成分の予測値にマッピングすることに用いられ、前記第2画像成分が前記第1画像成分と異なる。このように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。また、少なくとも2つの予測サブモデルにより処理対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことにより、処理対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
【0100】
更に、いくつかの実施例では、S702にとって、前記第1参照画素セットを利用してN個の第1参照画素サブセットを構築することは、
前記第1参照画素セットに基づいて少なくとも1つの閾値を決定することと、
前記少なくとも1つの閾値に基づいて、前記第1参照画素セットを前記N個の第1参照画素サブセットに分割することと、を含んでもよい。
【0101】
なお、Nの値は2以上の正の整数である。
【0102】
更に、閾値は隣接参照画素サブセットに含まれる参照画素点を分類する根拠であるとともに、現在ブロックの第1画像成分再設定値の分類根拠でもある。また、閾値は更に複数の予測サブモデルを設定するように指示するために根拠となる設定値であり、閾値の大きさは、該現在ブロックにおけるすべての画素点に対応する第1画像成分再設定値に関連する。具体的に、閾値の大きさは、該現在ブロックにおけるすべての画素点に対応する第1画像成分再設定値の平均値を計算することにより取得されてもよく、該現在ブロックにおけるすべての画素点の第1画像成分再設定値の中央値を計算することにより取得されてもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0103】
いくつかの実施例では、S701にとって、前記画像における現在ブロックの第1画像成分の第1参照画素セットを決定することは、
前記現在ブロックの辺における一部又は全部の画素に基づいて、前記第1参照画素セットを取得し、前記現在ブロックの辺は上側隣接行、右上側隣接行、左側隣接列及び左下側隣接列のうちの少なくとも1つを含むことを含んでもよい。
【0104】
なお、現在ブロックの少なくとも1つの辺は上行(上側辺と称されてもよい)、右上行(右上側辺と称されてもよい)、左列(左側辺と称されてもよい)又は左下列(左下側辺と称されてもよい)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。これらの辺における一部の画素又は全部画素により第1参照画素セットを構成することができる。
【0105】
更に、現在ブロックの隣接参照画素には一部の重要ではない参照画素点(例えば、これらの参照画素点の関連性が比較的低い)又は一部の異常の参照画素点が存在する可能性があり、従って、隣接参照画素を選別する必要があり、選別された候補画素により第1参照画素セットを構成する。従って、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの辺における一部又は全部の画素に基づいて前記第1参照画素セットを取得することは、
前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することと、
前記候補位置の画素に基づいて前記第1参照画素セットを取得することと、を含んでもよい。
【0106】
更に、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺における画素に対応する画素位置に基づいて、前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0107】
更に、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺における画素に対応する第1画像成分値に基づいて、前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0108】
更に、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺における画素に対応する画素位置、及び前記現在ブロックの辺における画素に対応する第1画像成分値に基づいて、前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0109】
なお、第1画像成分値は主に画素の画像成分強度、例えば輝度値、色度値等を示すことに用いられ、ここで、画像成分値が大きければ大きいほど、画像成分強度が高くなると説明される。
【0110】
更に、本願の実施例の選択された参照画素は候補画素の候補位置により選択されたものであってもよい。候補位置は画素位置に基づいて決定したものであってもよく、第1画像成分値(例えば、輝度値、色度値等)に基づいて決定したものであってもよく、画素位置及び第1画像成分値に基づいて共同で決定したものであってもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。即ち、本願の実施例の選択された一部の参照画素点は、参照画素に対応する画素位置により選択されたものであってもよく、参照画素に対応する画像成分強度値(例えば、輝度値、色度値等)に基づいて選択したものであってもよい。参照画素に対応する画素位置それとも参照画素に対応する画像成分強度値により隣接参照画素を選別するかにかかわらず、いずれも適切な参照画素点を選択し、更に第1参照画素セットを構成する。そうすると、第1参照画素セットをN個の第1参照画素サブセットに分割した後、N個の第1参照画素サブセットに基づいて導出したモデルパラメータがより正確であり、該モデルパラメータに基づいて構築した予測モデルをより正確にする。
【0111】
更に、候補位置の決定については、まず、第1サンプリング間隔を計算し、次に、第1サンプリング間隔に基づいて該少なくとも1つの辺をサンプリング処理して、該少なくとも1つの辺に対応する候補画素の候補位置を決定してもよい。従って、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
所定の候補画素数を決定し、前記所定の候補画素数は前記現在ブロックの辺から選択された画素数を示すことと、
前記所定の画素数及び前記現在ブロックの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定し、前記現在ブロックの辺の長さが前記現在ブロックの辺における画素数に等しいことと、を含んでもよい。
【0112】
なお、所定の候補画素数は、予め設定されたサンプリング対象の画素点の個数、即ち隣接参照画素サブセットに含まれる画素の個数を示す。画素位置を例として、所定の候補画素数を決定した後、少なくとも1つの辺の辺長及び所定の候補画素数に基づいて候補画素の候補位置を算出し、次に、候補位置に基づいて、隣接参照画素から適切な参照画素点を選択して隣接参照画素サブセットを構成することができる。
【0113】
更に、候補位置の決定については、まず、第1サンプリング間隔を計算し、次に、第1サンプリング間隔に基づいて該少なくとも1つの辺をサンプリング処理して、該少なくとも1つの辺に対応する候補画素の候補位置を決定してもよい。従って、いくつかの実施例では、前記所定の候補画素数を決定した後、該方法は更に、
前記現在ブロックの辺の長さ及び前記所定の候補画素数に基づいて、第1サンプリング間隔を計算することを含んでもよい。
【0114】
更に、前記第1サンプリング間隔を計算した後、該方法は更に、
前記第1サンプリング間隔を調整して、第2サンプリング間隔を取得することを含んでもよい。
【0115】
更に、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺において基準点を決定し、前記基準点から前記第1サンプリング間隔で前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0116】
なお、基準点は前記少なくとも1つの辺の中点であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中点より左の1番目の参照画素点位置であってもよく、前記少なくとも1つの辺の中点より右の第1参照画素点位置であってもよく、ひいては前記少なくとも1つの辺の他の参照画素点位置であってもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0117】
更に、第1サンプリング間隔を算出した後、更に第1サンプリング間隔を微調整することができ、例えば、第1サンプリング間隔に1を加え、又は第1サンプリング間隔から1を引くことにより、第2サンプリング間隔を取得する。例えば、第1サンプリング間隔が4である場合、調整後の第2サンプリング間隔は3又は5であってもよい。本願の実施例では、第1サンプリング間隔の調整については、小幅(例えば、1を加え又は1を引く)の調整を行うことができるが、調整幅の具体的な設定については、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0118】
更に、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺において基準点を決定し、前記第1サンプリング間隔で前記基準点の両側の前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0119】
更に、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺において基準点を決定し、前記基準点から前記第2サンプリング間隔で前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0120】
更に、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺において基準点を決定し、前記第2サンプリング間隔で前記基準点の両側の前記候補位置を決定することを含んでもよい。
【0121】
更に、いくつかの実施例では、前記現在ブロックの辺において前記候補画素の候補位置を決定することは、
前記現在ブロックの辺において基準点を決定し、前記第1サンプリング間隔で前記基準点の片側に対応する候補位置を決定し、前記第2サンプリング間隔で前記基準点の他側に対応する候補位置を決定することを含んでもよい。
【0122】
なお、現在ブロックの少なくとも1つの辺の基準点を決定した後、第1サンプリング間隔又は第2サンプリング間隔に応じて均一にサンプリングしてもよく、第1サンプリング間隔及び第2サンプリング間隔に応じて非均一にサンプリングしてもよい。且つサンプリング後に決定した候補位置は、基準点の両側に対称に分布してもよく、基準点の両側に非対称に分布してもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0123】
更に、隣接参照画素の選別処理については、更に少なくとも1つの辺の参照画素点をスキップ処理してもよく、即ち重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点をスキップし(削除処理として見なしてもよい)、それにより隣接参照画素サブセットを取得する。これに基づいて、即ち少なくとも1つの辺の一部の参照画素点をスキップした後、残った参照画素点を選別処理してもよく、それにより隣接参照画素サブセットを取得する。従って、いくつかの実施例では、該方法は更に、
前記現在ブロックの辺の所定のスキップ画素数Kを決定し、Kが非負整数であることと、
前記現在ブロックの辺の端位置からK番目の画素位置を前記基準点として設定し、前記現在ブロックの辺の端位置が前記現在ブロックの辺の開始画素位置又は終了画素位置であることと、を含んでもよい。
【0124】
なお、所定のスキップ画素数は予め設定された削除対象又はスキップ対象の画素点の個数を示す。また、少なくとも1つの辺の開始位置は現在ブロックの上側辺の最左縁位置又は現在ブロックの左側辺の最上縁位置を示し、少なくとも1つの辺の終了位置は現在ブロックの上側辺の最右縁位置又は現在ブロックの左側辺の最下縁位置を示す。
【0125】
更に、Kの値は予め設定された参照画素点の個数、例えば1、2又は4等であってもよく、現在ブロックの辺長及びその対応の所定比率に基づいて算出したものであってもよいが、実際の応用では、依然として実際の状況に応じて設定され、本願の実施例は具体的に制限しない。現在ブロックの上側辺に対応する所定比率は第1所定比率で示されてもよく、現在ブロックの左側辺に対応する所定比率は第2所定比率で示されてもよく、第1所定比率及び第2所定比率の値は同じであってもよく、又は異なってもよく、本願の実施例は具体的に制限しない。
【0126】
更に、前記N個の第1参照画素サブセットを決定した後、該N個の第1参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算して、予測モデルを構築することができる。該予測モデルはN個の予測サブモデルを含んでもよく、Nが2以上の正の整数である。従って、いくつかの実施例では、前記N個の第1参照画素サブセットを利用して、それぞれN個の予測モデルのモデルパラメータを計算した後、該方法は更に、
前記現在ブロックにおける画素に対応する第1画像成分再設定値を決定することと、
前記N個の予測モデルから1つの予測モデルを選択することと、
選択された予測モデル及び前記現在ブロックにおける画素に対応する第1画像成分再設定値を利用して、前記現在ブロックにおける画素に対応する第2画像成分予測値を計算することと、を含んでもよい。
【0127】
更に、前記N個の予測モデルから1つの予測モデルを選択することは、
前記現在ブロックにおける画素に対応する第1画像成分再設定値と前記少なくとも1つの閾値とを比較することと、
比較結果に基づいて、前記N個の予測モデルから前記現在ブロックにおける画素が使用する予測モデルを選択することと、を含んでもよい。
【0128】
なお、N個の予測モデルを構築した後、該現在ブロックにおける各画素点に対応する第1画像成分再設定値と少なくとも1つの閾値とを比較し、比較結果に基づいて、N個の予測モデルから各画素点に対応する1つの予測モデルを選択し、次に、選択された予測モデルに基づいて予測対象画像成分を予測処理し、それにより予測対象画像成分の予測値を取得することができる。
【0129】
更に、予測モデルは非線形モデル又は複雑モデルであってもよい。複雑モデルは二次曲線等の非線形形式の非線形モデルであってもよく、複数の線形モデルからなるマルチモデルであってもよい。そうすると、複雑モデルについては、隣接参照画素サブセットから重要ではない参照画素点又は一部の異常の参照画素点を除去したため、隣接参照画素サブセットに基づいて決定したN組のモデルパラメータをより正確にし、それにより複雑モデルの精度を向上させ、且つ処理対象画像成分の予測正確度を向上させる。
【0130】
また、本願の実施例では、該画像成分予測方法がエンコーダ側に適用される場合、隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、次に、該隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、且つ算出されたモデルパラメータをビットストリームに書き込むことができ、該ビットストリームはエンコーダ側からデコーダ側に伝送される。それに対応して、該画像成分予測方法がデコーダ側に適用される場合、ビットストリームを解析することにより予測モデルのモデルパラメータを直接に取得することができ、又は、デコーダ側において、隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、次に、該隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算してもよく、それにより予測モデルを構築し、該予測モデルを利用して現在ブロックの少なくとも1つの画像成分に対して成分間予測処理を行う。
【0131】
本実施例は画像成分予測方法を提供し、上記実施例の具体的な実現を詳しく説明したが、上記実施例の技術案から分かるように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。また、少なくとも2つの予測サブモデルにより処理対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことにより、処理対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
【0132】
上記実施例と同じ発明構想に基づいて、図8には本願の実施例に係るエンコーダ80の構成模式図を示す。該エンコーダ80は第1決定ユニット801、第1構築ユニット802及び第1計算ユニット803を備えてもよく、
前記第1決定ユニット801は、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、
前記第1構築ユニット802は、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、
前記第1計算ユニット803は、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。
【0133】
上記解決手段では、図8に示すように、エンコーダ80は更に第1取得ユニット804を備えてもよい。該第1取得ユニット804は、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素を取得し、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺は上行、右上行、左列及び左下列のうちの少なくとも1つを含み、取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得するように設定される。
【0134】
上記解決手段では、図8に示すように、エンコーダ80は更に第1選択ユニット805を備えてもよく、
前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定するように設定され、
前記第1選択ユニット805は、前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成するように設定される。
【0135】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0136】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0137】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0138】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、所定の候補画素数を決定し、前記所定の候補画素数は前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素からサンプリングされた画素数を示し、前記所定の候補画素数及び前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定し、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さは前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に含まれる画素数に等しいように設定される。
【0139】
上記解決手段では、前記第1計算ユニット803は更に、前記所定の候補画素数及び前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1サンプリング間隔を計算するように設定され、
前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1サンプリング間隔に応じて前記候補位置を決定するように設定される。
【0140】
上記解決手段では、図8に示すように、エンコーダ80は更に第1調整ユニット806を備えてもよく、該第1調整ユニット806は、前記第1サンプリング間隔を調整して、第2サンプリング間隔を取得するように設定され、
前記第1決定ユニット801は更に、前記基準点に基づいて、前記第2サンプリング間隔に応じて前記候補位置を決定するように設定される。
【0141】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、前記基準点に基づいて、前記第1サンプリング間隔に応じて前記基準点の片側に対応する候補位置を決定し、前記第2サンプリング間隔に応じて前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するように設定される。
【0142】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に対応する所定のスキップ画素数Kを決定し、Kが1以上の正の整数であり、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は終了位置から、K個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定し、前記K個のスキップ対象画素点に対応する位置に基づいて、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は終了位置から、K個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、前記現在ブロックの少なくとも1つの新たな辺を取得し、前記現在ブロックの少なくとも1つの新たな辺及び前記所定の候補画素数に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0143】
上記解決手段では、前記第1構築ユニット802は、前記隣接参照画素サブセットに基づいてN個の第1隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、
前記第1計算ユニット803は、前記N個の第1隣接参照画素サブセットに基づいて、前記N個の予測サブモデルに対応するN組のモデルパラメータを計算するように設定され、各予測サブモデルは1組のモデルパラメータに対応する。
【0144】
上記解決手段では、図8に示すように、エンコーダ80は更に第1分割ユニット807を備えてもよく、
前記第1決定ユニット801は更に、前記隣接参照画素サブセットに基づいて少なくとも1つの閾値を決定するように設定され、
前記第1分割ユニット807は、前記少なくとも1つの閾値に基づいて、前記隣接参照画素サブセットを前記N個の第1隣接参照画素サブセットに分割するように設定される。
【0145】
上記解決手段では、前記第1決定ユニット801は更に、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値を決定するように設定され、
前記第1選択ユニット805は更に、前記N個の予測サブモデルから1つの予測サブモデルを選択するように設定され、
前記第1計算ユニット803は更に、選択された予測サブモデル及び前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値に基づいて、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第2画像成分予測値を計算するように設定され、前記予測対象画像成分は第2画像成分である。
【0146】
上記解決手段では、図8に示すように、エンコーダ80は更に第1比較ユニット808を備えてもよく、該第1比較ユニット808は、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値と前記少なくとも1つの閾値とを比較するように設定され、
前記第1選択ユニット805は更に、比較結果に基づいて、前記N個の予測サブモデルから前記現在ブロックにおける各画素に対応する予測サブモデルを選択するように設定される。
【0147】
理解されるように、本願の実施例では、「ユニット」は一部の回路、一部のプロセッサ、一部のプログラム又はソフトウェア等であってもよく、当然ながら、モジュールであってもよく、モジュール化されていないものであってもよい。且つ、本実施例の各構成部分は1つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットは独立して物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットは1つのユニットに統合されてもよい。上記統合されたユニットはハードウェアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0148】
前記統合されたユニットはソフトウェア機能モジュールの形式で実現され、独立した製品として販売又は使用されるとき、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本実施例の技術案の本質的又は従来技術に貢献する部分、又は該技術案の全部又は一部はソフトウェア製品の形式で具現されてもよい。該コンピュータソフトウェア製品は、1台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置等であってもよい)又はprocessor(プロセッサ)に本実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む1つの記憶媒体に記憶される。そして、上記記憶媒体はUSBメモリ、ポータブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0149】
従って、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供し、該コンピュータ記憶媒体に画像成分予測プログラムが記憶され、前記画像成分予測プログラムが少なくとも1つのプロセッサにより実行されるとき、上記実施例のいずれか1項に記載の方法を実現する。
【0150】
上記エンコーダ80の構成及びコンピュータ記憶媒体に基づいて、図9には本願の実施例に係るエンコーダ80の具体的なハードウェアの構造例を示し、第1通信インターフェース901、第1メモリ902及び第1プロセッサ903を備えてもよい。各コンポーネントは第1バスシステム904によって一体に結合される。理解されるように、第1バスシステム904はこれらのコンポーネントの間の接続通信を実現することに用いられる。第1バスシステム904はデータバスのほか、更に電源バス、制御バス及び状態信号バスを含むが、明確に説明するために、図9では様々なバスがいずれも第1バスシステム904と記され、
第1通信インターフェース901は、他の外部ネットワーク要素との情報送受信過程において、信号を送受信することに用いられ、
第1メモリ902は、第1プロセッサ903において実行され得るコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、
第1プロセッサ903は、前記コンピュータプログラムを実行するとき、
画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することと、
前記隣接参照画素に基づいて、前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれる隣接参照画素サブセットを構築することと、
前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数であることと、を実行することに用いられる。
【0151】
理解されるように、本願の実施例では、第1メモリ902は揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、又は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含んでもよい。不揮発性メモリは読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM、Programmable ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM、Erasable PROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM、Electrically EPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは外部キャッシュメモリとして使用されるランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)であってもよい。例示的な説明であって制限的ではないが、多くの形式のRAM、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM、Static RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM、Dynamic RAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM、Synchronous DRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM、Double Data Rate SDRAM)、拡張型シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(ESDRAM、Enhanced SDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(SLDRAM、Synchlink DRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(DRRAM、Direct Rambus RAM)は利用可能である。本願に説明されるシステム及び方法の第1メモリ902はこれらのメモリ及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むが、それらに限らないように意図されるものである。
【0152】
第1プロセッサ903は信号処理機能を有する集積回路チップでありうる。実現過程において、上記方法の各ステップは第1プロセッサ903におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令で行われてもよい。上記第1プロセッサ903は汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP、Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field Programmable Gate Array)又は他のプログラマブルロジックデバイス、個別ゲート又はトランジスタロジックデバイス、個別ハードウェアコンポーネントであってもよい。本願の実施例に開示される各方法、ステップ及び論理ブロックを実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよく、又は該プロセッサはいかなる通常のプロセッサ等であってもよい。本願の実施例に開示される方法のステップはハードウェア復号プロセッサで遂行し、又は復号プロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせで遂行するように直接具現されてもよい。ソフトウェアモジュールはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ又は電気消去可能プログラム可能メモリ、レジスタ等の本分野で成熟している記憶媒体に位置してもよい。該記憶媒体は第1メモリ902に位置し、第1プロセッサ903は第1メモリ902における情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを行う。
【0153】
理解されるように、本願に説明されるこれらの実施例はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はそれらの組み合わせにより実現されてもよい。ハードウェアによる実現については、処理ユニットは1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuits)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP、Digital Signal Processing)、デジタル信号処理装置(DSPD、DSP Device)、プログラマブルロジックデバイス(PLD、Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本願に記載の機能を実行するための他の電子ユニット又はそれらの組み合わせにおいて実現されてもよい。ソフトウェアによる実現については、本願に記載の機能を実行するモジュール(例えば、過程、関数等)により本願に記載の技術を実現することができる。ソフトウェアコードはメモリに記憶されることができ、プロセッサにより実行される。メモリはプロセッサの内部又はプロセッサの外部で実現されることができる。
【0154】
選択肢として、他の実施例として、第1プロセッサ903は更に、前記コンピュータプログラムを実行するとき、上記実施例のいずれか1項に記載の方法を実行するように設定される。
【0155】
本実施例はエンコーダを提供する。該エンコーダは第1決定ユニット、第1構築ユニット及び第1計算ユニットを備えてもよい。第1決定ユニットは、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定される。第1構築ユニットは、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれる。第1計算ユニットは、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。そうすると、隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。
【0156】
上記実施例と同じ発明構想に基づいて、図10には本願の実施例に係るデコーダ100の構成模式図を示す。該デコーダ100は第2決定ユニット1001、第2構築ユニット1002及び第2計算ユニット1003を備えてもよく、
前記第2決定ユニット1001は、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、
前記第2構築ユニット1002は、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、前記隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、
前記第2計算ユニット1003は、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。
【0157】
上記解決手段では、図10に示すように、デコーダ100は更に第2取得ユニット1004を備えてもよい。該第2取得ユニット1004は、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素を取得し、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺は上行、右上行、左列及び左下列のうちの少なくとも1つを含み、取得された参照画素に基づいて、前記隣接参照画素を取得するように設定される。
【0158】
上記解決手段では、図10に示すように、デコーダ100は更に第2選択ユニット1005を備えてもよく、
前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に基づいて前記候補画素の候補位置を決定するように設定され、
前記第2選択ユニット1005は、前記隣接参照画素から前記候補位置に対応する参照画素を選択し、選択された参照画素により前記隣接参照画素サブセットを構成するように設定される。
【0159】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0160】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0161】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素に対応する画素位置及び画像成分強度値に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0162】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、所定の候補画素数を決定し、前記所定の候補画素数は前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に隣接する参照画素からサンプリングされた画素数を示し、前記所定の候補画素数及び前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さに基づいて、前記候補位置を決定し、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さは前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に含まれる画素数に等しいように設定される。
【0163】
上記解決手段では、前記第2計算ユニット1003は更に、前記所定の候補画素数及び前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の長さに基づいて、第1サンプリング間隔を計算するように設定され、
前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺から1つの基準点を決定し、前記第1サンプリング間隔に応じて前記候補位置を決定するように設定される。
【0164】
上記解決手段では、図10に示すように、デコーダ100は更に第2調整ユニット1006を備えてもよく、該第2調整ユニット1006は、前記第1サンプリング間隔を調整して、第2サンプリング間隔を取得するように設定され、
前記第2決定ユニット1001は更に、前記基準点に基づいて、前記第2サンプリング間隔に応じて前記候補位置を決定するように設定される。
【0165】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、前記基準点に基づいて、前記第1サンプリング間隔に応じて前記基準点の片側に対応する候補位置を決定し、前記第2サンプリング間隔に応じて前記基準点の他側に対応する候補位置を決定するように設定される。
【0166】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺に対応する所定のスキップ画素数Kを決定し、Kが1以上の正の整数であり、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は終了位置から、K個のスキップ対象画素点に対応する位置を決定し、前記K個のスキップ対象画素点に対応する位置に基づいて、前記現在ブロックの少なくとも1つの辺の開始位置及び/又は終了位置から、K個のスキップ対象画素点を連続的にスキップして、前記現在ブロックの少なくとも1つの新たな辺を取得し、前記現在ブロックの少なくとも1つの新たな辺及び前記所定の候補画素数に基づいて、前記候補位置を決定するように設定される。
【0167】
上記解決手段では、前記第2構築ユニット1002は、前記隣接参照画素サブセットに基づいてN個の第1隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、
前記第2計算ユニット1003は、前記N個の第1隣接参照画素サブセットに基づいて、前記N個の予測サブモデルに対応するN組のモデルパラメータを計算するように設定され、各予測サブモデルは1組のモデルパラメータに対応する。
【0168】
上記解決手段では、図10に示すように、デコーダ100は更に第2分割ユニット1007を備えてもよく、
前記第2決定ユニット1001は更に、前記隣接参照画素サブセットに基づいて少なくとも1つの閾値を決定するように設定され、
前記第2分割ユニット1007は、前記少なくとも1つの閾値に基づいて、前記隣接参照画素サブセットを前記N個の第1隣接参照画素サブセットに分割するように設定される。
【0169】
上記解決手段では、前記第2決定ユニット1001は更に、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値を決定するように設定され、
前記第2選択ユニット1005は更に、前記N個の予測サブモデルから1つの予測サブモデルを選択するように設定され、
前記第2計算ユニット1003は更に、選択された予測サブモデル及び前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値に基づいて、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第2画像成分予測値を計算するように設定され、前記予測対象画像成分は第2画像成分である。
【0170】
上記解決手段では、図10に示すように、デコーダ100は更に第2比較ユニット1008を備えてもよく、該第2比較ユニット1008は、前記現在ブロックにおける各画素に対応する第1画像成分再設定値と前記少なくとも1つの閾値とを比較するように設定され、
前記第2選択ユニット1005は更に、比較結果に基づいて、前記N個の予測サブモデルから前記現在ブロックにおける各画素に対応する予測サブモデルを選択するように設定される。
【0171】
理解されるように、本実施例では、「ユニット」は一部の回路、一部のプロセッサ、一部のプログラム又はソフトウェア等であってもよく、当然ながら、モジュールであってもよく、モジュール化されていないものであってもよい。且つ、本実施例の各構成部分は1つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットは独立して物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットは1つのユニットに統合されてもよい。上記統合されたユニットはハードウェアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0172】
前記統合されたユニットはソフトウェア機能モジュールの形式で実現され、独立した製品として販売又は使用されるとき、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本実施例はコンピュータ記憶媒体を提供し、該コンピュータ記憶媒体に画像成分予測プログラムが記憶され、前記画像成分予測プログラムが第2プロセッサにより実行されるとき、上記実施例のいずれか1項に記載の方法を実現する。
【0173】
上記デコーダ100の構成及びコンピュータ記憶媒体に基づいて、図11には本願の実施例に係るデコーダ100の具体的なハードウェア構造を示し、第2通信インターフェース1101、第2メモリ1102及び第2プロセッサ1103を備えてもよく、各コンポーネントは第2バスシステム1104によって一体に結合される。理解されるように、第2バスシステム1104はこれらのコンポーネントの間の接続通信を実現することに用いられる。第2バスシステム1104はデータバスのほか、更に電源バス、制御バス及び状態信号バスを含むが、明確に説明するために、図11では様々なバスがいずれも第2バスシステム1104と記され、
第2通信インターフェース1101は、他の外部ネットワーク要素との情報送受信過程において、信号を送受信することに用いられ、
第2メモリ1102は、第2プロセッサ1103において実行され得るコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、
第2プロセッサ1103は、前記コンピュータプログラムを実行するとき、
画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定することと、
前記隣接参照画素に基づいて、前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれる隣接参照画素サブセットを構築することと、
前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、前記予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、前記予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数であることと、を実行することに用いられる。
【0174】
選択肢として、他の実施例として、第2プロセッサ1103は更に、前記コンピュータプログラムを実行するとき、上記実施例のいずれか1項に記載の方法を実行するように設定される。
【0175】
理解されるように、第2メモリ1102及び第1メモリ902のハードウェア機能は類似し、第2プロセッサ1103及び第1プロセッサ903のハードウェア機能は類似するため、ここで詳細な説明は省略する。
【0176】
本実施例はデコーダを提供し、該デコーダは第2決定ユニット、第2構築ユニット及び第2計算ユニットを備えてもよい。第2決定ユニットは、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定するように設定され、第2構築ユニットは、前記隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築するように設定され、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、第2計算ユニットは、前記隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算するように設定され、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。そうすると、隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。
【0177】
なお、本願では、用語「含む」、「包含」又はそのいかなる変形は非排他的包含を網羅することが意図され、それにより一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置はそれらの要素を含むだけではなく、明確に列挙しない他の要素も含み、又はこのような過程、方法、物品又は装置固有の要素も含む。特に制限しない限り、語句「〇〇を含む」により制限される要素は、該要素を含む過程、方法、物品又は装置には他の同じ要素が更に存在することを排除しない。
【0178】
上記本願の実施例の番号は説明のためのものに過ぎず、実施例の優劣を代表しない。
【0179】
衝突しない限り、本願に係るいくつかの方法実施例に開示される方法は、任意に組み合わせられてもよく、それにより新たな方法実施例を取得する。
【0180】
衝突しない限り、本願に係るいくつかの製品実施例に開示される特徴は、任意に組み合わせられてもよく、それにより新たな製品実施例を取得する。
【0181】
衝突しない限り、本願に係るいくつかの方法又は装置実施例に開示される特徴は、任意に組み合わせられてもよく、それにより新たな方法実施例又は装置実施例を取得する。
【0182】
以上の説明は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を制限するためのものではない。当業者が本願に開示される技術的範囲内で容易に想到し得る変更や置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲に準じるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本願の実施例では、まず、画像における現在ブロックの隣接参照画素を決定し、次に、隣接参照画素に基づいて隣接参照画素サブセットを構築し、隣接参照画素サブセットに前記隣接参照画素のうちの一部の画素が含まれ、更に、隣接参照画素サブセットに基づいて予測モデルのモデルパラメータを計算し、予測モデルはN個の予測サブモデルを含み、N個の予測サブモデルはN組のモデルパラメータに対応し、予測サブモデルは対応のモデルパラメータによって予測対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことに用いられ、Nが2以上の正の整数である。このように、現在ブロックの隣接参照画素を選別処理することにより、重要ではない参照画素点又は異常の参照画素点を除去することができ、それにより隣接参照画素セットにおける画素の個数を減少させ、隣接参照画素サブセットにおける画素の個数を比較的少なくし、計算複雑性及びメモリ帯域幅を低減するだけではなく、予測モデルの精度も向上させる。また、少なくとも2つの予測サブモデルにより処理対象画像成分に対して成分間予測処理を行うことにより、処理対象画像成分の予測正確度を向上させるとともに、ビデオ画像の予測効率も向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11